【解決手段】歯科技工物の受発注システム1は、歯科医院毎に設けられる歯科医院インタフェース部100と、歯科技工所毎に設けられる歯科技工所インタフェース部200と、を有する。歯科医院インタフェース部100は、歯科技工物毎の納期が、複数の前記歯科技工所毎に定義された納期格納部102Aと、営業日が、複数の前記歯科技工所毎に定義された営業日格納部103と、発注したい前記歯科技工物の入力を受け付け、前記納期格納部および前記営業日格納部を参照し、前記発注に対応可能な前記歯科技工所を表示し、発注先とする前記歯科技工所の選択を受け付ける納期カレンダー表示部101と、を有することを特徴とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、歯科医院と歯科技工所との間における歯科技工物の受発注業務には、依然として以下のような課題が残っている。
【0006】
(1)納期の計算が煩雑である。
一般に、歯科技工所は納期計算に関する様々なルールを有している。典型的には、所定の時刻までに回収したオーダーに関しては中N日(Nは回収日と納品日とを除く実質的な製作日数を示し、歯科技工物の種類等に応じて定義される)、当該時刻以降に回収したオーダーに関しては中N+1日で納品するなどのルールである。歯科医院にとって、歯科技工所がそれぞれ定めるこれらのルールを理解して納期を推定することは、煩雑であり、間違いも生じやすい。そのため、歯科医院が患者に対して間違った納期を案内してしまったり、そのような事態に対処するため歯科技工所が無理な納期で歯科技工物を納品せざるを得なくなったりするなどの問題が生じていた。
【0007】
(2)納品日の決定が煩雑である。
歯科医院、歯科技工所はそれぞれ予め定められた営業日を有する。納品日を決定するにあたっては、互いの休日を避けて適切な営業日を選ばねばならない。歯科医院及び歯科技工所にとって、互いの営業日を理解して納品日を特定することは、煩雑であり、間違いも生じやすい。
【0008】
(3)複数の歯科技工所を比較することが煩雑である。
歯科医院が複数の歯科技工所と取引している場合は、患者のスケジュール等に応じて、最適な納期で歯科技工物を製作できる歯科技工所を選択したいというニーズがある。しかしながら、従来は上記(1)(2)のような作業を歯科技工所毎に行う必要があり、複数の歯科技工所の納期を比較することは大変に煩雑であった。また、納期とともにコストを比較したいというニーズがあるが、これに応えるツールも提供されていない。
【0009】
(4)オンラインでの指示書授受を行わない歯科医院や歯科技工所に対応できない。
オンラインシステムによる指示書授受を行わない歯科医院や歯科技工所もある。このような場合は、従来のように歯科技工所の営業員が回収の有無にかかわらず歯科医院を巡回する必要があり、営業及び物流コストを最適化できない。
【0010】
本発明はこのような問題を解決するためになされたものであり、歯科技工物の受発注にかかる情報を容易に認識することが可能な歯科技工物の受発注システム、受発注方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一実施の形態にかかる歯科技工物の受発注システムは、歯科医院毎に設けられる歯科医院インタフェース部と、歯科技工所毎に設けられる歯科技工所インタフェース部と、を有する歯科技工物のシステムであって、前記歯科医院インタフェース部は、歯科技工物及び本数毎の納期が、複数の前記歯科技工所毎に定義された納期格納部と、営業日が、複数の前記歯科技工所毎に定義された営業日格納部と、発注したい前記歯科技工物及び前記本数の入力を受け付け、前記納期格納部および前記営業日格納部を参照し、前記発注に対応可能な前記歯科技工所を表示し、発注先とする前記歯科技工所の選択を受け付ける納期カレンダー表示部と、を有することを特徴とする。
本発明の一実施の形態にかかる歯科技工物の受発注システムは、前記歯科技工所インタフェース部は、複数の前記歯科医院と、前記歯科医院の訪問順序とを定義した巡回ルートを表示する巡回ルート表示部を有し、前記巡回ルート表示部は、発注が存在する前記歯科医院を抽出して前記巡回ルートに含めることを特徴とする。
