【解決手段】接合装置40は、袋体210をスパウト200に接合する接合装置40であって、スパウト200を保持するスパウト保持部26と、袋体210をスパウト200に対して位置決めする位置決め機構70と、袋体210の袋口212をスパウト200に接合する接合機構65と、を備え、位置決め機構70は、袋体210をスパウト200へ向けて移動させる袋体移動部95と、袋口212の端部214に当接する当接部122を有する当接部材120と、袋口212の端部214がスパウト200又は当接部材120へ当接した際の袋体210へ作用する力の一部を吸収する吸収機構103と、を有する。
前記当接部は、前記スパウトにおける前記袋体との当接面と同一の高さ又は前記当接面よりも低い位置に位置するように配置される、請求項1〜3のいずれかに記載の接合装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
袋内へスパウトの下部筒部を挿入する際は、袋の袋口の端部をスパウトに設けられた鍔部に当接させることにより、当該袋をスパウトに対して位置決めしている。このようなスパウトに対する袋の位置決めについて本件発明者らが鋭意検討を進めたところ、以下のような課題があることがわかった。
【0006】
例えばスパウト300を所定の位置に保持し、スパウト300の下方から、袋口312が上方に向けられた袋体310をスパウト300へ向けて上昇させ、袋口312の端部314をスパウト300に設けられた鍔部302に当接させると、袋口312の端部314における幅方向Dwの中央部314aの上下方向の位置は、鍔部302で規制される。その一方、袋口312の端部314における当該中央部314a以外の部分は、スパウト300の鍔部302で上下方向の位置が規制されず、これにより袋口312の端部314における幅方向Dwの側部314b,314cは、
図15に示されているように、鍔部302の下端304よりも上方に位置するようになる。このとき、袋口312の中央部314aには、袋口312の側部314b,314cにより上方へ向かって引っ張る力が作用する。これにより、
図16に示されているように、袋口312の中央部314aでは、袋口312の端部314がスパウト300から離れるめくれが生じ得る。
【0007】
この問題を解決するためには、カメラやセンサなどを用いて、袋とスパウトの位置を検出して袋の位置を制御することも考えられるが、袋又はスパウトが正常な位置に位置した際の信号に基づいて袋又はスパウトの昇降を止めても、制御部において当該信号を受け取る時間のロスなどにより、袋とスパウトの位置を安定させることは難しい。すなわち、袋又はスパウトの昇降停止までに生じるタイムラグにより、袋又はスパウトの位置がずれる。また、袋とスパウトの位置決めを高速で処理する際は、さらに安定させることが難しい。
【0008】
本発明は、以上の点を考慮してなされたものであり、簡単な構成で安定してスパウトと袋体との位置合わせを行うことができる接合装置及びスパウトシール機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による接合装置は、
袋体をスパウトに接合する接合装置であって、
前記スパウトを保持するスパウト保持部と、
前記袋体を前記スパウトに対して位置決めする位置決め機構と、
前記袋体の袋口をスパウトに接合する接合機構と、を備え、
前記位置決め機構は、前記袋体を前記スパウトへ向けて移動させる袋体移動部と、前記袋口の端部に当接する当接部を有する当接部材と、前記袋口の端部が前記スパウト又は前記当接部材へ当接した際の前記袋体へ作用する力の一部を吸収する吸収機構と、を有する。
【0010】
本発明による接合装置において、
前記袋体移動部は、前記袋体の底部を支持しながら前記袋体を前記スパウトに対して位置決めしてもよい。
【0011】
本発明による接合装置において、
前記当接部材は、前記スパウト保持部に対して一方側及び他方側に位置する少なくとも2つの当接部を有してもよい。
【0012】
本発明による接合装置において、
前記当接部は、前記スパウトにおける前記袋体との当接面と同一の高さ又は前記当接面よりも低い位置に位置するように配置されてもよい。
【0013】
本発明による接合装置において、
前記当接部は、前記袋口の端部に当接する当接位置と、前記当接位置から退避した退避位置と、の間を移動可能であってもよい。
【0014】
本発明による接合装置において、
前記位置決め機構は、前記袋体の側縁部をガイドするガイド部をさらに有し、
