(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-5891(P2020-5891A)
(43)【公開日】2020年1月16日
(54)【発明の名称】パネル型の商品提供マシン
(51)【国際特許分類】
A63F 3/08 20060101AFI20191213BHJP
【FI】
A63F3/08 E
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-129811(P2018-129811)
(22)【出願日】2018年7月9日
(71)【出願人】
【識別番号】515290527
【氏名又は名称】株式会社マイム・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100092679
【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 盛之助
(72)【発明者】
【氏名】榎本 昌三
(57)【要約】 (修正有)
【課題】商品提供マシンを、筺体をマシン本体とする従来タイプのものから脱却し、イベント会場等で複数台のマシンを自由なレイアウトで設置するのに適した形態として提供する。
【解決手段】商品提供マシンGMの少なくとも1台分の必須部材EMにおける円盤体CPと、商品ケースGCを備えた支持基体SBと、駆動歯車を円盤体CPの従動歯車に噛合させたハンドル操作部OHと、商品受取部材RCとを、支持基体SBの落下穴と商品導入口10aをガイド部材で接続した状態で、パネル状の面状部材に取付けた形態にして商品提供マシンGMを形成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)操作軸の先端部に駆動歯車を備えると共に後端部に回転操作するハンドルを備え中間部に前記ハンドルの回転許容と回転阻止を選択制御する制御部を設けたハンドル操作部、
(b)円盤体の外周に前記駆動歯車に噛合する従動歯車を備えると共に前記円盤体の内側に商品が入る少なくとも1個の商品抽出穴を備える商品抽出用の円盤体、
(c)前記円盤体を回転可能に下から支えると共に回転する前記円盤体の商品抽出穴の1つと対面できる部位に前記商品抽出穴に入っている商品を下方に落下させるための落下穴を備える支持基体、
(d)前記支持基体における前記円盤体の上方に配置される前記商品の複数個を収容する商品ケース、
(e)前記落下穴に接続されて落下して来る1個の前記商品を下方へ案内するフレキシブルなガイド部材、
(f)前記ガイド部材の末端が接続される商品導入口を背面に備えその商品導入口に連通する商品受皿を前面に備える商品受取部材、
前記(a)〜(f)を必須部材とする商品提供マシンであって、
商品提供マシンが、その少なくとも1台分の前記必須部材を、前記円盤体と商品ケースを備えた支持基体と前記駆動歯車を前記円盤体の従動歯車に噛合させたハンドル
操作部と前記商品受取部材とを、前記落下穴と前記商品導入口とを前記ガイド部材で接続した状態で、パネル状の面状部材に配置して形成されることを特徴とするパネル型の商品提供マシン。
【請求項2】
前記面状部材は、平坦な板状体、樽容器や缶容器の側面壁、筒状体の側面壁のいずれかであり、前記商品提供マシンの少なくとも1台分の必須部材におけるハンドル操作部のハンドルと前記商品受取部材の商品受皿が、前記面状部材の前面に配置された請求項1のパネル型の商品提供マシン。
【請求項3】
前記面状部材と前記必須部材は、商品提供マシンの設置現場で組み立てた請求項1
又は2のパネル型の商品提供マシン。
【請求項4】
商品提供マシンは、その複数台分の必須部材を備えた面状部材が、平面から見たとき、直線状に連続している面状部材であるか、又はジグザグ状や波型状を含む折れ曲がり状に連続している面状部材であるか、若しくは略円形状または略円弧状あるいは略多角形状に連続している面状部材である請求項1〜3のいずれかのパネル型の商品提供マシン。
【請求項5】
連続している前記面状部材は、1台分の必須部材を備えた面状部材を1単位とし、その複数単位の面状部材が連続している請求項4のパネル型の商品提供マシン。
【請求項6】
前記面状部材は、メッセージ等の文字、図形、記号を含む動画や静止画等を表示する表示部に用いる請求項1〜5のいずれかのパネル型の商品提供マシン。
