(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-54828(P2020-54828A)
(43)【公開日】2020年4月9日
(54)【発明の名称】骨の癒着/固定デバイスおよび関連するシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61B 17/80 20060101AFI20200313BHJP
【FI】
A61B17/80
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】53
(21)【出願番号】特願2019-220273(P2019-220273)
(22)【出願日】2019年12月5日
(62)【分割の表示】特願2016-572364(P2016-572364)の分割
【原出願日】2015年2月27日
(31)【優先権主張番号】61/945,511
(32)【優先日】2014年2月27日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】519055641
【氏名又は名称】エクソトー エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100113376
【弁理士】
【氏名又は名称】南条 雅裕
(74)【代理人】
【識別番号】100179394
【弁理士】
【氏名又は名称】瀬田 あや子
(74)【代理人】
【識別番号】100185384
【弁理士】
【氏名又は名称】伊波 興一朗
(74)【代理人】
【識別番号】100137811
【弁理士】
【氏名又は名称】原 秀貢人
(72)【発明者】
【氏名】ペル クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ホレル チャック
(72)【発明者】
【氏名】カルダレラ デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】リー マイケル
(72)【発明者】
【氏名】グロスマン ジョーダン
(72)【発明者】
【氏名】ラッシュ シャノン
(72)【発明者】
【氏名】ループ ジョン
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL21
4C160LL33
4C160LL34
(57)【要約】 (修正有)
【課題】足または手の指関節固定の意図された関節固定に特別にデザインされた、改善された髄外デバイスを提供する。
【解決手段】骨固定デバイス10は、少なくとも1つのスパイン20、少なくとも1つのスパインの遠位端から伸びる少なくとも2つの遠位アーム22A、22Bのそれぞれは、少なくとも1つの遠位の骨タイン26を備え、少なくとも2つの遠位アームは、骨の周りに配置可能なように構成される。前記の少なくとも1つのスパインの近位端から伸びる少なくとも2つの近位アーム24A,24B、少なくとも2つの近位アームのそれぞれは、少なくとも1つの近位の骨タイン28を備え、少なくとも2つの近位アームは、骨の周りに配置可能なように構成される。骨固定デバイスにおいて規定され、埋め込みツールの一部を受け入れるサイズおよび形状であるる少なくとも1つの開口部34、36を持つ。
【選択図】
図3A−C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨固定デバイスであって、
(a)少なくとも1つのスパイン;
(b)前記の少なくとも1つのスパインの遠位端から伸びる少なくとも2つの遠位アーム、前記の少なくとも2つの遠位アームのそれぞれは、少なくとも1つの遠位の骨タインを備え、ここで、前記の少なくとも2つの遠位アームは、骨の周りに配置可能なように構成される;
(c)前記の少なくとも1つのスパインの近位端から伸びる少なくとも2つの近位アーム、前記の少なくとも2つの近位アームのそれぞれは、少なくとも1つの近位の骨タインを備え、ここで、前記の少なくとも2つの近位アームは、骨の周りに配置可能なように構成される;および
(d)前記の骨固定デバイスにおいて規定される少なくとも1つの開口部、ここで、前記開口部は、埋め込みツールの一部を受け入れるサイズおよび形状である
を含む、
骨固定デバイス。
【請求項2】
請求項1の骨固定デバイスであって、
前記の少なくとも1つのスパインは、第一のスパインおよび第二のスパインを備える、
骨固定デバイス。
【請求項3】
請求項2の骨固定デバイスであって、
前記の第一および第二のスパインは、前記の第一および第二のスパインのそれぞれの長さに沿って規定されるノッチを備える、
骨固定デバイス。
【請求項4】
請求項2の骨固定デバイスであって、
前記の第一および第二のスパインは、曲がったスパインである、
骨固定デバイス。
【請求項5】
請求項1の骨固定デバイスであって、
前記開口部は雌ネジを備え、
前記雌ネジは、前記埋め込みツールの雄ネジを受け入れるように構成される、
骨固定デバイス。
【請求項6】
請求項1の骨固定デバイスであって、
前記の少なくとも1つの開口部は、少なくとも4つの開口部を備え、
前記の少なくとも2つの遠位アームおよび前記の少なくとも2つの近位アームのそれぞれは、前記の少なくとも4つの開口部のうちの少なくとも1つを規定する、
骨固定デバイス。
【請求項7】
請求項1の骨固定デバイスであって、
前記の少なくとも1つの開口部は、少なくとも2つの開口部を備え、
前記の少なくとも1つのスパインは、前記の少なくとも2つの開口部を規定する、
骨固定デバイス。
【請求項8】
請求項1の骨固定デバイスであって、
前記の少なくとも2つの遠位アームおよび前記の少なくとも2つの近位アームのうちの少なくとも1つにおいて規定される少なくとも1つのアーム変形開口部をさらに備え、
前記の少なくとも1つのアーム変形開口部は、前記の少なくとも2つの遠位アームおよび前記の少なくとも2つの近位アームのうちの少なくとも1つの変形を容易にするように構成される、
骨固定デバイス。
【請求項9】
請求項1の骨固定デバイスであって、
前記の少なくとも1つのスパインは、関節または骨折部位の指示線を備える、
骨固定デバイス。
【請求項10】
請求項1の骨固定デバイスであって、
前記の少なくとも2つの遠位アームおよび前記の少なくとも2つの近位アームのうちの少なくとも1つにおいて規定される、少なくとも1つのアーム変形ノッチをさらに備え、
前記の少なくとも1つのアーム変形ノッチは、前記の少なくとも2つの遠位アームおよび前記の少なくとも2つの近位アームのうちの少なくとも1つの変形を容易にするように構成される、
骨固定デバイス。
【請求項11】
骨固定デバイスであって、
(a)複数のノッチを備える第一の外縁および第一の曲がった内縁を備える、第一のスパイン;
(b)複数のノッチを備える第二の外縁および第二の曲がった内縁を備える、第二のスパイン;
(c)前記の第一および第二のスパインの遠位端から伸びる、少なくとも2つの遠位アーム、前記の少なくとも2つの遠位アームのそれぞれは、少なくとも1つの遠位の骨タインを備え、前記の少なくとも2つの遠位アームは、骨の周りに配置可能なように構成される;
(d)前記の第一および第二のスパインの近位端から伸びる、少なくとも2つの近位アーム、前記の少なくとも2つの近位アームのそれぞれは、少なくとも1つの近位の骨タインを備え、前記の少なくとも2つの近位アームは、骨の周りに配置可能なように構成される;
(e)前記の骨固定デバイスにおいて規定される、少なくとも1つのツールインターフェイス開口部、前記の少なくとも1つのツールインターフェイス開口部は、埋め込みツールの一部を受け入れるサイズおよび形状である;および
(f)前記の骨固定デバイスにおいて規定される、少なくとも1つのアーム変形機構、前記の少なくとも1つのアーム変形機構は、前記の少なくとも2つの遠位アームおよび前記の少なくとも2つの近位アームのうちの少なくとも1つの変形を容易にするように構成される
を備える、
骨固定デバイス。
【請求項12】
請求項11の骨固定デバイスであって、
前記の少なくとも1つのツールインターフェイス開口部は、雌ネジを含み、
前記雌ネジは、前記埋め込みツールの雄ネジを受け入れるように構成される、
骨固定デバイス。
【請求項13】
請求項11の骨固定デバイスであって、
前記の少なくとも1つのツールインターフェイス開口部は、少なくとも4つの開口部を備え、
前記の少なくとも2つの遠位アームおよび前記の少なくとも2つの近位アームのそれぞれは、前記の少なくとも4つのツールインターフェイス開口部の少なくとも1つを規定する、
骨固定デバイス。
【請求項14】
請求項11の骨固定デバイスであって、
前記の少なくとも1つのアーム変形機構は、開口部またはノッチを備える、
骨固定デバイス。
【請求項15】
請求項11の骨固定デバイスであって、
前記の第一および第二のスパインは、関節または骨折部位の指示線を備える、
骨固定デバイス。
【請求項16】
骨固定デバイスであって、
(a)少なくとも1つのスパイン;
(b)前記の少なくとも1つのスパインの遠位端から伸びる、少なくとも2つの遠位アーム、前記の少なくとも2つの遠位アームのそれぞれは、少なくとも1つの遠位変形制御開口部を備え、前記の少なくとも2つの遠位アームは、骨の周りに配置可能なように構成される;および
(c)前記の少なくとも1つのスパインの近位端から伸びる、少なくとも2つの近位アーム、前記の少なくとも2つの近位アームのそれぞれは、少なくとも1つの近位変形制御開口部を備え、前記の少なくとも2つの近位アームは、骨の周りに配置可能なように構成される、
を備え、
ここで、前記の遠位および近位変形制御開口部は、前記の少なくとも2つの遠位アームおよび前記の少なくとも2つの近位アームの変形を容易にするように構成される、
骨固定デバイス。
【請求項17】
請求項16の骨固定デバイスであって、
前記の遠位および近位変形制御開口部は、前記の少なくとも2つの遠位アームおよび前記の少なくとも2つの近位アームの変形を、所望の方向に提供するように構成される、
骨固定デバイス。
【請求項18】
請求項16の骨固定デバイスであって、
前記の遠位および近位変形制御開口部は、前記の変形制御開口部の不存在下での前記の遠位および近位アームの局所曲げ半径とは異なる、前記の遠位および近位アームの局所曲げ半径を提供するように構成される、
骨固定デバイス。
【請求項19】
請求項16の骨固定デバイスであって、
前記の少なくとも2つの遠位アームおよび前記の少なくとも2つの近位アームのそれぞれは、少なくとも1つの骨タインを備え、少なくとも1つの骨タインのそれぞれは、前記の少なくとも2つの遠位アームおよび前記の少なくとも2つの近位アーム内の曲率半径よりも急な曲率半径で配置される、
骨固定デバイス。
【請求項20】
請求項16の骨固定デバイスであって、
前記の少なくとも2つの遠位アームおよび前記の少なくとも2つの近位アームのそれぞれは、
(a)前記の遠位および近位変形制御開口部の周りに与えられる、第一の曲げ半径;
(b)前記の変形制御開口部および骨タインの間の前記アーム上に与えられる、第二の曲げ半径;および
(c)前記の骨タイン上に与えられる、第三の曲げ半径、
を有する、
骨固定デバイス。
【請求項21】
請求項20の骨固定デバイスであって、
前記の第一、第二、および第三の曲げ半径は、横断面が非円形である、
骨固定デバイス。
【請求項22】
骨固定キットであって、
(a)以下を備える骨固定デバイス:
(i)少なくとも1つのスパイン;
(ii)前記の少なくとも1つのスパインの遠位端から伸びる、第一および第二の遠位アーム、前記の第一および第二の遠位アームのそれぞれは、少なくとも1つの遠位の骨タインを備える;および
(iii)前記の少なくとも1つのスパインの近位端から伸びる、第一および第二の近位アーム、前記の第一および第二の近位アームのそれぞれは、少なくとも1つの近位の骨タインを備える;
(b)支持ブロック、前記の少なくとも1つのスパイン、前記の第一および第二の遠位アーム、および、前記の第一および第二の近位アームが、前記支持ブロックの形状に適合するように、前記骨固定デバイスをその上に配列することができる;および