本発明の一実施の形態にかかる歯科技工物の受発注システムは、前記納期格納部は、歯科技工物毎及び納期毎の納期を、複数の前記歯科技工所毎に定義しており、前記納期カレンダー表示部は、発注したい前記歯科技工物及び前記本数の入力を受け付け、前記納期格納部および前記営業日格納部を参照し、前記発注に対応可能な前記歯科技工所を表示し、発注先とする前記歯科技工所の選択を受け付けることを特徴とする。
本発明の一実施の形態にかかる歯科技工物の受発注システムは、前記納期カレンダー表示部は、前記発注に対応可能な前記歯科技工所とともに、前記歯科技工所の評価を示す情報又は製作料金を表示することを特徴とする。
本発明の一実施の形態にかかる歯科技工物の受発注方法は、歯科医院インタフェース部が、発注したい前記歯科技工物及び前記本数の入力を受け付けるステップと、歯科技工物及び本数毎の納期が、複数の前記歯科技工所毎に定義された納期格納部と、営業日が、複数の前記歯科技工所毎に定義された営業日格納部と、を参照し、前記発注に対応可能な前記歯科技工所を表示するステップと、発注先とする前記歯科技工所の選択を受け付けるステップと、を有することを特徴とする。
本発明の一実施の形態にかかるプログラムは、上記方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、歯科技工物の受発注にかかる情報を容易に認識することが可能な歯科技工物の受発注システム、受発注方法及びプログラムを提供することが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本発明の実施の形態にかかる歯科技工物の受発注システム1は、典型的にはCPU(中央演算処理装置)、記憶装置、入出力装置、通信装置等を備えた1以上の情報処理装置により構成される。CPUが記憶装置に格納されたプログラムを実行することにより、
図1に示すような各処理部が論理的に実現される。これらの処理部は、1つのコンピュータ上に全てが実装されても良く、1以上のサーバ、及びサーバと通信可能に接続された歯科医院側クライアント及び歯科技工所側クライアントに、任意の処理部が分散して実装されても良い。サーバは、例えばクラウド、フォグ又はエッジコンピューティング環境におけるものなど、種々の公知技術に基づいて構築されたものであって良い。クライアントは、パーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォンなど種々の公知の端末装置であって良い。
【0015】
図1は、歯科技工物の受発注システム1の機能構成を示すブロック図である。歯科技工物の受発注システム1は、歯科医院インタフェース部100、歯科技工所インタフェース部200を有する。歯科医院インタフェース部100は、主に歯科医院のユーザ(歯科医師や事務員等)が利用する機能を提供する。歯科技工所インタフェース部200は、主に歯科技工所のユーザ(歯科技工士や事務員等)が利用する機能を提供する。
【0016】
歯科医院インタフェース部100は、納期カレンダー表示部101、納期格納部102A、料金格納部102B、評価格納部102C、営業日格納部103、指示書発行システム連携部104、出力部105、評価設定部106を有する。
【0017】
納期カレンダー表示部101は、発注したい歯科技工物と希望納期との指定を受け付けて、歯科技工物を納品可能な歯科技工所を表示する。
図2に、納期カレンダー表示部101が提供する設定画面の一例を示す。納期カレンダー表示部101は、複数の種類(「架工」「義歯」「インプラント」「矯正」など)に分類された歯科技工物名のリストを保持している。例えば、種類「架工」の下には「インレー」「コア」「クラウン」・・・等の歯科技工物名が分類される。歯科医院のユーザは、これらのリストから発注したい歯科技工物名を選択する。また、発注したい本数を入力する。例えば、「架工」「インレー」「1本」などと発注内容を入力する。また、歯科医院のユーザは、カレンダー状の入力画面で発注日及びセット日(納品期限)を入力する。発注日は、典型的には本画面で入力を行う日である。セット日は、患者に歯科技工物を提供する日であり、換言すれば歯科技工物の納品期限である。セット日は、日付に加えて時刻を入力できるようにしても良い。時刻は、厳密な納品期限を示す参考情報として歯科技工所に提供される。
