【解決手段】チューブスロット位置特定方法は、行及び列の行列で配列されたチューブスロット402を含むトレイ120の少なくとも1つのカメラから一連の画像を受け取ることを含む。各チューブスロットは、サンプルチューブを受け取るように構成される。また、トレイ上のチューブスロット間の断面領域上に配置された複数の基準マーカ400を自動的に検出することと、トレイの各行が実質的にカメラの視界の中心にあることを示すエンコーダ値を受け取ることを含む。更に、トレイ座標系からの位置のカメラ座標系からの位置へのマッピングを提供する較正情報を決定することと、エンコーダ値と較正情報に基づいてトレイを自動的に位置合わせすることを含む。
前記トレイが、開位置と閉位置の間で移動可能な引出しの一部分に収まるように構成され、前記引出しが前記開位置と前記閉位置の間で移動されたときに前記トレイの前記画像が前記少なくとも1つのカメラによって取得される、請求項1に記載の方法。
前記一連の画像の1つ以上から各チューブスロットに対応するデータを抽出して、チューブがチューブスロットの1つを占有するかどうかとチューブタイプとの少なくとも1つを決定するステップを更に含む、請求項4または5に記載の方法。
前記表面が、開位置と閉位置の間で移動可能な引出しの一部分を含み、前記引出しが前記開位置と前記閉位置の間で移動されたときに前記トレイの前記画像が前記少なくとも1つのカメラによって取得される、請求項7に記載のシステム。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態は、x軸とy軸を有するトレイ座標系と、x軸とy軸を有するカメラ座標系を使用するトレイ較正方法を提供する。この方法は、行と列の行列で配列された複数のチューブスロットを有するトレイの画像を取得することを含む。各チューブスロットは、サンプルチューブを収容するように構成され、トレイの画像が、カメラによって取得される。方法は、また、プロセッサを使用して、トレイ上のチューブスロット間の断面領域上に配置された複数の基準マーカを検出することと、トレイ座標系をカメラ座標系と予め位置合わせすることを含む。方法は、更に、プロセッサを使用して、平行線をトレイ座標系のx座標に沿ったマーカの位置に合わせ、対の平行線をトレイ座標系のy座標に沿った各行上のマーカの位置に合わせることによってトレイ格子を計算することと、プロセッサを使用して、各検出基準マーカの、トレイ上の物理位置に対する対応関係を識別して、トレイ座標系のカメラ座標系へのマッピングを提供することによってトレイを較正することとを含む。
【0007】
一実施形態によれば、トレイは、開位置と閉位置の間で移動可能な引出しの一部分に収まるように構成され、引出しが開位置と閉位置の間で移動されたときにトレイの画像がカメラによって取得される。
【0008】
別の実施形態によれば、方法は、カメラに隣接し別のカメラ座標系を有する別のカメラによってトレイの別の画像を取得することと、トレイ座標系を他のカメラ座標系と予め位置合わせすることと、各検出基準マーカの、トレイ上の物理位置との対応関係を識別して、トレイ座標系の他のカメラ座標系へのマッピングを提供することとを含む。
【0009】
更に別の実施形態では、トレイ格子を計算することは、更に、検出マーカをトレイ座標系のx座標に沿ったクラスタにグループ化することを含み、各クラスタ内の検出マーカは、他のクラスタによって構成されたトレイ座標系のy方向の他の線に平行な、トレイ座標系のy方向の線内にある。
【0010】
一実施形態の一態様によれば、複数の基準マーカは、白ドットである。
【0011】
一実施形態では、トレイ格子を計算することは、更に、線形回帰を行なって、平行線をトレイ座標系のx座標に沿ったマーカの位置に合わせ、かつ対の平行線をトレイ座標系のy座標に沿った各行上のマーカの位置に合わせることを含む。断面領域は、概略菱形領域であり、概略菱形領域の各行上の基準マーカは、繰返し菱形領域の上角にある上角基準マーカと、繰返し菱形領域の右角にある右角基準マーカとを含む。
【0012】
