【解決手段】ガラス板2の折割機械1は、一方の面である上面に切り線としての折割予定線221が形成されたガラス板2を当該ガラス板2の他方の面である下面で支持する支持機構15と、ガラス板2を折割予定線221に沿って押し割る押し割り装置9及び9aとを具備しており、押し割り装置9及び9aは、ガラス板2に対する押し割り位置P1、P2、P3、P4及びP5の夫々でのガラス板2に対する折割予定線221に沿う押し割りに際してガラス板2の上面における折割予定線221に沿った複数の部位81及び82を同時的に押圧する押圧体83を具備している。
一方の面に切り線が形成されたガラス板を当該ガラス板の他方の面で支持する支持機構と、ガラス板を切り線に沿って押し割る押し割り装置とを具備しており、押し割り装置は、ガラス板に対する各押し割り位置でのガラス板に対する切り線に沿う押し割りに際してガラス板の一方の面における切り線に沿った複数の部位を同時的に押圧する押圧体を具備しているガラス板の折割機械。
押圧体は、ガラス板に対する切り線に沿う押し割りに際してのガラス板の一方の面における切り線に沿った複数の部位の押圧において当該複数の部位の少なくとも一つの部位に接触する平坦面又は部分球面若しくは部分円筒面からなる湾曲凸面を有している請求項1に記載のガラス板の折割機械。
押圧体は、少なくとも一つの回転体を具備しており、この回転体は、ガラス板に対する切り線に沿う押し割りに際してのガラス板の一方の面における切り線に沿った複数の部位の押圧において当該複数の部位の少なくとも一つの部位に回転自在に又は回転しないように接触する接触面を有している請求項1に記載のガラス板の折割機械。
回転体は、切り線に沿う方向に対して交差する方向に伸びる回転軸心を有しており、接触面は、ガラス板に対する切り線に沿う押し割りに際してのガラス板の一方の面における切り線に沿った複数の部位の押圧において、当該回転軸心を中心として当該複数の部位の少なくとも一つの部位に回転自在に又は回転しないように接触するようになっている請求項3に記載のガラス板の折割機械。
押圧体は、ガラス板に対する切り線に沿う押し割りに際してのガラス板の一方の面における切り線に沿った複数の部位の少なくとも一つの部位では切り線を跨いでガラス板の一方の面を押圧するようになっている請求項1から4のいずれか一項に記載のガラス板の折割機械。
押し割り装置は、ガラス板に対する各押し割り位置で、切り線に沿ったガラス板の複数の部位への同時的な押圧を押圧体に行わせるべく、ガラス板の一方の面に直交する軸線を中心として押圧体を回転させる回転手段を更に具備している請求項1から5のいずれか一項に記載のガラス板の折割機械。
押し割り装置は、ガラス板に対する切り線に沿う押し割りに際してのガラス板の一方の面における切り線に沿った複数の部位への押圧体による同時的な押圧に必要な押圧力を当該押圧体に与える押圧力付与手段を更に具備している請求項1から6のいずれか一項に記載のガラス板の折割機械。
切り線が形成されたガラス板が載置される可撓性部材と、当該可撓性部材を介してガラス板を当該ガラス板の他方の面から受けるガラス板受け面を有しているガラス板受け装置と、このガラス板受け装置を移動させる第一の移動装置と、押し割り装置を移動させる第二の移動装置とを具備しており、支持機構は、可撓性部材を介してガラス板を当該ガラス板の他方の面で支持する支持面を有している請求項1から7のいずれか一項に記載のガラス板の折割機械。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
斯かるガラス板の折割機械では、切り線に沿ったガラス板に対する押し割りに際しては、一般に、ガラス板受け装置のガラス板受け面をガラス板の下面に配置し、斯かるガラス板受け面で下面が支持されたガラス板の上面の一の部位に押棒を次々に押し当てて、ガラス板を折割線に沿って折割しているために、押棒によるガラス板の上面の一の部位への各押し当てでは、折割が不安定となり、所望の折割を行い得ない虞が生じる。
【0005】
本発明は、前記諸点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、各折割位置で安定な折割を行い得るガラス板の折割機械を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によるガラス板の折割機械は、一方の面に切り線が形成されたガラス板を当該ガラス板の他方の面で支持する支持機構と、ガラス板を切り線に沿って押し割る押し割り装置とを具備しており、押し割り装置は、ガラス板に対する各押し割り位置でのガラス板に対する切り線に沿う押し割りに際してガラス板の一方の面における切り線に沿った複数の部位を同時的に押圧する押圧体を具備している。
【0007】
斯かる本発明のガラス板の折割機械によれば、押圧体がガラス板に対する切り線に沿う押し割りに際してガラス板の一方の面における切り線に沿った複数の部位を同時的に押圧するようになっているために、各折割位置で安定な折割を行い得る。
【0008】
本発明において、好ましい例では、押圧体は、ガラス板に対する切り線に沿う押し割りに際してのガラス板の一方の面における切り線に沿った複数の部位の押圧において当該複数の部位の少なくとも一つの部位に接触する平坦面又は部分球面若しくは部分円筒面からなる湾曲凸面を有しており、他の好ましい例では、押圧体は、少なくとも一つの回転体を具備しており、この回転体は、ガラス板に対する切り線に沿う押し割りに際してのガラス板の一方の面における切り線に沿った複数の部位の押圧において当該複数の部位の少なくとも一つの部位に回転自在に又は回転しないように接触する接触面を有している。
