特開2020-54767(P2020-54767A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-54767(P2020-54767A)
(43)【公開日】2020年4月9日
(54)【発明の名称】造形品及び造形品の製造方法
(51)【国際特許分類】
   A47G 7/02 20060101AFI20200313BHJP
   A01G 9/00 20180101ALI20200313BHJP
   A41G 1/00 20060101ALI20200313BHJP
【FI】
   A47G7/02 J
   A01G9/00 A
   A41G1/00 Q
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】書面
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-196191(P2018-196191)
(22)【出願日】2018年10月1日
(71)【出願人】
【識別番号】518248516
【氏名又は名称】岡田 小百合
(72)【発明者】
【氏名】岡田 小百合
【テーマコード(参考)】
2B327
【Fターム(参考)】
2B327NC02
2B327NC25
2B327NC31
2B327NC40
2B327ND01
2B327ND20
2B327QD03
(57)【要約】
【課題】熱硬化性樹脂からなる連続気泡型の発泡体を形成した造形品と前記造形品を用いたフラワーアレンジ方法を提供するものである。
【解決手段】熱硬化性樹脂からなる連続気泡型の発泡体の内部に浸透して前記発泡体の表面を保護する浸透層を備えることにより、造形品に強度を付与し、部材を付着することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬化性樹脂からなる連続気泡型の発泡体を加工して形成された造形物と、
前記造形物の表面に形成され、前記発泡体の内部に浸透して前記表面を保護する浸透層と、
を備えた造形品。
【請求項2】
前記発泡体は、フェノール樹脂又はポリウレタン樹脂からなる、請求項1に記載の造形品。
【請求項3】
前記発泡体は、フローラルフォームである、請求項1に記載の造形品。
【請求項4】
前記浸透層は、ポリビニルアルコール樹脂、アクリル樹脂、光硬化性樹脂、ウレタン樹脂又はシリコーン樹脂からなる、請求項1から3のいずれか1項に記載の造形品。
【請求項5】
前記浸透層の表面に形成された保護層、をさらに備えた請求項1から4のいずれか1項に記載の造形品。
【請求項6】
前記保護層は、ポリビニルアルコール樹脂、アクリル樹脂、光硬化性樹脂、ウレタン樹脂又はシリコーン樹脂からなる、請求項5に記載の造形品。
【請求項7】
前記浸透層は、柔軟性を有するアクリル樹脂、又は柔軟性を有する光硬化性樹脂からなる、請求項1から3のいずれか1項に記載の造形品。
【請求項8】
前記造形物は、厚さ5mm以下の板状又は棒状である、請求項7に記載の造形品。
【請求項9】
熱硬化性樹脂からなる連続気泡型の発泡体を加工して形成された造形物と、前記造形物の表面に形成され、前記発泡体の内部に浸透して前記表面を保護するポリビニルアルコール樹脂、アクリル樹脂、光硬化性樹脂、ウレタン樹脂又はシリコーン樹脂からなる浸透層と、を有する第1の造形品と、
熱硬化性樹脂からなる連続気泡型の発泡体を加工して形成された造形物と、前記造形物の表面に形成され、前記発泡体の内部に浸透して前記表面を保護する柔軟性を有するアクリル樹脂、又は柔軟性を有する光硬化性樹脂からなる浸透層と、を有し、曲げられた状態で前記第1の造形品に接着された第2の造形品と、
を備えた造形品。
【請求項10】
熱硬化性樹脂からなる連続気泡型の発泡体を加工して造形物を形成し、
前記造形物の表面に、前記発泡体の内部に浸透して前記表面を保護する浸透層を形成して造形品を作製し、
前記造形品に造花、加工植物又は生花を生けるフラワーアレンジメント方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、造形品及びフラワーアレンジメント方法に関する。
【背景技術】
【0002】
熱硬化性樹脂からなる連続気泡型の発泡体は、空気や水を通し、弾力性を有するという特徴があり、気泡内に液体を含ませて汚れを拭き取る吸水クリーナースポンジ、洗剤を含ませて食器や自動車を洗うスポンジ、椅子やマットレスなどのクッション材として使われている。
【0003】
熱硬化性樹脂からなる連続気泡型の発泡体である吸水スポンジに、例えば、フローラルフォームがある。フローラルフォームは、吸水させて生花を挿したり、吸水させずに造花やプリザーブドフラワーを挿して固定したりする台座としてフラワーアレンジメントで用いられる。
【0004】
フローラルフォームは切断することが容易な素材であり、フラワーアレンジメント用の台座として、花器のサイズに合わせて切断して用いられる。
【0005】
