特開2020-71336(P2020-71336A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特開2020-71336液晶表示装置の導通部分析試料作成方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-71336(P2020-71336A)
(43)【公開日】2020年5月7日
(54)【発明の名称】液晶表示装置の導通部分析試料作成方法
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/13 20060101AFI20200410BHJP
   G02F 1/1345 20060101ALI20200410BHJP
   H01L 21/60 20060101ALI20200410BHJP
【FI】
   G02F1/13 101
   G02F1/1345
   H01L21/60 301Z
   H01L21/60 301A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2018-204710(P2018-204710)
(22)【出願日】2018年10月31日
(71)【出願人】
【識別番号】000166948
【氏名又は名称】シチズンファインデバイス株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000001960
【氏名又は名称】シチズン時計株式会社
(72)【発明者】
【氏名】亀山 和訓
【テーマコード(参考)】
2H088
2H092
5F044
【Fターム(参考)】
2H088FA11
2H088FA18
2H088FA30
2H088HA02
2H088HA05
2H088MA20
2H092GA40
2H092GA46
2H092GA53
2H092GA58
2H092MA55
5F044AA18
5F044CC07
5F044EE04
5F044FF05
(57)【要約】
【課題】分析試料の作成工数を低減でき、CP加工、SEM観察を用いた分析で適切な接続部の観察を行える分析試料の作成方法を提供する。
【解決手段】液晶パネル2と回路基板12とがワイヤー7で電気的に接続された液晶表示装置1の分析試料4の作成方法において、液晶パネル2と回路基板12とに設けられたボンディングパッド10、11にワイヤー7を複数本ボンディングし、ボンディングパッド部分を個片に分断し、分断したボンディングパッド部分を樹脂で保護した液晶表示装置の分析試料の作成方法。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶パネルと回路基板とがワイヤーで電気的に接続された液晶表示装置の分析試料の作成方法において、前記液晶パネルと前記回路基板とに設けられたボンディングパッドに前記ワイヤーを複数本ボンディングし、前記ボンディングパッド部分を個片に分断し、分断した前記ボンディングパッド部分を樹脂で保護したことを特徴とする液晶表示装置の分析試料の作成方法。
【請求項2】
前記複数本のワイヤーはボンディングパッドのx軸y軸共に異なる位置にボンディングすることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置の分析試料の作成方法。
【請求項3】
前記ボンディングパッド部分を個片に分断するのは、前記液晶パネルに設けられたボンディングパッド部分であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液晶表示装置の分析試料の作成方法。
【請求項4】
前記ボンディングパッド部分を個片に分断するのは、前記回路基板に設けられたボンディングパッド部分であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液晶表示装置の分析試料の作成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置の導通部における分析試料の作成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図3は液晶表示装置の一例を示す(a)上面図、(b)A−A断面図である。図3に示す液晶表示装置1において、液晶パネル2は、表面に反射電極などの画素電極が形成されたシリコン等の遮光性基板から成る第一基板5と、それに相対する表面にITO電極などの対向電極が形成されたガラス等の透光性基板から成る第二基板6とを、所定の位置および間隔で周辺接着剤13により貼り合せることで形成された隙間に液晶3が封入されたLCOSと呼ばれる液晶パネル2である。液晶パネル2は回路基板12に搭載され、第一基板5の上面に設けられたボンディングパッド10(1st)と回路基板12の上面に設けられたボンディングパッド11(2nd)とは単数または複数本のワイヤー7で電気的に接続され、第二基板6の下面に設けられた対向電極(不図示)と回路基板12の上面に設けられた電極9とは導電性樹脂15で接続され、回路基板12を介して画素電極と対向電極との間に電位差を与え、液晶3の配向を制御することにより各種の画像表示が行われる。ワイヤー7は、シリコン系樹脂などの吸湿硬化型保護樹脂14で覆われており、硬化させることで、外部または内部からのワイヤー7の破断を効果的に防止することができる。(例えば、特許文献1、特許文献2参照)
【0003】
図6はワイヤーボンディング状態を示す拡大図(a)ボンディングヘッドの断面図、(b)1stボンディング側面図、(c)1stボンディング後側面図、(d)2ndボンディング側面図である。ワイヤー7はワイヤーボンディング装置のボンディングヘッド22に図6(a)に示すように通され、荷重〔F〕や超音波振動数〔Hz〕等のパラメータを入力し、ステージにボンディング対象物を設置し、作業を行う。