【請求項7】
前記表示部は、前記面状部材の内面又は外面からプロジェクションマッピングが可能なプロジェクタを含む映写機器による表示手段で前記動画又は静止画を前記面状部材に表示する請求項6のパネル型の商品提供マシン。
【請求項8】
前記表示部は、前記面状部材に配置した有機EL等の薄型表示画面の表示手段に前記動画又は静止画を表示する請求項6又は7のパネル型の商品提供マシン。
【請求項9】
前記面状部材、又は前記面状部材と支持基体は、前記面状部材を自立させるフレーム部材に支持させる請求項1〜8のいずれかのパネル型の商品提供マシン。
【請求項10】
前記フレーム部材は、側面から見て略門型を呈し、その前面側において前記面状部材を支持しているか、又は前面側での面状部材の支持と共に上部側において前記支持基体を支持している請求項9のパネル型の商品提供マシン。
【請求項11】
前記ハンドルの回転許容と回転阻止を作動選択部で制御する制御部は、硬貨を含むメダルやカードによるゲーム媒体の通過によるか、又は指先での押し操作によって、前記作動選択部に回転阻止の状態にある前記操作軸を回転許容する状態に置かせると共に、前記操作軸がハンドルの回転操作で回転されると前記操作軸を回転阻止の状態に戻すように前記作動選択部に動作させる請求項1〜10のいずれかのパネル型の商品提供マシン。
【請求項12】
前記ハンドル操作部は、前記支持基体の前面側に結合して一体化された請求項1〜11のいずれかのパネル型の商品提供マシン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬貨を含むメダルやカードなどのゲーム媒体をマシンに設けられている投入口から投入すると、前記投入口に隣接して設けられているハンドルを回転させることができ、このハンドルの回転操作によって種々の形態の小型商品を収容した球状や筒状のカプセル(以下、本明細書では「カプセル」又は「商品」という)が前記ハンドルのやや下方のマシン前面に設けた受け皿に提供されるようになった商品提供マシンに関する。
【背景技術】
【0002】
メダル投入等によるゲーム条件が満たされたら操作できるハンドルの回転によってカプセルを受け皿に提供するようにした商品提供マシンは、従来より公知であり、当該マシンに関する発明、考案も平成9年ごろから現在に至るまで多数の提案がなされている(例えば特許文献1〜3参照)。
【0003】
しかし、従来の商品提供マシンは、多数のカプセルが収容された略筒状の商品ケースと該商品ケースが上部に結合され、内部に商品提供マシンの機能部が収装された筺体をマシン本体として形成され、ゲーム媒体の投入部を備えた操作用ハンドル部と該ハンドル部の下方に位置付けた商品受皿とが、マシン本体である前記筺体の前面に配置された形を基本形態とするものであった。
【0004】
このため、前記商品提供マシンの複数台を店舗などの店先に設置するには、操作時のハンドルと受皿の高さをプレイヤーにとって適切な高さにするため、一例として横長の架台の上に商品提供マシンを並べていた。しかし、架台の上に商品提供マシンを横に並べて置いても設置台数に限度があるため、商品提供マシンをいわば2階建てや3階建ての形態にした積層タイプの商品提供マシンが提案され、実用にも供されるようになった。(特許文献4,5参照)。
【0005】
しかしながら、上述した従来の商品提供マシンは、マシン本体の筺体を構成単位としているため、例えば、イベント会場などのように大勢の人が商品提供マシンを使うことが想定される場合、多数台の筺体単位の商品提供マシンを準備して配置しなければならない煩わしさがある。
【0006】
しかし準備した多数台の商品提供マシンは、個々に独立しているため、並べて設置する場合のマシン同士の結合や互いに結合した上での多数台のマシンのレイアウトに制約があって、イベント会場等に時限的に設置する商品提供マシンとしては使い勝手の良いものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第3267512号公報
【特許文献2】特許第3967724号公報
【特許文献3】特許第4534316号公報
【特許文献4】特許第5358016号公報
