特開2020-54606(P2020-54606A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特開2020-54606香料取り扱い装置、サーバ、および情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-54606(P2020-54606A)
(43)【公開日】2020年4月9日
(54)【発明の名称】香料取り扱い装置、サーバ、および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 21/02 20060101AFI20200313BHJP
   A61B 5/16 20060101ALI20200313BHJP
【FI】
   A61M21/02 J
   A61B5/16 110
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-187076(P2018-187076)
(22)【出願日】2018年10月2日
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148275
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100136319
【弁理士】
【氏名又は名称】北原 宏修
(74)【代理人】
【識別番号】100142745
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 世子
(74)【代理人】
【識別番号】100143498
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 健
(72)【発明者】
【氏名】竹中 裕喜雄
(72)【発明者】
【氏名】岩田 昇
【テーマコード(参考)】
4C038
【Fターム(参考)】
4C038PP03
4C038PR00
4C038PS00
(57)【要約】
【課題】効果的に香料を利用することができる香料取り扱い装置、サーバ、または情報処理方法を提供する。
【解決手段】香料放出ユニット190と、ユーザの自律神経に関する状態値を取得するためのセンサ150と、香料の種類と、自律神経に関する状態値の変化の程度と、の対応関係を記憶するメモリ120と、香料放出ユニット190を介して放出した香料の種類と、センサ150からのデータに基づいて、対応関係を更新するためのプロセッサ110とを備える、香料取り扱い装置100が提供される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
香料放出ユニットと、
ユーザの自律神経に関する状態値を取得するためのセンサと、
香料の種類と、前記自律神経に関する状態値の変化の程度と、の対応関係を記憶するメモリと、
前記香料放出ユニットを介して放出した香料の種類と、前記センサからのデータに基づいて、前記対応関係を更新するためのプロセッサとを備える、香料取り扱い装置。
【請求項2】
自律神経に関する目標を受け付ける入力部をさらに備え、
前記プロセッサは、前記入力部を介して受け付けた前記目標に基づいて、前記対応関係を参照して、発生すべき香料の種類と量とを決定して、前記香料放出ユニットに香料を発生させる、請求項1に記載の香料取り扱い装置。
【請求項3】
前記メモリは、自律神経の推移に関する情報も記憶し、
前記プロセッサは、前記自律神経の推移に関する情報も利用して、前記対応関係を更新し、前記発生すべき香料の種類と量とを決定する、請求項2に記載の香料取り扱い装置。
【請求項4】
香料発生装置と通信するための通信インターフェイスと、
香料の種類と、自律神経に関する状態値の変化の程度と、の対応関係を記憶するメモリと、
前記通信インターフェイスを介して、前記香料発生装置を介して放出した香料の種類と前記香料発生装置からのデータとに基づいて、前記対応関係を更新するためのプロセッサとを備えるサーバ。
【請求項5】
香料の種類と、自律神経に関する状態値の変化の程度と、の対応関係を記憶するステップと、
香料発生装置が放出した香料の種類と前記香料発生装置が取得したデータとを取得するステップと、
