特開2020-55972(P2020-55972A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-55972(P2020-55972A)
(43)【公開日】2020年4月9日
(54)【発明の名称】発泡体粘着テープ
(51)【国際特許分類】
   C09J 7/26 20180101AFI20200313BHJP
   C09J 7/38 20180101ALI20200313BHJP
   C09J 133/00 20060101ALI20200313BHJP
【FI】
   C09J7/26
   C09J7/38
   C09J133/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-188337(P2018-188337)
(22)【出願日】2018年10月3日
(71)【出願人】
【識別番号】000222118
【氏名又は名称】東洋インキSCホールディングス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】阿部 忠士
【テーマコード(参考)】
4J004
4J040
【Fターム(参考)】
4J004AA14
4J004AB01
4J004CB04
4J004CE01
4J004FA08
4J040EF181
4J040EF281
4J040JB09
4J040MA02
4J040NA19
(57)【要約】
【課題】貼り直し作業性に優れ、経時粘着力変化の少ない性能を併せ持つ発泡体粘着テープの提供を目的とする。
【解決手段】発泡体基材の片面または両面に粘着剤層を備えた発泡体粘着テープであって、前記粘着剤層は、アクリル系共重合体(A)およびイソシアネート化合物(B)を含み、かつ粘着付与樹脂を含まず、前記アクリル系共重合体(A)は、水酸基含有モノマーを含み、カルボキシル基含有モノマーを含まないモノマー混合物の共重合体であって、前記モノマー混合物100重量%中、水酸基含有モノマーの含有量は2〜12重量%である、発泡体粘着テープにより解決される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発泡体基材の片面または両面に粘着剤層を備えた発泡体粘着テープであって、
前記粘着剤層は、アクリル系共重合体(A)およびイソシアネート化合物(B)を含み、かつ粘着付与樹脂を含まず、
前記アクリル系共重合体(A)は、水酸基含有モノマーを含み、カルボキシル基含有モノマーを含まないモノマー混合物の共重合体であって、
前記モノマー混合物100重量%中、水酸基含有モノマーの含有量は2〜12重量%である、発泡体粘着テープ。
【請求項2】
前記粘着剤層は、60℃-90%RHで72時間後の、ステンレス板に対する粘着力が25N/25mm以下であることを特徴とした請求項1記載の発泡体粘着テープ。
【請求項3】
発泡体基材の両面に粘着剤層を備えた発泡体粘着テープであって、
23℃-50%RHで24時間後の、一方の粘着剤層のステンレス板に対する粘着力が、もう一方の粘着剤層のステンレス板に対する粘着力の2倍以上であることを特徴とした請求項1または2記載の発泡体粘着テープ。
【請求項4】
前記発泡体基材は、JISK7112A法水中置換法で測定した密度が300kg/m以上であることを特徴とした請求項1〜3いずれか1項記載の発泡体粘着テープ。
【請求項5】
非携帯電子機器部材に用いられる、請求項1〜4いずれか1項記載の発泡体粘着テープ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発泡体粘着テープに関し、特に非携帯電子機器部材用として好適に用いることができる発泡体粘着テープに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車載用に使用されるカーナビゲーションやモニター等では、内部筐体の貼り合せや部材同士の隙間を埋める目的で接着剤が使用されていた。しかし近年では、このような車載用のカーナビゲーションやモニター等は、大型化の傾向から部材同士の隙間が大きくなり、接着剤で塞ぐことが難しくなっている。そのため、大きな隙間を埋める目的で発泡体粘着テープが使用されてきている。
【0003】
