特開2020-6326(P2020-6326A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特開2020-6326組成物及びその製造方法、乳化物、並びに化粧料
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-6326(P2020-6326A)
(43)【公開日】2020年1月16日
(54)【発明の名称】組成物及びその製造方法、乳化物、並びに化粧料
(51)【国際特許分類】
   B01F 17/38 20060101AFI20191213BHJP
   A61K 8/02 20060101ALI20191213BHJP
   A61K 8/43 20060101ALI20191213BHJP
   B01F 17/22 20060101ALI20191213BHJP
【FI】
   B01F17/38
   A61K8/02
   A61K8/43
   B01F17/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【全頁数】31
(21)【出願番号】特願2018-130136(P2018-130136)
(22)【出願日】2018年7月9日
(71)【出願人】
【識別番号】592218300
【氏名又は名称】学校法人神奈川大学
(71)【出願人】
【識別番号】500578146
【氏名又は名称】株式会社ミロット
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100131705
【弁理士】
【氏名又は名称】新山 雄一
(72)【発明者】
【氏名】田嶋 和夫
(72)【発明者】
【氏名】今井 洋子
(72)【発明者】
【氏名】宮坂 佳那
(72)【発明者】
【氏名】福田 敏夫
(72)【発明者】
【氏名】小松 亜衣
【テーマコード(参考)】
4C083
4D077
【Fターム(参考)】
4C083AC661
4C083AD531
4C083DD31
4C083FF05
4D077AA09
4D077AB11
4D077AC01
4D077AC02
4D077AC05
4D077BA13
4D077BA15
4D077CA01
4D077CA12
4D077DC15Y
4D077DC26Y
4D077DC32Y
4D077DC48Y
(57)【要約】
【課題】三相乳化に用いて最適な新たな乳化剤用の組成物を提供すること。
【解決手段】本発明に係る組成物は、20℃における水に対する溶解度が10−4mol/L以下であり且つ自発的にベシクルを形成せず水のみと混合してリオトロピック液晶相を形成し得る非イオン性両親媒性物質と、イオン性両親媒性物質とが複合したものである。この組成物は、非イオン性両親媒性物質と、イオン性両親媒性物質とが混在し親水性微粒子を構成し複合したものであることが好ましい。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
20℃における水に対する溶解度が10−4mol/L以下であり且つ自発的にベシクルを形成せず水のみと混合してリオトロピック液晶相を形成し得る非イオン性両親媒性物質と、イオン性両親媒性物質とが複合した組成物。
【請求項2】
前記非イオン性両親媒性物質と、前記イオン性両親媒性物質とが混在し親水性微粒子を構成し複合した、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記イオン性両親媒性物質は、ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウムである、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記非イオン性両親媒性物質は、フィタントリオール及び/又はテトラヒドロファルネシル酢酸グリセリルである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
油性成分又は粉体と、水媒体との混合物に添加して、前記油性成分又は前記粉体を乳化させる乳化能を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
前記油性成分又は前記粉体と、前記水媒体との間に介在して、前記油性成分又は前記粉体を乳化させる、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
水性成分又は粉体と、油媒体との混合物に添加して、前記水性成分又は前記粉体を乳化させる乳化能を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
前記水性成分又は前記粉体と、前記油媒体との間に介在して、前記水性成分又は前記粉体を乳化させる、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物により、油性成分又は粉体が水媒体中に乳化されている、乳化物。
【請求項10】
前記組成物が、前記油性成分又は前記粉体と前記水媒体の間に介在して乳化されている、請求項9に記載の乳化物。
【請求項11】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物により、水性成分又は粉体が油媒体中に乳化されている、乳化物。
【請求項12】
前記組成物が、前記水性成分又は前記粉体と前記油媒体の間に介在して乳化されている、請求項11に記載の乳化物。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか1項に記載の乳化物を含む、化粧料。
【請求項14】
20℃における水に対する溶解度が10−4mol/L以下であり且つ自発的にベシクルを形成せず水のみと混合してリオトロピック液晶相を形成し得る非イオン性両親媒性物質と、イオン性両親媒性物質とが非水溶媒に溶解された原料溶液を得る工程と、
前記原料溶液に水を添加し、前記非イオン性両親媒性物質と、前記イオン性両親媒性物質とが複合した親水性微粒子を析出させる工程と、を含む
組成物の製造方法。
【請求項15】
前記イオン性両親媒性物質は、ジラウロイル酸グルタミン酸リシンナトリウムである、請求項14に記載の組成物の製造方法。
【請求項16】
前記非イオン性両親媒性物質は、フィタントリオール及び/又はテトラヒドロファルネシル酢酸グリセリルである、請求項14又は15に記載の組成物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組成物及びその製造方法、乳化物、並びに化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、両親媒性分子単独で形成されたベシクルを主成分とする乳化剤が用いられている(例えば、特許文献1)。このような乳化剤によれば、連続相及び不連続相の界面に介在し、ファンデルワールス力を介して三相乳化状態を構成することから、極めて良好な乳化状態を構成することができ、その結果として、乳化対象物を安定的に乳化分散させることができる。
【0003】
このように三相乳化に用いて最適な新たな乳化剤用の組成物が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第2855203号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、以上の実情に鑑みてなされたものであり、三相乳化に用いて最適な新たな乳化剤用の組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、以上の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた。その結果、特定の非イオン性両親媒性物質とイオン性両親媒性物質とが複合した組成物が、三相乳化能を有することを見出し、本発明を完成するに至った。具体的に、本発明は、以下のものを提供する。
【0007】
(1)20℃における水に対する溶解度が10−4mol/L以下であり且つ自発的にベシクルを形成せず水のみと混合してリオトロピック液晶相を形成し得る非イオン性両親媒性物質と、イオン性両親媒性物質とが複合した組成物。
【0008】
(2) 前記非イオン性両親媒性物質と、前記イオン性両親媒性物質とが混在し親水性微粒子を構成し複合した、(1)に記載の組成物。
【0009】
(3) 前記イオン性両親媒性物質は、ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウムである、(1)又は(2)に記載の組成物。
【0010】
(4) 前記非イオン性両親媒性物質は、フィタントリオール及び/又はテトラヒドロファルネシル酢酸グリセリルである、(1)〜(3)のいずれか1項に記載の組成物。
【0011】
(5) 油性成分又は粉体と、水媒体との混合物に添加して、前記油性成分又は前記粉体を乳化させる乳化能を有する、(1)〜(4)のいずれか1項に記載の組成物。
【0012】
(6) 前記油性成分又は前記粉体と、前記水媒体との間に介在して、前記油性成分又は前記粉体を乳化させる、(5)に記載の組成物。
【0013】
(7) 水性成分又は粉体と、油媒体との混合物に添加して、前記水性成分又は前記粉体を乳化させる乳化能を有する、(1)〜(4)のいずれか1項に記載の組成物。
【0014】
(8) 前記水性成分又は前記粉体と、前記油媒体との間に介在して、前記水性成分又は前記粉体を乳化させる、(7)に記載の組成物。
【0015】
(9) (1)〜(4)のいずれかに記載の組成物により、油性成分又は粉体が水媒体中に乳化されている、乳化物。
【0016】
(10) 前記組成物が、前記油性成分又は前記粉体と前記水媒体の間に介在して乳化されている、(9)に記載の乳化物。
【0017】