取得したデータに基づいて前記対応関係を更新するステップと、を備える情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下の開示は、香料を効率的に利用するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、香料を有効に利用するための技術が知られている。例えば、特開2007−54446号公報(特許文献1)には、香料放出方法及び香料放出装置が開示されている。特許文献1によると、はじめに生体の生体情報を計測手段で計測する。計測した生体情報を検知手段で解析し、この解析に基づいて、所望の香り空間を提供できるように香料の種類と吐出態様の情報を制御手段で制御する。この制御された放出条件に基づいて放出手段により空間への香料の放出を行う。香料放出後は、これらの工程を繰り返し行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−54446号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の目的は、効果的に香料を利用することができる香料取り扱い装置、サーバ、または情報処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明のある態様に従うと、香料放出ユニットと、ユーザーの自律神経に関する状態値を取得するためのセンサと、香料の種類と、自律神経に関する状態値の変化の程度と、の対応関係を記憶するメモリと、香料放出ユニットを介して放出した香料の種類と、センサからのデータに基づいて、対応関係を更新するためのプロセッサとを備える、香料取り扱い装置が提供される。
【発明の効果】
【0006】
以上のように、本開示によれば、効果的に香料を利用することができる香料取り扱い装置、サーバ、または情報処理方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1の実施の形態にかかる香料取り扱い装置100の全体構成を示す図である。
図2】交感神経と副交感神経の推移の一例を示すグラフである。
図3】第1の実施の形態にかかる寄与テーブルを示す図である。
図4】第1の実施の形態にかかる香料取り扱い装置100における基本的な香料取り扱い処理を示すフローチャートである。
図5】第1の実施の形態にかかる香料取り扱い装置100におけるユーザーに適した香料取り扱い処理を示すフローチャートである。
図6】第1の実施の形態にかかるユーザーの現在の状態および今後の目標の対応関係データを示す図である。
図7】第1の実施の形態にかかる寄与テーブルの更新の概要を示すイメージ図である。
図8】第1の実施の形態にかかる自律神経の変化の予測と実測との関係を示すイメージ図である。
図9】第2の実施の形態にかかる寄与テーブルの更新の第1の概要を示すイメージ図である。
図10】第2の実施の形態にかかる寄与テーブルの更新の第2の概要を示すイメージ図である。
図11】第3の実施の形態にかかる自律神経の変化の予測と実測との第1の関係を示すイメージ図である。
図12】第3の実施の形態にかかる自律神経の変化の予測と実測との第2の関係を示すイメージ図である。
図13】第4の実施の形態にかかる香料取り扱いシステム1の全体構成を示す図である。
図14】第4の実施の形態にかかるサーバ300の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しつつ、本開示の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
<第1の実施の形態>
【0009】
まず、図1を参照して、本実施の形態にかかる香料取り扱い装置100の構成について説明する。図1は、本実施の形態にかかる香料取り扱い装置100の全体構成を示す図である。なお、香料取り扱い装置100は、電子タバコのような形態であってもよいし、アロマディフューザーの形態であってもよいし、空気清浄機や室内エアコンやカーエアコンや掃除機のような形態であってもよいものである。
【0010】
本実施の形態にかかる香料取り扱い装置100は、主な構成として、制御回路110と、メモリ120と、入力部130と、入力パネル131と、各種のセンサ150と、タイマ170と、香料貯蔵容器180と、香料放出ユニット190とを有する。
【0011】
制御回路110は、CPU(Central Processing Unit)などによって実現され、メモリ120に格納されているプログラムなどを実行することによって香料取り扱い装置100の各部を制御する。たとえば、制御回路110は、後述する図4図5に記載の処理を実行する。
