【解決手段】顧客の注文内容を示す注文情報を、顧客が使用する第1言語で顧客へ第1出力装置100が出力し、また、店員が使用する第2言語でその注文情報を第2出力装置200で店員へ出力する。そして、前記第2出力装置は、注文情報とともに店員から顧客へ第1言語で伝達されるメッセージを、第2言語で店員へ出力する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態に係る注文処理システムについて、
図1〜
図7を参照しながら説明する。以下に説明される実施形態は、本発明のいくつかの例を示すものであって、本発明の内容を限定するものではない。また、各実施形態で説明される構成及び動作の全てが本発明の構成及び動作として必須であるとは限らない。なお、同一の構成要素には同一の参照符号を付して、重複する説明を省略する。
【0011】
[システムの構成]
図1は、本発明の実施形態に係る注文処理システム1の概略構成を示すブロック図である。
【0012】
注文処理システム1は、店舗で販売する商品の注文を顧客(注文者)から受注し、この注文に応じて店員(提供者、スタッフ)がその顧客に対して商品やサービスを提供する際に、店員と顧客が使用する言語が同一である場合は勿論のこと、異なる場合であっても相互間でコミュニケーションを図れることを可能としたシステムである。
【0013】
このときの店舗として、例えば、日用品、雑貨、電化製品、飲食物等の商品を販売する販売店、商品としてファストフード等の料理を提供するファストフード店、レストラン等のほか、各種のサービスを提供する施設がある。これらの店舗では、商品を販売する販売員やサービスを提供するサービス提供者等の店員によって商品やサービスが提供されている。以下では、商品を提供する場合について説明するが、これに限定されず、各種のサービスを受けるための権利(チケット)等の購入にも適用可能である。
【0014】
店員は、1または複数の言語によるコミュニケーションが可能であり、また、顧客についても同様である。このときの店員と顧客が主に使用する言語(店員や顧客によって指定された言語)が同一である場合、日常会話や仕草によって相互間でコミュニケーションが可能である。また、店員と顧客が主に使用する言語が異なる場合においては、一方が他方の主に使用する言語を用いることができれば、円滑なコミュニケーションが可能となる。この場合、一般的には、店員が顧客の使用する言語を用いることによって相互間でコミュニケーションが図れるようになる。
【0015】
この注文処理システム1は、顧客による操作により商品等の注文内容に係る注文情報を、顧客が使用する言語(以下、「第1言語」や「注文者使用言語」と称する)でその顧客へ出力する第1出力装置100と、店員が使用する言語(以下、「第2言語」や「提供者使用言語」と称する)でその注文情報を店員へ出力する第2出力装置200と、注文内容の支払いに関する決済処理を行う決済サーバ20とを具備する。
【0016】
好適には、第1出力装置100は、店舗内または店舗周辺に常設された装置であるが、これに限定されることなく顧客がまたは店舗が貸し出す携帯可能な携帯端末であってもよく、第2出力装置200は、店舗内に設けられた装置からなる。
【0017】
第1出力装置100は、商品およびその商品の数量が顧客により指定された注文内容で店舗(または店員)にその商品の購入(提供)を申し出る行為である注文を受け付け、受け付けた注文の注文内容に対する支払いの手続である決済処理(以下、単に「決済処理」、「注文に対する決済処理」または「注文内容に対する決済処理」とも称する)を行い、その後にその注文内容の注文情報を出力(表示、印刷)することが可能な装置であり、少なくとも、サイネージ機能、注文受付機能、決済処理機能及び多言語対応機能を備えている。この第1出力装置100は、ネットワーク10等を介して決済サーバ20と通信可能に接続されているほか、第2出力装置200にも接続されている。
【0018】
第1出力装置100は、サイネージ機能によって顧客が注文可能な商品等に関する情報(以下、「商品情報」とも称する)を表示し、注文受付機能によって顧客により商品情報が指定された注文内容の注文を受け付けて注文情報を作成する。
