【解決手段】飲料水貯留タンク5を室内又は室外のいずれかの水道水ラインに接続し、水道水を飲料水貯留タンク5を経て使用する水道水供給工程と、非常使用の時は、水道水ラインから飲料水貯留タンク5を取り外し、キャスター17を有する台車15に載せる飲料水貯留タンク搭載工程と、電源供給部21cを有するソーラーパネル21を台車15に脚状支持部材19を介して揺動自在に設置するソーラーパネル設置工程と、ソーラーパネル21設置後の台車15を、太陽光線が当たる室外の任意の場所まで移動させる台車移動工程と、太陽が出ている間に於いて、操作力により、ソーラーパネル21を少なくとも傾斜姿勢から略水平姿勢へと回動させるソーラーパネルの角度変更工程を含む。
車輪或いはキャスターを有する台車に搭載した飲料水貯留タンクを室外の水道水ラインに接続し、通常使用の時は、前記水道ラインから供給される水道水を、前記飲料水貯留タンクを経て使用する水道水供給工程と、非常使用の時は、前記水道水ラインから前記飲料水貯留タンクを取り外す飲料水貯留タンク分離工程と、その後、電源供給部を有するソーラーパネルを前記台車に脚状支持部材を介して揺動自在に設置するソーラーパネル設置工程と、前記ソーラーパネル設置後の台車を、太陽光線が当たる室外の任意の場所まで移動させる台車移動工程と、太陽が出ている間に於いて、操作力により、前記ソーラーパネルを少なくとも傾斜姿勢から略水平姿勢へと回動させるソーラーパネルの角度変更工程を含む水と電気の供給方法。
電源供給部を有するソーラーパネルを台車に脚状支持部材を介して揺動自在に設置するソーラーパネル設置工程と、前記台車に飲料水貯留タンクを搭載し、かつ、該飲料水貯留タンクを室外の水道水ラインに接続し、通常使用の時は、前記水道ラインから供給される水道水を、前記飲料水貯留タンクを経て使用する水道水供給工程と、非常使用の時は、前記水道水ラインから前記飲料水貯留タンクを取り外す飲料水貯留タンク分離工程と、前記ソーラーパネル及び飲料水貯留タンクを備えた台車を、太陽光線が当たる室外の任意の場所まで移動させる台車移動工程と、太陽が出ている間に於いて、操作力により、前記ソーラーパネルを少なくとも傾斜姿勢から略水平姿勢へと回動させるソーラーパネルの角度変更工程を含む水と電気の供給方法。
請求項1乃至請求項3のいずれかの水と電気の供給方法に於いて、非常使用の時は、ソーラーパネルが強風で上方に移動しないように紐状連結部材の一端部を前記ソーラーパネルの第1連結具に取付け、その中途部を脚状支持部材の支持部に支持させると共に、他端部を前記ソーラーパネルの第2連結具に取り付けるソーラーパネル支持工程が含まれていることを特徴とする水と電気の供給方法。
車輪或いはキャスターを有する台車と、該台車に搭載された飲料水貯留タンクと、該台車に脚状支持部材を介して揺動自在に設置され、かつ、通信端末と接続可能な接続部を有するソーラーパネルとを備え、前記飲料水貯留タンクは、通常使用の時は、水道ラインから供給される水道水を、該飲料水貯留タンクを経て使用することができ、一方、非常使用の時は、前記飲料水貯留タンクは前記水道水ラインから取り外され、かつ、前記台車を太陽光線が当たる室外の任意の場所まで台車用把手を利用して移動させることができ、さらに、前記ソーラーパネルは、太陽が出ている間に於いて、操作力により、前記ソーラーパネルを少なくとも傾斜姿勢から略水平姿勢へと回動させることができる水と電気の供給装置。
請求項5の水と電気の供給装置に於いて、前記ソーラーパネルは、その裏面の略中央部に固定的に突設され、かつ、前記脚状支持部材の凹所状水平嵌合部に着脱自在に嵌合する水平軸部を有することを特徴とする水と電気の供給装置。
請求項5の水と電気の供給装置に於いて、紐状又は杆状のいずれかの連結部材を用いて、前記ソーラーパネルと前記脚状支持部材とを連結し、ソーラーパネルを傾斜状態から略水平状態にする際、前記連結部材の支持位置を変えることを特徴とする水と電気の供給装置。