フローラルフォームは吸水性の良い多孔質のスポンジであり、独特の質感を有する。形成が容易で色揃えが多く、独特の質感を備えるフローラルフォームは、造形品を作製する素材として魅力的な特質を有している。
【0006】
フローラルフォームは生花を挿す際、茎を傷めないようにするために「もろい」「くずれやすい」という性質を備えており、その性質により切断、掘削といった加工が容易ではあるものの、造形品として利用するためには強度が不足する。
【0007】
下記特許文献1は、フローラルフォームを使用した植木鉢が開示されている。下記特許文献1は、植木鉢としてフローラルフォームを利用することを目的としており、フローラルフォームの表面を合成樹脂塗料膜で固め、上面の一部から底面の方向に植え込み用穴と底面の一部に排水用の穴を設ける構成である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2011−177136公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1の発明は、フローラルフォームを植木鉢として利用するために、フローラルフォームの表面を合成樹脂塗料膜で固めて水の蒸発を防ぎ、底面に排水に必要な穴を設けている。
【0010】
熱硬化性樹脂からなる連続気泡型の発泡体であるフローラルフォームを切断、及び掘削して形成する場合、形成途中、その造形品を手で強めに持ったり、又はその造形品の表面を指で押さえたりすると、フローラルフォームに力を加えた部分がへこみ、元に戻らないため、造形品の素材としてフローラルフォームを利用するためには、それらの力に耐えることができる強度を付与する必要がある。
【0011】
熱硬化性樹脂からなる連続気泡型の発泡体に浸透しにくい接着剤、例えば、粘度が高く硬化速度が速い接着剤を用いて、前記発泡体である家庭用スポンジの表面の一部に部材を接着させた後、その部材を指で触ると、前記発泡体から容易に剥離してしまう。前記発泡体がフローラルフォームの場合も、その「もろい」性質により、接着面の接着剤にフローラルフォームの粉末が付着し、接着剤がフローラルフォーム本体から剥がれてしまう。また、前記発泡体に浸透しすぎる、例えば、粘度が低く硬化速度が遅い接着剤を用いて部材を接着すると、今度は接着剤が前記発泡体に吸収されて接着面に残らず、やはり部材を接着することができない。
【0012】
熱硬化性樹脂からなる連続気泡型の発泡体であるフローラルフォームは、その「もろい」性質により曲げ強度が劣るため、板状、棒状に形成したフローラルフォームを手で曲げると容易に割れてしまう。例えば、厚さ3mmの板状に形成したフローラルフォームを手で円筒状に曲げようとすると必ず折れてしまう。
【0013】
本発明の課題は、熱硬化性樹脂からなる連続気泡型の発泡体を優れた造形の素材にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本願発明者は、熱硬化性樹脂からなる連続気泡型の発泡体、及び前記発泡体であるフローラルフォームを加工して形成された造形物と、前記発泡体の表面に、表面を保護する浸透層を備えたことを特徴とする下記の構成を採用することにより、前記の課題を解決できることを見出して、本発明を完成させるに至った。
【0015】
すなわち、本発明は造形品であって、硬化性樹脂からなる連続気泡型の発泡体を加工して形成された造形物と、
前記造形物の表面に形成され、前記発泡体の内部に浸透して前記表面を保護する浸透層と、
を備えたことを特徴とする。
【0016】
前記発泡体は、フェノール樹脂又はポリウレタン樹脂から形成してもよい。
【0017】
前記発泡体は、フローラルフォームであることを特徴とする。
【0018】
前記浸透層は、ポリビニルアルコール樹脂、アクリル樹脂、光硬化性樹脂、ウレタン樹脂又はシリコーン樹脂からなることを特徴とする。
【0019】
前記浸透層の表面に形成された保護層、をさらに備えてもよい。
【0020】
前記保護層は、ポリビニルアルコール樹脂、アクリル樹脂、光硬化性樹脂、ウレタン樹脂又はシリコーン樹脂から形成されてもよい。
【0021】
前記浸透層は、柔軟性を有するアクリル樹脂、又は柔軟性を有する光硬化性樹脂から形成されてもよい。
【0022】
前記造形物は、厚さ5mm以下の板状又は棒状でもよい。
【0023】
本発明は造形品であって、熱硬化性樹脂からなる連続気泡型の発泡体を加工して形成された造形物と、前記造形物の表面に形成され、前記発泡体の内部に浸透して前記表面を保護するポリビニルアルコール樹脂、アクリル樹脂、光硬化性樹脂、ウレタン樹脂又はシリコーン樹脂からなる浸透層と、を有する第1の造形品と、
熱硬化性樹脂からなる連続気泡型の発泡体を加工して形成された造形物と、前記造形物の表面に形成され、前記発泡体の内部に浸透して前記表面を保護する柔軟性を有するアクリル樹脂、又は柔軟性を有する光硬化性樹脂からなる浸透層と、を有し、曲げられた状態で前記第1の造形品に接着された第2の造形品と
を備えたことを特徴とするものでもよい。
【0024】
本発明はフラワーアレンジメント方法であって、熱硬化性樹脂からなる連続気泡型の発泡体を加工して造形物を形成し、