【0009】
斯かる回転体は、好ましい例では、切り線に沿う方向に対して交差する方向に伸びる回転軸心を有しており、接触面は、ガラス板に対する切り線に沿う押し割りに際してのガラス板の一方の面における切り線に沿った複数の部位の押圧において、当該回転軸心を中心として当該複数の部位の少なくとも一つの部位に回転自在に又は回転しないように接触するようになっている。
【0010】
本発明において、押圧体は、ガラス板に対する切り線に沿う押し割りに際してのガラス板の一方の面における切り線に沿った複数の部位の少なくとも一つの部位では切り線を跨いでガラス板の一方の面を押圧するようになっていてもよい。
【0011】
本発明のガラス板の折割機械において、押し割り装置は、ガラス板に対する各押し割り位置で、切り線に沿ったガラス板の複数の部位への同時的な押圧を押圧体に行わせるべく、ガラス板の一方の面に直交する軸線を中心として押圧体を回転させる回転手段を更に具備していても、ガラス板に対する切り線に沿う押し割りに際してのガラス板の一方の面における切り線に沿った複数の部位への押圧体による同時的な押圧に必要な押圧力を当該押圧体に与える押圧力付与手段を更に具備していてもよい。
【0012】
本発明のガラス板の折割機械は、切り線が形成されたガラス板が載置される可撓性部材と、当該可撓性部材を介してガラス板を当該ガラス板の他方の面から受けるガラス板受け面を有しているガラス板受け装置と、このガラス板受け装置を移動させる第一の移動装置と、押し割り装置を移動させる第二の移動装置とを具備していてもよく、この場合、支持機構は、好ましくは、可撓性部材を介してガラス板を当該ガラス板の他方の面で支持する支持面を有している。
【0013】
本発明による好ましい例では、ガラス板受け装置は、ガラス板受け面を昇降させる昇降手段を具備しており、ガラス板受け面は、押圧体によるガラス板の切り線に沿う押し割りに拘わらず、常時、支持機構の支持面よりも上方に配されていてもよいのであるが、斯かる昇降手段を具備していると、ガラス板の切り線に沿っての押し割りおいて、ガラス板に予め撓みを生じさせることができる結果、押し割り装置の押圧体によるガラス板の切り線に沿っての押し割りを更に確実に行い得る上に、ガラス板受け面の可撓性部材への不必要な押圧を回避でき、可撓性部材の損傷を低減でき、この場合、ガラス板受け面の支持機構の支持面よりも上方に配される量又は昇降手段による昇降量は、ガラス板の大きさ、厚み、折り割り幅(カレット幅)等により決定され、好ましい例では、1mmから5mm程度であるが、これに限定されない。
【0014】
本発明において、好ましい例では、第一の移動装置は、ガラス板の面に平行な面内で、ガラス板受け面を一の方向とこの一の方向に交差する他の方向とに移動させる移動機構を具備しており、第二の移動装置は、ガラス板の面に平行な面内で、押圧体を一の方向とこの一の方向に交差する他の方向とに移動させる移動機構を具備している。
【0015】
本発明の更に他の好ましい例では、可撓性部材は、無端ベルトを具備しており、ガラス板の折割機械は、無端ベルトに張力を与える手段及び無端ベルトを走行させる走行手段を具備している。
【0016】
本発明において、ガラス板受け面は、好ましい例では、可撓性部材を介してガラス板の下面を受ける平坦面を具備しているが、斯かる平坦面は、外形が円形、楕円形又は三角形以上の多角形であってもよく、一方、ガラス板受け面は、斯かる平坦面に代えて、部分円錐凸面及び部分円球凸面を含む凸面を具備していてもよい。
【0017】
本発明の折割機械によって折割されるガラス板としては、一般の建造物の窓用のガラス板、家具用のガラス板及び例えばフロントガラス、リアーガラス若しくはサイドガラス等の自動車用のガラス板並びにコンピュータ及び携帯電話機等の表示画面用のガラス板を例示することができるが、その他のガラス板をも含み得る。
【0018】
本発明における可撓性部材としては、可撓性の無端部材である可撓性の無端ベルトを好ましい例として挙げることができるが、その他、可撓性の有端シートであってもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、各折割位置で安定な折割を行い得るガラス板の折割機械を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を図面に示す具体例に基づいて更に詳細に説明する。これにより前記発明及び更に他の発明が明瞭となるであろう。尚、本発明はこれら具体例に何等限定されないのである。
【0022】
図1から
図8において、本例のガラス板の折割機械1は、ガラス板2が載置される可撓性部材としての可撓性の無端ベルト3と、無端ベルト3の上側部の周囲を、その下面側から支持する支持部材4と、一方の面としての上面を有したガラス板2を、支持部材4により囲まれた領域5内において無端ベルト3を介してガラス板2の他方の面としての下面から受けるガラス板受け面6及び6aの夫々を有していると共に無端ベルト3の上側部の下方に配された複数、本例では2機のガラス板受け装置7及び7aと、ガラス板受け装置7及び7aの夫々を、ガラス板2の面に平行な面内、本例では水平面内での一の方向であるX方向とX方向に交差する他の方向、本例ではX方向と直交するY方向とに移動させる移動装置8及び8aと、ガラス板2を当該ガラス板2の上面に形成された切り線としての折割予定線(主切り線)221に沿って夫々が押し割ると共に無端ベルト3の上側部の上方に配された複数、本例では2機の押し割り装置9及び9aと、押し割り装置9及び9aの夫々を、水平面内で一の方向であるX方向とX方向に交差する他の方向、本例ではX方向と直交するY方向とに移動させる移動装置10及び10aと、折割り前のガラス板2を領域5内に搬入し、折割り後のガラス板2を領域5外に搬出する搬入、搬出手段11と、無端ベルト3に張力を与える張力付与手段12と、無端ベルト3をX方向においてA方向に走行させる走行装置13と、上面に折割予定線221が形成されたガラス板2を無端ベルト3を介して当該ガラス板2の下面の中央部で支持する支持面としての上面51を有した支持機構15と、フレーム16とを具備している。