発泡体粘着テープは、容易に貼り直し作業を行える貼り直し作業性(リワーク性)が求められており、片面または両面に粘着剤層を備え、該粘着剤層を部材に固定し、隙間を埋めるように使用される。
また、このような貼り直し作業は、貼り合わせ作業直後に行われる場合だけではなく、数日間経過後に、実施される場合もある。さらに、高温多湿の環境下に材料が保管されることもあるため、高温多湿の環境下で数日間保管された後でも、容易に貼り直し作業を行うことができ、経時粘着力変化の少ないことが要求される。
【0004】
さらに、カーナビゲーション等の非携帯電子機器では、小型の携帯電子機器等に比べて、部材のサイズが大きく、テープを貼り合わせる際に、貼り合せ位置のズレが発生することがある。そのため、貼り合せされる部材の一方の面にテープを貼り合せたあと、ズレが発生した場合にすぐ剥がして貼り合せ位置を修正することが可能である特性も要求される。
【0005】
発泡体粘着テープとして、特定の発泡体基材の両面に、炭素数4〜12の(メタ)アクリレート及びカルボキシル基を有するビニルモノマーをモノマー成分として有するアクリル系共重合体と、重合ロジンエステル系粘着付与樹脂とを含有するアクリル系粘着剤組成物からなる粘着剤層を有する発泡体粘着テープ(特許文献1)や、特定の発泡体基材の両面に、直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを必須のモノマー成分として構成された特定のアクリル系ポリマーと、粘着付与樹脂として重合ロジンエステルを含む粘着剤組成物から形成されたアクリル系粘着剤層を有する発泡体粘着テープ(特許文献2)等の技術が開示されている。
【0006】
しかし、これら従来の発泡体粘着テープでは、貼り直し作業直後の貼り直し作業性に優れ、さらに経時後や、耐熱後の再剥離性や貼り直し作業性に十分な性能を達成することはできていないのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−260880号公報
【特許文献2】特開2013−040329号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の発泡体粘着テープは、貼り直し作業性に優れ、経時粘着力変化の少ない性能を併せ持つ発泡体粘着テープの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち前記課題は、発泡体基材の片面または両面に粘着剤層を備えた発泡体粘着テープであって、前記粘着剤層は、アクリル系共重合体(A)およびイソシアネート化合物(B)を含み、かつ粘着付与樹脂を含まず、前記アクリル系共重合体(A)は、水酸基含有モノマーを含み、カルボキシル基含有モノマーを含まないモノマー混合物の共重合体であって、前記モノマー混合物100重量%中、水酸基含有モノマーの含有量は2〜12重量%である、発泡体粘着テープにより解決される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、貼り直し作業性と経時粘着力変化の少ない性能を併せ持ち、また発泡体粘着テープを使用する際に、従来よりも材料ロスと作業工程時間の削減を可能とする、発泡体粘着テープを提供することができる。
また、貼り直し性に優れるため、携帯物よりもサイズが大きく、貼りズレが発生しやすい非携帯電子機器部材にも好適に用いることができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明において、粘着シート、粘着テープ、粘着フィルムは同義語である。
【0012】
本発明の発泡体粘着テープは、発泡体基材の片面または両面に粘着剤層を備え、前記粘着剤層は、アクリル系共重合体(A)およびイソシアネート化合物(B)を含み、かつ粘着付与樹脂を含まず、前記アクリル系共重合体(A)は、水酸基含有モノマーを含み、カルボキシル基含有モノマーを含まないモノマー混合物を共重合してなる共重合体であって、前記モノマー混合物100重量%中、水酸基含有モノマーの含有量は2〜12重量%である。
【0013】
また、本発明の発泡体粘着テープは、各種電子機器用途などに用いることができるが、なかでも高温多湿の環境下で数日間保管された後でも、容易に貼り直し作業を行うことができ、経時粘着力変化の少ないことから、非携帯電子機器部材用に好適に用いることができる。
【0014】
