特開2020-54807(P2020-54807A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-54807(P2020-54807A)
(43)【公開日】2020年4月9日
(54)【発明の名称】紐留具
(51)【国際特許分類】
   A44B 99/00 20100101AFI20200313BHJP
【FI】
   A44B99/00 611A
   A44B99/00 611N
   A44B99/00 611P
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2019-168867(P2019-168867)
(22)【出願日】2019年9月17日
(31)【優先権主張番号】特願2018-180273(P2018-180273)
(32)【優先日】2018年9月26日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】591115279
【氏名又は名称】株式会社アイリス
(74)【代理人】
【識別番号】100182154
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100109014
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 充
(72)【発明者】
【氏名】大隅 洋
(72)【発明者】
【氏名】猪田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 雅則
(57)【要約】
【課題】本発明は、紐留具に関する。
【解決手段】折り曲がることで紐状部材(S)の外形を覆う被覆部(10)と被覆部に一体に取り付けられ、被覆部を紐状部材(S)の長手方向に沿って折り曲げるヒンジ部(40)と、被覆部に一体に取り付けられ、紐状部材に食い込む突起部(50)と、被覆部の外形を覆う中空形状に形成された本体部(70)とを有することを特徴とする紐留具であり、取付作業が容易であると共に、紐状部材Sに対して十分な挟持力を保持する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り曲がることで紐状部材(S)の外形を覆う被覆部(10)と、
前記被覆部に一体に取り付けられ、前記被覆部を前記紐状部材(S)の長手方向に沿って折り曲げるヒンジ部(40)と、
前記被覆部に一体に取り付けられ、前記紐状部材に食い込む突起部(50)と、
前記被覆部の外形を覆う中空形状に形成された本体部(70)と
を有することを特徴とする紐留具。
【請求項2】
請求項1に記載された紐留具であって、
前記突起部は、前記被覆部に複数取り付けられ、各々が前記紐状部材の長手方向において、異なる位置で前記紐状部材に食い込むように前記被覆部に配置されている
ことを特徴とする紐留具。
【請求項3】
請求項2に記載された紐留具であって、
前記被覆部は、折り曲げることで内形が前記紐状部材の外形と同一又は略同一の形状になる
ことを特徴とする紐留具。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載された紐留具であって、
前記被覆部、前記ヒンジ部及び前記突起部とは合成樹脂の射出成形で一体に形成されている
ことを特徴とする紐留具。
【請求項5】
紐状部材(S)の外形を覆う輪状に形成された被覆部(510)と、
前記被覆部に一体に取り付けられ、前記被覆部を前記紐状部材(S)の長手方向に沿って配置される支持部(540)と、
前記被覆部の外形を覆う中空形状に形成された本体部(570)とを有し、
前記被覆部の内形は、前記紐状部材の外形と同一又は大きく形成され、前記紐状部材の結び目の外形より小さく形成されている
ことを特徴とする紐留具。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載された紐留具であって、
前記本体部の内形の一部は、前記被覆部の外形より小さく形成された縮径部を備える
ことを特徴とする紐留具。
【請求項7】
請求項6に記載された紐留具であって、
前記本体部の内形の一端は、前記被覆部の外形と同一又は前記被覆部の外形と比較して大きく形成されている拡径部を備える
ことを特徴とする紐留具。
【請求項8】
請求項7に記載された紐留具であって、
前記本体部は、前記拡径部から前記縮径部にかけて内形が徐々に小さくなるように形成されている
ことを特徴とする紐留具。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載された紐留具であって、
前記本体部は、前記被覆部より軟質なシリコーン、ウレタン、エラストマ及びゴムその他の軟質部材で形成されている
ことを特徴とする紐留具。
【請求項10】
請求項1〜8のいずれか1項に記載された紐留具であって、
前記本体部は、メッキによる金属層が形成されたABS樹脂で形成されている
ことを特徴とする紐留具。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項に記載された紐留具であって、