別の実施形態では、方法は、更に、各検出基準マーカの、トレイ上の物理位置との対応関係を使用して、オンライン動作中にトレイを位置合わせすることを含む。
【0013】
更に別の実施形態では、トレイを較正することは、更に、次の式によって再投影誤差を最小にすることによってカメラの姿勢を導出することを含む。
【0014】
R,t = argmin
R,tΣi||p
i- f(RP
i+ t,K
c,d
c)||
2,
【0015】
ここで、{P
i}と{p
i}は、三次元及び二次元対応関係であり、f()は、カメラ座標系からその画像平面への三次元から二次元への投影関数であり、K
cは、焦点距離、及びカメラ軸と画像上の主点のスキューを含む本質的較正行列であり、d
cは、そのレンズ歪みベクトルであり、回転行列Rと並進ベクトルtは、カメラ画像の姿勢を示す非本質的パラメータである。
【0016】
実施形態は、トレイ座標系とカメラ座標系を使用するチューブスロット位置特定方法を提供する。この方法は、プロセッサを使用して、行及び列の行列で配列されたチューブスロットを含むトレイの少なくとも1つのカメラから一連の画像を受け取ることを含む。各チューブスロットは、サンプルチューブを収容するように構成される。トレイの画像は、少なくとも1つのカメラによって取得される。方法は、また、プロセッサを使用して、トレイ上のチューブスロット間の断面領域上に配置された複数の基準マーカを自動的に検出することと、プロセッサを使用して、トレイの各行が実質的にカメラの視界の中心にあることを示すエンコーダ値を受け取ることを含む。方法は、更に、プロセッサを使用して、トレイ座標系からの位置のカメラ座標系からの位置へのマッピングを提供する較正情報を決定することと、プロセッサを使用して、エンコーダ値と較正情報に基づいてトレイを自動的に位置合わせすることを含む。
【0017】
一実施形態によれば、トレイは、開位置と閉位置の間で移動可能な引出しの一部分に収まるように構成され、引出しが開位置と閉位置の間で移動されたときに少なくとも1つのカメラによってトレイの画像が取得される。
【0018】
別の実施形態によれば、較正情報は、各検出基準マーカの、トレイ上の物理位置との対応関係を示す。
【0019】
更に別の実施形態では、較正情報は、トレイのタイプ、トレイの向き及びトレイの位置を示す。プロセッサを使用してトレイを自動的に位置合わせすることは、エンコーダ値と較正情報に基づいて基準マーカの位置を予測することと、マーカの投影位置と検出マーカの位置との間のオフセットを自動的に決定することと、少なくとも1つのカメラの視界内にあるトレイとチューブスロットを位置合わせするようにオフセットを自動的に補償することとを含む。
【0020】
一実施形態では、方法は、更に、断面領域のそれぞれの中心におけるチューブスロット格子点を定義することと、補償されたチューブスロット格子点を一連の画像のうちの1つ以上に投影して、決定されたオフセットに基づいてチューブスロットを位置特定することとを含む。
【0021】
別の実施形態では、方法は、更に、一連の画像の1つ以上から各チューブスロットに対応するデータを抽出して、チューブがチューブスロットのうちの1つを占有するかどうかとチューブタイプの少なくとも1つを決定する。
【0022】
実施形態は、体外診断環境で使用される視覚システムを提供する。システムは、行と列の行列で配列された複数のチューブスロットを有するトレイを含む。各チューブスロットは、サンプルチューブを受け取るように構成される。トレイは、また、複数のチューブスロットと、断面領域上に配置された複数の基準マーカとの間に配置された複数の断面領域を含む。システムは、また、トレイを受けるように構成された表面と、表面に位置決めされたトレイの一連の画像を取得するように構成された少なくとも1つのカメラと、トレイの各行が実質的に少なくとも1つのカメラの視界の中心にあることを示すエンコーダ値を生成するように構成されたエンコーダとを含む。システムは、更に、少なくとも1つのカメラからトレイの一連の画像を受け取り、トレイ上のチューブスロット間の断面領域上に配置された複数の基準マーカを自動的に検出し、エンコーダ値を受け取り、トレイ座標系からの位置のカメラ座標系からの位置へのマッピングを提供する較正情報を生成し、エンコーダ値と較正情報とに基づいてトレイを自動的に位置合わせするように構成されたプロセッサを含む。