【0019】
続いて、第1出力装置100は、決済処理機能によって決済サーバ20と相互通信を行い、上記の注文内容に対する決済処理を行う。そして、第1出力装置100は、多言語対応機能によって顧客が使用する第1言語の選択を可能とし、この選択された第1言語によって商品情報を表示して顧客がこの商品情報をもとに商品の注文を可能とする。
【0020】
第1出力装置100は、決済サーバ20との通信によって決済処理が完了した後、注文情報と、この注文情報に応じて店員から顧客へ商品の受け渡しが行われる際に伝達されるメッセージに用いる言語に関する情報とを第2出力装置200に送信する。もちろん、この情報に代えて、第1出力装置100は、このメッセージそのもののデータを第2出力装置200に送信してもよい。
【0021】
このときのメッセージは、第1言語と第2言語とが異なる場合であっても、店員が第2言語を用いて顧客へ第1言語で伝達される任意の情報(顧客が第1言語で認識できる任意の情報)であり、特に、商品の受け渡しの際に伝達されるメッセージである。好適には、メッセージは、店員と顧客との挨拶に関する挨拶文であり、御礼や励ましに関する挨拶である。
【0022】
第2出力装置200は、上記のように、店舗内にあって店員が用いる装置であって、第1出力装置100から受け付けた注文情報を出力(表示または印刷)可能な装置である。この第2出力装置200は、商品としてファストフード等の料理を提供する店舗ではキッチンプリンタやタブレット端末である。
【0023】
この第2出力装置200では、キッチンプリンタ等による印刷や、タブレット端末等に表示することが可能である。また、第2出力装置200は、第2言語として、予め指定された言語を用いて出力することが可能である。このほか、後述するように、店員が主に用いる言語としてその店員に対応付けて第2言語を記憶部等に記憶しておき、店員を識別することで、その店員に対応して記憶している第2言語を用いることも可能である。
【0024】
第2出力装置200は、第1出力装置100から注文情報、メッセージに用いる言語(第1言語)に関する情報を受信すると、この言語(第1言語)に関する情報をもとに第1言語で顧客に伝達され、かつ、第2言語で表されたメッセージを記憶媒体から読み出し、注文情報とともにこのメッセージを店員へ出力する。これによって、第2言語で注文情報が出力された状態(表示された状態、または印刷された状態)となり、店員は、第2言語で表されたメッセージを第1言語での発音によって顧客に第1言語で伝達することが可能となる(認識させることができる)。
【0025】
決済サーバ20は、少なくとも第1出力装置100と接続されており、第1出力装置100から受信した注文情報の注文に対する決済処理を行う。この決済処理が正常に完了すると、その旨を第1出力装置100に通知する。もちろん、第2出力装置200とも接続され、決済処理が正常に完了したことを受信するような構成であってもよい。
【0026】
上記に示すような注文処理システム1では、各店舗等に複数の第1出力装置100を設け、各第1出力装置100に予め対応付けられた1または複数の第2出力装置200へ注文情報を送信するようにしてもよい。すなわち、所定の第2出力装置200から印刷出力される注文情報は、1または複数の第1出力装置100が送信した注文情報に基づくものである。
【0027】
[装置の構成]
図2は、本発明の実施形態に係る注文処理システム1の第1出力装置100の外観斜視図である。
図3は、本発明の実施形態に係る注文処理システム1の第1出力装置100及び第2出力装置200の構成を示すブロック図である。
図4は、本発明の実施形態に係る注文処理システム1の第1出力装置100における表示態様を示す図である。
図5は、本発明の実施形態に係る注文処理システム1の第1出力装置100における一表示態様を示す図である。
図6は、本発明の実施形態に係る注文処理システム1の出力情報の一例を示す図である。
【0028】
第1出力装置100は、
図2及び