【0023】
ガラス板受け装置7及び7aの夫々、移動装置8及び8aの夫々、押し割り装置9及び9aの夫々並びに移動装置10及び10aの夫々は、夫々同一に構成されているので、以下では特に必要な場合を除いて、ガラス板受け装置7、移動装置8、押し割り装置9及び移動装置10についてのみ説明し、対応するものには同じ数字符号にaを付して図示のみする。
【0024】
無端ベルト3は、駆動ドラム17及び従動ドラム18並びに自由回転ドラム19及び20に掛け回されている。
【0025】
中空角材からなる支持部材4は、フレーム16のブラケット21及び中間基台22を介してフレーム16の基台23に支持されている。支持部材4は、中空角材に代えて、板状部材からなっていてもよく、要は、無端ベルト3の上側部をその下面側から支持して、無端ベルト3の上側部が極端に垂れ下がらないようにできればよく、したがって、無端ベルト3に所望に張力を付与できて、無端ベルト3の上側部が極端に垂れ下がらないようにできれば、支持部材4を省いてもよい。また、本例のように、駆動ドラム17及び従動ドラム18が設けられる場合には、駆動ドラム17及び従動ドラム18を支持部材4の一部として機能させて、支持部材4において駆動ドラム17及び従動ドラム18と平行に伸びる部位を省いてもよい。
【0026】
ガラス板受け装置7は、無端ベルト3の上側部の下面に接触しているガラス板受け面6を1mmから5mm程度上昇させる一方、当該上昇後、ガラス板受け面6を元の位置に下降させるガラス板受け面6の昇降手段27と、ガラス板受け面6が一端面に形成されている可動受け部材28と、可動受け部材28が上下方向に移動自在に取付けられた支持部材29と、支持部材29が取付けられた基台30とを具備しており、昇降手段27は、支持部材29を移動自在に貫通していると共に可動受け部材28に連結されたピストンロッドを有して支持部材29に取付けられたシリンダ装置35を具備しており、シリンダ装置35は、エアシリンダ装置からなってもよいが、油圧シリンダ装置でもよく、その作動で、ピストンロッドを介して可動受け部材28を昇降させるようになっている。
【0027】
円形の外側輪郭線31を有すると共にガラス板2の下面に平行に伸びた平坦なガラス板受け面6は、昇降手段27により上昇されない場合には、支持機構15の上面51及び支持部材4の支持面としての上面52と平行であって、当該上面51及び上面52と同一高さに配されており、昇降手段27により上昇された場合には、上面51及び上面52に対して1mmから5mm程度高く配されている。
【0028】
移動装置8は、X方向移動機構55とY方向移動機構56とからなる。
【0029】
X方向移動機構55は、基台30が取付けられたX方向の直線移動台57と、横部材58に取付けられた電動モータ59と、横部材58に軸受60及び61を介して回転自在に支持されたねじ軸62と、電動モータ59の出力回転軸の回転をねじ軸62に伝達するように、電動モータ59の出力回転軸及びねじ軸62の一端に固着されたプーリ63及び64並びにプーリ63及び64間に掛け渡されたベルト65と、ねじ軸62に螺合して、直線移動台57の下面に取付けられて固着されたナット(図示せず)と、横部材58に形成された一対のレール66と、一対のレール66に摺動自在に嵌合して、直線移動台57の下面に取付けられて固着されたスライダ67とを具備している。
【0030】
直線移動台57は、電動モータ59の作動によるその出力回転軸の回転でプーリ63及び64並びにベルト65を介してねじ軸62が回転されると、一対のレール66に案内されてX方向に直線移動されるようになっている。
【0031】
Y方向移動機構56は、X方向移動機構55とほぼ同様に構成されており、Y方向の直線移動台としての横部材58と、中間基台22上に支持部材70及びブラケット21等を介して固定して取付けられた横部材71と、横部材71に取付けられた電動モータ72と、横部材71に軸受73及び74を介して回転自在に支持されたねじ軸75と、電動モータ72の出力回転軸の回転をねじ軸75に伝達するように、電動モータ72の出力回転軸及びねじ軸75の一端に固着されたプーリ76及び77並びにプーリ76及び77間に掛け渡されたベルト78と、ねじ軸75に螺合して、横部材58の下面に取付けられて固着されたナット(図示せず)と、横部材71に形成された一対のレール79と、一対のレール79に摺動自在に嵌合して、横部材58の下面に取付けられて固着されたスライダ80とを具備している。
【0032】
横部材58は、電動モータ72の作動によるその出力回転軸の回転でプーリ76及び77並びにベルト78を介してねじ軸75が回転されると、一対のレール79に案内されてY方向に直線移動されるようになっており、而して、横部材58のY方向の直線移動により、直線移動台57は、同じく、Y方向に直線移動されるようになっている。
【0033】
