【実施例1】
【0020】
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0021】
以下、本発明の実施例1について
図1〜
図7に基づいて説明する。
図1に示すように、本発明の実施形態によるハイブリッド駆動装置1(以下、駆動装置と略す)を搭載した車両Vは、運転席よりも前方に内燃機関であるエンジン3が搭載され、主駆動輪である左右1対の後輪2bを駆動する所謂FR(Front engine Rear drive)車である。また、後述するように、1対の後輪2bは主駆動電動機である主駆動モータ5によっても駆動され、副駆動輪である左右1対の前輪2aは、副駆動電動機である副駆動モータ10(インホイールモータ)によって駆動される。
【0022】
車両Vに搭載された本発明の実施形態による駆動装置1は、1対の後輪2bを駆動するエンジン3と、1対の後輪2bに駆動力を伝達する動力伝達機構4と、1対の後輪2bを駆動する主駆動モータ5と、主電源としての蓄電器であるバッテリ6と、1対の前輪2aを駆動する左右1対の副駆動モータ10と、補助電源としてのキャパシタ7と、制御装置8等を有する。
【0023】
エンジン3は、車両Vの主駆動輪である後輪2bに対する駆動力を発生するための内燃機関である。
図1〜
図3に示すように、本実施形態においては、エンジン3としてロータリピストンエンジンが採用され、エンジン3が動力伝達機構4を介して1対の後輪2bを駆動するように構成されている。
エンジン3は、クランク軸に相当するエキセントリックシャフト3aが前後に延びるように車両Vに搭載され、左右1対の前輪2aの間に少なくともその一部が配置されている。
以下、図において、矢印F方向を前方、矢印L方向を左方、矢印U方向を上方として説明する。
【0024】
エンジン3は、フライホイールを備えていないフライホイールレスエンジンである。
エンジン3の下部は、車両Vのサブフレーム(図示略)にエンジンマウント(図示略)を介して支持され、サブフレームは、フロントサイドフレーム21の下部及びその後端のダッシュパネル下部(図示略)に締結固定されている。
また、エンジン3の上部は、左右に延びる左右2対の支持部材29に支持され、これらの支持部材29はフロントサイドフレーム21の下部にエンジンマウント(図示略)を介して固定されている。
【0025】
動力伝達機構4は、エンジン3が発生した駆動力を主駆動輪である後輪2bに伝達するように構成されている。
図1に示すように、動力伝達機構4は、エンジン3に接続されたプロペラシャフト4a、クラッチ4b、及び有段変速機であるトランスミッション4cを備えている。プロペラシャフト4aは、車両Vの前部に配置されたエンジン3から、トンネル部(図示略)の中部を車両Vの後方へ向けて延びている。
プロペラシャフト4aの後端は、クラッチ4bを介してトランスミッション4cに接続されている。トランスミッション4cの出力軸は左右に延びる後輪2bの車軸(図示略)に差動機構(図示略)を介して接続され、後輪2bを駆動する。
【0026】
主駆動モータ5は、主駆動輪に対する駆動力を発生するための電動機であり、エンジン3の後側に、エンジン3に隣接して配置されている。また、主駆動モータ5に隣接してインバータ5aが配置されており、このインバータ5aにより、バッテリ6からの電流が交流に変換されて主駆動モータ5に供給される。
さらに、
図1に示すように、主駆動モータ5は、エンジン3と直列に接続されており、主駆動モータ5が発生した駆動力も動力伝達機構4を介して後輪2bに伝達される。或いは、主駆動モータ5を動力伝達機構4の途中に接続し、動力伝達機構4の一部を介して駆動力が後輪2bに伝達されるように本発明を構成することもできる。
また、本実施形態においては、主駆動モータ5として、48Vで駆動される25kWの永久磁石電動機(永久磁石同期電動機)が採用されている。
【0027】
バッテリ6は、主として主駆動モータ5を作動させる電力を蓄積するための蓄電器である。また、本実施形態においてバッテリ6は、プロペラシャフト4aをカバーするトルクチューブ(図示略)を取り囲むようにトンネル部の内部に配置されている。