(c)埋め込みツール、前記の第一および第二の遠位アームおよび前記の第一および第二の近位アームと連結可能であり、前記の骨固定デバイスを前記の支持ブロックから取り外す
を備える、
骨固定キット。
【請求項23】
骨固定方法であって、
以下を備える骨固定デバイスを提供するステップ:
(a)少なくとも1つのスパイン;
(b)前記の少なくとも1つのスパインの遠位端から伸びる、第一および第二の遠位アーム、前記の第一および第二の遠位アームのそれぞれは、少なくとも1つの遠位の骨タインを備える;および
(c)前記の少なくとも1つのスパインの近位端から伸びる、第一および第二の近位アーム、前記の第一および第二の近位アームのそれぞれは、少なくとも1つの近位の骨タインを備える;
前記の第一および第二の遠位アームを、第一の標的の骨部位の周りに配置するステップ;
前記の少なくとも1つの遠位の骨タインが前記の第一の標的の骨部位の中に埋まるように、前記の第一の標的の骨部位の周りの前記の第一および第二の遠位アームを、埋め込みツールでクリンプするステップ;
前記の第一および第二の近位アームを、第二の標的の骨部位の周りに配置するステップ;および
前記の少なくとも1つの近位の骨タインが前記の第二の標的の骨部位の中に埋まるように、前記の第二の標的の骨部位の周りの前記の第一および第二の近位アームを、前記埋め込みツールでクリンプするステップ、
を含む、
骨固定方法。
【請求項24】
請求項23の骨固定方法であって、
前記方法は、前記の少なくとも1つのスパインを変形して、前記の第一および第二の標的の骨部位で自然な曲げを折り曲げるステップをさらに含む、
骨固定方法。
【請求項25】
請求項23の骨固定方法であって、
第一の標的の骨部位は第一の骨を含み、
前記の第二の標的の骨部位は第二の骨を含み、
前記骨固定デバイスは、前記の第一および第二の骨の間の関節にわたって配置される、
骨固定方法。
【請求項26】
請求項23の骨固定方法であって、
前記骨固定デバイスは、前記の第一および第二の遠位アームにおいて規定される少なくとも第一および第二の遠位ツールインターフェイス開口部、および、前記の第一および第二の近位アームにおいて規定される少なくとも第一および第二の近位ツールインターフェイス開口部をさらに含み、
前記の第一および第二の遠位アームをクリンプするステップは、前記埋め込みツールを、前記の第一および第二の遠位ツールインターフェイス開口部に連結するステップをさらに含み、
前記の第一および第二の近位アームをクリンプするステップは、前記埋め込みツールを、前記の第一および第二の近位ツールインターフェイス開口部に連結するステップをさらに含む、
骨固定方法。
【請求項27】
請求項23の骨固定方法であって、
前記の第一および第二の遠位アームを前記の第一の標的の骨部位の周りに配置するステップの前に前記埋め込みツールを前記の第一および第二の遠位アームにおいて規定される少なくとも第一および第二の遠位ツールインターフェイス開口部に連結するステップ、および、
前記の第一および第二の近位アームを前記の第二の標的の骨部位の周りに配置するステップの前に前記埋め込みツールを前記の第一および第二の近位アームにおいて規定される少なくとも第一および第二の近位ツールインターフェイス開口部に連結するステップ
を、さらに含む、
骨固定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願(単数または複数)の相互参照]
本出願は、2014年2月27日に出願されて「Digital Deformity Fusion/Fixation Device and Related Methods」と題された米国仮出願61/945,511の、合衆国法典第35巻第119条(e)の下での利益を主張し、それにより、その全体で参照により本明細書中に援用される。
[本発明の分野]
【0002】
本明細書に開示される様々な実施態様は、標的の骨の周りに埋め込まれる髄内固定または癒着デバイスを含む、骨固定または癒着デバイスに関する。加えて、他の実施態様は、骨の固定または癒着デバイスを埋め込みまたは配置するために用いることのできる、埋め込みデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
足の指関節固定は、例えば、ハンマー趾、槌趾変形、および、同様に見られる足の疾病(指(足指)に影響または関与する)を含む、後天性または先天性の指変形の矯正のための一般的な外科的手順である。
【0004】
歴史的に、罹患した指(単数または複数)およびそれぞれの関節は、例えば、特定の関節形成術(少量の関節軟骨および骨を切断して、罹患した指を真っ直ぐにして柔軟性を維持する)、または特定の関節固定術(矯正された中立位置での関節の癒着または永久の硬化)を用いた段階的な縮小を介して矯正される。本明細書に開示される様々な実施態様の創作の以前は、機械的安定性を意図された指の関節固定に付加および付与する「ゴールドスタンダード」は、罹患した指の遠位端の外側に常に露出した、髄内に配置される標準的なサイズの単一のキルシュナー鋼線(「K−鋼線」)の適用であった。例えば、
図1Aは、患部の指に配置されたK−鋼線を示す。多くの外科医は、意図された関節固定部位に安定性を提供する、および/または、指変形と関連する同時的な中足指節関節の拘縮を維持する、安定化する、および/または直接縮小する、明確な目的のために、K−鋼線を用いている。
【0005】
標準的なK−鋼線固定の不利な点は、「K−鋼線」の除去、移行、曲げ、または切断の所定の要求、固定の損失および/または意図された関節固定部位での安定性の損失、ピントラクト部位の刺激、炎症、痛み、および/または感染進行(深部感染を含む)、および、K−鋼線が常に外部に露出していることを含み、患者および医師を不満足なままにさせることが認識されている。より具体的には、K−鋼線固定は、指の遠位面の外側に残り、創傷合併症、歩行制限、および二次的事象を含む、様々な潜在的問題をもたらす。さらに、K−鋼線の除去後に、意図された関節固定部位での安定性の潜在的損失は、変形の再発、線維性癒合、非−癒合、および痛み、ならびに、長持ちする変形矯正の達成の阻害に関与し得る。
【0006】
より新しい公知の髄内デバイス−ソリッドのカニューレ型デザイン−が、伝統的なK−鋼線固定に対する代替の固定デバイスとして市販され、完全に内部の配置を提供する。
図1Bは、ソリッドの髄内デバイスの一実施態様を示す。これらのより新しいデバイスは、意図された関節固定部位により大きな度合いの髄内固定および安定性を与え、および、露出した髄内固定デバイス(すなわち「K−鋼線」固定)の必要を除去することを意図する。
【0007】
新興のソリッドおよび/またはカニューレ型髄内デバイスの問題は非常に実証されていて、安定性を与えることができないこと、安定性の損失、固定の損失、デバイスの崩壊、隣接皮質骨の骨折、デバイスの弛緩、骨溶解、冶金の特性に起因する取扱いおよび保管の制約、在庫管理を不満にさせるもの、費用、除去の困難性、骨損失、二次的手順、および、外植、再度の関節固定、骨移植の検討、隣接する指の合指症および/または指切断を介してサルベージされる問題を含む。さらに、キルシュナー鋼線固定と同時に使用するのに適合し承認される(510Kクリアランスによる)、より新しい髄内技術はほとんどない。
【0008】
足または手の指関節固定の意図された関節固定に特別にデザインされた、改善された髄外デバイスに関するニーズが当分野に存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本明細書は、様々な骨固定または癒着デバイスおよび関連するシステムおよび方法を説明する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
実施例1では、骨固定デバイスは、少なくとも1つのスパイン、前記の少なくとも1つのスパインの遠位端から伸びる少なくとも2つの遠位アーム、前記の少なくとも1つのスパインの近位端から伸びる少なくとも2つの近位アーム、および、骨固定デバイスにおいて規定される少なくとも1つの開口部を備え、ここで、開口部は、埋め込みツールの一部を受け入れるサイズおよび形状である。前記の少なくとも2つの遠位アームのそれぞれは、少なくとも1つの遠位の骨タイン(bone tine)を備え、前記の少なくとも2つの遠位アームは、骨の周りに配置可能なように構成される。前記の少なくとも2つの近位アームのそれぞれは、少なくとも1つの近位の骨タインを備え、前記の少なくとも2つの近位アームは、骨の周りに配置可能なように構成される。
【0011】
実施例2は、実施例1に係る骨固定デバイスに関し、前記の少なくとも1つのスパインは、第一のスパインおよび第二のスパインを備える。
【0012】
実施例3は、実施例2に係る骨固定デバイスに関し、第一および第二のスパインは、第一および第二のスパインのそれぞれの長さに沿って規定されるノッチを備える。
【0013】
実施例4は、実施例2に係る骨固定デバイスに関し、第一および第二のスパインは、曲がったスパインである。
【0014】
実施例5は、実施例1に係る骨固定デバイスに関し、開口部は雌ネジを備え、雌ネジは、埋め込みツールの雄ネジを受け入れるように構成される。
【0015】
実施例6は、実施例1に係る骨固定デバイスに関し、前記の少なくとも1つの開口部は、少なくとも4つの開口部を備え、前記の少なくとも2つの遠位アームおよび前記の少なくとも2つの近位アームのそれぞれは、前記の少なくとも4つの開口部のうちの少なくとも1つを規定する。
【0016】
実施例7は、実施例1に係る骨固定デバイスに関し、前記の少なくとも1つの開口部は少なくとも2つの開口部を備え、前記の少なくとも1つのスパインは前記の少なくとも2つの開口部を規定する。
【0017】
実施例8は、実施例1に係る骨固定デバイスに関し、前記の少なくとも2つの遠位アームおよび前記の少なくとも2つの近位アームのうちの少なくとも1つにおいて規定される少なくとも1つのアーム変形開口部をさらに含み、前記の少なくとも1つのアーム変形開口部は、前記の少なくとも2つの遠位アームおよび前記の少なくとも2つの近位アームのうちの少なくとも1つの変形を容易にするように構成される。
【0018】
実施例9は、実施例1に係る骨固定デバイスに関し、前記の少なくとも1つのスパインは、関節または骨折部位の指示線を備える。
【0019】
実施例10は、実施例1に係る骨固定デバイスに関し、前記の少なくとも2つの遠位アームおよび前記の少なくとも2つの近位アームのうちの少なくとも1つにおいて規定される少なくとも1つのアーム変形ノッチをさらに含み、前記の少なくとも1つのアーム変形ノッチは、前記の少なくとも2つの遠位アームおよび前記の少なくとも2つの近位アームのうちの少なくとも1つの変形を容易にするように構成される。
【0020】
実施例11では、骨固定デバイスは、複数のノッチを備える第一の外縁および第一の曲がった内縁を備える、第一のスパイン、複数のノッチを備える第二の外縁および第二の曲がった内縁を備える、第二のスパイン、第一および第二のスパインの遠位端から伸びる少なくとも2つの遠位アーム、第一および第二のスパインの近位端から伸びる少なくとも2つの近位アーム、骨固定デバイスにおいて規定される少なくとも1つのツールインターフェイス開口部、および、骨固定デバイスにおいて規定される少なくとも1つのアーム変形機構を、備える。前記の少なくとも2つの遠位アームのそれぞれは、少なくとも1つの遠位の骨タインを備え、前記の少なくとも2つの遠位アームは、骨の周りに配置可能なように構成される。前記の少なくとも2つの近位アームのそれぞれは、少なくとも1つの近位の骨タインを備え、前記の少なくとも2つの近位アームは、骨の周りに配置可能なように構成される。前記の少なくとも1つのツールインターフェイス開口部は、埋め込みツールの一部を受け入れるサイズおよび形状である。前記の少なくとも1つのアーム変形機構は、前記の少なくとも2つの遠位アームおよび前記の少なくとも2つの近位アームの少なくとも1つの変形を容易にするように構成される。
【0021】
実施例12は、実施例11に係る骨固定デバイスに関し、前記の少なくとも1つのツールインターフェイス開口部は雌ネジを備え、雌ネジは埋め込みツールの雄ネジを受け入れるように構成される。