押し割り装置9は、ガラス板2に対する各押し割り位置、例えば押し割り位置P1、P2、P3、P4及びP5の夫々の位置でのガラス板2に対する折割予定線221に沿う押し割りに際してガラス板2の上面における折割予定線221に沿った複数の部位、本例では二つの部位81及び82を上下方向、即ちZ方向において同時的に下方に押圧する押圧体83と、ガラス板2に対する折割予定線221に沿う押し割りに際してのガラス板2の上面における折割予定線221に沿った二つの部位81及び82への押圧体83による同時的な押圧に必要なガラス板2の上面に向かう下方向の押圧力Fを押圧体83に与える押圧力付与手段としてのエアーシリンダ装置84と、ガラス板2に対する押し割り位置P1、P2、P3、P4及びP5の夫々の位置で、折割予定線221に沿ったガラス板2の複数の部位81及び82への同時的な押圧を押圧体83に行わせるべく、ガラス板2の上面に直交する軸線(回転軸心)O1を中心として押圧体83をR1方向に回転させる回転手段としての電動モータ85と、エアーシリンダ装置89と、エアーシリンダ装置89のピストンロッド90にベアリング機構91を介して取付けられており、先端にカッタホイール92を有したカッタブロック93と、電動モータ94と、電動モータ94の出力回転軸に取付けられたプーリ又は歯車95と、エアーシリンダ装置89の外筒96にブラケット97を介して取付けられたベアリング機構98と、ベアリング機構98に取付けられたプーリ又は歯車99と、歯車95と歯車99との間に掛け渡されたタイミングベルト又はチェーン100と、歯車99に取付けられていると共にスリット101が形成された係合部材102と、一端部がスリット101に配されていると共に他端部がカッタブロック93に取付けられた係合片103と、電動モータ85及び94並びにエアーシリンダ装置89が取付けられた基台104とを具備している。
【0034】
押圧体83は、エアーシリンダ装置84のピストンロッド130に連結、固定されていると共に二股部を有した支持台106と、支持台106の二股部に軸107を介してガラス板2の上面に平行であって折割予定線221に沿う方向に対して交差、本例では直交する方向に伸びる回転軸心O2及びO3を中心としてR3方向に回転自在に支持された少なくとも一つ、本例では二個の回転体108及び109とを具備しており、回転体108は、押圧体83によるガラス板2に対する折割予定線221に沿う押し割りに際してのガラス板2の上面における折割予定線221に沿った複数の部位81及び82の同時的な押圧において複数の部位81及び82の少なくとも一つの部位、本例では部位81に回転自在に接触する接触面としての円筒状の回転自在面301を有しており、回転体109もまた、押圧体83によるガラス板2に対する折割予定線221に沿う押し割りに際してのガラス板2の上面における折割予定線221に沿った複数の部位81及び82の同時的な押圧において複数の部位81及び82の少なくとも一つの部位、本例では部位82に回転自在に接触する接触面としての円筒状の回転自在面302を有している。
【0035】
回転自在面301は、ガラス板2に対する折割予定線221に沿う押し割りに際してのガラス板2の上面における折割予定線221に沿った複数の部位81及び82での押圧体83の押圧において、回転軸心O2を中心として複数の部位81及び82の夫々の少なくとも一つの部位、本例では部位81に回転自在に接触するようになっており、しかも、回転自在面301は、ガラス板2に対する折割予定線221に沿う押し割りに際してのガラス板2の上面における折割予定線221に沿った複数の部位81及び82の少なくとも一つの部位、本例では部位81では折割予定線221を跨いでガラス板2の上面を押圧するように、回転軸心O2の伸びる方向において幅をもって形成されており、同じく、回転自在面302は、ガラス板2に対する折割予定線221に沿う押し割りに際してのガラス板2の上面における折割予定線221に沿った複数の部位81及び82での押圧体83の押圧において、回転軸心O3を中心として複数の部位81及び82の夫々の少なくとも一つの部位、本例では部位82に回転自在に接触するようになっており、しかも、回転自在面302は、ガラス板2に対する折割予定線221に沿う押し割りに際してのガラス板2の上面における折割予定線221に沿った複数の部位81及び82の少なくとも一つの部位、本例では部位82では折割予定線221を跨いでガラス板2の上面を押圧するように、回転軸心O3の伸びる方向において幅をもって形成されている。
【0036】
回転体108及び109の夫々は、回転自在面301及び302が可撓性弾性面となるように、剛性の円板と、この円板の外周面を被覆した弾性の環状の外面層とからなっていてもよい。
【0037】
押し割り装置9では、エアーシリンダ装置89の作動でピストンロッド90が伸縮されると、カッタホイール92はZ方向に移動され、電動モータ94の作動による歯車95の回転でチェーン100を介して歯車99が回転されると、係合部材102及び係合部材102にスリット101で係合する係合片103も軸線(回転軸心)105を中心としてR2方向に回転され、この回転でカッタホイール92は同じく軸線105を中心としてR2方向に回転され、その刃先が切り線形成方向に向けられる。
【0038】
また、押し割り装置9では、押し割り位置P1、P2、P3、P4及びP5の夫々の位置での電動モータ85の作動によるその出力回転軸131のR1方向の回転による出力回転軸131に連結、固定されたエアーシリンダ装置84におけるそのピストンロッド130の同じくR1方向の回転で、二個の回転体108及び109が押し割り位置P1、P2、P3、P4及びP5の夫々の位置での折割予定線221に沿う方向に配列され、回転体108及び109のこの配列後、エアーシリンダ装置84の作動によるそのピストンロッド130の伸長による押圧体83の下降で回転体108及び109の夫々の回転自在面301及び302が部位81及び82の夫々でのガラス板2の上面を押圧力Fをもって押圧してガラス板受け面6との協働で折割予定線221に沿ってのガラス板2に対する折割予定線221での押し割りを行うようになっている。