前記ガイド部は、前記側縁部に当接して前記側縁部をガイドするガイド位置と、前記ガイド位置から退避した退避位置と、の間を移動可能であってもよい。
【0015】
本発明によるスパウトシール機は、
上述の接合装置と、前記袋口をシールするシール装置と、を備え、
前記接合機構は、前記袋体の袋口を前記スパウトに対して仮接合するものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、簡単な構成で安定してスパウトと袋体との位置合わせを行うことができる接合装置及びスパウトシール機を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。
図1〜
図14は、本発明の一実施の形態を説明するための図である。このうち、
図1は、本実施の形態の接合装置40が組み込まれたスパウトシール機10の全体構成を示す斜視図である。
【0019】
スパウトシール機10は、スパウト供給装置12、袋供給装置14及び袋処理装置20を備える。
【0020】
スパウト供給装置12は、袋処理装置20の第1ステーション(スパウト供給部)S1にスパウト200を供給する装置である。
図1に示された例では、スパウト供給装置12はスパウト200を保持及び移送するためのレールを有しており、このレールに印加された振動を利用してスパウト200をレールの先端へ移送する。レールの先端に位置するスパウト200は、受渡し機構13によりレールから取り外され、袋処理装置20の第1ステーションS1に位置する後述のスパウト保持部26に渡される。
【0021】
袋供給装置14は、袋処理装置20の第2ステーション(空袋供給部)S2に袋体210を供給する装置である。袋供給装置14には、多数の袋体210が積層された状態で貯留されている。袋供給装置14に貯留されている各袋体210は、空袋であり、袋口212が閉じた状態で、当該袋口212を形成する側壁部(シート部材)どうしが対向して接している。袋供給装置14に貯留される袋体210は、吸盤等によって構成される袋取出部31により一枚ずつ保持され、当該袋取出部31から袋処理装置20の第2ステーションS2に位置するスパウト保持部26に渡される。
【0022】
本実施の形態の袋処理装置20は、接合装置40を備えている。接合装置40は、スパウト200を保持するスパウト保持部26と、袋体210をスパウト200に対して位置決めする位置決め機構70と、袋体210の袋口212をスパウト200に接合する接合機構65と、を備えている。以下、袋処理装置20について詳細に説明していく。
【0023】
図1に示された袋処理装置20は、スパウト200及び袋体210を起立姿勢で所定の軌道に沿って搬送する搬送機構22と、搬送機構22により搬送されるスパウト200及び袋体210に対して処理を行う複数の処理部(
図1に示された例では第1ステーションS1〜第10ステーションS10)とを備えている。搬送機構22は、間欠的に軸回転する搬送テーブル24と、当該搬送テーブル24の外周部に等間隔に取り付けられスパウト200を保持するための複数のスパウト保持部26と、を備える。なお
図1では、他の構成の理解を容易にするため、搬送テーブル24は透過して表されている。
図2及び
図3に示されているように、搬送テーブル24は、回転軸24aに取付けられている。回転軸24aの下部は図示しない駆動源に連結されており、駆動源からの駆動力を受けて回転軸24aが回転することにより、搬送テーブル24が間欠的に回転する。各スパウト保持部26は、搬送テーブル24径方向外側となる先端部が二股になっており、この二股部分をスパウト200の上下の鍔部202の間に入れて、スパウト200を支持するようになっている。これにより、各スパウト200及び袋体210はスパウト保持部26によって吊り下げ状態で保持及び搬送される。各スパウト保持部26は、搬送テーブル24とともに搬送方向(回転方向)D1に沿って間欠的に移動し、第1ステーションS1〜第10ステーションS10において間欠的に停止する。すなわち、袋体210は、所定の軌道に沿った移動及び停止を繰り返しながら搬送される。図示された例では、1つのステーションにおいて、同時に2つのスパウト200に対して処理を行うように構成されている。すなわち、1つのステーションに対応して2つのスパウト保持部26が設けられている。したがって、
図1のスパウトシール機10には、合計20のスパウト保持部26が設けられている。
【0024】
