(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-67725(P2020-67725A)
(43)【公開日】2020年4月30日
(54)【発明の名称】人事管理支援システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/06 20120101AFI20200403BHJP
【FI】
G06Q10/06 326
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-198860(P2018-198860)
(22)【出願日】2018年10月23日
(11)【特許番号】特許第6472152号(P6472152)
(45)【特許公報発行日】2019年2月20日
(71)【出願人】
【識別番号】514036678
【氏名又は名称】志村 哲祥
(74)【代理人】
【識別番号】100139033
【弁理士】
【氏名又は名称】日高 賢治
(72)【発明者】
【氏名】志村哲祥
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA08
(57)【要約】 (修正有)
【課題】問診項目の結果を組織の人事や新規採用に有効に活用する人事管理支援システムを提供する。
【解決手段】組織の人事管理を支援するシステムは、組織に所属する者又は新規採用予定者による交替勤務耐性を把握するための問診回答結果と各問診項目に付される回帰係数に基づき、交替勤務を行う者の離職・休職確率及び/又は生産性低下リスクを数値として算定する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織に所属する者及び/又は新規採用予定者の交替勤務耐性による離職・休職確率及び/又は生産性低下リスクを算出することにより、当該組織の人事管理を支援するための人事管理支援システムであって、
前記組織が使用する組織端末と、
処理プログラムが記録され、かつ複数のデータベースが構築された管理サーバーと、を備え、
前記組織端末はオンラインで前記管理サーバーと接続され、
前記データベースには、個人の交替勤務耐性を測定するための複数の問診項目と、当該問診項目に対応する回帰係数が記録されており、
前記処理プログラムは、前記組織に所属する者又は前記新規採用予定者による前記問診項目の回答結果及び前記回帰係数に基づいて、前記組織に所属する者又は前記新規採用予定者の離職・休職確率、及び/又は前記組織に所属する者の生産性低下リスクを数値として算定し、当該算定結果を前記データベースに記録するとともに、前記組織端末に電子データとして送信する、及び/又は紙媒体で出力する、
ことを特徴とする人事管理支援システム。
【請求項2】
前記人事管理支援システムは、更に前記組織に所属する者及び/又は前記新規採用予定者が使用するユーザー端末を含み、前記ユーザー端末が前記サーバーに接続されると、前記処理プログラムによって前記データベースに記録されている前記問診票が前記ユーザー端末上に表示され、前記組織に所属する者及び/又は前記新規採用予定者は前記ユーザー端末上で回答を入力し、当該回答結果はオンラインで前記サーバーに送信され、前記算定結果は前記サーバーから前記ユーザー端末に送信される、
ことを特徴とする請求項1に記載の人事管理支援システム。
【請求項3】
前記回帰係数は、統計学的に有意な数の事前調査の結果に基づいて、離職・休職確率及び/又は生産性低下リスクを目的変数とし、前記問診項目を説明変数として行った回帰分析によって決定される、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の人事管理支援システム。
【請求項4】
前記回帰係数は、離職・休職確率又は生産性低下リスクのいずれを求めるかによって相違する、
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の人事管理支援システム。
【請求項5】
前記算定結果は、前記数値に基づいて確率数値又は段階的な定性評価として表示される、
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の人事管理支援システム。
【請求項6】