図3に示すように、表示部110と、制御部120と、印刷装置130と、第1通信部140と、決済端末150と、カメラ160と、スピーカ170とを備えている。
【0029】
表示部110は、顧客による操作が可能なGUI(Graphical User Interface)であり、顧客によるタッチ操作が可能なタッチパネル(タッチスクリーン)によって構成可能である。このタッチ操作によって、顧客は、商品の注文や各種の情報提供を受けることができる。表示部110は、顧客によるタッチ操作を受け付けると、制御部120に対してそのタッチ操作の操作内容を通知する。
【0030】
表示部110には、
図4(a)〜
図4(c)に示すような商品の注文が可能な画面(以下、「注文画面」と称する)を表示することができる。顧客が
図4(a)〜
図4(c)に示すような注文画面をタッチ操作することによって、注文したい商品、数量等を選択すると、表示部110では、その商品や数量などを含む注文内容を制御部120に対して通知し、制御部120からの指示を受け付けることによって所定の情報を表示する。
【0031】
図4は、本発明の実施形態に係る注文処理システム1の第1出力装置100において表示される注文画面の一例を示す図であって、特に、
図4(a)および
図4(b)は、商品情報として商品名、金額のほか、注文内容として指定された商品の商品代金の合計金額が表示された注文画面であって、
図4(c)は、注文内容の一覧を表示する注文画面である。
【0032】
この
図4(a)〜
図4(c)に示すような注文画面には、顧客の使用する言語での注文を可能とするために言語選択ボタン111が設けられている。言語選択ボタン111は、表示可能な言語に対するボタン(例えば、タイ語で注文を表示するためのタイ語ボタン、中国語で注文を表示するための中国語ボタン、英語で注文を表示するための英語ボタン、日本語で注文を表示するための日本語ボタン等)がある。つまり、いずれかのボタンを顧客がタッチ操作することによって、注文画面がそのボタンに対応する言語で表示されることとなって注文が可能となる(多言語対応機能)。
【0033】
また、表示部110には、
図5(a)、
図5(b)に示すような決済処理に係る画面(以下、「決済画面」と称する)を表示することも可能である。
【0034】
図5は、本発明の実施形態に係る注文処理システム1の第1出力装置100において表示される決済画面の一例を示す図であって、
図4(a)〜
図4(c)に示すような注文画面を用いて顧客により行われた注文内容の決済処理に関する画面である。特に、
図5(a)は、注文内容の決済処理の操作を指示するために用いられる画面であって、
図5(b)は、決済処理に係る操作が完了してその注文内容の注文書(利用明細)の印刷出力が行われることを表示する画面である。
【0035】
さらに、表示部110は、一定時間以上、顧客による注文操作が行われていないとき、商品の広告宣伝のほか、各種の情報を提供することが可能である。各種の情報として、例えば、地域情報や災害情報などがある。この地域情報として、近隣の観光、イベント、買い物及び食事等の情報に加えて、これらの情報に基づいた目的地までの経路情報が挙げられる。また、災害情報として、災害情報共有システムを活用した震災情報、津波情報、並びに、各省庁及び自治体から発信された緊急情報等が挙げられる。
【0036】
続いて、制御部120は、不図示のプロセッサ、メモリ及びストレージ(総括して、「記憶媒体」とも称する)等から構成されており、第1出力装置100に含まれる各構成要素を統括的に制御し、第1出力装置100の各種機能を実現するための制御処理を実行する。プロセッサは、本実施形態におけるプログラムをストレージから呼び出してメモリに展開し、これらを所定順序で実行することにより、顧客から注文を受け付け、受け付けた注文に関する処理を実行する。
【0037】
制御部120は、言語設定部121と、注文受付部122と、注文情報作成部123と、決済部124と、指示情報作成部125と、出力制御部126とを備えている。
【0038】