第1ステーション(スパウト供給部)S1では、受渡し機構13によりスパウト供給装置12からスパウト保持部26にスパウト200が渡される(スパウト供給工程)。第2ステーション(空袋供給部)S2では、袋取出部31によって袋供給装置14から袋体210が供給され、袋被せ機構により袋体210がスパウト200の一部に被せられる(空袋供給工程)。第3ステーション(仮接合部)S3では、接合装置40によって袋体210の袋口212がスパウト200に対して仮接合される(仮接合工程)。第4ステーション(第1シール部)S4及び第5ステーション(第2シール部)S5では、第1シール装置35及び第2シール装置37によって袋体210の袋口212がシールされる(第1シール工程及び第2シール工程)。第6ステーション(冷却部)S6では、冷却装置によって袋体210の熱シールされた袋口212が冷却される(シール部冷却工程)。第7ステーション(印字部)S7では、図示しない印字機構によって袋体210の表面に製造日、消費期限等の印字が行われる(印字工程)。第8ステーション(検査部)S8では、スパウト200と袋体210との間の取付け状態が検査される(検査工程)。検査工程では、例えばカメラで撮影された画像から取付け状態の良否を判定する。第9ステーション(製品排出部)S9では、検査工程で取付け状態が良と判定された製品を、図示しない製品排出コンベア等を用いて排出する。第10ステーション(不良品排出部)S10では、検査工程で取付け状態が不良と判定された製品を排出する。
【0025】
次に、
図2〜
図12を参照して、スパウトシール機10に組み込まれる接合装置40について説明する。本実施の形態では、接合装置40が第3ステーションS3において仮接合工程を行う例について説明するが、接合装置40の用途はこれに限られない。例えば、スパウトシール機10において仮接合工程が省略される場合には、接合装置40がシール工程(第1シール工程)を行うようにしてもよい。すなわち、接合装置40を用いて、袋体210のスパウト200に対する接合と、袋体210の袋口212のシールと、を同時に行うようにしてもよい。
【0026】
本実施の形態の接合装置40は、搬送テーブル24に取り付けられスパウト200を保持するスパウト保持部26と、袋体210を保持し、搬送テーブル24の回転すなわちスパウト200の移動に追従して袋体210を第2ステーションS2から第3ステーションS3へ移動させる袋体保持機構41と、袋体210をスパウト200に対して位置決めする位置決め機構70と、袋体210の袋口212をスパウト200に対して仮接合する接合機構65と、を備えている。接合装置40は、第2ステーションS2において袋供給装置14から袋体210を受け取るとともに袋被せ機構により袋体210の袋口212をスパウト200の一部に被せ、袋体210を袋体保持機構41により第2ステーションS2から第3ステーションS3へ搬送し、第3ステーションS3において、位置決め機構70により袋体210をスパウト200に対して位置決めして、この状態で接合機構65により袋体210をスパウト200に対して仮接合する。
【0027】
図2及び
図3を参照して、袋体保持機構41について説明する。
図2は、袋体保持機構41を袋体210の搬送方向D1に沿って見た図であり、
図3は、袋体保持機構41を上方から見た図である。
【0028】
以下、袋体保持機構41を構成する部材に42〜62の符号を付して説明する。搬送テーブル24に取り付けられた回転軸24aには、ベアリング43を介して中空軸42が回転軸24aと同軸に配置されている。中空軸42の下部は図示しない駆動源に連結されており、駆動源からの駆動力を受けて中空軸42が所定の角度範囲で往復回動するようになっている。この中空軸42には、搬送テーブル24の径方向に延びる第1揺動レバー44が取付けられており、中空軸42と第1揺動レバー44とが一体に回動する。第1揺動レバー44の下面側には、回転中心に近い側に後述の摺動軸48を摺動自在にガイドする摺動軸支持ブロック45が取付けられている。また、第1揺動レバー44の先端側には、後述のスライド部材49を摺動自在に支持するスライドレール46が取付けられている。
【0029】
符合47は進退プレートであり、その後端側に摺動軸48が取付けられ、上面側には前述のスライドレール46に嵌ってスライドレール46に沿って摺動自在となっているスライド部材49が取付けられている。スライドレール46とスライド部材49とは互いに嵌る溝と突条とを備え、それによりスライド部材49は摺動自在であると共にスライドレール46により支持されている。従って進退プレート47と摺動軸48とは一体的にスライドレール46に対して摺動可能である。進退プレート47と摺動軸支持ブロック45との間に圧縮バネ50が配設され、進退プレート47を搬送テーブル24の径方向外方へ向けて付勢している。