【特許文献5】特許第4902807号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで本発明は、商品提供マシンを筺体をマシン本体とする従来タイプのものから脱却し、イベント会場等で自由なレイアウトで設置するのに適した形態としたもので提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決することを目的としてなされた本発明商品提供マシンの構成は、
(a)操作軸の先端部に駆動歯車を備えると共に後端部に回転操作するハンドルを備え中間部に前記ハンドルの回転許容と回転阻止を選択制御する制御部を設けたハンドル操作部、
(b)円盤体の外周に前記駆動歯車に噛合する従動歯車を備えると共に前記円盤体の内側に商品が入る少なくとも1個の商品抽出穴を備える商品抽出用の円盤体、
(c)前記円盤体を回転可能に下から支えると共に回転する前記円盤体の商品抽出穴の1つと対面できる部位に前記商品抽出穴に入っている商品を下方に落下させるための落下穴を備える支持基体、
(d)前記支持基体における前記円盤体の上方に配置される前記商品の複数個を収容する商品ケース、
(e)前記落下穴に接続されて落下して来る1個の前記商品を下方へ案内するフレキシブルなガイド部材、
(f)前記ガイド部材の末端が接続される商品導入口を背面に備えその商品導入口に連通する商品受皿を前面に備える商品受取部材、
前記(a)〜(f)を必須部材とする商品提供マシンであって、
商品提供マシンが、その少なくとも1台分の前記必須部材を、前記円盤体と商品ケースを備えた支持基体と前記駆動歯車を前記円盤体の従動歯車に噛合させたハンド操作部と前記商品受取部材とを、前記落下穴と前記商品導入口とを前記ガイド部材で接続した状態で、パネル状の面状部材に取付けて形成されていること、
を特徴とするものである。
【0010】
本発明において、前記面状部材は、平坦な板状体、樽容器や缶容器の側面壁、筒状体の側面壁のいずれかを用いることができ、いずれかの面状部材に、商品提供マシンの少なくとも1台分の必須部材におけるハンドル操作部のハンドルと前記商品受取部材の商品受皿を、前記面状部材の前面に配置して本発明商品提供マシンが形成される。
【0011】
前記商品提供マシンは、その複数台分の必須部材を備えた面状部材が、平面から見たとき、直線状に連続している面状部材であるか、又はジグザグ状や波型状を含む折れ曲がり状に連続している面状部材であるか、若しくは略円形状または略円弧状あるいは略多角形状に連続している面状部材であってよい。
【0012】
連続している面状部材は、1台分の必須部材を備えた面状部材を1単位とし、その複数単位の面状部材がヒンジを介して接続すると、設置場所の広さ等に合わせて任意枚数の面状部材を接続できる。
【0013】
前記面状部材、又は前記面状部材と支持基体を、フレーム部材に支持させると安定に商品提供マシンを設置できる。
【0014】
この場合、前記フレーム部材は、側面から見て略門型を呈し、その上部側において前記支持基体を支持すると共に、前面側において前記面状部材を支持するとより安定にマシンを設置できる。
【0015】
本発明においては、前記ハンドルの回転許容と回転阻止を作動選択部で制御する制御部は、硬貨を含むメダルやカードによるゲーム媒体の通過によるか、又は指先での押し操作によって、前記作動選択部に回転阻止の状態にある前記操作軸を回転許容する状態に置かせると共に、前記操作軸がハンドルの回転操作で回転されると前記操作軸を回転阻止の状態に戻すように前記作動選択部に動作させるようにできる。
【0016】
なお、前記ハンドル操作部は、前記支持基体の前面側に予め結合して一体化された状態で面状部材に配置することが出来る。
【発明の効果】
【0017】
本発明では、商品提供マシンの必須部材を、パネル状の面状部材に配設することにより、商品提供マシンをパネル状の形にしたから、現行品の商品提供マシンには全く見られない斬新な外観イメージで商品提供マシンを設置することができる。
商品提供マシンの必須部材とパネル状野の面状部材を組立前の状態でイベント会場等の設置現場に搬入し、そこで面状部材に必須部材を組付けるようにすれば、運搬や管理におけるスペース効率を稼ぐことが出来る。
【0018】