【0023】
一実施形態によれば、表面は、開位置と閉位置の間で移動可能な引出しを含み、引出しが開位置と閉位置の間で移動されたときにトレイの画像が少なくとも1つのカメラによって取得される。
【0024】
別の実施形態によれば、各断面領域は、概略菱形領域であり、各概略菱形領域は、複数チューブスロットのうちの4つの間に配置される。概略菱形領域の各行上の基準マーカは、繰返し菱形領域の上角にある上角基準マーカと、繰返し菱形領域の右角にある右角基準マーカとを含む。
【0025】
更に別の実施形態では、プロセッサは、更に、トレイ上のチューブスロット間の断面領域上に配置された複数の基準マーカを検出し、トレイ座標系をカメラ座標系と予め位置合わせし、トレイ座標系のx座標に沿ったマーカの位置に平行線を合わせ、トレイ座標系のy軸に沿った各行上のマーカの位置に対の平行線を合わせることによってトレイ格子を計算し、各検出基準マーカの、トレイ上の物理位置との対応関係を識別することによって較正情報を決定することによって、トレイ座標系からの位置のカメラ座標系からの位置へのマッピングを提供する較正情報を決定するように構成される。
【0026】
実施形態は、視覚システムと共に使用するために表面に保持されるように構成されたトレイを提供する。トレイは、行及び列の行列で配列された複数のチューブスロットを含む。各チューブスロットは、サンプルチューブを受け取るように構成される。トレイは、また、複数の概略菱形領域を含む。各概略菱形領域は、複数チューブスロットのうちの4つの間に配置される。トレイは、更に、複数の基準マーカを含む。各基準マーカは、概略菱形領域のうちの1つの上に配置される。
【0027】
一実施形態によれば、概略菱形領域の各行上の基準マーカは、繰返し菱形領域の上角にある上角基準マーカと、繰返し菱形領域の右角にある右角基準マーカとを含む。
【0028】
別の実施形態によれば、トレイは、更に、複数のばね力要素を含む。各ばね力要素は、チューブスロットに結合され、チューブがチューブスロット内の中心にならないようにサンプルチューブに力を働かせるように構成される。基準マーカは、サンプルチューブが対応チューブスロット内にあるときに、チューブスロットのそれぞれと隣接した少なくとも3つの基準マーカがカメラの視界内にあるようなパターンでトレイ上に配置される。
【0029】
本開示の追加の特性及び利点は、添付図面を参照して進む説明的実施形態の以下の詳細な説明から明らかにされる。
【0030】
本明細書に開示された実施形態の以上及び他の態様は、添付図面と関連して読むときに以下の詳細な説明から最もよく理解される。本明細書に開示された実施形態を例証するために、図には現在好ましい実施形態が示されるが、本明細書に開示された実施形態が、開示された特定の手段に限定されないことを理解されたい。図面には以下の図が含まれる。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本出願は、参照により本明細書に組み込まれるPCT出願第PCT/US14/27217号、及びWuらによる米国仮出願第62/010370号明細書に記載された概念のいくつかに関する。
【0033】
実施形態は、チューブトレイ及びそのチューブトレイ内に保持されたチューブの画像を取得するように構成された自動視覚システムにおいてチューブトレイを較正し位置合せするためのシステム及び方法を含む。いくつかの実施形態は、自動化システムにおいて手動で配置され位置合せされたトレイの画像を取得することを含む。例えば、自動化システムは、平坦面にガイドレールを提供し、オペレータがトレイ上のキー止め特性形状をレールに手動で位置合わせし、トレイを作業領域に押すことを可能にし得る。
【0034】