本実施形態においては、バッテリ6として、最大電圧48V、3.5kWhのリチウムイオンバッテリが使用されている。
【0028】
図1,2,4に示すように、副駆動モータ10は、副駆動輪である前輪2aに対する駆動力を発生するように、車両Vのバネ下に相当する1対の前輪2aに夫々設けられている。
本実施形態においては、1対の前輪2aはダブルウイッシュボーンタイプのサスペンションで夫々支持され、アッパアーム22、ロアアーム23、スプリング24、及びショックアブソーバ25により懸架されている。また、副駆動モータ10は、1対の前輪2aのホイール内周側空間内に夫々収容されている。
従って、副駆動モータ10は、車両Vの所謂「バネ下」に設けられて前輪2aを夫々駆動するように構成されている。
【0029】
また、
図1に示すように、各副駆動モータ10には、キャパシタ7からの電流が、各インバータ10aにより夫々交流に変換されて供給されている。
本実施形態においては、副駆動モータ10には減速機が設けられておらず、副駆動モータ10の駆動力は対応した前輪2aに直接伝えられる。また、本実施形態においては、各副駆動モータ10として、17kWの誘導電動機が夫々採用されている。
【0030】
本実施形態のキャパシタ7は、副駆動モータ10によって回生された電力を蓄積可能に構成され、端子間の最大電圧が約72Vに設定された電気二重層キャパシタである。
このキャパシタ7は、車両Vの各前輪2aに設けられた副駆動モータ10に電力を供給し、主としてキャパシタ7に蓄積された電力により主駆動モータ5よりも高い電圧で各副駆動モータ10を駆動している。
キャパシタ7は、バッテリ6に比べて単位重量当りの電池容量であるエネルギー密度が低いものの、化学反応を伴わない物理吸着現象を用いているため、内部抵抗が小さい。
それ故、単位重量当りに出力可能なエネルギー(仕事量)、所謂出力密度が高く、充放電特性の面で優れている。
【0031】
制御装置8は、エンジン3、主駆動モータ5及び副駆動モータ10を制御することにより、電動機走行モード及び内燃機関走行モードを実行するように構成されている。
具体的には、制御装置8は、マイクロプロセッサ、メモリ、インタフェイス回路、及びこれらを作動させるプログラム等によって構成されている。
【0032】
図1に示すように、キャパシタ7の近傍には、電圧変換器である高圧DC/DCコンバータ9a及び低圧DC/DCコンバータ9bが夫々配置されている。
これら高圧DC/DCコンバータ9a、低圧DC/DCコンバータ9b、キャパシタ7及び2つのインバータ10aは回路的にユニット化され、統合ユニットを構成している。
【0033】
次に、
図5〜
図7を参照して、本発明の実施形態による駆動装置1の電源構成、及び各モータによる車両Vの駆動を説明する。
図5は、本発明の実施形態による駆動装置1の電源構成を示すブロック図である。
図6は、本実施形態の駆動装置1において、キャパシタ7に電力が回生された場合における電圧の変化の一例を模式的に示す図である。
図7は、本実施形態の駆動装置1において使用されている各モータの出力と車速の関係を示す図である。
【0034】
まず、本発明の実施形態による駆動装置1の電源構成を説明する。
図5に示すように、駆動装置1に備えられているバッテリ6とキャパシタ7は電気的に直列に接続されている。
主駆動モータ5はバッテリ6の基準出力電圧である約48Vで駆動され、副駆動モータ10はバッテリ6の出力電圧とキャパシタ7の端子間電圧を合算した48Vよりも高い、最大120Vの電圧で駆動される。
このため、副駆動モータ10は、常にキャパシタ7を介して供給された電力によって駆動されている。
【0035】
また、主駆動モータ5にはインバータ5aが取り付けられており、バッテリ6の出力を交流に変換した上で永久磁石電動機である主駆動モータ5が駆動される。
