特開2020-54625(P2020-54625A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 協同組合HAMINGの特許一覧 ▶ 国立大学法人浜松医科大学の特許一覧

<>
  • 特開2020054625-膣鏡 図000006
  • 特開2020054625-膣鏡 図000007
  • 特開2020054625-膣鏡 図000008
  • 特開2020054625-膣鏡 図000009
  • 特開2020054625-膣鏡 図000010
  • 特開2020054625-膣鏡 図000011
  • 特開2020054625-膣鏡 図000012
  • 特開2020054625-膣鏡 図000013
  • 特開2020054625-膣鏡 図000014
  • 特開2020054625-膣鏡 図000015
  • 特開2020054625-膣鏡 図000016
  • 特開2020054625-膣鏡 図000017
  • 特開2020054625-膣鏡 図000018
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-54625(P2020-54625A)
(43)【公開日】2020年4月9日
(54)【発明の名称】膣鏡
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/303 20060101AFI20200313BHJP
【FI】
   A61B1/303
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2018-187204(P2018-187204)
(22)【出願日】2018年10月2日
(11)【特許番号】特許第6617896号(P6617896)
(45)【特許公報発行日】2019年12月11日
(71)【出願人】
【識別番号】513186833
【氏名又は名称】協同組合HAMING
(71)【出願人】
【識別番号】504300181
【氏名又は名称】国立大学法人浜松医科大学
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】特許業務法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】橋本 秀比呂
(72)【発明者】
【氏名】金山 尚裕
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161AA16
4C161JJ03
4C161JJ06
(57)【要約】
【課題】膣鏡全体の強度を確保しつつ、膣口を広げたときに被検者が感じる痛みを軽減する。
【解決手段】膣鏡1は、本体10と、カバー部材20とを備える。本体10は、硬質樹脂からなり、相対的に回動する上嘴部11および下嘴部12を有する。カバー部材20は、上嘴部11および下嘴部12における膣口挿入領域Rの外周面11Pおよび外周面12Pを覆う。カバー部材20は、本体10よりも柔らかい樹脂で構成されている。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬質樹脂からなり、相対的に回動する上嘴部および下嘴部を有する本体を備えた膣鏡であって、
前記上嘴部および前記下嘴部における膣口挿入領域の外周面を覆うカバー部材をさらに備え、
前記カバー部材は、前記本体よりも柔らかい樹脂で構成されていることを特徴とする膣鏡。
【請求項2】
前記カバー部材は、ゴム系材料で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の膣鏡。
【請求項3】
前記本体の硬度は、ロックウェル硬度のRスケールで、85以上120以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の膣鏡。
【請求項4】
前記カバー部材は、ショア硬さHsで10以上100以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の膣鏡。
【請求項5】
前記上嘴部および前記下嘴部は、厚み方向に貫通する貫通孔をそれぞれ有していることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の膣鏡。
【請求項6】
前記カバー部材は、前記上嘴部および前記下嘴部の前記膣口挿入領域において、前記外周面に加えて内周面を一続きに覆うことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の膣鏡。
【請求項7】
前記カバー部材は、前記上嘴部の外周面を覆う上側カバー部材と、前記下嘴部の外周面を覆う下側カバー部材とを有していることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の膣鏡。
【請求項8】
前記上嘴部および前記下嘴部が相対的に回動するときの回動軸方向をX方向としたとき、
前記上側カバー部材および前記下側カバー部材は、前記上嘴部および前記下嘴部が閉じた状態において、前記上側カバー部材のX方向の最も外側の端部が、前記下側カバー部材のX方向の最も外側の端部と接触する形状で形成されていることを特徴とする請求項7に記載の膣鏡。
【請求項9】
前記上嘴部および前記下嘴部が閉じた状態において、前記上嘴部および前記下嘴部からの前記上側カバー部材および前記下側カバー部材のX方向の突出量を、それぞれX1(mm)としたとき、
前記突出量X1は、2mm以上4mm以下であることを特徴とする請求項8に記載の膣鏡。
【請求項10】
前記上嘴部および前記下嘴部が閉じた状態で、前記上嘴部および前記下嘴部が対向する方向と垂直な方向であって、前記上嘴部および前記下嘴部の回動軸方向に垂直な方向をY方向としたとき、
前記上側カバー部材および前記下側カバー部材は、前記上嘴部および前記下嘴部が閉じた状態において、前記上側カバー部材のY方向における回動軸とは反対側の端部が、前記下側カバー部材のY方向における回動軸とは反対側の端部と接触する形状で形成されていることを特徴とする請求項7から9のいずれかに記載の膣鏡。
【請求項11】
前記上嘴部および前記下嘴部が閉じた状態において、前記上嘴部および前記下嘴部からの前記上側カバー部材および前記下側カバー部材のY方向の突出量を、それぞれY1(mm)としたとき、
前記突出量Y1は、8mm以上17mm以下であることを特徴とする請求項10に記載の膣鏡。
【請求項12】
前記上嘴部および前記下嘴部が相対的に回動するときの回動軸方向をX方向としたとき、
前記カバー部材は、X方向において内側に窪んだカバー窪み部を有していることを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の膣鏡。
【請求項13】
前記上嘴部および前記下嘴部は、X方向において内側に窪んだ本体窪み部をそれぞれ有しており、
前記カバー窪み部は、前記各本体窪み部に沿って位置していることを特徴とする請求項12に記載の膣鏡。
【請求項14】
前記カバー部材のX方向の最大幅をW(mm)とし、前記カバー窪み部のX方向の窪み量をX2(mm)としたとき、