【0012】
メモリ120は、各種のRAM(Random Access Memory)、各種のROM(Read-Only Memory)などによって実現され、香料取り扱い装置100に内包されているものであってもよいし、香料取り扱い装置100の各種インターフェイスに着脱可能なものであってもよいし、香料取り扱い装置100からアクセス可能な他の装置の記録媒体であってもよい。メモリ120は、制御回路110のCPUによって実行される制御プログラムや、自律神経に関する状態値の推移のグラフのデータや、香料による自律神経に対する寄与の大きさを示す寄与データなど各種のデータなどを記憶する。
【0013】
なお、自律神経に関する状態値の推移のグラフは、たとえば、図2に示すように、交感神経の活発さの程度と時刻との対応関係や、副交感神経の活発さの程度と時刻との対応関係などを含む。なお、交感神経が活発になると、体温が上昇し、活動量が増す、労働や学習のパフォーマンスが上昇する。副交感神経が活発になると体温が低下し、リラックスでき、睡眠前や睡眠中に副交感神経が強く働くと快眠が得られる。そして、図2に示すように、自律神経は、毎日、ある程度一定のリズムで変化するとされる(概日リズム、サーカディアンリズム)。また、運動、食事、精神的ストレス、快適さ、などの外乱要因によっても自律神経は影響を受ける。日常的な使用条件のもとで、香料が測定対象の自律神経に与える効果を測定する場合、概日リズムによる変動、外乱による変動と香料による変動を切り分ける必要がある。
【0014】
寄与データは、たとえば、図3に示すように、香料と、自律神経に関する数値、ここでは後述するLF/HFに与える寄与率と、t分後に心拍数に与える寄与率などの対応関係を含む。
【0015】
入力部130は、入力パネル131や他の装置からデータの入力を受け付けるインターフェイスである。本実施の形態においては、ユーザーは、入力パネル131を介して、香料取り扱い装置100に、目標となる自律神経に関するデータを入力したり、好きな香料の種類を入力したりすることができる。たとえば、入力パネル131は、香料取り扱い装置100に搭載されているものであってもよいし、スマートフォンが入力パネル131の役割を担い、入力部130からスマートフォンからのデータを受信する通信インターフェイスであってもよい。
【0016】
センサ150は、生体情報取得デバイスとしての各種のセンサを含む。たとえば、ユーザーの脳波を検知するための光電容量脈波計や、ユーザーの温度を検知するための赤外センサや、顔や手のひらの脈波を測定するための画像センサや、心電計や、心臓の拍動を測定するためのマイクロ波センサなどがあげられる。本実施の形態においては、制御回路110が、各種センサ150からのデータに基づいて、心拍変動(HRV)の高周波成分(HF)と低周波成分(LF)の比率(LF/HF)に基づいて自律神経を評価するものである。
【0017】
心電信号を用いた自律神経の評価方法は、たとえば特開2015−112423号公報などに開示されている。心電信号の最も大きなピークをR波とし、心電信号を1分間以上測定し続けた後に、R波−R波間隔(RRI)を周波数解析し、周波数が0.05Hzから0.15Hzまでの積分値をLF成分とし、周波数が0.15Hzから0.40Hzまでの積分値をHF成分とすると、その比率(LF/HF)が大きいほど交感神経が優位な状態とみなせる。この周波数解析を継続して行い、LF/HFの変動を記録することで、自律神経状態の変動を評価することができる。
【0018】
上記の自律神経評価方法は、指先や手首に装着した光電式脈波センサを用いて検出した心拍変動間隔から計算したRRIデータを用いて行ってもよいし、ドップラーセンサを用いて検出した心臓の拍動間隔から計算したRRIデータを用いて行ってもよい。
【0019】
なお、自律神経に関する状態値はLF/HFに限るものではないし、制御回路110やセンサによるLF/HFの取得方法に関しても特に限定するものではない。
【0020】
タイマ170は、現在の日時を制御回路110に提供したり、所定のタイミングからの経過時間を測定して制御回路110に提供したりする。
【0021】
