(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-72075(P2020-72075A)
(43)【公開日】2020年5月7日
(54)【発明の名称】リニア信号遮断を利用して調整信号を出力する制御スイッチ
(51)【国際特許分類】
H01H 21/00 20060101AFI20200410BHJP
H01H 21/36 20060101ALI20200410BHJP
【FI】
H01H21/00 Y
H01H21/36 L
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2018-235113(P2018-235113)
(22)【出願日】2018年12月17日
(31)【優先権主張番号】107138791
(32)【優先日】2018年11月1日
(33)【優先権主張国】TW
(71)【出願人】
【識別番号】510290360
【氏名又は名称】▲チョ▼錦雄
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100181021
【弁理士】
【氏名又は名称】西尾 剛輝
(72)【発明者】
【氏名】▲チョ▼錦雄
【テーマコード(参考)】
5G219
【Fターム(参考)】
5G219GS31
5G219HT01
5G219HU12
5G219JU01
5G219KS07
5G219KY05
5G219NS01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】リニア信号遮断を利用して調整信号を出力する制御スイッチを提供する。
【解決手段】本発明のリニア信号遮断を利用して調整信号を出力する制御スイッチは、台座10と、一部が台座外に延出する両方向移動制御部材20と、前記両方向移動制御部材と連動し、且つ出力ギア31を備える連動ギアセット30と、前記出力ギアに対応して連動し、前記出力ギアに駆動されて時計・反時計回り両方向の回転が可能且つ周縁に複数の遮断歯41を有するメイン遮断ギア40と、送信端51と受信端52を備える少なくとも1つのリニア信号トランシーバ50とを含み、前記送信端と受信端はそれぞれ前記遮断歯の移動経路の両側に設置されることにより、前記メイン遮断ギアが回転する時に、前記送信端と受信端の間の信号伝送が前記遮断歯の移動によって選択的に遮断されると共に、遮断された時に信号を出力する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
台座と、両方向移動制御部材と、連動ギアセットと、メイン遮断ギアと、少なくとも1つのリニア信号トランシーバとを含む、リニア信号遮断を利用して調整信号を出力する制御スイッチであって、
前記台座はハウジングであり、
前記両方向移動制御部材は前記台座中に対応して設置され、且つその一部が前記台座外に延出して、制限範囲内に両方向移動可能であり、
前記連動ギアセットは前記台座中に設置され、前記両方向移動制御部材と接続されると共に、前記両方向移動制御部材の両方向移動と連動し、且つ前記連動ギアセットは、前記両方向移動制御部材の両方向移動に連れて時計回りまたは反時計回り方向に回転する出力ギアを備え、
前記メイン遮断ギアは前記台座中に設置され、前記出力ギアに対応して連動することにより、前記出力ギアに駆動されて時計・反時計回り両方向の回転が可能のように構成され、且つ前記メイン遮断ギアの周縁には、等間隔に配置された複数の遮断歯を有し、
前記少なくとも1つのリニア信号トランシーバは前記台座中に設置され、且つ送信端と受信端を備え、前記送信端と受信端はそれぞれ前記遮断歯の移動経路の両側に設置されることにより、前記メイン遮断ギアが回転する時に、前記送信端と受信端の間の信号伝送が前記遮断歯の移動によって選択的に遮断されると共に、遮断された時に信号を出力することを特徴とする、リニア信号遮断を利用して調整信号を出力する制御スイッチ。
【請求項2】
前記リニア信号トランシーバの数が2つであり、且つ互いに距離を置いて設置されることにより、前記メイン遮断ギアが時計回りに回転した場合に、一方の前記リニア信号トランシーバが先に遮断され、その後他方の前記リニア信号トランシーバが遮断されることになり、前記メイン遮断ギアが反時計回りに回転した場合に、遮断される順番が逆になり、その2つのリニア信号トランシーバが遮断される順番によって前記両方向移動制御部材の移動方向を判断して、前記リニア信号トランシーバと接続された制御回路より、判断された前記両方向移動制御部材の移動方向に応じて、増幅または減幅の制御信号を出力することを特徴とする、請求項1記載のリニア信号遮断を利用して調整信号を出力する制御スイッチ。