前記造形物の表面に、前記発泡体の内部に浸透して前記表面を保護する浸透層を形成して造形品を作製し、
前記造形品に造花、加工植物又は生花を生けることを特徴とするものでもよい。
【発明の効果】
【0025】
請求項1に係る発明によれば、熱硬化性樹脂からなる連続気泡型の発泡体は、容易に切断、掘削できるため、任意の形に形成でき、前記発泡体で形成された造形物の表面に、表面を保護する浸透層を備えることで強度を付与できる。この浸透層は、前記発泡体の表面に部材を付着させる際にプライマーの役割を果たす。前記発泡体は、連続気泡構造を有することから気体や液体の透過性、及び、保持性に優れているため、容易に浸透層を設けることができる。
【0026】
請求項2に係る発明によれば、フェノール樹脂、又はポリウレタン樹脂の発泡体の孔と、自然界に存在する多孔質体の孔の形状が似ていることから、その形状の質感を利用した造形材料として使用できる。例えば、フェノール樹脂、又はポリウレタン樹脂の発泡体の連続気泡構造と製菓用のスポンジケーキの連続気泡構造が酷似しているため、前記発泡体を用いてスポンジケーキを模した造形物を簡単に作製することができる。
【0027】
請求項3に係る発明によれば、容易に切断、掘削でき、任意の形にすることができる素材であり、家庭用の道具で形成できる。例えば、家庭用の調理道具の製菓用の抜き型を用いて簡単に型抜きでき、野菜用のスライサーで厚さ2mmに形成できる。
また、フローラルフォームは色揃えが多数あるため、好みの色を選択したり、アイボリーなどの薄い色のフローラルフォームに、着色料で好みの色に着色できる。
本発明により、ミニチュアサイズの造形品が容易に作製できる。例えば、実物の1/6や1/12のサイズで形成したホールケーキを模したフローラルフォームの造形品を、カッターナイフで切り分けても崩れることがなく、前記造形品の断面の質感も表現できる。
【0028】
請求項4に係る発明によれば、浸透層に浸透させる合成樹脂の種類により、造形品の仕上がりの質感を変えることができる。
例えば、浸透層にポリビニルアルコール樹脂を用いると、フローラルフォームの気泡を消さずにその質感に生かすことができ、スポンジケーキを模した造形品が作製できる。
また、この浸透層は造形品の表面を保護しながら、前記の浸透層に重なる層の結合力、及び部材を造形品に固定させる接着剤と前記の浸透層の結合力を補強することができる。
【0029】
請求項5に係る発明によれば、浸透層の表面にさらに保護層を備えることにより、その造形品は、前記保護層だけの時よりも強い強度を備えることができる。
【0030】
請求項6は、保護層で使用する合成樹脂は、造形品の仕上がりの質感を変えるという装飾の効果がある。例えば、保護層にアクリル樹脂である炭酸カルシウム入りアクリルエマルジョンを用いると、この保護層でホイップクリームを模した装飾ができる。
【0031】
請求項7に係る発明によれば、板状もしくは棒状に形成した造形品の表面に柔軟性を有する合成樹脂の浸透層を備えることにより、これらの造形品は、曲げ強度が付与され、曲げ加工、ひねり加工が可能になる。
柔軟性を有する合成樹脂とは、アクリルポリマーエマルジョンを乾燥、又は光硬化性樹脂に特定の波長の光を照射し硬化させた後において伸縮性を有するものである。
【0032】
請求項8に係る発明によれば、厚さ3mmの板状のフローラルフォームで直径(外径)40mmの円筒状に曲げようとすると必ず折れてしまうが、本特許の処理をすることで、直径(外径)40mmの円筒形にすることができる。
【0033】
請求項9に係る発明によれば、本特許の処理をした合成樹脂の浸透層を備えたフローラルフォームの造形品と、本特許の処理をした柔軟性を有する合成樹脂の浸透層を備えたフローラルフォームを曲げた構造を有する造形品を組み合わせることで、曲がった構造を部分構造として持つ造形品を作製することができる。例えば、りんごタルトを模した造形品を作製する場合、タルト台の部分を合成樹脂の浸透層を備えたフローラルフォームで作り、トッピングである湾曲したスライスりんごの部分を柔軟性を有する合成樹脂の浸透層を備えたフローラルフォームで作り、両者を接着させることで、りんごタルトを模した造形品を完成させることができる。
【0034】
請求項10に係る発明によれば、熱硬化性樹脂からなる連続気泡型の発泡体の造形品を用いることにより、従来のフローラルフォームの用途であるフラワーアレンジメントの「台座」、「剣山」としてだけではなく、「魅せる器」としての機能を備えることができる。この「魅せる器」の機能を備えた造形品は、様々な模型品としてフラワーアレンジメントと一体化させることができ、これまでにない、新しいフラワーアレンジメントの手法となる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】 本発明の一実施形態に係る熱硬化性樹脂からなる連続気泡型の発泡体を加工して形成された造形物の表面から内部に浸透して表面を保護する浸透層を模式的に示す縦断面図である。