前記窪み量X2は、0.02W以上0.1W以下であることを特徴とする請求項12または13に記載の膣鏡。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、膣鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、患者や検診の対象者(以下、被検者と称する)の膣腔内の診察において、膣鏡が医師により使用されている。膣鏡を被検者の膣口に挿入した状態で膣鏡の嘴部分(上嘴部、下嘴部)を開き、嘴部分と接触する膣口を広げることで、医師は膣腔内を診察することが可能となる。
【0003】
従来、医療器具として膣鏡を繰り返し使用するために、消毒および滅菌が可能な金属製の膣鏡が主に使用されていた。しかし、金属製の膣鏡は、使用時に金属音が発生するために被検者に恐怖感を与えやすい。このため、近年では、樹脂製の膣鏡が多く使用されている。樹脂性の膣鏡については、例えば特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実公平4−47403号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、年齢や出産経験の有無による個人差はあるものの、膣鏡によって膣口を広げたときに痛みを感じる被検者は多い。被検者が感じる痛みを少しでも和らげるためには、膣鏡全体を柔らかい材料で形成することが望ましいとも考えられる。しかし、膣鏡の上嘴部および下嘴部を相対的に回動させて膣口を広げるためには、上嘴部および下嘴部と、これらを回動可能に支持する本体とに強度を確保することが必要である。膣鏡全体が柔らかすぎると、上記強度を確保することが困難となる。
【0006】
従来の樹脂製の膣鏡は、強度確保のために、硬度の高い樹脂(硬質樹脂)で形成されており、膣口を広げたときに被検者が感じる痛みを軽減することが困難であった。そこで、必要な強度を確保しながら、膣口を広げたときに被検者が感じる痛みを軽減できるような膣鏡の開発が望まれるが、このような膣鏡は未だ実現されていない。
【0007】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、膣鏡全体の強度を確保しつつ、膣口を広げたときに被検者が感じる痛みを軽減することができる膣鏡を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面に係る膣鏡は、硬質樹脂からなり、相対的に回動する上嘴部および下嘴部を有する本体を備えた膣鏡であって、前記上嘴部および前記下嘴部における膣口挿入領域の外周面を覆うカバー部材をさらに備え、前記カバー部材は、前記本体よりも柔らかい樹脂で構成されている。
【0009】
前記カバー部材は、ゴム系材料で構成されていることが望ましい。
【0010】
前記本体の硬度は、ロックウェル硬度のRスケールで、85以上120以下であることが望ましい。
【0011】
前記カバー部材は、ショア硬さHsで10以上100以下であることが望ましい。
【0012】
前記上嘴部および前記下嘴部は、厚み方向に貫通する貫通孔をそれぞれ有していることが望ましい。
【0013】
前記カバー部材は、前記上嘴部および前記下嘴部の前記膣口挿入領域において、前記外周面に加えて内周面を一続きに覆うことが望ましい。
【0014】
前記カバー部材は、前記上嘴部の外周面を覆う上側カバー部材と、前記下嘴部の外周面を覆う下側カバー部材とを有していることが望ましい。
【0015】
前記上嘴部および前記下嘴部が相対的に回動するときの回動軸方向をX方向としたとき、前記上側カバー部材および前記下側カバー部材は、前記上嘴部および前記下嘴部が閉じた状態において、前記上側カバー部材のX方向の最も外側の端部が、前記下側カバー部材のX方向の最も外側の端部と接触する形状で形成されていることが望ましい。
【0016】
前記上嘴部および前記下嘴部が閉じた状態において、前記上嘴部および前記下嘴部からの前記上側カバー部材および前記下側カバー部材のX方向の突出量を、それぞれX1(mm)としたとき、前記突出量X1は、2mm以上4mm以下であることが望ましい。
【0017】
前記上嘴部および前記下嘴部が閉じた状態で、前記上嘴部および前記下嘴部が対向する方向と垂直な方向であって、前記上嘴部および前記下嘴部の回動軸方向に垂直な方向をY方向としたとき、前記上側カバー部材および前記下側カバー部材は、前記上嘴部および前記下嘴部が閉じた状態において、前記上側カバー部材のY方向における回動軸とは反対側の端部が、前記下側カバー部材のY方向における回動軸とは反対側の端部と接触する形状で形成されていることが望ましい。
【0018】
前記上嘴部および前記下嘴部が閉じた状態において、前記上嘴部および前記下嘴部からの前記上側カバー部材および前記下側カバー部材のY方向の突出量を、それぞれY1(mm)としたとき、前記突出量Y1は、8mm以上17mm以下であることが望ましい。
【0019】
前記上嘴部および前記下嘴部が相対的に回動するときの回動軸方向をX方向としたとき、前記カバー部材は、X方向において内側に窪んだカバー窪み部を有していることが望ましい。
【0020】
前記上嘴部および前記下嘴部は、X方向において内側に窪んだ本体窪み部をそれぞれ有しており、前記カバー窪み部は、前記各本体窪み部に沿って位置していることが望ましい。
【0021】
前記カバー部材のX方向の最大幅をW(mm)とし、前記カバー窪み部のX方向の窪み量をX2(mm)としたとき、前記窪み量X2は、0.02W以上0.1W以下であることが望ましい。
【発明の効果】
【0022】
上記の構成によれば、上嘴部および下嘴部を有する本体は、硬質樹脂からなっている。これにより、膣鏡全体の強度を確保することができる。また、上嘴部および下嘴部の膣口挿入領域の外周面が、本体よりも柔らかいカバー部材で覆われるため、上嘴部および下嘴部を膣口に挿入し、相対的に回動させて膣口を広げたときに、カバー部材が膣口との接触によって変形する。このカバー部材の変形により、膣口を広げたときに被検者が感じる痛みを軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の実施の一形態に係る膣鏡の嘴が開いた状態での斜視図である。
図2】上記膣鏡の嘴が開いた状態での側面図である。
図3】上記膣鏡の嘴が閉じた状態での側面図である。
図4】カバー部材の図示を省略した状態での上記膣鏡の斜視図である。
図5】上記膣鏡をYZ面で切断したときの断面図である。
図6図5の膣鏡をA−A線を含むZX面で切断したときの断面図である。
図7図5の膣鏡をB−B線を含むZX面で切断したときの断面図である。
図8】上記カバー部材を構成する上側カバー部材および下側カバー部材の変形例を示す断面図である。
図9】上記上側カバー部材および上記下側カバー部材の他の変形例を示す断面図である。
図10】本発明の他の実施の形態に係る膣鏡の斜視図である。
図11】上記膣鏡の平面図である。
図12】上記膣鏡のカバー部材のカバー窪み部のX方向の窪み量を示す説明図である。
図13】上記膣鏡の他の構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
<実施の形態1>