特に、本発明では、イベント会場などに多数台の商品提供マシンを並べて配置する必要がある場合、並べる面上部材同士をフレキシブルに結合して、平面から見て自在な形状(例えば、平面視直線状や波形、或いは、円形状や多面形状などのマシンレイアウトを容易かつ迅速に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明商品提供マシンの一例の構造の概略を示す分解斜視図。
【
図2】本発明商品提供マシンの一例の要部を示す側断面図。
【
図3】
図1、
図2の商品提供マシンにおける必須部材を例示した斜視図。
【
図4】
図1〜
図3の商品提供マシンのハンドル操作部における制御部の構造例を示した正面図。
【
図5】本発明商品提供マシンの配置形態例を示す図で、(あ)は直線形の配置例、(い)はジグザグ形の配置例、(う)は四角形の配置例、(え)は円形の配置例、(お)は略波型の配置例のそれぞれ平面図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に図を参照して本発明によるパネル型の商品提供マシンの実施の形態例について説明する。
【0021】
図1〜
図3において、本発明の商品提供マシンは、(a)ハンドル操作部OH、(b)商品抽出用の円盤体CP、(c)前記円盤体CPを回転自在に支えると共に商品落下穴を備えた支持基体SB、(d)前記支持基体Sbに載架された商品ケースGC、(e)前記商品落下穴から落下する商品を受皿に案内するガイド部材FG、(f)前記ガイド部材GFの末端に接続された商品受皿を有する商品受取部材RCによる前記各部材(a)〜(f)を必須部材として構成されるので、以下に必須部材(a)〜(f)のそれぞれについて順に説明する。
【0022】
(a)ハンドル操作部OHについて
ハンドル操作部OHは、操作軸1と、該操作軸1の先端部に固着して設けられた駆動歯車1aと、前記操作軸1の後端部に設けられたハンドル1bと、前記操作軸1の中間部に設けられた当該操作軸1の回転許容と回転阻止を選択的に制御する制御部2を備えて形成されている。ここで、操作軸1の回転許容と回転阻止は、ハンドル1bの回転許容及び回転阻止と同義である。
【0023】
前記制御部2は、前面略中央に前記ハンドル1bの収装部2bを凹設すると共に、その中心に操作軸1の軸受け2cを形成した操作ボックス2aの背面側に、
図4に例示する制御機構3を配置して形成されている。前記操作ボックス2aの背面には前記制御機構3を裏面からカバーする背面プレート2dが配置されている。前記背面プレート2dの中心には、前記操作軸1が通る軸穴2eが設けられている。
【0024】
図4に例示した操作軸1の回転許容と回転阻止を制御する制御機構3は、一例として次の構造のものである。なお、本発明の制御機構3は、
図4に示した構造に限られるものではない。
図4の制御機構3において、3aは、操作軸1に軸受部2cを介して当該操作軸1と一体に回転するように設けた制御円板である。
【0025】
制御円板3aは、その外周上の表面側に、当該制御円板3aの正転(
図4では反時計回り方向)を阻止する正面視略V状の第1規制溝31aが形成されていると共に、この第1規制溝31aから、
図4では反時計回り方向に略90度離れた部分の制御円板3aの裏面に、この制御円板3aの逆転(
図4の時計回り方向)を阻止する正面視略V状の第2規制溝32aが形成されている。
【0026】
第1規制溝31aに対しては、制御円板3aの斜上方にバネ4bで制御円板3a側に向け付勢させて軸止4aした作動板4の先端部に設けた規制ピン4cが、常態においてはこの第1規制溝31aに係合していることにより、この制御円板3aの正転を阻止している。制御円板3aの正転が許容されるのは、前記規制ピン4cが第1規制溝31aから離脱(
図4の4c’参照)したときである。
【0027】
前記規制ピン4cの第1規制溝31aからの離脱は、作動板4が、前記バネ4bによる付勢方向(制御円板3aに向けた付勢)とは反対方向に変位(後退)させたられることにより実現される。
【0028】
このため、
図4に示す作動板4は、その軸止4aされた部位の近傍に軸止4aから離れる方向に膨出した形の作動凸部4dを形成し、この作動凸部4dの一部が、制御部2における操作軸1の略真上に形成したメダルやカード等のゲーム媒体Mの投入口2fの内側を臨むように配置することによって、作動板4のバネ力に抗した後退動作を実現している(
