特開2020-612(P2020-612A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-612(P2020-612A)
(43)【公開日】2020年1月9日
(54)【発明の名称】間仕切り装置
(51)【国際特許分類】
   A47H 23/00 20060101AFI20191206BHJP
   E04B 1/72 20060101ALI20191206BHJP
   A01M 29/34 20110101ALI20191206BHJP
【FI】
   A47H23/00 Z
   E04B1/72
   A01M29/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2018-124253(P2018-124253)
(22)【出願日】2018年6月29日
(71)【出願人】
【識別番号】593012310
【氏名又は名称】菱熱工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101856
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 日出夫
(72)【発明者】
【氏名】池上 真利奈
(72)【発明者】
【氏名】近藤 颯一郎
【テーマコード(参考)】
2B121
2E001
2E182
【Fターム(参考)】
2B121AA11
2B121BB28
2B121BB32
2B121BB35
2B121CC22
2B121EA01
2B121FA12
2E001DH13
2E001GA24
2E001HD13
2E182AB04
2E182AB16
2E182AC04
2E182CC04
2E182DF42
(57)【要約】
【課題】昆虫類の侵入をより防止することができる間仕切り装置を提供する。
【解決手段】昆虫忌避剤を含有し、可撓性を有する部材がシート状に形成された忌避シートであって、壁部に形成された開口部を覆うように壁部から垂下された複数の忌避シートを備えた。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
昆虫忌避剤を含有し、可撓性を有する部材がシート状に形成された忌避シートであって、壁部に形成された開口部を覆うように前記壁部から垂下された複数の忌避シートを備える間仕切り装置。
【請求項2】
前記昆虫忌避剤は、エトフェンプロックスであることを特徴とする請求項1に記載の間仕切り装置。
【請求項3】
前記可撓性を有する部材は、ポリ塩化ビニールであることを特徴とする請求項2に記載の間仕切り装置。
【請求項4】
前記複数の忌避シートのそれぞれは、0.3mm以上の厚みに形成されることを特徴とする請求項3に記載の間仕切り装置。
【請求項5】
前記複数の忌避シートそれぞれの上端が着脱可能に取り付けられる複数の取付け部を備え、前記複数の忌避シートのそれぞれは、前記複数の取付け部を介して前記壁部から垂下されることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の間仕切り装置。
【請求項6】
前記複数の取付け部は、それぞれ、前記忌避シートが挿入可能なスリットが2つ以上形成された略板状の部材であることを特徴とする請求項5に記載の間仕切り装置。
【請求項7】
前記壁部に固定され、前記複数の取付け部を着脱可能に吊下げ支持する支持部を更に備えることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の間仕切り装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、開口部からの昆虫類の侵入を防止する間仕切り装置に関する。
【背景技術】
【0002】
製造工場における作業エリアは、その外部、特に製造工場の外部に通じる通路または区画と、出入り口として形成された開口部を通じて連通されている。このような作業エリアへの異物の混入、特に昆虫類の侵入を防止することを目的として、この開口部を間仕切り装置により仕切ることが行われている。
【0003】
この間仕切り装置は、開口部に対して、複数の樹脂製のシートを上方から吊り下げることによって、開口部を出入り可能に仕切るものである。また、昆虫類は、紫外線を多く含む光源に誘引される性質があるため、作業エリア内の光源から発せられる紫外線を低減するシートを有する間仕切り装置が知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の間仕切り装置は、昆虫類を誘引する紫外線を低減させるものであるに過ぎず、例えば、臭気のような紫外線以外の要因により誘引される昆虫類の侵入を十分に防止することができるものではなく、昆虫類の侵入をより防止することができる間仕切り装置が求められている。