本発明の実施の一形態について、図面に基づいて説明すれば以下の通りである。
【0025】
(膣鏡の概略)
図1は、本実施形態の膣鏡1の斜視図であり、図2は、膣鏡1の側面図である。なお、図1および図2は、膣鏡1の嘴が開いた状態での斜視図および側面図をそれぞれ示している。また、図3は、膣鏡1の嘴が閉じた状態での側面図である。膣鏡1は、本体10と、カバー部材20とを有する。図4は、カバー部材20の図示を省略した状態での膣鏡1の斜視図である。本体10は、上嘴部11と、下嘴部12と、支持部13と、把持部14とを有する。上嘴部11と下嘴部12とで、上記の嘴が構成される。なお、カバー部材20の詳細については後述する。
【0026】
なお、説明の便宜上、方向を以下のように定義しておく。図3に示すように、上嘴部11および下嘴部12が閉じた状態での上嘴部11と下嘴部12との対向方向を上下方向とし、これをZ方向とする。このとき、上記対向方向において、下嘴部12から上嘴部11に向かう方向を上方(Z方向において正)とし、上嘴部11から下嘴部12に向かう方向を下方(Z方向において負)とする。また、Z方向に垂直な方向であって、上嘴部11と下嘴部12とが相対的に回動するときの軸となる回動軸の方向(後述する軸部12bが伸びる方向)を幅方向とし、これをX方向とする。なお、X方向においては、どちらか一方向を正とし、その反対方向を負とする。また、Z方向およびX方向に垂直な方向を長さ方向とし、これをY方向とする。なお、Y方向において、嘴の根元(回動軸側)から先端(回動軸とは反対側)に向かう方向を正とし、その逆方向を負とする。なお、Y方向において、正の方向は、膣鏡1を被検者の膣口に挿入するときの挿入方向と一致し、負の方向は、膣鏡1を膣口から抜き出す方向と一致する。
【0027】
上嘴部11および下嘴部12は、嘴の先端が開いたり閉じたりするように、一方が他方に対して相対的に回動する。上嘴部11および下嘴部12は、嘴の根元から先端に向かうにつれてX方向の幅が狭くなる形状で形成されている。
【0028】
図5は、膣鏡1を幅方向の中央を通るYZ面で切断したときの断面図である。同図に示すように、上嘴部11および下嘴部12は、嘴の根元から先端に向かうにつれて(Y方向の正側に向かうにつれて)、上嘴部11と下嘴部12との間隔D(Z方向の間隔)が狭くなる形状で形成されている。
【0029】
図6は、図5のA−A線を含むZX面で膣鏡1を切断したときの断面図である。また、図7は、図5のB−B線を含むZX面で膣鏡1を切断したときの断面図である。上嘴部11は、ZX面内で上方に凸の湾曲形状で形成されている。下嘴部12は、ZX面内で下方に凸の湾曲形状で形成されている。
【0030】
上嘴部11は、厚み方向(例えばZ方向)に貫通する貫通孔11aを有している。カバー部材20(特に後述する上側カバー部材21)は、例えばインサート成形によって上嘴部11に取り付けることができる。上嘴部11に貫通孔11aが形成されていると、貫通孔11aを介して、上嘴部11の外周面11P側と内周面11Q側とでカバー部材20がつながる。この場合、内周面11Q側のカバー部材20が抜け止めとなるため、上嘴部11に対して、カバー部材20を接着剤なしで固定することができる。
【0031】
なお、本実施形態では、上嘴部11は、貫通孔11aを2つ有しているが、貫通孔11aの個数は2つに限定されるわけではなく、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。また、上嘴部11において、2つの貫通孔11aは、Y方向に並んで位置しているが、X方向に並んでいてもよいし、X方向およびY方向の両方向にずれて位置していてもよい。
【0032】
同様に、下嘴部12は、厚み方向(例えばZ方向)に貫通する貫通孔12aを有している。カバー部材20(特に後述する下側カバー部材22)を例えばインサート成形によって下嘴部12に取り付けると、貫通孔12aを介して、下嘴部12の外周面12P側と内周面12Q側とでカバー部材20がつながる。この場合、内周面12Q側のカバー部材20が抜け止めとなるため、下嘴部12に対して、カバー部材20を接着剤なしで固定することができる。
【0033】
なお、本実施形態では、下嘴部12は、貫通孔12aを2つ有しているが、貫通孔12aの個数は2つに限定されるわけではなく、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。また、下嘴部12において、2つの貫通孔12aは、Y方向に並んで位置しているが、X方向に並んでいてもよいし、X方向およびY方向の両方向にずれて位置していてもよい。
【0034】
下嘴部12は、Y方向の負側、つまり、嘴の根元側に軸部12bを有している。軸部12bは、X方向に伸びる回動軸であり、下嘴部12の幅方向の中央に対してX方向の正側および負側にそれぞれ設けられている。各軸部12bは、上嘴部11に設けられた孔部11bに内側(内周面11Q側)から挿入されている。これにより、下嘴部12は、軸部12bを回動軸として上嘴部11に対して相対的に回動することが可能となる。
【0035】
支持部13は、上嘴部11を支持する支持体である。本実施形態では、上嘴部11と支持部13とは、100°以上の角度で屈曲するように一体的に形成されている。なお、上嘴部11と支持部13とを別々の部材で構成して、これらを連結する構成であっても勿論構わない。
【0036】
支持部13のY方向の負側の上部には、開口部13aが設けられている。開口部13aは、上嘴部11および下嘴部12を閉じた状態でY軸を囲むように形成されている。開口部13a内は、上嘴部11と下嘴部12との間と空間と連通している。これにより、医者などの膣鏡1の使用者は、膣鏡1を被検者の膣口に挿入して上嘴部11および下嘴部12を開いたとき、開口部13aを介して膣腔内を診察することが可能となる。
【0037】
把持部14は、下嘴部12からほぼ90°で下向き(Z方向の負側)に伸びるように、下嘴部12と一体的に形成されている。これにより、膣鏡1の使用者は、把持部14を操作して、下嘴部12を上嘴部11に対して相対的に回動させることが可能となる。
【0038】
上記の構成において、支持部13と把持部14とが近づくように、すなわち、支持部13および把持部14のY方向の間隔を狭めるように、使用者が支持部13および把持部14を握ると、下嘴部12は、軸部12bを軸として下向きに回動する。その結果、図1および図2に示すように、嘴の先端が開く。逆に、支持部13と把持部14とを遠ざけると(支持部13および把持部14のY方向の間隔を広げると)、下嘴部12は軸部12bを軸として上向きに回動する。その結果、図3に示すように、嘴の先端が閉じる。
【0039】
したがって、膣鏡1の使用者は、被検者の膣口に対する膣鏡1の挿入時および抜出時には、嘴の先端が閉じるように膣鏡1を操作する。このとき、使用者は、必要に応じて膣鏡1をY軸の周りに回転させる。一方、膣腔内の診察を行うべく、膣口を広げる際には、使用者は、被検者の膣口に膣鏡1を挿入した後、嘴の先端が開くように膣鏡1を操作する。
【0040】
なお、本実施形態の膣鏡1は、支持部13または把持部14に、嘴の先端を開いた状態で維持する(支持部13と把持部14との位置関係を固定する)ためのストッパーを有していないが、上記ストッパーを有する構成であってもよい。