前記本体部の一端側に配置され、前記紐状部材の先端を覆う頭部(60)を有する
ことを特徴とする紐留具。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1項に記載された紐留具であって、
前記被覆部及び/又は本体部の外側に形成され、前記被覆部及び/又は本体部を飾る装飾部(80)を有する
ことを特徴とする紐留具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紐留具に関する。さらに詳しく説明すると、本発明は、取付作業が容易な紐留具に関する。
【背景技術】
【0002】
丸紐、コード、組紐、より紐又はスピンドル紐その他の編んで織り上げた紐は、切り放しの状態だとばらけたり、ほつれたりしてしまうし、見た目にも良くない。このため、これらの紐の先端には、ばらけやほつれの防止、美観の向上のため、いわゆる紐留具が取り付けられる。紐留具としては、例えば、紐の先端にセルチップ加工、金属チップ加工及び弾丸チップ加工等のいわゆるチップ加工が施されて形成される場合がある。セルチップ加工は、紐の先端に熱収縮する合成樹脂製のフィルムを巻き付ける加工方法である。金属チップ加工は、紐の先端に板状の金属をかしめて巻き付ける加工方法である。弾丸チップ加工は、紐の先端に板状の金属をかしめて巻き付けて、さらにその先端を丸くする加工方法である。
【0003】
また、編んで織り上げた紐の先端に、ポリエチレンのチューブを収縮させるEV加工や、アイロン等でシュリンクフィルムを収縮させて、その部分を紐留具とする加工方法もある。さらに、編んで織り上げた紐の先端に、ワニ口等の先止め金具を噛ませて取り付けて、その部分を紐留具とする加工方法もある。これらの紐の先端に加工を施す紐留具は、これらの加工のために特別な機械や工具を使用しなければならない。このため、あらかじめ紐に対してこれらの加工を施す場合には良いが、服や靴などに紐を通した後にこれらの加工を施すことは難しい。
【0004】
紐留具は、紐を通した穴から抜けないように抜け止めとしても使用される。この場合、紐留具はその穴の径よりも大きいため、あらかじめ紐につけておけない。つまり、紐を穴に通した後に、紐の先端に紐留具をつけるしかない。しかし、上述したような加工のために必要な特別な機械や工具を使用して、服や靴などに紐を通した後に、紐留具を取り付けることは難しい。このため、服や靴などに紐を通した後に紐留具を取り付ける場合には、複数の部品からなる紐留具を手作業で取り付ける場合が多い。このように、従来から様々な方法で紐の先端がばらけたり、ほつれたりしないための加工がされているが、特許文献を基に従来の技術を説明する。
【0005】
紐末端に結び目を作らないでもそのままで収容できるような紐末端処理具の技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。紐状ないしは帯状物の端部に対し、容易かつ安定的に取り付けることができると共に、この端部のカバー状態を常時安定的に維持可能な紐状ないしは帯状物の端部カバーの技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。紐に対する止着力を向上できる紐止め具の技術が知られている(例えば、特許文献3参照)。
【0006】
しかし、特許文献1に示された紐の末端処理具は、栓部材の第3膨出部24bのみがくさびとなって紐末端に食いこんでいるにすぎず、十分に紐を固定することはできなかった。また、栓部材は、形状が複雑で製造が難しいという問題点があった。特許文献2に示された紐状ないしは帯状物の端部カバーは、突起12が取り付けられた挟持用脚部11で、紐状ないしは帯状物Wを対向する位置から挟んでいるにすぎないため、十分に紐を挟持できないという問題点があった。特許文献3に示された紐止め具も、挟持手段36や37が取り付けられたアーム部で、紐を対向する位置から挟んでいるにすぎないため、十分に紐を挟持できないという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−340113号公報
【特許文献2】特開2004−204376号公報
【特許文献3】特開2006−204602号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、このような社会的、技術的背景に基づいたものであり、次のような目的を達成する。本発明の目的は、取付作業が容易であると共に、紐状部材Sに対して十分な挟持力を保持する紐留具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、前記目的を達成するために次の手段をとる。
(1)本発明1の紐留具は、折り曲がることで紐状部材(S)の外形を覆う被覆部(10)と、前記被覆部に一体に取り付けられ、前記被覆部を前記紐状部材(S)の長手方向に沿って折り曲げるヒンジ部(40)と、前記被覆部に一体に取り付けられ、前記紐状部材に食い込む突起部(50)と、前記被覆部の外形を覆う中空形状に形成された本体部(70)とを有することを特徴とする。
(2)本発明2の紐留具は、本発明1であって、前記突起部は、前記被覆部に複数取り付けられ、各々が前記紐状部材の長手方向において、異なる位置で前記紐状部材に食い込むように前記被覆部に配置されていることを特徴とする。