【0039】
移動装置10は、X方向移動機構110とY方向移動機構111とからなる。
【0040】
X方向移動機構110は、押し割り装置9の基台104が取付けられたX方向の直線移動台112と、横部材113に取付けられた電動モータ114と、横部材113に軸受115及び116を介して回転自在に支持されたねじ軸117と、電動モータ114の出力回転軸の回転をねじ軸117に伝達するように、電動モータ114の出力回転軸及びねじ軸117の一端に固着されたプーリ118及び119並びにプーリ118及び119間に掛け渡されたベルト120と、ねじ軸117に螺合して、直線移動台112の下面に取付けられて固着されたナット(図示せず)と、横部材113に形成された一対のレール121と、一対のレール121に摺動自在に嵌合して、直線移動台112の下面に取付けられて固着されたスライダ122とを具備している。
【0041】
直線移動台112は、電動モータ114の作動によるその出力回転軸の回転でプーリ118及び119並びにベルト120を介してねじ軸117が回転されると、一対のレール121に案内されてX方向に直線移動されるようになっている。
【0042】
Y方向移動機構111は、X方向移動機構110とほぼ同様に構成されており、Y方向の直線移動台としての横部材113と、フレーム16の上枠132にブラケット133等を介して固定して取付けられた横部材134と、横部材134に取付けられた電動モータ135と、横部材134に軸受(図示せず)を介して回転自在に支持されたねじ軸136と、電動モータ135の出力回転軸の回転をねじ軸136に伝達するように、電動モータ135の出力回転軸及びねじ軸136の一端に固着されたプーリ137及び138並びにプーリ137及び138間に掛け渡されたベルト139と、ねじ軸136に螺合して、横部材113の上面に取付けられて固着されたナット140と、横部材134に取付けられた一対のレール141と、一対のレール141に摺動自在に嵌合して、横部材134の上面に取付けられて固着されたスライダ(図示せず)とを具備しており、横部材134は、当該スライダ及び一対のレール141を介して横部材134にY方向に移動自在に吊り下げ支持されている。
【0043】
横部材134は、電動モータ135の作動によるその出力回転軸の回転でプーリ137及び138並びにベルト139を介してねじ軸136が回転されると、一対のレール141に案内されてY方向に直線移動されるようになっており、而して、横部材134のY方向の直線移動により、直線移動台112は、同じく、Y方向に直線移動されるようになっている。
【0044】
搬入、搬出手段11は、無端ベルト3上に載置されて折割が完了したガラス板2を持上げ、折割中に無端ベルト3上に載置されたガラス板2を無端ベルト3を介して支持機構15と協同して挟持して無端ベルト3上に固定する持上げ機構151と、無端ベルト3上に折割りすべきガラス板2を載置する持上げ機構152と、一対の持上げ機構151及び152をY方向に往復動させる往復動機構153とを具備している。
【0045】
持上げ機構151は、可動台155に取付けられたエアーシリンダ装置156と、エアーシリンダ装置156のピストンロット157の先端に取付けられた真空吸盤装置158とを具備しており、エアーシリンダ装置156の作動でそのピストンロッド157がZ方向に進退されると、真空吸盤装置158は、無端ベルト3上に載置されたガラス板2を持上げ、また無端ベルト3上に載置されたガラス板2を無端ベルト3を介して支持機構15と協同して挟持して無端ベルト3上に固定する。
【0046】
持上げ機構152は、持上げ機構151と同様に形成されており、持上げ機構151と共通の可動台155に取付けられたエアーシリンダ装置161と、エアーシリンダ装置161のピストンロット162の先端に取付けられた真空吸盤装置163とを具備しており、エアーシリンダ装置161の作動でそのピストンロッド162がZ方向に下降されると、真空吸盤装置163は、吸引しているガラス板2を無端ベルト3上に載置する。
【0047】
往復動機構153は、可動台155と、フレーム16の上枠165に取付けられた電動モータ166と、フレーム16の上枠132に軸受167を介して回転自在に支持されたねじ軸168と、電動モータ166の出力回転軸の回転をねじ軸168に伝達するように、電動モータ166の出力回転軸及びねじ軸168の一端に固着されたプーリ169及び170並びにプーリ169及び170間に掛け渡されたベルト171と、ねじ軸168に螺合して、可動台155の上面に取付けられて固着されたナット172と、上枠132に形成された一対のレール173と、一対のレール173に摺動自在に嵌合して、可動台155の上面に取付けられて固着されたスライダ174とを具備している。
【0048】
スライダ174を介して上枠132にY方向に移動自在に吊り下げ支持されている可動台155は、電動モータ166の作動によるその出力回転軸の回転でプーリ169及び170並びにベルト171を介してねじ軸168が回転されると、一対のレール173に案内されてY方向に直線往復移動されるようになっている。
【0049】