(11) (1)〜(4)のいずれかに記載の組成物により、水性成分又は粉体が油媒体中に乳化されている、乳化物。
【0018】
(12) 前記組成物が、前記水性成分又は前記粉体と前記油媒体の間に介在して乳化されている、(11)に記載の乳化物。
【0019】
(13) (1)〜(12)のいずれかに記載の乳化物を含む、化粧料。
【0020】
(14) 20℃における水に対する溶解度が10−4mol/L以下であり且つ自発的にベシクルを形成せず水のみと混合してリオトロピック液晶相を形成し得る非イオン性両親媒性物質と、イオン性両親媒性物質とが非水溶媒に溶解された原料溶液を得る工程と、前記原料溶液に水を添加し、前記非イオン性両親媒性物質と、前記イオン性両親媒性物質とが複合した親水性微粒子を析出させる工程と、を含む、組成物の製造方法。
【0021】
(15) 前記イオン性両親媒性物質は、ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウムである、(14)に記載の組成物の製造方法。
【0022】
(16) 前記非イオン性両親媒性物質は、フィタントリオール及び/又はテトラヒドロファルネシル酢酸グリセリルである、(14)又は(15)に記載の組成物の製造方法。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、三相乳化に用いて最適な新たな乳化剤用の組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】親水性微粒子の平均粒径(nm)対DLGLモル分率のプロットである。
図2】分散液中の親水性微粒子のゼータ電位対DLGLモル分率のプロットである。
図3】実施例1において得られた平均粒径0.9μmのメチルハイドロジェンポリシロキサン修飾酸化チタン分散液の光学顕微鏡写真図である。
図4】比較例1において得られた平均粒径0.9μmのメチルハイドロジェンポリシロキサン修飾酸化チタン分散液の光学顕微鏡写真図である。
図5】実施例1及び比較例1において得られた分散液の4週間静置後の写真図である(写真左:実施例1、写真右:比較例1)。
図6】実施例2において得られた平均粒径0.6μmのメチルハイドロジェンポリシロキサン修飾酸化チタン分散液の光学顕微鏡写真図である。
図7】比較例2において得られた平均粒径0.6μmのメチルハイドロジェンポリシロキサン修飾酸化チタン分散液の光学顕微鏡写真図である。
図8】実施例2及び比較例2において得られた分散液の4週間静置後の写真図である(写真左:実施例2、写真右:比較例2)。
図9】実施例3において得られたメチルハイドロジェンポリシロキサン修飾酸化鉄分散液の光学顕微鏡写真図である。
図10】比較例3において得られたメチルハイドロジェンポリシロキサン修飾酸化鉄分散液の光学顕微鏡写真図である。
図11】実施例3及び比較例3において得られた分散液の4週間静置後の写真図である(写真左:実施例3、写真右:比較例3)。
図12】実施例4において得られたメチルハイドロジェンポリシロキサン修飾タルク分散液の光学顕微鏡写真図である。
図13】比較例4において得られたメチルハイドロジェンポリシロキサン修飾タルク分散液の光学顕微鏡写真図である。
図14】実施例4及び比較例4において得られた分散液の4週間静置後の写真図である(写真左:実施例4、写真右:比較例4)。
図15】実施例5及び比較例5において得られた乳化物の1週間静置後の写真図である(写真左:実施例5、写真右:比較例5)。
図16】実施例6において得られたエマルションの光学顕微鏡写真図である。
図17】実施例7において得られたエマルションの光学顕微鏡写真図である。
図18】分散液中の親水性微粒子のゼータ電位対CTACモル分率のプロットである。
図19】実施例8において得られたエマルションの光学顕微鏡写真図である。
図20】実施例9において得られたエマルションの光学顕微鏡写真図である。
図21】実施例8及び実施例9において得られたエマルションの4週間静置後の写真図である(写真左:実施例8、写真右:実施例9)。
図22】分散液中の親水性微粒子のゼータ電位対SLSモル分率のプロットである。
図23】実施例10において得られたエマルションの光学顕微鏡写真図である。
図24】実施例11において得られたエマルションの光学顕微鏡写真図である。
図25】実施例10及び実施例11において得られたエマルションの4週間静置後の写真図である(写真左:実施例10、写真右:実施例11)。
図26】実施例16において得られたW/O型エマルションの1時間静置後の写真図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0026】
本発明において、「乳化」とは、液相中に他の液相又は固相(粉体)が分散している状態をいう。通常、「乳化」とは、液相中に他の液相が分散している状態を、「分散」とは、液相中に固相が分散している状態をいうが、これに対し、本発明の「乳化」は、通常の「乳化」と「分散」を包含する概念である。
【0027】
本発明において、「乳化剤」とは、液相中に他の液相又は固相を乳化させるために用いる剤をいう。
【0028】
本発明において、「連続相」とは、エマルション構造における系全体にわたって連続な相をいい、より具体的には乳化状態における分散媒をいう。また、「不連続相」とは、エマルション構造における系全体にわたって不連続な相をいい、より具体的には分散媒に分散しているエマルション粒子又は粉末をいう。なお、油相や水相は連続相及び不連続相のいずれの相をも構成し得る。一方で、粉体は不連続相を構成し得るが、連続相を構成しない。
【0029】
本発明において、「親水性微粒子」とは、後述する非イオン性両親媒性物質と、イオン性両親媒性物質とが複合して形成される微粒子をいう。このような親水性微粒子は、後述するように、三相乳化における乳化剤として用いることができるが、このような場合には、連続相と不連続相の間に第三相を形成するものである。
【0030】
本発明において、「エマルション粒子」とは、エマルション中において、不連続相とその周囲を囲むようにして第三相を形成する親水性微粒子の複合体をいう。
【0031】
<組成物>
本発明に係る組成物は、20℃における水に対する溶解度が10−4mol/L以下であり且つ自発的にベシクル(閉鎖小胞体)を形成せず水のみと混合してリオトロピック液晶相を形成し得る非イオン性両親媒性物質と、イオン性両親媒性物質とが複合したものである。
【0032】
このような組成物は、非イオン性両親媒性物質と、イオン性両親媒性物質とが複合して親水性微粒子を構成している。上述したように、非イオン性両親媒性物質それ自身は自発的にベシクルを形成しないが、驚くべきことに、微量のイオン性両親媒性物質を添加することにより複合して、非イオン性両親媒性物質とイオン性両親媒性物質とが混在した親水性微粒子を構成することが分かった。
【0033】
このような組成物によれば、水中油滴型(O/W型:水相を連続相、油相を不連続相とする)又は油中水滴型(W/O型:油相を連続相、水相を不連続相とする)いずれの乳化物(エマルション)を構成することもできる。また、本発明に係る組成物は、連続相が水相及び油相のいずれであっても、不連続相が粉体である乳化物を構成することができる。そして、このような乳化物によれば、その乳化安定性に優れるものである。
【0034】
このような組成物は、不連続相となる油性成分又は粉体と、連続相となる水媒体との混合物に添加して油性成分又は粉体と水媒体との間に介在して、油性成分又は粉体を乳化させることができる。また、不連続相となる水性成分又は粉体と連続相となる油媒体との混合物に添加して水性成分又は粉体と油媒体との間に介在して、水性成分又は粉体を乳化させることができる。このように、組成物がファンデルワールス力を介して連続相と不連続相の間に介在することにより三相乳化状態を構成する。
【0035】
なお、水中油滴型(O/W型:水相を連続相、油相を不連続相とする)又は油中水滴型(W/O型:油相を連続相、水相を不連続相とする)いずれの乳化物(エマルション)を構成するかは、従来の三相乳化と同様、連続相とすべき液体に対して不連続相とすべき液体を滴下することによって制御することができる。なお、乳化物のハンドリング、使用感、環境的負荷等の観点からは、連続相として水相を用いることが好ましい。
【0036】
以上のような組成物は、従来の三相乳化法における乳化剤として用いられている両親媒性物質から構成されるベシクルに比べ、その粒径分布が狭く、これを用いて形成される乳化物の安定性が高い。このように乳化安定性が高い組成物が得られるのは、自発的にベシクルを形成しない非イオン性両親媒性物質にイオン性両親媒性物質を添加することの効果である。
【0037】
[親水性微粒子]
本発明の親水性微粒子は、上述した特定の非イオン性両親媒性物質とイオン性両親媒性物質とを複合してなるものである。すなわち、このような親水性微粒子中では、非イオン性両親媒性物質と、イオン性両親媒性物質とが混在している。このような親水性微粒子は、乳化の対象である水相と油相の混合系において、その水相及び油相の界面に介在するものである。また、乳化分散の対象が水相と粉体の混合系である場合、その水相と粉体の界面に、乳化の対象が油相と粉体の混合系である場合、その油相と粉体の界面に介在するものである。このようにして連続相と不連続相の間に親水性微粒子が介在することにより、乳化構造を達成し得るものである。
【0038】
なお、乳化の対象が水相と粉体の混合系である場合や、油相と粉体の混合系である場合において、粉体の表面状態(すなわち親水性であるか又は疎水性であるか)に関係なく、親水性微粒子は、それらの界面に介在することができる。
【0039】