(3)本発明3の紐留具は、本発明2であって、前記被覆部は、折り曲げることで内形が前記紐状部材の外形と同一又は略同一の形状になることを特徴とする。
(4)本発明4の紐留具は、本発明1〜3のいずれかであって、前記被覆部、前記ヒンジ部及び前記突起部とは合成樹脂の射出成形で一体に形成されていることを特徴とする。
(5)本発明5の紐留具は、
紐状部材(S)の外形を覆う輪状に形成された被覆部(510)と、前記被覆部に一体に取り付けられ、前記被覆部を前記紐状部材(S)の長手方向に沿って配置される支持部(540)と、前記被覆部の外形を覆う中空形状に形成された本体部(570)とを有し、前記被覆部の内形は、前記紐状部材の外形と同一又は大きく形成され、前記紐状部材の結び目の外形より小さく形成されていることを特徴とする。
(6)本発明6の紐留具は、本発明1〜5のいずれかであって、前記本体部の内形の一部は、前記被覆部の外形より小さく形成された縮径部を備えることを特徴とする。
(7)本発明7の紐留具は、本発明6であって、前記本体部の内形の一端は、前記被覆部の外形と同一又は前記被覆部の外形と比較して大きく形成されている拡径部を備えることを特徴とする。
(8)本発明8の紐留具は、本発明7であって、前記本体部は、前記拡径部から前記縮径部にかけて内形が徐々に小さくなるように形成されていることを特徴とする。
(9)本発明9の紐留具は、本発明1〜8のいずれかであって、前記本体部は、前記被覆部より軟質なシリコーン、ウレタン、エラストマ及びゴムその他の軟質部材で形成されていることを特徴とする。
(10)本発明10の紐留具は、本発明1〜8のいずれかであって、前記本体部は、メッキによる金属層が形成されたABS樹脂で形成されていることを特徴とする。
(11)本発明11の紐留具は、本発明1〜10のいずれかであって、前記本体部の一端側に配置され、前記紐状部材の先端を覆う頭部(60)を有することを特徴とする。
(12)本発明12の紐留具は、本発明1〜11のいずれかであって、前記被覆部及び/又は本体部の外側に形成され、前記被覆部及び/又は本体部を飾る装飾部(80)を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したように、本発明の紐留具は、被覆部が被覆部より軟質な部材で形成された本体部で覆われているので、取付作業が容易であると共に、紐状部材Sに対して十分な挟持力を保持する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、第一実施形態の紐留具1を示す外観図である。
図2図2は、折り曲げていない被覆部10を示す構成図である。
図3図3は、折り曲げた被覆部10を示す構成図である。
図4図4は、本体部70を示す構成図である。
図5図5は、紐留具1を組み立てる状態を示す図である。
【0012】
図6図6は、第二実施形態の紐留具101を示す外観図である。
図7図7は、第三実施形態の紐留具201を示す外観図である。
図8図8は、第四実施形態の紐留具301を示す外観図である。
図9図9は、第五実施形態の紐留具401を示す外観図である。
図10図10は、第六実施形態の紐留具501を示す外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
〔第一実施形態〕
第一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、第一実施形態の紐留具1を示す組立外観図(a)、分解外観図(b)である。図2は、折り曲げていない被覆部10を示す正面図(a)、背面図(b)、左側面図(c)、右側面図(d)、平面図(e)、底面図(f)、α−α断面図(g)斜視図(h)である。図3は、折り曲げた被覆部10を示す正面図(a)、背面図(b)、左側面図(c)、右側面図(d)、平面図(e)、底面図(f)、β−β断面図(g)斜視図(h)である。図4は、本体部70を示す正面図(a)、背面図(b)、左側面図(c)、右側面図(d)、平面図(e)、底面図(f)、γ−γ断面図(g)斜視図(h)である。
【0014】
図1に示すように、矢印U方向を「上方向」とし、その逆方向である矢印D方向を「下方向」として説明を行う。水平面内で上下方向と直交する一の方向である矢印L方向を「左方向」とし、直交する他の方向である矢印R方向を「右方向」として説明を行う。上下方向及び左右方向と直交する方向である矢印F方向を「前方向」とし、方向である矢印B方向を「後方向」として説明を行う。図1(a)に示すように、紐留具1は、紐状部材Sの先端に取り付けるものであり、図1(b)に示すように、被覆部10及び本体部70とから構成されている。
【0015】
〔被覆部10〕