複数の前記問診項目は、外国へ行ったことのある場合の時差ボケによる不調の有無、睡眠時間帯が短期間で大きく変動した場合の体調不良の有無、深夜ないしその者が通常睡眠をとっている時間に覚醒させられた場合の体調不良の有無、寝ようと思えばいつでも眠れるかどうか、日中眠気を感じたときに仮眠をしようとして実際に入眠できるかどうか、起床・覚醒に苦労することがあるかどうか、睡眠の問題あるいは睡眠障害を有するかどうか、交替勤務を過去にしたことがある場合に不調になったことがあるかどうか、の項目を含む、
ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の人事管理支援システム。
【請求項7】
前記処理プログラムは、算定結果又は前記問診項目に対する回答内容に応じて、前記データベースに予め記録されている離職・休職確率及び/又は生産性低下リスクを低減させるためのメッセージを抽出し、前記組織端末に前記メッセージを送信する、
ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の人事管理支援システム。
【請求項8】
前記処理プログラムは、問診回答結果を前記データベースに蓄積し、既に蓄積されている回答結果と合わせて新たな回帰分析を行い、既に蓄積されている回帰係数を新たな回帰係数に書き変える、
ことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の人事管理支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、24時間稼働操業する工場や、24時間営業のコンビニエンスストア、国際線のある航空会社、多数の入院患者を抱える病院等の組織において、交替勤務を行う従業員や医師・看護師の交替勤務耐性に基づく離職・休職リスク及び/又は生産性低下リスク、或いは新規採用予定者の離職・休職リスクを確率計算によって算定し、組織の円滑な人事管理を支援するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
企業等において、人事及び採用における重大なリスクの一つに、多大なるコストを投じて雇用した人材が、突然、離職あるいは休職してしまう問題がある。また、雇用した人材が何らかの心身の不調によって生産性が低下してしまうこと(プレゼンティズム)も、組織としては大きな問題である。
【0003】
こうした社員の離職・休職や生産性の低下を防止するため、スキルミスマッチを起さない適性検査の実施や、綿密な採用面接の実施とともに、メンタルヘルス対策などが行われている。
【0004】
現在提案されている人事管理支援システムは、社員の性格や相性等に応じて、最適なグルーピングを図るものや(特許文献1参照)、メンタルヘルスに係る不調の実態を把握して、ヘルスケアが必要な社員を特定し、効率的な支援を行うもの(特許文献2参照)に限られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−271601号公報
【特許文献2】特開2016−151979号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一方、一部従業員の交替勤務が前提となる24時間稼働操業する工場や24時間営業のコンビニエンスストア、多数の入院患者を抱える病院等の組織においては、交替勤務対象となる従業員、医師・看護師の交替勤務耐性は、個人によってそれぞれ相違する。例えば、スキルマッチ、報酬、職務環境などが同等であったとしても、個々人の交替勤務耐性の相違によって、その離職・休職確率、生産性の低下は有意に異なる。
【0007】
上記のとおり、従来の人事管理支援システムは、社員の性格や相性等に応じた最適なグルーピングや、メンタル面での不調の実態を把握しているだけであり、特に、交替勤務を前提とする社員に対する人事管理の支援システムは存在せず、交替勤務者に対する離職・休職リスクや生産性低下リスクを事前に十分予防しきれていなかった。
【0008】
本発明は、発明者らによる最新の研究で明らかになった個人の交替勤務耐性の相違による離職・休職状況や生産性低下状況が異なることに着目し、統計学的に有意な数の実証結果(アンケート結果)に基づき、これを回帰分析することによって各問診項目の回帰係数を求め、個人の離職・休職、生産性低下リスクを確率として算定し、その結果を組織の人事や新規採用に有効に活用するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願発明は、上記目的を達成するため、
組織に所属する者及び/又は新規採用予定者の交替勤務耐性による離職・休職確率及び/又は生産性低下リスクを算出することにより、当該組織の人事管理を支援するための人事管理支援システムであって、
