(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-54769(P2020-54769A)
(43)【公開日】2020年4月9日
(54)【発明の名称】掃除機ノズル用回転ブラシ
(51)【国際特許分類】
A47L 9/02 20060101AFI20200313BHJP
A47L 9/04 20060101ALI20200313BHJP
【FI】
A47L9/02 D
A47L9/04 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】書面
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2018-197031(P2018-197031)
(22)【出願日】2018年10月1日
(71)【出願人】
【識別番号】512007775
【氏名又は名称】瀬見井 耕平
(72)【発明者】
【氏名】瀬見井 耕平
【テーマコード(参考)】
3B061
【Fターム(参考)】
3B061AA18
3B061AA43
3B061AA44
3B061AD01
3B061AD11
3B061AE05
(57)【要約】
【課題】家の中を掃除する場合、通常は掃除機の床用ノズルやすき間ノズルを使って部屋とか床面を掃除するが、広いスペースの掃除はよいとしても、すき間ノズルが入りにくいアルミ戸の深いレール溝の間とか、ノズルが吸い付いて一向にはかどらないカーテンなどの布地のほこり除去はかなり困難である。このような個所をきれいに掃除する掃除用具の提供を目指す。
【解決手段】軸受に通した軸棒の一端にブラシを、他端に気流を受けて回転するプロペラを取り付け、軸受の周囲に複数のプレートを放射状かつプレート外縁が円弧を描くように配した放射状プレートを装着し、掃除機への通電による吸気発生により軸棒に連結したプロペラおよびブラシを回転させてゴミやホコリを除去するしくみとした。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸受に通した軸棒の一端にブラシを、他端に気流を受けて回転するプロペラを取り付け、軸受の周囲に複数のプレートを放射状かつプレート外縁が円弧を描くように配した放射状プレートを装着し、掃除機への通電による吸気発生により軸棒に連結したプロペラおよびブラシが回転することを特徴とする掃除機ノズル用回転ブラシ。
【請求項2】
ブラシの回転は、掃除機吸気ホースの延長線を中心軸として回るこまと同じ回転方向であり、水平軸を中心軸とする回転とは異なることを特徴とする請求項1記載の掃除機ノズル用回転ブラシ。
【請求項3】
ブラシのはけ毛を束ねるホルダーの断面形状が長方形、正方形、楕円形、円形、その他の多角形および変形など形状を選ばないことを特徴とする請求項1記載の掃除機ノズル用回転ブラシ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、掃除機で部屋の中を掃除する場合に、床用ノズルあるいはすき間ノズルでは入り込めない深く入り組んだ個所や、カーテンなどの布地にたまったゴミやホコリを取り除く掃除機ノズル用の回転ブラシに関するものである。
【背景技術】
【0002】
家の掃除をする場合、通常は掃除機の先端に床用ノズルを装着して部屋や廊下のゴミやホコリを吸い取っているが、床用ノズルが入らないガラス戸や障子戸の桟、アルミサッシ戸や雨戸のレールの深い溝にたまったゴミなどは、すき間ノズルを使ってなんとか吸い込んでいるのが現状であるが、十分とはいえない。さらに、コンセントの近くなど電気配線が複雑にからみ合った場所は、たまったホコリが漏電火災の原因ともなりかねずたいへん危険であるが、確実に取り除くのはむずかしい。カーテンに付着したホコリについては、床用ノズルやすき間ノズルを使用しても布地がノズルに吸い付き、すべてのホコリを取り除くのは時間もかかりたいへんな作業である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−102657号公報
【特許文献2】特開昭58−054920号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の掃除機ノズル用回転ブラシは、上述した掃除しにくい場所を手軽に掃除できる器具を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための本発明は、軸受に通した軸棒の一端にブラシを、他端に気流を受けて回転するプロペラを取り付け、軸受の周囲に複数のプレートを放射状かつプレート外縁が円弧を描くように配した放射状プレートを装着し、掃除機への通電による吸気発生により軸棒に連結したプロペラおよびブラシが回転する構造を有するものである。
【0006】
さらに、本発明のブラシ回転は、掃除機吸気ホースの延長線を中心軸として回るこまと同じ回転方向であり、水平軸を中心軸とする回転とは異なることを特徴としている。
【0007】