搬入、搬出手段11は、往復動機構153の作動により持上げ機構151及び152をY方向に直線往復移動させ、この直線往復移動において、持上げ機構152により、入り側の搬送装置181に載置されている折割り前のガラス板2を持ち上げて、これを支持部材4に囲まれた領域5内に搬入して、無端ベルト3の上側部の上面に載置し、持上げ機構151により、無端ベルト3の上側部の上面に載置された折割り後のガラス板2を支持部材4に囲まれた領域5外に搬出して、これを出側の搬送装置182に載置する。
【0050】
張力付与手段12は、ブラケット21に支持された一対のエアーシリンダ装置185及び186を具備しており、エアーシリンダ装置185のピストンロッドは、自由回転ドラム19を回転自在に支持しており、エアーシリンダ装置186のピストンロッドは、自由回転ドラム20を回転自在に支持している。
【0051】
張力付与手段12は、エアーシリンダ装置185及び186の空気弾性力により自由回転ドラム19及び20を介して無端ベルト3に張力を付与しており、これにより無端ベルト3が緊張されるようになっている。駆動ドラム17、従動ドラム18、自由回転ドラム19及び20の位置調整により無端ベルト3を所望に緊張させることができる場合には、張力付与手段12を設けなくてもよい。
【0052】
走行装置13は、基台23に取付けられた電動モータ191と、駆動ドラム17及び従動ドラム18と、自由回転ドラム19及び20と、電動モータ191の出力回転軸の回転を駆動ドラム17の回転軸に伝達するように、電動モータ191の出力回転軸及び駆動ドラム17の回転軸に取付けられたプーリ192及び193並びにプーリ192及び193に掛け回されたベルト194とを具備しており、駆動ドラム17及び従動ドラム18は夫々、中間基台22に支持されたフレーム195及び196に回転自在に取付けられている。
【0053】
走行装置13は、電動モータ191が作動されてその出力回転軸が回転されると、プーリ192、ベルト194、プーリ193を介して駆動ドラム17を回転させ、駆動ドラム17の回転で無端ベルト3は例えばA方向に走行され、これにより無端ベルト3は、無端ベルト3上で折り割られたカレットをA方向に搬送して当該カレットを領域5外に排出する。
【0054】
支持機構15は、矩形状の受け板201と、受け板201を支持する支柱202とを具備しており、支柱202は、横部材203を介してブラケット21に支持されている。
【0055】
支持機構15は、受け板201の上面51で無端ベルト3を介して、当該無端ベルト3上に載置されたガラス板2を下から支持すると共に真空吸盤装置158と協同して当該ガラス板2を挟持してこれを無端ベルト3上に固定する。
【0056】
入り側の搬送装置181は、折割すべきガラス板2が載置される無端ベルト211と、無端ベルト211を走行させる走行装置(図示せず)とを具備しており、折割すべきガラス板2を、走行装置の作動に基づく無端ベルト211の走行により所定位置まで正確に搬入する。
【0057】
出側の搬送装置182は、折り割られたガラス板2が載置される無端ベルト212と、無端ベルト212を走行させる走行装置(図示せず)とを具備しており、折り割られたガラス板2を、走行装置の作動に基づく無端ベルト212の走行により次の処理工程、例えば折割縁を研削、研磨する工程に搬送する。
【0058】
ガラス板の折割機械1は、その他にマイクロコンピュータ等からなる制御装置を具備しており、制御装置は、電動モータ並びにエアーシリンダ装置並びに真空吸引装置等の作動を、予めプログラムされた数値制御命令を介して制御する。このような制御装置自体は公知であるので、それの詳細な説明は省略する。
【0059】
ガラス板の折割機械1は、次のようにしてガラス板2に対して折割作業を行う。
【0060】
まず、切り線として予め折割予定線(主切り線)221が付されたガラス板2が無端ベルト211により正確な位置に配される。尚、このような折割予定線221は本例のガラス板の折割機械1における押し割り装置9でのエアーシリンダ装置89、カッタブロック93及び電動モータ94等を具備した端切り線(補助切り線)形成機構によって形成するようにしてもよい。
【0061】
一つの折割完了において、エアーシリンダ装置156及び161の作動により既に下降されている真空吸盤装置158及び163の夫々を作動させて、真空吸盤装置158により無端ベルト3上のすでに折割されたガラス板2を、真空吸盤装置163により無端ベルト211上の次に折り割るべきガラス板2を夫々吸引して、その後、エアーシリンダ装置156及び161を作動させて、真空吸盤装置158により無端ベルト3上の折割されたガラス板2を、真空吸盤装置163により無端ベルト211上の折り割るべきガラス板2を持ち上げる。
【0062】
持ち上げ後、往復動機構153の電動モータ166を作動させて可動台155を往動させ、真空吸盤装置158により持ち上げられた既に折割されたガラス板2を支持部材4により囲まれた領域5外であって、無端ベルト212上に搬出し、真空吸盤装置163に持ち上げられたこれから折り割るべきガラス板2を無端ベルト3上であって支持部材4により囲まれた領域5内に搬入する。
【0063】
この搬出、搬入動作中において、ガラス板2が持上げられた状態で、電動モータ191が作動され、これにより無端ベルト3がA方向に走行されると、無端ベルト3の上側部上に残っている折割カレットが無端ベルト3の走行と共にA方向に搬送されて排出される。折割カレットの排出後、電動モータ191の作動が停止されて、無端ベルト3のA方向の走行が停止される。
【0064】