【0022】
実施例13は、実施例11に係る骨固定デバイスに関し、前記の少なくとも1つのツールインターフェイス開口部は、少なくとも4つの開口部を備え、前記の少なくとも2つの遠位アームおよび前記の少なくとも2つの近位アームのそれぞれは、前記の少なくとも4つのツールインターフェイス開口部のうちの少なくとも1つを規定する。
【0023】
実施例14は、実施例11に係る骨固定デバイスに関し、前記の少なくとも1つのアーム変形機構は、開口部またはノッチを備える。
【0024】
実施例15は、実施例11に係る骨固定デバイスに関し、第一および第二のスパインは、関節または骨折部位の指示線を備える。
【0025】
実施例16では、骨固定デバイスは、少なくとも1つのスパイン、前記の少なくとも1つのスパインの遠位端から伸びる少なくとも2つの遠位アーム、および、前記の少なくとも1つのスパインの近位端から伸びる少なくとも2つの近位アームを備える。前記の少なくとも2つの遠位アームのそれぞれは、少なくとも1つの遠位変形制御開口部を備え、前記の少なくとも2つの遠位アームは、骨の周りに配置可能なように構成される。前記の少なくとも2つの近位アームのそれぞれは、少なくとも1つの近位変形制御開口部を備え、前記の少なくとも2つの近位アームは、骨の周りに配置可能なように構成される。遠位および近位変形制御開口部は、前記の少なくとも2つの遠位アームおよび前記の少なくとも2つの近位アームの変形を容易にするように構成される。
【0026】
実施例17は、実施例16に係る骨固定デバイスに関し、遠位および近位変形制御開口部は、前記の少なくとも2つの遠位アームおよび前記の少なくとも2つの近位アームの変形を、所望の方向に提供するように構成される。
【0027】
実施例18は、実施例16に係る骨固定デバイスに関し、遠位および近位変形制御開口部は、変形制御開口部の不存在下での遠位および近位アームの局所曲げ半径とは異なる、遠位および近位アームの局所曲げ半径を提供するように構成される。
【0028】
実施例19は、実施例16に係る骨固定デバイスに関し、前記の少なくとも2つの遠位アームおよび前記の少なくとも2つの近位アームのそれぞれは、少なくとも1つの骨タインを備え、少なくとも1つの骨タインのそれぞれは、前記の少なくとも2つの遠位アームおよび前記の少なくとも2つの近位アーム内の曲率半径よりも急な曲率半径で配置される。
【0029】
実施例20は、実施例16に係る骨固定デバイスに関し、前記の少なくとも2つの遠位アームおよび前記の少なくとも2つの近位アームのそれぞれは、遠位および近位変形制御開口部の周りに与えられる第一の曲げ半径、変形制御開口部および骨タインの間のアーム上に与えられる第二の曲げ半径、および、骨タイン上に与えられる第三の曲げ半径を有する。
【0030】
実施例21は、実施例20に係る骨固定デバイスに関し、第一、第二、および第三の曲げ半径は、横断面が非円形である。
【0031】
実施例22では、骨固定キットは、骨固定デバイス、支持ブロック(前記の少なくとも1つのスパイン、第一および第二の遠位アーム、および第一および第二の近位アームが、支持ブロックの形状に適合するように、骨固定デバイスをその上に配列することができる)、および、埋め込みツール(第一および第二の遠位アームおよび第一および第二の近位アームと連結可能であり、骨固定デバイスを支持ブロックから取り外す)を備える。骨固定デバイスは、少なくとも1つのスパイン、前記の少なくとも1つのスパインの遠位端から伸びる第一および第二の遠位アーム(第一および第二の遠位アームのそれぞれは、少なくとも1つの遠位の骨タインを備える)、および、前記の少なくとも1つのスパインの近位端から伸びる第一および第二の近位アーム(第一および第二の近位アームのそれぞれは、少なくとも1つの近位の骨タインを備える)を備える。
【0032】
実施例23では、骨固定方法は、骨固定デバイスを提供するステップ、第一および第二の遠位アームを、第一の標的の骨部位の周りに配置するステップ、前記の少なくとも1つの遠位の骨タインが第一の標的の骨部位の中に埋まるように、第一の標的の骨部位の周りの第一および第二の遠位アームを埋め込みツールでクリンプするステップ、第一および第二の近位アームを、第二の標的の骨部位の周りに配置するステップ、および、前記の少なくとも1つの近位の骨タインが第二の標的の骨部位の中に埋まるように、第二の標的の骨部位の周りの第一および第二の近位アームを埋め込みツールでクリンプするステップ、を含む。骨固定デバイスは、少なくとも1つのスパイン、前記の少なくとも1つのスパインの遠位端から伸びる第一および第二の遠位アーム(第一および第二の遠位アームのそれぞれは、少なくとも1つの遠位の骨タインを備える)、および、前記の少なくとも1つのスパインの近位端から伸びる第一および第二の近位アーム(第一および第二の近位アームのそれぞれは、少なくとも1つの近位の骨タインを備える)を、備える。
【0033】
実施例24は、実施例23に係る骨固定方法に関し、前記の少なくとも1つのスパインを変形して、第一および第二の標的の骨部位で自然な曲げを折り曲げるステップをさらに含む。
【0034】
実施例25は、実施例23に係る骨固定方法に関し、第一の標的の骨部位は第一の骨を含み、第二の標的の骨部位は第二の骨を含み、骨固定デバイスは、第一および第二の骨の間の関節にわたって配置される。
【0035】
実施例26は、実施例23に係る骨固定方法に関し、骨固定デバイスは、第一および第二の遠位アームにおいて規定される少なくとも第一および第二の遠位ツールインターフェイス開口部、および、第一および第二の近位アームにおいて規定される少なくとも第一および第二の近位ツールインターフェイス開口部をさらに備え、第一および第二の遠位アームをクリンプするステップは、埋め込みツールを第一および第二の遠位ツールインターフェイス開口部に連結するステップをさらに含み、第一および第二の近位アームをクリンプするステップは、埋め込みツールを第一および第二の近位ツールインターフェイス開口部に連結するステップをさらに含む。
【0036】
実施例27は、実施例23に係る骨固定方法に関し、第一および第二の遠位アームを第一の標的の骨部位の周りに配置するステップの前に、埋め込みツールを第一および第二の遠位アームにおいて規定される少なくとも第一および第二の遠位ツールインターフェイス開口部に連結するステップ、および、第一および第二の近位アームを第二の標的の骨部位の周りに配置するステップの前に、埋め込みツールを第一および第二の近位アームにおいて規定される少なくとも第一および第二の近位ツールインターフェイス開口部に連結するステップをさらに含む。
【0037】
多くの実施態様が開示されるが、本発明のさらに他の実施態様が、本発明の例示の実施態様を示し説明する以下の詳細な説明から当業者に明らかになるであろう。認識されるように、本発明は、様々の明らかな態様での改変が可能であり、全て、本発明の意図および範囲を逸脱しない。したがって、図面および詳細な説明は、事実上、例示であると見なされるべきであり、制限ではない。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1A】患部の指に配置された公知のK−鋼線デバイスのX線画像の正面図である。
【
図1B】患部の指に配置された公知の髄内デバイスのX線画像の正面図である。
【
図2A】一実施態様に係る、指の標的部位に取り付けられた癒着または固定デバイスの上面図である。
【
図3A】別の実施態様に係る、固定/癒着デバイスの斜視図である。
【
図3E】所望の形状に形成される前の、
図3Aの固定/癒着デバイスの斜視図である。
【
図3F】所望の形状の形成が始まった、
図3Aの固定/癒着デバイスの斜視図である。
【
図3G】所望の形状の形成が完成した、
図3Aの固定/癒着デバイスの斜視図である。
【
図4】一実施態様に係る、関節にわたって所定の位置に埋め込まれ、または固定された、固定/癒着デバイスの斜視図である。
【
図5A】一実施態様に係る、埋め込みの目的のための適用ツールに連結された、固定/癒着デバイスの斜視図である。
【
図5B】一実施態様に係る、前進ツールが固定/癒着デバイスに向かって進行されている、
図5Aの固定/癒着デバイスの斜視図である。
【
図5C】一実施態様に係る、前進ツールが固定/癒着デバイスと接触している、
図5Aの固定/癒着デバイスの斜視図である。
【
図5D】一実施態様に係る、前進ツールが固定/癒着デバイスのタインを骨の中へ付勢する、
図5Aの固定/癒着デバイスの斜視図である。
【
図5E】一実施態様に係る、前進ツールが取り外されている、
図5Aの固定/癒着デバイスの斜視図である。
【
図5F】一実施態様に係る、固定/癒着デバイスのタインが骨の中に埋まった、
図5Aの固定/癒着デバイスの斜視図である。
【
図5G】一実施態様に係る、前進ツールの2つのロッドが離れるように付勢されてデバイスを曲げる、
図5Aの固定/癒着デバイスの斜視図である。
【
図5H】一実施態様に係る、前進ツールが取り外されている、
図5Aの固定/癒着デバイスの斜視図である。
【
図5I】一実施態様に係る、前進ツールが取り外され、デバイスが埋め込まれた、
図5Aの固定/癒着デバイスの斜視図である。
【
図6A】別の実施態様に係る、固定/癒着デバイスの斜視図である。
【
図6D】所望の形状に形成される前の、
図6Aの固定/癒着デバイスの斜視図である。
【
図7】一実施態様に係る、関節にわたって所定の位置に埋め込まれ、または固定された、固定/癒着デバイスの斜視図である。
【
図8A】別の実施態様に係る、固定/癒着デバイスの斜視図である。
【
図8D】所望の形状に形成される前の、
図8Aの固定/癒着デバイスの斜視図である。
【
図9】一実施態様に係る、関節にわたって所定の位置に埋め込まれ、または固定された、固定/癒着デバイスの斜視図である。
【
図10A】別の実施態様に係る、固定/癒着デバイスの斜視図である。
【
図10B】アームが所望の構成に変形された、
図10Aの固定/癒着デバイスの斜視図である。
【
図11A】別の実施態様に係る、固定/癒着デバイスの斜視図である
【
図12A】一実施態様に係る、埋め込みの目的のための適用ツールに連結された、固定/癒着デバイスの斜視図である。
【
図12B】一実施態様に係る、適用ツールが固定/癒着デバイスのタインを骨の中へ付勢している、
図12Aの固定/癒着デバイスの斜視図である。
【
図13A】一実施態様に係る、埋め込みの目的のための適用ツールに連結された、固定/癒着デバイスの斜視図である。
【
図13B】一実施態様に係る、適用ツールが固定/癒着デバイスのタインを骨の中へ付勢している、
図13Aの固定/癒着デバイスの斜視図である。
【
図14A】別の実施態様に係る、標的の骨に隣接して配置された、固定/癒着デバイスの側面図である。
【
図14B】一実施態様に係る、デバイスが標的の骨の周りに配置された、
図14Aの固定/癒着デバイスの側面図である。
【
図14C】一実施態様に係る、適用ツールが固定/癒着デバイスのタインを骨の中へ付勢している、
図14Aの固定/癒着デバイスの側面図である。
【
図15A】別の実施態様に係る、固定/癒着デバイスの側面図である。
【
図15C】一実施態様に係る、埋め込みの目的のための適用ツールに連結された、
図15Aの固定/癒着デバイスの側面図である。
【
図16】一実施態様に係る、埋め込みの目的のための適用ツールに連結された、固定/癒着デバイスの側面図である。
【
図17A】別の実施態様に係る、固定/癒着デバイスの斜視図である。
【
図18】別の実施態様に係る、固定/癒着デバイスの斜視図である。
【
図19A】別の実施態様に係る、調節可能な連結部品を備える固定/癒着デバイスの斜視図である。
【
図19B】一実施態様に係る、調節可能な連結部品が縮められた、
図19Aの固定/癒着デバイスの斜視図である。
【
図20A】別の実施態様に係る、調節可能な連結部品を備える固定/癒着デバイスの斜視図である。
【
図20B】一実施態様に係る、調節可能な連結部品が縮められた、
図20Aの固定/癒着デバイスの斜視図である。
【
図21A】別の実施態様に係る、固定/癒着デバイスの斜視図である。
【
