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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-66455(P2020-66455A)
(43)【公開日】2020年4月30日
(54)【発明の名称】包装袋
(51)【国際特許分類】
   B65D 33/24 20060101AFI20200403BHJP
【FI】
   B65D33/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-200370(P2018-200370)
(22)【出願日】2018年10月24日
(71)【出願人】
【識別番号】307013857
【氏名又は名称】株式会社ロッテ
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】特許業務法人あい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小垣 美津子
(72)【発明者】
【氏名】藤原 普夫
【テーマコード(参考)】
3E064
【Fターム(参考)】
3E064AD21
3E064BA01
3E064BA26
3E064BA30
3E064BB03
3E064EA30
3E064FA01
3E064GA02
3E064HM03
3E064HP02
(57)【要約】
【課題】従来の再封可能な包装袋では、製袋時に、突出片を設ける位置を設計しなければならず、製袋の自由度が制限される。また、折り返し部分を折り返して再封した際の袋の容量が小さくなる。
【解決手段】主袋体2と、主袋体2と一体に繋がっており、主袋体2から二股に分かれた少なくとも一対の副袋体3,4とを有する包装袋1において、少なくとも一つの副袋体の先端寄りに、破断して開封するための開口6が設けられており、破断して開口6を形成した副袋体の根元部8を主袋体側へ折り返すことにより、開口6を簡易的に再封できる包装袋1。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主袋体と、前記主袋体と一体に繋がっており、前記主袋体から二股に分かれた少なくとも一対の副袋体とを有する包装袋において、
前記副袋体のうちの少なくとも一つの副袋体の先端寄りに、破断して開封するための開口が設けられており、
前記破断して開口を形成した副袋体の根元部を、前記主袋体側へ折り返すことにより、前記開口を簡易的に再封できることを特徴とする、包装袋。
【請求項2】
前記副袋体は、前記主袋体の一端側に一対備えられ、かつ、前記主袋体の前記一端側と反対側の他端側にも一対備えられて、4つの副袋体を有していることを特徴とする、請求項1に記載の包装袋。
【請求項3】
前記副袋体には、そのすべてに、先端寄りに破断して開封するための開口が設けられており、
いずれか一つの副袋体の開口を破断して開封し、かつ、開口を簡易的に再封できる構成であることを特徴とする、請求項1または2に記載の包装袋。
【請求項4】
シートが折り畳まれ、左右両側縁部が接合されて袋体にされた包装袋であって、
一方主面板と、他方主面板と、一端辺同士が接続して谷折りされた一方マチ板及び他方マチ板とを含み、
前記一方主面板の一端辺と前記他方主面板の一端辺とは、山折りして折り畳まれて接続しており、
前記一方主面板の他端辺と前記一方マチ板の他端辺とは、山折りに折り畳まれて接続しており、
前記他方主面板の他端辺と前記他方マチ板の他端辺とは、山折りに折り畳まれて接続しており、
前記一方主面板及び前記他方主面板の相対向する左右両側縁部同士、前記一方主面板及び前記一方マチ板の相対向する左右両側縁部同士、並びに前記他方主面板及び前記他方マチ板の相対向する左右両側縁部同士は、それぞれ接合され、収容空間の繋がった主袋体、第1の副袋体及び第2の副袋体が形成されており、
前記第1の副袋体及び第2の副袋体の少なくとも一方の先端寄りに、破断して前記収容空間を開封するための開口が設けられていることを特徴とする、包装袋。
【請求項5】
シートが折り畳まれ、左右両側縁部が接合されて袋体にされた包装袋であって、