同様に、各副駆動モータ10にはインバータ10aが夫々取り付けられており、バッテリ6及びキャパシタ7の出力を交流に変換した上で誘導電動機である副駆動モータ10が駆動される。そして、副駆動モータ10は、主駆動モータ5よりも高い電圧で駆動されるため、副駆動モータ10に電力を供給するハーネス(電力ケーブル)11には高い電気絶縁性が要求される。
それ故、副駆動モータ10とキャパシタ7との間を接続するハーネス11の外周部分は、例えば、絶縁体とこの絶縁体を覆うシース(外皮)との2層からなる電気絶縁被覆部材によって構成されている。絶縁体としては、例えば、塩化ビニル、フッ素、または架橋ポリエチレン等であり、シースとしては、例えば、塩化ビニル、ポリエチレン、天然ゴム、合成ゴム、フッ素、またはウレタン等である。
【0036】
車両Vの減速時等には、主駆動モータ5及び各副駆動モータ10は発電機として機能し、車両Vの運動エネルギーを回生して電力を生成する。
主駆動モータ5によって回生された電力はバッテリ6に蓄積され、各副駆動モータ10によって回生された電力は主としてキャパシタ7に蓄積される。
【0037】
また、バッテリ6とキャパシタ7の間には電圧変換器である高圧DC/DCコンバータ9aが接続されており、この高圧DC/DCコンバータ9aはキャパシタ7に蓄積された電荷が不足しているとき(キャパシタ7の端子間電圧が低下したとき)、バッテリ6の電圧を昇圧してキャパシタ7に充電する。
一方、各副駆動モータ10によるエネルギーの回生により、キャパシタ7の端子間電圧が所定電圧以上に上昇した場合には、キャパシタ7に蓄積された電荷を降圧してバッテリ6に印加し、バッテリ6の充電を行う。
即ち、副駆動モータ10によって回生された電力はキャパシタ7に蓄積された後、蓄積された電荷の一部が、高圧DC/DCコンバータ9aを介してバッテリ6に充電される
【0038】
バッテリ6と車両Vの12Vの電装品との間には、低圧DC/DCコンバータ9bが接続されている。駆動装置1の制御装置8や、車両Vの電装品の多くは12Vの電圧で作動するので、バッテリ6に蓄積された電荷を低圧DC/DCコンバータ9bにより12Vに降圧して、これらの機器に供給する。
【0039】
次に、
図6を参照して、キャパシタ7に対する充電及び放電を説明する。
図6に示すように、キャパシタ7の電圧は、バッテリ6によるベース電圧と、キャパシタ7自体の端子間電圧の合計となる。車両Vの減速時等、各副駆動モータ10により電力の回生が行われ、回生された電力はキャパシタ7に充電される。キャパシタ7への充電が行われると比較的急激に端子間電圧が上昇する。
充電によりキャパシタ7の電圧が所定電圧以上に上昇すると、高圧DC/DCコンバータ9aによりキャパシタ7の電圧が降圧され、バッテリ6への充電が行われる。
図6に示すように、このキャパシタ7からバッテリ6への充電は、キャパシタ7への充電よりも比較的緩やかに行われ、キャパシタ7の電圧は適正電圧まで比較的緩やかに低下される。
【0040】
即ち、各副駆動モータ10により回生された電力は一時的且つ急速にキャパシタ7に蓄積され、その後、バッテリ6に緩やかに充電される。
尚、回生が行われる期間によっては、各副駆動モータ10による電力の回生と、キャパシタ7からバッテリ6への充電がオーバーラップして行われる場合もある。
一方、主駆動モータ5によって回生された電力は、バッテリ6に直接充電される。
【0041】
次に、
図7を参照して、本発明の実施形態による駆動装置1における車速と各モータの出力の関係を説明する。
図7は、本実施形態の駆動装置1において、車両Vの速度と、各速度における各モータの出力の関係を示すグラフである。
図7において、主駆動モータ5の出力を破線で示し、1つの副駆動モータ10の出力を一点鎖線で、2つの副駆動モータ10の出力の合計を二点鎖線で、全てのモータの出力の合計を実線で示している。
【0042】
主駆動モータ5には永久磁石電動機が採用されているため、
図7に破線で示すように、モータ回転数が低い低車速域で主駆動モータ5の出力が大きく、車速が速くなるにつれて出力可能なモータ出力が減少する。即ち、本実施形態において、主駆動モータ5は、約48Vで駆動され、1000rpm程度まで最大トルクである約200Nmのトルクを出力し、約1000rpm以上で回転数の増加と共にトルクが低下する。