被覆部10は、折り曲げることで内形が紐状部材Sの外形と同一又は略同一の形状になり、紐状部材Sの外形を覆うと共に、紐状部材Sを挟んだ状態で紐状部材Sに固定される部材である。被覆部10は、紐受部20、蓋部30、ヒンジ部40、突起部50及び頭部60とから構成されている。被覆部10は、硬質なナイロン樹脂で形成されている。被覆部10は、硬質な部材であれば、他の部材でも良く、例えばABS、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリアセタール、ポリエチレン等のその他の合成樹脂であっても良い。図2に示すように、被覆部10は、各々が半円筒形状に形成された紐受部20と蓋部30とを備えている。図3に示すように、被覆部10はヒンジ部40が折り曲げられると、紐受部20と蓋部30とが対向する位置であわせられて円筒形状になる。被覆部10は、本体部70に収まる長さ寸法に形成されている。
【0016】
〔紐受部20〕
紐受部20は、ヒンジ部40を折り曲げる前に紐状部材Sを載置する部材であり、図2(a)に示すように半円弧形状に形成され、図2(e)に示すように頭部60の下方向側から延設される半円筒形形状に形成されている。紐受部20は、図2(c)及び(f)に示すように、頭部60と一体に形成されている。紐受部20の中心と頭部60の中心とは、図2(h)に示すように、同一の軸線J上に配置されている。以下、紐受部20の中心と頭部60の中心とを通る線を軸線Jという。
【0017】
図2(e)に示すように、紐受部20の左方向側の縁には、上下方向に長辺を有する略長方形形状の平らな面で形成された紐受外縁21が形成されている。図2(e)に示すように、紐受部20の右方向側の縁には、上下方向に長辺を有する略長方形形状の平らな面で形成された紐受内縁22が形成されている。紐受外縁21と紐受内縁22とは、図2(a)に示すように同一平面上に形成され、図2(e)に示すように、平行に形成されている。
【0018】
〔蓋部30〕
蓋部30は、ヒンジ部40を折り曲げた後に紐状部材Sに被せる部材であり、図2(a)に示すように半円弧形状に形成され、図2(e)に示すように紐受部20と略同一な半円筒形形状に形成されている。蓋部30は、ヒンジ部40を折り曲げた後において、図3(e)に示すように頭部60の上方向側から延設される位置に配置される。蓋部30の中心と頭部60の中心とは、ヒンジ部40を折り曲げた後において、図3(h)に示すように、同一の軸線J上に配置される。
【0019】
図2(e)に示すように、蓋部30の右方向側の縁には、上下方向に長辺を有する略長方形形状の平らな面で形成された蓋外縁31が形成されている。図2(e)に示すように、蓋部30の左方向側の縁には、上下方向に長辺を有する略長方形形状の平らな面で形成された蓋内縁32が形成されている。蓋外縁31と蓋内縁32とは、図2(a)に示すように同一平面上に形成され、図2(e)に示すように、平行に形成されている。
【0020】
図2(a)及び(h)示すように、ヒンジ部40を折り曲げていない状態において、紐受外縁21、紐受内縁22、蓋外縁31及び蓋内縁32のそれぞれの面は、同一平面に配置されている。図3(a)及び(h)に示すように、ヒンジ部40を折り曲げると、紐受外縁21は蓋外縁31に合わせられ、紐受内縁22は蓋内縁32に合わせられる。紐受外縁21、紐受内縁22、蓋外縁31及び蓋内縁32のそれぞれの面は平面であるため、紐受部20と蓋部30とは、対向する位置でぴったりと合わせられる。
【0021】
図3(a)及び(h)に示すように、紐受部20の径と蓋部30の径とは略同一であるので、ヒンジ部40を折り曲げて紐受部20と蓋部30とが合わせられると円筒形状になる。図3(g)に示すように、被覆部10は、ヒンジ部40が折り曲げられて円筒形状になると、円筒形状部分の外径寸法は外径W1となり、円筒形状部分の内径寸法は内径W2となる。折り曲げられた被覆部10の円筒形状部分の外径W1は、頭部60の外径W6と同一である。
【0022】
〔ヒンジ部40〕
ヒンジ部40は、被覆部10に一体に取り付けられ、被覆部を前記紐状部材(S)の長手方向に沿って折り曲げる部材である。また、ヒンジ部40は、紐受部20と蓋部30とを連結する部材であり、紐受部20と蓋部30とを対向する位置で合わせるための部材である。ヒンジ部40は、図2(e)に示すように、紐受部20と蓋部30との間に配置され、紐受部20と蓋部30の長手方向に沿って一又は複数取り付けられる。ヒンジ部40は、紐受部20と蓋部30との間に一体に形成されており、図2(a)に示すように、所定以上の力を加えることで折り曲げられるように薄く形成されている。本例において、ヒンジ部40は、紐受部20と蓋部30とをしっかり連結する強度と折り曲げ易さを保つために2つ形成されている。しかし、ヒンジ部40は、紐受部20や蓋部30の大きさや重量等に応じて厚みや数を変えても良い。
【0023】
図2(a)及び(h)に示すように、被覆部10はヒンジ部40が折り曲げられていない状態において、ヒンジ部40を介して紐受部20と蓋部30とが隣り合わせの位置に配置されている。図3(a)及び(h)に示すように、被覆部10はヒンジ部40が折り曲げられた状態において、ヒンジ部40を介して紐受部20と蓋部30とが対向する位置に配置されている。被覆部10は、ヒンジ部40を折り曲げることで、紐状部材Sを覆うことができる。ヒンジ部40は、長手方向に取り付けられているため、本体部70に覆われると目立たなくなる。
【0024】
〔突起部50〕