【請求項3】
前記両方向移動制御部材は、両方向に倒せるレバーであることを特徴とする、請求項1記載のリニア信号遮断を利用して調整信号を出力する制御スイッチ。
【請求項4】
前記両方向移動制御部材は、両方向に水平移動可能の摺動ブロックであることを特徴とする、請求項1記載のリニア信号遮断を利用して調整信号を出力する制御スイッチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一種のリニア信号遮断を利用して調整信号を出力する制御スイッチに係り、詳しく言うと、明確の段数を有すると共に、両方向移動を操作することによって増幅または減幅の制御信号をそれぞれ出力できるスイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
各種の電子製品において、制御ボタンより生じた信号で機能の起動と制御をこなす構造はよく見られる。そのようなスイッチの規格、サイズ及び種類は非常に多く、応用できる範囲も相当広い。
【0003】
その中によく見られるレバー式の、両方向正負増減幅の制御スイッチは、主に両方向移動可能のレバーで、例えばカメラレンズのズームインとズームアウト、前進と後退、加圧と減圧などの両方向の機能を制御する。このような制御方法は、主にレバーの移動によって磁気変化を起こし、磁気誘電の電力強度の変化を信号の判断基準とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このような制御スイッチは、レバーの位置変化で磁力の増減を制御するが、レバーの概略的な相対位置では、概略的な変化量しか得られず、レバーの前の位置と比較して相対的に強いまたは弱い信号しか得られない。換言すれば、精度の高い段数での制御効果を提供できず、精度の高い制御を要求する機能に応用することができない。
【0005】
また、磁気誘電を利用した制御方法は、外部の磁気的影響の問題が存在し、磁気干渉があった場合は制御の精度がさらに影響される虞があるので、技術上の欠陥と言える。
【0006】
そのため、本発明の発明者は以上の問題点を考えた上、従来技術の欠点を改善して産業の促進に寄与するように、一種のリニア信号遮断を利用して調整信号を出力する制御スイッチを設計した。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記従来技術の欠点を鑑みて、本発明は前記欠点を改善するように、新規性、進歩性及び産業上の利用可能性との要件を備える、リニア信号遮断を利用して調整信号を出力する制御スイッチを提供する。
【0008】
本発明の目的により、一種のリニア信号遮断を利用して調整信号を出力する制御スイッチを提供し、台座と、両方向移動制御部材と、連動ギアセットと、メイン遮断ギアと、少なくとも1つのリニア信号トランシーバとを備え、前記台座はハウジングであり、前記両方向移動制御部材は前記台座中に対応して設置され、且つその一部が前記台座外に延出して、制限範囲内に両方向移動可能であり、前記連動ギアセットは前記台座中に設置され、前記両方向移動制御部材と接続されると共に、前記両方向移動制御部材の両方向移動と連動し、且つ前記連動ギアセットは、前記両方向移動制御部材の両方向移動に連れて時計回りまたは反時計回り方向に回転する出力ギアを備え、前記メイン遮断ギアは前記台座中に設置され、前記出力ギアに対応して連動することにより、前記出力ギアに駆動されて時計・反時計回り両方向の回転が可能のように構成され、且つ前記メイン遮断ギアの周縁には、等間隔に配置された複数の遮断歯を有し、前記少なくとも1つのリニア信号トランシーバは前記台座中に設置され、且つ送信端と受信端を備え、前記送信端と受信端はそれぞれ前記遮断歯の移動経路の両側に設置されることにより、前記メイン遮断ギアが回転する時に、前記送信端と受信端の間の信号伝送が前記遮断歯の移動によって選択的に遮断されると共に、遮断された時に信号を出力する。
【0009】