言語設定部121は、表示部110で表示する情報に用いられる言語(つまり、第1言語)を設定する。このときの第1言語として、例えば、タイ語、中国語、英語、日本語等がある。表示部110では、言語設定部121において設定された言語で商品情報等を表示する。
【0039】
図4に示す注文画面は、言語設定部121において、初期設定として第1言語が「日本語」に設定された状態で商品情報等を表示している例である。言語設定部121は、
図4に示す画面に示された各言語の言語選択ボタン111が操作されることによって、第1言語を切り替えることが可能である。
【0040】
このほか、言語設定部121は、撮像装置であるカメラ160で撮像した顧客の画像を解析することによって、顧客の出身国を推定し、その出身国の公用語を設定することもできる。そのほか、言語設定部121は、不図示のマイクで取得した顧客の発話する音声を解析することによって言語を判断して、判断した言語を第1言語に設定することもできる。
【0041】
注文受付部122は、表示部110に表示された
図4(a)〜
図4(c)に示すような画面が顧客により操作されることで指定された商品の注文を受け付ける処理を行う。具体的には、注文受付部122は、これらの画面を用いて顧客が表示部110を介して1または複数の商品を選択する操作を行い、会計ボタン(「お会計」のボタン)を操作すると、選択された商品、数量が指定された注文内容が注文された状態となる。
図4に示す例では、「ハンバーガー、チーズバーガー及びテリヤキバーガーそれぞれ1個」の注文内容で注文を顧客から受け付けた状態にある。
【0042】
これにより、注文受付部122は、顧客から注文された商品、数量等の注文内容を注文情報作成部123に送信する。
【0043】
注文情報作成部123は、注文受付部122から注文された商品、数量等の注文内容を受信することで、後述する決済部124における決済処理が完了後、その注文内容に基づいて注文情報123bを作成する。具体的には、注文情報作成部123は、
図4(c)に示すような画面を用いて指定された商品の注文内容を注文受付部122で受け付けることで、顧客が注文した商品およびその商品の数量等のほか、合計金額を含む注文内容からなる注文情報123bを作成する。
【0044】
そして、注文情報作成部123は、作成した注文情報123bを決済部124に送信する。
【0045】
決済部124は、注文情報作成部123で作成された注文情報123bに基づいて決済処理を行う。具体的には、顧客が
図4(a)や
図4(b)の画面に示された会計ボタンを押下する操作が行われることで、決済部124は、注文情報作成部123から注文情報123bを受信し、注文代金の合計金額の支払い手続の決済要求を受け付ける。
【0046】
この決済要求を受け付けた決済部124では、
図5(a)に示す画面のような、決済端末150から支払い方法を選択するように案内する画面を表示部110に表示させる。なお、この
図5(a)に示すような画面にも、言語選択ボタン111が設けられており、必要に応じて第1言語の切り替えにより表示内容の変更が可能である。そして、決済部124は、注文情報作成部123から受信した注文情報123bに含まれる合計金額の支払い手続を決済端末150で選択された方法に応じて行う。
【0047】
具体的には、決済部124は、例えばクレジットカードによる支払いが顧客により選択された場合、クレジットカードによる支払いを決済サーバ20との通信によって行う。このほか、ポイントによる支払い、電子マネーによる支払いにおいても同様の処理を行う。もちろん、貨幣や紙幣の現金による支払いも可能である。
【0048】
決済部124は、注文情報123bに含まれる合計金額の決済処理が完了すると、決済処理が正常に完了したことを示す完了通知を注文情報作成部123に送信する。
【0049】
注文情報作成部123は、決済部124から完了通知を受信して決済処理が完了したことを確認した後、注文情報123bを識別する情報(例えば、「番号」)を採番し、この採番した番号を含む注文情報123bを作成する。そして、注文情報作成部123は、この注文情報123bを指示情報作成部125および出力制御部126へ送信する。
【0050】