図22】別の実施態様に係る、固定/癒着デバイスの上面図である。
【
図23】別の実施態様に係る、固定/癒着デバイスの上面図である。
【
図24A】別の実施態様に係る、固定/癒着デバイスの上面図である。
【
図25】別の実施態様に係る、固定/癒着デバイスの側面図である。
【
図26】別の実施態様に係る、固定/癒着デバイスの側面図である。
【
図27】別の実施態様に係る、固定/癒着デバイスの側面図である。
【
図28】別の実施態様に係る、固定/癒着デバイスの側面図である。
【
図29A】一実施態様に係る、埋め込みデバイスの正面図である。
【
図32A】一実施態様に係る、適用ツールに連結された、ホルダーブロック上の、固定/癒着デバイスの斜視図である。
【
図32B】一実施態様に係る、ホルダーブロックから
図32Aの固定/癒着デバイスを取り除いている適用ツールの斜視図である。
【
図32C】一実施態様に係る、標的の骨部位で
図32Aの固定/癒着デバイスを配置している適用ツールの斜視図である。
【
図32D】一実施態様に係る、標的の骨部位で所定の位置に
図32Aの固定/癒着デバイスをクリンプしている適用ツールの斜視図である。
【
図32E】一実施態様に係る、標的の骨部位で所定の位置に
図32Aの固定/癒着デバイスの反対末端をクリンプしている適用ツールの斜視図である。
【
図32F】一実施態様に係る、標的の骨部位に埋め込まれた、
図32Aの固定/癒着デバイスの斜視図である。
【
図33】一実施態様に係る、除去ツールで取り除かれている
図32Aの固定/癒着デバイスの斜視図である。
【
図34A】別の実施態様に係る、別のホルダーブロック上の固定/癒着デバイスの斜視図である。
【
図34B】一実施態様に係る、埋め込みツールを用いてホルダーブロックから取り外されている
図34Aの固定/癒着デバイスの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本明細書において開示および検討される様々な実施態様は、伝統的なK−鋼線固定および新興の新規のソリッドおよび/またはカニューレ型髄内固定技術を上回る満足な機械的および臨床的利益を達成するためにデザインされた、解剖的、部位−特異的な髄外固定および/または癒着デバイス(および関連するシステムおよび方法)に関する。特定の実施は、足(または手)の指関節固定のために特別にデザインされる。より具体的には、様々な実施態様は、解剖上特異的な髄外指固定デバイスおよび関連する適用ツールを含む、システムに関する。
【0040】
図2A〜
図2Cは、指12上の標的部位に取り付けられた、癒着または固定デバイス10の、1つの特定の例示的な実施態様を示す。本明細書において開示される様々な実施態様のそれぞれは、癒着または固定デバイス単独として、標的部位に取り付けることができる。すなわち、これらの実施態様のいずれも、任意の他の公知のデバイスを伴わずに、それらだけで用いられ得る。あるいは、様々な実施態様は、臨床の必要性および/または外科医の趣向によって、「K−鋼線」固定デバイスまたは他の公知のデバイスと同時に用いることもできる。すなわち、様々な実施態様は、K−鋼線の同時的な使用が可能であり適合するように構成される。外科医は、段階的な外科的リリースおよび近位指骨関節の拘縮および変形に対する矯正に続き、そのような「K−鋼線」付属物を付属的に適用して指の位置を中足指節関節レベルで安定化および制御することを選択し得る。本明細書において開示される様々な実施は、そのような付属的使用を可能にする。対照的に、本明細書に記載の他の公知の技術は、K−鋼線と組み合わせて、または同時に、使用することはできない。
【0041】
本明細書において開示される様々な実施態様は、経時的に、意図された関節固定部位の上に/対して配置される、安定性が増強されたデバイスに関する。
図2A〜
図2Cでは、デバイス10は、指12上の関節14にわたって配置され、それにより、関節14で2つの骨の癒着を生じさせる。例示的なデバイス10を含む本明細書において開示される実施態様は、所望の小関節の関節固定に取り付けられ、関連する指骨区分のそれぞれの部分の上に配置され、および、「クリンプ」され、または他の方法でそれに取り付けられ、それにより、完全に外部に基づく固定方法の構成物を提供し、意図された関節固定部位に満足な機械的支持を提供する、解剖上特異的な髄外固定および/または癒着デバイスに関する。加えて、本明細書において開示される髄外デバイスの実施態様は、公知の髄内デザインと比較して、より簡単なそのようなデバイスの除去を可能にする。
【0042】
図3A〜
図3Gおよび
図4は、髄外固定/癒着デバイス10の一実施態様を示す。デバイス10は、遠位端で一組の遠位アーム22A、22Bおよび近位端で一組の近位アーム24A、24Bに連結された、スパイン20を備える。この実施では、スパイン20は、遠位タイン26および近位タイン28も備える。同様に、遠位アーム22A、22Bはそれぞれタイン30A、30Bを備え、近位アーム24A、24Bもまた、それぞれタイン32A、32Bを備える。
【0043】
一実施態様では、デバイス10は、適切な半硬質の変形可能な材料で作られる。特定の実施例では、デバイス10は、例えば、医療グレードのステンレススチール、チタン、または他の同様の材料を含む、任意の様々な金属合金から作られる。
【0044】
本出願全体を通して説明される任意の実施態様を含む本明細書において開示および検討される様々な実施態様では、デバイスは、少なくとも約.1mm〜約2mmの範囲の厚さを有してよい。デバイスの長さ(
図3Bおよび
図3Cにタイン32Aとタイン30Aとの間の距離として最もよく示されるアームタイン間の距離)は、約5mm〜約10cmの範囲である。アーム間のデバイスの幅(
図3Dにアーム22Aおよび22Bの遠位端の間の距離として最もよく示される)は、約1mm〜約20mmの範囲である。スパインの幅(
図3Cに最もよく示される)は、約1mm〜約10mmの範囲であり、アームの幅(例えば
図3Bに示される)は、約1mm〜約10mmの範囲である。
【0045】
この実施では、スパイン20は、2つのマウンティング機構34、36も備える。より具体的には、本実施態様におけるマウンティング機構は、以下にさらに詳細に述べるように、適用ツールを受け入れるように構成された2つのネジ山付き開口部34、36である。
【0046】
図3E、
図3F、および
図3Gに最もよく示されるように、一実施態様によれば、デバイス10は、
図3Eに示すように、金属のシート(または他の材料)から、フラットピースに切ることができ、続いて、デバイス10のために所望の形状に形成される。一実施態様では、長さ、幅、幾何配置および厚さを含むデバイス10の特定の構成およびフットプリントは、意図された関節固定部位の形態学的および解剖的制約に基づく。すなわち、デバイス10の特定のサイズおよび寸法は、標的部位のサイズおよび寸法により決定することができる。
【0047】
特定の一実施態様では、デバイス10は、シート金属から形成することができる。より具体的には、例えば、レーザー切断、放電加工(edm)、ダイカッティング、または任意の他の公知の方法を含む、様々な方法のいずれか1つを用いて、
図3Eの構成に切断またはスタンプすることができる。
【0048】
あるいは、任意の公知の方法でフラットピースを形成することもできることが理解される。
【0049】
タイン、アーム、および/またはスパインと関連する任意の曲げまたは所望の変形は、スタンピングプロセス中または切断後に、例えば、スタンピング、4スライド(fourslide)ベンディング、曲げプレスなどのような様々な公知の形成方法を用いて導入することができる。あるいは、曲げまたは変形の一部または全ては、製造プロセスではなく適用プロセス(固定/埋め込み手順中)に導入することができる。
【0050】
さらなる代替では、アームおよび/またはタインは、シート金属またはピンとは別に製造することができ、溶接のような任意の公知の取り付け方法により取り付けることができる。
【0051】
図3Eのフラットピースが形成された時点で、タイン(例えば
図3Fに示される、タイン26、30A、および、30B)は、示されるようにそれらの所望の構成にタインを曲げることにより形成される。一実施によれば、必要とされる力の量に起因して、タイン(例えば、タイン26、30A、および30B)は、(手順直前または手順中に動作領域で曲げられるのではなく)製造プロセス中に所望のとおりに曲げられる。アーム(
図3Gに示されるアーム22A、22Bなど)は、それから、それらの所望の構成に曲げることができる。これは、製造プロセス中またはその後いつでも(以下にさらに詳細に説明する手順中を含む)、達成することができる。さらに、スパイン20は、
図3Bに最もよく示されるように曲がった構成に曲げることもでき、これもまた、いつでも(製造プロセスから後に向けて)生じ得る。
図4は、関節14にわたって所定の位置に埋め込まれ、または固定された、デバイス10を示す。
【0052】
一実施態様による使用では、デバイス10(および、本明細書において開示または検討される任意のデバイスの実施態様)は、以下のステップにより、所望の標的部位上に置き、埋め込み、または固定することができる。
図5Aに示されるように、適用ツール40は、デバイス10のマウンティング機構34、36に連結される。より具体的には、この特定の実施では、ツール40は、ロッド40A、40Bがデバイス10に連結されるようにマウンティング機構34、36にネジで連結された2つの適用ロッドまたはバー40A、40Bからなる。標的部位が外科的にアクセスされ、指(単数または複数)およびそれぞれの関節が、関節癒着を助長するように準備された時点で、特定の実施態様では、ツール40を用いて、デバイス10を所望のとおりに標的部位(例えば近位指骨関節など)に配置するのをアシストすることができる。
【0053】
前進ツール50は、それから、
図5Bに示されるようにロッドの片方である40Aの上を進行する。前進ツール50は、デバイス上のタイン(例えばデバイス10の遠位タイン30A、30Bなど)に対応する2つの突出部52A、52Bを備える。あるいは、ツール50は、タインの数に合致する任意の適切な数の突出部を備えることができる。ツール50は、それから、
図5Cに最もよく示されるように、突出部52A、52Bがタイン30A、30Bと接触するまで、ロッド40Aに沿って遠位に進行する。
【0054】
ツール50は、それから、
図5Dに示されるように、突出部52A、52Bがタイン30A、30Bを皮質骨の中へ付勢するようにロッド40Aに沿って遠位に付勢される。一実施態様によれば、タイン30A、30Bは、アーム22A、22Bが骨表面と同一平面になるまで、骨の中へ進行する。タイン30A、30Bが所望のとおりに置かれた時点で、ツール50は、
図5Eに示されるように、ロッド40Aに沿って近位にそれを動かすことによって取り外すことができる。ツール50は、それから、
図5Fに示されるように、もう片方のロッド40Bの上を進行することができ、これを用いて近位タイン(例えばタイン32A)を皮質骨の中へ所望の位置まで付勢ことができる。タインが骨の中に所望のとおりに配置された時点で、
図5Gに最もよく示されるように、2つのロッド40A、40Bを反対方向に付勢して、スパイン20を曲げるか、または他の方法で曲面を形成することができる。あるいは、タインが骨の中へ付勢される前、またはタイン30A、30Bの遠位セットが骨の中へ付勢された後(および近位タインがそのように配置される前)に、曲面をスパイン20に形成することができる。それから、ロッド40A、40Bの両方とも、
図5Iに示されるように埋め込まれまたは固定されたデバイス10のみが残るように、
図5Hに最もよく示されるように取り外すことができる。
【0055】
図6A〜
図6Dおよび
図7は、別の実施態様のデバイス60を示す。本実施態様では、アーム22A、22B、24A、24Bのそれぞれは、2つのタイン−末端タイン、およびアームの中央部分から伸びる中間アームタインを備える。したがって、遠位アーム22Aは、末端タイン30Aおよび中間アームタイン62Aを備え、一方で、遠位アーム22Bは、末端タイン30Bおよび中間アームタイン62Bを備える。同様に、近位アーム24Aは、末端タイン32Aおよび中間アームタイン64Aを備え、一方で、近位アーム24Bは、末端タイン32Bおよび中間アームタイン64Bを備える。
