【課題】開封した容器の注出口(開口部)と、外部部材との接触等を防止(遮蔽)することができる一方、使用に際しては該注出口(開口部)を簡単に露出させることのできるスナップカバーであって、とくに、外容器の開口部から突出するプラスチックフィルムからなる注出ノズルが突出しているような場合には、ノズルの注出口への汚染物質の付着等のおそれを排除し、衛生性をより向上させることのできるスナップカバーと、それを備える外容器を提案すること。
【解決手段】外容器の上部に設けられた開口部を覆うように取り付けられるノズル用のスナップカバーであって、先端部と基端部が互いに接合されている一対の側板にて構成され、互いに対向する位置に設けた複数の折り線を介して屈伸することで互いに離れたり近づいたりすると共に、該基端部を中心に回動して前記開口部の露出と遮蔽とを行うものであること。
前記側板のそれぞれに設けられる前記折り線は、一以上の谷折り線および山折り線にて構成され、該谷折り線および山折り線を介して行われる該側板の屈伸に伴って前記開口部の露出と遮蔽とを果たすことを特徴とする請求項1に記載のスナップカバー。
前記外容器は、その開口部からフィルム状注出ノズルを突出させたものであって、該フィルム状注出ノズルを、一対の前記側板によって挟持可能にしたことを特徴とする請求項1または2に記載のスナップカバー。
前記谷折り線は、垂直線に対して上側が前記側板の基端側に傾斜しており、前記山折り線と、前記側板の下縁もしくはその延長線上に交点を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のスナップカバー。
前記谷折り線は、一対の前記側板のそれぞれ基端部側に設けられ、前記山折り線は、一対の前記側板のそれぞれ先端側に設けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のスナップカバー。
一対の前記側板は、前記谷折り線に沿った折り畳みによる折れ込み角度が、90°を下回ったときに弾性力を生じて屈曲姿勢に付勢されるものであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のスナップカバー。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の上記注出ノズルは、前記したように、それ自体が閉止機能(セルフシール機能)を有し、また蓋栓機能を具えているため、注出ノズル先端の開口部に蓋栓等を設ける必要がない。しかしながら、使用開始後に、外容器内に入れて保管等する場合、該外容器から開口した注出ノズルが外部に露出したままとなり、該注出ノズルに保管場所の壁面や他の収納物が接触する等して汚染物質が付着したり、注出ノズルに手指が触れるなどして不衛生であるという問題点があった。
【0007】
そこで、本発明では、開封した容器の注出口(開口部)と、外部部材との接触等を防止(遮蔽)することができる一方、使用に際しては該注出口(開口部)を簡単に露出させることのできるスナップカバーであって、とくに、外容器の開口部から突出するプラスチックフィルムからなる注出ノズルが突出しているような場合には、ノズルの注出口への汚染物質の付着等のおそれを排除し、衛生性をより向上させることのできるスナップカバーと、それを備える外容器について提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明は、外容器の上部に設けられた開口部に設けられた一対の側板からなるカバーであって、一対の側板はそれぞれ、屈伸を伴う回動によって前記開口部の露出と遮蔽とを果たすことのできるスナップカバーを提案する。具体的には、外容器の上部に設けられた開口部を覆うように取り付けられるものであって、先端部と基端部が互いに接合されている一対の側板にて構成され、互いに対向する位置に設けた複数の折り線を介して屈伸することで互いに離れたり近づいたりすると共に、該基端部を中心に回動して前記開口部の露出と遮蔽とを行うものであることを特徴とするスナップカバーである。
【0009】
なお、本発明の上記スナップカバーについては、さらに下記のような構成にすることがより好ましい解決手段を提供できると考えられる。即ち、
(1)前記側板のそれぞれに設けられる前記折り線は、一以上の谷折り線および山折り線にて構成され、該谷折り線および山折り線を介して行われる該側板の屈伸に伴って前記開口部の露出と遮蔽とを果たすこと、
(2)前記外容器は、その開口部からフィルム状注出ノズルを突出させたものであって、該フィルム状注出ノズルを、一対の前記側板によって挟持可能にしたこと、
