特開2020-71063(P2020-71063A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特開2020071063-回転軸部材のねじれ検出機構 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-71063(P2020-71063A)
(43)【公開日】2020年5月7日
(54)【発明の名称】回転軸部材のねじれ検出機構
(51)【国際特許分類】
   G01L 3/10 20060101AFI20200410BHJP
【FI】
   G01L3/10 305
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2018-203111(P2018-203111)
(22)【出願日】2018年10月29日
(71)【出願人】
【識別番号】514150181
【氏名又は名称】大銀微系統股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HIWIN MIKROSYSTEM CORP.
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】蕭恆昇
(72)【発明者】
【氏名】徐志豪
(72)【発明者】
【氏名】蕭志茂
(57)【要約】
【課題】 本発明は回転軸部材のねじれ検出機構を提供する。
【解決手段】 主な技術的特性として、回転軸部材の少なくとも2箇所の異なる部分に対してそれぞれの回転角度を検出し、且つ2箇所の異なる部位の回転角度差に基づきゼロリセット時の基準と比較することで、回転軸部材が回転運動時にねじれ状況が生じているか否かを確認することができ、さらに回転角度差によって回転軸部材のねじり力を解析することができる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円柱形状を呈し、自身の円柱軸を回転軸として回転することができる回転軸部材と、
それぞれが前記回転軸部材の2箇所の異なる部分において各回転角度を検出且つ取得し、且つ各被検出部分は前記回転軸部材の円柱軸方向において固定間隔で離隔されており、各ロータリエンコーダは前記被検出部分となる環形状の符号区、環形状の磁区、及び前記符号区と前記磁区を検出するための検出ユニットを有し、且つ前記符号区と前記磁区とは互いに前記回転軸部材の円柱軸と同軸である2つの前記ロータリエンコーダとを含み、
これにより、各前記被検出部分の回転角度同士の差値がゼロリセットを行い校正した時に得た基準値と異なる場合には、前記回転軸部材にねじれが生じており、且つ前記差値及び前記固定間隔に基づいて前記回転軸部材のねじり力を解析することができることを特徴とする回転軸部材のねじれ検出機構。
【請求項2】
前記ロータリエンコーダはそれぞれボディ部を有し、前記回転軸部材上に固設され、且つ前記回転軸部材の回転に伴い同期回転することができ、且つ前記符号区及び前記磁区はそれぞれ前記ボディ部に設けられることを特徴とする請求項1に記載の回転軸部材のねじれ検出機構。
【請求項3】
各前記検出ユニットはそれぞれ外部の固着部材に固着されて前記符号区及び前記磁区の符号を検出し、且つ対応する検出信号を生成することを特徴とする請求項1に記載の回転軸部材のねじれ検出機構。
【請求項4】
前記ボディ部はそれぞれ円盤形状を呈し、且つ各前記符号区はそれぞれ前記ボディ部の片側面上に設けられることを特徴とする請求項2に記載の回転軸部材のねじれ検出機構。
【請求項5】
各前記ボディ部は円環形状を呈し、且つ各前記符号区はそれぞれ前記ボディ部の外周側面上に設けられることを特徴とする請求項2に記載の回転軸部材のねじれ検出機構。
【請求項6】
前記磁区自身の同一磁極は前記回転軸部材の円柱軸を中心とする仮想の同心円の軌道上に位置することを特徴とする請求項1に記載の回転軸部材のねじれ検出機構。
【請求項7】
前記磁区はそれぞれ対応する同心円の軌道に沿って延在し、連続した環形上を呈することを特徴とする請求項6に記載の回転軸部材のねじれ検出機構。
【請求項8】
各前記符号区はアブソリュートコードであることを特徴とする請求項1に記載の回転軸部材のねじれ検出機構。
【請求項9】
各前記符号区はインクリメンタルコードであることを特徴とする請求項1に記載の回転軸部材のねじれ検出機構。
【請求項10】