香料貯蔵容器180は、複数のタンクを含む。複数のタンクのそれぞれには様々な種類の香料の溶液が貯蔵される。複数のタンクのうち一つのタンクの中に複数の香料が混ぜて貯蔵されていてもよいし、1種類の香料が貯蔵されていてもよい。たとえば、交感神経を高めるハーブとして、ローズマリー、シネオール、レモン、フェンネル、エストラゴン、イランイラン、ペパーミント、ゼラニウムエジプト、レモングラス、コリアンダーなどを貯蔵しておくことが好ましい。また、副交感神経を高めるハーブとして、カモミール、ジャスミン、ラベンダー、セドロール、スギ、ヒバなどを貯蔵しておくことが好ましい。
【0022】
香料放出ユニット190は、制御回路110からの指令に基づいて、指定された香料のタンクから、指定された量の香料を外部に出力する。
<香料取り扱い装置100の基本データの作成処理>
【0023】
次に、図4を参照して、本実施の形態にかかる香料取り扱い装置100における基本的な香料取り扱い処理について説明する。
【0024】
制御回路110は、センサ150からのデータに基づいて、N回目の生体情報を取得する(ステップS102)。
【0025】
制御回路110は、取得した生体情報および時刻情報に基づき、自律神経の推移予測モデルを作成する(ステップS104)。たとえば、制御回路110は、N−1回目の値と、N回目の値とに基づいて、1次関数の推移予測モデルを作成する。
【0026】
制御回路110は、推移予測モデルと、ユーザーが期待する効果すなわち目標値とに基づき、自律神経の指標に基づいて、香料の種類や放出量などを決定する(ステップS106)。
【0027】
制御回路110は、放出する香料の種類や放出量に基づいて、自律神経の推移予測値を修正する(ステップS108)。なお、修正後の予測値を予測値Aとする。
【0028】
制御回路110は、香料放出ユニット190を制御して、指定の香料を香料貯蔵容器180から取り出して、外部に放出する(ステップS110)。
【0029】
制御回路110は、香料放出後、各種センサ150を介して、N+1回目の生体情報を取得する(ステップS112)。
【0030】
制御回路110は、香料の放出後、香料の効果を加味した自律神経指標、すなわち実測値Bを算出する(ステップS114)。
【0031】
制御回路110は、ステップS108で算出した予測値Aと、N+1回目で算出した実測値Bとの誤差Cを算出する(ステップS116)。
【0032】
制御回路110、誤差Cをメモリ120に蓄積し、今後の香料の種類の決定や放出量の決定のために各種のデータにフィードバックさせる(ステップS118)。
【0033】
なお、制御回路110は、N+1回目の後で、再度、香料の種類や放出量を決定してもよい。そして、制御回路110は、ステップS104からの処理を複数回繰り返して、データの精度を高めることも好ましい。
<香料取り扱い装置100の基本データの取り扱い処理>
【0034】
次に、図5を参照して、本実施の形態にかかる香料取り扱い装置100におけるユーザー毎に適した香料取り扱い処理について説明する。
【0035】
制御回路110は、入力部130を介して、ユーザーから現在の状態と指令値すなわち今後のユーザー目標とを受け付ける(ステップS202)。制御回路110は、メモリ120に、図6に示すような、現在の状態と、ユーザーの目標と、目標に対する自律神経に関する数値の条件などを記憶する。
【0036】
制御回路110は、センサ150からのデータに基づいて、現在の生体指標、たとえばLF/HF値など、を取得する(ステップS204)。
【0037】
制御回路110は、自律神経に関する状態テーブルと、現在のユーザーの生体指標とに基づいて一定時間後の生体指標の予測値Aを算出する(ステップS206)。状態テーブルとは、たとえば、自律神経に関する状態値の推移のグラフのデータなどである。
【0038】
そして、制御回路110は、図4の処理によって作成されたり、修正された香料テーブル、すなわち図7に示すような寄与テーブルに基づいて、予測値を目標値に合わせるように、香料の種類や濃度などを選択する(ステップS208)。たとえば、図7に示すように、制御回路110は、現在のHF/LFの値を20%低減するように香料の種類や濃度などを決定する。
【0039】
制御回路110は、放出する香料の種類や濃度に基づいて、香料放出ユニット190を制御して、指定の香料を香料貯蔵容器180から取り出して、外部に放出する(ステップS210)。
【0040】
制御回路110は、香料放出後、一定時間たとえば5分など、が経過すると各種センサ150を介して、ユーザーの生体情報(実測値B)を取得する(ステップS212)。
【0041】