(3)前記フィルム状注出ノズルは、前記外容器内に収容された被包装物を充填してなる包装体の上角部に設けられていること、
(4)前記折り線は、前記側板の上縁から下縁にかけて形成されたものであること、
(5)前記谷折り線は、垂直線に対して上側が前記側板の基端側に傾斜しており、前記山折り線と、前記側板の下縁もしくはその延長線上に交点を有すること、
(6)前記交点位置において前記谷折り線と前記山折り線とのなす角度が、20〜50°であること、
(7)前記谷折り線は、一対の前記側板のそれぞれ基端部側に設けられ、前記山折り線は、一対の前記側板のそれぞれ先端側に設けられていること、
(8)一対の前記側板には、それぞれ前記山折り線よりも先端側の位置に、谷折り線を別途有すること、
(9)一対の前記側板は、先端が相互に連結された単一部材からなること、
(10)一対の前記側板のうちの少なくとも一方の側板は、その上縁に舌片を有すること、
である。
【0010】
また、本発明は、上記スナップカバーを備える外容器であって、前記スナップカバーの一対の側板はそれぞれ、その基端が、前記外容器の容器本体外面壁部に回動可能に連結されていること、または前記スナップカバーの一対の側板はそれぞれ、その基端部が、前記外容器の容器本体外面壁部に固着部を介して回動可能に連結されていること、を特徴とするスナップカバーを備える外容器を提案する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、外容器の上部開口部が、スナップカバーによって保護されることになるため、使用開始後において保管等する場合にも、前記開口部、とくに該開口部からフィルム状注出ノズルが突出しているような場合でも、そのノズル先端開口部に直接、外部部材や他の収納物、手指等が触れるようなことがなくなり、また汚染物質等が付着するおそれがなく、衛生性をより向上させることができる。
【0012】
本発明に係るスナップカバーは、一対の側板によって構成され、該側板のそれぞれの対向位置には、1以上の谷折り線と山折り線からなる折れ込み線が設けられているため、一対の前記側板(スナップカバー)の先端側を、手指で上方へ引き起こすと、該一対の側板が、前記折れ込み線に沿って屈曲すると共に折り畳まれ、スナップカバーを振り子のように回動させることができる。そのため、本発明のスナップカバーによれば、使用に際して手指によってスナップカバーを上方へ引き起こすことで、該スナップカバーの内側に位置する開口部、とくに該開口部から突出する注出ノズルを、手指に触れることなく外部に露出させることができる一方、使用後(被包装物の注出が終了した際)には、手指で前記スナップカバーを押し下げて、前記折れ込み線を伸展させて元の位置に戻すことにより、開口部(注出ノズル)を覆い隠して(遮蔽して)カバーとして機能させることができ、極めて衛生的な食品容器を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下にこの発明の実施形態を図面に示すところに基づいて説明する。
図1は、本発明のスナップカバー7を備える紙製やプラスチック製等からなる外容器1の一実施形態を示す斜視図である。外容器1は、上角部1a(図では左上角部)に切り取り線1bを有し、該切り取り線1bに沿って切り取ることで開口部6が形成されるように構成されている。なお、外容器1内に充填された被包装物は、外容器1を、上角部1aの切り取りによって形成された開口部6が下向きとなるように傾動させることで、該開口部6から吐出等することができる。
【0015】
図1のスナップカバー7の、外容器1へ取り付け前の状態を
図2に示す。スナップカバー7は、一枚の紙製等の帯状シートを、幅方向の中央位置を折返し先端部11として二つに折り畳んで形成された一対の側板7a、7bを有し、一対の側板7a、7bのそれぞれの対向位置に、折返し先端部11から後方側に順に折れ線として山折り線8a、8bと谷折り線9a、9bが設けられている。
なお、本実施形態では、スナップカバー7を単一のシート状部材で形成する場合を一例として示しているが、一対の側板7a、7bを2つの部材によって構成し、それぞれの先端部どうしを貼着等して一体に形成してもよい。
【0016】
スナップカバー7は、谷折り線9a、9bの後方位置に固着部10a、10bを有し、該固着部10a、10bの内面を、容器本体2の表裏の外面壁部2a、2bに貼着等することで、
図3に示すように外容器1に固定される。
【0017】
このようにして外容器1に固定されたスナップカバー7によれば、