【0018】
納期カレンダー表示部101は、後述の納期格納部102A及び営業日格納部103を参照し、以下の条件に合致する歯科技工所を抽出してリストに表示する。
指定された歯科技工物名及び本数の納期 < 発注日からセット日までの日数 − 発注日からセット日までの間の休日の数
【0019】
納期カレンダー表示部101は、後述の料金格納部102Bを参照し、抽出した歯科技工所により予め設定された、指定された歯科技工物名及び本数に対応する製作料金を取得しても良い。
なお、納期カレンダー表示部101は、後述の指示書発行システム連携部104から製作料金を取得しても良い。指示書発行システムとは、詳細な仕様を指定して歯科技工物を受発注するためのシステムである。指示書発行システムによれば、指定された歯科技工物名及び本数に対応する製作料金をより正確に算出できる。なお、指示書発行システムに関する詳細な説明は省略する。
【0020】
納期カレンダー表示部101は、リストに表示された歯科技工所のうち、発注先の歯科技工所の選択を受け付ける。納期カレンダー表示部101は、例えば1つの歯科技工所がリスト中から選択され、かつ「指示書を印刷」ボタンが押下された時に、選択が確定したものとみなす。選択を補助するため、リストには、料金格納部102Bから取得した製作料金を歯科技工所ごとに表示しても良い。また、リストには、評価格納部102Cから取得した歯科技工所の評価を示す情報(点数や星の数など)を併記しても良い。
【0021】
歯科医院のユーザにより発注先として選択された歯科技工所の巡回ルート表示部203には、「回収あり」を示す通知が送信される。また、納期カレンダー表示部101は、選択された歯科技工所に対し歯科技工物の製作を指示するために使用される指示書を印刷することができる。
【0022】
納期格納部102Aは、1以上の歯科技工所の納期格納部205Aから、歯科技工物毎及び本数毎に設定された納期をそれぞれ収集、格納する。
【0023】
料金格納部102Bは、1以上の歯科技工所の納期格納部205Aから、歯科技工物毎及び本数毎に設定された料金をそれぞれ収集、格納する。
【0024】
評価格納部102Cは、後述の評価設定部106により設定された、歯科技工所の評価を示す情報を、歯科技工所ごとに格納する。
【0025】
営業日格納部103は、1以上の歯科技工所の営業日格納部206から、歯科技工所毎に設定された営業日をそれぞれ収集、格納する。
【0026】
指示書発行システム連携部104は、オンラインで指示書を発行できる指示書発行システムとのインタフェースである。歯科技工物の受発注システム1と指示書発行システムとが通信可能である場合、指示書発行システム連携部104は、例えば「指示書作成画面はこちら」などと記述されたリンクが選択されたことを検出して、納期カレンダー表示部101において指定された歯科技工物及び希望納期、並びに選択された歯科技工所を、指示書発行システムに転送する。これにより、指示書発行システムにおいては、歯科技工物の受発注システム1で入力された情報を引き継いだ状態で指示書を作成できる。
【0027】
指示書発行システム連携部104は、指示書発行システムで指示書が作成された場合は、納期カレンダー表示部101の要求に応じ、指示書発行システムが備える機能により算出された歯科技工物の製作料金を取得することができる。
【0028】
出力部105は、選択された歯科技工所に対する指示書の印刷指示を受け付け、外部のプリンタ等に対し印刷を命令する。
【0029】
評価設定部106は、歯科技工所の評価を示す情報を登録するための機能を提供する。例えば、評価設定部106は、
図2に示す納期カレンダー画面において、所望の歯科技工所に対し、星の数(典型的には星の数が多いほど高評価)で表される評価値の登録を受け付ける。歯科技工所の評価値は評価格納部102Cに格納される。