親水性微粒子の平均粒径としては、特に限定されず、例えば750nm以下であることが好ましく、700nm以下、650nm以下、600nm以下、550nm以下であることがより好ましく、500nm以下、450nm以下、400nm以下、350nm以下、300nm以下、250nm以下であることがより好ましい。平均粒径が所要量以下であることにより、乳化状態においてその親水性微粒子により形成されるエマルション粒子をより均一にすることができる。また、平均粒径としては例えば8nm以上、10nm以上、15nm以上、20nm以上、30nm以上であってよい。なお、本発明において「平均粒径」とは、特に言及のない場合、粒度分布測定装置FPAR(大塚電子(株)社製)を用いて動的光散乱法により測定し、ヒストグラム解析により求めた値である。
【0040】
(非イオン性両親媒性物質)
非イオン性両親媒性物質は、20℃における水に対する溶解度が10−4mol/L以下であり且つ自発的にベシクルを形成しないが、水のみと混合してリオトロピック液晶相を形成し得るものである。20℃における水に対する溶解度が10−4mol/L以下であることは、すなわち、水に対する溶解度が低いことを意味するものである。
【0041】
ここで、「リオトロピック液晶」とは、広義には、水と両親媒性分子とからなる組織構造体をいう。したがって、一般には、「ベシクル」も「リオトロピック液晶」に含まれると解釈されるが、本明細書において「リオトロピック液晶」の概念に「ベシクル」は含まれない。
【0042】
一般に、リオトロピック液晶においては、その水と両親媒性分子との比及び温度によって、組織構造(リオトロピック液晶相)が変化することがあり、またリオトロピック液晶相を形成しないこともある。本発明において、「水のみと混合してリオトロピック液晶相を形成し得る」とは、非イオン性両親媒性物質と水のみの2成分を混合した場合において、水と非イオン性両親媒性分子との混合比がいかなる値であっても、またいかなる温度であっても、リオトロピック液晶相を形成するものであれば、これに該当するものとする。リオトロピック液晶相は、その構造により、ラメラ液晶相、ヘキサゴナル液晶相、キュービック液晶相等に分けられるが、本発明では、上述したとおりベシクル以外のリオトロピック液晶相であればいずれであってもよい。
【0043】
また、「非イオン性」とは、電荷を有する部位(イオン性部位)を有しないものをいう。
【0044】
非イオン性両親媒性物質の20℃における水への溶解度としては、1×10−4mol/L以下であれば特に限定されないが、2×10−4mol/L以下であることが好ましく、5×10−4mol/L以下であることがより好ましい。また、溶解度としては、例えば1×10−11mol/L以上、1×10−10mol/L以上、1×10−9mol/L以上、1×10−8mol/L以上、1×10−7mol/L、1×10−6mol/L以上であってよい。
【0045】
非イオン性両親媒性物質としては、具体的には、フィタントリオール(3,7,11,15−tetramethyl 1,2,3−trihydroxyhexadecane)、テトラヒドロファルネシル酢酸グリセリル(5,9,13−trimethyl 4,5−tetradecenoic propyl−1,2 diolester)、高級アルコール(セタノール、ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、ステアリルアルコール、オクチルドデカノール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等)を用いることができるが、この例に限定されるものではない。
【0046】
親水性微粒子における非イオン性両親媒性物質の含有量としては、特に限定されず、非イオン性両親媒性物質とイオン性両親媒性物質の総mol数に対する非イオン性両親媒性物質のmol数(モル分率)が、例えば0.01以上、0.02以上、0.03以上、0.04以上、0.05以上、0.06以上、0.07以上、0.08以上、0.09以上、0.1以上であることが好ましく、0.15以上、0.20以上、0.25以上、0.30以上、0.35以上、0.40以上、0.45以上であることがより好ましく、0.48以上、0.50以上、0.55以上、0.60以上、0.65以上であることがさらに好ましく、0.68以上であることがさらに好ましい。また、非イオン性両親媒性物質の含有量としては、例えば0.0995以下、0.99以下、0.985以下、0.98以下、0.975以下、0.97以下であることが好ましく、0.965以下、0.96以下、0.955以下であることがより好ましく、0.95以下であることがさらに好ましい。非イオン性両親媒性物質の含有量が所要量であることにより、親水性微粒子の粒径を極めて小さくすることができる。これにより、乳化状態においてその親水性微粒子により形成されるエマルション粒子を均一にすることができ、長期的に安定な乳化物を得ることができる。なおこのように、本発明の組成物における主成分は自発的にベシクルを形成しない非イオン性両親媒性物質であるが、これにイオン性両親媒性物質を僅少量含有されることにより親水性微粒子が形成されるものである。
【0047】
(イオン性両親媒性物質)
イオン性両親媒性物質としては、その分子構造内に、疎水性部位と、イオン性の親水性部位を併せ持つイオン性両親媒性物質であれば特に限定されない。このようなイオン性両親媒性物質としては、アニオン性及びカチオン性のいずれのイオン性両親媒性物質を用いることもできる。ただし、イオン性両親媒性物質として、両イオン性の両親媒性物質(正電荷と負電荷をその分子内に併せ持つ分子)を用いることはできない。
【0048】
イオン性両親媒性物質としては、特に限定されず、水に不溶性のもの及び水に可溶性のもののいずれを用いることもできる。
【0049】
イオン性両親媒性物質としては、特に限定されず、自発的にベシクルを形成するもの及び自発的にベシクルを形成しないもののいずれを用いることもできる。
【0050】
具体的に、このようなイオン性両親媒性物質としては、もしくは一般式1で表されるようなジアルキルアンモニウム誘導体、トリアルキルアンモニウム誘導体、テトラアルキルアンモニウム誘導体、ジアルケニルアンモニウム誘導体、トリアルケニルアンモニウム誘導体、又はテトラアルケニルアンモニウム誘導体のハロゲン塩の誘導体を採用することができる。
【0051】
一般式1
【化1】
【0052】
式中、R1及びR2は、各々独立して炭素数8〜22のアルキル基又はアルケニル基であり、R3及びR4は、各々独立して水素又は炭素数1〜4のアルキル基であり、XはF、Cl、Br、I、CHCOO、CO又はアミノ酸である。
【0053】
また、イオン性両親媒性物質としては、アルキルスルホン酸塩(RSO、炭素鎖長8〜22、M:アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム塩等)を用いることもできる。
【0054】
また、イオン性両親媒性物質としては、ラウリル硫酸ナトリウム等の高級アルキル硫酸塩を用いることもできる。
【0055】
一般式2
【化2】
【0056】
また、下記の一般式3で示される構成のうち、炭素鎖長12のDLPG(1,2−Dilauroyl−sn−glycero−3−phospho−rac−1−glycerol)のNa塩又はNH塩、炭素鎖長14のDMPG(1,2−Dimyristoyl−sn−glycero−3−phospho−rac−1−glycerol)のNa塩又はNH塩、炭素鎖長16のDPPG(1,2−Dipalmitoyl−sn−glycero−3−phospho−rac−1−glycerol)のNa塩又はNH塩を採用してもよい。
【0057】
一般式3
【化3】
【0058】
イオン性両親媒性物質としては、α,ω−ジ脂肪酸トリアミノ酸塩を用いることができる。具体的には、一般式4で示される化合物を含んでよく、例えば、ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウム(DLGL)を含んでよい。
【0059】
一般式4
【化4】
式中、a及びbは、独立して、9以上15以下の炭素数を有し、XはNa又は水素である。
【0060】
親水性微粒子におけるイオン性両親媒性物質の含有量としては、特に限定されず、非イオン性両親媒性物質とイオン性両親媒性物質の総mol数に対するイオン性両親媒性物質のmol数(モル分率)が、例えば0.005以上、0.01以上、0.015以上、0.02以上、0.025以上、0.03以上であることが好ましく、0.035以上、0.04以上、0.045以上であることがより好ましく、0.05以上であることがさらに好ましい。また、イオン性両親媒性物質の含有量としては、0.99以下、0.98以下、0.97以下、0.96以下、0.95以下、0.94以下、0.93以下、0.92以下、0.91以下、0.9以下であることが好ましく、0.85以下、0.8以下、0.75以下、0.7以下、0.65以下、0.6以下、0.55以下であることがより好ましく、0.52以下、0.50以下、0.45以下、0.40以下、0.35以下であることがさらに好ましく、0.32以下であることがさらに好ましい。イオン性両親媒性物質の含有量が所要量であることにより、親水性微粒子の粒径を極めて小さくすることができる。これにより、乳化状態においてその親水性微粒子により形成されるエマルション粒子を均一にすることができ、長期的に安定な乳化物を得ることができる。なおこのように、本発明の組成物におけるイオン性両親媒性物質の含有量は僅少量であるが、この成分が主成分たる非イオン性両親媒性物質に含有されることにより親水性微粒子が形成されるものである。
【0061】
なお、本発明の組成物は、上述した非イオン性両親媒性物質とイオン性両親媒性物質以外に、本発明の効果を損なわない範囲において、他の任意成分を含み得るものである。
【0062】