図3に示すように内側に位置する上角部1aが、使用開始まで一対の側板7a、7bによって表裏から保護されることになり、輸送時や取り扱い時等において折れ曲がったり、手指等に触れて汚染されることを抑制することができる。
【0018】
使用開始にあたって、スナップカバー7の、例えば折返し先端部11の下縁を指で上方へ押し上げると、スナップカバー7は、
図4に示すように一対の側板7a、7bが、山折り線8a、8bおよび谷折り線9a、9bに沿って屈曲して折り畳まれて、上方へ回動しながら後退し、それぞれの位置に谷折り部12a、12b(図示しない)および山折り部13a、13bが形成されて、外容器1の上端位置で停止する。これにより、スナップカバー7の内側に位置していた上角部1aが外部に露出されることになり、該上角部1aを切り取り線1bに沿って切り取ることで、開口部6が形成されて使用に供することができる。
【0019】
一方、使用終了時に、スナップカバー7の、例えば折返し先端部11の上端位置を指で押し下げると、一対の側板7a、7bの谷折り部12a、12bおよび山折り部13a、13bが伸びて下方に回動し、使用開始前の位置まで戻り停止する。これにより、開口部6は、一対の側板7a、7bによって覆い隠されて保護されることになり、使用後に保管等する際にも、開口部6が収納位置の壁面や他の収納物等に接触することや、開口部6に手指等が直接触れる等することがなく、開口部6が汚染等されることを抑制することができる。
【0020】
スナップカバー7は、上記のような一対の側板7a、7bそのものの屈伸により、後退したり伸び出たりする対照的な運動によって、開口部6の保護(カバーリング)と露出(カミングアウト)を果たすことができる。
【0021】
一対の側壁部7a、7bにそれぞれ設けられる山折り線8a、8bおよび谷折り線9a、9bは、側板7a、7bの上縁から下縁に向けて横断するように設けることが好ましい。とくに、
図5に示すように、山折り線8a、8bおよび谷折り線9a、9bは、谷折り線9a、9bを、垂直線に対して上端を一対の側板7a、7bの後端側に傾斜させて
図5(a)に示すように山折り線8a、8bと谷折り線9a、9bとが、一対の側板7a、7bの各下縁位置で交差、もしくは
図5(b)に示すように一対の側板7a、7b下縁からの延長線上で交差するように設けることが好ましく、とくに山折り線8a、8bと谷折り線9a、9bのなす角度(交差角度β)が、20〜50°になるように設けることが好ましい。
これにより、スナップカバー7は、山折り線8a、8bと谷折り線9a、9bとが交差する交点を中心に振り子のように回動し、スナップカバー7を引き起こした際の、山折り線8a、8bおよび谷折り線9a、9bに沿った折り畳みがスムーズになると共に、スナップカバー7を外容器1の上端位置まで引き起こしたままの姿勢で保持し易くなる。
【0022】
また、山折り線8a、8bおよび谷折り線9a、9bは、スナップカバー7を回動させて外容器1を引き起こした際に形成される、
図6に示す谷折り部12a、12bの折れ込み角度θが90°となった時に、側板7a、7bによって形成される曲げ角度αが最大となり、その時の曲げ応力が最大となるように設計する。これによれば、スナップカバー7の、例えば折返し先端部11の下縁を指で上方へ押し上げ、前記折れ込み角度θが90°未満になると、一対の側板7a、7bに弾性力が生じてスナップカバー7が勢いよく外容器1の上端位置まで引き起こされ、その姿勢のまま保持されることになり、被包装物を開口部6から注出する際にスナップカバー7が邪魔になることがない。
【0023】
一方、使用開始後においてスナップカバー7の、例えば折返し先端部11の上端位置を指で押し下げ、前記折れ込み角度θが90°超となる位置まで来ると、一対の側板7a、7bに弾性力が生じて勢いよく下方に揺動し、使用開始前の位置まで戻り停止する。この時、スナップカバー7の下縁部が、外容器1の開口部6縁部に当接してパチンと音が鳴るため、スナップカバー7が閉じたことを音により確認することができると共に、非常に心地がよい。
【0024】
さらに、外容器1には、外面壁部2a、2bの、
図1では上縁位置に切欠き部18を設け、該切欠き部18に、
図4に示すように一対の側板7a、7bの下縁部(
図4では折返し先端部11下端)を掛止めさせることで、スナップカバー7を容器本体の上端位置で引き起こし姿勢のままに保持させるようにしてもよい。
【0025】
図7は、本発明のスナップカバーを備える外容器1の他の一実施形態を示す斜視図であり、外容器1内には、軟質のプラスチックフィルムからなる包装袋本体4内に液状の被包装物を充填包装した内包装体3が収納されて、包装構造体Pを構成している。