また、本実施形態において、主駆動モータ5は、最低速域において約20kW程度の連続出力が得られ、最大出力約25kWが得られるように構成されている。
【0043】
これに対して、副駆動モータ10には誘導電動機が採用されているため、
図7に一点鎖線及び二点鎖線で示すように、低い低車速域では副駆動モータ10の出力極めて小さく、車速が速くなるにつれて出力が増大し、車速約130km/h付近で最大出力が得られた後、モータ出力は減少する。本実施形態において、副駆動モータ10は、最大約120Vで駆動され、車速約130km/h付近で1台当たり約17kW、2台合計で約34kWの出力が得られるように構成されている。即ち、本実施形態において、副駆動モータ10は、約600乃至800rpmでトルクカーブがピークをもち、最大トルク約200Nmが得られる。
【0044】
図7の実線には、これら主駆動モータ5及び2台の副駆動モータ10の出力の合計が示されている。このグラフから明らかなように、本実施形態においては、車速約130km/h付近で最大出力約53kWが得られており、この車速における、この最大出力でWLTP試験において要求される走行条件を満足することができる。
尚、
図7の実線では、低車速域においても2台の副駆動モータ10の出力値が合算されているが、後述するように、実際には低車速域では各副駆動モータ10が駆動されることはない。即ち、発進時及び低車速域においては主駆動モータ5のみで車両が駆動され、高車速域で大出力が必要とされたとき(高車速域で車両Vを加速させるとき等)のみ2台の副駆動モータ10が出力を発生する。
このように、高回転領域で大きな出力を発生することができる誘導電動機(副駆動モータ10)を、高速域のみで使用することにより、車両重量の増加を低く抑えながら必要なとき(所定速度以上での加速時等)に十分な出力を得ることができる。
【0045】
次に、
図4を参照して、本発明の実施形態の駆動装置1に採用されている副駆動モータ10の構成を説明する。
図4は、副駆動モータ10の縦断面図である。
図4に示すように、副駆動モータ10は、インナ部材12と、このインナ部材12の周囲で回転するアウタケース13から構成されたアウタロータタイプの誘導電動機である。
同じ大きさのモータの場合、アウタロータタイプは、ロータ半径を大きく確保できるため、インナロータタイプに比べて大きなトルクを出力可能である。
右側の副駆動モータ10は、左側の副駆動モータ10と左右対称構造であるため、以下、左側の副駆動モータ10について主に説明する。
【0046】
図4に示すように、副駆動モータ10は、リム27の径方向内側空間において、少なくとも左側部分がナックル部材26に囲繞された状態でナックル部材26に支持されている。
インナ部材12は、取付部(図示略)を介してナックル部材26に固定され、その外周部分に略円筒状のステータ14が形成されている。
ステータ14は、径方向外側に突出し且つ軸方向に延びる複数のステータ突条部14aと、これら複数のステータ突条部14aの外周に分布巻により夫々取り付けられた複数のステータコイル14b等を備えている。
【0047】
アウタケース13は、左側部分が閉塞された略円筒状のロータ15を有している。
ロータ15は、径方向内側に突出し且つ軸方向に延びる複数のロータ突条部15aと、これら複数のロータ突条部15aの外周に分布巻により夫々取り付けられた複数のロータコイル15bと、左右に延びるロータシャフト15c等を備えている。
ロータシャフト15cは、アウタケース13の軸心と同軸状に一体形成され、アウタケース13の内方に延びる右半部と、アウタケース13の外方に延びる左半部とを有している。ロータシャフト15cは、その軸心延長線上に前輪2aの中心が位置するように設けられている。
【0048】
ロータシャフト15cの右半部は、インナ部材12に挿通され、左右1対のベアリングを介してインナ部材12に支持されている。ロータシャフト15cの左半部は、ハブ28に一体形成されたインナレースに連結されている。インナレースは、ベアリング及びアウタレースを介してナックル部材26に回転自在に支持されている。