制御回路110は、ステップS206で算出した予測値AとステップS212で取得した実測値Bとの誤差Cを算出する(ステップS214)。
【0042】
制御回路110は、図7に示すように、誤差Cに基づいて、寄与テーブルを修正する(ステップS216)。たとえば、図7に示すように、HF/LFの値が5%しか低減できなかった場合、制御回路110は、寄与テーブルの値を全体として15%高めに設定しなおす。具体的には、制御回路110は、香料Aと、香料Bと、状態Xとを、5%ずつ高い値に設定したりする。
【0043】
制御回路110は、ステップS204からの処理を繰り返し、誤差Cが所定値以内に収まった時点で、今回の処理を終了する(ステップS218)。
【0044】
このように、本実施の形態にかかる香料取り扱い装置100の制御回路110に関しては、図8に示すように、ステップS202において事前に測定した自律神経の指標や香料Aを発生するタイミングにおける自律神経の指標に基づいて、自律神経の推移予測モデルを作成して予測値を計算する。なお、自律神経の推移予測モデルは、事前に測定したユーザーの自律神経の指標と、その所定時間後たとえば5分後などに測定したユーザーの自律神経の指標と、に基づいて作成される図8の点線でしめすような線形関数などが考えられる。その後、制御回路110は、寄与データを参照することによって、ユーザーの目標に達成するために相応しい香料の種類や香料の量や香料の濃度などを計算して、当該香料を放出する。そして、制御回路110は、ユーザーの目標からの誤差に応じて、寄与データを修正・更新しながら、ユーザー目標へと誘導していくものである。
【0045】
これによって、香料取り扱い装置100は、寄与データをユーザー毎に適したものに修正・更新していくことが可能になり、よりユーザーにとって好ましい自律神経状態を得ることが可能になる。
<第2の実施の形態>
【0046】
上記の実施の形態においては、図7に示すように、香料Aと、香料Bと、状態Xとが全て同じ重要度で扱われるものであったが、このような形態には限られない。たとえば、図9に示すように、香料や状態の因子毎に、自律神経に与える影響力などに応じた係数が設定されてもよい。たとえば、状態Xの係数が状態Yの係数の2倍に設定されたり、香料Aの係数が状態Xの係数の1.2倍に設定されたりしてもよい。
【0047】
また上記の実施の形態においては、寄与テーブルは、香料と、自律神経に関する数値、ここではLF/HFに与える寄与率と、t分後に心拍数に与える寄与率などの対応関係を含むものであったが、たとえば、図10に示すように、寄与テーブルは、香料および濃度の組み合わせと、自律神経に関する数値、ここではLF/HFに与える寄与率と、t分後に心拍数に与える寄与率などの対応関係を含むものであってもよい。あるいは、寄与テーブルは、複数の香料の組み合わせと、自律神経に関する数値と、の対応関係を含んでもよい。
<第3の実施の形態>
【0048】
また上記の実施の形態においては、図8に示すように、自律神経の推移予測モデルは、2つの時点のユーザーの自律神経の指標に基づく線形関数であったが、このような形態には限られない。たとえば、図11に示すように、制御回路110は、ユーザー毎の日々の生体リズムすなわち概日リズムを記録しておき、当該リズムの平均を推移予測モデルとして利用してもよい。
【0049】
あるいは、年齢毎や性別毎や季節毎や天気毎や気温毎や時間帯毎に自律神経の推移モデルが予め用意されるものであってもよい。
【0050】
あるいは、図12に示すように、制御回路110は、ユーザー毎かつ特定の行動毎に、自律神経の推移をメモリ120に蓄積して、ユーザー毎かつ特定の行動毎の平均的な自律神経の推移モデル作成し、当該モデルをステップS206で利用してもよい。
【0051】
より詳細には、日常的な行動(たとえば、睡眠とる、起床する、運動を行う、食事をとる、コーヒーを飲むなど)によっても自律神経は影響を受ける。この効果を考慮にいれるため、香料取り扱い装置100の制御回路110が、ユーザーの特定の行動をしたことを検知したり、あるいはユーザー自身がデバイスに信号を送ったりする。これを繰り返し、制御回路110は、自律神経の推移の平均を取ることで、特定の行動を取った一定時間後の推移モデルを作ることができる。制御回路110は、当該推移モデルに、香料Aの効果による推移モデルを加えることによって、特定の行動を取った後に香りを嗅いだ一定時間度の自律神経指標の予測値を立てることができる。この予測値と実測値の解離を、香りのモデルに繰り返しフィードバックさせることにより、特定の行動と特定の香りの相乗作用を学習させて、日常的に補正を加えながら、望ましい香りを選択することができるようになる。