【0026】
内包装体3は、包装袋本体4と、該包装袋本体4と連通し、セルフシール機能を有するプラスチックフィルムからなるフィルム状の注出ノズル5とからなる包装袋内に液状の被包装物が充填包装されている。なお、注出ノズル5は、その基端部の最外層に設けたシーラント層を、包装袋本体4の頂部の内表面のシーラント層に、包装袋本体4の側部に向かって斜め上向きに突出させた姿勢で、たとえば融着接合することによって包装袋本体4に突設されている。
【0027】
なお、注出ノズル5のセルフシール機能とは下記のような機能のことである。
内包装体3内の液状の被包装物の注出にあたって、注出ノズル5の先端部分を引裂き等して除去し、先端開口を形成し、この状態で内包装体3を傾動し、被包装物の水頭圧等によって注出通路の内表面どうしを大きく離隔させて先端開口を開放させることにより、被包装物の所要に応じた注出を行う。このとき、包装袋本体4が、被包装物の注出体積に応じて収縮ないしは潰れ変形することで、内包装体3内に外気を取り込むことなくその注出を行うことができる。
【0028】
この一方で、被包装物の注出を停止するときは、内包装体3を起立復帰させ、その起立復帰と同時に、注出通路が、被包装物の水頭圧等から開放されるとともに、被包装物の、包装袋本体4への戻流による負圧の発生下で、元形状に復帰することに加え、その被包装物の薄膜の介在によって濡れた内表面同士を、包装袋本体4内の減圧雰囲気のアシスト下で負圧吸着させて注出通路を自動的に密閉封止させることで、内包装体3内への外気の侵入を阻止するセルフシール機能を注出ノズル5に自動的に発揮させることができる。
【0029】
本実施形態では、セルフシール機能を有する注出ノズル5を一例として用いているが、これに限定されるものではなく、本発明においては、注出ノズル5はプラスチックフィルムからなるものであれば、どのような形状であっても、またどのような特徴を有するものであってもよい。
【0030】
外容器1は、
図7に示すように、内包装体3と略同形の、下部が筒状で上部が板状からなり、内包装体3を収納保持するために剛性を有する材料からなることが好ましく、例えば紙製や合成樹脂製、紙と合成樹脂との複合体、石灰石と合成樹脂との複合材等により構成することができる。例えば、紙製とするときは、紙の厚さが250〜500g/m
2の範囲のものとすることが好ましく、また剛性樹脂製とする場合には、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ABS樹脂、ポリスチレン等の0.3〜3.0mm程度の厚みを有するものとすることが好ましい。
【0031】
外容器1は、いずれか一方の側部上角部1a(肩部)に切欠き部からなる開口部6を有し、該開口部6から内包装体3の注出ノズル5の少なくとも先端部が突出するように内包装体3が収納されている。外容器1と内包装体3とは、少なくとも注出ノズル5の基端部近傍位置において両者を貼着等して固定することが好ましい。
【0032】
外容器1の外面壁部2a、2bには、外容器1の開口部6から突出する注出ノズル5の先端部を覆い隠すようにスナップカバー7が設けられている。
【0033】
先の実施形態と同様に、使用開始にあたって、スナップカバー7の、例えば折返し先端部11の下縁を指で上方へ押し上げると、スナップカバー7は、
図8に示すように一対の側壁部7a、7bが、山折り線8a、8bおよび谷折り線9a、9bに沿って屈曲して折り畳まれて、上方へ回動しながら後退し、それぞれの位置に谷折り部12a、12b(図示しない)および山折り部13a、13bが形成されて、外容器1の上端位置で停止する。これにより、スナップカバー7の内側に位置していた注出ノズル5が外部に露出されることになり、該注出ノズル5の先端部をノッチ等に沿って切り取ることで開口し、使用に供することができる。
【0034】
一方、使用終了時に、スナップカバー7の、例えば折返し先端部11の上端位置を指で押し下げると、一対の側板7a、7bの谷折り部12a、12bおよび山折り部13a、13bが伸展して下方に回動し、使用開始前の位置まで戻り停止する。これにより、注出ノズル5は、一対の側板7a、7bによって覆い隠されて保護されることになり、使用後に包装構造体Pを保管等する際にも、注出ノズル5が収納位置の壁面や他の収納物等に接触することや、注出ノズル5に手指等が直接触れる等することがなく、注出ノズル5が汚染等されることを抑制することができる。
【0035】
また、スナップカバー7の他の実施形態としては、