請求項5の水と電気の供給装置に於いて、前記供給装置は、前記ソーラーパネルを少なくとも傾斜姿勢から略水平姿勢へと回動させる角度変更手段を有し、この角度変更手段は、脚状支持部材に形成された略水平姿勢用の上方の支持孔及び傾斜姿勢用下方の支持孔と、これらの支持孔に選択的に差し込まれる係止棒と、この係止棒に止められ、かつ、前記脚状支持部材にスライド自在に外嵌合する調整筒と、この調整筒に下端部が枢支され、一方、上端部が前記ソーラーパネルに取付けられ枢支部材に軸支された支持腕と、前記枢支部材に対して所定間隔離れていると共に前記ソーラーパネルの一端部側に取付けられた蝶番手段と、この蝶番手段の可動端板に固定され、前記脚状支持部材の上端部に固定的に嵌合する嵌合筒とから成ることを特徴とする水と電気の供給装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の主たる課題は、通常使用のときは、水道ラインから供給される水道水を、飲料水貯留タンクを経て使用することができ、一方、非常時、台車に設けた前記飲料水貯留タンクの飲料水をそのまま飲むことができ、及びソーラーパネルから得た電源を利用することができる水と電気の供給方法及びその供給装置を提供することである。そして、特に供給装置を簡単かつ短時間に組み立てることができると共に、1日当たりの発電量を増やすことができることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の「水と電気の供給方法」は、飲料水貯留タンクを室内又は室外のいずれかの水道水ラインに接続し、通常使用の時は、前記水道ラインから供給される水道水を、前記飲料水貯留タンクを経て使用する水道水供給工程と、非常使用の時は、前記水道水ラインから前記飲料水貯留タンクを取り外し、車輪或いはキャスターを有する台車に載せる飲料水貯留タンク搭載工程と、前記飲料水貯留タンク搭載工程の際、電源供給部を有するソーラーパネルを前記台車に脚状支持部材を介して揺動自在に設置するソーラーパネル設置工程と、前記ソーラーパネル設置後の台車を、太陽光線が当たる室外の任意の場所まで移動させる台車移動工程と、太陽が出ている間に於いて、操作力により、前記ソーラーパネルを少なくとも傾斜姿勢から略水平姿勢へと回動させるソーラーパネルの角度変更工程を含むことを特徴とする。
【0009】
また本発明の「水と電気の供給方法」は、車輪或いはキャスターを有する台車に搭載した飲料水貯留タンクを室外の水道水ラインに接続し、通常使用の時は、前記水道ラインから供給される水道水を、前記飲料水貯留タンクを経て使用する水道水供給工程と、非常使用の時は、前記水道水ラインから前記飲料水貯留タンクを取り外す飲料水貯留タンク分離工程と、その後、電源供給部を有するソーラーパネルを前記台車に脚状支持部材を介して揺動自在に設置するソーラーパネル設置工程と、前記ソーラーパネル設置後の台車を、太陽光線が当たる室外の任意の場所まで移動させる台車移動工程と、太陽が出ている間に於いて、操作力により、前記ソーラーパネルを少なくとも傾斜姿勢から略水平姿勢へと回動させるソーラーパネルの角度変更工程を含むことを特徴とする。
【0010】
また本発明の「水と電気の供給方法」は、電源供給部を有するソーラーパネルを台車に脚状支持部材を介して揺動自在に設置するソーラーパネル設置工程と、前記台車に飲料水貯留タンクを搭載し、かつ、該飲料水貯留タンクを室外の水道水ラインに接続し、通常使用の時は、前記水道ラインから供給される水道水を、前記飲料水貯留タンクを経て使用する水道水供給工程と、非常使用の時は、前記水道水ラインから前記飲料水貯留タンクを取り外す飲料水貯留タンク分離工程と、前記ソーラーパネル及び飲料水貯留タンクを備えた台車を、太陽光線が当たる室外の任意の場所まで移動させる台車移動工程と、太陽が出ている間に於いて、操作力により、前記ソーラーパネルを少なくとも傾斜姿勢から略水平姿勢へと回動させるソーラーパネルの角度変更工程を含むことを特徴とする。
【0011】
上記各発明の構成に於いて、非常使用の時は、ソーラーパネルが強風で上方に移動しないように紐状連結部材の一端部を前記ソーラーパネルの第1連結具に取付け、その中途部を脚状支持部材の支持部に支持させると共に、他端部を前記ソーラーパネルの第2連結具に取り付けるソーラーパネル支持工程が含まれていることを特徴とする。