図4の4’、4d’参照)。投入されたゲーム媒体Mは,図示しないが、通路を通って媒体ホッパに溜まるものとする。
【0029】
作動板4のバネ4bの力に抗した後退動作は、前記メダル等のゲーム媒体Mの投入に限られず、前記投入口2fに常設タイプで配置するメダル状等にデザインされた操作ボタンBの押下げ操作(
図4のB’参照)によっても実現できる。なお、操作ボタンBは図示しないがバネ力で元の位置に戻るように形成されているものとする。
【0030】
前記制御円板3aには、逆転防止機構が設けられている。逆転防止機構は、制御円板3aの裏面に設けた第2規制溝32aに、逆転防止レバー5の爪5aがバネ5bにより付勢されて係合していることにより形成されている。5cは、逆転防止レバー5の支持ピンである。
【0031】
前記逆転防止機構において、略V状の第2規制溝32aは、逆転方向に関して後側の溝壁面が逆転方向に略直交する角度の面に形成されている一方、逆転方向に関して前側の溝壁面が、逆転方向と鋭角をなす面に形成されている。これにより、逆転防止レバー5の爪5aの形状も、上記第2規制溝32aの形状にほぼ倣った形状に形成されている。
【0032】
図3のハンドル操作部OHは、制御部2の制御機構3が
図4の実線で示した状態にあるときは、正転(
図4の反時計回り方向)も逆転もできない。つまり、スタンバイ状態である。そこでゲーム媒体Mの投入(または、操作ボタンBの押し下げ)をすると、作動板4がそのバネ4bの撥力に抗して後退させられて制御円板3a(操作軸1)が正転可能になる(逆転は前記逆転防止機構の作用で不能)。そこでハンドル1bを摘み、正転(
図1、
図3では時計回り方向)させるとハンドル1bと一体の操作軸1も正転する。
【0033】
この正転とほぼ同時にゲーム媒体Mが下流に落下(または押下げた操作ボタンBがバネで後帰)して作動板4の後退位置を保持する部材(ゲーム媒体M,操作ボタンB)が無くなっても,規制ピン4cは制御円板3aの外周に当接したままで操作軸1の正転の継続が許容される。このまま制御円板3aが1回転(ハンドル1bも操作軸1も同じく1回転)すると、制御円板3aの第1規制溝31aと第2規制溝32aが元の位置(
図4の実線の位置)に戻ってスタンバイ状態にリセットされる。
【0034】
(b)商品抽出用の円盤体CPについて、
円盤体CPは、基礎円盤6の外周下面に、前記ハンドル操作部OHの操作軸1が備える駆動歯車1aに噛合する従動歯車6aが設けられている。因みに、駆動歯車1aと従動歯車6aの回転比は、一例として駆動歯車1aの1回転で従動歯車6aは1/3回転に設定されている。また、基礎円盤6の内側には、カプセル状の商品(球状又は筒状のカプセル内にフィギア等を収容したもの、以下、単に「カプセルC」という)が収まる大きさの穴がカプセル抽出穴6bとして略等ピッチ(略120度単位)で3個設けられている。カプセル抽出穴6bは基礎円盤6に少なくとも1個あれば足りるが、2個或いは4個であってもよい。この実施例では、外周上の従動歯車6aと3個のカプセル抽出穴6bを基礎円盤6に設けて円盤体CPの一例を形成している。基礎円盤6の略中心には、回転中心になる軸受部6cが形成されている。6dは、ハンドル1bの回転による円盤体CPの回転時にカプセルCをかき回すため、前記軸受部6cに取付けた幅狭の略翼状の撹拌部材である。前記撹拌部材6dは設けない場合もある。
【0035】
(c)円盤体CPを回転自在に支持し、かつカプセル落下穴を備えた支持基体SBについて、
支持基体SBは,大略浅底の箱を伏せたような外観を呈する略箱状の基枠体7において、略央部に前記円盤体CPを回転自在に納めるための凹部7aを設けると共に、該凹部7aの略中心に前記円盤体CPが有する軸受部6cを支持する支持軸部7bを設け、さらに、円盤体CPに設けたカプセル抽出穴6bに対面できる部位に、カプセルを落下させる落下穴7cを1個設けて形成されている。
【0036】
落下穴7cは、基枠体7の中心から見て背面側(後方)に寄った部位であって回転してくるカプセル抽出穴6bに対応する箇所に下方に向けて筒状に形成されている。基枠体7の正面側には、前記ハンドル操作部OHを装置するための略矩形状の切欠き状の開口部7dが形成されている。71cは落下穴7cの下方に垂下して延設した落下筒部、7dは基枠体7の上面外周に形成した後述する商品ケースGCの取付溝である。