突起部50は、紐状部材Sに食い込んで被覆部10を紐状部材Sに固定する部材である。紐受部20には、2つの突起部50として紐受側突起51及び紐受側突起52が配置されている。紐受側突起51と紐受側突起52とは、図2(a)に示すように、紐受部20の内周壁の底から突出するように紐受部20と一体に形成されている。紐受側突起51と紐受側突起52とは、図2(e)に示すように、紐受部20の内周壁に縦一直線に並べられている。紐受側突起51及び紐受側突起52は、図2(h)に示すように、紐受部20の軸線Jに向かって延びる円錐形状であり、図2(g)に示すように、その先端は軸線Jよりも上方に位置するように形成されている。
【0025】
蓋部30には、3つの突起部50として蓋側突起53、蓋側突起54及び蓋側突起55が配置されている。蓋側突起53、蓋側突起54及び蓋側突起55とは、蓋部30の内周壁の底から突出するように蓋部30と一体に形成されている。蓋側突起53、蓋側突起54及び蓋側突起55とは、図2(e)に示すように、蓋部30の内周壁に縦一直線に並べられている。蓋側突起53、蓋側突起54及び蓋側突起55とは、図2(h)に示すように、紐受部20の軸線Jに向かって延びる円錐形状であり、図3(g)に示すように、ヒンジ部40を折り曲げた後においてその先端は軸線Jよりも下方に位置するように形成されている。
【0026】
紐受側突起51は、ヒンジ部40を折り曲げた後において、図3(g)に示すように、蓋側突起53と蓋側突起54との間に配置される。紐受側突起52は、ヒンジ部40を折り曲げた後において、図3(g)に示すように、蓋側突起54と蓋側突起55との間に配置される。突起部50は、ヒンジ部40を折り曲げた後において、図3(g)に示すように、上下交互に位置するように紐受部20と蓋部30に配置されている。
【0027】
〔頭部60〕
頭部60は、紐状部材Sの先端を覆う部材である。頭部60は、被覆部10と同じ硬質なナイロン樹脂で形成されている。図2に示すように、頭部60は、円柱形状に形成されている。頭部60は、紐状部材Sの先端側に配置される部材であり、図2(h)に示すように、半円筒形状の紐受部20の前方向側から延設される円柱形状に形成されている。頭部60の中心と紐受部20の中心とは、図2(h)に示すように、同一の軸線J上に配置されている。頭部60の外径W6は、折り曲げられた被覆部10の円筒形状部分の外径W1と同一である。頭部60は、紐状部材Sの先端側に配置されることで、紐状部材Sの先端を隠すことができる。また、頭部60は、本体部70の内形において、本体部70の一端側に配置され、本体部70の拡径部72側を塞ぐ。
【0028】
〔本体部70〕
本体部70は、被覆部10を覆うと共に、紐状部材Sを飾る部材である。本体部70は、被覆部10との密着性を高めるため、被覆部10と比較して軟質で弾性変形可能な摩擦係数の大きいシリコーンで形成されている。本体部70は、軟質で弾性変形可能な摩擦係数の大きい軟質部材であれば、他の部材でも良く、例えばウレタン、エラストマー及びゴムその他の合成樹脂でもよい。図4(a)乃至(f)に示すように、本体部70は中空な中空形状であり、一端から他端にかけて貫通する略円筒形状に形成されている。図4(g)に示すように、本体部70は、一端の内径が広い拡径部72が形成され、他端の内径が狭い縮径部71が形成されている。
【0029】
本体部70は、縮径部71の内径寸法が内径W3となり、拡径部72の内径寸法が内径W4となり、本体部70の外径寸法がW5となる。縮径部71の内径W3は、被覆部10の外径W1や頭部60の外径W6より小さく形成されている。拡径部72の内径W4は、被覆部10の外径W1や頭部60の外径W6と同一に形成されている。このため、被覆部10は、本体部70の拡径部72側から入れることができるが、縮径部71側から出し入れすることはできない。本体部70は、被覆部10の全部又は一部を覆うため、ヒンジ部40が開くことを規制する。本体部70は、金属を含んでいないため、人体の生体組織に与える影響が少なく、金属アレルギー等を発症する人であっても肌に直接触れることができる。本体部70は、被覆部10が収まる長さ寸法に形成されている。
【0030】
〔装飾部80〕
装飾部80は、本体部70を飾る部材であり、本体部70と同じシリコーンで形成されている。装飾部80は、本体部70の外周に絵画、写真、図形、記号、文字及びキャラクターから選択される1種以上を含む模様を形成したものである。図4(c)及び(d)に示すように、装飾部80は、本体部70の左側側面と右側側面にそれぞれ「ABCDE」の文字が突出するように形成されている。
【0031】
なお、装飾部80は、本体部70に凹みを形成し、その凹みに液状又はゲル状のシリコーンを流し込んで固化させたものでも良い。また、装飾部80は、本体部70の表面に金型で形成した凹凸でも良いし、本体部70の表面を削って形成した凹凸でも良い。さらに、装飾部80は、合成樹脂、金属、宝石、ガラス、貝、水晶、木及び鉱物から選択される1種以上の部材を本体部70の表面又は内部等に取り付けても良い。
【0032】
〔紐留具1の製造方法〕