以上では、本発明の組成物の乳化物への用途に着目して説明したが、本発明の組成物の用途はこれに限定されず、対象物へ塗布することにより、肌の保水剤や、固体の表面改質剤として用いることができる。また、その組成物の内部に有効成分を内包させることにより、DDSのキャリアとして用いることができる。
【0063】
<乳化剤>
本発明の乳化剤は、上述した組成物を含んでなるものである。
【0064】
なお、本発明の乳化剤は、上述した組成物以外に、本発明の効果を損なわない範囲において、他の任意成分を含み得るものである。
【0065】
[乳化剤の使用方法]
本発明の乳化剤の使用方法は、特に限定されず、例えば乳化剤が分散した連続相に、不連続相を滴下して撹拌混合することにより、乳化物を得ることができる。なお、この際、W/O型エマルション及びO/W型エマルションいずれの場合であっても、乳化剤は水相に分散させて使用する。このような乳化剤によれば、液状又は半固体状のもののみならず、粉体についても分散媒中に安定的に分散させ、乳化させることができる。
【0066】
本発明の乳化剤は、乳化を要するあらゆる用途への応用が可能である。その用途としては、例えば化粧料、塗料、潤滑剤、印刷インキ、製紙、絵具、陶磁器、電子材料、触媒、接着剤、釉薬、医薬品、建築土木材料等に用いることができる。
【0067】
<乳化物>
上述した乳化剤を用いて、乳化物を得ることができる。具体的に、不連続相となる油性成分又は粉体と、連続相となる水媒体との混合物に添加して油性成分又は粉体と水媒体との間に介在した乳化物、及び不連続相となる水性成分又は粉体と連続相となる油媒体との混合物に添加して水性成分又は粉体と油媒体との間に介在した乳化物が挙げられる。
【0068】
なお、本発明の乳化物としては、水相を連続相、疎水化処理された粉体を不連続相とする乳化物や、油相を連続相、親水化処理された粉体と水相を不連続相とする乳化物を構成することができる。一般に、連続相に対して異なる極性表面を有する粉体を乳化させることは容易ではないが、本発明の乳化剤によれば、このような乳化物を形成することができる。そして、このような乳化物において、安定性の高い乳化状態を維持することができる。
【0069】
乳化物中の水相の含有量は、特に限定されないが、得られる乳化物に対し5質量%〜95質量%の量であってよい。また、油相の含有量は、得られる乳化物に対し5質量%〜95質量%の量であってよい。
【0070】
油相に含まれる油剤としては、特に限定されず、例えば、ジメチルポリシロキサン、トリメチルシロキサン、メチルフェニルシロキサン、環状シリコーン等のシリコーン、スクワラン、パラフィン等の炭化水素、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸イソステアリル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリエチルヘキサン酸グリセリル、トリエチルヘキサノイン、ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、トリ(カプリル酸・カプリン酸)グリセリル、エチルヘキサン酸セチル、ぶどう種子油、ローズヒップ油、ヒマワリ油、オリーブ油、アボカド油、マカダミアナッツ油、メドホーム油、シア脂、ホホバ油、ミツロウ、水素添加パーム油、ステアリン酸コレステリル、フィトステロール、トリミリスチン酸グリセリル、トリステアリン酸グリセリル、ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸)ジペンタエリスリトール、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、トリオクタノイン、テトラオクタン酸ペンタエリスリトール、リンゴ酸ジイソステアリル等、ラウロイルサルコシンイソプロピル、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、ラウロイルグルタミン酸ジ(コレステリル/オクチルドデシル)等のアミドエステル等のエステル等が挙げられる。
【0071】
粉体としては、特に限定されず、例えば金属、金属酸化物、金属硫化物、これらの錯塩類等の無機粒子、各種鉱物、有機粒子が挙げられる。金属酸化物としては、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化鉄(四酸化鉄、二酸化鉄、三酸化鉄等)、酸化亜鉛、酸化ケイ素等が挙げられる。有機粒子としては、ポリスチレン、ポリアクリル酸エステル、ポリ酢酸ビニル等のポリマー粒子や炭素微粒子等が挙げられる。このような粉体は、表面状態に関わらず、分散させることができる。すなわち、粉体は予め表面処理(例えば、親水処理又は疎水処理)されたものであってもよく、表面処理されていないものであってもよい。特に、本発明の乳化剤は、例えば粒子の表面が疎水性であっても、水を分散媒として均一なエマルション粒子を形成することができ、その結果として安定的なO/W型エマルション構造とすることができる。これまで、疎水性表面を有する粒子を安定的に分散させたO/W型エマルションを形成することは容易ではなかったが、本発明の乳化剤によれば、このようなO/W型エマルションを形成することができる。
【0072】
また、本発明の乳化物は、例えば、酢酸ビニルモノマー、塩化ビニルモノマー、各種樹脂合成樹脂等を含有させることができる。なお、これらは塗料等の原料として用いられるものである。
【0073】
本発明の乳化物は、本発明の効果を損なわない範囲において、任意成分を含むことができる。
【0074】
<化粧料>
本発明の化粧料は、上述した乳化物を含んでなるものである。
【0075】
このような化粧料は、水中油滴型(O/W型)及び油中水滴型(W/O型)のいずれであってもよいが、水中油滴型(O/W型)は、連続相が油相である油中水滴型(W/O型)のものと比較して、さっぱりみずみずしい良好な使用感を有するという特徴がある。以下、このような水中油滴型(O/W型)の化粧料の特徴を詳細に説明する。
【0076】
従来技術として、化粧料の分野においては、水中油滴型(O/W型)及び油中水滴型(W/O型)、いずれのエマルション構造を有する化粧料も用いられている。一方で、一般的に、化粧料においては、例えば酸化チタンや酸化亜鉛等の粉末が白色顔料として配合させるものである。ここで、水中油滴型(O/W型)の化粧料では、さっぱりとした使用感を有するが、上述したような粉末を配合して水分散媒に分散させるためには、その表面が未処理(酸化物は一般的に表面に水酸基を有しているため親水性である。)の粉末か、又はその表面に親水処理を施した粉末を用いる。しかしながら、このような粉末は、表面が親水性であるため、水や汗により化粧崩れや粉末の流れ落ちが起こりやすかった。一方で、油中水滴型(W/O型)の化粧料は、油相として例えばシリコーンや極性油、粉末として疎水処理を施したものを用いる。このような油中水滴型(W/O型)の化粧料においては、配合された粉末の表面が疎水性であるため、上述したような化粧崩れや粉末の流れ落ちは起こりにくい。しかしながら、分散媒である油相により、その使用感は、水中油滴型(O/W型)のものに比べて劣るものとなる。このように、従来、化粧料の分野において、塗り心地等の使用感と化粧崩れや配合された粉末の流れ落ちとはトレードオフの関係にあった。
【0077】
しかしながら、上述したように、本発明においては疎水性表面を有する粉末を水分散媒中に乳化させて、均一且つ安定的な分散液を形成することができる。そして、このようにして形成される乳化物を含んでなる化粧料は、水分散媒に由来する塗り心地等の使用感の良さを有するとともに、粉末の疎水性表面に由来する化粧崩れや粉末の流れ落ちが抑制されたものである。そしてさらに驚くべきことに、このような化粧料では、粉末以外の油性成分(油相)も同時且つ均一に乳化させることができる。
【0078】
粉体としては、従来公知の化粧料に含まれるあらゆる粉末を用いることができ、具体的には、無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、タルク、カオリン、ベントナイト、オキシ塩化ビスマス、酸化プラチナ、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、マイカ、雲母チタン、二酸化チタン、低次酸化チタン、チタン酸コバルト、コバルトバイオレット、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、黄酸化鉄、赤酸化鉄(ベンガラ)、黒酸化鉄、群青、紺青、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、カラミン、酸化錫、二酸化セリウム、炭酸カルシウム、オキシ塩化ビスマス、カルミン、ベルリンブルー、酸化クロムグリーン、ウルトラマリンブルー、マンガンバイオレット等を用いることができる。
【0079】
粉体は、上述したように、疎水処理が施されたものであることが好ましい。このような粉末を用いることにより、化粧崩れや粉末の流れ落ちを抑制することができる。
【0080】
粉体の疎水性処理としては、従来公知の表面処理の手法を用いることができる。具体的には、例えば粉体表面に油脂を吸着させる等水酸基等の官能基を利用し、エステル化やエーテル化を起こさせ粉体を親油的にする油脂処理法、脂肪酸の亜鉛塩やマグネシウム塩やアルミ塩を用いた金属石鹸処理法、ジメチルシロキサンやメチル水素シロキサン等のシリコーン化合物を用いたシリコーン処理法、パーフルオロアルキル基を有するフッ素化合物で処理する方法、アルキルアルコキシシランで処理する方法等を用いることができる。
【0081】