図9に示すように一対の側板7a、7bの、山折り部13a、13bを形成する山折り線8a、8bよりも折返し先端部11側に、第2の谷折り部14a、14bを形成するための谷折り線15a、15bを設けることが好ましい。この場合には、スナップカバー7の第2の谷折り部14a、14bから折返し先端部11までの先端部分16が板状になるため、該板状の先端部分16によって内側に位置する注出ノズル5先端の開口部分が、表裏から挟持され、注出ノズル5の折れ曲がりを抑制することができるという効果が期待できる。
【0036】
スナップカバー7のさらに他の一実施形態としては、
図10に示すように一対の側板7a、7bのそれぞれの上縁に相互に対向するように舌片17が設けられている。なお、舌片17は一対の側板7a、7bの少なくとも一方に設ければよい。舌片17により、注出ノズル5は、スナップカバー7によってその外周のみならず、上部からも保護されることになり、ゴミや埃等の異物が上方から侵入するのを効果的に阻止することができ、衛生性をさらに向上させることができる。
【0037】
スナップカバー7は、上記のように外容器1と別体で構成する場合には、外容器1と同一の材質からなる他、異なる材質によって構成することができ、いずれにしても前記したように複数個所で折り畳みながら回動可能に構成するため、紙製、合成樹脂製、紙と合成樹脂との複合体等の可撓性材料からなることが好ましい。
【0038】
図11に示す本発明の他の一実施形態である外容器1は、液状の被包装物を充填包装してなる内包装体3が内包されて、包装構造体Pを構成している。内包装体3の頂部には、注出ノズル5が突設され、該注出ノズル5の先端部が外容器1のいずれか一方の側部上角部1a(肩部)に設けた切欠きからなる開口部6から露出するように構成されている。
【0039】
スナップカバー7は、外容器1の表裏の外面壁部2a、2bそれぞれの開口部6の端縁に繋がって、一対の側壁部7a、7bが、外容器1と一体に構成されている。なお、スナップカバー7の形成方法についてはとくに限定されないが、例えば、外容器1の表面側の開口部6端縁に繋がるように帯状のカバー部材を設け、該カバー部材を、注出ノズル5の突出先端部分を囲むようにして、その幅方向中央部(折返し先端部11位置)で二つに折り畳み、その遊端部を容器本体2の裏面側の外面壁部2bに貼着等することで形成することもできる。
【0040】
このスナップカバー7の一対の側板7a、7bは、切欠き部6との縁部に谷折り部12a、12bを形成するための谷折り線9a、9bを有すると共に、該谷折り線9a、9bよりも折返し先端部11側に寄った位置に、山折り部13a、13bを形成するための山折り線8a、8bを有する。
【0041】
先の実施形態と同様に、使用開始に当たって、スナップカバー7を上方へ押し上げると、
図12に示すように一対の側壁部7a、7bが、山折り線8a、8bおよび谷折り線9a、9bに沿って折り畳まれて上方へ回動して後退し、それぞれの位置に谷折り部12a、12bおよび山折り部13a、13bが形成されて、外容器1の上端位置で停止する。これにより、スナップカバー7の内側に位置していた注出ノズル5が外部に露出されることになり、該注出ノズル5は、その先端部をノッチ等に沿って切り取って開口することで使用に供することができる。
【0042】
なお、外容器1の開口部6は、
図12に示すように注出ノズル5の基端部に相当する位置に表裏一対の突出部6a(図では表側のみを示す)を有することが好ましく、該突出部6aによって注出ノズル5の基端部分を表裏から挟持することで注出ノズル5の折れ曲がりや、被包装物の注出時における横揺れを防止することができる。
【0043】
使用終了時には、スナップカバー7の、例えば折返し先端部11の上端位置を指で押し下げると、一対の側板7a、7bの谷折り部12a、12bおよび山折り部13a、13bが伸びて下方に回動し、使用開始前の位置まで戻り停止する。これにより、注出ノズル5は、一対の側板7a、7bによって覆い隠されて保護されることになり、使用後に包装構造体Pを保管等する際にも、注出ノズル5が収納位置の壁面や他の収納物等に接触することや、注出ノズル5に手指等が直接触れる等することがなく、注出ノズル5が汚染等されることを抑制することができる。
【0044】
図13に本発明の外容器1の他の一実施形態を示す。外容器1内には、軟質のプラスチックフィルムからなる包装袋本体4内に液状の被包装物を充填包装した内包装体3が収納されて、包装構造体Pを構成している。