そのうち、前記リニア信号トランシーバの数が2つであり、且つ互いに距離を置いて設置されることにより、前記メイン遮断ギアが時計回りに回転した場合に、一方の前記リニア信号トランシーバが先に遮断され、その後他方の前記リニア信号トランシーバが遮断されることになり、前記メイン遮断ギアが反時計回りに回転した場合に、遮断される順番が逆になり、その2つのリニア信号トランシーバが遮断される順番によって前記両方向移動制御部材の移動方向を判断して、前記リニア信号トランシーバと接続された制御回路より、判断された前記両方向移動制御部材の移動方向に応じて、増幅または減幅の制御信号を出力する。
【0010】
そのうち、前記両方向移動制御部材は、両方向に倒せるレバーである。
【0011】
或いは、前記両方向移動制御部材は、両方向に水平移動可能の摺動ブロックである。
【発明の効果】
【0012】
本発明のリニア信号遮断を利用して調整信号を出力する制御スイッチのデザインは、主に両方向移動可能の調整スイッチを提供して、例えばレバーまたは摺動ブロックなど、移動の方向より増幅または減幅の制御を行い、例えば明るさの濃淡、音量の大小、出力の増減、カメラレンズのズームイン・ズームアウト、温度の高さなど、遮断歯の数の設定によって明確な段階がつけられ、調整量を効果的に定量することができるため、精度の高い制御が要求された場合にも利用されることも可能で、従来技術にない利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明のリニア信号遮断を利用して調整信号を出力する制御スイッチの外観図;
【
図2】本発明のリニア信号遮断を利用して調整信号を出力する制御スイッチの外観分解図;
【
図3】本発明のリニア信号遮断を利用して調整信号を出力する制御スイッチの別視角を示す外観分解図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1〜
図3に参照して、本発明に係るリニア信号遮断を利用して調整信号を出力する制御スイッチは、台座(10)、両方向移動制御部材(20)、連動ギアセット(30)、メイン遮断ギア(40)、及び2つのリニア信号トランシーバ(50)を含む。
【0015】
前記台座(10)はハウジングであり、その内部に設置用の空間を有する。
【0016】
前記両方向移動制御部材(20)は前記台座(10)中に対応して設置され、且つその一部が前記台座(10)外に延出し、図示されたように、一定の制限範囲内に両方向に倒せるレバーであってもよく、実施上は両方向に水平移動可能の摺動ブロック、または他の両方向移動可能の構造を採用しでもいい。
【0017】
前記連動ギアセット(30)は前記台座(10)中の設置用空間に設置され、前記両方向移動制御部材(20)と接続されると共に、前記両方向移動制御部材(20)の両方向移動に連動され、且つ前記連動ギアセット(30)は、前記両方向移動制御部材(20)の両方向移動に連れて時計回りまたは反時計回り方向に回転する出力ギア(31)を備える。また、前記連動ギアセット(30)は、前記両方向移動制御部材(20)の両方向移動に対してより早い、またはより遅い回転を切り替えるギアシフト機能を備えてもよく、そのギアシフト機能に関しては一般の従来技術であるため、その詳細については敢えて省略する。
【0018】
前記メイン遮断ギア(40)は前記台座(10)中の前記設置用空間に設置され、前記出力ギア(31)に対応して連動することにより、前記出力ギア(31)に駆動されて両方向に回転することができ、且つ前記メイン遮断ギア(40)の周縁には、等間隔に配置された複数の遮断歯(41)を有する。
【0019】
前記2つのリニア信号トランシーバ(50)は前記台座(10)中の設置用空間に設置され、前記メイン遮断ギア(40)の遮断歯(41)の位置に対応して定位され、前記リニア信号トランシーバ(50)は送信端(51)と受信端(52)を備え、前記送信端(51)と受信端(52)は、それぞれ前記遮断歯(41)の位置の両側に設置されることにより、前記メイン遮断ギア(40)が回転する時に、前記送信端(51)と受信端(52)の間の信号伝送が前記遮断歯(41)に遮断されると共に、遮断された時に信号を出力することができる。また、別の態様として、遮断されていない時に信号を出力するように設定されてもいい。
【0020】