次に、紐留具1の製造方法について説明する。被覆部10は、材料としてナイロン樹脂を使用して通常の射出成形により形成する。被覆部10は、射出成形により紐受部20、蓋部30、ヒンジ部40、突起部50及び頭部60が一体に形成される。被覆部10は、主に半円筒形状、円錐形状、円筒形状等の比較的単純な形状が組み合わされて一体に形成されている。このように、被覆部10は、比較的単純な形状でいわゆるアンダーカットがない状態で一体に形成されているため、壊れにくい上に製造コストを抑えることができる。
【0033】
本体部70及び装飾部80は、材料としてミラブル型シリコーンを使用して圧縮成形により一体に形成されている。ミラブル型シリコーンは、硬化する前の状態が天然ゴムや通常の合成ゴムの未加硫配合ゴムに類似していて、ロール機あるいは密閉式の混合機などで可塑化、混練することができる塑性変形可能なシリコーン材料である。ミラブル型シリコーンは、金型に充填して加熱加圧させることで、本体部70及び装飾部80を一体に形成する。このように、本体部70及び装飾部80は、一体に形成されているため壊れにくい。
【0034】
本体部70は、二色以上のミラブル型シリコーンを組み合わせて、本体部70を二色以上の模様を施したものでも良い。また、本体部70は、二色以上のミラブル型シリコーンを練り込んで、本体部70を例えばマーブル模様にしたものでも良い。さらに、本体部70と装飾部80とは、異なる色のミラブル型シリコーンで形成して、それぞれを異なる色にしても良い。
【0035】
〔紐留具1の組立方法〕
次に、紐留具1の組立方法について説明する。図5は、紐留具1を組み立てる状態を示す図である。図5(a)に示すように、被覆部10、本体部70及び紐状部材Sを用意する。紐状部材Sは、衣類等に形成された紐通し穴に挿通して用いられる丸紐等の周知の紐である。紐状部材Sは外径寸法が外径W7であり、所定の力が加えられると弾性変形して外径が縮むポリエステル製のスピンドル紐である。紐状部材Sの外径W7は、被覆部10の内径W2と同一である。紐状部材Sの外径W7は、縮径部71の内径W3より小さく、拡径部72の内径W4より小さい。
【0036】
まず、紐状部材Sを摘まみ、その先端を本体部70の縮径部71から入れて拡径部72から出して、図5(b)に示すように、本体部70に紐状部材Sを挿通させる。紐状部材Sの外径W7は、縮径部71の内径W3より小さく、拡径部72の内径W4より小さいため、本体部70に容易に挿通させることができる。次に、紐状部材Sに被覆部10を取り付ける。この際、図5(c)に示すように、紐状部材Sの先端を頭部60あて、紐状部材Sに紐受側突起51及び紐受側突起52を押し込みながら、紐状部材Sを紐受部20に載置する。
【0037】
そして、図5(d)に示すように、ヒンジ部40を折り曲げて蓋部30を紐状部材Sに被せる。この際、紐状部材Sに蓋側突起53、蓋側突起54及び蓋側突起55を押し込みながら、蓋部30を紐状部材Sに被せる。この際、紐状部材Sに紐受側突起51、紐受側突起52、蓋側突起53、蓋側突起54及び蓋側突起55が食い込み、紐状部材Sの外周を紐受部20と蓋部30が覆う。
【0038】
そして、図5(d)に示すように、紐受側突起51、紐受側突起52、蓋側突起53、蓋側突起54及び蓋側突起55は、紐状部材Sの長手方向において、紐状部材Sに異なる位置で交互に食い込む。紐状部材Sの外径W7は、ヒンジ部40が折り曲げられた被覆部10の内径W2と同一であるので、紐状部材Sの外周全体を紐受部20と蓋部30がしっかりと覆う。
【0039】
紐状部材Sの外周を紐受部20と蓋部30が覆った状態で、紐状部材Sに挿通している本体部70を被覆部10側(紐状部材Sの先端側)に移動させる。そうすると、図5(e)に示すように、本体部70が被覆部10を覆うと共に、被覆部10が本体部70に固定される。本体部70が被覆部10を覆った状態になると、頭部60が紐状部材Sの先端側に配置され、頭部60が紐状部材Sの先端を隠す。本体部70が被覆部10を覆った状態になると、頭部60が本体部70の内形において本体部70の一端側に配置され、頭部60が本体部70の拡径部72側を塞ぐ。拡径部72の内径W4は、被覆部10の外径W1や頭部60の外径W6と同一に形成されているため、被覆部10は本体部70の拡径部72側から入れることができる。
【0040】
また、縮径部71の内径W3は、被覆部10の外径W1や頭部60の外径W6より小さく形成されているため、被覆部10は縮径部71で移動が規制される。さらに、本体部70は、軟質で弾性変形可能な摩擦係数の大きいシリコーンで形成され、拡径部の内径W4は、被覆部10の外径W1や頭部60の外径W6と同一である。このため、本体部70は、被覆部10に密着した状態で覆うため、紐状部材Sの先端にしっかりと固定される。つまり、紐留具1は、紐状部材Sの先端において、被覆部10の突起部50が紐状部材Sに異なる位置で交互に食い込み、さらに本体部70が被覆部10を密着して覆っているため、紐留具1は紐状部材Sにしっかりと固定される。
【0041】
〔第二実施形態〕
本発明の第二実施形態を図面に基づいて説明する。図6は、本発明の第二実施形態の紐留具101を示す外観図である。第二実施形態では、前述した第一実施形態と同一の部位には同一の符号を付与し詳細な説明を省略する。紐受側突起151a乃至151eは、図6に示すように、紐受部120の内周壁に斜めに並べられている。蓋側突起152a乃至152eは、図6に示すように、蓋部130の内周壁に斜めに並べられている。