まず、出力制御部126は、注文情報123bを注文情報作成部123から受信すると、言語設定部121で設定されている言語(第1言語)の情報を読み出し、記憶領域(図示せず)で記憶している、その第1言語の注文書フォーマットと、第1言語の注文情報123bとを、1または複数の印刷装置130から出力させる印刷出力制御を行う。なお、出力制御部126は、印刷出力制御を行って印刷装置130から印刷出力させるだけでなく、注文情報123bの表示制御を行って表示部110で表示出力させること、および、指定された情報端末に転送することも可能である。このとき、出力制御部126は、注文情報123bを、言語設定部121にて設定されている第1言語で表示制御して表示部110に表示する。
【0051】
印刷装置130では、出力制御部126で印刷出力制御が行われ、第1言語の注文書フォーマットと、第1言語の注文情報123bとを受信すると、これらを含む注文書(利用明細)を印刷出力する。つまり、印刷装置130は、第1言語による注文書を印刷出力することとなり、これによって、顧客は、第1言語による注文書を受け取ることが可能となり、商品の受け渡しを待つこととなる。このときの注文書の一例を
図6(a)に示し、後述する。なお、注文書フォーマットには決済処理が完了したことに関する情報が含まれるほか、店舗名や連絡先等の店舗情報が含まれる。
【0052】
印刷装置130において注文書(利用明細)の印刷出力を行う際に、表示部110は、出力制御部128からの指示に基づいて、
図5(b)に示す画面のような、決済処理に係る操作が完了してその注文内容の注文書(利用明細)の印刷出力が行われることを示す画面を表示する。この
図5(b)に示すような画面にも、言語選択ボタン111が設けられており、必要に応じて第1言語の切り替えにより表示内容の変更が可能である。
【0053】
次に、指示情報作成部125では、注文情報作成部123から注文情報123b等を受信すると、店員に対して注文情報123bを通知するために、その注文情報123bをもとに顧客の注文内容に応じた作業内容を店員に指示する指示情報125aを作成する。
【0054】
上記に示す例では、注文内容が、「ハンバーガー、チーズバーガー及びテリヤキバーガーそれぞれ1個」であることから、指示情報作成部125では、これらの注文内容、番号、作業内容を含む注文情報と、言語設定部121で設定されている第1言語に関する情報(注文情報に応じて店員から顧客へ商品の受け渡しが行われる際に伝達されるメッセージに用いる言語に関する情報)とを含む指示情報を作成する(第1の作成方法)。この指示情報に基づいて第2出力装置200が出力した作業指示書の例を
図6(b)に示し、後述する。
【0055】
このほか、指示情報作成部125は、第1言語に関する情報(注文情報に応じて店員から顧客へ商品の受け渡しが行われる際に伝達されるメッセージに用いる言語に関する情報)に代えて、店員が第2言語を用いて顧客へ第1言語で伝達されるメッセージそのものを含む指示情報を作成することも可能である(第2の作成方法)。
【0056】
第1出力装置100は、店員が予め指定する言語として初期設定された第2言語(例えば、日本語)に対して複数の第1言語(タイ語、中国語、英語等)で伝達されるメッセージを記憶領域(図示せず)で記憶している状態にある。つまり、第2出力装置200が出力するメッセージを第1出力装置100において一括管理することができ、注文処理システム1が、複数の第2出力装置200を有する構成であっても必要に応じてメッセージを簡単に追加、変更、削除等をすることが可能となる。もちろん、第1出力装置100と、第1通信部140等を介して外部の管理装置とを接続することで、この外部の管理装置からの入力により記憶領域(図示せず)で管理しているメッセージを更新することも可能である。
【0057】
このような指示情報を作成すると、指示情報作成部125は、出力制御部126へと送信する。このとき、出力制御部126は、記憶領域(図示せず)で記憶している予め指定された宛先である、1または複数の第2出力装置200に第1通信部140を介して送信する。つまり、第1出力装置100では、指示情報の送信先を1または複数指定して記憶しておくことで任意の1または複数の第2出力装置200へと指示情報を送信することができる。