一方主面板と、他方主面板と、一端辺同士が接続して谷折りされた第1マチ板及び第2マチ板と、一端辺同士が接続して谷折りされた第3マチ板及び第4マチ板とを含み、
前記一方主面板の一端辺と前記第1マチ板の他端辺とは、山折りに折り畳まれて接続しており、
前記他方主面板の一端辺と前記第2マチ板の他端辺とは、山折りに折り畳まれて接続しており、
前記一方主面板の他端辺と前記第3マチ板の他端辺とは、山折りに折り畳まれて接続しており、
前記他方主面板の他端辺と前記第4マチ板の他端辺とは、山折りに折り畳まれて接続しており、
前記一方主面板及び前記他方主面板の相対向する左右両側縁部同士、前記一方主面板及び前記第1マチ板の相対向する左右両側縁部同士、前記他方主面板及び前記第2マチ板の相対向する左右両側縁部同士、前記一方主面板及び前記第3マチ板の相対向する左右両側縁部同士、並びに前記他方主面板及び前記第4マチ板の相対向する左右両側縁部同士は、それぞれ接合され、収容空間の繋がった主袋体、第1の副袋体、第2の副袋体、第3の副袋体及び第4の副袋体が形成されており、
前記第1ないし第4の副袋体の少なくとも1つの先端寄りに、破断して前記収容空間を開封するための開口が設けられていることを特徴とする、包装袋。
【請求項6】
破断により前記開口を形成後、前記開口を形成した副袋体の根元部を前記主袋体側へ折り返すことにより、前記開口を簡易的に再封することができることを特徴とする、請求項4または5に記載の包装袋。
【請求項7】
前記シートは1枚のフィルムシートを含み、前記他方主面板には、前記1枚のフィルムシートの一端縁及び他端縁が合掌貼りされて左右方向へ延びる貼り合わせ部が存在することを特徴とする、請求項4〜6のいずれか一項に記載の包装袋。
【請求項8】
前記開口は、前記他方主面板側の副袋体に設けられており、前記貼り合わせ部は、前記他方主面板側の副袋体の根元が隣接する前記他方主面板に形成されていることを特徴とする、請求項7に記載の包装袋。
【請求項9】
前記シートは1枚のフィルムシートを含み、
前記1枚のフィルムシートの一端縁及び他端縁が合掌貼りされて左右方向へ延びる貼り合わせ部が形成されて環状にされており、
前記貼り合わせ部が、前記副袋体のいずれかの先端縁部に存在していることを特徴とする、請求項4〜6のいずれか一項に記載の包装袋。
【請求項10】
前記開口は、前記貼り合わせ部が先端縁部に存在している副袋体に設けられていることを特徴とする、請求項9に記載の包装袋。
【請求項11】
シートが折り畳まれ、左右両側部が接合されて袋体にされた包装袋であって、
一方主面板と、他方主面板と、一端辺同士が接続して谷折りされた一方マチ板及び他方マチ板とを含み、
前記一方主面板の一端辺と前記他方主面板の一端辺とは、山折りに折り畳まれて接続しており、
前記他方主面板の他端辺と前記他方マチ板の他端辺とは、山折りに折り畳まれて接続しており、
前記一方主面板の他端辺及び前記一方マチ板の他端辺は、前記他方主面板の他端辺及び前記他方マチ板の他端辺より先端方向へ伸び出して貼り合わされており、
前記一方主面板及び前記他方主面板の相対向する左右両側縁部同士、前記一方主面板及び前記一方マチ板の相対向する左右両側縁部同士、並びに前記他方主面板及び前記他方マチ板の相対向する左右両側縁部同士は、それぞれ接合され、収容空間の繋がった主袋体、第1の副袋体及び第2の副袋体が形成されており、
前記第1の副袋体の先端寄りに、破断して前記収容空間を開封するための開口が設けられていることを特徴とする、包装袋。
【請求項12】
破断により前記開口を形成後、前記開口を形成した前記第1の副袋体の根元部を前記主袋体側へ折り返すことにより、前記開口を簡易的に再封することができることを特徴とする、請求項11に記載の包装袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、菓子などの商品を収容するための包装袋に関し、より詳しくは、袋を破断して開封した後、簡易に再封をすることのできる包装袋に関する。
【背景技術】
【0002】