【0042】
突起部150は、ヒンジ部140を折り曲げた後において、例えば、螺旋の軌跡に位置するように紐受部120と蓋部130に配置されている(図示せず)。このため、紐留具101は、紐状部材Sの先端において、突起部150が紐状部材Sに様々な角度から食い込み、さらに本体部70が被覆部110を密着して覆っているため、紐留具101は紐状部材にしっかりと固定される。なお、紐留具101に形成される突起部150は、紐状部材Sに対して、様々な角度から食い込むのであれば、その位置はどのように配置されていても良い。
【0043】
〔第三実施形態〕
本発明の第三実施形態を図面に基づいて説明する。図7は、本発明の第三実施形態の紐留具201を示す外観図である。第三実施形態では、前述した第一実施形態と同一の部位には同一の符号を付与し詳細な説明を省略する。紐受側突起251と紐受側突起252とは、図7に示すように、紐受部220の内周壁に縦一直線に並べられている。紐受側突起251及び紐受側突起252は、紐受部220の軸線Jに向かって延びる円錐形状であり、その先端は頭部260側に向かうように形成されている。
【0044】
蓋側突起253、蓋側突起254及び蓋側突起255は、図6に示すように、蓋部130の内周壁に縦一直線に並べられている。蓋側突起253、蓋側突起254及び蓋側突起255は、紐受部220の軸線Jに向かって延びる円錐形状であり、ヒンジ部40を折り曲げた後においてその先端は頭部260側に向かうように形成されている。このため、紐留具201は、紐状部材Sの先端において、被覆部210の突起部250が紐状部材Sが下に落ちることを規制するように食い込み、さらに本体部70が被覆部210を密着して覆っているため、紐留具201は紐状部材Sにしっかりと固定される。
【0045】
〔第四実施形態〕
本発明の第四実施形態を図面に基づいて説明する。図8は、本発明の第四実施形態の紐留具301を示す外観図である。第四実施形態では、前述した第一実施形態と同一の部位には同一の符号を付与し詳細な説明を省略する。紐留具1乃至201は、丸紐に取り付けられる構成である。これに対し、紐留具301は、平らな平紐S2の先端に取り付けられる構成である。紐留具301は、図8に示すように、被覆部310が平紐S2を挟んで固定するように、略直方体形状に形成されている。
【0046】
紐留具301は、図8に示すように、本体部370が被覆部310を覆うと共に、平紐S2を飾るように略直方体形状に形成されている。このように構成された紐留具301によれば、平紐S2の先端に取り付けることができる。なお、紐留具301は、平紐S2に取り付ける場合について説明したが、紐状部材の形状に応じて紐留具の形状をあわせることで、様々な紐状部材に取り付けることが可能である。紐留具301には、第二実施形態の突起部150第三実施形態の突起部250等を組み合わせても良い。
【0047】
〔第五実施形態〕
本発明の第六実施形態を図面に基づいて説明する。図9は、本発明の第六実施形態の紐留具401を示す外観図である。第六実施形態では、前述した第一実施形態と同一の部位には同一の符号を付与し詳細な説明を省略する。紐留具401の被覆部410には、頭部60が形成されていない(図示せず)。つまり、被覆部410は、紐状部材Sの先端に限らず紐状部材Sの途中で取り付けることができ、本体部470も紐状部材Sの途中で取り付けることできる。このように、紐留具401は、紐状部材Sの途中で取り付けることで、例えば、キャミソール等に使用される紐状部材Sの途中に飾りとして紐留具401を取り付けることができる。
【0048】
〔第六実施形態〕
本発明の第六実施形態を図面に基づいて説明する。図10は、第六実施形態の紐留具501を示す外観図である。第六実施形態では、前述した第一実施形態と同一の部位には同一の符号を付与し詳細な説明を省略する。図10に示すように、紐留具501は、紐状部材Sの先端に取り付けるものであり、被覆部510及び本体部570とから構成されている。被覆部510には、第一実施形態の被覆部10と比較して、ヒンジ部40と突起部50とが形成されていない。被覆部510は、第一実施形態の被覆部10と異なり、紐状部材Sを挟んで固定しない。
【0049】
〔被覆部510〕
被覆部510は、紐状部材Sの外形を覆うと共に、紐状部材Sに固定される部材である。図10に示すように、被覆部510は、輪状に形成されている。被覆部510は、紐状部材Sの外形を覆う部材であり、図10に示すように、支持部540の他端から延設されるように形成されている。被覆部510の中心と頭部560の中心とは、同一の軸線上に配置されている。被覆部510の外径は、頭部560の外径と同一である。被覆部510は、輪状であり、内形が紐状部材Sの外形と同一又は略同一に形成されている。被覆部510は、内形が紐状部材Sの結び目Kの外形より小さく形成されている。このため、被覆部510は、紐状部材Sを出し入れすることができるが、結び目Kを出し入れすることはできない。被覆部510は、図10に示すように、支持部540と一体に形成されている。被覆部510は、本体部570に収まる長さ寸法に形成されている。
【0050】
〔支持部540〕