図2】 本発明の一実施形態に係る熱硬化性樹脂からなる連続気泡型の発泡体の透層の表面に形成された保護層を模式的に示す縦断面図である。
図3-1】 本発明の一実施形態に係る熱硬化性樹脂からなる連続気泡型の発泡体を加工して形成された造形物の柔軟性を有するアクリルポリマーエマルジョンの浸透層を示す斜視図及び拡大断面図である。
図3-2】 本発明の一実施形態に係るフローラルフォームに曲げ強度を付与することで円筒形に曲げた造形品を示す写真である。
図4】 本発明の一実施形態に係る実施例1の工程を示す正面図である。
図5】 本発明の一実施形態に係る実施例2の工程を示す正面図である。
図6】 本発明の一実施形態に係る実施例3の工程を示す縦断面図及び正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明のフローラルフォーム等の発泡体の表面に浸透層及び保護層を備える造形品について、図面に従って説明する。ただし、本発明はこれらの実施形態のみに限定されるものではない。
【0037】
本発明では、熱硬化性樹脂からなる連続気泡型の発泡体を加工して形成された造形物1の表面に、前記発泡体の表面から内部にかけて、浸透して表面を保護する浸透層2を備えた造形品が提供される。図1は浸透層2を模式的に示す縦断面図である。その浸透層2の範囲については、(a)が全面、(a’)が底面以外の面を示しており、強度を付与する必要がある面に浸透層2を設けるのが好ましい。什器に載せて展示することを目的とした造形品で、底面に強度を付与する必要がない場合は(a’)が示す範囲の浸透層2となる。
前記造形物1の表面から内部に浸透層2を設けず、表面外部に合成樹脂のコーティング層を設けた場合、例えば、造形品に落下の衝撃が加わると、前記発泡体と合成樹脂のコーティング層が容易に剥離する。これは前記造形物1の「もろい」性質により起こることで、合成樹脂のコーティング層の接着面に前記造形物1の一部が付着して本体から剥がれ落ちることが原因である。
本発明は、図1(a)、図1(a’)で示す浸透層2に、合成樹脂が浸透しており、その浸透層2に含まれる合成樹脂を硬化させることで、前記造形物1の表面から内側に合成樹脂が根を張った状態になり、造形物1の表面を保護する。合成樹脂については、造形物1が必要とする表面の強度と造形品で表現したい質感により、その種類を選択する。例えば、前記発泡体をスポンジケーキを模した造形品に形成する場合は、ポリビニルアルコール樹脂が良く、ゼリーを模した造形品に形成する場合は、アクリル樹脂、又は光硬化性樹脂を用いると良い。
浸透層用の合成樹脂には、オプションとして添加物を加えることができる。添加物の典型的な例としては、アクリル絵の具、顔料であり、これらの着色料は浸透層に使用する合成樹脂に混ざるものを選ぶ。また、前記発泡体の内部に香料を吸収させることで造形品から香りを発散させることができる。浸透層は、例えば、0.5〜2mm程度の厚さとする。
【0038】
本発明では、熱硬化性樹脂からなる連続気泡型の発泡体を加工して形成された造形物1の表面に、前記造形物1の内部に表面を保護する浸透層2を備えた造形品の表面に形成された保護層3を、さらに備えた造形品が提供される。保護層3は、例えば、0.5〜2mm程度の厚さとする。図2は、前記造形物1の内部に浸透して表面を保護する浸透層2を備えた造形品の表面に形成された保護層3を模式的に示す縦断面図である。その保護層3の範囲については、(b)が造形物1の全面、(b’)が造形物1の面の一部を示しており、この保護層3の範囲、及び厚さが大きいほど強度が付与される。この保護層3は装飾することを目的として設けても良い。(b)の保護層3は、造形品の表面全体を保護しながら装飾しており、この保護層3により耐水性を備えることも可能である。(b’)の保護層3は、装飾を目的としており、例えば、製菓のケーキ装飾方法を用いてフルーツソースを模した液体の層を設けることができる。図2で示す保護層3については、ポリビニルアルコール樹脂、アクリル樹脂、光硬化性樹脂、ウレタン樹脂、又はシリコーン樹脂の1層又は2層以上を用いて、必要とする造形品の表面の強度と、造形品で表現する質感により、その種類を選択する。保護層3の厚さは、表現したい造形品により分量を決定してもよい。
【0039】
図3−1は、熱硬化性樹脂からなる連続気泡型の発泡体を加工して形成された造形物1の全ての表面に、柔軟性を有する光硬化性樹脂を浸透させて、柔軟性を有する光硬化性樹脂の浸透層4を設けた拡大断面図である。
図3−2は前記発泡体であるフローラルフォームを幅10mm、厚さ3mm、長さ120mmの板状に形成後、全ての表面に柔軟性を有する光硬化性樹脂を浸透させて柔軟性を有する光硬化性樹脂の浸透層4を、光硬化性樹脂に対応する特定の波長の光を片面につき4分間照射した。前記浸透層4に含まれる柔軟性を有する光硬化性樹脂を硬化させてから、手で円筒状に曲げた柔軟性を有する造形品5である。図3−2の材料について、フローラルフォームは、スミザーズ−オアシス・カンパニー製「RAINBOW(登録商標)フォーム」ブリックの栗色、光硬化性樹脂は、株式会社パジコ製「UVレジンン太陽のしずく(グミータイプ)」3g、特定の波長の光を照射する機材は、永光株式会社製UVライト(EKO−UV36W)を使用している。実施例は柔軟性を有するアクリル樹脂(市販品)でもよい。