コンビニエンスストアなどの小売店舗において、包装袋に入った小袋入商品が増加している。小袋入商品は、購入後、袋全体を大きく裂くようにして開封するため、使い残したり、食べ残した商品を袋に入れて保管しにくいという課題があった。
係る課題を解決するために、ジッパー付きの包装袋が存在するが、ジッパー付きの包装袋はジッパーを付けることによる袋のコストアップの問題がある。
【0003】
そこで、特許文献1には、一枚の矩形状の包装材を製袋した包装袋を、突出片を境にして、本体部分と折り返し部分とに分け、折り返し部分の袋端部を切り取ることで開口を形成し、その後、突出片の根元を基点として折り返し部分を突出片と反対側に折り返して封止する包装袋が提案されている。
同様の構成は、特許文献2及び特許文献3にも開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6124194号公報
【特許文献2】特許第6057240号公報
【特許文献3】特許第6037602号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1〜3に記載の包装袋は、突出片の根元を基点として、包装袋を本体部分と折り返し部分とに分けるものである。このため、製袋時に、突出片を設ける位置を設計しなければならず、製袋の自由度が制限される。また、折り返し部分を折り返して再封した際の袋の容量が小さくなるといった課題がある。
本発明は、上記従来の包装袋が有していた課題を解決するためになされたものであり、袋のコストアップを招くことなく、製袋の自由度が高く、また、再封した際の袋の容量低下が少なく、簡易に再封することのできる包装袋を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、主袋体と、前記主袋体と一体に繋がっており、前記主袋体から二股に分かれた少なくとも一対の副袋体とを有する包装袋において、前記副袋体のうちの少なくとも一つの副袋体の先端寄りに、破断して開封するための開口が設けられており、前記破断して開口を形成した副袋体の根元部を、前記主袋体側へ折り返すことにより、前記開口を簡易的に再封できることを特徴とする、包装袋である。
【0007】
請求項2記載の発明は、前記副袋体は、前記主袋体の一端側に一対備えられ、かつ、前記主袋体の前記一端側と反対側の他端側にも一対備えられて、4つの副袋体を有していることを特徴とする、請求項1に記載の包装袋である。
請求項3記載の発明は、前記副袋体には、そのすべてに、先端寄りに破断して開封するための開口が設けられており、いずれか一つの副袋体の開口を破断して開封し、かつ、開口を簡易的に再封できる構成であることを特徴とする、請求項1または2に記載の包装袋である。
【0008】
請求項4記載の発明は、シートが折り畳まれ、左右両側縁部が接合されて袋体にされた包装袋であって、一方主面板と、他方主面板と、一端辺同士が接続して谷折りされた一方マチ板及び他方マチ板とを含み、前記一方主面板の一端辺と前記他方主面板の一端辺とは、山折りして折り畳まれて接続しており、前記一方主面板の他端辺と前記一方マチ板の他端辺とは、山折りに折り畳まれて接続しており、前記他方主面板の他端辺と前記他方マチ板の他端辺とは、山折りに折り畳まれて接続しており、前記一方主面板及び前記他方主面板の相対向する左右両側縁部同士、前記一方主面板及び前記一方マチ板の相対向する左右両側縁部同士、並びに前記他方主面板及び前記他方マチ板の相対向する左右両側縁部同士は、それぞれ接合され、収容空間の繋がった主袋体、第1の副袋体及び第2の副袋体が形成されており、前記第1の副袋体及び第2の副袋体の少なくとも一方の先端寄りに、破断して前記収容空間を開封するための開口が設けられていることを特徴とする、包装袋である。
【0009】