図7は、標的部位で埋め込まれたデバイス60を示す。これらのさらなるタインは、特定の実施によれば、プレートに対する骨のさらなる回転安定性を提供することができる。
【0056】
図8A〜
図8Dおよび
図9は、別の実施態様のデバイス70を示す。本実施態様では、アーム22A、22B、24A、24Bのそれぞれは、3つのタイン−末端タイン、およびアームのサイドから伸びる2つの中間アームタインを備える。したがって、遠位アーム22Aは、1つの末端タイン30Aおよび2つの中間アームタイン72A、72Bを備え、一方で、遠位アーム22Bは、1つの末端タイン30Bおよび2つの中間アームタイン72C、72Dを備える。同様に、近位アーム24Aは、1つの末端タイン32Aおよび2つの中間アームタイン74A、74Bを備え、一方で、近位アーム24Bは、1つの末端タイン32Bおよび2つの中間アームタイン74C、74Dを備える。
図9は、標的部位で埋め込まれたデバイス70を示す。これらのさらなるタインは、一部の実施態様では、プレートに対する骨のさらなる回転およびねじれの安定性を提供することができる。
【0057】
図10A〜
図10Cは、別の実施態様のデバイス80を示す。本実施態様では、アーム22A、22B、24A、24Bのそれぞれは、マウンティング機構(この場合では、ネジ山付き開口部)82A、82B、84A、84Bを、(スパインに沿うのではなく)各アームの遠位端に備え、マウンティング機構82A、82B、84A、84Bのそれぞれは、2つのタインを備える。したがって、遠位アーム22Aは、2つのタイン86A、86Bを備えるネジ山付き開口部82Aを備え、遠位アーム22Bは、2つのタイン86C、86Dを備えるネジ山付き開口部82Bを備える。同様に、近位アーム24Aは2つのタイン88A、88Bを備えるネジ山付き開口部84Aを備え、近位アーム24Bは、2つのタイン88C、88Dを備えるネジ山付き開口部84Bを備える。これらのさらなるマウンティングのポイントは、外科医がタインを骨の中に押してアームを骨の周りに包む作業をする場合に、より優れた制御、および、てこの力を、外科医に与えることができる。
【0058】
図11A〜
図11Cは、別の実施態様のデバイス100を示す。本実施態様では、スパイン20は、多数のマウンティング機構(ネジ山付き開口部)を備える。実際に、特定の実施によれば、スパイン20全体は、一緒に連結されるマウンティング機構のみからなる。さらに、本実施では、アーム22A、22B、24A、24Bのそれぞれは、マウンティング機構からなり、各アームの遠位マウンティング機構は2つのタインを備える。したがって、遠位アーム22Aは2つのタイン86A、86Bを備え、遠位アーム22Bは2つのタイン86C、86Dを備える。同様に、近位アーム24Aは2つのタイン88A、88Bを備え、近位アーム24Bは2つのタイン88C、88Dを備える。特定の実施によれば、これらのマウンティング機構は、特定の解剖学的な曲げにデバイスを調節し、および、ネジまたは止めネジのようなさらなる固定デバイスを組み込む柔軟性を外科医に提供することができる。
【0059】
図12Aおよび
図12Bは、一実施態様による、適用ツール40に連結されたデバイス110の横断面図を示す。本実施態様では、小さな突起部112A、112Bにより模式的に表された別個のタイン前進ツール112を用いてタインを骨の中に進行させる。本実施態様では、ツール112は、ロッドの縦軸に対して垂直な方向にロッド40から離れるように力を与え、それにより、
図12Bに最もよく示されるようにタインを骨の中へ付勢する。
【0060】
図13Aおよび
図13Bは、一実施態様による、適用ツール40に連結されたデバイス120の横断面図を示す。本実施態様では、小さな突起部122A、122Bにより模式的に表された別個のタイン前進ツール122を用いてタインを骨の中に進行させる。本実施態様では、ツール122は、ロッド40の縦軸に対して水平な方向に骨に向かって力を与え、それにより、
図13Bに最もよく示されるようにタインを骨の中へ付勢する。
【0061】
図14A〜
図14Cは、標的の骨132の上へ進められてから所定の位置に固定された、デバイス130の横断面図を示す。このデバイス130は、例えば上記に詳細に説明したデバイス10を含む、本明細書に開示される任意のデバイスの実施態様であってよいことが理解される。本実施態様では、デバイス130は半硬質であり、
図14Aで矢印により示されるようにアーム22A、22Bが外側に屈曲するのを可能にするのに十分な柔軟性を有することを意味し、それにより、デバイス130が、
図14Bに示されるように骨132上のその所望の位置に進行するのを可能にする。クリンプまたは固定ツール134は、それから、ツール134A、134Bのアームがデバイス130のアーム22A、22Bに対して配置されるようにして配置される。ツール134は、それから、
図14Cに示されるように、タイン30A、30Bを骨の中へ付勢するように作動される。
【0062】
図15A〜
図15Cは、別の実施態様のデバイス140を示す。本実施態様では、スパイン20は、マウンティング機構(この場合では、ネジ山付き開口部)142、144をそれぞれの末端に備え、マウンティング機構142、144のそれぞれは、2つのタインを備える。したがって、遠位端は、2つのタイン146A、146Bを備えるネジ山付き開口部142を備え、近位端は、2つのタイン148A、148Bを備えるネジ山付き開口部144を備える。さらに、2つのネジ山付き開口部142、144は、
図15Aおよび
図15Cに最もよく示されるように、スパイン20に対して斜めに配置される。したがって、固定の間、2つの適用ロッド40A、40Bは、ネジ山付き開口部142、144に連結することができ、
図15Cに示されるように力が加えられてタインを骨の中へ付勢する。ネジ山付きマウンティング機構144および142の生じた回転は、タインが進行するときに、近位および遠位の骨の部分を互いに向かって動かすことができる。
【0063】
図16は、一実施態様による適用ツール40を示す。ツール40は、2つのアーム162A、162Bを遠位端に備える中央ロッド160を備える。適用ツール40は、デバイス10を2段階で配置し、または埋め込む:まず、アームを特定のポイントまで曲げ、それから、アームを骨の周りにさらにいっそう包むさらなる曲げを加える。これは、2つの異なる展開部品164、166を用いて達成される。第一の展開部品164は、2つのリンク170A、170B(それらの遠位端で第一の枢軸パドル172A、172Bに連結される)に連結されたバー168を備える。第一の枢軸パドル172A、172Bは、第一の展開部品のバー168が下側へ付勢された場合に、第一の枢軸パドル172A、172Bの遠位端がデバイス10のアームに接触してアームを曲げる(骨に向けてアームを付勢する)ように、適用ツール40のアーム162A、162Bに枢動可能に連結される。
【0064】
それが完了した時点で、第二の展開部品166が以下のように展開される。第二の展開部品166は、2つのリンク176A、176B(それらの遠位端で第二の枢軸パドル178A、178Bに連結される)に連結されたバー174を備える。第二の枢軸パドル178A、178Bは、第二の展開部品166のバー174が下側へ付勢された場合に、第二の枢軸パドル178A、178Bの遠位端がデバイス10のアームに接触して、アームを、それらがより完全に骨の周りに包まれるようにさらに曲げるように、第一の枢軸パドル172A、172Bに枢動可能に連結される。
【0065】
図17A〜
図17Dは、別の実施態様のデバイス190を示す。本実施態様では、デバイス190は、2つのスパイン20A、20Bを備え、アームではなく、これらのスパイン20A、20Bに連結されたプレートを備える。すなわち、デバイス190は、遠位プレート192および近位プレート194を備える。プレート192、194のそれぞれは、示されるようにプレートから突起した多数のタインを備える。デバイスの最背部からオフセットされた中部および側部のスパインを備えることは、、インプラントの外形を低くし、さらなる側部の支持を提供することができ、伸筋腱が存在するためのさらなる隙間を提供する。
【0066】
図18は、別の実施態様のデバイス200を示す。本実施態様では、デバイス200は、2つの割れ目のあるスパイン(スパイン20A、20Bおよびスパイン20C、20D)を備え、アームではなく、これらのスパインに連結されたプレートを備える。すなわち、デバイス200は、遠位プレート202および近位プレート204を備える。プレート202、204のそれぞれは、示されるようにプレートから突起した多数のタインを備える。これは、外科医が、割れ目のあるスパインを互いから離れるように付勢することによって、利用可能なツールを用いて配置後にデバイスの効果的な長さを縮め得る方法を示すものである。スパインの効果的な長さの短縮は、近位および遠位の部分を寄せて、さらにタインをさらに噛み合わせ、2つの癒着骨を寄せる。
【0067】
図19A〜
図19Bは、別の実施態様のデバイス210を示す。本実施態様では、デバイス210は、スパインまたはスパイン(複数)の代わりに、調節可能な連結部品212A、212Bを備える。一実施では、調節可能な連結部品212A、212Bは、調節可能な長さを有するジップ−タイ様の部品である。部品212A、212Bは、遠位プレート214および近位プレート216を一緒に連結する。プレート214、216のそれぞれは、示されるようにプレートから突起した多数のタインを備える。
図19Bに示されるように、部品212A、212Bを縮めてデバイス210が連結された骨に力を与えることができる。
【0068】
図20A〜
図20Bは、別の実施態様のデバイス220を示す。本実施態様では、デバイス220は、スパインまたはスパイン(複数)の代わりに、調節可能な連結部品212A、212Bを備える。一実施では、調節可能な連結部品212A、212Bは、調節可能なネジである。部品212A、212Bは、遠位プレート222および近位プレート224を一緒に連結する。プレート222、224のそれぞれは、示されるようにプレートから突起した多数のタインを備える。
図20Bに示されるように、部品212A、212Bを縮めてデバイス220が連結された骨に力を与えることができる。
【0069】
図21A〜
図21Eは、別の実施態様のデバイス250を示す。本実施態様では、デバイス250は、2つのスパイン252A、252Bを備え、これらのスパイン252A、252Bに連結されたプレート254、256を備える。すなわち、デバイス250は、遠位プレート254および近位プレート256を備える。プレート254、256のそれぞれは、示されるようにプレートから伸びる2つのアームを備える。より具体的には、遠位プレート254は、それから伸びるアーム258A、258Bを備え、一方で、プレート256は、アーム260A、260Bを備える。本実施態様では、アーム258A、258B、260A、260Bのそれぞれは、2つのタイン−末端タインおよび中間アームタイン(アームのサイドから伸びる)を備える。したがって、遠位アーム258Aは、末端タイン262Aおよび中間アームタイン262Bを備え、一方で、遠位アーム258Bは、末端タイン264Aおよび中間アームタイン264Bを備える。同様に、近位アーム260Aは、末端タイン266A(
図21Aに最もよく示される)および中間アームタイン266B(
図21Bに最もよく示される)を備え、一方で、近位アーム260Bは、末端タイン268A(
図21Aに最もよく示される)および中間アームタイン268B(
図21Bに最もよく示される)を備える。
【0070】