【0005】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、昆虫類の侵入をより防止することができる間仕切り装置、を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するため、本発明の実施形態は、昆虫忌避剤を含有し、可撓性を有する部材がシート状に形成された忌避シートであって、壁部に形成された開口部を覆うように前記壁部から垂下された複数の忌避シートを備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、昆虫類の侵入をより防止することができる間仕切り装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係る間仕切り装置の構成を示す正面図である。
図2】支持部の構成を示す正面図である。
図3】支持部の構成を示す底面図である。
図4】支持部の構成を示す側面図である。
図5】取付け部の構成を示す正面図である。
図6図5のA−A線断面図である。
図7】取付け部に取り付けられた忌避シートを示す側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【0010】
(全体構成)
まず、本実施形態に係る間仕切り装置の全体構成について説明する。図1は、実施形態に係る間仕切り装置の構成を示す正面図である。
【0011】
図1に示すように、間仕切り装置1は、工場における作業エリアと、工場外部と通じる区画とを連通させる開口部Aに対して、この開口部Aが形成される壁部Wに取り付けられる。間仕切り装置1は、可撓性を有するシート状の部材である複数の忌避シート10と、これらの忌避シート10それぞれが垂下されるように取り付けられる複数の取付け部11と、複数の取付け部11を着脱可能に吊り下げるように支持する支持部12とを備える。
【0012】
なお、以降の説明において、開口部Aの水平幅方向を側方向、開口部Aの高さ方向を上下方向、上下方向及び側方向に直交する方向を前後方向とし、前後方向においては、作業エリア外部側を前方とする。本実施形態において、間仕切り装置1は、壁部Wの前方側の面における開口部Aの上方に支持部12が固定されるものとする。
【0013】
複数の取付け部11は、複数の忌避シート10が側方向に並置されるように支持部12に支持され、また、互いに隣接する忌避シート10それぞれの少なくとも一部が重なり合うように支持部12に支持される。これによって、開口部Aが忌避シート10によって覆われ、作業エリアと開口部を介して作業エリアに通じる他の区画が間仕切り装置1により出入り可能に仕切られることとなる。
【0014】
忌避シート10は、上下方向において開口部A以上の長さを有する可撓性を有するシート状の部材であり、好ましくは樹脂、本実施形態においては、ポリ塩化ビニールをシート状に形成したものである。また、忌避シート10は、昆虫類を対象とする忌避剤として、化学式C25H28O3で示されるエトフェンプロックスを1重量%含有する。なお、忌避シート10に含有される忌避剤として、ディート、六塩化ベンゼン、ユーカリオイルなどの他の昆虫忌避剤を用いても良い。
【0015】
本実施形態において、忌避シート10は、エトフェンプロックスを加えて撹拌したポリ塩化ビニールを、全体的に加熱して圧延することによってシート化して製造されるが、忌避シート10の全体に亘ってエトフェンプロックスの含有率を均一とするために、忌避シート10の厚みを0.3mm以上とすることが望ましい。
【0016】
更に、忌避シート10は、作業エリア内の光源から作業エリア外部に漏れる光のうち、昆虫類を誘引する紫外線を低減させるため、CMYKカラーモデルにおいてイエロー成分を含む色に着色されると良い。なお、イエロー成分を含む光にも誘引される性質を持つ昆虫類も存在するため、イエロー成分を含みつつシアン成分やマゼンタ成分をも含む、オレンジ、またはグリーンなどの色に着色されると良い。また、忌避シート10は、工場内の視認性を確保するため、透過性を有することが望ましい。よって、忌避シート10は、可視光を透過させつつ、紫外線を低減するように形成されると良い。
【0017】
(支持部の構成)
支持部の構成について説明する。図2図3図4は、それぞれ、支持部の構成を示す正面図、底面図、側面図である。
【0018】
図2図3に示されるように、支持部12は、全体として水平方向に長尺に形成されるとともに長手方向から見て略L字状に形成される固定レール120と、固定レール120において、互いに所定の間隔を空けて設けられた複数のフック122を備える。
【0019】
固定レール120は、上下方向に延在する平板状の部材である第1基部120aと、この基部の下端から前方に突出する平板状の部材である第2基部120bとを有する。第1基部120aには、複数の固定孔121が形成され、固定レール120は、これらの固定孔121がネジ止めされることによって、壁部Wに固定される。
【0020】
複数のフック122は、それぞれ、固定レール120における第2基部120bの前端から前方に突出する前方突出部122aと、この前方突出部122aの前端から上方に突出する上方突出部122bとを有する。複数のフック122には、後に詳述するように取付け部11が吊り下げ支持される。
【0021】
(取付け部の構成)
取付け部の構成について説明する。図5は、取付け部の構成を示す正面図である。図6は、図5のA−A線断面図である。図7は、取付け部に取り付けられた忌避シートを示す側断面図である。
【0022】