【実施例】
【0040】
以下に、この本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている材料や分量、大きさなどは、この本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【実施例1】
【0041】
図4は、熱硬化性樹脂からなる連続気泡型の発泡体であるフローラルフォームの円錐状の造形物6を芯材として、前記発泡体であるフローラルフォームで形成した葉の形状の造形物(大)7、及び葉の形状の造形物(小)8を装飾部材として付着させた樹木状の造形品の正面図を示す(図4(A−3)参照)。
厚さ2mmにスライスしたフローラルフォームを葉の形状に切り抜いて造形物7、及び造形物8を形成し、ポリビニルアルコール樹脂を筆14に含ませ、前記造形物7、及び前記造形物8の全ての表面に浸透させて浸透層2を設ける(図4(A−1)参照)。円錐状のフローラルフォームの造形物6の全ての表面にもポリビニルアルコール樹脂の浸透層2を設ける(図4(A−2)参照)。前記浸透層2を乾燥させた後、円錐状の造形物6の下から上に向けて円錐状の造形物6が隠れるように葉の形状の造形物(大)7、及び葉の形状の造形物(小)8を円錐状の造形物6に接着剤で付着させ(図4(A−2)参照)、円錐状の造形物6の表面に取り付ける(図4(A−3)参照)。
フローラルフォームを形成した円錐状の造形物6、葉の形状の造形物(大)7、及び葉の形状の造形物(小)8の表面に浸透層2を設けるために含ませるポリビニルアルコール樹脂の量は、フローラルフォームの表面全体が湿る程度であることが好ましい。
図4の実施例において使用するポリビニルアルコール樹脂の分量は、底面の直径80mm、高さ200mm、総表面積約27632mmの円錐状の造形物6に対して12g、長さ50mm、幅35mm、厚さ2mm、総表面積約2365mmの葉の形状の造形物(大)7に対して1枚につき1g、長さ35mm、幅25mm、厚さ2mm、総表面積約1198mmの葉の形状の造形物(小)8に対して1枚につき0.5gである。
なお、使用するポリビニルアルコール樹脂の分量は、前記の分量より増減しても良い。
図4の実施例における材料は、熱硬化性樹脂からなる連続気泡型の発泡体であるフローラルフォームの円錐状の造形物6は、スミザーズ−オアシス・カンパニー製「セック円錐20cm」、葉の形状の造形物(大)7、及び葉の形状の造形物(小)8に使用した前記発泡体であるフローラルフォームは、スミザーズ−オアシス・カンパニー製「RAINBOW(登録商標)フォーム」、ブリック(縦80mm、横110mm、長さ230mm)の桜色である。前記造形物6〜8に使用したポリビニルアルコール樹脂は、合成せんたく糊として販売されている株式会社大阪糊本舗製「ハイ・クリーチ」で、接着剤は、コニシ株式会社製「ボンド木工用速乾」である。
実施例1のポリビニルアルコール樹脂は、前記「ハイ・クリーチ」に限るものではなく、アクリル樹脂(市販品)、光硬化性樹脂(市販品)でもよい。
【実施例2】
【0042】
図5は、熱硬化性樹脂からなる連続気泡型の発泡体であるフローラルフォームで形成した円柱状の造形物9に浸透層2と保護層3を備えたケーキを模した造形品、及びその造形品を使用したフラワーアレンジメント方法を示す模式工程の正面図である。
前記造形物9に、ポリビニルアルコール樹脂を筆14に含ませ、前記造形物9の全ての表面に浸透させて浸透層2を設ける(図5(B−1)参照)。前記浸透層2を乾燥させた後、前記造形物9の上面にアクリル樹脂を載せてヘラ15で平らに整え(図5(B−2)参照)、前記造形物9の側面の上方1/2にもアクリル樹脂を付着させて保護層3を設ける。前記保護層3はホイップクリーム状の質感を持ち、接着剤としての機能も有するので、前記保護層3の上面に装飾部材12として加工植物であるプリザーブドフラワーを配置して付着させる(図5(B−3)参照)。
図5の実施例において浸透層に使用するポリビニルアルコール樹脂の分量は、底面の直径100mm、高さ50mm、総表面積約23550mmの円柱状の造形物9に対して10g、保護層に使用するアクリル樹脂は、前記造形物9の上面、及び側面の上方1/2、総表面積約15700mmに対して100gである。
なお、使用するポリビニルアルコール樹脂、及びアクリル樹脂の分量は、前記の分量より増減しても良い。
図5の実施例における材料は、熱硬化性樹脂からなる連続気泡型の発泡体であるフローラルフォームの円柱状の造形物9は、スミザーズ−オアシス・カンパニー製「RAINBOW(登録商標)フォーム」RFケーキ(直径100mm、高さ50mm)の桜色、前記造形物9の浸透層に使用したポリビニルアルコール樹脂は、合成せんたく糊として販売されている株式会社大阪糊本舗製「ハイ・クリーチ」で、保護層に使用したアクリル樹脂は、日本総発売元バニーコルアート株式会社「Liquitex(登録商標)ライトモデリングペースト」である。