各前記検出ユニットはホール素子又は磁気抵抗素子を含むことを特徴とする請求項1に記載の回転軸部材のねじれ検出機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は回転運動の検出技術に関し、特に回転軸部材のねじれ検出機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
工作機械、主軸、モータ又はシャフトなどの回転軸部材の運動状況を知るために、従来ではロータリエンコーダで回転軸部材の回転角度を測定し、且つ測定した回転角度を基に計算することで角度、速度及び位置などのデータを得ることができ、自動制御のパラメータとすることができる技術が開示されている。
【0003】
従来技術では回転軸部材の回転状況を検出可能な技術内容が幾つか開示されてはいるものの、精密性の要求が日増しに高まる自動制御技術においては、回転軸部材の回転角度を知る必要があるだけでなく、回転軸部材のねじれ状況を自動制御技術中の制御パラメータとして組み入れなければならず、従来技術にはこうした回転軸部材のねじれ検出技術についての良い設計がなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
よって、本発明は、回転軸部材の回転時におけるねじれ状況を検出してねじり力の解析に供することが可能な、回転軸部材のねじれ検出機構を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明が提供する回転軸部材のねじれ検出機構の主な技術的特性は、回転軸部材の少なくとも2箇所の異なる部分に対してそれぞれの回転角度を検出し、且つ2箇所の異なる部位の回転角度差に基づきゼロリセット時の基準と比較することで、回転軸部材が回転運動時にねじれ状況が生じているか否かを確認することができ、さらに回転角度差によって回転軸部材のねじり力を解析することができるというものである。
【0006】
技術的特性の具体化として、従来のロータリエンコーダが提供する回転角度検出技術において応用することができ、少なくとも2つのロータリエンコーダで回転軸部材の2箇所の異なる部分に対して検知を行い、且つ2箇所の異なる部分を回転軸部材の回転軸方向上で互いに離隔させることで、回転軸部材の入力端付近部分と出力端付近部分において、回転軸部材の回転時における回転角度の差異を検出する。
【0007】
その中で、ロータリエンコーダは、光学式インクリメンタル型ロータリエンコーダ、光学式アブソリュート型ロータリエンコーダ、磁気式インクリメンタル型ロータリエンコーダ、又は磁気式アブソリュート型ロータリエンコーダでよい。
【0008】
回転軸部材の回転状況をより一層把握するため、各ロータリエンコーダにインクリメンタルコード又はアブソリュートコードを具備させるほかにも、出力端付近を検出するためのロータリエンコーダに環状磁区をさらに含めることができ、それは回転軸部材の回転軸と同軸であり、且つロータリエンコーダの検出ユニットにより磁区の磁極変化を検出する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1の好ましい実施例であるエンコーディング部材の立体図である。
図2】本発明の第1の好ましい実施例の立体図である。
図3】本発明の第1の好ましい実施例の解析フローチャートである。
図4】本発明の第2の好ましい実施例であるエンコーディング部材の立体図である。
図5】本発明の第2の好ましい実施例の立体図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0010】
まず、図1図2を参照して、本発明の第1の好ましい実施例が提供する回転軸部材のねじれ検出機構(10)には、主に回転軸部材(20)及び2つのロータリエンコーダ(30)が含まれる。
【0011】
回転軸部材(20)は、直柱形状を呈した物品であり、モータ、主軸、シャフト又は工作機械などにおいて回転運動を伝達するための伝動部材とすることができ、従来技術において既に開示されたものに属するため、本案では説明を省略する。
【0012】
ロータリエンコーダ(30)は、従来の磁気式ロータリエンコーディング検出技術における回転角度解析の従来技術を基に、回転軸部材(20)の回転角度を検出するのに用いるが、1つのロータリエンコーダだけで回転運動時の回転角度を検出する従来技術とは異なり、本実施例では、少なくとも2つのロータリエンコーダを並存させる必要があり、且つ2つのロータリエンコーダ(30)それぞれに回転軸部材(20)の異なる部分の回転角度を検出させて、さらに図3が示すように、回転軸部材(20)の異なる部分を検出することで同一時間における回転角度差が事前のゼロリセットを行い校正した時の基準値と同じかどうかの判定を行うことができ、回転角度差と基準値が異なる場合には検出した2箇所の異なる部分同士にねじれがあることを意味し、且つ回転角度差と基準値間の差異に基づき、さらに回転軸部材(20)のねじり力を解析することで、産業における制御用パラメータとすることができる。