粉体の含有量としては、特に限定されず、その粉体の用途により適宜調整することができるが、例えば0.01質量%以上、0.02質量%以上、0.05質量%以上、0.1質量%以上、0.2質量%以上、0.5質量%以上、1質量%以上、2質量%以上、5質量%以上、7質量%以上、8質量%以上、9質量%以上であってよい。粉体の含有量が所要量以上であることにより、所望する粉体の機能を得ることができる。また、粉体の含有量としては、例えば95質量%以下、90質量%以下、85質量%以下、80質量%以下、75質量%以下、70質量%以下、65質量%以下、60質量%以下、55質量%以下、50質量%以下、45質量%以下、40質量%以下、35質量%以下、30質量%以下、25質量%以下、20質量%以下、15質量%以下であってよい。粉体の含有量が所要量以下であることにより、形成されるエマルションの安定性がより高くなる。
【0082】
油相の含有量としては、特に限定されず、O/W型エマルション構造を形成する限りにおいて所望の性質により適宜調整することができるが、例えば5質量%以上、7質量%以上、10質量%以上、12質量%以上、15質量%以上、20質量%以上、22質量%以上であってよい。また、油相の含有量としては、例えば70質量%以下、65質量%以下、60質量%以下、55質量%以下、50質量%以下、45質量%以下、40質量%以下、35質量%以下であってよい。
【0083】
水相の含有量としては、特に限定されず、O/W型エマルション構造を形成する限りにおいて所望の性質により適宜調整することができるが、例えば30質量%以上、35質量%以上、45質量%以上、50質量%以上、55質量%以上、60質量%以上、65質量%以上、70質量%以上であってよい。また、水相の含有量としては、例えば95質量%以下、90質量%以下であってよい。
【0084】
本発明の化粧料は、乳化状態を維持し、又は比重差によるエマルション粒子の濃度の偏り(以下、「コアセルベーション」ということもある。)が生じても軽く振とうすれば均一に分散した乳化状態を維持することができるものであり、乳化状態においてO/W型エマルション構造を有する。
【0085】
油相は、従来化粧料において公知の油剤を含んでよく、本発明では、幅広い油剤を使用することができる。このような油剤については、従来周知(例えば、特開2007−70304号公報)であるため、省略する。油相は、特に限定されないが、化粧料に対し5質量%〜95質量%の量であってよく、具体的には1.0〜40質量%である。
【0086】
水相は、従来化粧料において公知の水溶性成分を含んでよく、本発明では、幅広い水溶性成分を使用することができる。このような水溶性成分については、従来周知(例えば、特開2007−70304号公報)であるため、省略する。水相は、特に限定されないが、化粧料に対し5質量%〜95質量%の量であってよい。
【0087】
<任意成分>
本発明に係る化粧料は、さっぱり感、べたつき感、リッチ感(コク)が向上する点で、高級アルコールを更に含有することが好ましい。高級アルコールは液晶を形成し、皮膚上(体温)で油脂をとりこんで固まるため、さっぱり感が向上し、べたつき感が低下するものと推測される。高級アルコールは、直鎖又は分岐鎖のいずれの構造を有してもよく、炭素数が16以上、好ましくは18以上、20以上、22以上であってよい。なお、上記機構から、高級アルコールの平均融点は、38℃以上であることが好ましく、より好ましくは50℃以上、具体的には54〜73℃であってよい。
【0088】
高級アルコールとしては、ラノリンアルコール、水素添加ラノリンアルコール等のラノリン誘導体、セタノール、ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、ステアリルアルコール、オクチルドデカノール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の1種又は2種以上が挙げられる。中でも、上記効果に優れる点で、ステアリルアルコール及び/又はベヘニルアルコールが好ましい。
【0089】
高級アルコールの量は、過小であると上記効果が不十分である場合があり、過大であると皮膚上での延びが十分に向上しない場合がある。高級アルコールの量は、化粧料に対し0.1質量%以上であってよく、好ましくは0.5質量%以上であり、10質量%以下であってよく、好ましくは5質量%以下、3質量%以下である。
【0090】
ステアリルアルコール及びベヘニルアルコールを併用することは、べたつき感、リッチ感の向上の点で好ましい。この場合、ベヘニルアルコールに対するステアリルアルコールの質量比(ステアリルアルコール/ベヘニルアルコール)は、1/10以上であってよく、好ましくは6/24以上、16/14以上、18/12以上であり、20/1以下であってよく、好ましくは10/1以下、1/2以下である。
【0091】
本発明の化粧料は、さっぱり感、べたつき感、及びリッチ感(コク)が向上する点で、モノ脂肪酸グリセリンエーテル(ただし、脂肪酸の炭素数は16以上である)を更に含有することが好ましい。モノ脂肪酸グリセリンエーテルはエマルション粒子の粒子径を小さくし、分散性を高めることで、上記効果を奏すると推測される。
【0092】
モノ脂肪酸グリセリンエーテルとしては、イソステアリルグリセリルエーテル、キミルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール等の1種又は2種以上が挙げられる。中でも、さっぱり感、べたつき感、リッチ感の向上の点で、バチルアルコールが好ましい。
【0093】
モノ脂肪酸グリセリンエーテルの量は、過小であると上記効果が不十分である場合があり、過大であると皮膚上での延びが十分に向上しない場合がある。モノ脂肪酸グリセリンエーテルの量は、化粧料に対し0.05質量%以上であってよく、好ましくは0.1質量%以上、0.2質量%以上、0.3質量%以上であり、10質量%以下であってよく、好ましくは1.0質量%以下、0.75質量%以下、0.5質量%以下である。
【0094】
モノ脂肪酸グリセリンエーテルは、単独で用いてもよいが、皮膚上での延び、フレーキングを向上する点で、高級アルコールと併用することが好ましい。併用する場合、両者の有用性をバランス良くとりいれる観点で、高級アルコール及びモノ脂肪酸グリセリンエーテルの総量は、化粧料に対し0.25質量%以上であってよく、好ましくは0.5質量%以上、1.0質量%以上であり、10質量%以下であってよく、好ましくは7.5質量%以下、5.0質量%以下である。
【0095】
モノ脂肪酸グリセリンエーテルに対する高級アルコールの質量比(高級アルコール/モノ脂肪酸グリセリンエーテル)は、25/5以上であることが好ましく、より好ましくは26/4以上であり、29/1以下であってよく、好ましくは27/3以下である。
【0096】
また、上述した高級アルコールと同様に、イソステアリン酸、イソパルミチン酸、オレイン酸、パルミトレイン酸、リノール酸、リシノレイン酸等の脂肪酸、ラノリン等を用いることもできる。
【0097】
本発明の化粧料は、その他、防腐剤、増粘剤等の従来公知の任意成分を幅広く含有してよい(例えば、特開2007−8901号公報)。具体的に、本発明の化粧料は、乳化性能をより向上し得る点で界面活性剤を更に含有してもよいが、界面活性剤の有無にかかわらず十分な乳化性能が得られる場合が多いことから、界面活性剤を含有しないことが好ましい。「界面活性剤を含有しない」とは、乳化性能に差異を与えない程度の僅少量を指し、具体的には化粧料に対して0.1質量%以下、0.08質量%以下、0.07質量%以下、0.06質量%以下、0.05質量%以下、0.04質量%以下、0.02質量%以下、0.02質量%以下、0.01質量%以下、0.005質量%以下、0.001質量%以下である。
【0098】
本発明の化粧料は、液状、乳液状、クリーム状、固形状、ゲル状等の種々の形態をとってよい。また、本発明の化粧料は、前述のような優れた特性を有するため、ファンデーション、白粉、口紅、アイシャドウ、チーク、マスカラ、アイライナー等のメイクアップ化粧料や、サンスクリーン剤、下地クリーム、ヘアクリーム等の皮膚又は毛髪に適用される種々の用途に適用されてよい。
【0099】
<組成物の製造方法>
本発明に係る組成物の製造方法は、上述した非イオン性両親媒性物質と、イオン性両親媒性物質とが非水溶媒に溶解された原料溶液を得る工程と、その原料溶液に水を添加し、非イオン性両親媒性物質と、イオン性両親媒性物質とが複合した親水性微粒子を析出させる工程とを含むものである。
【0100】
非水溶媒としては、特に限定されず、非イオン性両親媒性物質とイオン性両親媒性物質の溶解度により適宜選択することができる。
【0101】
原料溶液の調製方法としては、非イオン性両親媒性物質とイオン性両親媒性物質とを非水溶媒に添加してもよいし、非イオン性両親媒性物質の非水溶媒溶液と、イオン性両親媒性物質の非水溶媒溶液とを混合してもよい。
【0102】
<化粧料の製造方法>
本発明に係る化粧料の製造方法は、上述した方法により製造した親水性微粒子を用いて、油相、粉体を乳化させる方法である。より具体的には、例えば親水性微粒子が分散した水分散液と、油成分又は粉体とを混合し、水相及び油相を互いに乳化させる工程を有する。水相及び油相の混合比や混合条件は、上述したとおりである。
【0103】
本発明に係る化粧料の製造方法は、乳化物を化粧料に加工する工程を有してよい。加工の方法としては、特に限定されず、適宜行えばよい。具体的に、加工する工程は、乳化物を水で希釈する工程を有してよい。界面活性剤の場合、O/Wエマルションに水を加えると、油相に可逆的に吸着していた界面活性剤が脱離し、乳化状態が不安定化してしまう。しかし、本発明では、親水性微粒子が油に不可逆的に付着して乳化するため、希釈の有無にかかわらず、乳化状態が安定である。これにより、乳化物を油が高濃度であるように製造しておき、乳化物を流通等し、化粧料の製造時に適宜希釈するという化粧料の製造が可能になる。
【実施例】
【0104】
以下、本発明の実施例及び比較例を示して、本発明についてより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0105】