前記2つのリニア信号トランシーバ(50)は、その位置の設置によって、前記メイン遮断ギア(40)が時計回りに回転した場合に、一方の前記リニア信号トランシーバ(50)が先に遮断され、その後他方の前記リニア信号トランシーバ(50)が遮断される。そして、前記メイン遮断ギア(40)が反時計回りに回転した場合に、遮断される順番が逆になる。その2つのリニア信号トランシーバ(50)が遮断される順番によって、両者が出力する信号が先後の順を有するため、それに基ついて前記両方向移動制御部材(20)の移動方向を判断して、対応する増幅または減幅の制御信号を出力する判断メカニズムとなる。その後に、前記リニア信号トランシーバ(50)を制御回路と接続することにより、前記両方向移動制御部材(20)の移動方向に応じて増幅または減幅の制御信号を出力することができる。
【0021】
また、前記両方向移動制御部材(20)の移動方向または前記メイン遮断ギア(40)の回転方向などの判断は、他の様々な技術に採用することもでき、実際の応用で2つのリニア信号トランシーバ(50)の代わりに、1つのリニア信号トランシーバ(50)と両方向移動制御部材(20)の移動方向を判断できる装置とを組み合わせて応用することも、同じ効果を達成できるため、利用できる技術手段はまだ数多く存在するが、当該領域の技術者であれば理解できるため、その詳細については省略する。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明のリニア信号遮断を利用して調整信号を出力する制御スイッチは、主に両方向移動可能の調整スイッチを提供して、例えばレバーまたは摺動ブロックなど、移動の方向より増幅または減幅の制御を行い、例えば明るさの濃淡、音量の大小、出力の増減、カメラレンズのズームイン・ズームアウト、温度の高さなど、遮断歯(41)の数の設定によって明確な段階がつけられ、調整量を効果的に定量することができるため、精度の高い制御が要求された場合にも利用されることも可能で、従来技術にない利点を有する。
【符号の説明】
【0023】
10 台座
20 両方向移動制御部材
30 連動ギアセット
31 出力ギア
40 メイン遮断ギア
41 遮断歯
50 リニア信号トランシーバ
51 送信端
52 受信端
【手続補正書】
【提出日】2020年3月5日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
台座と、両方向移動制御部材と、連動ギアセットと、メイン遮断ギアと、少なくとも1つのリニア信号トランシーバとを含む、リニア信号遮断を利用して調整信号を出力する制御スイッチであって、
前記台座はハウジングであり、
前記両方向移動制御部材は前記台座中に対応して設置され、且つその一部が前記台座外に延出して、制限範囲内に両方向移動可能であり、
前記連動ギアセットは前記台座中に設置され、前記両方向移動制御部材と接続されると共に、前記両方向移動制御部材の両方向移動と連動し、且つ前記連動ギアセットは、前記両方向移動制御部材の両方向移動に連れて時計回りまたは反時計回り方向に回転する出力ギアを備え、
前記メイン遮断ギアは前記台座中に設置され、前記出力ギアに対応して連動することにより、前記出力ギアに駆動されて時計・反時計回り両方向の回転が可能のように構成され、且つ前記メイン遮断ギアの周縁には、等間隔に配置された複数の遮断歯を有し、
前記少なくとも1つのリニア信号トランシーバは前記台座中に設置され、且つ送信端と受信端を備え、前記送信端と受信端はそれぞれ前記遮断歯の移動経路の両側に設置されることにより、前記メイン遮断ギアが回転する時に、前記送信端と受信端の間の信号伝送が前記遮断歯の移動によって選択的に遮断されると共に、遮断された時に信号を出力することを特徴とする、リニア信号遮断を利用して調整信号を出力する制御スイッチ。
【請求項2】
前記リニア信号トランシーバの数が2つであり、且つ互いに距離を置いて設置されることにより、前記メイン遮断ギアが時計回りに回転した場合に、一方の前記リニア信号トランシーバが先に遮断され、その後他方の前記リニア信号トランシーバが遮断されることになり、前記メイン遮断ギアが反時計回りに回転した場合に、遮断される順番が逆になり、その2つのリニア信号トランシーバが遮断される順番によって前記両方向移動制御部材の移動方向を判断して、前記リニア信号トランシーバと接続された制御回路より、判断された前記両方向移動制御部材の移動方向に応じて、増幅または減幅の制御信号を出力することを特徴とする、請求項1記載のリニア信号遮断を利用して調整信号を出力する制御スイッチ。
【請求項3】
前記両方向移動制御部材は、両方向に倒せるレバーであることを特徴とする、請求項1記載のリニア信号遮断を利用して調整信号を出力する制御スイッチ。