非携帯電子機器とは、一般的に人が所持して持ち歩き使用することのない、家庭用テレビ、デスクトップパソコンやそのモニター、車載用カーナビゲーション、車載用モニター等の電子機器の部材に使用されるものであって、人が所持して持ち歩く、スマートフォンやタブレット、ノートパソコン、携帯型ナビゲーション、携帯型モニター、携帯型カメラ等は含まれない。
【0015】
《粘着剤層》
本発明の粘着剤層は、発泡体基材の片面または両面に形成され、粘着剤層は、アクリル系共重合体(A)およびイソシアネート化合物(B)を含む。そして粘着剤層は、粘着付与樹脂を含まない。また、粘着剤層は、前記アクリル系共重合体(A)が、水酸基含有モノマーを含み、カルボキシル基含有モノマーを含まないモノマー混合物を共重合してなる共重合体であって、前記モノマー混合物100重量%中、水酸基含有モノマーの含有量は2〜12重量%である。
【0016】
粘着剤層は、アクリル系共重合体(A)およびイソシアネート化合物(B)を含み、かつ粘着付与樹脂を含まない粘着剤を塗工することなどにより形成される。
粘着剤の塗工は、例えばロールコーター法、コンマコーター法、リップコーター法、ダイコーター法、リバースコーター法、シルクスクリーン法、グラビアコーター法等の公知の方法が使用できる。塗工後は、熱風オーブン、赤外線ヒーター等で乾燥することができる。
【0017】
粘着剤層の厚みは、5〜200μmが好ましく、10〜150μmがより好ましい。粘着剤層の厚みを上記範囲にすることで、粘着性能と耐熱性に優れた粘着テープを得ることが出来る。
【0018】
粘着剤層の、ステンレス板に対する60℃-90%RHで72時間後の粘着力は、25N/25mm以下であることが好ましい。25N/25mm以下とすることで、粘着テープをはがす際に、発泡体層が破壊され粘着剤層の一部が貼り合わせ部材に残留してしまう等の現象を防ぐことができる。60℃-90%RHで72時間後の粘着力が20N/25mm以下であることがより好ましい。
【0019】
また、発泡体基材の両面に粘着剤層を備える場合、23℃-50%RHで24時間後の粘着力について、一方の粘着剤層のステンレス板に対する粘着力が、もう一方の粘着剤層のステンレス板に対する粘着力の2倍以上であることが好ましい。片方が、もう一方の2倍以上の粘着力であることで、粘着テープをはがす際に、発泡体層が破壊されることで粘着剤層の一部が貼り合わせ部材に残留してしまう等の現象を防ぐことができる。好ましくは3倍以上である。
また、23℃-50%RH-24時間後の粘着力は、粘着力の高い方の粘着力が5N/25mm以上、20N/25mm以下、粘着力の低い方の粘着力が1N/25mm以上、10N/25mm以下であることが好ましい。
【0020】
<アクリル共重合体(A)>
本発明において、アクリル系共重合体(A)は、アクリルモノマーを用いて合成することが可能な(メタ)アクリル系重合体であり、水酸基含有モノマーを含み、カルボキシル基含有モノマーを含まないモノマー混合物を共重合してなる共重合体であって、前記モノマー混合物100重量%中、水酸基含有モノマーの含有量が、2〜12重量%である。
【0021】
[水酸基含有モノマー]
また、本発明のアクリル系共重合体(A)は、モノマー混合物100重量%中、水酸基含有モノマーの含有量が、2〜12重量%である。水酸基含有モノマーをこの範囲の含有量で用いることにより、アクリル系共重合体と硬化剤との架橋密度をコントロールでき、貼り直し作業性に必要な粘着力と耐熱性に必要な凝集力のバランスが得られる。また、水酸基は、イソシアネートとの反応性が高く、未反応官能基が残存し難いため、経時粘着力が上昇し難くなり、貼り直し作業を行う際に、発泡体粘着テープが両方の部材から剥がれてしまう現象等を抑制することができる。上記観点から、4〜12重量%がより好ましい。
【0022】
水酸基含有モノマーは、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、N−メチロールアクリルアミド、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられるが、これらの中でも硬化剤との適度な架橋性の観点から炭素数1〜3のアルキレン基を有する水酸基含有モノマーは、凝集力をより向上できるため好ましい。そして、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートがより好ましい。これらのモノマーは、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0023】