【0041】
(本体の材料)
本体10は、比較的硬度の高い硬質樹脂で構成される。上記硬質樹脂としては、ロックウェル硬度のRスケールで、85以上120以下である樹脂を用いることが望ましい。このような硬度範囲の樹脂としては、例えば、ABS(acrylonitrile butadiene styrene:アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合合成樹脂)、PP(polypropylene:ポリプロピレン樹脂)などのプラスチック樹脂を用いることができる。ABSのロックウェル硬度は、Rスケールで90〜115であり、PPのロックウェル硬度は、Rスケールで85〜110である。
【0042】
ここで、ロックウェル硬度の詳細について説明する。ロックウェル硬度とは、押し込み硬さの一種であり、ロックウェル試験によって測定される硬度である。すなわち、圧子を試料表面に基準荷重で押し付け、次に一定の試験荷重で押し込む。再び基準荷重に戻したとき、前後2回の基準荷重における窪みの深さの差から所定の計算式によって硬さを求める。ロックウェル硬度には、適用する材料に応じて、圧子、荷重、硬さの計算式の異なる幾つかの尺度(スケール)がある。例えばRスケールでは、直径1/2インチの鋼球圧子を用い、試験荷重を60kgとして硬度を測定する。また、Cスケールでは、基準荷重を10kgとし、頂角が120度で先端の半径が0.2mmの円錐形ダイヤモンド圧子を用い、試験荷重を150kgとして硬度を測定する。
【0043】
なお、ロックウェル硬度をRスケールで求めるときの計算式は、以下の通りである。
HR=130−500h
ここで、
HR:ロックウェル硬さ
h:基準荷重時を零点とした時の実際のへこみ深さ(mm)
【0044】
また、ロックウェル硬度をCスケールで求めるときの計算式は、以下の通りである。
HR=100−500h
ここで、
HR:ロックウェル硬さ
h:基準荷重時を零点とした時の実際のへこみ深さ(mm)
【0045】
本体10は、上嘴部11および下嘴部12を膣口に挿入した状態で、上嘴部11および下嘴部12が破損することなく(例えば支持部13または把持部14に対して折れることなく)、膣口を広げることができる強度を有する必要がある。本体10のロックウェル硬度がRスケールで85未満であると、本体10が柔らかすぎて、必要な上記強度を確保することが困難となる。
【0046】
逆に、本体10のロックウェル硬度がRスケールで120を超えると、本体10が硬すぎて、しなやかさを確保することが困難となる。本体10にしなやかさがないと、上嘴部11および下嘴部12を被検者の膣口に挿入して膣口を広げたときに、本体10が膣口からの反力によってほとんど変形しないため、被検者が痛みを感じやすくなる。
【0047】
したがって、本体10の硬度が、ロックウェル硬度のRスケールで85以上120以下であることにより、本体10の必要な強度を確保しつつ、しなやかさを確保して被検者が感じる痛みを軽減することが可能となる。特に、ロックウェル硬度が上記範囲を満足するABSまたはPPを用いて本体10を構成することにより、上記効果を確実に得ることができる。
【0048】
(カバー部材について)
次に、カバー部材20の詳細について説明する。カバー部材20は、上嘴部11および下嘴部12における膣口挿入領域R(図5参照)の外周面および内周面を覆う。より具体的には、カバー部材20は、上側カバー部材21と、下側カバー部材22とを有する。上側カバー部材22は、上嘴部11の膣口挿入領域Rにおける外周面11Pおよび内周面11Qを覆う。下側カバー部材22は、下嘴部12の膣口挿入領域Rにおける外周面12Pおよび内周面12Qを覆う。上側カバー部材22および下側カバー部材22の厚みは、0.8mm以上であることが望ましく、1mm以上であることがより望ましい。
【0049】
ここで、膣口挿入領域Rとは、膣鏡1において、被検者の膣口への挿入が許容される範囲を指す。カバー部材20は、上嘴部11および下嘴部12における膣口挿入領域Rを少なくとも覆っていればよく、膣口挿入領域Rの範囲外(例えば膣口挿入領域Rに対してY方向の負側)までを覆っていても勿論構わない。
【0050】
カバー部材20は、本体10よりも柔らかい樹脂で構成されている。上記した本体10よりも柔らかい樹脂としては、例えば熱可塑性エラストマー、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどのゴム系材料を用いることができる。上記ゴム系材料は、弾性を有しており、この点で、本体10を構成する硬質樹脂よりも柔らかい。
【0051】
ここで、熱可塑性エラストマーの一種であるスチレン系熱可塑性エラストマー(例えばアロン化成株式会社製)、およびウレタンゴムのショア硬さHsは、10以上100以下である。また、シリコーンゴムのショア硬さHsは、30以上90以下である。また、フッ素ゴムのショア硬さHsは、50以上90以下である。
【0052】
なお、ショア硬さHsとは、先端にダイヤモンドチップを埋込んだ鋼製のハンマーを一定の高さh0(mm)から試料表面に落下させたときのハンマーのはね上がり高さをh(mm)としたとき、Kを比例定数として、以下の式に基づいて求められる硬さである。ショア硬さHsは、ショア硬さ試験機を用いて測定される。
Hs=K(h/h0
【0053】
カバー部材20を本体10に取り付ける方法としては、例えば、インサート成形、真空注型、接着剤を用いる方法、などがある。膣鏡1は医療器具であり、被検者の体内に挿入されることを考えると、できれば人体に影響を与えるおそれのある接着剤などを用いずにカバー部材20を本体10に取り付けることが望ましい。この点では、インサート成形や真空注型によって、カバー部材20を本体10に取り付けることが望ましい。
【0054】
特に、インサート成形を用いた場合、上側カバー部材21を取り付けた上嘴部11(支持部13も一体)と、下側カバー部材22を取り付けた下嘴部12(把持部14も一体)とのはめ込みだけで膣鏡1を組み立てることが可能となり、組立が容易となる。また、製品に触る回数も少ないため、衛生的であり、製造時のゴミ等の混入確率も減少する。
【0055】
本実施形態のように、上嘴部11の少なくとも外周面11Pがカバー部材20(特に上側カバー部材21)で覆われ、下嘴部12の少なくとも外周面12Pがカバー部材20(特に下側カバー部材22)で覆われていると、上嘴部11および下嘴部12を閉じた状態で膣鏡1を被検者の膣口に挿入し、その後、嘴の先端を広げたときに、被検者の膣口は、上嘴部11および下嘴部12と直接接触せず、カバー部材20(上側カバー部材21、下側カバー部材22)と接触しながら広がる。カバー部材20は、上述したように、本体10よりも柔らかい樹脂(ゴム系材料)で構成されているため、膣口との接触によって変形する。このようなカバー部材20の変形により、本体10の硬さが被検者に伝わりにくくなり、被検者は痛みを感じにくくなる。すなわち、膣鏡1が本体10とカバー部材20との二重構造で形成されることにより、硬質樹脂からなる本体10によって膣鏡1全体の強度を確保しつつ、膣鏡1によって膣口を広げたときに被検者が感じる痛みをカバー部材20によって軽減することができる。