実施例2のポリビニルアルコール樹脂は、前記「ハイ・クリーチ」に限るものではない。また、浸透層は、アクリル樹脂(市販品)、光硬化性樹脂(市販品)、ウレタン樹脂(市販品)、シリコーン樹脂(市販品)でもよい。また、前記実施例のアクリル樹脂は、「Liquitex(登録商標)ライトモデリングペースト」に限るものではない。
実施例2の装飾部材12であるプリザーブドフラワーは、株式会社大地農園製「ローズ・てまり」ブライダルピンク(02460−101)3本、「ローズ・まりひめ・大」ピンクベリー(02602−121)4本、「ローズ・まりひめ・小」アンティークピンク(02601−031)3本、「セージグリーン」(3560−701)を約100mmに切ったものを3本である。装飾部材12は前記プリザーブドフラワーに限らず、加工植物であるドライフラワー、押し花、押し葉を含む加工された植物、造花である、布花、粘土花、アーティフィシャルフラワー、及びその他の部材として、ドライフルーツ、食品模型を用いても良い。
【実施例3】
【0043】
図6は、りんごタルトを模した造形品を示す模式工程図で、(C−1)は断面図、(C−2)から(C−4)は正面図である。
熱硬化性樹脂からなる連続気泡型の発泡体であるフローラルフォームを厚さ20mmに切断して、直径60mmの製菓用の丸型で抜き取り、タルト台を模した、直径60mm、厚さ20mmの円柱状の造形物10を形成し(図6(C−1)参照)、筆14に含ませたポリビニルアルコール樹脂を、前記造形物10の全ての表面に塗布し、浸透させた後、乾燥させる(図6(C−1)参照)。
前記発泡体であるフローラルフォームを厚さ2mmにスライスして製菓用の直径45mmの丸型で6枚を抜き取り、それを縦半分に切って、半円型のスライスりんご状の造形物11を12枚作製する。前記造形物11の全ての表面に柔軟性を有する光硬化性樹脂を筆14に含ませて浸透させる(図6(C−2)参照)。タルト台を模した円柱状の造形物10の表面の浸透層2に含ませるポリビニルアルコール樹脂の量、及びスライスりんご状の造形物11の表面の浸透層4に含ませる柔軟性を有する光硬化性樹脂の量は、タルト台を模した円柱状の造形物10、及びスライスりんご状の造形物11の表面全体が湿る程度であることが好ましい。
スライスりんご状の造形物11の表面に設けた柔軟性を有する光硬化性樹脂の浸透層4に、光硬化性樹脂に対応する特定の波長の光を、片面につき4分間照射して、浸透層4に含まれる光硬化性樹脂を硬化させる。
タルト台を模した円柱状の造形物10の浸透層の上面にアクリル樹脂を盛り、前記造形品の保護層3の中心部が高くなるようヘラ15で山形に整える(図6(C−3)参照)。柔軟性を有する浸透層4を備えたスライスりんご状の造形品を指でひねり、前記保護層3は接着剤としての機能も有するので、前記保護層3の上面に付着させ、乾燥させる。
装飾部材12として、加工植物であるプリザーブドフラワーを配置して付着させる(図6(C−4)参照)。
アクリル絵の具を用いて、タルト台を模した円柱状の造形物10の表面に、焼き色を薄く着色し、スライスりんご状の造形物11の弧の部分に、りんごの皮の色を薄く着色させる。
図6の実施例3においてタルト台を模した直径60mm、高さ20mm、総表面積約9420mmの円柱状の造形物10の浸透層2に使用するポリビニルアルコール樹脂の分量は4g、前記造形物10の浸透層2の上面に使用する底面直径約52mm、高さ約50mmの山形に整えたアクリル樹脂の分量は25g、スライスりんご状の造形物11の浸透層4に使用する柔軟性を有する光硬化性樹脂の分量は、直径45mmの半円形、厚さ2mm、総表面積約3461mmのスライスりんご状の造形物11、1枚に対して1gである。
なお、実施例3で使用するポリビニルアルコール樹脂、アクリル樹脂、及び柔軟性を有する光硬化性樹脂の分量は、前記の分量より増減しても良い。
図6の実施例3における材料は、タルト台を模した円柱状の造形物10は、スミザーズ−オアシス・カンパニー製「RAINBOW(登録商標)フォーム」ブリック(縦80mm、横110mm、長さ230mm)のアイボリー色、前記造形物10の浸透層2に使用したポリビニルアルコール樹脂は、合成せんたく糊として販売されている株式会社大阪糊本舗製「ハイ・クリーチ」で、前記保護層3に使用したアクリル樹脂は、日本総発売元バニーコルアート株式会社「Liquitex(登録商標)ライトモデリングペースト」である。スライスりんご状の造形物11の浸透層2に使用した柔軟性を有する光硬化性樹脂は、株式会社パジコ製「UVレジンン太陽のしずく(グミータイプ)」である。
特定の波長の光を照射する機材は、永光株式会社製UVライト(EKO−UV36W)を使用している。
装飾部材12であるプリザーブドフラワーは、株式会社大地農園製「スターフラワー・ブロッサム」白(30191−011)2本、「セージグリーン」(3560−701)の葉を1枚。装飾部材12は前記プリザーブドフラワーに限らず、加工植物であるドライフラワー、押し花、押し葉を含む加工された植物、造花である、布花、粘土花、アーティフィシャルフラワー、及びその他の部材として、ドライフルーツ、食品模型を用いても良い。