いくつかの実施形態は、サンプルチューブが収容されたチューブトレイを装填し取り出すための引出しを含む自動引出し視覚システム(DVS)を含みうる。トレイの画像は、引出しが開位置と閉位置(例えば、作業領域位置)の間で移動されたときに、引出しの入口領域の上に取り付けられた1つ以上のカメラによって取得されうる。高速運動下で取得された画像のチューブ特性の正確な評価を容易にするため、実施形態は、画像ごとにトレイ表面上の1組の基準マーカを利用してトレイが引出しと共に移動した距離を評価することを含む画像ベース方法を使用して、高精度なチューブサンプルトレイ位置合せ及びチューブスロット位置特定を提供する。実施形態は、また、DVSカメラごとに基準マーカパターンを位置合わせするための較正方式を含む。実施形態は、更に、トレイ位置合せ及びチューブスロット位置特定のためのテンプレート突き合わせ方法を含む。
【0035】
実施形態は、確実なトレイ位置合わせのためのアンカポイントを固有かつ容易に検出するとともに提供するための基準マーカとして単純な白ドットを使用することを含む。低解像度ドットパターンをトレイの上面に成形して、高精度な(例えば、ドット位置がCADモデルにきわめて近い)検出により効率的に製造されたトレイを提供できる。トレイ位置合わせには、基準マーカと共に効率的で頑強な低解像度ハードウェアエンコーダが使用されうる。引出し上のエンコーダストリップとフレーム上の光学スロットセンサ間の位置合わせ公差が大きいので、エンコーダカウントを失うことなくまたエンコーダシステムを較正する時間と費用をなくすことなく引出しを移動(例えば、曲げ、収縮、及び拡張)できる。また、光学スロットセンサを有するエンコーダストリップは、汚れ又はほこりに対して耐性を有している。
【0036】
低解像度ドットパターンと低解像度ハードウェアエンコーダの組み合わせにより、トレイ内に成形できない高解像度の複雑なパターン(例えば、高精度マーカ配置、複雑なマーカ形状、又は多数のマーカ)のエッチング効率の低下が回避される。また、低解像度ドットパターンと低解像度ハードウェアエンコーダの組み合わせによって、トレイ位置合わせのための高価な高解像度ハードウェアエンコーダの使用が回避される。
【0037】
PCT出願第PCT/US14/27217号明細書に記載されているように、DVSのチューブトレイは、引出し内に収まり、行と列の配列で配列されたスロット内に複数のチューブを保持するように構成される。画像は、トレイ並びにトレイ上に保持されたチューブを評価するために使用される。詳細には、実施形態によれば、画像を分析することによって、チューブの種々の特性(例えば、チューブを収容するトレイスロット、座標系におけるチューブの中心点、チューブの直径と高さ、引出し内のトレイの向き、チューブが単純チューブかどうか、チューブがキャップ又はチューブ上部カップで覆われているかどうか、チューブキャップの色、トレイ表面のバーコード、及びトレイを保持する引き出しが作業環境に挿入又は取り出される速度など)を決定できる。実施形態は、高価な機器なしにまたチューブを取り扱ったり触れたりせずにこの情報と他の情報を素早く決定する。そのような知識は、チューブの効率的で合理的な処理、並びにセットアップ及び維持コストの低減を可能にする。
【0038】
この情報は、サンプルハンドラがチューブを処理し、チューブを試験と分析のために分析装置まで移動させるIVD環境で貴重である。本発明の実施形態は、特にIVD環境に適しているが、決してIVD環境に限定されない。
【0039】
図1Aは、本発明の一実施形態による、チューブトレイ120とそこに収容されたチューブ130を、その画像を取得し分析することによって評価する例示的な引出し視覚システム100を表す。1つ以上の引出し110が、開位置と閉位置の間で移動可能であり、サンプルハンドラのための作業エンベロープ105内で提供される。1つ以上のチューブトレイ120が、引出し110に装填されてもよく、引出し110の永久機能でもよい。各チューブトレイ120は、チューブ130が収容されうるスロットの行と列の配列(例示的トレイ121内に描かれたような)を有する。
【0040】