【0058】
なお、指示情報作成部125により第2の作成方法で作成される指示情報として、注文内容、番号、作業内容を含む注文情報と、メッセージそのものとからなる印刷ジョブ(印刷指示情報)を作成することも可能であり、第1出力装置100がこの印刷ジョブの印刷要求を第2出力装置200に送信することで、第2出力装置200が印刷装置として印刷ジョブの印刷出力を行う。この場合、第2出力装置200は、第1出力装置100から受信した印刷ジョブを印刷する印刷機能のみを有しさえすればよく、第2出力装置200は一般的な印刷装置で代用することが可能となる。このような構成であれば、注文処理システムのシステム構築が容易に行うことが可能となる。
【0059】
第1通信部140は、指示情報作成部125で作成された指示情報を第2出力装置200へ送信するほか、決済サーバ20との決済処理に係る通信を担う。
【0060】
決済端末150は、注文代金(合計金額)の支払い手続に関する情報の入力を受け付ける。なお、支払い手続に関する情報とは、支払い種別(現金、クレジットカード等)、クレジットカードの暗証番号および支払い回数等が挙げられる。
【0061】
続いて、注文処理システム1を構成する第2出力装置200について説明する。
【0062】
この第2出力装置200は、第1出力装置100の第1通信部140と通信路で接続されており、第2通信部210と、印刷出力部220とを少なくとも備えている。このほか、記憶部(図示せず)を具備し、この記憶部に、店員に関する店員情報(店員IDと、その店員IDに対応付けられた第2言語と)、第2言語の種別毎のメッセージそのものを記憶することも可能である。また、この記憶部は必ずしも第2出力装置200が具備するものではなく、外部に設けて通信路で接続することも可能である。
【0063】
第2通信部210は、第1出力装置100や記憶装置との通信を行うものであって、特に第1出力装置100から指示情報を受信することが可能である。
【0064】
印刷出力部220は、第2通信部210を介して受信した指示情報をもとに印刷出力に係る処理を行う。この処理によって、第2言語で表示された注文情報と、第2言語で表示されたメッセージ(店員から顧客へ第1言語で伝達される任意の情報(顧客が第1言語で認識できる任意の情報))を作業指示書として店員に向けて印刷出力する。なお、第2出力装置200は、さらに、表示出力部(図示せず)を有することで印刷出力部220による印刷出力とともにまたは代えて、これらの注文情報やメッセージをディスプレイに表示出力させることも可能である。
【0065】
印刷出力部220によって行われる印刷出力に係る処理は、第1出力装置100の出力制御部126から受信した指示情報に基づいて行われる処理であって、第1出力装置100の指示情報作成部125で第1の作成方法によって作成された指示情報である場合と、第1出力装置100の指示情報作成部125で第2の作成方法によって作成された指示情報である場合とで異なる処理が行われる。
【0066】
印刷出力部220が受信した指示情報が、第1出力装置100の指示情報作成部125で第1の作成方法によって作成された指示情報である場合、つまり、注文内容、番号、作業内容を含む注文情報と、第1言語に関する情報とを含む指示情報である場合、印刷出力部220は、第1言語に関する情報に基づき、顧客が第1言語で認識できるメッセージを記憶部から読み出して、このメッセージと注文情報とを含む作業指示書を印刷出力する。
【0067】
このほか、第2出力装置200は、指示情報に含まれる、第1言語に関する情報に基づく第1言語が、予め指定された第2言語または店員に対して対応付けられた第2言語と同一であるか否かを判断し、同一でない場合に、店員に対して対応付けられた第2言語を用いて顧客が第1言語で認識できるメッセージを記憶部から読み出して、このメッセージと注文情報とを含む作業指示書を印刷出力してもよい。なお、第1言語と第2言語とが同一である場合、つまり、顧客と店員とが用いる主な言語が同一である場合、メッセージを作業指示書に印刷せずに、注文情報を含む作業指示書が印刷出力されることとなる。