【0030】
進退プレート47の先端の下面には、支持ブロック51が進退プレート47に対して進退調整自在に取付けられている。支持ブロック51の先端には、吸盤52が取り付けられている。吸盤52は、仮シール工程において袋体210に吸着し、袋体210を保持するために用いられる。
【0031】
符合55は進退カムであり、進退カム55の一端側は支点軸56により水平面内で揺動自在に支承されている。そして中空のスタンド57内を、下端部において図示しない駆動源に連結され所定の角度範囲で往復回動する進退カム駆動軸58が延びており、その上端部に進退カム駆動軸58と一体回動するように第2揺動レバー59が取付けられ、第2揺動レバー59の外端部は連結ロッド60を介して進退カム55の他端部に連結されている。符合61はカム支持プレートであり、進退カム55がカム支持プレート61の上面に沿って摺動可能に支持されている。進退カム55は進退カム駆動軸58の回動により、
図3に実線で示される前進位置と、二点鎖線で示される後退位置とを取り得るが、前進位置にあるときに、カム面となる内周側の形状は、搬送テーブル24の中心(回転軸24aの中心)を中心とする円弧となるようになっている。進退プレート47の下面側には、カムローラ62を回転可能に支持するカムローラ取付け用軸部63が設けられている。カムローラ62は、圧縮バネ50の作用により常時進退カム55の内周側に押付けられている。
【0032】
接合機構65は、袋体保持機構41に保持された袋体210の袋口212に接触するシール位置と袋口212から退避した退避位置との間で移動可能に構成された熱板66を備えている。熱板66の内部には図示しない加熱機構が設けられている。加熱機構としては、一例として通電することにより発熱する電熱線等を用いることができる。仮シール工程では、加熱機構により加熱された熱板66を袋体210の袋口212に接触させて、袋口212における袋体210の一部、例えば袋体210の内側に位置する層(内面層)、を溶融させ、これにより袋口212をスパウト200に対して固定(仮シール)する。
【0033】
次に、
図4〜
図8を参照して、接合装置40の位置決め機構70について説明する。
図4は、位置決め機構70を袋体210の搬送方向D1に沿って見た図であり、
図5は、位置決め機構70を袋体210のシート面と垂直な方向に沿って見た図であり、
図6は、位置決め機構70を上方から見た図であり、
図7及び
図8は、位置決め機構70の当接部材120について説明するための図である。
【0034】
位置決め機構70は、袋体210をスパウト200へ向けて移動させる底部位置決め機構(袋体移動部)95と、袋体210の袋口212の端部214に当接する当接部122を有する当接部材120と、を有する。とりわけ本実施の形態では、位置決め機構70は、側部位置決め機構73と、袋体移動部をなす底部位置決め機構95と、当接機構110と、を含んでいる。以下、順に説明する。
【0035】
符合72は位置決め機構70のフレームであり、フレーム72は、垂直プレート部72aと、垂直プレート部72aの上端部から水平方向に延びる上プレート部72bと、垂直プレート部72aの下端部から上プレート部72bと反対方向に延びる取付け部72cと、を備えている。フレーム72は、取付け部72cにおいて、基台5に設置されたスタンド7に取り付けられている。
【0036】
以下、側部位置決め機構73を構成する部材に74〜92の符号を付して説明する。フレーム72の上プレート部72bの上面には、進退用エアシリンダ74が取付けられている。進退用エアシリンダ74のロッド74aの先端にはブラケット75が取り付けられ、ブラケット75の上に進退ブロック76が固定されている。これによりブラケット75及び進退ブロック76は、進退用エアシリンダ74の動作により前後進するようになっている。進退ブロック76には、進退ブロック76の移動方向に対し直角の方向に二本のガイド軸77と、調整ネジ軸78が挿通されている。ガイド軸77の両端部には、ガイド軸77に沿って移動可能に左右の調整ブロック79,80が取り付けられている。調整ネジ軸78はその中央部分で進退ブロック76に挿通され、進退ブロック76対して回転は可能であるが軸方向の移動はできないようになっている。そしてその両端側には逆向きのネジが刻まれ、それぞれ左右の調整ブロック79,80に刻まれた雌ネジに螺合している。調整ネジ軸78の一端側端部にはハンドル78aが取付けられており、このハンドル78aを一方に回転させることにより、左右の調整ブロック79,80は互いに近づき、ハンドル78aを他方に回転させることにより、左右の調整ブロック79,80は互いに離れるようになっている。