前記組織が使用する組織端末と、
処理プログラムが記録され、かつ複数のデータベースが構築された管理サーバーと、を備え、
前記組織端末はオンラインで前記管理サーバーと接続され、
前記データベースには、個人の交替勤務耐性を測定するための複数の問診項目と、当該問診項目に対応する回帰係数が記録されており、
前記処理プログラムは、前記組織に所属する者又は前記新規採用予定者による前記問診項目の回答結果及び前記回帰係数に基づいて、前記組織に所属する者又は前記新規採用予定者の離職・休職確率、及び/又は前記組織に所属する者の生産性低下リスクを数値として算定し、当該算定結果を前記データベースに記録するとともに、前記組織端末に電子データとして送信する、及び/又は紙媒体で出力する、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
上記構成を有する本願発明によれば、個人の交替勤務耐性を特定可能な問診項目を用い、各問診項目に対して統計学的に有意な数の実証結果(アンケート結果)に基づく回帰係数を付与し、個人の離職・休職及び/又は生産性低下リスクを確率として算定し、その結果を回答者個人や組織に提示し、改善すべきき勤務体制を明らかにすることにより、人事配置や新規採用の適切な指標(材料)とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】既存の回答データと離職・休職状況、生産性低下状況、回帰係数が蓄積されたデータベースの説明図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本願発明の実施形態について、各図面を参照しながら説明する。
なお、本願発明で言う「離職・休職確率」とは、人間の行動である離職、又は休職する可能性の程度を予測して数値化することを意味するものであり、純粋に数学的な確率を意味するものではない。
図1は、本願発明に係るシステム構成の全体図であり、管理サーバー1、当該管理サーバー1とオンライン接続されている組織端末2及びユーザー端末3から構成される。当該ユーザー端末3は、組織に所属する社員又は新規採用予定者が所有するPC、タブレット端末、スマートフォン等の情報端末であり、また、本実施形態では問診票5を紙媒体として出力するためのプリンター4も接続されている。
【0013】
管理サーバー1内には、本サービスの開始時点までに蓄積された統計学的に有意な解析ができる充分な数の事前調査の結果(問診項目、回答結果データ、社員個人の離職・休職状況、社員個人の生産性状況、各問診項目に対応する回帰係数)が蓄積されたデータベースD1と、算定結果に基づいて抽出されるメッセージが記録されたデータベースD2と、問診票5を作成する問診票作成プログラムP1と、問診に対する回答結果に応じて、離職・休職確率及び/又は生産性低下リスクについて確率計算し、かつ上記メッセージを抽出する算出・判定プログラムP2と、問診回答の結果を表示する結果表示プログラムP3と、問診票5及びその結果を紙媒体で出力するための紙面作成プログラムP4と、新たな回帰分析を行う回帰プログラムP5と、組織端末2とのデータ通信を行う管理コンソールI1と、ユーザー端末に問診票5を送信し、かつ回答を受信する問診票送信・回答プログラムI2とが構築されている。
【0014】
データベースD1には、
図2に示すとおり、発明者らが東京都内のサービス業に勤務する約3000名に対して実施した調査項目(問診項目)である、1)外国へ行ったことのある場合の時差ボケの有無とその程度、2)睡眠時間帯が短期間で大きく変動した場合の体調不良の有無、3)深夜ないしその者が通常睡眠をとっている時間に覚醒させられた場合の体調不良の有無、4)寝ようと思えばいつでも眠れるかどうか、5)日中眠気を感じたときに仮眠をしようとして実際に入眠できるかどうか、6)起床・覚醒に苦労することがあるかどうか、7)睡眠の問題あるいは睡眠障害を有するかどうか(データベース内においてはピッツバーグ睡眠問診票の結果が格納されている)、8)交替勤務を過去にしたことがある場合に不調になったことがあるかどうか、の8項目と、その回答結果、実際の離職・休職の状況、実際の生産性の状況、当該回答結果を回帰分析することにより求められた各問診項目に対応する回帰係数が、蓄積されている。
【0015】