【0013】
具体的には、各ロータリエンコーダ(30)は、エンコーディング部材(31)及び検出を行うための検出ユニット(32)を有する。
【0014】
その中で、各エンコーディング部材(31)は、回転軸部材(20)の円柱軸と同軸に回転軸部材(20)上に固設された円盤形状のボディ部(311)と、回転軸部材(20)の円柱軸と同軸にボディ部(311)の片側面上に設けられた、インクリメンタルコードであり且つ環状の符号区(312)と、符号区(312)と同軸にボディ部(311)の片側面上に設けられた環状の磁区(313)とを有する。
【0015】
検出ユニット(32)は、固定位置にて外部の固着部材(図示しない)上に位置決め固着されて、回転軸部材(20)の回転に伴って動く符号区(312)及び磁区(313)を検出し、生成された各検出信号に基づき、符号区(312)からは解析により回転軸部材(20)の回転角度が得られ、磁区(313)からは解析により回転軸部材(20)の変位量が得られる。
【0016】
さらに、検出ユニット(32)は、ホール素子又は磁気抵抗素子などの磁気変化を検出するための従来技術でよく、符号区(312)の符号は上記のアブソリュートコード以外に、インクリメンタルコード方式でもよく、それらは回転角度を知るための磁気式検出技術であって、いずれも従来技術において開示されているため、ここでは説明を省略する。
【0017】
ただし、本実施例で開示するのは、ボディ部(311)をそれぞれ同軸に回転軸部材(20)の軸方向の両端上に設け、且つ互い同士を固定の所定距離で離隔させており、これにより回転軸部材(20)の回転運動にねじれが発生したかどうかによって各検出ユニット(32)が各ボディ部(31)上の各符号区(312)に対する検出結果に違いが生じるようにし、回転軸部材(20)の回転運動においてねじれ状況が発生していない場合には、各ロータリエンコーダ(30)が検出して得たそれぞれの回転角度の差値と、ゼロリセットを行い校正した時に得た基準差値が同じになり、反対に、回転軸部材(20)の回転運動においてねじれが発生した場合には、検出で得た2つの回転角度の差値と基準差値とが異なるので、さらに回転角度の差値及び所定距離に基づいて回転軸部材のねじり力を解析することができる、というものである。
【0018】
また、磁区(313)は、同心円環状に配列された複数の磁極を有し、且つ円心を回転軸部材(20)の円柱軸上に位置させており、これにより回転軸部材(20)の回転運動時にラジアル変位が発生していない場合には、磁極が回転軸部材に伴い回転する軸心はそれ自身の円心と同じであり、回転軸部材(20)の回転運動時にラジアル変位が発生した場合には、磁極の回転する軸心が自身の円心と異なるようになり、この時、検出ユニット(32)が即時に磁極の変動を検出して対応する検出信号を生成し、回転軸部材(20)にラジアル変位が発生しているかどうか、及びその変位量の判断に供することができる。
【実施例2】
【0019】
また、エンコーディング部材の構造に関しては、上述した第1の好ましい実施例で開示した以外に、図4及び図5が示す本発明の第2の好ましい実施例が開示するようなものでもよく、各エンコーディング部材(31a)が有するボディ部(311a)は円環形状を呈し、固定片(314a)によって回転軸部材(20a)上に固定され、同時に符号区(312a)及び磁区(313a)がボディ部(311a)の円環の外周側面上に設けられ、且つ符号区(312a)はアブソリュートコードの実施形態とすることで、本実施例が提供する回転軸部材のねじれ検出機構(10a)は、第1の好ましい実施例のように、検出ユニット(32a)が回転軸部材(20a)にねじれ状況が存在するかどうか、さらにはそのねじり力の検出を実現できるだけでなく、磁区(313a)の複数の磁極が回転軸部材(20a)の軸方向に沿って順に配列された分布パターンであることにより、磁極の変動を検出することで回転軸部材(20a)に軸方向の変位が生じていないかどうか、さらにはその変位量を解析することができ、これにより第1の好ましい実施例と同じ効果が実現される。
図1
図2
図3
図4
図5
【外国語明細書】
2020071063000001.pdf