請求項5記載の発明は、シートが折り畳まれ、左右両側縁部が接合されて袋体にされた包装袋であって、一方主面板と、他方主面板と、一端辺同士が接続して谷折りされた第1マチ板及び第2マチ板と、一端辺同士が接続して谷折りされた第3マチ板及び第4マチ板とを含み、前記一方主面板の一端辺と前記第1マチ板の他端辺とは、山折りに折り畳まれて接続しており、前記他方主面板の一端辺と前記第2マチ板の他端辺とは、山折りに折り畳まれて接続しており、前記一方主面板の他端辺と前記第3マチ板の他端辺とは、山折りに折り畳まれて接続しており、前記他方主面板の他端辺と前記第4マチ板の他端辺とは、山折りに折り畳まれて接続しており、前記一方主面板及び前記他方主面板の相対向する左右両側縁部同士、前記一方主面板及び前記第1マチ板の相対向する左右両側縁部同士、前記他方主面板及び前記第2マチ板の相対向する左右両側縁部同士、前記一方主面板及び前記第3マチ板の相対向する左右両側縁部同士、並びに前記他方主面板及び前記第4マチ板の相対向する左右両側縁部同士は、それぞれ接合され、収容空間の繋がった主袋体、第1の副袋体、第2の副袋体、第3の副袋体及び第4の副袋体が形成されており、前記第1ないし第4の副袋体の少なくとも1つの先端寄りに、破断して前記収容空間を開封するための開口が設けられていることを特徴とする、包装袋である。
【0010】
請求項6記載の発明は、破断により前記開口を形成後、前記開口を形成した副袋体の根元部を前記主袋体側へ折り返すことにより、前記開口を簡易的に再封することができることを特徴とする、請求項4または5に記載の包装袋である。
請求項7記載の発明は、前記シートは1枚のフィルムシートを含み、前記他方主面板には、前記1枚のフィルムシートの一端縁及び他端縁が合掌貼りされて左右方向へ延びる貼り合わせ部が存在することを特徴とする、請求項4〜6のいずれか一項に記載の包装袋である。
【0011】
請求項8記載の発明は、前記開口は、前記他方主面板側の副袋体に設けられており、前記貼り合わせ部は、前記他方主面板側の副袋体の根元が隣接する前記他方主面板に形成されていることを特徴とする、請求項7に記載の包装袋である。
請求項9記載の発明は、前記シートは1枚のフィルムシートを含み、前記1枚のフィルムシートの一端縁及び他端縁が合掌貼りされて左右方向へ延びる貼り合わせ部が形成されて環状にされており、前記貼り合わせ部が、前記副袋体のいずれかの先端縁部に存在していることを特徴とする、請求項4〜6のいずれか一項に記載の包装袋である。
【0012】
請求項10記載の発明は、前記開口は、前記貼り合わせ部が先端縁部に存在している副袋体に設けられていることを特徴とする、請求項9に記載の包装袋である。
請求項11記載の発明は、シートが折り畳まれ、左右両側部が接合されて袋体にされた包装袋であって、一方主面板と、他方主面板と、一端辺同士が接続して谷折りされた一方マチ板及び他方マチ板とを含み、前記一方主面板の一端辺と前記他方主面板の一端辺とは、山折りに折り畳まれて接続しており、前記他方主面板の他端辺と前記他方マチ板の他端辺とは、山折りに折り畳まれて接続しており、前記一方主面板の他端辺及び前記一方マチ板の他端辺は、前記他方主面板の他端辺及び前記他方マチ板の他端辺より先端方向へ伸び出して貼り合わされており、前記一方主面板及び前記他方主面板の相対向する左右両側縁部同士、前記一方主面板及び前記一方マチ板の相対向する左右両側縁部同士、並びに前記他方主面板及び前記他方マチ板の相対向する左右両側縁部同士は、それぞれ接合され、収容空間の繋がった主袋体、第1の副袋体及び第2の副袋体が形成されており、前記第1の副袋体の先端寄りに、破断して前記収容空間を開封するための開口が設けられていることを特徴とする、包装袋である。
【0013】
請求項12記載の発明は、破断により前記開口を形成後、前記開口を形成した前記第1の副袋体の根元部を前記主袋体側へ折り返すことにより、前記開口を簡易的に再封することができることを特徴とする、請求項11に記載の包装袋である。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、谷折りされた一対のマチ板を用いて2つもしくは4つの副袋体を構成する。そして、少なくとも一つの副袋体の先端寄りに、破断して開封するための開口を設けた。このため、開口を形成して開封後、開封した副袋体の根元部を主袋体側へ折り返すことにより、極めて容易に、かつ、簡易に開口を再封することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る包装袋1を正面側から見た斜視図である。
図2図2は、包装袋1の正面図である。