【0056】
特に、カバー部材20が、熱可塑性エラストマーなどのゴム系材料で構成されていることにより、膣口との接触によってカバー部材20が確実に変形する。これにより、被検者は本体10の硬さを確実に感じにくくなり、膣鏡1によって膣口を広げたときに被検者が感じる痛みを確実に軽減することが可能となる。
【0057】
ここで、カバー部材20のショア硬さHsが10未満では、膣鏡1によって膣口を広げたときにカバー部材20が膣口との接触によって変形しすぎる場合がある。この場合、膣口が本体10(上嘴部11および下嘴部12)に近づきすぎて、被検者が本体10の硬さを感じとってしまうことが懸念される。逆に、カバー部材20のショア硬さHsが100を超えると、膣鏡1によって膣口を広げたときのカバー部材20の変形量が少なく、カバー部材20を設けることによって得られる被検者の痛みの軽減効果が小さくなることが懸念される。以上のことを考慮すると、カバー部材20は、ショア硬さで10以上100以下であることが望ましいと言える。
【0058】
また、カバー部材20は、上嘴部11の膣口挿入領域Rにおいて、外周面11Pに加えて、内周面11Qを一続きに覆う。また、カバー部材20は、下嘴部12の膣口挿入領域Rにおいて、外周面12Pに加えて、内周面12Qを一続きに覆う。これにより、例えば、上嘴部11とカバー部材20とをインサート成形によって一体化し、下嘴部12とカバー部材20とをインサート成形によって一体化し、これらの部品を組み立てて膣鏡1を製造することができ、膣鏡1の量産が容易となる。
【0059】
また、カバー部材20は、上嘴部11の外周面11Pを覆う上側カバー部材21と、下嘴部12の外周面12Pを覆う下側カバー部材22とを有している。この構成では、上嘴部11および下嘴部12を閉じた状態で膣鏡1を被検者の膣口に挿入して嘴の先端を広げたときに、被検者の膣口は、上側カバー部材21および下側カバー部材22と接触しながら広がる。上側カバー部材21および下側カバー部材22は、本体10よりも柔らかいため、膣口との接触によって確実に変形し、これによって、被検者が感じる痛みを確実に軽減することができる。
【0060】
(上側カバー部材および下側カバー部材のX方向の端部について)
本実施形態のように、上嘴部11および下嘴部12が相対的に回動するときの回動軸方向をX方向としたとき、図6および図7で示したように、上側カバー部材21および下側カバー部材22は、上嘴部11および下嘴部12が閉じた状態において、上側カバー部材21のX方向の最も外側の端部21aが、下側カバー部材22のX方向の最も外側の端部22aと接触する形状で形成されていることが望ましい。
【0061】
図8は、上側カバー部材21および下側カバー部材22の変形例であって、上嘴部11および下嘴部12が閉じた状態で、上側カバー部材21のX方向の最も外側の端部21aと、下側カバー部材22のX方向の最も外側の端部22aとがZ方向において離間している状態を示している。本実施形態の膣鏡1は、上嘴部11の外周面11Pを上側カバー部材21で覆い、下嘴部12の外周面12Pを下側カバー部材22で覆う構成であれば、図8のように、端部21aおよび端部22aはZ方向に離間していてもよい。ただし、端部21aおよび端部22aがZ方向に離間していると、端部21aおよび端部22aが単独で鋭角の角部をそれぞれ形成し、被検者の膣口と接触する部分が先鋭となる。このため、端部21aおよび端部22aが膣口に接触したときに、被検者が痛みを感じるおそれがある。
【0062】
これに対して、図6および図7のように、上嘴部11および下嘴部12が閉じた状態で端部21aと端部22aとが接触する場合、端部21aおよび端部22aが一体となって被検者の膣口と接触するため、端部21aおよび端部22aにおける膣口との接触部分の先鋭度を図8の構成よりも落とすことができる。これにより、端部21aおよび端部22aが膣口に接触したときに、被検者が感じる痛みをさらに軽減することが可能となる。
【0063】
(上側カバー部材および下側カバー部材のX方向の突出量について)
図6に示すように、上嘴部11および下嘴部12が閉じた状態において、上嘴部11および下嘴部12からの上側カバー部材21および下側カバー部材22のX方向の突出量を、それぞれX1(mm)とする。このとき、突出量X1は、2mm以上4mm以下であることが望ましい。なお、突出量X1は、Y方向のどの断面においても、上記範囲を満足することが望ましい。
【0064】
表1は、上側カバー部材21および下側カバー部材22のX方向の突出量X1が、1.5mm、2mm、2.45mm、3mm、4mm、5mmである複数の膣鏡1を用意し、複数の被検者に対して各膣鏡1を使用したときの、各膣鏡1の評価をまとめたものである。ここで、各膣鏡1の上側カバー部材21および下側カバー部材22としては、上述した材料(熱可塑性エラストマー、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム)の中から、ショア硬さHsが、10、30、50、70、90、100のものを選択して用意した。また、上側カバー部材21および下側カバー部材22の厚みは、1mmとした。
【0065】
また、各膣鏡1の上嘴部11および下嘴部12としては、膣口挿入領域RにおけるX方向の最大幅が27mmであり、膣口挿入領域RにおけるY方向の長さが55mmであり、上嘴部11および下嘴部12を閉じた状態での膣口挿入領域RにおけるZ方向の最大幅が22mmのものを用いた。
【0066】
複数の被検者としては、20代経産婦、20代非経産婦、30代経産婦、30代非経産婦、40代経産婦、40代非経産婦をそれぞれ5人ずつ集めた(計30人)。そして、各被検者に対して、突出量X1およびショア硬さの異なる膣鏡1(計36個)を順次使用して、膣口への挿抜および膣口の拡開を行った。その後、被検者の意見をもとにして、以下の評価基準に基づいて各膣鏡1の評価を行った。
《痛みのレベル》
1:膣鏡によって膣口を広げたときに、全く痛みを感じなかった。
2:膣鏡によって膣口を広げたときに、かすかな痛みを感じたが、問題のない程度であった。
3:膣鏡によって膣口を広げたときに、少しの痛みを感じたが、問題のない程度であった。
4:膣鏡によって膣口を広げたときに、痛みを感じたが、我慢できる程度であった。
5:膣鏡によって膣口を広げたときに、かなりの我慢を強いられるほどの痛みを感じた。
《評価基準》
◎ :レベル1の被検者の数が一番多かった。
○ :レベル2の被検者の数が一番多かった。
△ :レベル3の被検者の数が一番多かった。
△△:レベル4の被検者の数が一番多かった。
× :レベル5の被検者の数が一番多かった。
【0067】
【表1】
【0068】
表1より、突出量X1が2mm未満では、上側カバー部材21および下側カバー部材22のショア硬さHsが50以上である場合に、痛みを感じる被検者が現れる結果となっている。これは、以下の理由によると考えられる。すなわち、突出量X1が少なく、かつ、上側カバー部材21および下側カバー部材22が比較的硬いと、上嘴部11および下嘴部12を膣口に挿入して広げたときに、上側カバー部材21および下側カバー部材22のX方向の端部21aおよび端部22aの、膣口との接触による変形量が少ない。このため、上嘴部11および下嘴部12の硬さが被検者に伝わりやすくなり、被検者が上嘴部11および下嘴部12の硬さを感じやすくなる。