[カルボキシル基含有モノマー]
本発明のアクリル系共重合体(A)は、カルボキシル基含有モノマーを含まない。カルボキシル基を有するアクリル系共重合体の架橋にイソシアネート等の硬化剤を使用すると、未反応官能基が残存しやすいことから経時粘着力が上昇しやすく、貼り直し作業性に劣る。本発明において、カルボキシル基含有モノマーとは、カルボキシル基を有するアクリルモノマー等であって、例えば(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸等である。
【0024】
[その他アクリルモノマー]
アクリル系共重合体(A)は、水酸基含有モノマーと、カルボキシル基含有モノマー以外の、その他アクリルモノマーとを用いて共重合することにより得られる。
その他アクリルモノマーとしては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリルアミド、酢酸ビニル、アクリルニトリル等が挙げられるが、これに限定されるものではなく、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0025】
なかでも、その他アクリルモノマーとしては、(メタ)アクリル酸ブチル、または(メタ)アクリル酸イソブチルが好ましく、モノマー混合物100重量%中、(メタ)アクリル酸ブチルおよび(メタ)アクリル酸イソブチルの少なくともいずれかが、50重量%以上であることが好ましい。また、(メタ)アクリル酸ブチルおよび(メタ)アクリル酸イソブチルをともに含む場合には、これらの合計が、50重量%以上であることが好ましい。
上記範囲であることで、粘着剤のガラス転移温度(Tg)が高くなり、再剥離性や耐熱性といった特性をバランスよく持つことが可能となる。
上記観点から、60重量%以上であることがより好ましい。
【0026】
合成する際は、溶液重合、乳化重合、塊状重合または紫外線照射による重合等の重合方法をとることができるが、本発明では、反応制御や物性コントロールが容易な溶液重合を用いることが好ましい。
【0027】
共重合には、過酸化物系の重合開始剤やアゾビス系の重合開始剤等、従来公知の重合開始剤を使用することができる。有機過酸化物の重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート等が挙げられ、アゾ系の重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二硫酸塩、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)等が挙げられるが、これら重合開始剤は単独で使用しても、2種類以上の併用で使用してもよい。
【0028】
アクリル系共重合体(A)の重量平均分子量は、20万〜150万が好ましく、40万〜100万がより好ましい。上記範囲とすることで、貼り直し作業性に必要な低粘着力と、耐熱性に必要な凝集力のバランスが得やすく、貼り直し作業を行う際に、発泡体両面テープが両方の部材から剥がれてしまう現象が発生し難くなる。なお本発明において重量平均分子量とはGPC測定で求めたポリスチレン換算の重量平均分子量である。
【0029】
<粘着付与樹脂>
本発明の粘着剤層は、粘着付与樹脂を含まない。粘着付与樹脂を含むことで、発泡体基材等に対する密着性は向上する。しかし、高温高湿の環境下に保管される場合、粘着付与樹脂の軟化等により、被着体に対する密着性が上昇、粘着力が高くなることで貼り直し作業性が低下してしまう。
本発明おいて粘着付与樹脂とは、例えば、ロジンエステル、重合ロジン、水添ロジン、不均化ロジン、マレイン酸変性ロジン、フマル酸変性ロジン、ロジンフェノール樹脂などのロジン系樹脂;、α−ピネン樹脂、β−ピネン樹脂、ジペンテン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、水添テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、酸変性テルペン樹脂、スチレン化テルペン樹脂などのテルペン系樹脂、アルキルフェノール樹脂、クマロン系樹脂、スチレン系樹脂、石油系樹脂またはその共重合体である。