図3図3は、包装袋1の平面図である。
図4図4は、包装袋1の底面図である。
図5図5は、包装袋1の右側面図である。
図6図6は、包装袋1の背面図である。
図7図7は、包装袋1が空の状態における縦断面構造を説明するための側面断面図である。
図8図8は、包装袋1の展開図である。
図9図9は、包装袋1の開封及び再封を説明するための図解的な側面断面図(A)及び背面図(B)である。
図10図10は、包装袋1の開封及び再封を説明するための図解的な側面断面図(A)及び背面図(B)である。
図11図11は、包装袋1の開封及び再封を説明するための図解的な側面断面図(A)及び背面図(B)である。
図12図12は、本発明の他の実施形態に係る包装袋30を説明するための図解的な図である。
図13図13は、本発明のさらに他の実施形態に係る包装袋40を説明するための図解的な図である。
図14図14は、本発明のさらなる変形形態の一例を示す包装袋50を説明するための図解的な図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下では、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明をする。
図1は、本発明の一実施形態に係る包装袋1を正面側から見た斜視図であり、図2図6は、それぞれ、包装袋1の正面図、平面図、底面図、右側面図及び背面図である。図1図6では、商品が収容された状態に包装袋1が膨らんだ図とされている。また、図7は、包装袋1が空の状態における縦断面構造を説明するための側面断面図である。さらに、図8は、包装袋1の展開図である。
【0017】
図1図8を参照して、本発明の一実施形態に係る包装袋1は、一例として、1枚の積層フィルムシート10により形成されている。
包装袋1を形成する1枚の積層フィルムシート10は、包装袋1の構成パーツに分解すると、一方主面板11、他方主面板12、一方マチ板13、及び他方マチ板14を含んでいる。本実施形態では、他方主面板12には、1枚の積層フィルムシート10の一端縁15及び他端縁16が合掌貼りによって接合され、包装袋1の左右方向へ延びる貼り合わせ部17が存在している。
【0018】
そして、これによって、1枚の積層フィルムシート10は環状にされている。
当該貼り合わせ部17は、他方主面板12の外表面において、上方へ折り畳まれており、実質上、他方主面板12と一体になって、包装袋1の裏面を構成している。なお、貼り合わせ部17は、他方主面板12の外表面において、上方ではなく、下方に折り畳まれていてもよい。
【0019】
一方主面板11の一端辺(上辺)111及び他方主面板12の一端辺(上辺)121は、接続しており、山折りに折り畳まれている。
一方主面板11の他端辺(下辺)112及び一方マチ板13の他端辺(下辺)132は、接続しており、山折りに折り畳まれている。
他方主面板12の他端辺(下辺)122及び他方マチ板14の他端辺(下辺)142は、接続しており、山折りに折り畳まれている。
【0020】
また、一方マチ板13の一端辺131及び他方マチ板14の一端辺141は、接続しており、谷折りに折り畳まれている。
本実施形態に係る包装袋1は、上述のように1枚の積層フィルムシート10の一端縁15及び他端縁16が合掌貼りによって接合されて側面視が円環状になった積層フィルムシート10が折り畳まれ、一方主面板11、他方主面板12、一方マチ板13、及び他方マチ板14が形成された後、積層フィルムシート10の左右両側縁部が接合されて袋体とされている。
【0021】
より具体的には、一方主面板11の左側縁部113及び他方主面板12の左側縁部123は、相対向する側縁部同士が、一例として、加熱・加圧によって接合されて左接合帯31となっている。また、一方主面板11の右側縁部114及び他方主面板12の右側縁部124は、相対向する側縁部同士が、一例として、加熱・加圧によって接合されて右接合帯32となっている。そして、左右側縁部が接合された一方主面板11及び他方主面板12によって、包装袋1の上方側には、収容空間としての主袋体2が形成されている。
【0022】