この副駆動モータ10は、特定の加速走行時に限りアシスト駆動するため、コンパクト化されると共に減速機構が省略されている。
【0049】
ステータ14とロータ15との間には、シール部材が設けられ、ステータ突条部14a及びステータコイル14bを液密状に収容するリング状の電気絶縁液室16が形成されている。電気絶縁液室16には、電気絶縁性を有する作動液、例えばハイドロフルオロエーテル(HFE)、がステータ突条部14a及びステータコイル14bを全体的に浸漬するために充填されている。
本実施形態では、シール部材が非磁性体材料(アルミニウム又はカーボン等)で構成されているが、弱磁性体材料であるステンレスを用いることも可能である。
【0050】
次に、
図2,
図3を参照して、本発明の実施形態の駆動装置1に採用されているキャパシタ7の配置構造を説明する。
図2,
図3に示すように、キャパシタ7は、エンジン3とボンネット(図示略)との間の空間に少なくとも一部が配置されると共に、車両Vの前輪2a各輪に設けられた副駆動モータ10にハーネス11を介して電力を供給している。
【0051】
キャパシタ7は、所定定格電圧、例えば2.5V、の複数のキャパシタセルと、これら複数のキャパシタセルを電気的に直列接続して収容可能な略直方体状のケーシングとによって形成されている。このキャパシタ7は、長手方向の前後寸法がエンジン3の前後寸法(または、エンジン3と主駆動モータ5とを合わせた前後寸法)よりも短く且つ幅方向の左右寸法がエンジン3の左右寸法よりも短く形成されている。
それ故、長手方向が前後に向かうように配置されたキャパシタ7をエンジン3の上側空間(真上空間)に配設した場合、平面視にてキャパシタ7の外郭がエンジン3の外郭よりも内側に位置している。
【0052】
図2,
図3に示すように、キャパシタ7は、エンジン3の上端部から所定間隔離隔した位置に配設され、1又は複数の金属製支持部材30を介して1対のフロントサイドフレーム21に支持されている。
メンバ状の支持部材30は、1対のフロントサイドフレーム21間に左右に延びるように掛け渡され、左右両端部が左右のフロントサイドフレーム21の上部に固着されている。
尚、31は、ステアリングホイール(図示略)に連結されたステアリングシャフト、32は、左右のタイロッドに左右両端部が夫々連結されたステアリングラックである。
これにより、エンジン3上部の空き空間を有効利用することができ、また、衝突時におけるキャパシタ7の損傷を低減することができる。
【0053】
次に、上記車両の駆動装置の作用、効果について説明する。
本実施例1の車両の駆動装置によれば、バッテリ6とキャパシタ7が電気的に直列接続されているため、同じ電圧を発生可能なバッテリのみを搭載する場合に比べて小型軽量化しつつ、バッテリ6の電圧とキャパシタ7の電圧とを合算した高電圧の電力供給源を構成することができる。キャパシタ7が、1対の副駆動モータ10に接続されると共に前輪2aの車輪間に配置されたエンジン3の上側位置に配設されたため、他の部材のレイアウトに影響を与えることなく、エンジン3の上側の空きスペースを有効活用して所定容量のキャパシタ7を配置することができ、副駆動モータ10とキャパシタ7との間の高電圧ハーネス11を短縮化して重量物である絶縁被覆部材の設置が必要な領域を低減することができる。
【0054】
エンジン3が、左右1対の後輪2bを駆動するように構成されたため、エンジン3の動力と副駆動モータ10の動力とを合計した動力により車両Vの高出力化を図ることができ、走行性能を向上することができる。
【0055】
エンジン3が、ロータリピストンエンジンであるため、低ボンネット化を図りつつ、レシプロエンジンに比べて外形が小型であるロータリピストンエンジンの上方空間を利用して所定容量のキャパシタ7を配置することができる。
【0056】
キャパシタ7の最大電圧が、バッテリ6の最大電圧よりも高く設定されているため、高電圧を確保しつつ、同電圧のバッテリとキャパシタとを搭載する場合に比べて小型軽量化を図ることができる。