各問診項目に対する回答は、「1.大いにある、2.ややある、3.ほとんどない、4.全くない」のように複数の選択肢から選ぶようになっており、例えば、「1.大いにある」が選択された場合には3点、「2.ややある」は2点、「3.ほとんどない」は1点、「4.全くない」は0点として計算するようになっている。或いは「あり」「なし」のみとし、ありを1点、なしを0点として計算することもできる。また、7)の睡眠の問題あるいは睡眠障害を有するかどうかについては、それそのものを回答者に問うてもよいし、ピッツバーグ睡眠問診やアテネ不眠尺度などの既存の睡眠の問題を検出するための医学的問診票を用いて睡眠の問題があるかないかを評価してもよい。
【0016】
上記発明者らが行った実際の調査結果を回帰分析したところ、上記各問診項目への回答結果が、離職・休職、又は生産性の低下に有意に影響することが判明し、離職・休職及び生産性低下を目的変数とし、各問診項目を説明変数として、確度の高い確率を計算可能であることが明らかとなった。
【0017】
離職・休職確率、生産性低下リスクについて回帰モデルを利用すると、その確率は、以下の式で示すことができる(ただし、p=離職・休職確率又は生産性低下リスク、bn=各回帰係数、Xn=各問診への回答結果とする)。
1.線形回帰モデルを使用した場合(式1)
p=定数項+b1X1+b2X2+b3X3+b4X4…bnXn
2.ロジットモデルを使用した場合(式2)
logit値=定数項+b1X1+b2X2+b3X3+b4X4…bnXnとすると、p = e
logit / 1+e
logit = 1/1+e
−logit
【0018】
なお、上記8つの問診項目は、実態調査に基づく個人の交替勤務耐性を把握する上で最も適切な必要最低限の項目であるが、更に関連性のある項目を追加しても良い。その場合、新たな大規模アンケート調査を実施し、その結果を回帰分析する必要がある。
【0019】
さらに、組織ごと、業種ごと、職種ごとにおける離職・休職確率、生産性低下リスクを特異的に同定し、問診項目に用いることも可能である。例えば、24時間稼働操業する自動車メーカー等の生産工場及び生産ラインで働く従業員、24時間営業のコンビニエンスストア等のサービス業及びそこで働く従業員、航空会社において国際線に乗務するパイロットやキャビンクルー、入院患者を多数要する大病院及びそこで働く医師・看護師等のように、業種や職種によって回帰係数を異ならせることもできる。
【0020】
この場合、組織ごと、業種ごと、職種ごとに十分なデータを予め取得して回帰分析しておけば精度の高い確率計算が可能となる。また、数千人、数万人規模の従業員を有する会社では、当該企業に限定したデータで解析することで、当該企業における個別の離職・休職確率、生産性低下リスクをより精密に算定することができる。データベースD1には、組織ごと、業種ごと、職種ごとに調査した結果が蓄積されてもよく、或いは、業種ごと、職種ごとに分析可能なように、業種別、職種別のフラグを立てておくことも出来る。
【0021】
なお実際の問診票には、その回答項目として、氏名、年齢、家族構成等のその他の項目も任意に作成しても良いが、上記5項目は必須の問診項目となっている。任意の問診項目は、本システムを利用する組織(会社等)の要求に応じて、適宜に選定することができる。任意の問診項目を含め、全体の問診項目は、組織端末上から決定し、問診票作成プログラムによって作成される。なお、任意の問診項目には、原則として回帰係数は付与されない。
【0022】
また、本システムを利用する組織(会社等)は、当該問診票に基づいて、組織に所属する社員又は前記新規採用予定者の離職・休職確率を求めるのか、又は組織に所属する社員の生産性低下リスクを求めるのか、或いはその両方を算出するのかを、組織端末2上で予め決定し、管理サーバー1に送信しておく。
【0023】
上記のとおり、組織端末2の入力操作によって作成した問診票5は、問診票作成プログラムP1によって作成され、問診票送信・回答プログラムI2からユーザー端末1に送信され、社員又は新規採用予定者はユーザー端末3上から各問診項目に回答し、入力した回答内容は、ユーザー端末3から管理サーバー1に送信される。なお、問診を紙媒体で行う場合には、紙面作成プログラムP5によってプリンター4から問診票5が出力され、社員又は新規採用者が紙媒体で回答した結果を回収し、OCR等によって読み込み、管理サーバー1に送信される。或いは、回答結果を手作業でデータ入力しても良い。
【0024】