さらに、一方主面板11の左側縁部113及び一方マチ板13の左側縁部133は、相対向する側縁部同士が、一例として、加熱・加圧によって接合されて左下接合帯33となっている。同様に、一方主面板11の右側縁部114及び一方マチ板13の右側縁部134は、相対向する側縁部同士が、一例として、加熱・加圧によって接合されて右下接合帯34となっている。そして、左右側縁部が接合された一方主面板11及び一方マチ板13によって、包装袋1の下方一方面側には、収容空間としての第1の副袋体3が形成されている。
【0023】
また、他方主面板12の左側縁部123及び他方マチ板14の左側縁部143は、相対向する側縁部同士が、一例として、加熱・加圧によって接合されて左下接合帯35となっている。同様に、他方主面板12の右側縁部124及び他方マチ板14の右側縁部144は、相対向する側縁部同士が、一例として、加熱・加圧によって接合されて右下接合帯36となっている。そして、左右側縁部が接合された他方主面板12及び他方マチ板14によって、包装袋1の下方他方面側には、収容空間としての第2の副袋体4が形成されている。
【0024】
ここに、主袋体2、第1の副袋体3及び第2の副袋体4は収容空間として繋がっており、包装袋1の収容空間を形成している。
本実施形態の包装袋1は、前述した通り、1枚の積層フィルムシート10により形成される。積層フィルムシート10は、一例として、ポリエチレン系またはポリプロピレン系の基材フィルムの一方面(内面)側にシーラント層が積層されたフィルムを用いることができる。積層フィルムシート10の内面側にシーラント層が積層されていれば、前述した左右両側縁部同士の接合や、端縁部同士の接合を、加熱・加圧によって実現でき、製造効率が向上する。
【0025】
なお、本発明の包装袋を形成するシートは、一方面(内面)側にシーラント層が積層されていないシートも利用できる。一例として、紙を主体とするシートを用いることもできる。係る場合は、接合する部位に、接着剤を塗布してもよい。
図6を主として参照して、包装袋1には、開封ガイド5が設けられている。開封ガイド5は、一例として、第2の副袋体4の先端寄りの接合帯35に形成された三角形状の切欠き51を含む。この切欠き51に代えて、接合帯36にわずかに切り込まれた切れ目52としてもよい。図6では、説明の便宜上、接合帯35には、切欠き51を、接合帯36には、切れ目52を設けているが、実際の包装袋1としては、いずれかに統一する方が好ましい。
【0026】
また、開封ガイド5は、第2の副袋体4の先端寄りの破断部分を示す破断線53を含んでいてもよい。
破断線53は、短い直線や小さな穴を連続的に貫通させるのではなく、包装袋の内部が外気に触れないよう、積層されたフィルムの表面のみに短い直線や小さな穴を連続的に設置する(いわゆるハーフカット構造を設ける)のが好ましい。なお、切欠き51は三角形状ではなく、将棋の駒のような五角形状であってもよく、また、包装袋1の左右の端部全体にギザギザ形状となるよう、三角形状の切欠き51を連続して設けてもよい。更には、包装袋1の製造機械の仕様によって、切欠き51、切れ目52、破断線53などの開封ガイド5は、複数の副袋体のいずれか1つのみではなく、全ての副袋体に設けてもよい。ただし、複数の副袋体にて包装袋1を開封してしまうと再封機能を有さなくなってしまうため、製品に用いる際には、開封部分は1ヶ所のみであることを明示することが望ましい。
【0027】
包装袋1は、第2の副袋体4の先端寄りに設けられた開封ガイド5に沿って、第2の副袋体4の先端寄りを破断することにより開封することができる。そして、第2の副袋体4の先端寄りに開口6が形成される。開口6を通して、包装袋1に収容された商品を取り出すことができる。
本実施形態に係る包装袋1が収容する商品は、一例として、個包装した飴、個包装したキャンディ、個包装したチョコレート菓子等の粒状又は小塊状食品が想定される。粒状又は小塊状食品は、個包装せずに収容されてもよい。
【0028】
また、包装袋1が収容する商品は食品に限らず、例えば小さなカプセルや、螺子や釘、画鋲、ボルトなどの工作用・建築用部品、コインやメダルなどの遊具・玩具などが収容されてもよい。要するに、簡易的な再封機能を発揮させることが困難な粉状や液状のものでなければ、何でも収容することができる。