なお、以下において「モル分率」とは、イオン性両親媒性物質及び非イオン性両親媒性物質の総モル数に対する、イオン性両親媒性物質のモル数を言う。
【0106】
<フィタントリオール及びジラウロイル酸グルタミン酸リシンナトリウムを用いた乳化>
[親水性微粒子の合成]
室温下で、ペンタンジオール2gに、フィタントリオール(PHT)とジラウロイル酸グルタミン酸リシンナトリウム(DLGL)30質量%水溶液を添加し、溶液を得た。ここで、PHT及びDLGLの質量を計1gに固定して、PHT:DLGL質量比を0.9:0.1(DLGLモル分率0.01),0.8:0.2(DLGLモル分率0.03),0.7:0.3(DLGLモル分率0.05),0.6:0.4(DLGLモル分率0.07),0.5:0.5(DLGLモル分率0.11),0.4:0.6(DLGLモル分率0.15),0.3:0.7(DLGLモル分率0.22),0.2:0.8(DLGLモル分率0.32),0.1:0.9(DLGLモル分率0.52),DLGL質量1g(DLGLモル分率1)に変更した。室温下で、この溶液に精製水97gを添加し、撹拌することにより親水性微粒子の水分散液を得た。
【0107】
得られた親水性微粒子の水分散液について、動的光散乱法により測定し、ヒストグラム解析を行い、親水性微粒子の平均粒径を求めた。表1に、DLGLモル分率と得られた親水性微粒子の平均粒径の比を示す。図1は、親水性微粒子の平均粒径(nm)対DLGLモル分率プロットであり、表1を図としたものである。
【0108】
【表1】
【0109】
PHT:DLGLモル比を変更して得られたそれぞれの親水性微粒子の分散液について、ゼータ電位を測定した。図2は、分散液中の親水性微粒子のゼータ電位対DLGLモル分率のプロットである。DLGLモル分率が0.01〜0.11においては、DLGLの割合の増加にしたがって、負の電荷が増加することが分かった。これは、DLGLの割合が増加するにしたがって、DLGLが有する負電荷が親水性微粒子の表面に増加することによるものであると考えられる。一方で、DLGLモル分率について0.11からさらにDLGL量が増加すると、ゼータ電位は略一定となる。これは、親水性微粒子の表面のDLGL量が一定量を超えると、DLGL単独の物性が優先して現れるためと考えられる。このことは、親水性粒子中には、イオン性両親媒性物質を特定の比率を超えて複合できないことを意味している。なお、通常の一成分から構成されるベシクルに、その構成成分以外のイオン性両親媒性物質を混合させた場合でも、一定比率までしか混合できないことが分かっている。また、極少量(例えばモル分率0.03)のDLGLを添加した場合にも、ゼータ電位が変化することから、PHTとDLGLが複合されたことが分かった。
【0110】
[溶媒の影響の検討]
室温下で、PHT 0.5gをグリセリン、1,3−ブタンジオール、ジプロピレングリコール又はペンタンジオールのいずれかの溶媒2gに溶解させた後、30質量%DLGL水溶液を0.5g添加し、溶液を得た。この溶液を室温下で撹拌した精製水97gに滴下し、親水性微粒子の水分散液を得た。
【0111】
表2に、それぞれの溶媒を用いて得られた親水性微粒子のヒストグラム解析により求めた平均粒径、及びゼータ電位を示す。グリセリン、1,3−ブタンジオール及びジプロピレングリコールを用いた場合、白色透明の分散液が得られた。また、ペンタンジオールを用いた場合、透明の分散液が得られた。このように、用いる溶媒を変化させることで、得られる親水性微粒子の粒径を制御できることが分かった。
【0112】
【表2】
【0113】
[メチルハイドロジェンポリシロキサン修飾酸化チタンの分散処理]
(実施例1)
室温下で、PHT1gをペンタンジオール4gに溶解させた後、30質量%DLGL水溶液1g(DLGL 0.3g)を添加し、溶液を得た(DLGLモル分率0.11)。次いで、この溶液を撹拌した精製水84gに滴下し、親水性微粒子の水分散液を得た。この水分散液を撹拌しながら、メチルハイドロジェンポリシロキサン修飾酸化チタン(平均粒径0.9μm)10gを滴下した。得られた液体は、白色の分散液であった。なお、この分散液中、PHT:DLGL:ペンタンジオール:精製水:メチルハイドロジェンポリシロキサン修飾酸化チタン=1:0.3:4:84.7:10(質量比)である。
【0114】
(比較例1)
室温下で、撹拌した精製水77.7gに、ペンタンジオール4g及び30質量%DLGL水溶液8.3g(DLGL 2.49g)を滴下し、親水性微粒子の水分散液を得た。この水分散液を撹拌しながら、メチルハイドロジェンポリシロキサン修飾酸化チタン(平均粒径0.9μm)10gを滴下した。得られた液体は、白色の分散液であった。なお、この分散液中、DLGL:ペンタンジオール:精製水:メチルハイドロジェンポリシロキサン修飾酸化チタン=2.49:4:83.51:10(質量比)である。
【0115】
実施例1及び比較例1において得られた分散液を、製造してから1時間後に光学顕微鏡により観察した。図3は実施例1において得られた平均粒径0.9μmのメチルハイドロジェンポリシロキサン修飾酸化チタン分散液の光学顕微鏡写真図である。また、図4は比較例1において得られた平均粒径0.9μmのメチルハイドロジェンポリシロキサン修飾酸化チタン分散液の光学顕微鏡写真図である。PHT及びDLGLにより形成された親水性微粒子により得られた実施例1の分散液(図3参照)は、DLGLのみにより形成された親水性微粒子により得られた比較例1の分散液(図4参照)に比べ、酸化チタンが均一に分散していることが分かった。
【0116】
実施例1及び比較例1において得られた分散液を、サンプル瓶に移し、4週間静置した。図5は、実施例1及び比較例1において得られた分散液の4週間静置後の写真図である(写真左:実施例1、写真右:比較例1)。実施例1の分散液においては、4週間静置後も良好な分散状態を維持していたのに対し、比較例1の分散液においては、4週間静置後には白色の粉体の沈降が確認された。
【0117】
[メチルハイドロジェンポリシロキサン修飾酸化チタンの分散処理]
(実施例2)
室温下で、PHT1gをペンタンジオール4gに溶解させた後、30質量%DLGL水溶液1g(DLGL 0.3g)を添加し、溶液を得た(DLGLモル分率0.11)。次いで、この溶液を撹拌した精製水84gに滴下し、親水性微粒子の水分散液を得た。この水分散液を撹拌しながら、メチルハイドロジェンポリシロキサン修飾酸化チタン(平均粒径0.6μm)10gを滴下した。得られた液体は、白色の分散液であった。なお、この分散液中、PHT:DLGL:ペンタンジオール:精製水:メチルハイドロジェンポリシロキサン修飾酸化チタン=1:0.3:4:84.7:10(質量比)である。
【0118】
(比較例2)
室温下で、撹拌した精製水77.7gに、ペンタンジオール4g及び30質量%DLGL水溶液8.3g(DLGL 2.49g)を滴下し、親水性微粒子の水分散液を得た。この水分散液を撹拌しながら、メチルハイドロジェンポリシロキサン修飾酸化チタン(平均粒径0.6μm)10gを滴下した。得られた液体は、白色の分散液であった。なお、この分散液中、DLGL:ペンタンジオール:精製水:メチルハイドロジェンポリシロキサン修飾酸化チタン=2.49:4:83.51:10(質量比)である。
【0119】
実施例2及び比較例2において得られた分散液を、製造してから1時間後に光学顕微鏡により観察した。図6は実施例2において得られた平均粒径0.6μmのメチルハイドロジェンポリシロキサン修飾酸化チタン分散液の光学顕微鏡写真図である。また、図7は比較例2において得られた平均粒径0.6μmのメチルハイドロジェンポリシロキサン修飾酸化チタン分散液の光学顕微鏡写真図である。PHT及びDLGLにより形成された親水性微粒子により得られた実施例2の分散液(図6参照)は、DLGLのみにより形成された親水性微粒子により得られた比較例2の分散液(図7参照)に比べ、酸化チタンが均一に分散していることが分かった。
【0120】
実施例2及び比較例2において得られた分散液を、サンプル瓶に移し、4週間静置した。図8は、実施例2及び比較例2において得られた分散液の4週間静置後の写真図である(写真左:実施例2、写真右:比較例2)。実施例2の分散液においては、4週間静置後も良好な分散状態を維持していたのに対し、比較例2の分散液においては、4週間静置後には白色の粉体の沈降が確認された。
【0121】
[メチルハイドロジェンポリシロキサン修飾酸化鉄の乳化処理]
(実施例3)
室温下で、PHT1gをペンタンジオール4gに溶解させた後、30質量%DLGL水溶液1g(DLGL 0.3g)を添加し、溶液を得た(DLGLモル比0.11)。次いで、撹拌した精製水89gに、この溶液を滴下し、親水性微粒子の水分散液を得た。この水分散液を撹拌しながら、メチルハイドロジェンポリシロキサン修飾酸化鉄(平均粒径7μm)5gを滴下した。得られた液体は、赤色の分散液であった。なお、この分散液中、PHT:DLGL:ペンタンジオール:精製水:メチルハイドロジェンポリシロキサン修飾酸化鉄=1:0.3:4:89.7:5(質量比)である。
【0122】
(比較例3)
室温下で、撹拌した精製水82.7gに、ペンタンジオール4g及び30質量%DLGL水溶液8.3g(DLGL 2.49g)を滴下し、親水性微粒子の水分散液を得た。この水分散液を撹拌しながら、メチルハイドロジェンポリシロキサン修飾酸化鉄(平均粒径7μm)5gを滴下した。得られた液体は、赤色の分散液であった。なお、この分散液中、DLGL:ペンタンジオール:精製水:メチルハイドロジェンポリシロキサン修飾酸化鉄=2.49:4:88.51:5(質量比)である。
【0123】