【0068】
つまり、注文処理システム1に、複数の第2出力装置200が設けられている場合、第2出力装置200ごとに作業指示書として印刷出力される内容(項目)が異なる可能性があることを示している。例えば、1の第2出力装置200において第1言語と第2言語とが異なる場合に、第2出力装置200は、メッセージと注文情報との2つの項目を含む作業指示書を印刷出力し、他の第2出力装置200において第1言語と第2言語とが同一の場合に、第2出力装置200は、注文情報の1つの項目を含む作業指示書を印刷出力することがある。
【0069】
印刷出力部220が受信した指示情報が、第1出力装置100の指示情報作成部125で第2の作成方法によって作成された指示情報である場合、つまり、注文内容、番号、作業内容を含む注文情報と、店員が第2言語を用いて顧客へ第1言語で伝達されるメッセージそのもの含む印刷ジョブからなる指示情報である場合、印刷出力部220は、その指示情報の印刷ジョブを処理することでメッセージと注文情報とを含む作業指示書を印刷出力する。
【0070】
以上に示すような装置構成からなる第1出力装置100、第2出力装置200によってそれぞれ印刷出力される注文書(利用明細)、作業指示書の一例を
図6に示している。
【0071】
図6は、本発明の実施形態に係る注文処理システム1の出力情報の一例を示す図である。
【0072】
図6(a)は、第1出力装置100において出力された注文書の一例を示す図である。
図6(a)に示す注文書は、顧客が第1言語として「英語」を指定したときに印刷出力されるものであって、この第1言語の注文書フォーマットに、第1言語からなる注文情報123bが含まれている。
【0073】
また、
図6(b)は、第2出力装置200において出力された作業指示書の一例を示す図である。
図6(b)に示す作業指示書は、顧客に第1言語として「英語」を用い、店員が使用する第2言語として「日本語」が設定されているときに印刷出力されるものであって、第2言語で注文内容、番号、作業内容およびメッセージ127aが含まれている。
【0074】
図6(b)には、注文内容123aとして、「ハンバーガー(単価340円)、チーズバーガー(単価340円)及びテリヤキバーガー(単価340円)それぞれ1個」を示しており、注文情報123bに含まれる番号として、「お客様の番号36」を示しており、作業内容として、「決済端末で支払い済みの商品です。下記の商品を用意して、お客様にお渡しください。」や「商品の準備ができたら、番号でお客様をお呼びください。」を示している。
【0075】
また、
図6(b)に示されているメッセージ127aは、上記に示すように、店員が第2言語を用いて顧客へ第1言語で伝達されるものであって、
図6(b)に示す作業指示書には、第1言語である「英語」で顧客に対して感謝を伝達する内容を店員が用いる第2言語の「日本語」で表した「サンキュー」という挨拶文である。
【0076】
このようなメッセージ127aを店員が用いることで、顧客が用いる第1言語と店員が使用する第2言語とが異なる場合であっても、簡単なコミュニケーションを図ることが可能となる。
【0077】
[システム動作]
図7は、本発明の実施形態に係る注文処理システム1の注文処理の処理遷移を示すシーケンス図である。また、
図7を用いた以下の説明では、適宜、
図3〜
図6を参酌する。
【0078】
注文処理システム1を構成する第1出力装置100の表示部110が、店舗で販売している商品の商品情報を言語設定部121で設定されている第1言語で表示する(ステップS701)。言語設定部121に設定されている第1言語が、他の第1言語に変更された場合には、表示部110は、変更された変更後の第1言語で商品情報を表示する。
【0079】
このように第1言語で商品情報を表示部110が表示した状態で、第1出力装置100の注文受付部122が、表示部110を顧客が操作することで商品の注文を受け付ける(ステップS702)。そして、第1出力装置100の注文情報作成部123が、受け付けた注文の注文内容に基づいて注文情報123bを作成する(ステップS703)。