本実施形態に係る包装袋1は、左接合帯31及び左下接合帯33,35の幅を、右接合帯32及び右下接合帯34,36の幅よりも広くしているが、その理由は、小売店等で陳列する際に、包装袋1をフック掛けするための小孔9を形成するためである。左接合帯31に、包装袋1をフック掛けして陳列しない場合、小孔9はなくてもよいし、左接合帯31の幅と右接合帯32の幅とが等しい形状であってもよい。
【0029】
なお、図1図6においては、包装袋1の形態について意匠登録出願を行う場合に、貼り合わせ部17及び小孔9は、必須の構成要素ではなく、これらについては、部分意匠から除外するために、破線で描いている。
包装袋1は、次に説明するように、開口6を形成した後、当該開口6を簡易的に再封することができる。以下、再封構造について詳しく説明する。
【0030】
図9図10及び図11は、それぞれ、包装袋1の開封及び再封を説明するための図解的な側面断面図(A)及び背面図(B)を示す。
まず、図9(A)(B)に示すように、包装袋1に設けられた第2の副袋体4の先端寄りを、そこに示された開封ガイド5に沿って破断する。本実施形態の包装袋1には、切欠き51又は切れ目52が形成されているので、その切欠き51又は切れ目52から、手指でもって、第2の副袋体4の先端寄りをむしり取るように破断することができる。
【0031】
ハサミなどの切断具を用いて、第2の副袋体4の先端寄りを破断してもかまわない。
第2の副袋体4の先端寄りが破断して開封されると、第2の副袋体4の先端に開口6が形成される。この開口6を通じて、包装袋1内に収容された商品を取り出すことができる。
商品を必要数取り出した後、開口6を簡易的に再封するときは、図10(A)(B)に示すように、第2の副袋体4を拉ぐ。すなわち、第2の副袋体4を構成する他方主面板12の下方部12Bと他方マチ板14とを当接させる。他方主面板の下方部12Bと他方マチ板14とは、左右両端部が左下接合帯35及び右下接合帯36となっているから、他方主面板12の下方部12Bと他方マチ板14とは容易に拉げて当接する。その後、拉げた第2の副袋体4の根元部8、すなわち他方主面板12の下方部12B及び他方マチ板14の左右方向に延びる根元部8を折るように、拉げた第2の副袋体4を上方へ折り返し、他方主面板12の上方部12Aの表面に添わせる。これによって、開口6の簡易再封が完了する(図11(A)(B)を参照)。
【0032】
なお、簡易再封に際し、第2の副袋体4を上方へ折り返す角度については、簡易再封機能が発揮される角度、すなわち包装袋1が収容する商品が容易にこぼれ落ちない程度に折り返されていれば、どのような角度でも構わない。目安としては、第2の副袋体4が、他方主面板12の上方部12Aに対してほぼ垂直な状態(約90度折り返した状態)から、上方部12Aの表面に沿った状態(約180度折り返した状態、図11(A)(B)を参照)の範囲に入る角度であれば良い。なお、折り返す角度が大きければ大きいほど、簡易再封機能は高くなる。また、以下に説明する実施形態についても、同様のことが言える。
【0033】
図12は、本発明の他の実施形態に係る包装袋30を説明するための図解的な図であり、(A)は包装袋30を正面側から見た斜視図、(B)は包装袋30の図解的な縦断面図、(C)は開封後の再封状態を示す包装袋30の図解的な縦断面図である。
図12(A)(B)(C)に示す包装袋30の特徴は、一方主面板11の一端辺(上辺)111と他方主面板12の一端辺(上辺)121とが接続しておらず、一方主面板11の上端部と他方主面板12の上端部同士が貼り合わされて接合帯37が形成されていることである。接合帯37には、包装袋30をフック掛けするための小孔9が形成されていてもよい。
【0034】
包装袋30でも、第2の副袋体4の先端寄りに開封ガイド5を設けた構成としているが、開封ガイド5は、第2の副袋体4ではなく、第1の副袋体3の先端寄りに設けた構成としてもよい。
包装袋30のその余の構成であって、包装袋1の構成と同一又は対応する箇所には、同一の符号を付して、重複した説明は省略する。
【0035】