実施例3及び比較例3において得られた分散液を、製造してから1時間後に光学顕微鏡により観察した。図9は実施例3において得られたメチルハイドロジェンポリシロキサン修飾酸化鉄分散液の光学顕微鏡写真図である。また、図10は比較例3において得られたメチルハイドロジェンポリシロキサン修飾酸化鉄分散液の光学顕微鏡写真図である。PHT及びDLGLにより形成された親水性微粒子により得られた実施例3の分散液(図9参照)は、DLGLのみにより形成された親水性微粒子により得られた比較例3の分散液(図10参照)に比べ、酸化鉄が均一に分散していることが分かった。
【0124】
実施例3及び比較例3において得られた分散液を、サンプル瓶に移し、4週間静置した。図11は、実施例3及び比較例3において得られた分散液の4週間静置後の写真図である(写真左:実施例3、写真右:比較例3)。実施例3の分散液においては、4週間静置後も良好な分散状態を維持していたのに対し、比較例3の分散液においては、4週間静置後には白色の粉体の沈降が確認された。
【0125】
[メチルハイドロジェンポリシロキサン修飾タルクの乳化処理]
(実施例4)
室温下で、PHT1gをペンタンジオール4gに溶解させた後、30質量%DLGL水溶液1g(DLGL 0.3g)を添加し、溶液を得た(DLGLモル分率0.11)。次いで、この溶液を撹拌した精製水84gに滴下し、親水性微粒子の水分散液を得た。この水分散液を撹拌しながら、メチルハイドロジェンポリシロキサン修飾タルク(平均粒径13μm)10gを滴下した。得られた液体は、白色の分散液であった。なお、この分散液中、PHT:DLGL:ペンタンジオール:精製水:メチルハイドロジェンポリシロキサン修飾タルク=1:0.3:4:84.7:10(質量比)である。
【0126】
(比較例4)
室温下で、撹拌した精製水77.7gに、ペンタンジオール4g及び30質量%DLGL水溶液8.3g(DLGL 2.49g)を滴下し、親水性微粒子の水分散液を得た。この水分散液を撹拌しながら、メチルハイドロジェンポリシロキサン修飾タルク(平均粒径13μm)10gを滴下した。得られた液体は、白色の分散液であった。なお、この分散液中、DLGL:ペンタンジオール:精製水:メチルハイドロジェンポリシロキサン修飾タルク=2.49:4:83.51:10(質量比)である。
【0127】
実施例4及び比較例4において得られた分散液を、製造してから1時間後に光学顕微鏡により観察した。図12は実施例4において得られたメチルハイドロジェンポリシロキサン修飾タルク分散液の光学顕微鏡写真図である。また、図13は比較例4において得られたメチルハイドロジェンポリシロキサン修飾タルク分散液の光学顕微鏡写真図である。PHT及びDLGLにより形成された親水性微粒子により得られた実施例4の分散液(図12参照)は、DLGLのみにより形成された親水性微粒子により得られた比較例4の分散液(図13参照)に比べ、タルクが均一に分散していることが分かった。
【0128】
実施例4及び比較例4において得られた分散液を、サンプル瓶に移し、4週間静置した。図14は、実施例4及び比較例4において得られた分散液の4週間静置後の写真図である(写真左:実施例4、写真右:比較例4)。実施例4の分散液においては、4週間静置後に沈降が見られたが、分散している比較例4の分散液においては、4週間静置後には白色の粉体の沈降が確認された。
【0129】
[スクワランの乳化処理]
(実施例5)
室温下で、PHT1.4gをペンタンジオール4gに溶解させた後、30質量%DLGL水溶液0.6g(DLGL 0.18g)を添加し、溶液を得た(DLGLモル分率0.05)。次いで、この溶液を撹拌した精製水84gに滴下し、親水性微粒子の水分散液を得た。この水分散液を撹拌しながら、スクワラン10gを滴下した。得られた液体は、白色の乳化物であった。なお、この分散液中、PHT:DLGL:ペンタンジオール:精製水:スクワラン=1.4:0.18:4:84.42:10(質量比)である。
【0130】
(比較例5)
室温下で、撹拌した精製水73.5gに、ペンタンジオール4g及び30質量%DLGL水溶液12.5g(DLGL 3.75g)を滴下し、親水性微粒子の水分散液を得た。この水分散液を撹拌しながら、スクワラン10gを滴下した。得られた液体は、白色の乳化物であった。なお、このエマルション中、DLGL:ペンタンジオール:精製水:スクワラン=3.75:4:82.25:10(質量比)である。
【0131】
実施例5及び比較例5において得られた乳化物を、サンプル瓶に移し、1週間静置した。図15は、実施例5及び比較例5において得られた分散液の1週間静置後の写真図である(写真左:実施例5、写真右:比較例5)。実施例5の乳化物においては、1週間静置後も良好な分散状態を維持していたのに対し、比較例5の乳化物においては、1週間静置後には白色の液状物の沈降が確認された。
【0132】
<テトラヒドロファルネシル酢酸グリセリル及びジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウムを用いた乳化>
[流動パラフィンの分散処理]
(実施例6)
室温下で、テトラヒドロファルネシル酢酸グリセリル0.6gをペンタンジオール2.0gに溶解させた後、30質量%DLGL水溶液0.4g(DLGL 0.12g)を添加し、溶液を得た(DLGLモル分率0.084)。次いで、この溶液を撹拌した精製水97gに滴下し、親水性微粒子の水分散液を得た。この水分散液を撹拌しながら、流動パラフィン100gを滴下した。得られた液体は、白色の乳化物であった。なお、このエマルション中、テトラヒドロファルネシル酢酸グリセリル:DLGL:ペンタンジオール:精製水:流動パラフィン=0.6:0.12:2.0:97.28:100(質量比)である。
【0133】
[MCT油の分散処理]
(実施例7)
室温下で、テトラヒドロファルネシル酢酸グリセリル0.6gをペンタンジオール2.0gに溶解させた後、30質量%DLGL水溶液0.4g(DLGL 0.12g)を添加し、溶液を得た(DLGLモル分率0.084)。次いで、この溶液を撹拌した精製水97gに滴下し、親水性微粒子の水分散液を得た。この水分散液を撹拌しながら、MCT油100gを滴下した。得られた液体は、白色の乳化物であった。なお、このエマルション中、テトラヒドロファルネシル酢酸グリセリル:DLGL:ペンタンジオール:精製水:MCT油=0.6:0.12:2.0:97.28:100(質量比)である。
【0134】
実施例6及び実施例7において得られたエマルションを、製造してから1時間後に光学顕微鏡により観察した。図16図17はそれぞれ実施例6、実施例7において得られたエマルションの光学顕微鏡写真図である。いずれのエマルションにおいても、油分が均一に分散していることが分かった。
【0135】
実施例6及び実施例7において得られた分散液を、サンプル瓶に移し、1ヶ月静置した。図16は、実施例6及び実施例7において得られた分散液の1ヶ月静置後の写真図である(写真左:実施例6、写真右:実施例7)。いずれの分散液でもエマルション粒子のコアセルベーションが僅かに見られたが、乳化状態を維持していることが分かった。
【0136】
<フィタントリオール及びヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリドを用いた乳化>
[親水性微粒子の合成]
室温下で、PHT及びヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド(CTAC)をエタノール2gに溶解させ溶液を得た。ここで、PHT及びCTACの質量を計1gに固定して、PHT:CTAC質量比を0.97:0.03(CTACモル分率0.03),0.94:0.06(CTACモル分率0.07),0.9:0.1(CTACモル分率0.11),0.7:0.3(CTACモル分率0.33),0.3:0.7(CTACモル分率0.73),0:1(CTACモル分率1)に変更した。室温下で、この溶液を撹拌した精製水97gに滴下し、親水性微粒子の水分散液を得た。なお、PHT:CTAC=0.3:0.7、0:1の場合、親水性微粒子は得られなかった。
【0137】
得られた親水性微粒子の水分散液について、動的光散乱法により測定し、ヒストグラム解析を行い、親水性微粒子の平均粒径を求めた。表3に、CTACモル分率と得られた親水性微粒子の平均粒径の比を示す。
【0138】
【表3】
【0139】
また、PHT:CTACモル比を変更して得られたそれぞれの親水性微粒子の分散液について、ゼータ電位を測定した。図18は、分散液中の親水性微粒子のゼータ電位対CTACモル分率のプロットである。CTACモル分率が0.03〜0.31の範囲においては、CTACの割合の増加にしたがって、正の電荷が増加することが分かった。これは、CTACの割合が増加するにしたがって、CTACが有する正電荷が親水性微粒子の表面に増加することによるものであると考えられる。一方で、CTACモル分率について0.31からさらにCTAC量が増加すると、PHTがCTACによって可溶化されたと考えられる。
【0140】
[スクワランの分散処理]
(実施例8)
室温下で、PHT 1.05g及びCTAC 0.45gをエタノール3gに溶解させ溶液を得た(CTACモル分率0.31)。次いで、この溶液を撹拌した精製水85.5gに滴下し、親水性微粒子の水分散液を得た。この水分散液を撹拌しながら、スクワラン10gを滴下した。得られた液体は、白色の乳化物であった。なお、このエマルション中、PHT:CTAC:エタノール:精製水:スクワラン=1.05:0.45:3:85.5:10(質量比)である。
【0141】
[エチルヘキサン酸セチルの分散処理]
(実施例9)
室温下で、PHT 1.05g及びCTAC 0.45gをエタノール3gに溶解させ溶液を得た(CTACモル分率0.31)。次いで、この溶液を撹拌した精製水85.5gに滴下し、親水性微粒子の水分散液を得た。この水分散液を撹拌しながら、エチルヘキサン酸セチル10gを滴下した。得られた液体は、白色の乳化物であった。なお、このエマルション中、PHT:CTAC:エタノール:精製水:エチルヘキサン酸セチル=1.05:0.45:3:85.5:10(質量比)である。