本実施では、デバイス250は、4つのアーム変形機構280A、280B、280C、280Dも備える。より具体的には、本実施態様でのアーム変形機構は、以下にさらに詳細に述べるように、アーム258A、258B、260A、260Bの変形を容易にするように構成された4つの開口部280A、280B、280C、280Dである。すなわち、開口部280A、280B、280C、280Dの存在は、開口部がない同等のデバイスと比較して、アーム258A、258B、260A、260Bの変形をしやすくさせる。一実施態様によれば、開口部280A、280B、280C、280Dは、デバイス250がクリンプされた場合に標的の骨の横断面にデバイス250がより近く接近するように開口部280A、280B、280C、280Dのそれぞれを囲む領域においてデバイス250内で変形が優先的に局在するようにデザインされた、横断面的領域を有する。
【0071】
一実施態様によれば、デバイス250は、4つのツールインターフェイス機構282A、282B、282C、282Dも備える。より具体的には、本実施でのツールインターフェイス機構は、以下により詳細に述べるように、デバイス250を埋め込む、または他の方法で配置する目的のための、ツール(一組のプライヤーなど)と連結するように構成された、4つの開口部282A、282B、282C、282Dである。
【0072】
図21Bおよび
図21Cに最もよく示されるように、左252Aおよび右252Bのスパインは両方とも、曲がった内縁290A、290Bおよびノッチ付きの(または「鋸歯状の」)外縁292A、292Bを備える。スパイン252A、252Bの、この特定の構成は、スパイン252A、252Bの変形を容易にするようにデザインされ、それにより、デバイス250が患者の体内に埋め込まれたときに、解剖学的3−D形状を作り出すのを容易にする。より具体的には、曲がった内縁290A、290Bおよびノッチ付きの外縁292A、292Bは、スパイン252A、252Bが曲がった内縁290A、290Bおよびノッチ付きの外縁292A、292Bを備えない場合よりも容易に、プレート254、256がスパイン252A、252Bの中間に関して下の方に促されるように、スパイン252A、252Bが変形または「曲がる」のを可能にする。1つの具体例としては、
図21Dおよび
図21Eは、デバイス250のこの機構を示す。より具体的には、
図21Dは、デバイス250をその変形されていない状態で示し、一方で、
図21Eは、上述のように、デバイス250をその変形された状態で示す。
【0073】
図21Bに最もよく示されるように、スパイン252A、252Bのそれぞれは、スパイン252A、252Bのそれぞれがプレート254、256に連結される、スパインの角300A、300B、300C、300Dも備える。これらのスパインの角300A、300B、300C、300Dは、安定性を助長し、および、疲労骨折を防ぐためにアール形状である(radiused)。
【0074】
また、
図21Bにも最もよく示されるように、スパイン252A、252Bのそれぞれは、以下にさらに詳細に説明するように、デバイス250を標的の関節または骨折と並べるために用いることのできる、関節または骨折部位の指示線302A、302Bも備える。
【0075】
図22および
図23は、デバイス310、320の2つの代替の実施態様を示す。例えば、デバイス310は、アーム258A、258Bにおいて規定されるノッチ312A、312Bであるアーム変形機構312A、312Bを備える。さらに、デバイス320は、アーム258A、258Bにおいて規定されるノッチ322A、322B、322C、322Dであるアーム変形機構322A、322B、322C、322Dを備える。これらの代替の実施態様に示されるこれらのアーム変形機構は、デバイス250に関して上記に述べたアーム変形機構280A、280B、280C、280Dと機能は同様であってよい。より具体的には、これらのアーム変形機構312A、312Bおよび322A、322B、322C、322Dは、アームの横断面を縮小し、それにより、その変形を容易にする。
【0076】
図24A〜
図24Cは、デバイス340のさらなる実施を示す。本実施態様では、デバイス340は、2つのスパイン342A、342Bを備え、その両方とも、スパインの変形を容易にする、曲がった(または「ジグザグの」)スパイン342A、342Bである。すなわち、上述の曲がった内縁290A、290Bおよびノッチ付きの外縁292A、292Bと全く同様に、曲がったスパイン342A、342Bは、スパイン342A、342Bが曲がった構成を備えない場合よりも容易にスパイン342A、342Bが変形または「曲がる」のを可能にする。1つの具体例としては、
図24Bおよび
図24Cは、デバイス340のこの機構を示す。より具体的には、
図24Bは、デバイス340をその変形していない状態で示し、一方で
図24Cは、デバイス340を、上述のようにその変形した状態で示す。
【0077】
図25および
図26は、デバイス360、380の2つのさらなる代替の実施態様を示す。例えば、デバイス360は、以下にさらに詳細に述べるように、デバイス360を埋め込む、または他の方法で配置する目的のための一組のプライヤーのようなツールと連結するように構成された楕円形の開口部362A、362Bである、4つのツールインターフェイス機構362A、362B(図示のとおり、他の2つの機構は見えない)を備える。同様に、デバイス380は、一組のプライヤーのようなツールと連結するように構成された2つの開口部382A、382Bでそれぞれ構成される、4つのツールインターフェイス機構382A、382B(図示のとおり、他の2つの機構は見えない)を備える。これらの代替の実施態様の両方において、機構362A、362B、382A、382Bは非円形または多数の開口部であり、ツールがそれに連結したときに回転を防ぐ。
【0078】
図27は、デバイス400のさらなる代替の実施態様を示し、4つではなく8個のアーム402A、402B、402C、402D(図示のとおり、他の4つのアームは見えない)を備える。そのような実施は、安定性およびロバスト性を増大させ、より高い負荷を有する適用(例えば足親指の関節固定など)または骨折固定に有用であり得る。
【0079】
図28は、2つのスパインのセクション422、424を備えるデバイス420のさらに別の代替の実施態様を示し、そのセクションのそれぞれは、4つではなく6つのアーム426A、426B、426C(図示のとおり、他の3つのアームは見えない)とともに2つのスパイン422A、422B、424A、424Bを備える。そのような実施は、より長い固定距離にわたって安定性を維持し、2つよりも多いアンカーポイントが所望である骨折固定のような適用において有用であり得る。
【0080】
図29A〜
図29Cは、配置または埋め込みツール440を示し、この特定の例示的な実施態様では一組のプライヤー440である。一組のプライヤー440は、一組のジョー442A、442B、ジョーピボット444、および一組のハンドル446A、446Bを備える。さらに、
図29Cに最もよく示されるように、一組の440は、ラチェットバー450、ラチェットスプリング452、ラチェットピボット454、ロッキング機構456、およびリリース機構458を含むラチェット機構も備える。スプリング452は、ラチェットバー450をスプリング452に向けて付勢するように張力がかかるように構成され、それにより、バー上のティース450Aをフィンガー459に向けて付勢する(
図30Aおよび
図30Bに最もよく示される)。それにより、フィンガー459が2つのティース450Aの間に配置され、その位置に保持され、それにより、ラチェットバー450がその位置に保持される。この特定の実施態様でのリリース機構458は、リリーストリガー458であり、それは、ユーザにより押し下げられてバー450をフィンガー459から離れるように付勢することができ、それにより、バー450がフィンガー459に関して動作可能であることを可能にし、それにより、ハンドル446A、446Bが互いに関して動くことを可能にする。
【0081】
図29Bに最もよく示されるように、ジョー442A、442Bのそれぞれは、ジョー442A、442Bの遠位端において内面上に、デバイス連結機構460A、460Bを備える。機構460A、460Bのそれぞれは、本明細書に開示または検討される任意のデバイスの実施態様とインターフェイス連結および連結するように構成される。より具体的には、特定の実施では、連結機構460A、460Bは、デバイス上のツールインターフェイス機構(例えば、上述のツールインターフェイス機構282A、282B、282C、282Dなど)と連結するように構成される。この特定の例示的な実施では、第一の連結機構460Aは円形のピン460Aであり、第二の連結機構460Bは四角いペグ460Bである。これらの機構460A、460Bおよび対応するツールインターフェイス機構(例えば上述の機構282A、282B、282C、282D)は、一緒に連結して、デバイス(例えばデバイス250など)を一組のプライヤー440に連結された場合に全ての自由度でロックして維持するように構成される。代替の一実施態様では、2つの機構460A、460Bは、非円形である単一の機構、多数のピン機構、または同様の効果を達成するための任意の他の公知の機構であってよい。
【0082】
図30Aおよび
図30Bは、ロッキング機構456の一実施態様を示す。より具体的には、本実施態様では、ロッキング機構456は、ユーザによって押し下げられてロッキングボタン456をロック位置の中および外に動かすことのできる、ロッキングボタン456である。
図30Aは、ロックされていない位置でのロッキングボタン456を示し、一方で、
図30Bは、ロックされた位置でのロッキングボタン456を示し、ボタン456は、フィンガー459が2つのティース450Aの間に配置されるようにラチェットバー450をフィンガー459に向かって付勢するように配置され、それにより、ハンドル446A、446Bが互いに関して動くのを抑止するようにバー450を噛み合わせる。ロッキング機構456は、ユーザによって押し下げられてハンドル446A、446Bを特定の方向へロックすることができる。ロッキング機構456が用いられてラチェットバー450をフィンガー459に向かって付勢する場合、デバイス440全体は堅く固定されて、リリース機構458の作動によりリリースすることはできない。ロック456がロックされておらず(ロックされていない位置)、リリース機構458が噛み合っている(ラチェットバー450をリリースするように作動しない)場合は、ハンドル446A、446Bは押し込まれ得る(互いに向かって付勢される)が、互いから離れるように付勢してジョー442A、442Bを互いから離れさせることはできない。ロック456がロックされておらず、リリース機構458が作動される場合は、ハンドル446A、446Bは押し込まれ得て、または、互いに対してリリースされ得る。
【0083】
本明細書において開示または検討される任意のデバイスの実施態様は、スパイン(またはスパイン(複数))に沿って曲がった構成に曲げることができ、または他の方法で変形することができることが、理解される。そのような例示的な曲がった構成は、
図3Bおよび
図32Fに示される(以下に述べる)。このスパイン変形は、いつでも(製造プロセスから後に向けて)生じ得る。
【0084】
一実施態様による使用では、デバイス250(および本明細書において開示または検討される任意の他のデバイスの実施態様)は、以下のステップにより、所望の標的部位上に置き、埋め込み、または固定することができる。
図32Aに示されるように、特定の実施での第一のステップは、ホルダーブロック480上に配置されたデバイス250をデバイスパッケージングから取り除き、プライヤー440をそれに連結させることである。そうするために、ユーザは、プライヤー440上のロッキングボタン456を
図30Aに示すようにロックされていない位置へ付勢することができ、それにより、ハンドル446A、446Bを互いに関して動かすのを可能にし、それにより、ジョー442A、442Bが所望の構成に動いてデバイス250の周りにそれらを配置するのを可能にする。それから、
図32Aに示すように、デバイス連結機構460A、460Bが適切なツールインターフェイス機構と連結するように、一組のプライヤー440を配置することができる。この時点で、ユーザは、上述のようにロッキングボタン456を用いてプライヤージョー442A、442Bをロックすることができ、それにより、ジョー442A、442Bを適所に、デバイス250に連結してロックする。