支持部540は、紐状部材Sの長手方向に沿って支持する部材であり、被覆部510と頭部560とを一体に繋げる部材であり、棒状に形成されている。図10に示すように、支持部540は、一直線に伸びる棒状であり、一端に頭部560が配置され、他端に支持部540が配置されている。本例において、一本の支持部540が、頭部560の左側面と支持部540の左側面とを繋いでいる。しかし、複数本の支持部540が、頭部560の側面と支持部540の側面とを繋いでも良い。例えば、3本の支持部540が、頭部560の側面と支持部540の側面とを繋いで、3本の支持部540の内側に紐状部材Sや結び目Kが配置されるようにしてもよい。
【0051】
〔頭部560〕
頭部560は、紐状部材Sの先端を覆う部材である。図10に示すように、頭部560は、円柱形状に形成されている。頭部560は、紐状部材Sの先端側に配置される部材であり、図10に示すように、支持部540の一端から延設されるように形成されている。頭部560の中心と被覆部510の中心とは、同一の軸線上に配置されている。頭部560の外径は、被覆部510の外径と同一である。頭部560は、紐状部材Sの先端側に配置されることで、紐状部材Sの先端を隠すことができる。また、頭部560は、本体部570の内形において、本体部570の一端側に配置され、本体部570の拡径部572側を塞ぐ。
【0052】
〔紐留具501の組立方法〕
次に、紐留具501の組立方法について説明する。図10に示すように、被覆部510、本体部570及び紐状部材Sを用意する。まず、本体部570に紐状部材Sを挿通させる。次に、被覆部510に紐状部材Sを挿通させる。紐状部材Sの先端を被覆部510と頭部560の間に配置した状態で、紐状部材Sの先端を結び目Kを作る。結び目Kが作られると、被覆部510の内形が、紐状部材Sの結び目Kの外形より小さいため、紐状部材Sが被覆部510に固定される。
【0053】
紐状部材Sに被覆部510が固定された状態で、紐状部材Sに挿通している本体部570を被覆部510側(紐状部材Sの先端側)に移動させる。そうすると、本体部570が被覆部510、支持部540及び頭部560を覆うと共に、被覆部510が本体部570に固定される。本体部570が被覆部510を覆った状態になると、頭部560が紐状部材Sの先端側に配置され、頭部560が紐状部材Sの先端を隠す。本体部570が被覆部510を覆った状態になると、頭部560が本体部570の内形において本体部570の一端側に配置され、頭部560が本体部570の拡径部側を塞ぐ。つまり、紐留具501は、紐状部材Sの先端において、被覆部510が固定され、さらに本体部570が被覆部510、支持部540及び頭部560を密着して覆っているため、紐留具501は紐状部材Sにしっかりと固定される。
【0054】
以上、本発明の実施の形態の説明を行ったが、本発明は、この実施の形態に限定されることはなく、本発明の目的、趣旨を逸脱しない範囲内で変更ができる。本例において、紐状部材Sは、ポリエステル繊維製の丸紐であるが、木綿、麻、絹、アクリル、ポリプロピレン、ナイロン、紙、ゴム及び他の材料を撚りあわせて形成されたものでも良い。紐状部材Sは、弾性変形する紐でも良い。また、被覆部10に挟めるのであれば、紐状部材Sは一本に限らず、二本以上使用しても良い。さらに、一本の紐状部材Sの両端を合わせて、紐状部材Sを輪状にしてから、紐状部材Sの両端を被覆部に10に挟み込んでも良い。
【0055】
被覆部10は、表面に凹凸を形成しても良いし、本体部70の内周壁に凹凸を形成しても良い。このように構成することで、被覆部10は本体部70にしっかり固定できるようになる。本体部70は、縮径部71から拡径部72にかけて徐々に内径が拡径するように形成されても良い。このように構成することで、被覆部10は拡径部72では入れ易くなるが、縮径部のところでしっかり固定される。本体部70は、ポリエステルで形成し、その表面を切削しても良い。このように構成することで、本体部70は、複雑な形状の装飾が施すことができる。
【0056】
被覆部10や本体部70は、内部を見ることができる透明又は半透明に形成されても良い。このように構成することで、紐状部材Sや被覆部10に模様や装飾を形成した場合にその模様を外側から見ることができる。また、本体部70をABS樹脂で形成して、その表面に金属メッキを施して金属層を形成しても良い。このように構成することで、紐留具1は、金属を用いた場合に比べて軽量化が可能であり、形状の自由度からデザイン性が高く、金属特有の高級感が得られる。
【符号の説明】
【0057】
S :紐状部材
1 :紐留具
10 :被覆部
20 :紐受部
30 :蓋部
40 :ヒンジ部
50 :突起部
60 :頭部
70 :本体部
80 :装飾部
図1
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図3
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図5
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図8
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図10