図13(a)は、使用開始前の外容器1の表面側上部を示す側面図である。この外容器1では、外容器1の表裏の外面壁部2a、2bの上縁が、内面同士を貼着等することによって封止されていると共に、該封止部分23がミシン目等からなる切り取り線24によって切り取り可能に構成されている。そのため、使用開始前に注出ノズル5に手指等が触れたりゴミや埃等が付着することや、取り扱い時に注出ノズル5が折れ曲がったり誤開封することを抑制することができる。
【0045】
なお、使用開始にあたっては、
図13(b)に示すように切り取り線24に沿って手指で引裂く他、外容器1が剛性を有する紙製等の材料からなる場合には、切り取り線24に沿って折り曲げることで簡単に切り取ることができる。
【0046】
スナップカバー7は、図では外容器1の左上角部に設けた切込み22を介して外容器1の外面壁部2aと、スナップカバー7を構成する側板7aとに区画することで、該外面壁部2aに繋がって一体で形成されている。図示しないが、外容器1の裏面側も同様に、切込み22を介して外容器1の外面壁部2bとスナップカバー7の側板7bとが繋がって一体に形成されている。
なお、スナップカバー7の形成方法はこの方法に限定されるものではなく、例えば、スナップカバー7の表側の側板7aのみを、外容器1の外面壁部2aに繋げて一体で形成すると共に、該側板7aから裏側の側板7bを延在させて設け、注出ノズル5の突出先端部分を囲むようにして、その幅方向中央部で二つに折り畳み、その遊端部を外容器1の裏面側の外面壁部2bに貼り付け等することで形成してもよい。
【0047】
このスナップカバー7の一対の側板7a、7bは、先の実施形態と同様に谷折り部12a、12bを形成するための谷折り線9a、9bと山折り部13a、13bを形成するための山折り線8a、8bとを有し、使用開始に当たって、スナップカバー7を上方へ押し上げると、
図14に示すように一対の側板7a、7bが、山折り線8a、8bおよび谷折り線9a、9bに沿って折り畳まれながら上方へ回動して後退し、それぞれの位置に谷折り部12a、12bおよび山折り部13a、13bが形成されて、外容器1の上端位置で停止する。これにより、スナップカバー7の内側に位置していた注出ノズル5が外部に露出されることになり、該注出ノズル5は、その先端部をノッチ等に沿って切り取って開口することで使用に供することができる。
【0048】
なお、切込み22は、
図13および
図14に示すように注出ノズル5の基端部に相当する位置を突出させて、突出部6aを形成することが好ましく、該突出部6aは、容器本体2の表裏で同一形状であっても、
図13、14に示すように表裏で異なる形状であってもよく、図に示すように一方の突出部6a(図では裏面側)を注出ノズル5の上端縁近傍まで突出させれば、注出ノズル5の折れ曲がりや、被包装物の注出時における横揺れを一層効果的に防止することができる。
【0049】
また外容器1は、上記実施形態に記載の下部が筒状で上部が板状からなものに限定されるものではなく、円柱状や角柱状等の各種のものとすることができる。例えば、
図15に示す実施形態の外容器1は、容器本体2が角柱状からなり、該外容器1内にプラチックフィルムからなる包装袋本体4内に液状の被包装物が充填された内包装体3を収納した後、該容器本体2の上端開口部を、図では4つの縦リブ21を有する封止構造部20によって封止することで構成されている。この外容器1では、前記4つの縦リブ21のうちの1つに切込み22を介してスナップカバー7が区画形成されている。
【0050】
このスナップカバー7の一対の側板7a、7bはそれぞれ、先の実施形態と同様に谷折り部12a、12bを形成するための谷折り予定線9a、9bと山折り部13a、13bを形成するための山折り線8a、8bを有し、使用開始に当たって、スナップカバー7を上方へ押し上げると、
図16に示すように一対の側板7a、7bが、山折り線8a、8bおよび谷折り線9a、9bに沿って折り込まれながら上方へ回動して後退し、それぞれの位置に谷折り部12a、12bおよび山折り部13a、13bが形成されて、容器本体2の上端位置で停止する。これにより、スナップカバー7の内側に位置していた注出ノズル5が外部に露出されることになり、該注出ノズル5は、その先端部をノッチ等に沿って切り取って開口することで使用に供することができる。
【0051】
なお、
図7〜16に示す上記実施形態では、外容器1内に被包装物が充填された内包装体3を収納すると共に、注出ノズル5が内包装体3に突設されてなる場合を一例として説明したが、例えば、液状の被包装物が直接充填された外容器1の開口部6の内面に、注出ノズル5の基端部外表面を融着等して突設し、該注出ノズル5を覆うようにスナップカバー7を、容器本体2と一体でまたは別体で設けたものであってもよい。