実施形態により、チューブトレイ120の画像が撮影される。画像は、チューブトレイ120とチューブ130の特性を決定するために分析される。画像をその分析のために取得するために、本明細書に提供された実施形態によれば、可動トレイ又は固定カメラ手法が使用される。チューブトレイ120が、例えば手動又は自動で引出し110に押し込まれることによって、作業エンベロープ105に入れられるとき、画像取得システム140を使用してチューブトレイ120とそこに収容されたチューブ130の画像を撮影する。
【0041】
画像取得システム140は、作業エンベロープ105の入口又は入口近くに位置決めされた1つ以上のカメラ(例えば、
図2に示された左側カメラ242と右側カメラ244)を含みうる。いくつかの実施形態では、1つ以上のカメラ242、244が、チューブトレイ120の表面の上に位置決めされうる。例えば、カメラ242,244は、チューブトレイ120の高解像度画像を取得するために、表面の76.2〜152.4mm(3〜6インチ)上に配置されうる。カメラ242,244の機能並びに所望の視点及び画像品質により、他の距離及び/又は位置決めが使用されうる。必要に応じて、画像取得システム140は、LEDフラッシュなどの1つ以上の光源を含みうる。
【0042】
図1Bは、本明細書に開示された実施形態と共に使用されうる例示的な引出し視覚システムの例示的な試験ハーネスを示す。
図1Bに示されたように、画像取得システム140は、チューブ130を保持するチューブトレイ120の表面の上に位置決めされ、引出し110上に配置される。
図1Bで実施形態に示された引出し110は、2つの55スロットトレイ又は6つの15スロットトレイを保持するように構成される。しかしながら、実施形態は、様々な数のスロットを有しかつ様々なサイズを有するトレイを保持するように構成されたトレイを含みうる。
【0043】
図2は、一実施形態による、引出し110内に保持され収容されたチューブトレイ120とチューブ130を画像分析によって評価するためのシステム200を表すブロック図を示す。画像取得システム140は、一実施形態によれば、2つのカメラ、即ち左側カメラ242と右側カメラ244を含む。引出し110及びチューブトレイ120のサイズ、並びに望みの画質及び画像視点により、追加又はもっと少ないカメラが含まれうる。また、光源246及び画像取得コントローラ248は、画像取得システム140の一部である。
【0044】
チューブトレイ120の行が、1つ以上のカメラ242,244の下の中心位置又は実質的中心位置に移動されたことを決定するために、直角位相エンコーダなどのエンコーダ210が使用されうる。エンコーダ210は、チューブトレイ120の新しい行に対応するチューブトレイ120が、1つ以上のカメラ242,244の下の中心位置又は実質的中心位置に移動したことの検出に基づいて、画像取得コントローラ248に信号(即ち、パルス)を送信する。信号は、画像取得コントローラ248が、信号の受信時にカメラ242,244に指示して画像を撮影させる命令として働く。
【0045】
カメラ242,244によって撮影された画像の画像分析を管理するためのコントローラ220が提供される。引出し110が閉じたことを検出すると、画像取得コントローラ248は、ダウンロードと処理のためにコントローラ220に画像を提供する。コントローラ220は、一実施形態によれば、IVD環境で、チューブトレイ120とチューブ130を作業エンベロープ105などの保管場所の間で取り扱い、分析装置まで移動させるために使用されるサンプルハンドラの一部である。コントローラ220によって行われる画像分析は、チューブトレイ120とチューブ130の様々な決定された特性に基づいてサンプルハンドラに指示する役割をし、したがって、サンプルハンドラがそれに応じてチューブトレイ120とチューブ130を取り扱い処理することを可能にする。
【0046】
1つ以上の記憶装置240が、コントローラ220と関連付けられる。1つ以上の記憶装置240は、コントローラ220の内部でも外部でもよい。
【0047】
引出し110が完全に閉じられかつ/又は引出し110が完全に開かれたことを示すために、1つ以上の引出しセンサ230がコントローラ220に接続されうる。一実施形態によれば、引出し110が完全に閉じられたことは、取得され記憶された画像の画像処理を始める指示として働く。引出し110が完全に閉められたとき、引出しセンサ230は、コントローラ220に信号を送る。