【0030】
歯科技工所インタフェース部200は、納期設定部201A、料金設定部201B、営業日設定部202、巡回ルート表示部203、ターミナル表示部204、納期格納部205A、料金格納部205B、営業日格納部206、指示書発行システム連携部207を有する。
【0031】
納期設定部201Aは、この歯科技工所における歯科技工物毎の納期を設定する。
図3に、納期設定部201Aが提供する設定画面の一例を示す。納期設定部201Aは、複数の種類(「架工」「義歯」「インプラント」「矯正」など)に分類された歯科技工物名のリストを保持している。例えば、種類「架工」の下には「インレー」「コア」「クラウン」・・・等の歯科技工物名が分類される。歯科技工所のユーザは、これらのリストから、自社で製作可能な歯科技工物名を選択し、選択した歯科技工物名に対して納期を割り当てる。納期は、本数毎に異なるものを設定することができる。例えば、「インレー」「1本」の納期を「中3日」、「インレー」「2本」の納期を「中4日」などと個別に設定できる。
【0032】
料金設定部201Bは、この歯科技工所における歯科技工物の製作料金を設定することができる。料金設定部201Bは、上述の納期と同様に、製作料金を設定するための画面を提供する。歯科技工所のユーザは、リストから自社で製作可能な歯科技工物名を選択し、選択した歯科技工物名に対して製作料金を割り当てる。製作料金は、本数毎に異なるものを設定することができる。例えば、「インレー」「1本」の納期を「xx円」、「インレー」「2本」の納期を「yy円」などと個別に設定できる。納期の設定画面と制作料金の設定画面とは別個に提供されても良く、まとめて1つの画面として提供されても良い。
【0033】
営業日設定部202は、この歯科技工所の営業日及び休日を設定する。典型的には、営業日設定部202はカレンダー状の設定画面を提供し、カレンダーでユーザが選択した日付を営業日又は休日として設定する。
【0034】
巡回ルート表示部203は、この歯科技工所の営業員が複数の歯科医院を巡回する際の推奨ルートを出力する。
図4に、巡回ルート表示部203が提供する表示画面の一例を示す。典型的には、巡回ルート表示部203は、営業員のスマートフォンやタブレット等の携帯端末に画面を出力する。巡回ルート表示部203は、複数の歯科医院と、それらの訪問順序と、が予め定義された巡回ルート(デフォルト巡回ルート)を保持している。巡回ルート表示部203は、デフォルト巡回ルートのうち、納期カレンダー表示部101から「回収あり」の旨が通知された歯科医院と、納品予定のある歯科医院のみを抽出して画面上にリスト表示する(巡回ルート画面)。納品予定の有無に関する情報は、指示書発行システム連携部207を介して指示書発行システムから取得できる。
【0035】
巡回ルート表示部203は、巡回ルート画面に、歯科医院毎に回収件数、納品件数を表示することができる。納品のある歯科医院には特に「delivery」等のマークを表示し、視認性を高めても良い。また、巡回ルート表示部203は、リスト中の歯科医院を訪問したか否かを示すステータスを更新するための昨日を提供しても良い。例えば、ステータスを「未訪問」から「訪問済」に切り替えるためのスイッチを設ける。ステータスの変更はターミナル表示部204及び納期カレンダー表示部101に通知される。
【0036】
ステータスの変更通知を受信した納期カレンダー表示部101は、その通知の受信以降の当日のあいだ、その通知を発信した歯科技工所については、納期設定部201Aに設定された納期に1日を加算する。すなわち、当該歯科技工所による当日の回収業務が既に終了し、翌日の発注扱いとなる。
【0037】
巡回ルート表示部203は、営業員が巡回しているあいだに納期カレンダー表示部101から「回収あり」の旨の通知を受けた場合、次のように動作する。新たに「回収あり」が通知された歯科医院が、デフォルト巡回ルートにおいては、