上記のとおり、社員又は新規採用予定者による回答結果は、上記式1又は式2に基づき、算出プログラムP3によって離職・休職確率、又は生産性低下リスクが計算される。計算した結果は、結果表示プログラムP3によって数値として組織端末2に表示する。なおこの結果は、組織端末2だけでなく、回答した本人であるユーザー端末3にも送信してもよい。また、数値としてではなく、段階的な表示、例えば、A、B、Cの表示や、危険性なし、やや危険性あり、危険度大、などの表示であってもよい。
【0025】
上記結果を受取った会社は、交替勤務による離職・休職の確率が高い社員であるか否か、又は生産性低下リスクが高まっている社員であるか否かを数値として把握することができ、適切な人事配置や勤務体制の変更を行うための指標とすることができる。
【0026】
また、新規採用予定者の場合、交替勤務に適合する者であるかどうかを把握でき、採用後の離職・休職の確率を予測できるため、新規採用の基準としても有効に利用することができる。
【0027】
更に、回答者が組織に属する社員である場合、算出結果に基づいて現在の勤務耐性を見直すべき具体的なメッセージ、例えば「回答者は、交替勤務に適さず、かなりの確度で離職・休職の可能性がある。」、「回答者は、交替勤務耐性が弱く、かなりの確度で生産性が低下する可能性がある。」等のメッセージを、データベースD2から抽出し、組織端末2及び/又はユーザー端末2に送信する。なお、各必須問診項目において、対応する回帰係数が大きいほど離職・休職確率、生産性低下リスクに与える影響が大きい項目であるため、当該項目が陽性回答された場合、その大きさに準じてメッセージを発信するようにしてもよい。
【0028】
上記メッセージを受け取った会社(組織端末2)は、交替勤務勤に問題があると判断された社員に対し、離職・休職しないよう、又は生産性が低下しないような配置転換や勤務時間の変更を、ピンポイントで効率的に行うことができる。
【0029】
交替勤務耐性は個々人固有の特性であり、生活習慣を変える等の対応ではこれを変えることは困難であり、離職・休職確率、又は生産性低下リスクを回避することがほとんどできないため、会社は人事による配置転換を図ることで対応する。
【0030】
図4に示すとおり、問診票5への回答で得られたデータは、データベースD1に逐次格納し、その後、回答した者が離職・休職していないか、或いは生産性が低下していないかどうかのデータを追加し、一定期間経過後に、データベースD1に既に保存されている過去のデータと統合させ、回帰プログラムP5によって新たに回帰分析を行い、新たな回帰係数を算定し、データベースD1に記録されている回帰係数を書き変え更新する。
【0031】
この作業を定期的に繰り返すことにより、回帰係数は問診を行うたび、時間経過とともに精度を高くしていくことができ、更に確度の高い確率計算を行うことができる。また、組織ごと、業種ごと、職種ごとにデータを蓄積する、或いは組織ごと、業種ごと、職種ごとのデータを特定可能なようにフラグを設定することで、個別信頼性の高い、統計学的に有意な問診票を作成することができる。
【符号の説明】
【0032】
1 管理サーバー
2 組織端末
3 ユーザー端末
4 プリンター
5 問診票
D1 問診項目回答内容、休職・離職状況、生産性状況、問診項目に対応する回帰係数が蓄積されたデータベース
D2 予め定めたメッセージが格納されたデータベース
P1 問診票5を作成する問診票作成プログラム
P2 問診回答に応じて確率を計算する算出・評価するプログラム
P3 問診回答の結果を表示する結果表示プログラム
P4 問診票及び結果を紙媒体で出力するための紙面作成プログラム
P5 新たな回帰分析を行い、回帰係数を書き変え更新するプログラム
I1 組織端末とのデータ通信を行う管理コンソール
I2 ユーザー端末に問診票を送信し、かつ回答を受信する問診票送信・回答プログラム
【手続補正書】
【提出日】2018年12月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項2
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項2】
前記人事管理支援システムは、更に前記組織に所属する者及び/又は前記新規採用予定者が使用するユーザー端末を含み、前記ユーザー端末が前記サーバーに接続されると、前記処理プログラムによって前記データベースに記録されている前記問診項目が記載された問診票が前記ユーザー端末上に表示され、前記組織に所属する者及び/又は前記新規採用予定者は前記ユーザー端末上で回答を入力し、当該回答結果はオンラインで前記サーバーに送信され、前記算定結果は前記サーバーから前記ユーザー端末に送信される、
ことを特徴とする請求項1に記載の人事管理支援システム。