<第4の実施の形態>
【0052】
上記の実施の形態では、香料取り扱い装置100によって、寄与テーブルをユーザー毎に更新したり、寄与テーブルに基づいて香りを放出したりするものであった。しかしながら、このような形態には限られない。たとえば、香料取り扱い装置100は、放出すべき香料の種類や量や濃度を提示するだけの装置であってもよい。そして、ユーザーが、香料取り扱い装置100に香料をセットしてもよいし、香料の発生は別の装置が担ってもよい。
【0053】
換言すれば、上記の実施の形態の香料取り扱い装置100の全部または一部の役割が、別の装置によって担われてもよい。たとえば、香料取り扱い装置100は、複数の装置によって実現されてもよい。すなわち、複数の装置から構成される香料取り扱いシステム1によって香料取り扱い装置100の機能が実現されてもよい。一例として、図13に示すように、香料取り扱い装置100がルータ200やインターネットなどを介して通信可能なクラウド上のサーバ300などによって、各種の計算や、寄与テーブルの更新や、香料の種類や量や濃度の設定などが行われてもよい。そして、香料取り扱い装置100は、サーバ300からのデータに基づいて、指定された香料を、指定された濃度や指定された量だけ放出してもよい。
【0054】
なお、サーバ300のハードウェア構成は、図14に示すように通常のコンピュータのそれで実現することができる。そして、サーバ300のCPU310が上記の実施の形態の香料取り扱い装置100の制御回路110の一部の処理を実行したり、サーバ300のメモリ320やサーバ300がアクセス可能なデータベースが香料取り扱い装置100のメモリ120が記憶するデータを記憶したりすることができる。
<まとめ>
【0055】
上記の実施の形態においては、香料放出ユニット190と、ユーザーの自律神経に関する状態値を取得するためのセンサ150と、香料の種類と、自律神経に関する状態値の変化の程度と、の対応関係を記憶するメモリ120と、香料放出ユニット190を介して放出した香料の種類と、センサ150からのデータに基づいて、対応関係を更新するためのプロセッサ110とを備える、香料取り扱い装置100が提供される。
【0056】
好ましくは、香料取り扱い装置100は、自律神経に関する目標を受け付ける入力部130をさらに備える。プロセッサ110は、入力部130を介して受け付けた目標に基づいて、対応関係を参照して、発生すべき香料の種類と量とを決定して、香料放出ユニット190に香料を発生させる。
【0057】
好ましくは、メモリ120は、自律神経の推移に関する情報も記憶する。プロセッサ110は、自律神経の推移に関する情報も利用して、対応関係を更新し、発生すべき香料の種類と量とを決定する。
【0058】
上記の実施の形態においては、香料発生装置100と通信するための通信インターフェイス360と、香料の種類と、自律神経に関する状態値の変化の程度と、の対応関係を記憶するメモリ320と、通信インターフェイス360を介して、香料発生装置100を介して放出した香料の種類と香料発生装置100からのデータとに基づいて、対応関係を更新するためのプロセッサ310とを備えるサーバ300が提供される。
【0059】
上記の実施の形態においては、香料の種類と、自律神経に関する状態値の変化の程度と、の対応関係を記憶するステップと、香料発生装置100が放出した香料の種類と香料発生装置100が取得したデータとを取得するステップと、取得したデータに基づいて対応関係を更新するステップと、を備える情報処理方法が提供される。
【0060】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0061】
1 :香料取り扱いシステム
100 :香料発生装置
110 :制御回路
120 :メモリ
130 :入力部
131 :入力パネル
150 :センサ
170 :タイマ
180 :香料貯蔵容器
190 :香料放出ユニット
200 :ルータ
300 :サーバ
310 :CPU
320 :メモリ
360 :通信インターフェイス
図1
図2
図3
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