【0012】
さらに、本発明の「水と電気の供給装置」は、車輪或いはキャスターを有する台車と、該台車に搭載された飲料水貯留タンクと、該台車に脚状支持部材を介して揺動自在に設置され、かつ、通信端末と接続可能な接続部を有するソーラーパネルとを備え、前記飲料水貯留タンクは、通常使用の時は、水道ラインから供給される水道水を、該飲料水貯留タンクを経て使用することができ、一方、非常使用の時は、前記飲料水貯留タンクは前記水道水ラインから取り外され、かつ、前記台車を太陽光線が当たる室外の任意の場所まで台車用把手を利用して移動させることができ、加えて、前記ソーラーパネルは、太陽が出ている間に於いて、操作力により、前記ソーラーパネルを少なくとも傾斜姿勢から略水平姿勢へと回動させることができることを特徴とする。
【0013】
上記水と電気の供給装置に於いて、前記ソーラーパネルは、その裏面の略中央部に固定的に突設され、かつ、前記脚状支持部材の凹所状水平嵌合部に着脱自在に嵌合する水平軸部を有することを特徴とする。また、紐状又は杆状のいずれかの連結部材を用いて、前記ソーラーパネルと前記脚状支持部材とを連結し、ソーラーパネルを傾斜状態から略水平状態にする際、前記連結部材の支持位置を変えることを特徴とする。
【0014】
加えて、「水と電気の供給装置」は、ソーラーパネルを少なくとも傾斜姿勢から略水平姿勢へと回動させる角度変更手段を有し、この角度変更手段は、脚状支持部材に形成された略水平姿勢用の上方の支持孔及び傾斜姿勢用下方の支持孔と、これらの支持孔に選択的に差し込まれる係止棒と、この係止棒に止められ、かつ、前記脚状支持部材にスライド自在に外嵌合する調整筒と、この調整筒に下端部が枢支され、一方、上端部が前記ソーラーパネルに取付けられ枢支部材に軸支された支持腕と、前記枢支部材に対して所定間隔離れていると共に前記ソーラーパネルの一端部側に取付けられた蝶番手段と、この蝶番手段の可動端板に固定され、前記脚状支持部材の上端部に固定的に嵌合する嵌合筒とから成ることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
通常使用のときは、水道ラインから供給される水道水を、飲料水貯留タンクを経て使用することができ、一方、非常時、台車に設けた前記飲料水貯留タンクの飲料水及びソーラーパネルから得た電源を利用することができる水と電気の供給方法及びその供給装置を提供することができる。
【0016】
付言すると、通常使用のときは、飲料水貯留タンクを経て水道ラインから供給される水道水を利用するので、飲料水貯留タンク内の水が、いわゆる悪くならず、緊急時に安全な飲料水をそのまま飲むことができる。
【0017】
そして、非常時に、例えば車輪或いはキャスターを有する台車に飲料水貯留タンクを載せ、かつ、ソーラーパネルを支持部材に簡単に装着することにより、供給装置を簡単かつ短時間で組み立てることができる。また、ソーラーパネルを手動で傾斜姿勢から略水平姿勢にすることができ、しかも、台車の向きを自由に変えることもできるので、1日当たりの発電量を増やすことができる。加えて、台車を人が安全な場所へと自由に移動させることができる。
【0018】
なお、水と電気の供給装置X、X1の場合は、実施形態如何によっては、簡単かつ短時間で組み立てることができる、全体として安価に製作することができる、台車がシンプルな構造であると共に、飲料水貯留タンクとソーラーパネルを搭載しているだけなので、台車を容易に所望する場所へと移動させることができる等の優れた効果がある。
【発明を実施するための形態】
【0020】
まず、
図1乃至
図10を参照にして本発明の第1実施形態を説明する。
図1は本発明の第1実施形態の工程図である。
【0021】
図1に於いて、まずAは、飲料水貯留タンクを室内(第1実施形態)又は室外のいずれかの水道水ラインL1に接続し、通常使用の時は、前記水道ラインL1から供給される水道水を、前記飲料水貯留タンクを経て使用する水道水供給工程である。