図13は、本発明のさらに他の実施形態に係る包装袋40を説明するための図解的な図であり、(A)は包装袋40を正面側から見た斜視図、(B)は包装袋40の図解的な縦断面図、(C)は開封後の再封状態を示す包装袋40の図解的な縦断面図である。
図13(A)(B)(C)に示す包装袋40の特徴は、一方主面板11の一端辺(上辺)111と一方マチ板13の他端辺(上辺)132とが接続しておらず、一方主面板11の上端部と一方マチ板13の上端部同士が貼り合わされて接合帯37が形成されていることである。つまり、第1の副袋体3を形成する一方主面板11及び一方マチ板13は、その上下方向長さが他方主面板12及び他方マチ板14の上下方向長さよりも長くされている。そして、一方主面板11の上端部及び一方マチ板13の上端部は、第2の副袋体4の上端よりも上方へ延び出ていて、接合帯37が形成されている。
【0036】
接合帯37には、包装袋40をフック掛けするための小孔9が形成されていてもよい。
包装袋40では、開封ガイド5は、第1の副袋体3の先端寄り、すなわち接合帯37の下端沿いに作られている。
包装袋40のその余の構成で、包装袋1の構成と同一又は対応する箇所には、同一の符号を付して、重複した説明は省略する。
【0037】
図14は、本発明のさらなる変形形態の一例を示す包装袋50を説明するための図解的な図であり、(A)は包装袋50を正面側から見た斜視図、(B)は包装袋50の図解的な縦断面図、(C)は開封後の再封状態を示す包装袋50の図解的な縦断面図である。
図14(A)(B)(C)に示す包装袋50の特徴は、副袋体が、包装袋50の上下にそれぞれ2つずつ、合計4つ設けられていることである。すなわち、主袋体2に連通するように、下方に第1の副袋体3及び第2の副袋体4が形成され、主袋体2に連通するように、上方に第3の副袋体3′及び第4の副袋体4′が形成されている。そして、包装袋50を形成する1枚の積層フィルムシートの両端縁15、16は、接合帯37として接合されて、1枚の積層フィルムシートは環状になっている。
【0038】
図14に示す変形形態に係る包装袋50では、接合帯37が、第1の副袋体3の先端に位置しており、かつ、第1の副袋体3の先端寄りに開封ガイド5が設けられた構成を例示している。しかし、接合帯37は、包装袋50における任意の位置に位置させることが可能である。つまり、接合帯37は、最初に説明した実施形態のように、他方主面板12の途中部に位置していてもよいし、第1の副袋体3以外の副袋体の先端に位置してもよい。
【0039】
また、変形形態に係る包装袋50において、開封ガイド5は、4つの副袋体3、4、3′、4′のどの副袋体に設けてもよく、製造機械の仕様によっては全ての副袋体に設けてもよいが、製品に用いる際には、開封部分は1ヶ所のみであることを明示することが望ましい。
包装袋50のその余の構成で、包装袋1の構成と同一又は対応する箇所には、同一の符号を付して、重複した説明は省略する。
【0040】
本発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
例えば包装袋は、図1図11に示すように包装袋の下方に副袋体を設けたものではなく、包装袋の上方に副袋体を設けたものであってもよい。また、図14を参照して説明したように、包装袋は副袋体を2つ設けた形態ではなく、包装袋の上下に2つずつ、合計4つ設置してもよい。
【符号の説明】
【0041】
1、30、40、50 包装袋
2 主袋体
3 第1の副袋体
4 第2の副袋体
3′ 第3の副袋体
4′ 第4の副袋体
5 開封ガイド
51 切欠き
52 切れ目
53 破断線
6 開口
8 根元部
9 小孔
10 積層フィルムシート
11 一方主面板
12 他方主面板
12A 上方部
12B 下方部
13 一方マチ板
14 他方マチ板
111、121、131、141 一端辺
112、122、132、142 他端辺
113、123、133、143 左側縁部
114、124、134、144 右側縁部
15 一端縁
16 他端縁
17 貼り合わせ部
31、32、33、34、35、36、37 接合帯
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14