【0037】
調整ブロック79,80の上面側には、左右の開閉レバー81,82が水平面で回動可能に支持軸81a,82aによりそれぞれ支承され、開閉レバー81,82の軸嵌合部の内側側面に、それぞれ左右の位置決め部材取付けプレート83,84が進退用エアシリンダ74と反対方向へ延びて取り付けられ、その先端にそれぞれ、V字型の断面を有するサイド位置決め部材85,86が取付けられている。サイド位置決め部材85,86は、袋体210の側縁部216をガイドするガイド部を構成する。
【0038】
開閉レバー81,82の互いに近づくように延びたアーム部の先端には、それぞれ左右の回転ローラ87,88が水平面で回動可能に取付けられている。そして、進退ブロック76の上に取付けられた開閉用エアシリンダ89のロッド先端に取付けられたロッド保持部材90により保持された、左右に伸びる駆動ロッド91が、回転ローラ87,88の円周方向に形成された溝に係合している。符合92は左右の位置決め部材取付けプレート83,84に作用する引張りばねである。したがって、開閉用エアシリンダ89が作動することにより、位置決め部材取付けプレート83,84は互いに反対方向に回動し、サイド位置決め部材85,86は互いに近づき、あるいは離れるようになっている。これにより、ガイド部をなすサイド位置決め部材85,86は、袋体210の側縁部216に当接して当該側縁部216をガイドするガイド位置と、ガイド位置から退避した退避位置と、の間を移動することが可能になっている。
【0039】
このようなガイド部(サイド位置決め部材)85,86によれば、袋体210の側縁部216をガイドした状態でスパウト200への袋体210の位置決めを行うことができるので、高い位置決め精度を確保しながら安定した位置決めを行うことができる。
【0040】
次に底部位置決め機構(袋体移動部)95を構成する部材に96〜104の符号を付して説明する。底部位置決め機構(袋体移動部)95は、袋体210の底部を支持しながら袋体210をスパウト200に対して位置決めする機構である。とりわけ、底部位置決め機構95は、スパウト200の袋体210への挿入方向(本実施形態では鉛直方向)に沿った、袋体210のスパウト200に対する位置決めを行う。符号96は、スタンド7内に挿通され、エアシリンダ等の図示しない駆動源に連結された昇降軸である。昇降軸96の上端部には、昇降ブラケット97がその水平部97aにおいて取付けられ、駆動源が動作することにより、昇降軸96及び昇降ブラケット97が上下動するようになっている。水平部97aの先端部には、スタンド7の上端部に設けられ水平方向に延びる延出部7aの上面に立設されたガイド軸98がブッシュ99を介して挿通され、昇降ブラケット97の回り止めをするとともに上下動のガイドをしている。
【0041】
昇降ブラケット97の垂直部97bには、ボトム位置決め部材取付けプレート100が高さ方向調整可能に取付けられている。そしてボトム位置決め部材取付けプレート100に固定された支持ブロック101に、上側にV字型の窪み102aを備えたボトム位置決め部材102が水平軸104周りに回動可能に取り付けられている。符合103は支持ブロック101とボトム位置決め部材102との間に配設された圧縮バネであり、ボトム位置決め部材102を
図4においては、水平軸104を中心とする時計回り方向へ付勢している。自由状態では
図4に示す状態より若干時計方向に回った位置にある。底部位置決め機構95が圧縮バネ103を有していることにより、袋体210の袋口212の端部214がスパウト200又は当接部材120へ当接し、袋体210に、スパウト200又は当接部材120へ押し付ける向きに過剰な力が作用した際に、圧縮バネ103がさらに圧縮されることにより当該力の一部を吸収することができる。すなわち、圧縮バネ103は、袋体210の袋口212の端部214がスパウト200又は当接部材120へ当接した際の、袋体210へ作用する力の一部を吸収する吸収機構を構成する。
【0042】