【0069】
一方、突出量X1が4mmを超えると、上側カバー部材21および下側カバー部材22のショア硬さHsが70以下である場合に、被検者が痛みを感じやすい結果となっている。これは、以下の理由によると考えられる。すなわち、突出量X1が多く、上側カバー部材21および下側カバー部材22が比較的柔らかいと、上記変形量が多くなる。すると、X方向における上嘴部11の角張った端部11cおよび下嘴部12の角張った端部12cが膣口に近づく。このため、被検者が上嘴部11の端部11cおよび下嘴部12の端部12cの硬さを感じやすくなる。
【0070】
したがって、突出量X1を2mm以上4mm以下に設定することにより、上側カバー部材21および下側カバー部材22の硬さによらず、上嘴部11および下嘴部12を膣口に挿入して広げたときに被検者が感じる痛みを軽減することができると言える。
【0071】
(上側カバー部材および下側カバー部材のY方向の端部について)
図5に示すように、上側カバー部材21および下側カバー部材22は、上嘴部11および下嘴部12が閉じた状態において、上側カバー部材21のY方向における回動軸とは反対側の端部21bが、下側カバー部材22のY方向における回動軸とは反対側の端部22bと接触する形状で形成されていることが望ましい。
【0072】
図9は、上側カバー部材21および下側カバー部材22の他の変形例であって、上嘴部11および下嘴部12が閉じた状態で、上側カバー部材21のY方向先端の端部21bと、下側カバー部材22のY方向先端の端部22bとがZ方向において離間している状態を示している。本実施形態の膣鏡1は、上嘴部11の外周面11Pを上側カバー部材21で覆い、下嘴部12の外周面12Pを下側カバー部材22で覆う構成であれば、図9のように、端部21bおよび端部22bはZ方向に離間していてもよい。ただし、端部21bおよび端部22bがZ方向に離間していると、端部21bおよび端部22bが単独で鋭角の角部をそれぞれ形成し、被検者の膣口と接触する部分が先鋭となる。このため、端部21bおよび端部22bが膣口に接触したときに、被検者が痛みを感じるおそれがある。
【0073】
これに対して、図5のように、上嘴部11および下嘴部12が閉じた状態で端部21bと端部22bとが接触する場合、端部21bおよび端部22bが一体となって被検者の膣口と接触するため、端部21bおよび端部22bにおける膣口との接触部分の先鋭度を図9の構成よりも落とすことができる。これにより、本体10の膣口への挿入時において、端部21bおよび端部22bが膣口に接触したときに、被検者が感じる痛みをさらに軽減することが可能となる。
【0074】
(上側カバー部材および下側カバー部材のY方向の突出量について)
図5に示すように、上嘴部11および下嘴部12が閉じた状態において、上嘴部11および下嘴部12からの上側カバー部材21および下側カバー部材22のY方向の突出量を、それぞれY1(mm)とする。このとき、突出量Y1は、8mm以上17mm以下であることが望ましい。
【0075】
表2は、上側カバー部材21および下側カバー部材22のY方向の突出量Y1が、6mm、8mm、9.8mm、12mm、17mm、18mmである複数の膣鏡1を用意し、複数の被検者に対して各膣鏡1を使用したときの、各膣鏡1の評価をまとめたものである。ここで、各膣鏡1の上側カバー部材21および下側カバー部材22としては、上述した材料(熱可塑性エラストマー、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム)の中から、ショア硬さHsが、10、30、50、70、90、100のものを選択して用意した。
【0076】
また、各膣鏡1の上嘴部11および下嘴部12としては、膣口挿入領域RにおけるX方向の最大幅が27mmであり、膣口挿入領域RにおけるY方向の長さが55mmであり、上嘴部11および下嘴部12を閉じた状態での膣口挿入領域RにおけるZ方向の最大幅が22mmのものを用いた。
【0077】
複数の被検者としては、20代経産婦、20代非経産婦、30代経産婦、30代非経産婦、40代経産婦、40代非経産婦をそれぞれ5人ずつ集めた(計30人)。そして、各被検者に対して、突出量Y1およびショア硬さの異なる膣鏡1(計36個)を順次使用して、膣口への挿抜および膣口の拡開を行った。その後、被検者の意見をもとにして、以下の評価基準に基づいて各膣鏡1の評価を行った。
《痛みのレベル》
1:上嘴部および下嘴部を閉じた状態で膣口に挿入したときに、全く痛みを感じなかった。
2:上嘴部および下嘴部を閉じた状態で膣口に挿入したときに、かすかな痛みを感じたが、問題のない程度であった。
3:上嘴部および下嘴部を閉じた状態で膣口に挿入したときに、少しの痛みを感じたが、問題のない程度であった。
4:上嘴部および下嘴部を閉じた状態で膣口に挿入したときに、痛みを感じたが、我慢できる程度であった。
5:上嘴部および下嘴部を閉じた状態で膣口に挿入したときに、かなりの我慢を強いられるほどの痛みを感じた。
《評価基準》
◎ :レベル1の被検者の数が一番多かった。
○ :レベル2の被検者の数が一番多かった。
△ :レベル3の被検者の数が一番多かった。
△△:レベル4の被検者の数が一番多かった。
× :レベル5の被検者の数が一番多かった。
【0078】
【表2】
【0079】
表2より、突出量Y1が8mm未満では、上側カバー部材21および下側カバー部材22のショア硬さHsが50以上である場合に、痛みを感じる被検者が現れる結果となっている。これは、以下の理由によると考えられる。すなわち、突出量Y1が少なく、かつ、上側カバー部材21および下側カバー部材22が比較的硬いと、上嘴部11および下嘴部12を膣口に挿入するときに、上側カバー部材21および下側カバー部材22のY方向の端部21bおよび端部22bの、膣口との接触による変形量が少ない。このため、上嘴部11および下嘴部12の硬さが被検者に伝わりやすくなり、被検者が上嘴部11および下嘴部12の硬さを感じやすくなる。
【0080】
一方、突出量Y1が17mmを超えると、上側カバー部材21および下側カバー部材22のショア硬さHsが70以下である場合に、被検者が痛みを感じやすい結果となっている。これは、以下の理由によると考えられる。すなわち、突出量Y1が多く、上側カバー部材21および下側カバー部材22が比較的柔らかいと、上記変形量が多くなる。すると、Y方向における上嘴部11の角張った端部11dおよび下嘴部12の角張った端部12dが膣口に近づく。このため、被検者が上嘴部11の端部11dおよび下嘴部12の端部12dの硬さを感じやすくなる。
【0081】
したがって、突出量Y1を8mm以上17mm以下に設定することにより、上側カバー部材21および下側カバー部材22の硬さによらず、上嘴部11および下嘴部12を膣口に挿入するときに被検者が感じる痛みを軽減することができると言える。
【0082】
<実施の形態2>
本発明の他の実施の形態について、図面に基づいて説明すれば以下の通りである。
【0083】
(本体およびカバー部材の窪みについて)
