特開2020-59922(P2020-59922A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2020-59922モリブデン−ケイ素−ホウ素合金及びその製造方法、並びに構成要素
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-59922(P2020-59922A)
(43)【公開日】2020年4月16日
(54)【発明の名称】モリブデン−ケイ素−ホウ素合金及びその製造方法、並びに構成要素
(51)【国際特許分類】
   C22C 27/04 20060101AFI20200319BHJP
   B22F 3/105 20060101ALI20200319BHJP
   B22F 3/16 20060101ALI20200319BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20200319BHJP
   B33Y 70/00 20200101ALI20200319BHJP
   B33Y 80/00 20150101ALI20200319BHJP
【FI】
   C22C27/04 102
   B22F3/105
   B22F3/16
   B33Y10/00
   B33Y70/00
   B33Y80/00
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2019-228442(P2019-228442)
(22)【出願日】2019年12月18日
(62)【分割の表示】特願2017-560964(P2017-560964)の分割
【原出願日】2016年4月27日
(31)【優先権主張番号】102015209583.5
(32)【優先日】2015年5月26日
(33)【優先権主張国】DE
(71)【出願人】
【識別番号】517298149
【氏名又は名称】シーメンス アクティエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル・オット
(72)【発明者】
【氏名】セバスティアン・ピーゲルト
【テーマコード(参考)】
4K018
【Fターム(参考)】
4K018AA22
4K018BA09
4K018BB04
4K018CA44
4K018EA51
4K018EA60
4K018KA12
(57)【要約】
【課題】特定のモリブデン−ケイ素−ホウ素合金、その製造方法および構成要素を提供する。
【解決手段】特定の繊維−マトリクス構造を有する構成要素が、特定のモリブデン−ケイ素−ホウ素合金を使用し、および特定の製造方法を実行することにより得ることができる。前記構成要素は、高温用途で使用することができ、および費用効果的に製造することができる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物Mo−(x)Si−(y)B−(z)Zrを有するモリブデン−ケイ素−ホウ素合金であって、
x=3原子%から19原子%、
特に、x=13原子%から18原子%、
y=1原子%から13原子%、
特にy=8原子%から12原子%、および
任意的に、z=0.5原子%から2原子%のジルコニウム(Zr)、
特に1原子%のジルコニウム(Zr)、
とりわけ、Mo−Si−Bおよび任意的にジルコニウムからなる、モリブデン−ケイ素−ホウ素合金。
【請求項2】
モリブデン−ケイ素ホウ化物からなる、特に、請求項1に記載の合金からなる構成要素を製造する方法であって、
粉末が層状に適用され、エネルギービーム、特にレーザービームによって選択的に緻密化される、付加製造工程が使用される、方法。
【請求項3】
使用される粉末のほとんど、特に少なくとも80%までは、10μmから60μmの範囲にある粒子サイズを有しており、および/または
前記粉末は、特に、ガス噴霧化されているか、粉砕されており、および/または
基板とエネルギービームとの間で、400mm/sから2000mm/s、特に、1000mm/sから1500mm/sの走査速度が使用され、および/または、
80Wから250W、特に100Wから170Wのエネルギービーム、特に、レーザービームの出力が使用される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
特に、請求項1に記載の合金からなる、
とりわけ、請求項2または3に記載の方法によって製造される構成要素であって、
特に、繊維−マトリクス構造を有するモリブデン−ケイ素ホウ化物合金を含み、
特に、Moss/MoSiB/MoSiの相を含む、構成要素。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定のモリブデン−ケイ素−ホウ素合金、製造方法および構成要素に関連している。
【背景技術】
【0002】
Mo−(x)Si−(y)B合金は、古典的なニッケル基超合金の応用範囲を凌いで、ガスタービン用の高温ガス構成要素を製造するための潜在的な好機を示している。これらの合金は、1973Kの高温ガス温度まで、被覆と共に2073Kまでの応用範囲を提供している。従って、これまでに使用されていた合金と比較して、効率の対応する増大に関連して、300Kまでの範囲での使用の拡張が可能である。
【0003】
これらの合金の工程は、粉末冶金工程またはゾーン溶融法によって実行することができる。ゾーン溶融法は、発生する温度勾配のために、1273Kを超える温度で優れたクリープ特性に起因して、素晴らしい繊維−マトリクス構造の形成をもたらす。
【0004】
しかしながら、両者の工程は、単純な試験片の形成のみを可能としており、これらの合金の可能性は現在利用することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明の目的は、上記の問題を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
その目的は、請求項1に記載の合金、請求項2に記載の方法および請求項4に記載の構成要素によって達成される。
【発明を実施するための形態】
【0007】
新規なMo−Si−B合金は、選択的レーザー溶融(SLM)などのような付加製造(AM)工程によって処理することが提案されている。さらに、エネルギービーム、例えばレーザービームによる処理は、粉体層における外向きの熱伝導条件と併せて、個々の相がMoss/MoSiB/MoSi構造として存在する繊維−マトリクス構造の任意的な所望の形成にさらに有利である、温度伝導勾配の形成を可能にしている。
【0008】
ジルコニウム(Zr)(0.5原子%〜2原子%)の任意の合金化導入は、合金または構成要素の破壊靭性を有利に増加させる。
【0009】
さらに、AM工程は、粉末冶金工程と比較して、酸素が加工製品から非常に大きく遠ざけられるという利点を提供する。これは、材料特性に良い影響を与える。
【0010】
AM工程による製造に対する処理データは、有利的には、以下の通りである。
合金:Mo−(x)Si−(y)B、
ここで、x=3から19原子%、y=1から13原子%、
好ましくは、x=13から18原子%、y=8から12原子%、
ジルコニウム(Zr)の任意の添加 z=0.5原子%から2原子%、
好ましくは、z=1原子%、
粒子サイズ:10から60μm、ガス噴霧されたかまたは粉砕されており、
可能なプロセスウィンドウとして:
走査速度:400mm/sから2000mm/s
好ましくは1000mm/sから1500mm/s、
レーザー出力:80Wから250W、
好ましくは100から170Wである。
【手続補正書】
【提出日】2020年1月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物Mo−(x)Si−(y)B−(z)Zrおよび不可避不純物からなるモリブデン−ケイ素−ホウ素合金またはMo−(x)Si−(y)B−(z)Zrからなるモリブデン−ケイ素−ホウ素合金から構成される構成要素を製造する方法であって、
粉末が層状に適用され、エネルギービームによって選択的に緻密化される、付加製造工程が使用され、
x=13原子%から18原子%、
y=8原子%から12原子%、および
z=0.5原子%から2原子%のジルコニウム(Zr)であることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記粉末は、10μmから60μmの範囲にある粒子サイズを有しており、前記粉末は、ガス噴霧化されているか、粉砕されており、および基板とエネルギービームとの間で、400mm/sから2000mm/sの走査速度が使用され、並びに/または、
80Wから250Wのエネルギービームの出力が使用される、請求項に記載の方法。
【請求項3】
求項1または請求項2に記載の方法により製造され、
維−マトリクス構造を有するモリブデン−ケイ素ホウ化物合金を含み、
ss/MoSiB/MoSiの相を含む、構成要素。
【外国語明細書】
2020059922000001.pdf