次に当接機構110を構成する部材に111〜122の符号を付して説明する。符号111は、基台5に設置されたスタンドである。スタンド111内には昇降軸113が挿通されており、昇降軸113はベアリング112を介してスタンド111に支持されている。昇降軸113の下端部はエアシリンダ等の図示しない駆動源に連結されている。昇降軸113の上端部には、アーム部114が取付けられている。アーム部114はその一端側で昇降軸113の上端部に連結され、他端側で取付け部材115に連結されている。
【0043】
取付け部材115の下面には、当接部材120が取り付けられている。当接部材120の下面は、袋体210の袋口212の端部214に当接する当接部122を構成する。
袋口212の端部214は、幅方向Dwに沿った中央部214aと側部214b,214cとを、含んでいる。本実施の形態では、中央部214aがスパウト200の当接面204に当接することにより、袋体210がスパウト200に対して位置決めされる。当接部材120は、袋体210をスパウト200に対して位置決めする際に、袋口212の端部214における幅方向Dwの側部214b,214cに当接部122が当接することにより、端部214の変形を抑制し、袋口212の中央部214aにおいて袋口212の端部214がスパウト200から離れるめくれの発生を抑制する機能を有する。
【0044】
本実施の形態では、
図7及び
図8によく示されているように、当接機構110は、スパウト保持部26に対して一方側及び他方側に位置する2つの当接部材120を有している。換言すると、当接機構110は、スパウト保持部26に対して一方側及び他方側に位置する2つの当接部122を有している。なお、これに限られず、当接部材120(当接部122)は、1つだけ設けられてもよいし、3つ以上設けられてもよい。好ましくは、当接部材120は、袋体210の幅方向Dw(搬送方向D1)に沿って、スパウト保持部26の一方側及び他方側に設けられる。この場合、スパウト保持部26の一方側に設けられた当接部122の高さと、スパウト保持部26の他方側に設けられた当接部122の高さとを同一に設定することにより、袋口212の端部214が各当接部122に当接した際における側部214bと側部214cとの高さを揃えることができ、袋体210が傾いた状態でスパウト200に対して位置決めされることを抑制することができる。
図7及び
図8に示された例では、当接部材120は、袋体210の幅方向Dwに沿って、スパウト保持部26の一方側及び他方側に1つずつ設けられている。
【0045】
当接部122は、スパウト200における袋体210との当接面204と同一の高さ又は当接面204よりも低い位置に位置するように配置される。図示された例では、スパウト200に設けられた鍔部202の下面を当接面204として利用する。したがって、当接部122は、少なくとも袋体210をスパウト200に対して位置決めする際には、スパウト200がスパウト保持部26に保持された状態における鍔部202の下面と同一の高さ又は当接面204よりも低い位置に位置するように配置される。これにより、袋体210をスパウト200に対して位置決めする際に、袋口212の端部214の変形をより効果的に抑制し、袋口212の中央部214aにおけるめくれの発生をさらに効果的に抑制することが可能になる。
【0046】
昇降軸113は、図示しない駆動源が動作することにより、上下動するようになっている。これにより、昇降軸113、アーム部114、取付け部材115及び当接部材120は、一体に上下動する。これにより、当接部122は、袋口212の端部214に当接する当接位置と、当接位置から退避した退避位置と、の間を移動可能である。一例として、昇降軸113が最も下降した際に、当接部材120の当接部122が、当接位置として、スパウト200における袋体210との当接面204と同一の高さ又は当接面204よりも低い位置に位置するようにすることができる。また、昇降軸113が最も上昇した際に、当接部122が、退避位置として、当接部材120がスパウト保持部26に保持されたスパウト200と干渉しない高さに位置するようにすることができる。
【0047】
次に、
図9〜
図14を参照して、接合装置40の動作について説明する。本実施の形態の接合装置40を用いた接合方法は、袋被せ工程と、当接部材移動工程と、袋体位置決め工程と、接合工程とを有する。以下、各工程について順に説明する。
【0048】
〔袋被せ工程〕