【0030】
<イソシアネート化合物(B)>
本発明の粘着剤層は、イソシアネート化合物(B)を含有する。
イソシアネート化合物(B)の含有量は、アクリル系共重合体(A)100重量部に対し、0.05〜10重量部であることが好ましい。上記範囲とすることで、アクリル系共重合体(A)と硬化剤との架橋密度をコントロールし易く、貼り直し作業性に必要な低粘着力と、耐熱性に必要な凝集力のバランスが得やすく、両面発泡体粘着テープとして用い、貼り直し作業を行う際に、発泡体粘着テープが両方の部材から剥がれてしまう現象が発生し難くなる。上記観点から、0.10〜8重量部であることがより好ましい。
【0031】
イソシアネート化合物(B)としては、例えばトリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネートなどのポリイソシアネート化合物、及びこれらイソシアネート化合物とトリメチロールプロパン等のポリオール化合物とのアダクト体やビュレット体、またイソシアヌレート体、更にはこれらイソシアネート化合物と公知のポリエーテルポリオールやポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール等とのアダクト体等が挙げられるが、イソシアネート化合物として好ましくは、トリレンジイソシアネートトリメチロールプロパンのアダクト体である。
【0032】
また、本発明において求められる性能を損なわない範囲であれば、イソシアネート化合物以外のアジリジン化合物、金属キレート化合物、およびエポキシ化合物等を使用できる。
【0033】
金属キレート化合物としては、例えば、金属錯体化合物を使用できる。金属は、ニッケル、アルミニウム、クロム、鉄、チタン、亜鉛、コバルト、マンガン、銅、スズ、ジルコニウム等が挙げられる。金属キレート化合物は、例えば第二鉄トリスアセチルアセトネート、アルミニウムトリスアセチルアセトネート、アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)等が挙げられるが、これらの中でのアルミニウムトリスアセチルアセトネートがより好ましい。
【0034】
アジリジン化合物としては、例えば、N,N’−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、N,N’−ジフェニルメタン4,4’−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、トリメチロールプロパン−トリ−β−(2−メチルアジリジン)プロピオネート等が挙げられる。
【0035】
エポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールA、エピクロルヒドリン型のエポキシ系樹脂、エチレングリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、ジアミングリシジルアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミンおよび1,3−ビス(N,N’−ジアミングリシジルアミノメチル)シクロヘキサン等が挙げられる。
【0036】
これら硬化剤は、単独で用いても、2種類以上を組み合わせ用いてもよい。
【0037】
<その他添加剤>
本発明の粘着剤には、必要に応じて公知の粘着剤に配合される充填剤、顔料、染料、希釈剤、老化防止剤、重合禁止剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、カップリング剤等、各種添加剤を含んでもよく、また、2種類以上を用いてもよい。また、添加剤の添加量は、必要な物性が得られる量とすればよく、特に限定されるものではない。
【0038】
《発泡体基材》
発泡体基材としては、例えば、ポリオレフィン系発泡体、ウレタン系発泡体、EPDM(エチレン・プロピレン・ジエンゴム)系発泡体等の発泡体が挙げられ、特にこれに限定されるものではないが、耐熱性の観点から、熱劣化し難いポリオレフィン系発泡体であることが好ましい。
【0039】
また、本発明の発泡体基材としては、プラスチック-非発泡プラスチックの密度及び比重の測定方法のJISK7112 A法 水中置換法において、密度が300kg/m以上であることが好ましい。発泡体の密度が上記範囲にあることで、貼り直し作業を行う際、発泡体層が破壊されることで粘着テープの一部が貼り合わせ部材に残留してしまう現象を防ぐことができる。上記観点から、密度500kg/m以上であることがより好ましい。