【0004】
液晶表示装置1にはワイヤー7で電気的導通を得るために、液晶パネル2側にボンディングパッド10(1st)と回路基板12側にボンディングパッド11(2nd)が並列して設けられている。まず、液晶パネル2側のボンディングパッド10(1st)へ図6(b)に示すようにボンディングヘッド22を押し付け、超音波で振動を掛けながらワイヤーボンディングを行い、次いで図6(c)に示すようにボンディングヘッド22からワイヤー7を引っ張り回路基板12側のボンディングパッド11(2nd)方向へボンディングヘッド22を移動させ、図6(d)に示すように回路基板12側のボンディングパッド11(2nd)へボンディングヘッド22を押し付け、超音波で振動を掛けながら液晶パネル2側のボンディングパッド10(1st)と同様にワイヤーボンディングを行う。
【0005】
図4はワイヤーボンディングにおける正常な接続面状態を示す概念図。図5はワイヤーボンディングにおける異常な接続面状態を示す概念図である。ワイヤーボンディングにおけるパラメータ設定を適切に行うと図4の拡大図に示すように、ボンディングパッド10(1st),ボンディングパッド11(2nd)に塗布された薄膜を突き破り、ワイヤーのAl素材がAu層またはAl層21に噛み合うように接続される。パラメータ設定が適切でない場合は図5に示すように、ボンディングヘッド22に押し付けられるワイヤー7にクラック19や傷20等の不具合の発生や、ワイヤー7のAl素材がAu層またはAl層21へ噛み合わず接続が不十分となる。また、前述したパラメータ設定が適切ではない場合とは別に信頼性試験や駆動時における高温環境下に晒されることで、保護樹脂14や各部材が収縮し、応力が発生する。応力により、ワイヤー7のループ部分の変形によるワイヤー7の断線や剥がれ、変形等の不具合が発生する。
【0006】
こういった不具合の原因を究明する際、ワイヤー7をボンディングパッド10(1st)、ボンディングパッド11(2nd)に対して適切な条件下によって接続が出来ているかの確認を行うため、製品と同様のサンプル品の液晶パネル2や回路基板12のボンディングパッド10(1st)、ボンディングパッド11(2nd)にワイヤー7の接続を行い、クロスセクションポリシャ(以下CP)加工と走査電子顕微鏡(SEM)を用い断面の解析、観察や分析を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2018−106053
【特許文献2】特開平10−32218
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
観察や分析を行う際、ワイヤー7を液晶パネル2側に配置されているボンディングパッド10(1st)と回路基板12側に配置されているボンディングパッド11(2nd)のそれぞれ所定の対となるボンディングパッドに対して1本接続を行っていたが、CP加工でイオンレーザーを用い観察面を加工する際にワイヤー7のネック部8が微細なため、微調整が難しく、イオンレーザーによって削り取られてしまうため、ワイヤー7の観察条件に適した分析試料4を複数作成しなければならず、工数が余分にかかっていた。
【0009】
本発明は以上の問題に鑑みてなされたものであり、分析試料4の作成工数を低減でき、CP加工、SEM観察を用いた分析で適切な接続部の観察を行える分析試料4の作成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
液晶パネルと回路基板とがワイヤーで電気的に接続された液晶表示装置の分析試料の作成方法において、液晶パネルと回路基板とに設けられたボンディングパッドにワイヤーを複数本ボンディングし、ボンディングパッド部分を個片に分断し、分断したボンディングパッド部分を樹脂で保護した液晶表示装置の分析試料の作成方法とする。
【0011】
複数本のワイヤーはボンディングパッドのx軸、y軸共に異なる位置にボンディングする液晶表示装置の分析試料の作成方法であっても良い。
【0012】
ボンディングパッド部分を個片に分断するのは、液晶パネルに設けられたボンディングパッド部分である液晶表示装置の分析試料の作成方法であっても良い。
【0013】
ボンディングパッド部分を個片に分断するのは、回路基板に設けられたボンディングパッド部分である液晶表示装置の分析試料の作成方法であっても良い。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、CP加工による分析の際にボンディングパッド10(1st)またはボンディングパッド11(2nd)に複数本のワイヤー7を配置することで、観察部を容易に得ることができ、分析効率の向上に繋がる分析試料4の作成方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明における液晶表示装置の分析試料の(a)個片状態、(b)保護樹脂塗布状態、(c)完成状態、(d)CP加工後、を示す概念図
図2】本発明における液晶表示装置の分析試料のボンディングパッドにおけるワイヤー接続形状上面図(a)ネック間隔無し、(b)ネック間隔有り
図3】液晶表示装置の一例を示す(a)上面図、(b)A−A断面図
図4】ワイヤーボンディングにおける正常な接続面状態を示す概念図
図5】ワイヤーボンディングにおける異常な接続面状態を示す概念図
図6】ワイヤーボンディング状態を示す拡大図(a)ボンディングヘッドの断面図、(b)1stボンディング側面図、(c)1stボンディング後側面図、(d)2ndボンディング側面図