図3の7eは、基枠体7の凹部7aにおいて軸受部6cにより回転自在に支持された円盤体CPの上において前記落下穴7cに対応する部位に架設される2本のバネ状の掻き均し部材であり、1個のカプセルCを前記落下穴7cに導くための部材である。
【0037】
ハンドル操作部OHの制御部2は、背面プレート2dで制御部2を挟んで保持する操作ボックス2aのパネルのビス穴2gにおいて、前記基枠体7の開口部7dにビス止めすることにより装着される。この装着においては、操作軸1の先端部の駆動歯車1aを、基枠体7に回転自在に支持されている円盤体CPの外周下面に形成された従動歯車6aに噛合させて取付けられる。
【0038】
(d)商品ケースGCについて、
商品ケースGCは、底部が全面解放された、ここでは透明板で形成した箱状体8により形成される。箱状体8は、その下端8aの外形が、前記基枠体7の上面外周に形成した前記箱状体8の取付溝7fに嵌まる形状を備えている。また、箱状体8の上面には、図示しないが、開閉自在の蓋を備えたカプセル投入口が形成されている。この箱状体8は通常、その下端部8aが前記基枠体7の取付溝7fに嵌まった状態で基枠体7にセットされており、カプセルCが上部の蓋付の投入口から投入、補充するようにして商品ケースGCを形成している。
【0039】
(e)カプセルCの落下を案内するフレキシブルなガイド部材FGについて、
ガイド部材FGは、一例としてフレキシブルな可撓管9により形成されており、一端(上端)側9aが、上記基枠体7の落下穴7cと一体の落下筒体71cに接続され、他端(下端)側9bが、後に説明する商品受取部材RCの商品(カプセルC)の導入口10aに接続されるものである。
【0040】
(f)商品受け取り部材RCについて、
商品受取部材RCは、前記ガイド部材FGの可撓管9の下端側9bに接続される略水平な筒状のカプセル導入口10aと該カプセル導入口10aに前方側において連通したカプセル受皿10bが、前記カプセル導入口10a、カプセル受皿10bの接合境界部に、後述するマシンパネルMPへの取付用の前後で2枚の取付用フランジ10c、10dを備えて形成されている。
【0041】
本発明においては、上述した(a)ハンドル操作部OHから(f)商品受取部材RCまでの構成を本発明に係る商品提供マシンGMの必須部材EMとし、この必須部材EMが、一例として
図2の側面図に示す態様で面状部材の一例であるマシンパネルMPに取付けられるので、この点について次に説明する。
【0042】
図2に示したマシンパネルMPは、地表面に対して5度前後の後方傾斜が付与されている。本発明においてマシンパネルMPの上記後傾角度は一例であって傾斜角はこの数値に限られるものではない。垂直姿勢のマシンパネルMPもある。
【0043】
上記マシンパネルMPは、自立のための構造を備えている。
図2の例では、側面から見て略門型のフレームFにより自立を達成している。即ち、このフレームFは、上端部が前記基枠体7に結合される上部横棧部材11aと下端部の水平な接地部材11bと、上部横棧部材11a、接地部材11bをそれらの前後において結合する前後の縦部材11cにより、側面から見て略々門型部材Mmを形成し、この門型部材Mmの2つを前記基枠体7の左右側に配し、左右の門型部材Mmを、図の例では左右の接地部材11b、11bにおいて貫材11dにより結合することによってフレームFを形成している。なお、11eは、接地部材11bの前端側に設けたマシンパネルMPの係止用凸部である。
【0044】
本発明は、
図2に例示した平坦な板状のマシンパネルMPに商品提供マシンGMにおける必須部材EMの1台分を、或いは2台部以上を横並びに配置して本発明のパネル型商品提供マシンGMの一例を構成することができる。
本発明は、複数台分の商品提供マシンGMの必須部材EMを1枚のマシンパネルMPに配置して形成されるパネル型であるから、例えばイベント会場のように多数台の商品提供マシンGMを設置する場合に比べ、マシン機材の準備、運搬、保管、組立て設置或いは撤去におけるスペース的な面や組立、分解手間の面等において大幅に有利になる。
【0045】
上記のようなパネル型にすることによるメリットは、