【0040】
また、本発明の発泡体基材としては、プラズマ処理またはコロナ処理等の易接着処理が施されていることが好ましい。プラズマ処理またはコロナ処理等の易接着処理が施されていることで、発泡体基材に対する粘着剤の密着性が向上し、発泡体層と粘着剤層で剥がれが発生してしまうことを防ぐことができる。
【0041】
粘着シートを作製する際の剥離ライナーには、紙、プラスチックフィルム、合成紙等の基材に、剥離剤を塗工して形成した剥離層を有する。剥離剤は、例えばシリコーン、アルキド樹脂、メラミン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。なお、剥離ライナーの厚さは特に制限はないが10〜200μm程度である。
【実施例】
【0042】
以下に、本発明を実施例によってより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお例中、「部」は「重量部」を、「%」は「重量%」を意味するものとする。
【0043】
なお、共重合体の重量平均分子量の測定方法は下記に示す。
<重量平均分子量の測定方法>
共重合体の重量平均分子量は、GPC測定により求めたポリスチレン換算値である。
GPC測定条件は以下のとおりである。
装置:SHIMADZU Prominence((株)島津製作所製)カラム:TOSOH TSK−GEL GMHXL(東ソー(株)製)を使用。溶媒:テトラヒドロフラン、流速:0.5ml/min、温度:40℃、試料濃度:0.1重量%、試料注入量:100μl
【0044】
[発泡体基材]
・発泡体基材1;ポリオレフィン系発泡体基材「密度:700kg/m」「厚み:200μ」「易接着処理済」
・発泡体基材2;ポリオレフィン系発泡体基材「密度:500kg/m」「厚み:200μ」「易接着処理済」
・発泡体基材3;ポリオレフィン系発泡体基材「密度:300kg/m」「厚み:200μ」「易接着処理済」
・発泡体基材4;ポリオレフィン系発泡体基材「密度:150kg/m」「厚み:200μ」「易接着処理済」
・発泡体基材5;ポリオレフィン系発泡体基材「密度:700kg/m」「厚み:200μ」「易接着処理無し」
なお、発泡体基材の密度は、JISK7112A法水中置換法で測定した値である。
【0045】
<アクリル系共重合体(A)>
(アクリル系共重合体溶液(A−1))
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置、窒素導入管を備えた4口フラスコに、窒素雰囲気下で、ブチルアクリレート20.0重量部、イソブチルアクリレート17.5重量部、メチルアクリレート9.5重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート3.0重量部、溶剤として酢酸エチル、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを適量仕込んだ。別途、滴下管に、ブチルアクリレート20.0重量部、イソブチルアクリレート17.5重量部、メチルアクリレート9.5重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート3.0重量部、溶剤として酢酸エチル、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを適量仕込んだ。次いでフラスコを徐々に加熱し、反応開始を確認後、滴下管から溶液を1時間かけて滴下した。さらに内温約80℃で8時間反応を継続した。反応終了後、冷却しつつ、酢酸エチル、トルエンで希釈することで、不揮発分は40.0%、粘度は5200mPa・s、重量平均分子量=580000のアクリル系共重合体溶液(A−1)を得た。
【0046】
(アクリル系共重合体溶液(A−2〜7、AC−1、2))
アクリルモノマーの種類および配合量(重量部)を表1に記載したように変更した以外は、粘着剤(A−1)と同様にして、アクリル系共重合体溶液(A−2〜7、AC−1、2)を得た。
【0047】
【表1】
【0048】
表1中の略号は下記の通りである。なお、表中の数値は固形分換算の含有量(重量部)である。