【産業上の利用可能性】
【0044】
以上のように、本発明による熱硬化性樹脂からなる連続気泡型の発泡体を加工して形成された造形物と、前記造形物の表面に形成され、前記発泡体の内部に浸透して表面を保護する浸透層を備えた造形品は、商品はもちろん、手芸教室等での教材として有用であり、フラワーアレンジメントショップ、ブライダル関連の商材としても有用である。本発明による造形品は食品模型だけではなく、様々な模型品、造形品として、インテリアオブジェ、撮影用補助道具、ショーウィンドウディスプレイ、ブライダル関連用品として用途があり、アクセサリーに加工することも可能である。
【符号の説明】
【0045】
1 造形物
2 浸透層
3 保護層
4 柔軟性を有する光硬化性樹脂の浸透層
5 柔軟性を有する造形品
6 円錐状の造形物
7 葉の形状の造形物(大)
8 葉の形状の造形物(小)
9 ケーキを模した円柱状の造形物
10 タルト台を模した円柱状の造形物
11 スライスりんご状の造形物
12 装飾部材
13 容器に入った合成樹脂
14 筆
15 ポリプロピレン製のヘラ/スプーン
図1
図2
図3-1】
図3-2】
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2019年5月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フローラルフォームを加工して形成された造形物と、
前記造形物の表面にポリビニルアルコール樹脂を浸透させて設けられた浸透層と、
を備えた造形品。
【請求項2】
前記浸透層は、前記造形物の内部の底面以外の表面側に浸透して形成された、請求項1に記載の造形品。
【請求項3】
フローラルフォームを加工して形成された他の造形物をさらに備え、
前記他の造形物は、柔軟性を有するアクリル樹脂、又は柔軟性を有する光硬化性樹脂を前記他の造形物の表面に浸透させて設けられた浸透層が形成され、
前記他の造形物は、厚さ5mm以下の板状又は棒状で、曲げられている、請求項1に記載の造形品。
【請求項4】
フローラルフォームを加工して造形物を形成する第1の工程と、
前記造形物の表面にポリビニルアルコール樹脂を塗布して前記造形物に前記ポリビニルアルコール樹脂が浸透して浸透層を形成する第2の工程と、
を含む造形品の製造方法。
【請求項5】
前記第2の工程は、前記造形物の底面以外の表面に前記ポリビニルアルコール樹脂を塗布して前記造形物の内部の底面以外の表面側に前記浸透層を形成する、請求項4に記載の造形品の製造方法。
【請求項6】
フローラルフォームを加工して他の造形物を形成する第3の工程と、
前記他の造形物に柔軟性を有するアクリル樹脂、又は柔軟性を有する光硬化性樹脂を塗布して前記他の造形物の表面に前記柔軟性を有するアクリル樹脂、又は前記柔軟性を有する光硬化性樹脂が浸透して浸透層を形成する第4の工程と、
前記他の造形物を前記造形物に接着する第5の工程を含み、
前記他の造形物は、厚さ5mm以下の板状又は棒状で、曲げられている、請求項4又は5に記載の造形品の製造方法。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は、造形品及び造形品の製造方法に関する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0025】
本発明によれば、熱硬化性樹脂からなる連続気泡型の発泡体は、容易に切断、掘削できるため、任意の形に形成でき、前記発泡体で形成された造形物の表面に、表面を保護する浸透層を備えることで強度を付与できる。この浸透層は、前記発泡体の表面に部材を付着させる際にプライマーの役割を果たす。前記発泡体は、連続気泡構造を有することから気体や液体の透過性、及び、保持性に優れているため、容易に浸透層を設けることができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0026】
フェノール樹脂、又はポリウレタン樹脂の発泡体の孔と、自然界に存在する多孔質体の孔の形状が似ていることから、その形状の質感を利用した造形材料として使用できる。例えば、フェノール樹脂、又はポリウレタン樹脂の発泡体の連続気泡構造と製菓用のスポンジケーキの連続気泡構造が酷似しているため、前記発泡体を用いてスポンジケーキを模した造形物を簡単に作製することができる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0027】
フローラルフォームは、容易に切断、掘削でき、任意の形にすることができる素材であり、家庭用の道具で形成できる。例えば、家庭用の調理道具の製菓用の抜き型を用いて簡単に型抜きでき、野菜用のスライサーで厚さ2mmに形成できる。
また、フローラルフォームは色揃えが多数あるため、好みの色を選択したり、アイボリーなどの薄い色のフローラルフォームに、着色料で好みの色に着色できる。