【0022】
次にBは、非常使用の時は、前記水道水ラインから前記飲料水貯留タンクを取り外し、室内又は室外の所望する場所に置いた車輪又は自在キャスターを有する台車に載せる飲料水貯留タンク搭載工程である。
【0023】
次にCは、前記飲料水貯留タンク搭載工程の際、望ましくは架台の側壁部に通信端末と接続可能な単数又は複数の接続部を有するソーラーパネルを、前記台車に脚状支持部材を介して揺動自在に設置するソーラーパネル設置工程である。このソーラーパネル設置工程Cでは、前記脚状支持部材の凹所状嵌合部にソーラーパネルの裏面の略中央部に固定した水平嵌合部の水平軸部を嵌合自在に嵌着するのが望ましい。
【0024】
次にDは、ソーラーパネルが強風で上方に移動しないように紐状部材或いはベルト状部材の一端部を前記ソーラーパネルの第1連結具に取付け、その中途部を脚状支持部材の固定支持部又は可動支持部のいずれかに支持させると共に、他端部を前記ソーラーパネルの第2連結具に取り付けるソーラーパネル支持工程である。前記紐状部材或いはベルト状部材は、ゴム製の紐状テンション部材であり、その両端部に前記第1連結具及び第2連結具に簡単に係脱するフック部を有するのが望ましい。
【0025】
次にEは、前記ソーラーパネル設置後の台車を、太陽光線が当たる室外の任意の場所まで移動させる台車移動工程である。この台車移動工程Eでは、自在キャスターを有する台車の後端部に立設した把手を利用して該台車を押す又は引いて移動させるのが望ましい。
【0026】
次にFは、太陽が出ている間に於いて、操作力により、少なくとも前記ソーラーパネルを傾斜姿勢から略水平姿勢へと回動させるソーラーパネルの角度変更工程である。このソーラーパネルの角度変更工程Fは、手動でソーラーパネルの一端部を持ち上げることにより、ソーラーパネルを傾斜姿勢から略水平姿勢にすることができる。この場合、ソーラーパネルの裏面中央部に一体的に設けた水平軸部が台車側の脚状支持部の凹所状水平嵌合部に、その外周面が摺接するので、ソーラーパネルは前記水平嵌合部の摩擦抵抗を受けながら略水平姿勢になる。したがって、水平軸部の外周面又は凹所状水平嵌合部の内周面のいずれかに摩擦抵抗が大きくなる粉末剤、ゴムシート等の抵抗部材を設けるのが望ましい。
【0027】
なお、実施形態によっては、ソーラーパネルと脚状支持部材に亘って設けられかつソーラーパネルの左右両端部を支持する方向変換手段(例えば、脚状支持部材に設けた支持部としてのスプロケットと、該スプロケットに中途部が噛み合い、かつ、その両端部がソーラーパネルの第1連結具及び第2連結具にそれぞれ連結されたチェーン)を操作することに回動させ、少なくとも前記ソーラーパネルを傾斜姿勢から略水平姿勢へと変えることができるように構成しても良い。
【0028】
以下、
図2、
図3等を参照にして、A乃至F工程を具体的に説明する。
図2に於いて、L1は室内の水道水ラインで、この水道水ラインL1の水道端末管1は、普通一般に台所のシンクや厨房設備のシンクある室内の所定箇所へと突出している。
2は前記水道端末管1に設けられた給水栓である。給水栓2は、その内部に栓本体が納まっており、水道水Wの流れを遮断することができる。3は継手を介して前記給水栓2の先端部側の管に接続する接続管で、この接続管3の先端部に水道水供給工程Aで用いられる飲料水貯留タンク5が接続している。
【0029】
飲料水貯留タンク5は上壁部に給水口部6を有し、一方、一側壁の上端部に通常時に使用される第1給水栓7を備える第1給水管8が設けられていると共に、他側壁の下端部に非常時に使用される第2給水栓9を備える給水管10が設けられている。11は上壁部の略中央部に設けた単数又は複数の把手である。なお、符号12は室内の台所のシンクである。
【0030】