(水酸基含有モノマー)
HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート
2HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
(カルボキシル基含有モノマー)
AA:アクリル酸
(その他モノマー)
BA:ブチルアクリレート
IBA:イソブチルアクリレート
2EHA:2エチルへキシルアクリレート
MA:メチルアクリレート
【0049】
<粘着剤>
(粘着剤X−1)
合成例1のアクリル系共重合体(A-1)の不揮発分100重量部に対して、イソシネート硬化剤として、イソシアネート化合物(トリレンジイソシアネートトリメチロールプロパンアダクト体)(不揮発分37.5重量%の酢酸エチル溶液)を不揮発分換算で0.15重量部、溶剤として酢酸エチルを適量配合し、ディスパーで攪拌することで粘着剤X−1を得た。
【0050】
(粘着剤X−2〜8、11〜16、18、XC−1〜4、11〜14)
表2〜3に記載の通り、アクリル系共重合体と硬化剤と粘着付与樹脂の種類および配合量(重量部)を変更した以外は、粘着剤X−1と同様にして、粘着剤X−2〜8、11〜16、18、XC−1〜4、11〜14を得た。
【0051】
【表2】
【0052】
【表3】
【0053】
表中の略号は下記の通りである。また、配合量は、アクリル系共重合体の不揮発分100部に対する不揮発分換算の添加量(重量部)である。
[粘着付与樹脂]
ペンセルD-125(荒川化学社製、ロジンエステル樹脂、軟化点125℃)
YSポリスターT115:(ヤスハラケミカル社製、テルペンフェノール樹脂、軟化点115℃)
[イソシアネート化合物]
トリレンジイソシアネートトリメチロールプロパンアダクト体37.5重量%酢酸エチル溶液の不揮発分換算
【0054】
[実施例1]
(発泡体両面粘着テープ)
粘着剤X−1を、乾燥後の厚みが30μmになるよう厚みが25μmの剥離ライナーに塗工し、100℃で2分間乾燥した後、基材1(一般市販のポリオレフィン系発泡体基材(密度700kg/m、厚み200μm、易接着処理済))に貼り合わせた。
また、別途粘着剤X−11を、乾燥後の厚さが20μmになるよう厚みが50μmの剥離ライナーに塗工し、100℃で2分間乾燥した後、基材1の粘着剤が貼り合わせされていない面に貼り合わせ、23℃-50%RHで1週間放置し、実施例1の発泡体両面粘着テープを得た。
【0055】
[実施例2〜19、比較例1〜5]
アクリル系共重合体と、粘着付与樹脂と、硬化剤の種類の種類及び配合量(重量部)、並びに、発泡体基材の種類を表4〜6に記載したように変更した以外は、実施例1の発泡体両面粘着テープと同様にして、実施例2〜12、比較例1〜5の発泡体両面粘着テープを得た。
また発泡体片面粘着テープの実施例13〜19は、上記と同様の方法にて、発泡体の片面だけに粘着剤を塗布することで得た。
【0056】
<発泡体粘着テープの物性測定および評価>
得られた発泡体粘着テープを用いて、以下の物性測定および評価を行った。結果を表4〜6に示す。
なお、表中の「粘着力比」とは、得られた粘着テープについて、23℃-50%RHで24時間後に、粘着力が高い粘着剤層の粘着力が、もう一方の粘着剤層の粘着力の何倍であるか、という比率である。
例えば、実施例1では、粘着力が高い粘着剤層の粘着力は10.0N/25mmであり、もう一方の粘着剤層の粘着力は、3.5N/25mmであることより、
粘着力比=10.0/3.5=2.9
である。
【0057】
(23℃−50%RH粘着力)
得られた発泡体粘着テープの測定しない面の剥離ライナーを剥がし、厚みが25μmのPETフィルムを貼り合せた後、幅25mm・長さ100mmの大きさに準備し試料とした。次いで23℃−50%RH雰囲気下にて、得られた試料から、25μmのPETフィルムを貼り合せた面と逆の剥離ライナーを剥がし、露出した粘着剤層をステンレス板に2kgのローラーで1往復圧着し、24時間放置後、引張試験機を使用して剥離角度90度、剥離速度0.3m/分の条件で粘着力を測定した。粘着剤が塗布されていない発泡体面に厚みが25μmのPETフィルムを貼り合せないこと以外は、同様の方法にて片面テープを測定した。
【0058】
(60℃-90%RH粘着力)