図32Bに示されるように、ユーザは、それから、プライヤー440を用いてデバイス250をホルダーブロック480から離れるように付勢することができる。
【0085】
次に、
図32Cに示されるように、デバイス250は、それから、タインが骨の正しい部分に対して配置され、または隣接するように、プライヤー440を用いて標的部位の適切な部分の上に配置することができる。さらに、
図32Dに示されるように、デバイス250は、ユーザがプライヤー440を用いて標的の関節または骨折と並べることのできる関節または骨折部位の指示線500を備え、それにより、デバイス250が正しく配置されるのを確実にする。ユーザは、それから、ロッキングボタン456をロックされていない位置へ付勢することができ、それから、デバイス250のタインが骨の中に完全に進行するまで、プライヤー440を用いてデバイス250を第一の末端でクリンプする。一実施態様では、デバイス250のクリンプ前の形状およびデバイス250上のツールインターフェイス機構の配置は、標的の骨の解剖学的横断面とぴったり合うようにデバイス250の変形を容易にし、それにより、クリンプ後の骨およびデバイス250の間のギャップを最小限にし、したがって、潜在的な組織刺激を制限する。
【0086】
デバイス250の片方の末端のアームが骨上に完全にクリンプされた時点で、プライヤー440は、機構460A、460Bがデバイス250から解放されるようにジョー442A、442Bを十分に広げることにより、デバイス250から取り外される。それから、
図32Eに示されるように、ユーザはそれから、プライヤー440を上記で以前に説明したようにして操作することにより、ジョー442A、442Bをデバイス250のもう片方の末端に連結させ、デバイス250を標的の骨の第二のセクションの上に配置し、関節または骨折にごく接近することを確実にし、デバイス250のタインが骨の中に完全に進行するまでデバイス250をその末端でクリンプする。
【0087】
ユーザはそれから、プライヤー440をリリースしてそれらをデバイス250から取り外すことができ、
図32Fに示されるように完全に埋め込まれたデバイスをもたらす。示されるようにデバイス250を用いてハンマー趾を矯正する一実施態様によれば、所望の結果は、足指の解剖的配置を折り曲げる骨関節にわたる10〜20度の曲げである。必要な場合は、この曲げは、本明細書中の他のどこかで記載のように、デバイス250をユーザの手作業で操ることにより達成することができる。
【0088】
また、デバイス250(または本明細書において開示または検討される任意のデバイス)は、
図33に示されるように取り外すこともできることが理解される。より具体的には、任意の公知の除去ツール520(例えばミニホーマンエレベータまたは同様のツール)を、4つの変形開口部280A、280B、280C、280Dのいずれか1つの中にツール520の末端を挿入して用いることができ、示されるように、全てのタインが骨から取り出されるまで、てこの力を利用してデバイス250を骨からてこで上げ、十分な除去が提供されてデバイス250が取り外される。
【0089】
ホールディングブロック540の代替の実施態様を
図34Aおよび
図34Bに示す。このブロック540は、遠位ブロック542および近位ブロック544からなる割れ目のあるホールディングブロック540である。本実施態様では、2つのブロック542、544の間の割れ目は標的の骨の関節または骨折を表わすことができる。それにより、割れ目と並べられた指標線546を用いてデバイス250が配置される。一実施によれば、ブロック540は曲がっていて、デバイス250の幾何配置と結合する。
【0090】
使用において、
図34Bに示すように、ユーザは、デバイス250の片方の末端をブロック540から取り除くことができるように、プライヤー440を用いて上述のようにデバイス250に連結することができる。一実施態様によれば、割れ目のあるホールディングブロック540の利点は、デバイス250が、割れ目のあるホールディングブロック540の第二の部分を取り除く必要なく第一の骨の部分に連結することができる点であり(この場合、第二の部分は示されるとおり遠位部分542である)、それにより、プライヤー440をデバイス250の第二の末端に取り付けるための安定した土台を(遠位ブロック542の形状で)与える。
【0091】
本明細書において開示される特定の実施態様の利点の一部は以下を含む。タインの長さは、骨の中に完全に噛み合わせた場合に骨の中央部分内に「K−鋼線」を適応するのに十分な空間が存在するのに足りるだけの短さでよい。さらに、特定の実施態様は、ネジなどのマウンティング金物類を使用する欠点なく髄外配置の利益を提供する。本明細書において開示される一部のデバイスは、本明細書において開示または検討される適用ツールの1つを用いて、安定であるように配置および取り付けることができる。加えて、本明細書における特定の実施は、癒着/固定の唯一の手段として使用されるように構成され、および、臨床の必要性および/または外科医の趣向によって、さらなる暫定的または計画付加的な髄内「K−鋼線」とともに使用することができる。
【0092】
一部の実施では、タインの特定の位置、寸法および関係性は、解剖的に特異的な機械的安定性を意図された指関節固定に提供する。さらに、意図された関節固定部位の解剖的位置は、患者の特定の位置に調節することができ、生理学上「わずかに屈曲した」指関節固定を確保する。このデザイン機構は、多くの髄内指固定デバイスを上回る改善である(これらのデバイスは、解剖学のさらなる「k−鋼線」固定も必要とされる場合に、生理学上「わずかに屈曲した」指関節固定位置を可能にするのが容易でないので)。
【0093】
上述のように、本明細書における様々な実施態様は、「K−鋼線」または他の髄内デバイスとともに用いられ得る。髄内デバイスは、デバイスの実施態様の適用前に置かれて、中足指節関節の整列および接近を助け得る。デバイスの実施態様が中足指節関節の中に噛み合った後に、髄内デバイスは直ちに取り外してよく、所定の治療期間後に取り外してよく、または、用いられるタイプによっては永久に残されてよい。
【0094】
様々な実施態様を公知の締め具とともに用いてもよい。特定の実施態様では、デバイスは、特定の領域において追加の支持または固定が必要な場合、締め具の使用のための特別な穴を組み込むことができる。加えて、デバイスの実施態様は、骨の中心軸に置かれたネジとともに用いることができる。
【0095】
多くの実施態様が開示されるが、本発明のさらに他の実施態様が、本発明の例示の実施態様を示し説明する以下の詳細な説明から当業者に明らかになるであろう。認識されるように、本発明は、様々の明らかな態様での改変が可能であり、全て、本発明の意図および範囲を逸脱しない。したがって、図面および詳細な説明は、事実上、例示であると見なされるべきであり、制限ではない。
【0096】
本発明は好ましい実施態様に関して説明されているが、当業者は、本発明の意図および範囲を逸脱せずに形式および詳細において変更がされ得ることを認識するであろう。
【手続補正書】
【提出日】2019年12月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載の発明。
【手続補正書】
【提出日】2020年1月23日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0038】
【
図1A】患部の指に配置された公知のK−鋼線デバイスのX線画像の正面図である。
【
図1B】患部の指に配置された公知の髄内デバイスのX線画像の正面図である。
【
図2A】一実施態様に係る、指の標的部位に取り付けられた癒着または固定デバイスの上面図である。
【
図3A】別の実施態様に係る、固定/癒着デバイスの斜視図である。
【
図3E】所望の形状に形成される前の、
図3Aの固定/癒着デバイスの斜視図である。
【
図3F】所望の形状の形成が始まった、
図3Aの固定/癒着デバイスの斜視図である。
【
図3G】所望の形状の形成が完成した、
図3Aの固定/癒着デバイスの斜視図である。
【
図4】一実施態様に係る、関節にわたって所定の位置に埋め込まれ、または固定された、固定/癒着デバイスの斜視図である。
【
図5A】一実施態様に係る、埋め込みの目的のための適用ツールに連結された、固定/癒着デバイスの斜視図である。
【
図5B】一実施態様に係る、前進ツールが固定/癒着デバイスに向かって進行されている、
図5Aの固定/癒着デバイスの斜視図である。
【
図5C】一実施態様に係る、前進ツールが固定/癒着デバイスと接触している、
図5Aの固定/癒着デバイスの斜視図である。
【
図5D】一実施態様に係る、前進ツールが固定/癒着デバイスのタインを骨の中へ付勢する、
図5Aの固定/癒着デバイスの斜視図である。
【
図5E】一実施態様に係る、前進ツールが取り外されている、
図5Aの固定/癒着デバイスの斜視図である。
【
図5F】一実施態様に係る、固定/癒着デバイスのタインが骨の中に埋まった、
図5Aの固定/癒着デバイスの斜視図である。
【
図5G】一実施態様に係る、前進ツールの2つのロッドが離れるように付勢されてデバイスを曲げる、
図5Aの固定/癒着デバイスの斜視図である。
【
図5H】一実施態様に係る、前進ツールが取り外されている、
図5Aの固定/癒着デバイスの斜視図である。
【
図5I】一実施態様に係る、前進ツールが取り外され、デバイスが埋め込まれた、
図5Aの固定/癒着デバイスの斜視図である。
【
図6A】別の実施態様に係る、固定/癒着デバイスの斜視図である。
【
図6D】所望の形状に形成される前の、
図6Aの固定/癒着デバイスの斜視図である。
【
図7】一実施態様に係る、関節にわたって所定の位置に埋め込まれ、または固定された、固定/癒着デバイスの斜視図である。
【
図8A】別の実施態様に係る、固定/癒着デバイスの斜視図である。
【
図8D】所望の形状に形成される前の、
図8Aの固定/癒着デバイスの斜視図である。
【
図9】一実施態様に係る、関節にわたって所定の位置に埋め込まれ、または固定された、固定/癒着デバイスの斜視図である。
【
図10A】別の実施態様に係る、固定/癒着デバイスの斜視図である。
【
図10B】アームが所望の構成に変形された、
図10Aの固定/癒着デバイスの斜視図である。
【
図11A】別の実施態様に係る、固定/癒着デバイスの斜視図である
【
図12A】一実施態様に係る、埋め込みの目的のための適用ツールに連結された、固定/癒着デバイスの斜視図である。
【
図12B】一実施態様に係る、適用ツールが固定/癒着デバイスのタインを骨の中へ付勢している、
図12Aの固定/癒着デバイスの斜視図である。
【
図13A】一実施態様に係る、埋め込みの目的のための適用ツールに連結された、固定/癒着デバイスの斜視図である。
【
図13B】一実施態様に係る、適用ツールが固定/癒着デバイスのタインを骨の中へ付勢している、
図13Aの固定/癒着デバイスの斜視図である。
【
図14A】別の実施態様に係る、標的の骨に隣接して配置された、固定/癒着デバイスの側面図である。
【
図14B】一実施態様に係る、デバイスが標的の骨の周りに配置された、
図14Aの固定/癒着デバイスの側面図である。
【
図14C】一実施態様に係る、適用ツールが固定/癒着デバイスのタインを骨の中へ付勢している、
図14Aの固定/癒着デバイスの側面図である。
【
図15A】別の実施態様に係る、固定/癒着デバイスの側面図である。
【
図15C】一実施態様に係る、埋め込みの目的のための適用ツールに連結された、
図15Aの固定/癒着デバイスの側面図である。
【
図16】一実施態様に係る、埋め込みの目的のための適用ツールに連結された、固定/癒着デバイスの側面図である。
【
図17A】別の実施態様に係る、固定/癒着デバイスの斜視図である。
【
図18】別の実施態様に係る、固定/癒着デバイスの斜視図である。
【
図19A】別の実施態様に係る、調節可能な連結部品を備える固定/癒着デバイスの斜視図である。
【