したがって、通常時の水道水Wの流れは、水道水ラインL1の水道端末管1から接続管3の先端部及び給水口部6を通って飲料水貯留タンク5に流れ込み、流れ込んだ水道水Wは、直ちに第1給水栓7及び第1給水管8を通って台所のシンク12へと流れる。それ故に、水道水Wは飲料水貯留タンク5の上部の水位(仮想線の位置)に常に保たれている。なお、前記給水口部6は接続管3の先端部から取り外し可能である。また飲料水貯留タンク5の大きさや形状は、後述する台車の大きさ及び形状を考慮したものである。また飲料水貯留タンク5の材質は金属又は合成樹脂のいずれかである。
【0031】
次に
図3に於いて、符号15は非常時に使用される台車である。台車は普通一般に、引っ越しサービス業者、宅配便業者等が使用している台車と同様の構造(大きさと形状)をしている。またその水平支持台16の裏面の角部付近に合計4個の自在キャスター17を有している。
【0032】
しかして、18は前記水平支持台16の後端部に予め設けられた台車用把手で、この台車用把手18は、全体として逆U字形状で、上端部は後方側に傾斜している。一方、19は前記水平支持台16の先端部の略中央部に予め立設された脚状支持部材である。
【0033】
実施形態では、脚状支持部材19の上端部に上方向に開口する水平嵌合部20が固定的に設けられている。この凹所状水平嵌合部20の縦断面は、例えば
図5で示すように略U字形状である。なお、前記凹所状水平嵌合部20の断面形状は、後述するソーラーパネルの水平軸部が着脱自在に嵌合する形状であれば、断面略半円形状、断面略ホームベース形状、断面逆台形形状などにすることもできる。
【0034】
ところで、実施形態では、後述するソーラーパネル支持工程Dを備えているので、前記脚状支持部材19の中央部(中央部寄りの部位も含む)に下向きフック形状の支持部20が固定的に設けられている。この支持部20は発明の主たる課題との関係では付随的な構成である。
図4はソーラーパネル21を取付ける前の台車15の左側面図である。また
図5は、脚状支持部材19の上端部に一体的に設けた水平嵌合部の概略断面図である。
【0035】
次に
図6はソーラーパネル21の構成を示す。ソーラーパネル21は、例えば扁平状の架台21aと、この架台21aの上面に左右・前後に整列された多数の太陽電池21bと、前記架台21aの適宜箇所に設けられた複数個の接続端子21cとから成る。前記接続端子21cは、震災時の場合を配慮して、例えば携帯端末用の電気供給接続部となっている。もちろん、携帯端末用の電気供給接続部と共に、コンセントを設けても良い。
【0036】
したがって、望ましくは前記扁平状の架台21aの内部空間に扁平矩形状の二電池22を入れ、この二電池22の端子にインバーターを接続し、携帯端末(例えばスマートフォン)は、該インバーターを介して交流電源を取得する。実施形態では、ソーラーパネル21は矩形状のものが好ましいが、形状を限定するものではなく、例えば平面視トラック形状、四角形状、楕円形状等であっても良い。また、ソーラーパネル21は、単数又は複数枚であっても良い。
【0037】
しかして、実施形態のソーラーパネル21は、
図6で示すように、架台21aの裏面の略中央部に固定的に突設され、かつ、前述した脚状支持部材19の凹所状水平嵌合部20に着脱自在に嵌合する水平軸部23を有する。なお、前記水平軸部23は短い垂下片24を介して下方に突出し、パイプ状のものを単数(本実施形態)、又は、互いに離反して複数個有している(脚状支持部材19の凹所状水平嵌合部20が一対の場合)。さらに、実施形態では、架台21aの一端部の下面とその反対側の他端部の下面には、フック状又はリング状の第1連結具25及び第2連結具26がそれぞれ一対取り付けられている。
【0038】
図7はソーラーパネル設置工程Cを示す。この
図7から明らかなように、ソーラーパネル設置工程Cでは、
図6で示したソーラーパネル21の水平嵌合部の水平軸部23を脚状支持部材19の凹所状嵌合部20に嵌合自在に嵌着する。したがって、ソーラーパネル21を脚状支持部材19に簡単に装着することができ、しかも、ソーラーパネル21の水平軸部23は、凹所状水平嵌合部20に所定角度まで凹所状水平嵌合部20の内周面から摩擦抵抗を受けながら揺動可能である。
【0039】