図10は、本実施形態の膣鏡1の斜視図であり、図11は、上記膣鏡1の平面図である。本実施形態では、実施の形態1の膣鏡1において、上嘴部11は、本体窪み部11eを有しており、下嘴部12は、本体窪み部12eを有している。
【0084】
本体窪み部11eは、上嘴部11においてX方向内側(幅方向の中央側)に窪んだ窪みである。同様に、本体窪み部12eは、下嘴部12においてX方向内側(幅方向の中央側)に窪んだ窪みである。本体窪み部11eおよび本体窪み部12eは、上嘴部11および下嘴部12において膣口挿入領域R(図5参照)に設けられている。なお、本体窪み部11eおよび本体窪み部12eは、少なくともX方向内側に窪んでいればよく、さらにZ方向内側に窪んでいても勿論構わない。
【0085】
また、カバー部材20は、カバー窪み部21e・22eを有している。より詳しくは、上側カバー部材21は、カバー窪み部21eを有しており、下側カバー部材22は、カバー窪み部22eを有している。カバー窪み部21eは、上側カバー部材21においてX方向内側に窪んだ窪みであり、上嘴部11の本体窪み部11eに沿って位置している。同様に、カバー窪み部22eは、下側カバー部材22においてX方向内側に窪んだ窪みであり、下嘴部12の本体窪み部12eに沿って位置している。
【0086】
このように、カバー部材20(上側カバー部材21、下側カバー部材22)がカバー窪み部21eおよびカバー窪み部22eを有していることにより、上嘴部11および下嘴部12を被検者の膣口に挿入して膣口を広げたときに、膣口がカバー窪み部21eおよびカバー窪み部22eの外形に沿ってX方向内側に窪み、膣口の開口領域が減少する。これにより、被検者が感じる痛みをさらに軽減することができる。
【0087】
また、カバー窪み部21eは、上嘴部11の本体窪み部11eに沿って位置しており、カバー窪み部22eは、下嘴部12の本体窪み部12eに沿って位置していることにより、カバー窪み部21eおよびカバー窪み部22eは、本体窪み部11eおよび本体窪み部12eの表面形状(窪み形状)に沿ってX方向内側に窪んだ形状となる。したがって、X方向内側に窪んだカバー窪み部21eおよびカバー窪み部22eを容易に実現することができる。
【0088】
(カバー窪み部のX方向の窪み量について)
図12に示すように、カバー部材20(上側カバー部材21、下側カバー部材22)のX方向の最大幅をW(mm)とし、カバー窪み部21eおよびカバー窪み部22eのX方向の窪み量をX2(mm)としたとき、窪み量X2は、0.02W以上0.1W以下であることが望ましい。その理由は、以下の通りである。なお、上記の窪み量X2とは、X方向において、窪み(カバー窪み部21e、カバー窪み部22e)の最も外側の端部Xoutと最も内側の端部Xinとの距離を指す。
【0089】
表3は、窪み量X2が、0.01W、0.02W、0.05W、0.1W、0.2Wである複数の膣鏡1を用意し、複数の被検者に対して各膣鏡1を使用したときの、各膣鏡1の評価をまとめたものである。ここで、各膣鏡1の上側カバー部材21および下側カバー部材22としては、上述した材料(熱可塑性エラストマー、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム)の中から、ショア硬さHsが、10、30、50、70、90、100のものを選択して用意した。また、ここでは、W=25mmとした。
【0090】
また、各膣鏡1の上嘴部11および下嘴部12としては、膣口挿入領域RにおけるX方向の最大幅が27mmであり、膣口挿入領域RにおけるY方向の長さが55mmであり、上嘴部11および下嘴部12を閉じた状態での膣口挿入領域RにおけるZ方向の最大幅が22mmのものを用いた。
【0091】
複数の被検者としては、20代経産婦、20代非経産婦、30代経産婦、30代非経産婦、40代経産婦、40代非経産婦をそれぞれ5人ずつ集めた(計30人)。そして、各被検者に対して、窪み量X2およびショア硬さの異なる膣鏡1(計36個)を順次使用して、膣口への挿抜および膣口の拡開を行った。その後、被検者の意見をもとにして、以下の評価基準に基づいて各膣鏡1の評価を行った。
《痛みのレベル》
1:膣鏡によって膣口を広げたとき、および膣口から膣鏡を抜くときの両方において、全く痛みを感じなかった。
2:膣鏡によって膣口を広げたとき、および膣口から膣鏡を抜くときの少なくとも一方において、かすかな痛みを感じたが、問題のない程度であった。
3:膣鏡によって膣口を広げたとき、および膣口から膣鏡を抜くときの少なくとも一方において、少しの痛みを感じたが、問題のない程度であった。
4:膣鏡によって膣口を広げたとき、および膣口から膣鏡を抜くときの少なくとも一方において、痛みを感じたが、我慢できる程度であった。
5:膣鏡によって膣口を広げたとき、および膣口から膣鏡を抜くときの少なくとも一方において、かなりの我慢を強いられるほどの痛みを感じた。
《評価基準》
◎ :レベル1の被検者の数が一番多かった。
○ :レベル2の被検者の数が一番多かった。
△ :レベル3の被検者の数が一番多かった。
△△:レベル4の被検者の数が一番多かった。
× :レベル5の被検者の数が一番多かった。
【0092】
【表3】
【0093】
表3より、突出量X2が0.02W未満では、カバー窪み部21eおよびカバー窪み部22eの全幅に対する窪み量が少ない。このため、上嘴部11および下嘴部12を被検者の膣口に挿入して膣口を広げたときに、膣口をX方向内側に窪ませて膣口の開口領域を減少させることによって被検者が感じる痛みを軽減する効果が少なくなる。このような効果の低減は、特に、上側カバー部材21および下側カバー部材22が比較的硬い場合に現れやすい。
【0094】
一方、窪み量X2が0.1Wを超えると、カバー窪み部21eおよびカバー窪み部22eが全幅に対して窪みすぎているため、上嘴部11および下嘴部12を閉じた状態で膣口から抜くときに、カバー窪み部21eおよびカバー窪み部22eが膣口で引っ掛かりやすくなる。このため、特に、上側カバー部材21および下側カバー部材22が比較的硬い場合には、上記の引っ掛かりによって被検者が痛みを感じやすくなる。
【0095】
したがって、窪み量X2を上記範囲に適切に規定することにより、上嘴部11および下嘴部12によって膣口を広げるとき、および上嘴部11および下嘴部12を膣口から抜くときの両方において、被検者が感じる痛みを確実に軽減することができる。なお、W=25mm以外の場合でも、表3と同様の結果が得られることが確認された。
【0096】
(膣鏡の他の構成について)
図13は、膣鏡1の他の構成を示す断面図である。膣鏡1において、上側カバー部材21は、上嘴部11の外周面11Pのみを覆うように形成されてもよい。同様に、下側カバー部材22は、下嘴部12の外周面12Pのみを覆うように形成されてもよい。すなわち、上側カバー部材21は、上嘴部11の内周面11Qを覆わずに形成されてもよく、下側カバー部材22は、下嘴部12の内周面12Qを覆わずに形成されてもよい。
【0097】