図5の(あ)〜(え)に平面態様で例示する形態の面状部材(マシンパネルMP)に商品提供マシンGMの必須部材EMを配置することにより、公知の商品提供マシンGMではなしえなかった複数台のマシン配置が可能になるので、多人数が同時に商品提供マシンGMを使用する場合であっても、マシンパネルMP上に良好な使用環境で必須部材EMを配置することができる。因みに、従来の筺体型で独立した商品提供マシンGMの複数台を並べると、プレーヤー同士の肩が触れ合うなど使い勝手の面で問題が生じていた。
【0046】
図5(あ)は、ヒンジHで折曲自在に連結した4枚のマシンパネルMPを平面視直線状に配し、4枚の各マシンパネルMPに、夫々に1台分のマシンGMの必須部材EMを配置した本発明パネル型商品提供マシンの例、
図5(い)は、
図4(あ)の4枚のマシンパネルMPを各ヒンジHにおいて平面から見て浅いジグザグ状に配置した例、
図5(う)は
図5(あ)の4枚のマシンパネルMPをヒンジHで四角形となるように曲げて配置した例、
図5(え)は、平面から見て円形の筒体の壁面を4分割した4枚のマシンパネルMPをヒンジHで繋いで平面から見て円形に配置した例、
図5(お)は
図5(え)の円形の4枚のマシンパネルMPを1本の線状に展開して配置した例である。
図5における1枚のマシンパネルMPの左右幅や平面形状(直線状や湾曲状)は図の例は一例であって、本発明は図の例に限られるものではない。また複数のマシンパネルMPの連結はヒンジHを介在しない連結であってもよい。
【0047】
また、
図5(あ)〜(う)において、使用するマシンパネルMPは4枚に限られるものではなく、2枚や3枚、或いは5枚以上など任意の枚数を用いてヒンジHを用いて又はヒンジHを介しないで繋げば、
図5の実施例よりも長い線状のマシンパネルMPのレイアウトや三角形や五角形等の任意の多角形のマシンパネルMPのレイアウトとすることができる。この点は、
図5(え)(お)における円形のマシンパネルMPを2分割や3分割、或いは5分割以上に分けて各分割されたマシンパネルMPをヒンジHを介して又は介さないで繋いでも、上記と同等の効果が得られる。
本発明では、マシンパネルMPに用いる面状部材を、大きな左右幅の1枚パネル、或は大きな内径の1個の筒状パネルとし、これらの1枚パネルや1個のパネルに複数台分の必須部材EMを設けて本発明の商品提供マシンの形態とすることが出来る。
【0048】
以上に説明した本発明のパネル型商品提供マシンにおいては、前記必須部材を配置したマシンパネルMP1〜MP4の表面、すなわち面状部材の表面には、何も配置されない余剰領域があるから、その余剰領域や余剰領域を含む面状部材の略全域を、メッセージ等の文字や記号を含む動画や静止画等の表示部として利用することが出来る。このような表示部にすると、従来の筐体型マシンでは不可能であった動画や静止画等による様々な表示や表現を、前記表示部に実現することができる。
前記表示部は、プロジェクションマッピングが可能なプロジェクタや映写機等の映写機器による表示手段によって面状部材の外面又は内面から投影される動画や静止画の表示形態のほか、前記マシンパネルP1〜P4に配置した有機ELや液晶等の薄型表示画面(フィルム状の柔軟表示画面を含む)による表示手段に表示させる動画や静止画による表示形態を採ることもできる。
【0049】
本発明は以上の通りであって、複数の商品提供マシンを面状に展開してスペース効率よく設置でき、しかも多人数のプレーヤーが互いに干渉することなく同時に複数台の商品提供マシンの操作を楽しむことができる。
【符号の説明】
【0050】
GM 商品提供マシン
EM 商品提供マシンの必須部材
C カプセル又は商品
MP マシンパネル
H ヒンジ
OH ハンドル操作部
1 操作軸
1a 駆動歯車
1b ハンドル
2 制御部
3 制御機構
4 作動板
5 逆転防止レバー
CP 円盤体
6 基礎円盤
6a 従動歯車
6b カプセル抽出穴
6c 軸受部
SB 支持基体
7 基枠体
7a 凹部
7b 支持軸部
7c 落下穴
71c 落下筒体
GC 商品ケース
8 箱状体
8a 箱状体の下端部
FG ガイド部材
9 可撓管
9a 上端側
9b 下端側
RC 商品受取部材
10a カプセル導入口
10b カプセル受皿
10c、10d 取付用フランジ