搬出、搬入後、エアーシリンダ装置156及び161を再作動させて、真空吸盤装置158及び163を下降させて、真空吸盤装置158及び163の所定位置への下降後、真空吸盤装置158及び163の吸引動作を停止させて、真空吸盤装置158により無端ベルト212上に折割されたガラス板2を、真空吸盤装置163により無端ベルト3上にこれから折り割るべきガラス板2を載置する。その後、エアーシリンダ装置156及び161を逆作動させて、真空吸盤装置158及び163を上昇させて、更に、往復動機構153の電動モータ166を逆作動させて可動台155を復動させ、真空吸盤装置163を無端ベルト211上に、真空吸盤装置158を無端ベルト3上に移動させる。
【0065】
真空吸盤装置158及び163の往復動中に、無端ベルト211の作動により、次に折割されるべきガラス板2が所定位置に搬入される。
【0066】
真空吸盤装置158及び163が元の位置に復帰されると、エアーシリンダ装置156及び161を再作動させて、真空吸盤装置158及び163を下降させて、真空吸盤装置158及び163の所定位置への下降により、エアーシリンダ装置156に基づく空気弾性力をもって真空吸盤装置158により無端ベルト3の上側部上に載置されたガラス板2を当該無端ベルト3に押圧して、同じくエアーシリンダ装置161に基づく空気弾性力をもって真空吸盤装置163により無端ベルト211上に載置されたガラス板2を当該無端ベルト211に押圧する。
【0067】
これにより無端ベルト3上の上側部に載置されたガラス板2は、その中央部で無端ベルト3を間にして真空吸盤装置158と受け板201とに挟持されて、しっかりと無端ベルト3の上側部上に保持、固定されることになる。
【0068】
その後、電動モータ59及び59a並びに72及び72aを作動させてガラス板受け装置7及び7aをX及びY方向に移動させてガラス受け面6及び6aがカッタホイール92及び92aの下に配置されるようにすると共に、電動モータ114及び114a並びに135及び135aを作動させて押し割り装置9及び9aをX及びY方向に移動させてカッタホイール92及び92aを、折割予定線221の一つの変曲点を始点としてガラス板2の外縁220(素板ガラスの外縁)向って移動させる。カッタホイール92及び92aが折割予定線221の変曲点から移動する際に同時にエアーシリンダ装置89及び89aを作動させてカッタホイール92及び92aをガラス板2に接触させ、これによりカッタホイール92及び92aでもってガラス板2に端切り線(補助切り線)222を形成する。
【0069】
端切り線222の形成中は、端切り線形成方向にカッタホイール92及び92aの刃先を向けるべく、電動モータ94及び94aを作動させる。また端切り線形成中は、回転体108及び109並びに回転体108a及び109aは、回転自在面301及び302並び301a及び302aの夫々がガラス板2の上面に接触することなく、上昇されている。
【0070】
こうして一つの端切り線222が形成されると、押し割り装置9及び9a並びにガラス板受け装置7及び7aは折割予定線221の各変曲点である端切り線形成位置の各始点まで次々に移動され、各始点への移動後、カッタホイール92及び92aは領域5内で各端切り線222の形成を夫々行う。端切り線形成中には、ガラス板受け面6及び6aがカッタホイール92及び92aの押圧力をガラス板2及び無端ベルト3を介して受けるようにカッタホイール92及び92aの移動に対応してガラス板受け装置7及び7aは移動される。
【0071】
端切り線形成が終了すると、次にエアーシリンダ装置89及び89aを作動させてカッタホイール92及び92aを上昇させてカッタホイール92及び92aとガラス板2との接触を解除する。
【0072】
そして、
図9及び
図10に示すように、押し割り位置P1、P2、P3、P4及びP5の夫々の位置で、ガラス板2の切り線である折割予定線221で囲まれる領域B外の位置であって平面視でガラス板受け面6及び6aの外側輪郭線31がガラス板2の折割予定線221に近接する位置にガラス板受け面6及び6aを配置するように電動モータ59及び59a並びに72及び72aを作動させてガラス板受け装置7及び7aをX及びY方向に移動させると共に同じく電動モータ114及び114a並びに135及び135aを作動させて押し割り装置9及び9aをX及びY方向に移動させて、回転体108及び109並びに108a及び109aの回転自在面301及び302並びに301a及び302a夫々を折割予定線221上であって部位81及び82の夫々の上方に配置する。
【0073】
回転自在面301及び302並びに301a及び302aの夫々の下端と折割予定線221での部位81及び82とが夫々Z方向において対峙した状態で、
図6に示すように、シリンダ装置35及び35aを作動させ、可動受け部材28及び28aを介してガラス板受け面6及び6aを1mmから5mm程度上昇させ、ガラス板2の折割予定線221の近傍を起点とした上方に向かった撓みを領域B外のガラス板2に生じさせ、斯かる撓みを生じさせた状態で、エアーシリンダ装置84及び84aを作動させて
図10に示すように押圧体83及び83aを下降させて回転自在面301及び302並びに301a及び302aの夫々を押し割り位置P1、P2、P3、P4及びP5の夫々の位置でのガラス板2の上面の部位81及び82に接触させて、ガラス板2を各折割予定線221に沿って押し割り、領域B外のガラス板2であって端切り線222間のガラス板2を領域B内のガラス板2から押し割り、押し割り後のシリンダ装置35及び35aの逆作動によるガラス板受け面6及び6aの下降とシリンダ装置84及び84aの逆作動による押圧体83及び83aの上昇とでガラス板受け面6及び6a並びに回転自在面301及び302並びに301a及び302aを元の位置へ復帰させ、この復帰後、領域B外のガラス板2を折割カレットとして無端ベルト3のA方向の走行で排出する。