【0142】
実施例8及び実施例9において得られた分散液を、製造してから1時間後に光学顕微鏡により観察した。図19図20はそれぞれ実施例8、実施例9において得られたエマルションの光学顕微鏡写真図である。いずれの分散液においても、油分が均一に分散していることが分かった。
【0143】
実施例8及び実施例9において得られた分散液を、サンプル瓶に移し、4週間静置した。図21は、実施例8及び実施例9において得られたエマルションの4週間静置後の写真図である(写真左:実施例8、写真右:実施例9)。いずれのエマルションでもエマルション粒子のコアセルベーションが僅かに見られたが、乳化状態を維持していることが分かった。
【0144】
<フィタントリオール及びラウリル硫酸ナトリウムを用いた乳化>
[親水性微粒子の合成]
室温下で、PHT及びラウリル硫酸ナトリウム(SLS)をペンタンジオール2gに溶解させ溶液を得た。ここで、PHT及びSLSの質量を計1gに固定して、PHT:SLS質量比を0.97:0.03(SLSモル分率0.03),0.94:0.06(SLSモル分率0.07),0.9:0.1(SLSモル分率0.11),0.7:0.3(SLSモル分率0.33),0.3:0.7(SLSモル分率0.73),0:1(SLSモル分率1)に変更した。室温下で、この溶液を撹拌した精製水97gに滴下し、親水性微粒子の水分散液を得た。なお、PHT:SLS=0.3:0.7、0.1:0.9の場合、親水性微粒子は得られなかった。
【0145】
得られた親水性微粒子の水分散液について、動的光散乱法により測定し、ヒストグラム解析を行い、親水性微粒子の平均粒径を求めた。表4に、SLSモル分率と得られた親水性微粒子の平均粒径の比を示す。
【0146】
【表4】
【0147】
また、PHT:SLSモル比を変更して得られたそれぞれの親水性微粒子の分散液について、ゼータ電位を測定した。図22は、分散液中の親水性微粒子のゼータ電位対SLSモル分率のプロットである。SLSモル分率が0.03〜0.33の範囲においては、SLSの割合の増加にしたがって、負の電荷が増加することが分かった。これは、SLSの割合が増加するにしたがって、SLSが有する負電荷が親水性微粒子の表面に増加することによるものであると考えられる。一方で、SLSモル分率について0.33からさらにSLS量が増加すると、PHTがSLSによって可溶化されたと考えられる。
【0148】
[スクワランの分散処理]
(実施例10)
室温下で、PHT 1.05g及びSLS0 .45gをペンタンジオール3gに溶解させ溶液を得た(SLSモル分率0.33)。次いで、この溶液を撹拌した精製水85.5gに滴下し、親水性微粒子の水分散液を得た。この水分散液を撹拌しながら、スクワラン10gを滴下した。得られた液体は、白色の乳化物であった。なお、このエマルション中、PHT:SLS:エタノール:精製水:スクワラン=1.05:0.45:3:85.5:10(質量比)である。
【0149】
[エチルヘキサン酸セチルの分散処理]
(実施例11)
室温下で、PHT 1.05g及びSLS 0.45gをペンタンジオール3gに溶解させ溶液を得た(SLSモル分率0.33)。次いで、この溶液を撹拌した精製水85.5gに滴下し、親水性微粒子の水分散液を得た。この水分散液を撹拌しながら、エチルヘキサン酸セチル10gを滴下した。得られた液体は、白色の乳化物であった。なお、このエマルション中、PHT:SLS:エタノール:精製水:エチルヘキサン酸セチル=1.05:0.45:3:85.5:10(質量比)である。
【0150】
実施例10及び実施例11において得られた分散液を、製造してから1時間後に光学顕微鏡により観察した。図23図24はそれぞれ実施例10、実施例11において得られたエマルションの光学顕微鏡写真図である。いずれの分散液においても、油分が均一に分散していることが分かった。
【0151】
実施例10及び実施例11において得られた分散液を、サンプル瓶に移し、4週間静置した。図25は、実施例10及び実施例11において得られたエマルションの4週間静置後の写真図である(写真左:実施例10、写真右:実施例11)。いずれのエマルションでもエマルション粒子のコアセルベーションが僅かに見られたが、乳化状態を維持していることが分かった。
【0152】
<両性界面活性剤の使用の検討>
[親水性微粒子の合成]
室温下で、PHT及び3−(ラウリルジメチルアンモニオ)プロパン−1−スルホナート(ラウリルスルホベタイン;LSB)をペンタンジオール2gに溶解させて溶液を得た。ここで、PHT及びLSBの質量を計1gに固定して、PHT:LSB質量比を0.97:0.03(LSBモル分率0.03),0.9:0.1(LSBモル分率0.1),0.7:0.3(LSBモル分率0.3),0.5:0.5(LSBモル分率0.5),0.3:0.7(LSBモル分率0.7),0.2:0.8(LSBモル分率0.8),0:1(LSBモル分率1)に変更した。この溶液を室温下で撹拌した精製水97gに滴下した。
【0153】
表5に、LSBモル分率と得られた液体の外観及び偏光顕微鏡観察により特定した組織構造を示す。PHTと、両性界面活性剤であるLSBとを用いた場合、一部の試料では、ラメラ液晶等組織構造が観測され、親水性微粒子が形成されていることが示唆されたが、均一な系が得られなかった。
【0154】
【表5】
【0155】
<非イオン性両親媒性物質の使用の検討>
[親水性微粒子の合成]
室温下で、PHT及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(HCO30)をペンタンジオール2gに溶解させて溶液を得た。ここで、PHT及びHCO30の質量を計1gに固定して、PHT:HCO30質量比を0.9:0.1(HCO30モル分率0.02),0.6:0.4(HCO30モル分率0.09),0.5:0.5(HCO30モル分率0.13),0.3:0.7(HCO30モル分率0.25),0:1(HCO30モル分率1)に変更した。この溶液を室温下で撹拌した精製水97gに滴下した。
【0156】
表6に、HCO30モル分率、得られた液体の外観及び偏光顕微鏡観察により特定した組織構造を示す。PHTと、非イオン性両親媒性物質であるHCO30とを用いた場合、いずれの試料でも、ラメラ液晶等組織構造が観測されず、親水性微粒子を形成することはできなかった。
【0157】
【表6】
【0158】
<非イオン性両親媒性物質及びイオン性両親媒性物質の組合せの影響>
(実施例12)
室温下で、テトラヒドロファルネシル酢酸グリセリル0.91gをペンタンジオール2.0gに溶解させた後、SLS 0.09gを添加し、溶液を得た(SLSモル分率0.1)。次いで、この溶液を撹拌した精製水97gに滴下し、親水性微粒子の水分散液を得た。
【0159】
(実施例13)
室温下で、テトラヒドロファルネシル酢酸グリセリル0.74gをペンタンジオール2.0gに溶解させた後、SLS0.26gを添加し、溶液を得た(SLSモル分率0.3)。次いで、この溶液を撹拌した精製水97gに滴下し、親水性微粒子の水分散液を得た。
【0160】
(実施例14)
室温下で、セタノール0.44gをペンタンジオール2.0gに溶解させた後、30質量%DLGL水溶液1.9g(DLGL 0.57g)を添加し、溶液を得た(DLGLモル分率0.1)。次いで、この溶液を撹拌した精製水95.66gに滴下し、親水性微粒子の水分散液を得た。
【0161】
(実施例15)
室温下で、セタノール0.66gをペンタンジオール2.0gに溶解させた後、SLS0.34gを添加し、溶液を得た(SLSモル分率0.3)。次いで、この溶液を撹拌した精製水97gに滴下し、親水性微粒子の水分散液を得た。
【0162】
以上のように、実施例12〜15において得られた親水性微粒子は、非イオン性両親媒性物質とイオン性両親媒性物質とが複合したものであることが分かった。そこで、実施例6及び実施例12〜15において得られた親水性微粒子について、ヒストグラム解析により平均粒径を求めた。表7に、実施例6及び実施例12〜15において得られた親水性微粒子の平均粒径を、非イオン性両親媒性物質とイオン性両親媒性物質の種類及びイオン性両親媒性物質のモル分率と共に示す。
【0163】
【表7】
【0164】
<乳化剤のW/O型エマルションへの使用の検討>
(実施例16)
室温下で、PHT 0.225gをペンタンジオール0.5gに溶解させた後、30質量%DLGL水溶液0.025g(DLGL 0.0075g)を添加し、溶液を得た(PHT:DLGLモル比=0.99:0.01)。次いで、この溶液を撹拌した精製水59.25gに滴下し、親水性微粒子の水分散液を得た。この水分散液を撹拌したスクワラン40g中へ滴下した。得られた液体は、白色の乳化物であった。なお、このエマルション中、PHT:DLGL:ペンタンジオール:精製水:スクワラン=0.225:0.025:0.5:59.25:40(質量比)である。
【0165】
実施例16において得られたエマルションを、サンプル瓶に移し、製造してから1時間後に目視により観察した。図26は、実施例16において得られたW/O型エマルションの1時間静置後の写真図である。このように、乳化物が形成されていることが分かった。このようにして得られた乳化物を水に滴下したところ、水と混合しなかった。したがって、W/O型エマルションが形成されたことが分かった。
【0166】
以上からも明らかなように、本発明の乳化剤によれば、油性成分や疎水性粉末を極めて安定的に、長期間にわたって乳化分散させることが分かった。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26