図19B】一実施態様に係る、調節可能な連結部品が縮められた、
図19Aの固定/癒着デバイスの斜視図である。
【
図20A】別の実施態様に係る、調節可能な連結部品を備える固定/癒着デバイスの斜視図である。
【
図20B】一実施態様に係る、調節可能な連結部品が縮められた、
図20Aの固定/癒着デバイスの斜視図である。
【
図21A】別の実施態様に係る、固定/癒着デバイスの斜視図である。
【
図22】別の実施態様に係る、固定/癒着デバイスの上面図である。
【
図23】別の実施態様に係る、固定/癒着デバイスの上面図である。
【
図24A】別の実施態様に係る、固定/癒着デバイスの上面図である。
【
図25】別の実施態様に係る、固定/癒着デバイスの側面図である。
【
図26】別の実施態様に係る、固定/癒着デバイスの側面図である。
【
図27】別の実施態様に係る、固定/癒着デバイスの側面図である。
【
図28】別の実施態様に係る、固定/癒着デバイスの側面図である。
【
図29A】一実施態様に係る、埋め込みデバイスの正面図である。
【
図31A】
別の実施態様に係る、別のホルダーブロック上の固定/癒着デバイスの斜視図である。
【
図31B】
一実施態様に係る、埋め込みツールを用いてホルダーブロックから取り外されている図31Aの固定/癒着デバイスの斜視図である。
【
図32A】一実施態様に係る、適用ツールに連結された、ホルダーブロック上の、固定/癒着デバイスの斜視図である。
【
図32B】一実施態様に係る、ホルダーブロックから
図32Aの固定/癒着デバイスを取り除いている適用ツールの斜視図である。
【
図32C】一実施態様に係る、標的の骨部位で
図32Aの固定/癒着デバイスを配置している適用ツールの斜視図である。
【
図32D】一実施態様に係る、標的の骨部位で所定の位置に
図32Aの固定/癒着デバイスをクリンプしている適用ツールの斜視図である。
【
図32E】一実施態様に係る、標的の骨部位で所定の位置に
図32Aの固定/癒着デバイスの反対末端をクリンプしている適用ツールの斜視図である。
【
図32F】一実施態様に係る、標的の骨部位に埋め込まれた、
図32Aの固定/癒着デバイスの斜視図である。
【
図33】一実施態様に係る、除去ツールで取り除かれている
図32Aの固定/癒着デバイスの斜視図である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0089
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0089】
ホールディングブロック540の代替の実施態様を
図31Aおよび
図31Bに示す。このブロック540は、遠位ブロック542および近位ブロック544からなる割れ目のあるホールディングブロック540である。本実施態様では、2つのブロック542、544の間の割れ目は標的の骨の関節または骨折を表わすことができる。それにより、割れ目と並べられた指標線546を用いてデバイス250が配置される。一実施によれば、ブロック540は曲がっていて、デバイス250の幾何配置と結合する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0090
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0090】
使用において、
図31Bに示すように、ユーザは、デバイス250の片方の末端をブロック540から取り除くことができるように、プライヤー440を用いて上述のようにデバイス250に連結することができる。一実施態様によれば、割れ目のあるホールディングブロック540の利点は、デバイス250が、割れ目のあるホールディングブロック540の第二の部分を取り除く必要なく第一の骨の部分に連結することができる点であり(この場合、第二の部分は示されるとおり遠位部分542である)、それにより、プライヤー440をデバイス250の第二の末端に取り付けるための安定した土台を(遠位ブロック542の形状で)与える。
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正書】
【提出日】2020年2月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨固定デバイスであって、
(a)少なくとも1つのスパイン;
(b)前記の少なくとも1つのスパインの遠位端から伸びる少なくとも1つの遠位構造;前記の少なくとも1つの遠位構造は、少なくとも1つの遠位の骨タインを備え、ここで、前記の少なくとも1つの遠位構造は、骨の周りに配置可能なように構成される;
(c)前記の少なくとも1つのスパインの近位端から伸びる少なくとも1つの近位構造;前記の少なくとも1つの近位構造は、少なくとも1つの近位の骨タインを備え、ここで、前記の少なくとも1つの近位構造は、骨の周りに配置可能なように構成される;および
(d)前記の少なくとも1つの遠位構造および前記の少なくとも1つの近位構造の少なくとも1つにおいて規定される少なくとも1つのアーム変形機構;ここで前記の少なくとも1つのアーム変形機構は、前記の少なくとも1つの遠位構造および前記の少なくとも1つの近位構造の少なくとも1つの変形を容易にするように構成される、
を含む、
骨固定デバイス。
【請求項2】
請求項1の骨固定デバイスであって、
前記の少なくとも1つの遠位構造は、少なくとも1つの遠位プレートまたは少なくとも1つの遠位アームを備え、
前記の少なくとも1つの近位構造は、少なくとも1つの近位プレートまたは少なくとも1つの近位アームを備える、
骨固定デバイス。
【請求項3】
請求項1の骨固定デバイスであって、
前記の骨固定デバイスにおいて規定される少なくとも1つの開口部をさらに備え、
ここで前記開口部は、埋め込みツールの一部を受け入れるサイズおよび形状である、
骨固定デバイス。
【請求項4】
請求項1の骨固定デバイスであって、
前記の少なくとも1つのスパインは、第一のスパインおよび第二のスパインを備える、
骨固定デバイス。
【請求項5】
請求項4の骨固定デバイスであって、
前記の第一および第二のスパインは、前記の第一および第二のスパインのそれぞれの長さに沿って規定されるノッチを備える、
骨固定デバイス。
【請求項6】
請求項4の骨固定デバイスであって、
前記の第一および第二のスパインは、曲がったスパインである、
骨固定デバイス。
【請求項7】
請求項1の骨固定デバイスであって、
前記の少なくとも1つのアーム変形機構は、開口部またはノッチを備える、
骨固定デバイス。
【請求項8】
請求項1の骨固定デバイスであって、
前記の少なくとも1つのスパインは、関節または骨折部位の指示線を備える、
骨固定デバイス。
【請求項9】
骨固定デバイスを作製する方法であって、
前記方法は、以下のステップ:
曲げられる材料の平らな構造を形成するステップ;
前記の平らな構造は、以下を備える:
(a)少なくとも1つのスパイン;
(b)前記の少なくとも1つのスパインの遠位端から伸びる少なくとも1つの遠位構造;前記の少なくとも1つの遠位構造は、少なくとも1つの遠位の骨タインを備える;および
(c)前記の少なくとも1つのスパインの近位端から伸びる少なくとも1つの近位構造;前記の少なくとも1つの近位構造は、少なくとも1つの近位の骨タインを備える;
前記の少なくとも1つの遠位の骨タインが前記の少なくとも1つの遠位構造に関して0度よりも大きな角度で配列されるように、前記の少なくとも1つの遠位の骨タインを変形するステップ;および
前記の少なくとも1つの近位の骨タインが前記の少なくとも1つの近位構造に関して0度よりも大きな角度で配列されるように、前記の少なくとも1つの近位の骨タインを変形するステップ、
を含む、
方法。
【請求項10】
請求項9の方法であって、
前記の少なくとも1つの遠位構造は、少なくとも1つの遠位アームを備え、
前記の少なくとも1つの近位構造は、少なくとも1つの近位アームを備え、
前記方法は:
前記の少なくとも1つの遠位アームが前記の少なくとも1つのスパインに関して0度よりも大きな角度で配列されるように、前記の少なくとも1つの遠位アームを変形するステップ;および
前記の少なくとも1つの近位アームが前記の少なくとも1つのスパインに関して0度よりも大きな角度で配列されるように、前記の少なくとも1つの近位アームを変形するステップ、
をさらに含む、
方法。
【請求項11】
請求項10の方法であって、
前記の少なくとも1つの遠位アームを変形するステップは、前記の少なくとも1つの遠位アームを曲がった形状に変形するステップをさらに含み;
前記の少なくとも1つの近位アームを変形するステップは、前記の少なくとも1つの近位アームを曲がった形状に変形するステップをさらに含む、
方法。
【請求項12】
請求項9の方法であって、
前記の少なくとも1つのスパインを曲がった形状に変形するステップをさらに含む、
方法。
【請求項13】
骨固定キットであって、
(a)少なくとも第一および第二の骨固定デバイス;前記の第一の骨固定デバイスは第一のサイズを有し、前記の第二の骨固定デバイスは前記の第一のサイズとは異なる第二のサイズを有し、前記の第一および第二の骨固定デバイスのそれぞれは:
(i)少なくとも1つのスパイン;
(ii)前記の少なくとも1つのスパインの遠位端から伸びる少なくとも1つの遠位構造;前記の少なくとも1つの遠位構造は、少なくとも1つの遠位の骨タインを備える;および
(iii)前記の少なくとも1つのスパインの近位端から伸びる少なくとも1つの近位構造;前記の少なくとも1つの近位構造は、少なくとも1つの近位の骨タインを備える;
を備える、
および、
(b)
を備える、
骨固定キット。
【請求項14】
請求項13の骨固定キットであって、
前記キットは支持ブロックをさらに備え、前記の少なくとも1つのスパイン、前記の少なくとも1つの遠位構造、および前記の少なくとも1つの近位構造が、前記支持ブロックの形状に適合するように、前記の第一および第二の骨固定デバイスのそれぞれが前記支持ブロックの上に配列され得る、
キット。
【請求項15】
請求項13の骨固定キットであって、
前記の少なくとも1つの遠位構造は、少なくとも1つの遠位プレートまたは少なくとも1つの遠位アームを備え、
前記の少なくとも1つの近位構造は、少なくとも1つの近位プレートまたは少なくとも1つの近位アームを備える、
骨固定キット。
【請求項16】
請求項13の骨固定キットであって、
前記の少なくとも第一および第二の骨固定デバイスのそれぞれは、前記の少なくとも1つの遠位構造および近位構造の少なくとも1つにおいて規定される少なくとも1つの開口部を備え、
前記の少なくとも1つの開口部は、前記埋め込みツールの一部を受け入れるサイズおよび形状である、
骨固定キット。
【請求項17】
骨固定方法であって、
(a)少なくとも1つのスパイン;
(b)前記の少なくとも1つのスパインの遠位端から伸びる少なくとも1つの遠位構造;前記の少なくとも1つの遠位構造は、少なくとも1つの遠位の骨タインを備える;および
(c)前記の少なくとも1つのスパインの近位端から伸びる少なくとも1つの近位構造;前記の少なくとも1つの近位構造は、少なくとも1つの近位の骨タインを備える;
を備える骨固定デバイスを提供するステップ;
前記の少なくとも1つの遠位構造を第一の骨の周りに配置するステップ;
前記の少なくとも1つの近位構造を第二の骨の周りに配置するステップ;および、
前記の少なくとも1つの遠位の骨タインおよび前記の少なくとも1つの近位の骨タインが、それぞれ前記の第一および第二の骨の中へ付勢されるように、および、前記の遠位構造および近位構造が互いに向かって付勢されて、それにより、前記の第一および第二の骨を互いに向かって付勢させるように、前記骨固定デバイスを埋め込みツールでクリンプするステップ、
を含む、
方法。
【請求項18】
請求項17の骨固定方法であって、
前記の第一および第二の骨を互いに向かって付勢させるステップは、前記の第一および第二の骨の癒着を高める、
方法。
【請求項19】
請求項17の骨固定方法であって、
前記方法は、前記の少なくとも1つのスパインを曲がった形状に変形するステップをさらに含み、それにより、前記の第一および第二の骨を互いに向かってさらに付勢させる、
方法。
【外国語明細書】