第2ステーションS2において、袋被せ機構によりスパウト200の下部筒部(鍔部202よりも下方の部分)へ袋体210が被せられる。この際、袋体保持機構41の進退プレート47は、第2ステーションS2に位置している。進退カム55は後退位置にあり、これにより進退プレート47も後退した位置にある。そして、袋被せ機構でスパウト200へ袋体210が被せられると、進退カム駆動軸58が所定の方向に所定角度回転し、進退カム55を支点軸56回りに回転させて前進位置に移動させる。これにより圧縮バネ50により付勢されて進退プレート47が前進し、支持ブロック51を介して進退プレート47に取り付けられた吸盤52が袋体210に吸着し、袋体210を保持する(
図9参照)。この状態で搬送テーブル24が1工程分回転し、これに追従して第1揺動レバー44も同一回転速度で回転し、スパウト200及び袋体210を次の第3ステーションS3へ移動させて停止させる。
【0049】
〔当接部材移動工程〕
搬送テーブル24が停止すると、位置決め機構70によりスパウト200に対して袋体210が位置決めされる。具体的には、まず当接部材120の当接部122が、退避位置から当接位置へ移動する。すなわち、当接機構110の昇降軸113が下降し、これにともなって当接部材120も下降する。これにより当接部122が下降して当接位置へ移動する。次に、位置決め機構70の側部位置決め機構73のサイド位置決め部材85,86が互いに遠ざかった状態で前進する(
図10参照)。
【0050】
〔袋体位置決め工程〕
次いで進退カム55が後退位置へ移動させられ、吸盤52が後退する。それに合わせてサイド位置決め部材85,86が互いに近づいて袋体210の側縁部216を保持して位置決めし、同時に底部位置決め機構95のボトム位置決め部材102が上昇して袋体210の底部を支持して位置決めする(
図11参照)。
【0051】
このとき、当接部材120の当接部122が当接位置に位置しているので、袋体210をスパウト200に対して位置決めする際に、
図13に示されているように、袋口212の端部214における幅方向Dwの側部214b,214cに当接部122が当接し、端部214の変形が抑制される。これにより、
図14に示されているように、袋口212の中央部214aにおいて袋口212の端部214がスパウト200から離れるめくれの発生が抑制される。
【0052】
なお、袋体210の袋口212の端部214がスパウト200又は当接部材120へ当接した際に、袋体210に、スパウト200又は当接部材120へ押し付ける向きに過剰な力が作用する場合があり得る。本実施の形態の底部位置決め機構95は、袋体210へ作用する過剰な力の一部を吸収する圧縮バネ(吸収機構)123を有しているので、圧縮バネ103がさらに圧縮されることにより当該力の一部が吸収される。
【0053】
〔接合工程〕
スパウト200に対して袋体210が位置決めされると、待機していた接合機構65の熱板66が袋体210の袋口212に向かって移動し、スパウト200と袋体210との仮接合が行なわれる(
図12参照)。具体的には、袋体210における、熱板66により溶融された内面層で、袋体210とスパウト200とを互いに仮接合する。次いで熱板66が袋体210から離れ、袋体保持機構41及び位置決め機構70が所定の運動をして初期位置へ戻る。
【0054】
本実施の形態の接合装置40は、袋体210をスパウト200に接合する接合装置40であって、スパウト200を保持するスパウト保持部26と、袋体210をスパウト200に対して位置決めする位置決め機構70と、袋体210の袋口212をスパウト200に接合する接合機構65と、を備え、位置決め機構70は、袋体210をスパウト200へ向けて移動させる袋体移動部95と、袋口212の端部214に当接する当接部122を有する当接部材120と、袋口212の端部214がスパウト200又は当接部材120へ当接した際の袋体210へ作用する力の一部を吸収する吸収機構103と、を有する。
【0055】
このような接合装置40によれば、袋体210をスパウト200に対して位置決めする際に、袋口212の端部214における幅方向Dwの側部214b,214cに当接部材120の当接部122が当接する(
図13参照)ことにより、端部214の変形を抑制し、袋口212の中央部214aにおいて袋口212の端部214がスパウト200から離れるめくれの発生を効果的に抑制することができる(