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明における液晶表示装置1のワイヤー接続部分析試料4の作成方法を以下、本発明の実施形態を説明する。
【0017】
図1は本発明における液晶表示装置の分析試料の(a)個片状態、(b)保護樹脂塗布状態、(c)完成状態、(d)CP加工後、を示す概念図。図2は本発明における液晶表示装置の分析試料のボンディングパッドにおけるワイヤー接続形状上面図(a)ネック間隔無し、(b)ネック間隔有り、である。ワイヤー7の接続部である分析試料4の作成方法としては、まず、製品と同様のサンプル品である液晶パネル2と回路基板12を用意し、液晶パネル2と回路基板12のボンディングパッド10(1st)およびボンディングパッド11(2nd)部分のみを開口した遮光マスク冶具を被せ、表面にプラズマ照射を行い異物の除去を行う。次いで、ボンディングパッド10(1st)およびボンディングパッド11(2nd)とその周囲をエタノール等の液体を綿棒に付着させ、クリーニングを行う。
【0018】
次いで、回路基板12の所定の位置へ液晶パネル2を固定する両面テープ17(ダイアタッチテープ)を接着後、液晶パネル2と回路基板12とで両面テープ17を挟持するよう、液晶パネル2を搭載する。両面テープ17の配置に当たり、ワイヤー7をボンディングする液晶パネル2のボンディングパッド10(1st)の下部に両面テープ17が重なるようにし、十分な固定を施すのが望ましい。両面テープ17が配置されず空洞になる場合、ボンディングヘッド22の加重による負荷が液晶パネル2に掛かるため、液晶パネル2が撓んだり欠けたりする恐れがあり、正確なボンディングが行われない事例がある。
【0019】
液晶パネル2と回路基板12を両面テープ17にて接着固定後、電気的導通を得るためのワイヤーボンディングを行う。図2のようにワイヤー7のネック部8をボンディングパッド10(1st),ボンディングパッド11(2nd)のy軸方向へずらしつつ、x軸方向へ複数本ワイヤーボンディングを実施する。ボンディング条件等に応じて、隣接するネック部8は、図2(a)のように間隔を設けなくても良いし、図2(b)のように間隔を設けても良い。その後、分析試料4として不要なワイヤー7を除去し、液晶パネル2または回路基板12のボンディングパッド10(1st)およびボンディングパッド11(2nd)のワイヤー7接続部周辺を個片状の分析試料4に分断する。
【0020】
次いで、図1(b)に示すように、分析試料4の観察部の固定や分析試料4の加工時に負荷がかかり破損しないよう吸湿硬化型保護樹脂14を用いて分析試料4のワイヤー7のネック部8が配置されている上面と側面の保護を行う。
【0021】
吸湿硬化型保護樹脂14での固定後、図1(c)に示すように、上面の吸湿硬化型保護樹脂14を塗布時の表面張力による半月状となる硬化表面に対しヤスリ等を用い表面が平坦に整うまで研磨装置にて表面研磨を行う。その際、側面に吸湿硬化型保護樹脂14を回り込ませずに分析試料4上面のみの接着保護の場合、接着面積が小さく研磨時の摩擦力や引っ張り応力等に耐えることができずに吸湿硬化型保護樹脂14がワイヤー7のネック部8と一体となって剥がれ落ちてしまう。上面の表面研磨後、分析試料4の側面の研磨も行い観察位置を平行となるように整え、分析試料4は完成する。
【0022】
次いで、図1(d)に示すように、分析試料4をCP加工装置に設置し、分析試料4の側面をイオンレーザーにて加工を行う。イオンレーザーはボンディングパッド10(1st)およびボンディングパッド11(2nd)のx軸に対し平行で直線的に削り出しを行うため、上述したようにワイヤー7のネック部8をずらして配置するようにワイヤーボンディングを行うことで、ボンディングパッド10(1st)およびボンディングパッド11(2nd)のどこのx軸、y軸の位置からCP加工による断面の切断を実施してもワイヤー7のネック部8とボンディングパッド10(1st)およびボンディングパッド11(2nd)の接続部の断面観察を実施することができるようになる。
【0023】
CP加工で分析資料4の観察断面の加工後、SEMにより切断面やワイヤー7のネック部8の表面や断面等の観察を行う。上述にも述べたように、シリコン等の遮光性基板で形成されている第一基板5は表面に配向膜18が薄膜状に形成されており、ワイヤー7で接続を行う際に配向膜18を突き破り、Au層またはAl層21とワイヤー7のAl素材の接続面が噛み合って接続されているかを確認する。接続面が噛み合っていない場合、接続が不十分の恐れがあるためボンディング条件の見直しやボンディングパッド10(1st)とボンディングパッド11(2nd)に異物等や劣化等などの汚染がないか確認を行う必要がある。
【0024】
分析試料4の断面観察後、分析試料4の上面からのワイヤー7のネック部8の形状やネック部8の傷20の有無、ワイヤー7のネック部8とループ部との境界のクラック19の有無も同時に観察し、確認することができる。
【0025】
本発明ではワイヤー7の素材としてAl製を使用していたが、Au製のものでも同様な手法で分析試料4の作成を実施しても良い。
【0026】
ワイヤーボンディングを行う形状は図2(a)(b)に示した形状のもの以外でもボンディングパッドのy軸方向で切断したときに接合面の断面が観察できる他の形状でも良い。
【符号の説明】
【0027】
1.液晶表示装置
2.液晶パネル
3.液晶
4.分析試料
5.第一基板
6.第二基板
7.ワイヤー
8.ネック部
9.電極
10.ボンディングパッド(1st)
11.ボンディングパッド(2nd)
12.回路基板
13.周辺接着剤
14.吸湿硬化型保護樹脂
15.導電性樹脂
16.スペーサ
17.両面テープ
18.配向膜
19.クラック
20.傷
21.Au層またはAl層
22.ボンディングヘッド
図1
図2
図3
図4
図5
図6