また、本発明の回転ブラシは、ブラシのはけ毛を束ねるホルダーの断面形状が長方形、正方形、楕円形、円形その他の多角形や変形など形状を選ばないものである。
【発明の効果】
【0008】
(1)汚れた部分に回転ブラシが当たってゴミやホコリをかき出し、そのまま吸気ホースに吸い込むため、汚れの除去が確実かつ容易にできる。
(2)布などのような柔軟性のある素材に付着したホコリ等を取り除く場合、吸気口が直接対象物に接触しないため吸気口に布が吸い付くことがない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】 回転ブラシユニットを掃除機の吸気ホースに装着したところを示す斜視図である。
【
図3】 回転ブラシで複雑に入り組んだ電気配線にたまったホコリをかき出している使用説明図である。
【
図4】 回転ブラシでカーテンなどの布地に付着したホコリを取り除く際の、ホコリの流れを示す一部断面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を
図1〜
図4に基づいて説明する。なお、ここで説明する掃除機は電気掃除機のことを指す。
(実施の形態1)
【0011】
図1は本発明の実施の形態1に係る、掃除機ノズルの回転ブラシユニット斜視図である。軸棒2の一端にははけ毛ホルダー6により束ねた回転ブラシ1を、他端には気流で回転するプロペラ4を装着し、軸受3で支える。この回転ブラシユニットは、ブラシ、プロペラ、軸棒、軸受、放射状プレートから成る独立した単体であり、機械的な動力は一切使用しておらず、空気の流れによるプロペラ回転を特徴とする。
【0012】
回転ブラシ1のはけ毛ははけ毛ホルダー6により束ねてあるが、使用状況を考慮した場合、耐久性があって油絵を描くときに使う絵筆のような剛毛がよい。素材としてはナイロン繊維、アクリル繊維などで静電気を発生しにくい素材が理想的である。しかし、完全に静電気を防ぐことは困難なので、必要に応じて静電気防止スプレーを使用することも考えたい。なお、はけ毛を束ねたときの断面形状は、円形、楕円形、長方形、正方形その他いずれでもよいが、被清掃物の細部まで届くように中央がややとがった形にした方が効果的である
【0013】
図2は掃除機ノズルの回転ブラシユニットを使用する状態を示す斜視図であるが、回転ブラシユニットは直接吸気ホース7につなぐのがよい。掃除機には通常ホース7の先につなぐ延長管があるが、回転ブラシユニットの操作動作が制約されるため使用しない方が効率的である。その場合、吸気ホース7の吸い込み口にプロペラ4のある側から差し込み、放射状プレート5を半分ほど挿入したところで留める。つまり、放射状プレート5の前半分と回転ブラシ1の全体が外側に出ている状態とする。
【0014】
電源コード9をコンセントに差し込み掃除機本体8のスイッチを入れると、掃除機が吸気ホース7の先端から空気を吸い込み、その気流によりプロペラ4が回転し、それに直結する回転ブラシ1も回転する。すなわち、回転ブラシ1はモーターや歯車により動くのではなく、放射状プレート5のプレートの間を後方に向かって流れる気流によりプロペラ4が回転するしくみであるため、掃除機使用中に先端の回転ブラシ1が何かの障害物に当たり回転を止めても、機械的に無理がかかることはなく、故障の原因ともなりにくい。
【0015】
図3は束ねた電気配線10の間にたまったホコリを取り除く場合を想定した使用イメージ図である。このように電線が入り組んだ狭い空間にたまったホコリは、通常の掃除機の床用ノズルを使ってすべてを取り去ることはむずかしいし、すき間ノズルを使っても電線の表面しかきれいにすることができない。回転ブラシ1は電気配線10の中に入り込み、たまったホコリをかき出すとともに舞い上がらせ、空中に舞い上がったところを一気に吸気ホース7が吸い込むのである。またこれに関連して、長期間放置されたプラグの周囲にたまったホコリについても、漏電でホコリに引火して火災の原因となりうるため、コンセント周りの掃除も火災予防の点から重要である。
【0016】
図4は、カーテンのようにふんわりとした布地などを掃除する場合を想定したイメージ図である。一般的に、カーテンなどの布地にたまったホコリ13を除去しようと掃除機ノズルを当てても、真空吸気でノズルが布地にピタッとくっついて始末に負えないが、そのようなときに便利なのがこの回転ブラシユニットである。回転ブラシ1と吸気ホース7入口との間には回転ブラシ1および放射状プレート5が存在して通気路が常に確保され、布地が吸気口に吸い付く余地はないので、舞い上がったホコリ13は他所に行く前に吸気ホース7内に取り込まれる。回転ブラシユニットのプロペラは、カーテン掃除中は休まず回転し続けるが、ホコリ13を吸い込む力はなく、回転ブラシ1を回転させることだけを使命としている。
【符号の説明】
【0017】
1・・・回転ブラシ
2・・・軸棒
3・・・軸受
4・・・プロペラ
5・・・放射状プレート
6・・・はけ毛ホルダー
7・・・吸気ホース
8・・・掃除機本体
9・・・電源コード
10・・・電気配線
11・・・プラグ
12・・・カーテン
13・・・ホコリ