図4の巡回ルート画面でステータスが「訪問済」である全ての歯科医院より後に位置する場合、巡回ルート表示部203は、当該歯科医院を巡回ルート画面に挿入する。これにより、営業員が訪問可能なぎりぎりの時刻まで発注を受け付けることができる。例えば、デフォルト巡回ルートがA歯科クリニック→B歯科→C歯科→Dデンタルオフィス→E歯科医院→F歯科→G歯科医院→Hデンタルオフィス→I歯科・・・であるものとする。巡回ルート表示部203は、営業員が巡回に出発する時点で、回収又は納品業務のある歯科医院A,B,C,D,E,G,H,Iを抽出し、巡回ルート画面を生成する。すなわち、この時点でFは巡回ルート画面に含まれていない。営業員がA,B,Cを訪問し終えた(ステータスを訪問済とした)時点で、Fからの「回収あり」の通知を受信したものとする。この場合、巡回ルート表示部203は巡回ルート画面を更新し、デフォルト巡回ルートにおけるFの位置、すなわちEとGとの間にFを挿入する。
図4の例では、Fが新たに挿入されたことがわかるよう、「New!」の文字が付されている。
【0038】
ターミナル表示部204は、この歯科技工所の営業員の管理者向けに、巡回ルートの管理画面を提供する。
図5に、ターミナル表示部204が提供する管理画面の一例を示す。典型的には、ターミナル表示部204は、管理者のタブレットやPC等の端末に画面を出力する。管理画面には、巡回ルートに含まれる歯科医院のリストと、各歯科医院について回収及び納品の予定件数が表示される。管理画面では、巡回ルートの編集(順序の入れ替え)、各歯科医院に対し任意のフラグ付与(重要、至急を意味する色分け)などを行うことができる。
【0039】
納期格納部205Aは、納期設定部201Aで設定された歯科技工物毎の納期を格納する。
【0040】
料金格納部205Bは、料金設定部201Bで設定された歯科技工物毎の料金を格納する。
【0041】
営業日格納部206は、営業日設定部202で設定された営業日及び休日を設定する。
【0042】
指示書発行システム連携部207は、オンラインで指示書を発行できる指示書発行システムとのインタフェースである。歯科技工物の受発注システム1と指示書発行システムとが通信可能である場合、指示書発行システム連携部207は、指示書発行システムが保持している指示書のうち、ステータスが納品可能であるものを抽出する。そして、抽出した指示書を発行した歯科医院を示す情報を、納品予定のある歯科医院として取得する。
【0043】
図6乃至
図9のフローチャートを用いて、実際の業務における歯科技工物の受発注システム1の動作例を開示する。
【0044】
<1.歯科技工所による納期、営業日の設定>
図6は、歯科技工所のユーザが歯科技工物毎の納期を設定する際の歯科技工物の受発注システム1の動作を示すフローチャートである。
【0045】
S101:歯科技工所のユーザが、歯科技工所インタフェース部200の納期設定部201Aを起動する。納期設定部201Aは、
図3に示す技工物納期設定画面を表示する。
【0046】
S102:歯科技工所のユーザが、「歯科技工物の種類」リストから任意の歯科技工物の種類を1つ選択する。納期設定部201Aは、選択された種類に対応する1以上の歯科技工物名を、「歯科技工物名」リストの要素としてセットする。歯科技工所のユーザが、「歯科技工物名」リストから任意の歯科技工物名を1つ選択する。歯科技工所のユーザはまた、「本数」「納期」リストから、選択した歯科技工物名の本数と、それに対応する納期を選択する。
【0047】
S103:歯科医院インタフェース部100の納期格納部102Aが、S102で納期設定部201Aにおいて設定された納期にかかる情報を取得し、当該情報を設定した歯科技工所を一意に示す識別子と対応付けて格納する。
【0048】
図7は、歯科技工所のユーザが営業日を設定する際の歯科技工物の受発注システム1の動作を示すフローチャートである。
【0049】
S201:歯科技工所のユーザが、歯科技工所インタフェース部200の営業日設定部202を起動する。営業日設定部202は、例えばカレンダー形式の設定画面を表示する。
【0050】
S202:歯科技工所のユーザが、カレンダーから任意の営業日を1以上選択する。営業日設定部202は、選択された日付を、営業日として設定する。なお、営業日でなく休業日を選択することとしても良い。