本発明により、ミニチュアサイズの造形品が容易に作製できる。例えば、実物の1/6や1/12のサイズで形成したホールケーキを模したフローラルフォームの造形品を、カッターナイフで切り分けても崩れることがなく、前記造形品の断面の質感も表現できる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0028】
浸透層に浸透させる合成樹脂の種類により、造形品の仕上がりの質感を変えることができる。
例えば、浸透層にポリビニルアルコール樹脂を用いると、フローラルフォームの気泡を消さずにその質感に生かすことができ、スポンジケーキを模した造形品が作製できる。
また、この浸透層は造形品の表面を保護しながら、前記の浸透層に重なる層の結合力、及び部材を造形品に固定させる接着剤と前記の浸透層の結合力を補強することができる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0029】
浸透層の表面にさらに保護層を備えることにより、その造形品は、前記保護層だけの時よりも強い強度を備えることができる。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0030】
保護層で使用する合成樹脂は、造形品の仕上がりの質感を変えるという装飾の効果がある。例えば、保護層にアクリル樹脂である炭酸カルシウム入りアクリルエマルジョンを用いると、この保護層でホイップクリームを模した装飾ができる。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0031】
板状もしくは棒状に形成した造形品の表面に柔軟性を有する合成樹脂の浸透層を備えることにより、これらの造形品は、曲げ強度が付与され、曲げ加工、ひねり加工が可能になる。
柔軟性を有する合成樹脂とは、アクリルポリマーエマルジョンを乾燥、又は光硬化性樹脂に特定の波長の光を照射し硬化させた後において伸縮性を有するものである。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0032】
厚さ3mmの板状のフローラルフォームで直径(外径)40mmの円筒状に曲げようとすると必ず折れてしまうが、本特許の処理をすることで、直径(外径)40mmの円筒形にすることができる。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0033】
本特許の処理をした合成樹脂の浸透層を備えたフローラルフォームの造形品と、本特許の処理をした柔軟性を有する合成樹脂の浸透層を備えたフローラルフォームを曲げた構造を有する造形品を組み合わせることで、曲がった構造を部分構造として持つ造形品を作製することができる。例えば、りんごタルトを模した造形品を作製する場合、タルト台の部分を合成樹脂の浸透層を備えたフローラルフォームで作り、トッピングである湾曲したスライスりんごの部分を柔軟性を有する合成樹脂の浸透層を備えたフローラルフォームで作り、両者を接着させることで、りんごタルトを模した造形品を完成させることができる。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0034】
熱硬化性樹脂からなる連続気泡型の発泡体の造形品を用いることにより、従来のフローラルフォームの用途であるフラワーアレンジメントの「台座」、「剣山」としてだけではなく、「魅せる器」としての機能を備えることができる。この「魅せる器」の機能を備えた造形品は、様々な模型品としてフラワーアレンジメントと一体化させることができ、これまでにない、新しいフラワーアレンジメントの手法となる。
【手続補正書】
【提出日】2019年12月3日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フローラルフォームを加工して形成された造形物と、
前記造形物の表面にポリビニルアルコール樹脂を浸透させて設けられた浸透層と、
を備え
フローラルフォームを加工して形成された他の造形物をさらに備え、
前記他の造形物は、柔軟性を有するアクリル樹脂、又は柔軟性を有する光硬化性樹脂を前記他の造形物の表面に浸透させて設けられた浸透層が形成され、
前記他の造形物は、板状又は棒状で、曲げられている、造形品。
【請求項2】
フローラルフォームを加工して造形物を形成する第1の工程と、
前記造形物の表面にポリビニルアルコール樹脂を塗布して前記造形物に前記ポリビニルアルコール樹脂が浸透して浸透層を形成する第2の工程と、
フローラルフォームを加工して他の造形物を形成する第3の工程と、
前記他の造形物に柔軟性を有するアクリル樹脂、又は柔軟性を有する光硬化性樹脂を塗布して前記他の造形物の表面に前記柔軟性を有するアクリル樹脂、又は前記柔軟性を有する光硬化性樹脂が浸透して浸透層を形成する第4の工程と、
前記他の造形物を前記造形物に接着する第5の工程を含み、
前記他の造形物は、板状又は棒状で、曲げられている、造形品の製造方法。