図8はソーラーパネル支持工程Dの一例を示す。実施形態では、簡単かつ安価に製作するために、このソーラーパネル支持工程Dでは、ソーラーパネル21が強風で上方に移動しないように紐、ベルト、線材等の紐状連結部材31の一端部をソーラーパネル21の第1連結具25に取付け、その中途部を脚状支持部材19の固定支持部32又は可動支持部32のいずれかに支持させると共に、他端部を前記ソーラーパネル21の第2連結具26に取り付ける。
【0040】
前記紐状連結部材31は両端部にフック部32a、32aを有するゴム製の弾性紐が用いられている。このゴム製の弾性紐31を用いることにより、ソーラーパネル21の左右両端部にテンションを掛けることができる。またフック部32a、32aは第1連結具25及び第2連結具26に簡単に係脱するので、短時間で、ソーラーパネル支持工程Dを終えることができる。
【0041】
次に
図9は台車移動工程Eの説明図である。P1は室外であっても陽が当たらない場所である。一方、P2は室外の陽が当たる場所で、かつ、安全な場所である。したがって、非常時には、人が台車15の台車用把手18を押して又は引いて、P1からP2へと台車15を移動させることができる。
【0042】
次に
図10は角度変更工程Fを示す説明図で、(a)はソーラーパネル21の傾斜姿勢を示す説明図、(b)ソーラーパネル21の水平状態を示す説明図である。なお、特に詳細に図示しないが、
図10の(c)で示すように、手動でソーラーパネル21を一方の傾斜姿勢(午前中)から他方の傾斜姿勢(午後)に変位させることもできる。もちろん、一方の傾斜姿勢のままで、台車15の向きを変えることもできる。
【0043】
この角度変更工程Fでは、ソーラーパネル21の水平軸部23の図示しない水平軸線を中心に回動可能であるから、例えばソーラーパネル21を30度〜40度の範囲で任意に傾斜させると、朝から太陽光線を十分に受けることができる。
なお、飲料水貯留タンク5から給水を受ける場合には、第2給水栓9を開くと第2給水管10から飲料水Wが流れ出る。
【0044】
最後に
図11は、第1実施形態などの水と電気の供給方法に使用される「水と電気の供給装置X(以下、「供給装置X」という)の実施形態の一例を示す。この供給装置Xは、車輪又は自在キャスター17を有する台車15と、該台車に搭載された飲料水貯留タンク5と、該台車15に単数又は複数の脚状支持部材19を介して揺動自在に設置され、かつ、通信端末と接続可能な接続部21cを有するソーラーパネル21とを備えている。
【0045】
そして、前記飲料水貯留タンク5は、通常使用の時は、例えば室内又は室外のいずれかの水道ラインL1、L2から供給される水道水Wを、該飲料水貯留タンク5を経て使用することができ、一方、非常使用の時は、前記飲料水貯留タンク5は前記水道水ラインL1、L2からを取り外され、かつ、前記台車15を太陽光線が当たる室外の任意の場所まで台車用把手18を利用して移動させることができ、さらに、前記ソーラーパネル21は、太陽が出ている間に於いて、例えば前記紐状連結部材31を操作力により作動させる(支持部を基準にして、紐状連結部材の一方側を長くするのに対応して他方側を短くする)ことにより、前記ソーラーパネルを少なくとも傾斜姿勢から略水平姿勢へと回動させることができる。
【0046】
望ましくは、前記ソーラーパネル21の裏面の略中央部に固定的に突設され、かつ、前記脚状支持部材19の凹所状水平嵌合部20に着脱自在に嵌合する水平軸部23を有する。また、前記ソーラーパネル21の左右の連結具25、26にそれぞれ両端部が連結され、その中途部が前記脚状支持部材19に設けられた支持部32に支持される紐状連結部材31を備えている。
【0047】
なお、供給装置X(ここでは、「供給装置の第1実施形態」に相当する)は、主に室外の水道ラインL2に接続されるが、所定の条件(室内の水道ラインL1に接続可能な場合)を満たす場合には、例外的に室内でも使用することができる。
【実施例】
【0048】
この欄では、第2実施形態、第3実施形態等の他の実施形態について説明する。なお、他の実施形態を説明するに当たって、第1実施形態と同一又は同様の符号を付し、重複する説明を割愛する。