【0051】
S203:歯科医院インタフェース部100の営業日格納部103が、S202で営業日設定部202において設定された営業日にかかる情報を取得し、当該情報を設定した歯科技工所を一意に示す識別子と対応付けて格納する。
【0052】
<2.歯科医院による歯科技工物の発注>
図8は、歯科医院のユーザが歯科技工物を発注する際の歯科技工物の受発注システム1の動作を示すフローチャートである。
【0053】
S301:歯科医院のユーザが、歯科医院インタフェース部100の納期カレンダー表示部101を起動する。納期カレンダー表示部101は、
図2に示す納期カレンダー画面を表示する。
【0054】
S302:歯科医院のユーザが、「歯科技工物の種類」リストから任意の歯科技工物の種類を1つ選択する。納期カレンダー表示部101は、選択された種類に対応する1以上の歯科技工物名を、「歯科技工物名」リストの要素としてセットする。歯科医院のユーザが、「歯科技工物名」リストから任意の歯科技工物名を1つ選択し、「本数」リストから歯科技工物名の本数を選択する。
【0055】
加えて、歯科医院のユーザは、カレンダーから歯科技工物の納品期限を選択する。
図2に示す例では、カレンダー上でセット日を選択し、リストから時刻を選択することで納品期限を設定できるようになっている。
【0056】
S303:納期カレンダー表示部101は、納期格納部102A及び営業日格納部103を参照し、納期までに歯科技工物を納品できる歯科技工所を抽出してリストに表示する。
また、納期カレンダー表示部101は、料金格納部102B及び評価格納部102Cを参照し、抽出した歯科技工所の評価を示す情報(点数や星の数など)や、歯科技工物の製作料金をリストに表示する。
【0057】
S304:歯科医院のユーザが、リストから発注先の歯科技工所を選択する。
【0058】
S305:指示書が印刷出力される。又は、指示書発行システムに対し、選択した歯科技工所が通知される。また、選択された歯科技工所の巡回ルート表示部203に、「回収あり」を示す通知が送信される。
【0059】
<3.歯科技工所の営業員による回収、納品>
図9は、歯科技工所の営業員が指示書を回収し、又は歯科技工物を納品する際の歯科技工物の受発注システム1の動作を示すフローチャートである。
【0060】
S401:歯科技工所の営業員が、歯科医院インタフェース部100の巡回ルート表示部203を起動する。巡回ルート表示部203は、予め定義された巡回ルートのうち、納期カレンダー表示部101から「回収あり」の旨が通知された歯科医院と、納品予定のある歯科医院のみを抽出し、
図4に示す巡回ルート画面を表示する。
【0061】
S402:歯科技工所の営業員が、巡回ルート画面に表示された歯科医院を巡回する。巡回ルート画面には、歯科医院毎に回収件数、納品件数が表示され、納品のある歯科医院には特に「delivery」等のマークが表示される。また、歯科医院毎に未訪問/訪問済を区別するためのスイッチ等が設けられる。これにより、営業員は回収や納品業務を確実に実施できる。
【0062】
S403:歯科技工所の営業員は、歯科医院を訪問したならば、ステータスを「未訪問」から「訪問済」に切り替える。ステータスの変更はターミナル表示部204に通知される。
【0063】
本実施の形態によれば、歯科医院は歯科技工物をオーダーした場合の納品日をひと目で認識し、かつ諸条件を調整しつつ複数の歯科技工所を比較することもできるので、歯科技工物の受発注業務の煩雑さを大幅に解消できる。
【0064】
また、本実施の形態によれば、歯科技工所は回収のために訪問する必要のない歯科医院を識別し、必要な訪問先のみを効率的に巡回できるので、営業及び物流コストを大幅に削減できる。
【0065】
なお、本発明を構成する各処理手段は、ハードウェアにより構成されるものであってもよく、任意の処理をCPUにプログラムを実行させることにより論理的に実現するものであってもよい。プログラムは、様々なタイプの一時的又は非一時的な媒体によりコンピュータに供給され得る。