得られた発泡体粘着テープの測定しない面の剥離ライナーを剥がし、厚みが25μmのPETフィルムを貼り合せた後、幅25mm・長さ100mmの大きさに準備し試料とした。次いで23℃−50%RH雰囲気下にて、得られた試料から、25μmのPETフィルムを貼り合せた面と逆の剥離ライナーを剥がし、露出した粘着剤層をステンレス板に2kgのローラーで1往復圧着し、60℃-90%RHの環境下で72時間放置後、引張試験機を使用して剥離角度90度、剥離速度0.3m/分の条件で粘着力を測定した。粘着剤が塗布されていない発泡体面に厚みが25μmのPETフィルムを貼り合せないこと以外は、同様の方法にて片面テープを測定した。
【0059】
(保持力)
得られた発泡体粘着テープの測定しない面の剥離ライナーを剥がし、厚みが25μmのPETフィルムを貼り合せた後、幅25mm・長さ100mmの大きさに準備し試料とした。次いで23℃−50%RH雰囲気下にて、得られた試料から25μmのPETフィルムを貼り合せた面と逆の剥離ライナーを長さ25mm×幅25mm剥がしステンレス板に2kgロールで1往復圧着し、23℃−50%RHの雰囲気下で20分間放置した。その後、80℃の雰囲気下で1kgの重りを付け180度の方向に力が加わるようセットし、24時間後に粘着シートが被着体から何ミリずれているか、もしくは完全にずれ落ちた落下秒数を測定した。
片面粘着テープの場合には、粘着剤が塗布されていない発泡体面にトーヨーケム社製DF715(120μm両面テープ)を貼り合せたこと以外は、同様の方法にて保持力を評価した。
【0060】
(貼り直し作業性1)
得られた発泡体粘着テープの測定しない面の剥離ライナーを剥がし、厚みが25μmのPETフィルムを貼り合せた後、幅25mm・長さ100mmの大きさに準備し試料とした。次いで23℃−50%RH雰囲気下にて、得られた試料から、25μmのPETフィルムを貼り合せた面と逆の剥離ライナーを剥がし、露出した粘着剤層をステンレス板に2kgのローラーで1往復圧着し、60℃-90%RHの環境下で72時間放置後、引張試験機を使用して剥離角度90度、剥離速度0.3m/分の条件でステンレス板から剥がし、ステンレス板に粘着剤が付着しないかを目視にて確認した(貼り直し性1−(1))。また、発泡体基材の破壊がないか確認した(貼り直し性1−(2))。粘着剤が塗布されていない発泡体面に厚みが25μmのPETフィルムを貼り合せないこと以外は、同様の方法にて片面テープを測定した。

(貼り直し性1−(1))
○:粘着剤の付着は発生しなかった。 (良好)
△:粘着剤の付着がわずかに発生した。 (実用可能範囲)
×:粘着剤の付着が発生した。 (実用不可)

(貼り直し性1−(2))
○:発泡体基材の破壊は発生しなかった。 (良好)
△:発泡体基材の破壊がわずかに発生した。 (実用可能範囲)
×:発泡体基材の破壊が発生した。 (実用不可)
【0061】
(貼り直し作業性2)
得られた発泡体両面粘着テープを幅25mm・長さ100mmの大きさに準備し試料とした。次いで23℃−50%RH雰囲気下にて、得られた試料の粘着力の高い方の剥離ライナーを剥がし、露出した粘着剤層にステンレス板を貼り合わせ、もう一方の粘着力の低い方の剥離ライナーを剥がし、アクリル板を貼り合わせ、2kgのローラーで1往復圧着し、60℃-90%の環境下で72時間放置後、アクリル板を剥がし、粘着テープがステンレス板とアクリル板の両方から剥がれる現象が発生するか確認した。

○:両方から剥がれる現象は発生しなかった (良好)
△:両方から剥がれる現象がわずかに発生した。 (実用可能範囲)
×:両方から剥がれる現象が発生した (実用不可)
【0062】
【表4】
【0063】
【表5】
【0064】
【表6】
【0065】
これらの結果から、粘着剤層が、アクリル系共重合体(A)およびイソシアネート化合物(B)を含み、粘着付与樹脂を含まず、かつアクリル系共重合体(A)が、水酸基含有モノマーを含み、カルボキシル基含有モノマーを含まないモノマー混合物の共重合体であって、前記モノマー混合物100重量%中、水酸基含有モノマーの含有量が2〜12重量%であって、粘着付与樹脂を含まないことで、貼り直し作業性に優れ、経時粘着力変化の少ない性能を併せ持つ発泡体粘着テープが得られることを確認できた。
とくに、本発明の発泡体粘着テープは、貼り直し性が良好であることより、携帯物よりもサイズが大きく、貼りズレが発生しやすい場合も好適に用いることができるといえる。