図5及び6に示すように、取付け部11は、全体として、側方向幅が支持部12よりも小さい略平板状に形成される。また、取付け部11には、互いに側方向に所定の間隔を空けて形成される複数の孔部110と、複数の孔部110の下方に形成される第1スリット111と、この第1スリット111の下方に形成される第2スリット112と、この第2スリットの下方に形成される第3スリット113とが形成される。
【0023】
また、取付け部11には、第1スリット111と第2スリット112との間において所定距離だけ後方に突出する第1凸部114と、第2スリット112と第3スリット113との間において所定距離だけ前方に突出する第2凸部115とが形成される。
【0024】
複数の孔部110は、複数のフック122に対応して形成される。具体的には、複数の孔部110のそれぞれは、フック122が孔部110に挿入可能にフック122の上方突出部122b以上の大きさに形成される。また、複数の孔部110は、複数のフック122が複数の孔部110に挿入可能に、複数の孔部110間の離間距離が複数のフック122間の離間距離に合わせて形成される。
【0025】
図5に示すように、第1スリット111、第2スリット112及び第3スリット113は、いずれも、その幅、即ち側方向長さLが忌避シート10の幅より大きく形成される。また、図6に示すように、第1スリット111、第2スリット112及び第3スリット113は、それぞれ、その高さ、即ち上下方向長さがH1,H2,H3に形成され、本実施形態において、高さH1〜H3は互いに同じ大きさとなっている。
【0026】
H1、H2は、それぞれ、忌避シート10の厚みより大きい高さであれば良く、最下段にある第3スリット113の高さH3が、忌避シート10の厚みの2倍より大きい高さであれば良い。本実施形態においては、H1〜H3は、いずれも、忌避シート10の厚みの2倍より大きい高さとなっている。なお、取付け部11は、それぞれ忌避シート10の厚みより大きい高さを有する少なくとも2つ以上のスリット、好ましくは3つ以上のスリットを有するものであれば良く、このうち最下段のスリットが忌避シート10の厚みの2倍より大きい高さに形成されるものであれば良い。
【0027】
本実施形態において、第1凸部114は、第1スリット111と第2スリット112との間における上下方向全域に亘って、また、取付け部11の側方向全域に亘って後方に突出するように形成される。また、第2凸部115は、第2スリット112と第3スリット113との間における上下方向全域に亘って、また、取付け部11の側方向全域に亘って前方に突出するように形成される。
【0028】
なお、第1凸部114は、第1スリット111と第2スリット112との間において上下方向に所定距離だけ形成されれば良く、また、その側方向の大きさは、第1スリット111、第2スリット112、第3スリット113の側方向長さL以上に形成することが望ましい。同様に、第2凸部115も、第2スリット112と第3スリット113との間において上下方向に所定距離だけ形成されれば良く、また、その側方向の大きさは、側方向長さL以上に形成することが望ましい。
【0029】
(忌避シートの取り付け方法)
取付け部への忌避シートの取り付け方法について説明する。図7は、取付け部に取り付けられた忌避シートを示す側断面図である。
【0030】
図7に示すように、忌避シート10は、前方から第1スリット111を通過され、後方から第2スリット112を通過された上端部が、前方から第3スリット113を通過されるとともに、後端部が前方から第3スリット113に挿入されることによって、取付け部11に取り付けられる。この際、後方に位置する忌避シート10の一部が第1凸部114に押し付けられ、前方に位置する忌避シート10の一部が第2凸部115に押し付けられることによって、忌避シート10が取付け部11に対してより強く取り付けられる。
【0031】
このように取付け部11によれば、忌避シート10に対して前方、後方または下方に向く所定以上の力が掛かった場合には取付け部11から忌避シート10が外れるようになっている。開口部Aをフォークリフトが通過する際に、一部の忌避シート10がフォークリフトに引っ掛かる状況においては、忌避シート10が取付け部11に対して容易に外れない場合には、間仕切り装置1が固定された開口部A上方の壁部Wに過大な力が掛かることとなるが、取付け部11によればこのような事態を防止することができる。
【0032】
また、複数の取付け部11を支持部12に着脱可能に吊下げ支持することによって、忌避性能の低下した忌避シート10が取り付けられた取付け部11を支持部12から外し、容易に新たな忌避シート10を取付け部11に取り付けることができるが、取付け部11を直接に壁部Wに固定するようにしても良い。
【0033】
本発明は、その要旨または主要な特徴から逸脱することなく、他の様々な形で実施することができる。そのため、前述の実施形態は、あらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、何ら拘束されない。更に、特許請求の範囲の均等範囲に属する全ての変形、様々な改良、代替および改質は、全て本発明の範囲内のものである。
【符号の説明】
【0034】
1 間仕切り装置
10 忌避シート
11 取付け部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7