【0049】
まず、
図12は本発明の第2実施形態の説明図である。
図12に於いて、A1は水道水供給工程、B1は飲料水貯留タンク分離工程、C1はソーラーパネル設置工程、D1はソーラーパネル支持工程、E1は台車移動工程、F1はソーラーパネル21の角度変更工程である。この第2実施形態が前記第1実施形態と主に異なる点は、(a)水道水供給工程A1の前に、台車15に既に飲料水貯留タンク5が搭載されていること、(b)水道水供給工程A1では、飲料水貯留タンク5が建物の敷地、建物の屋上、建物のベランダ、車庫付近等の室外の水道水ラインL2に接続していることである。
【0050】
しかして、第2実施形態の水と電気の供給方法は、キャスターを有する台車15に搭載した飲料水貯留タンク5を室外の水道水ラインL2に接続し、通常使用の時は、前記水道ラインL2から供給される水道水Wを、前記飲料水貯留タンク5を経て使用する水道水供給工程A1と、非常使用の時は、前記水道水ラインL2から前記飲料水貯留タンク5を取り外す飲料水貯留タンク分離工程B1と、その後、電源供給部21cを有するソーラーパネル21を前記台車15に脚状支持部材19を介して揺動自在に設置するソーラーパネル設置工程C1と、前記ソーラーパネル設置後の台車15を、陽が当たる室外の任意の場所まで移動させる台車移動工程E1と、太陽が出ている間に於いて、操作力により、前記ソーラーパネル21を少なくとも傾斜姿勢から略水平姿勢へと回動させるソーラーパネルの角度変更工程F1を含むものである。そして、好ましくは、例えば前記ソーラーパネル設置工程C1の後に、ソーラーパネル支持工程D1が行われる。
【0051】
次に、
図13は本発明の第3実施形態の説明図である。
図13に於いて、A2は水道水供給工程、B2は飲料水貯留タンク分離工程、C2は台車移動工程、D2ソーラーパネルの角度変更工程である。この第2実施形態が前記第1実施形態と主に異なる点は、(a)水道水供給工程A2の前に、台車15に既に飲料水貯留タンク5が搭載されていること、また、同様に台車15にソーラーパネル設置されていること、(b)水道水供給工程A2では、同様に、飲料水貯留タンク5が建物の敷地、建物の屋上、建物のベランダ、車庫付近等の室外の水道水ラインL2に接続していることである。
【0052】
以上のように、第2実施形態及び第3実施形態では、台車15に、少なくとも飲料水貯留タンク5が搭載されているので、飲料水貯留タンク5を室外の水道水ラインL2に接続している。また好ましくは、台車15に飲料水貯留タンク5と共にソーラーパネル21を設置しておくと、供給装置Xの置く場所如何によっては、普段からソーラーパネル21で発電をすることができる。したがって、例えば停電したときに直ちに供給装置Xを利用することができる。
【0053】
次に、
図14乃至
図17は第1実施形態乃至第3実施形態に用いられる供給装置Xの他の実施形態の説明図である。この供給装置X1(ここでは、「供給装置の第2実施形態」に相当する)が前記供給装置Xと主に異なる点は、
(a)ソーラーパネル21の裏面に設けた水平軸部23に位置を変え、例えば一端部或いは一端部寄りの部位に設けている。
(b)脚状支持部材19と、凹所状水平嵌合部20がそれぞれ一対である。
(c)一対の脚状支持部材19を台車用把手18の付近に立設している。
(d)ソーラーパネル21を傾斜姿勢及び略水平姿勢に支持することができる角度変更手段を構成する紐状連結部材31を「平面視略コ字形状の所定長の連結杆31A」に代えている。
(e)連結杆31Aの一端部が係入する係止穴35をソーラーパネル21の架台21aの略中央部に1個設け、一方、前記連結杆31Aの他端部が係入する係止穴36を脚状支持部材19に複数個上下方向に所定間隔を有して設け、上方の係止穴36はソーラーパネル21を略水平状態に支持する支持部として利用され(
図15を参照)、一方、下方の係止穴36はソーラーパネル21が傾斜姿勢に支持する支持部として利用される(
図17を参照)ように構成したことである。