図14参照)。したがって、当接部材120を設置するという簡単な構成により、安定してスパウト200と袋体210との位置合わせを行うことができる。また、袋体210の袋口212の端部214がスパウト200又は当接部材120へ当接し、袋体210に、スパウト200又は当接部材120へ押し付ける向きに過剰な力が作用した際に、吸収機構(圧縮バネ)103により当該力の一部を吸収することができる。これにより、袋体210に作用する過剰な力により袋体210が変形し、スパウト200に対する位置決め精度が損なわれることを抑制することができる。
【0056】
本実施の形態の接合装置40では、袋体移動部95は、袋体210の底部を支持しながら袋体210をスパウト200に対して位置決めする。
【0057】
このような接合装置40によれば、袋体210の底部を支持するための支持装置を、袋体210を移動させて位置決めする位置決め手段として機能させることができるので、袋体210の支持装置と位置決め手段とを別の装置として構成する場合と比較して、位置決め機構70の構造を簡単にすることができる。
【0058】
本実施の形態の接合装置40では、当接部材120は、スパウト保持部26に対して一方側及び他方側に位置する少なくとも2つの当接部122を有する。
【0059】
このような接合装置40によれば、袋口212の端部214が各当接部122に当接した際における側部214bと側部214cとの高さを揃えることができ、袋体210が傾いた状態でスパウト200に対して位置決めされることを抑制することができる。
【0060】
本実施の形態の接合装置40では、当接部122は、スパウト200における袋体210との当接面204と同一の高さ又は当接面204よりも低い位置に位置するように配置される。
【0061】
当接部122が、スパウト200における袋体210との当接面204と同一の高さに位置している場合、袋口212の端部214が各当接部122に当接した際に、スパウト200の当接面204と袋口212の端部214の中央部214aとが正確に位置合わせされて接するようになる。また、当接部122が、スパウト200における袋体210との当接面204よりも低い位置に位置している場合、袋口212の端部214が各当接部122に当接した際に、スパウト200の当接面204と袋口212の端部214の中央部214aとの間にわずかな隙間を形成して、袋体210をスパウト200に対して位置決めされる。これにより、袋口212の端部214の中央部214aにめくれが生じることをさらに効果的に抑制することが可能になる。
【0062】
本実施の形態の接合装置40では、当接部122は、袋口212の端部214に当接する当接位置と、当接位置から退避した退避位置と、の間を移動可能である。
【0063】
このような接合装置40によれば、スパウト200及び袋体210を搬送方向D1に沿って搬送する際に、当接部材120(当接部122)を、スパウト保持部26、スパウト200及び袋体210等の搬送軌跡に干渉しない位置まで退避させることができる。これにより、1組の当接部材120で、接合装置40でスパウト200への接合が行われる全ての袋体210の位置決めを行うことができる。したがって、各スパウト保持部26に対応してスパウト保持部26と同数の組の当接部材120を設ける場合と比較して、当接部材120の設置コストを低減させることができる。また、スパウトや袋体の種類が変更された際等、当接位置における当接部122の位置を調整する場合にも、1組の当接部材120について調整を行うだけで良いので、調整時間を短縮することができる。
【0064】
本実施の形態の接合装置40では、位置決め機構70は、袋体210の側縁部216をガイドするガイド部85,86をさらに有し、ガイド部85,86は、側縁部216に当接して側縁部216をガイドするガイド位置と、ガイド位置から退避した退避位置と、の間を移動可能である。
【0065】
このような接合装置40によれば、袋体210の側縁部216をガイドした状態でスパウト200への袋体210の位置決めを行うことができるので、高い位置決め精度を確保しながら安定した位置決めを行うことができる。
【0066】
本実施の形態のスパウトシール機10は、上述の接合装置40と、袋口212をシールするシール装置35,37と、を備え、接合機構65は、袋体210の袋口212をスパウト200に対して仮接合するものである。
【0067】
このようなスパウトシール機10によれば、接合装置40によってスパウト200に対して袋体210を位置決めして仮接合した後にシール装置35,37において袋口212をシール(本シール)することができるので、シール装置35,37においてスパウト200と袋体210との位置決めを行う必要がなく、シール工程を、簡単な構成のシール装置35,37を用いて行うことが可能になる。