【0074】
以上の押し割りが終了して、折割予定線221に沿って折り割られたガラス板2が得られると、以上の動作が繰り返される。
【0075】
本例のガラス板2の折割機械1は、一方の面である上面に切り線としての折割予定線221が形成されたガラス板2を当該ガラス板2の他方の面である下面で支持する支持機構15と、ガラス板2を折割予定線221に沿って押し割る押し割り装置9及び9aとを具備しており、押し割り装置9及び9aは、ガラス板2に対する押し割り位置P1、P2、P3、P4及びP5の夫々でのガラス板2に対する折割予定線221に沿う押し割りに際してガラス板2の上面における折割予定線221に沿った複数の部位81及び82を同時的に押圧する押圧体83を具備している結果、押圧体83がガラス板2に対する折割予定線221に沿う押し割りに際してガラス板2の上面における折割予定線221に沿った複数の部位81及び82を同時的に押圧するようになっているために、折割位置P1、P2、P3、P4及びP5の夫々で安定な折割を行い得る。
【0076】
なお、ガラス板の折割機械1の押し割り装置9及び9aによって、端切り線形成に加えて、折割予定線221を形成してもよく、また、ガラス板の折割機械1では、押し割のみを行うようにし、端切り線形成を前工程で行ってもよく、この場合には、カッタホール92及び92a等を省くことができる。
【0077】
更に、上記の具体例では、一対のガラス板受け装置7及び7a、一対の移動装置8及び8a、一対の押し割り装置9及び9a並びに一対の移動装置10及び10aを設けて、ガラス板2に対する端切り線形成及び押し割りを分担、例えば、ガラス板受け装置7及び押し割り装置9は、領域5のX方向における半分の領域を、ガラス板受け装置7a及び押し割り装置9a領域5のX方向の残りの半分の領域を分担して行うようにしたが、これに代えて、夫々を一個だけ設けて又は3個以上設けてガラス板の折割機械を構成してもよく、また、端切り線形成及び押し割りの斯かる分担動作は、同時的に行われる必要はなく、適宜必要な間隔をもって行われてもよい。
【0078】
更に、上記の具体例では、ピストンロッド130の伸縮で押圧体83をZ方向に移動させて、回転自在面301及び302をガラス板2の上面の部位81及び82に接触させて、これにより、ガラス板2を押し割っているが、これに代えて、
図11に示すように、出力回転軸131に吊下げ部材231を連結、固定し、吊下げ部材231に、作動においてピストンロッド130がZ方向に交差する斜め方向Sに進退するようにエアーシリンダ装置84を連結、固定し、ピストンロッド130の伸長でのガラス板2の部位81及び82への回転自在面301及び302の接触で、回転自在面301及び302でガラス板2を斜め下方に押すと共に領域B外のガラス板2を領域B内のガラス板2から離してガラス板2の外縁220に向かって蹴り出すようにして、これにより、ガラス板2を押し割るようにしてもよい。
【0079】
加えて、部位81及び82を同時的に押圧する押圧体83は、上記の例では、回転自在面301及び302を有しているが、これに代えて、回転しない部分球面若しくは部分円筒面からなる湾曲凸面又は平坦面を有していてもよく、例えば、
図12及び
図13図に示すように、部位81及び82を同時的に押圧する押圧体310は、回転しない接触面としての部分円筒面からなる湾曲凸面311を夫々の下端に有した一対の棒状体312及び313と、一対の棒状体312及び313が取付けられていると共にエアーシリンダ装置84のピストンロッド130に連結、固定された基台314とを具備していてもよく、斯かる押圧体310は、折割予定線221に沿ってのガラス板2の押し割りの際には、湾曲凸面311の夫々の折割予定線221と同方向に伸びた線状の下端で折割予定線221に沿うと共に折割予定線221に位置した部位81及び82の夫々を同時的に押圧することになる。
【0080】
また、上記の具体例では、昇降手段27及び27aでガラス板受け面6及び6aの夫々を昇降させたが、昇降手段27及び27aを設けないで、常時、ガラス板受け面6及び6aが上面51に対して1mmから5mm程度上方に配されていてもよい。
【0081】
そして、上記の具体例では、軸線(回転軸心)O1を中心として押圧体83をR1方向に回転させる回転手段としての電動モータ94によりカッタホイール92を軸線105を中心としてR2方向に回転させ、電動モータ85により押圧体83を軸線O1を中心としてR1方向に回転させるようにしたが、これに代えて、カッタホイール92及び押圧体83の回転に共通な電動モータを基台104取付け、この共通の電動モータで、カッタホイール92をエアーシリンダ装置89を介して、そして、押圧体83をエアーシリンダ装置84を介して軸線105を中心としてR2方向に回転させるようにしてもよい。
【0082】
その上、上記の具体例では、基台104をX方向及びY方向に移動させないで押し割りを行わせたが、これに代えて、押し割りにおいて、例えば、回転自在面301及び302又は湾曲凸面311が部位81及び82においてガラス板2の上面に接触後、領域B外のガラス板2が領域B内のガラス板2から離れてガラス板2の外縁220に向かって回転自在面301及び302又は湾曲凸面311により押し出されるように、基台104を移動装置10により折割予定線221に直交する方向に移動されるようにしてもよい。