(f)その他、水平軸部23が凹所状水平嵌合部20からそのまま真上に抜けないように、前記凹所状水平嵌合部20を斜め方向に開口させ、垂下片24及び水平軸部23の向きも、前記凹所状水平嵌合部20に整合させたことである。
上記のように供給装置X1を構成しても、供給装置Xと同一の作用・効果を得ることができる。
【0054】
次に、
図18乃至
図21は供給装置X2の第3実施形態の各説明図である。まず、
図18は要部の分解説明図、
図19は供給装置全体の斜視図である。この供給装置X2が前記供給装置Xと主に異なる点は、次のとおりである。
(い)ソーラーパネル21の裏面に設けた水平軸部23に位置を変え、例えば一端部(一端部寄りの部位も含む)の中央部に蝶番手段41設けたことである。しかして、水平軸部23は、蝶番手段41の中心軸であり、該蝶番手段41の一方の端板41aは前記裏面に固着具を介して固定されている。そして、該蝶番手段41の他方の可動端板41bの背面には、キャップ状の嵌合筒42の外周面が固定されている。嵌合筒42は、例えば溶着により他方の端板41bに固定されている。なお、この実施形態では、脚状支持部材19が1本なので、蝶番手段41は一個であるが、前記脚状支持部材19が2本の場合には蝶番手段41は、合計2個となる。
(ろ)また、ソーラーパネル21の裏面の中央部或いは他端部には、枢支部材としての枢支ピン43を有する軸受け44が固定されている。枢支ピン43は、設計如何によって、固定又は回転可能に設けられる。
(は)一本の脚状支持部材19が、供給装置X1と同様に、台車用把手18の付近に立設されている。そして、脚状支持部材19には、少なくとも、ソーラーパネル21を略水平姿勢に支持するために使用される上方の支持孔45と、前記ソーラーパネル21を傾斜姿勢に支持するための下方の支持孔46がそれぞれ形成されている。これらの支持孔45、46は貫通小孔であり、
図18で示したL型状の係止棒47が選択的に差し込まれる。前記係止棒47は、例えば
図20及び
図21で示すように、支持孔45、46にそれぞれ完全に差し込まれ、いわゆるストッパーの役割を果たす。
(に)ソーラーパネル21を傾斜姿勢及び略水平姿勢に支持することができる角度変更手段を構成する部材として、前記係止棒47に差し込まれ、かつ、1本の支持腕49を介して前記枢支ピン43に接続する完全筒状の調整筒48が用いられている。この調整筒48は、脚状支持部材19にスライド自在に外嵌合する。
(ほ)上記構成に於いて、供給装置Xと同様に、ソーラーパネル21を脚状支持部材19に着脱自在に嵌合する場合には、まず、調整筒48を脚状支持部材19の上端部から嵌め込む。次に、ソーラーパネル21を略水平姿勢に支持する場合には、係止棒47を上方の支持孔45に串状に差し込み、係止棒47の外面に調整筒48の下端面を載せる。このように構成すると、供給装置X、X1と同様に、簡単かつ短時間でソーラーパネル21を脚状支持部材19に装着することができる。
(へ)一方、正午が過ぎ、太陽が西側に向かった場合には、所望する時間に、前記係止棒47を脚状支持部材19から抜き取り、今度は下方の支持孔46に差し込む。そして、
図21で示したように、係止棒47の外面に調整筒48の下端面を載せる。
以上のように供給装置X2を構成しても、供給装置X、X1と同一の作用・効果を得ることができる。
【0055】
上記供給装置X2は、ソーラーパネル21を少なくとも傾斜姿勢から略水平姿勢へと回動させる角度変更手段を有し、この角度変更手段は、脚状支持部材19に形成された略水平姿勢用の上方の支持孔45及び傾斜姿勢用下方の支持孔46と、これらの支持孔に選択的に差し込まれる係止棒47と、この係止棒に止められ、かつ、脚状支持部材19にスライド自在に外嵌合する調整筒48と、この調整筒に下端部が枢支され、一方、上端部が前記ソーラーパネルに取付けられ枢支部材に軸支された支持腕49と、前記枢支部材に対して所定間隔離れていると共に、ソーラーパネル21の一端部側に取付けられた蝶番手段41と、この蝶番手段の可動端板41bに固定され、前記脚状支持部材19の上端部に固定的に嵌合する栓状或いはキャップ状の嵌合筒42とから成る。