【0080】
次に、第1出力装置100の決済部124が、ステップS703で作成された注文情報123bの注文内容に対する決済処理を決済サーバ20に要求する(ステップS704)。この決済要求には、注文情報123bに含まれる注文代金等、支払い方法(現金、クレジットカード等)、クレジットカードの場合には暗証番号が含まれている。
【0081】
これによって、決済サーバ20では、ステップS704で第1出力装置100から決済要求を受け付け、この決済要求された注文内容の決済処理を実行する(ステップS705)。
【0082】
これによって、決済処理が正常に完了すると、決済サーバ20は、決済処理の完了通知を第1出力装置100の決済部124に送信する(ステップS706)。なお、決済処理が正常に完了していない場合にはその旨を通知して再度、決済要求を受け付け可能とする。
【0083】
続いて、第1出力装置100では、指示情報作成部125が、決済部124から決済処理が正常に完了したことを示す完了通知を受信すると、顧客が注文した商品およびその商品の数量等のほか、注文内容の合計金額を含む注文情報123bを出力制御部126へと送信して、この出力制御部126から受信した印刷装置130が、第1言語で注文情報123bを印刷出力する(ステップS707)。
【0084】
また、同様に、第1出力装置100の指示情報作成部125が、決済部124から決済処理が正常に完了したことを示す完了通知を受信すると、指示情報作成部125は、注文情報123bをもとに顧客の注文内容に応じた作業内容を店員に指示する指示情報125aを作成する(ステップS708)。
【0085】
このときの指示情報125aは、注文内容、番号、作業内容を含む注文情報と、言語設定部121で設定されている第1言語に関する情報とを含むものであるか、注文情報と、店員が第2言語を用いて顧客へ第1言語で伝達されるメッセージそのものとを含むものであるかのいずれかである。
【0086】
そして、第1出力装置100の出力制御部126が、予め指定された宛先である、1または複数の第2出力装置200に指示情報125aを第1通信部140を介して送信する(ステップS709)。
【0087】
この第2出力装置200が、第1出力装置100の出力制御部126から、後者のような指示情報125a(注文情報と、店員が第2言語を用いて顧客へ第1言語で伝達されるメッセージそのものとを含む指示情報125a)を受信すると、第2出力装置200は、これらの内容を含む作業指示書を印刷出力する(ステップS710)。特に、この作業指示書には、店員が第2言語を用いて顧客へ第1言語で伝達されるメッセージが含まれている。
【0088】
このほか、第2出力装置200において、第1出力装置100から指示情報125aを受信したときの処理として、以下のような処理を行うことも可能である。
【0089】
まず、前者に示すような指示情報125a(注文内容、番号、作業内容を含む注文情報と、言語設定部121で設定されている第1言語に関する情報とを含む指示情報125a)を第2出力装置200が受信すると、
図7には図示していないが、第2出力装置200は、店員の店員IDに対して設定されている第2言語の情報を読み出す。次に、読み出したその第2言語と、注文情報とともに第1出力装置100から受信した第1言語に関する情報に基づく第1言語とが同一か否かを判断する処理を行う。
【0090】
そして、第2出力装置200は、この判断処理によって、第2言語と第1言語とが同一ではないと判断すると、第2言語を用いて店員が顧客に対して第1言語で伝達するメッセージを記憶部から読み出し、そのメッセージとともに注文情報を含む作業指示書を第2言語で印刷出力する。このとき、作業指示書に含まれるメッセージ以外の他の情報(注文情報、作業指示情報)を第1言語から第2言語へと翻訳し、翻訳後の他の情報と、上記のメッセージとを含む作業指示書を作成することとしてもよい。
【0091】
このような処理によって、本発明では、使用する言語が店員と顧客とで異なる場合においても簡単にコミュニケーションを図ることが可能となる。