この構成であっても、膣鏡1の上嘴部11および下嘴部12を被検者の膣口に挿入し、膣口を広げるときに、上側カバー部材21および下側カバー部材22が膣口と接触する。カバー部材20は、本体10よりも柔らかい樹脂で構成されており、膣口との接触によって変形するため、本体10の硬さが被検者に伝わりにくくなる。したがって、図13の構成であっても、膣鏡1によって膣口を広げたときに被検者が感じる痛みを軽減することができる。
【0098】
なお、図13の構成の場合、上側カバー部材21の内側(上嘴部11と対向する側)に下向きの突出部21fを設けておけば、突出部21fを貫通孔11aに嵌め込むことによって、上側カバー部材21を上嘴部11に接着剤なしで固定することができる。同様に、下側カバー部材22の内側(下嘴部12と対向する側)に上向きの突出部22fを設けておけば、突出部22fを貫通孔12aに嵌め込むことによって、下側カバー部材22を下嘴部12に接着剤なしで固定することができる。
【0099】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。また、各実施の形態で説明した構成を適宜組み合わせることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本発明の膣鏡は、被検者の膣腔内の診察または検査用の医療器具として利用可能である。
【符号の説明】
【0101】
1 膣鏡
10 本体
11 上嘴部
11a 貫通孔
11e 本体窪み部
11P 外周面
11Q 内周面
12 下嘴部
12a 貫通孔
12e 本体窪み部
12P 外周面
12Q 内周面
20 カバー部材
21 上側カバー部材
21a 端部
21b 端部
21e カバー窪み部
22 下側カバー部材
22a 端部
22b 端部
22e カバー窪み部
R 膣口挿入領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2019年9月13日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬質樹脂からなり、相対的に回動する上嘴部および下嘴部を有する本体を備えた膣鏡であって、
前記上嘴部および前記下嘴部における膣口挿入領域の外周面を覆い、前記膣鏡の使用時に被検者の膣口と接触するカバー部材をさらに備え、
前記カバー部材は、前記本体よりも柔らかい樹脂で構成されているとともに、前記被検者の前記膣口に前記上嘴部および前記下嘴部を挿入し、相対的に回動させて前記膣口を広げたときに、前記膣口との接触によって変形するゴム系材料で構成されていることを特徴とする膣鏡。
【請求項2】
前記本体の硬度は、ロックウェル硬度のRスケールで、85以上120以下であることを特徴とする請求項1に記載の膣鏡。
【請求項3】
前記カバー部材は、ショア硬さHsで10以上100以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の膣鏡。
【請求項4】
前記上嘴部および前記下嘴部は、厚み方向に貫通する貫通孔をそれぞれ有していることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の膣鏡。
【請求項5】
前記カバー部材は、前記上嘴部および前記下嘴部の前記膣口挿入領域において、前記外周面に加えて内周面を一続きに覆うことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の膣鏡。
【請求項6】
前記カバー部材は、前記上嘴部の外周面を覆う上側カバー部材と、前記下嘴部の外周面を覆う下側カバー部材とを有していることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の膣鏡。
【請求項7】
前記上嘴部および前記下嘴部が相対的に回動するときの回動軸方向をX方向としたとき、
前記上側カバー部材および前記下側カバー部材は、前記上嘴部および前記下嘴部が閉じた状態において、前記上側カバー部材のX方向の最も外側の端部が、前記下側カバー部材のX方向の最も外側の端部と接触する形状で形成されていることを特徴とする請求項6に記載の膣鏡。
【請求項8】
前記上嘴部および前記下嘴部が閉じた状態において、前記上嘴部および前記下嘴部からの前記上側カバー部材および前記下側カバー部材のX方向の突出量を、それぞれX1(mm)としたとき、
前記突出量X1は、2mm以上4mm以下であることを特徴とする請求項7に記載の膣鏡。
【請求項9】
前記上嘴部および前記下嘴部が閉じた状態で、前記上嘴部および前記下嘴部が対向する方向と垂直な方向であって、前記上嘴部および前記下嘴部の回動軸方向に垂直な方向をY方向としたとき、
前記上側カバー部材および前記下側カバー部材は、前記上嘴部および前記下嘴部が閉じた状態において、前記上側カバー部材のY方向における回動軸とは反対側の端部が、前記下側カバー部材のY方向における回動軸とは反対側の端部と接触する形状で形成されていることを特徴とする請求項6から8のいずれかに記載の膣鏡。
【請求項10】
前記上嘴部および前記下嘴部が閉じた状態において、前記上嘴部および前記下嘴部からの前記上側カバー部材および前記下側カバー部材のY方向の突出量を、それぞれY1(mm)としたとき、
前記突出量Y1は、8mm以上17mm以下であることを特徴とする請求項9に記載の膣鏡。
【請求項11】
前記上嘴部および前記下嘴部が相対的に回動するときの回動軸方向をX方向としたとき、
前記カバー部材は、X方向において内側に窪んだカバー窪み部を有していることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の膣鏡。
【請求項12】
前記上嘴部および前記下嘴部は、X方向において内側に窪んだ本体窪み部をそれぞれ有しており、
前記カバー窪み部は、前記各本体窪み部に沿って位置していることを特徴とする請求項11に記載の膣鏡。
【請求項13】
前記カバー部材のX方向の最大幅をW(mm)とし、前記カバー窪み部のX方向の窪み量をX2(mm)としたとき、
前記窪み量X2は、0.02W以上0.1W以下であることを特徴とする請求項11または12に記載の膣鏡。
【請求項14】
硬質樹脂からなり、相対的に回動する上嘴部および下嘴部を有する本体を備えた膣鏡であって、
前記上嘴部および前記下嘴部における膣口挿入領域の外周面を覆うカバー部材をさらに備え、
前記カバー部材は、前記本体よりも柔らかい樹脂で構成されており、
前記上嘴部および前記下嘴部は、厚み方向に貫通する貫通孔をそれぞれ有していることを特徴とする膣鏡。
【請求項15】
硬質樹脂からなり、相対的に回動する上嘴部および下嘴部を有する本体を備えた膣鏡であって、
前記上嘴部および前記下嘴部における膣口挿入領域の外周面を覆うカバー部材をさらに備え、
前記カバー部材は、前記本体よりも柔らかい樹脂で構成されており、
前記上嘴部および前記下嘴部が相対的に回動するときの回動軸方向をX方向としたとき、
前記カバー部材は、X方向において内側に窪んだカバー窪み部を有しており、
前記カバー部材のX方向の最大幅をW(mm)とし、前記カバー窪み部のX方向の窪み量をX2(mm)としたとき、
前記窪み量X2は、0.02W以上0.1W以下であることを特徴とする膣鏡。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0004】
【特許文献1】実開平4−47403号公報