【0048】
図3は、トレイスロットタイプとサンプルチューブのチューブタイプを決定する方法300を示すフローチャートである。
図3に示されたように、この方法は、ステップ306〜314によってトレイスロットタイプ(例えば、スロットが空か空でないか)を決定してもよくかつ/又はステップ316〜324によってチューブタイプ(例えば、単純チューブ、キャップ付きチューブ、又はチューブ上部サンプルカップ付きチューブ)を決定してもよい。トレイスロットタイプを決定する方法は、「Locality−based Detection of Tray Slot Types and Tube Types in a Drawer Vision System」と題する出願(整理番号2014P23283US)に、より詳細に記載されている。
【0049】
しかしながら、ステップ302で画像が取得された後、トレイスロットタイプを決定するステップ308に進む前に、ステップ304で、トレイ格子が位置合わせされ、ステップ306で、トレイスロットパッチが抽出される。以下の記述では、ステップ304でトレイ格子位置合わせに焦点を当て、ステップ306でトレイスロットパッチ抽出に焦点を当てる。
【0050】
従来の自動化システムは、チューブスロット占有検出に時間がかかる力任せの方法を実行する。そのような自動化システムには、高度なチューブ分類及び評価機能がない。これと対照的に、DVSは、引出し入口の上部に取り付けられた2つのカメラを利用して、引出し挿入中にサンプルチューブの画像を取得する。したがって、画像分析アルゴリズムを使用して取得画像にチューブ占有検出、チューブ分類及びチューブ評価が効率的に行われうる。
【0051】
引き出し挿入中に引出しが高速運動しているときに画像が取得されるように、頑強なチューブスロット位置特定アルゴリズムが、チューブ高さ、直径、中心オフセットなどのチューブ特性を評価するための幾何学的基準として働くことが望ましい。ハードウェアエンコーダは、1組の所定位置にあるカメラをトリガできるが、高精度エンコーダはコスト効率がよくない。DVSカメラセットアップに関して、トレイスロット位置特定に関して1画素未満の誤差を達成するために、エンコーダ誤差は、0.13mm未満であることが望ましい。
【0052】
基準マーカ
高速運動下で取得された画像のチューブ特性の正確な評価を容易にするため、実施形態は、画像ごとにトレイ表面上の1組の標準マーカを利用してトレイが引き出しと共に移動した距離を評価することを含む画像ベース方法を使用することによって、高精度なチューブサンプルトレイ位置合せ及びチューブスロット位置特定を提供する。実施形態は、また、DVSカメラごとの基準マーカパターンを位置合せするための較正方法を含む。実施形態は、更に、トレイ整列及びチューブスロット位置特定のためのテンプレート突合わせ方法を含む。
【0053】
図4は、一実施形態による、チューブスロット402間のトレイ120上に配置された基準マーカ400を有する例示的トレイ120の平面図である。1組4つの隣接スロット402の間に、ほぼ菱形の断面領域404(以下では、菱形領域)が配置される。
図4に示されたように、トレイ120は、5列11行の行列を含む。
図4に示されたスロット402の数、スロット402の行数、及びスロット402の列数は、例示に過ぎない。実施形態は、任意数の行、列及びスロットを有するトレイを含みうる。
図4に示されたトレイ120の寸法も例示である。実施形態は、
図4に示された寸法以外の寸法を有するトレイも含みうる。
【0054】
ハードウェアエンコーダの誤差が、トレイ120の行長さの半分(例えば、11.75mm)未満であると仮定することにより、トレイ120の各行に繰り返しマーカパターンが使用されうる。望ましい基準マーカパターンを提供するために、種々の因子が検討されうる。例えば、基準マーカ400の数が多いほどトラッキング結果が正確になる。したがって、可能な動作条件下でトラッキングに利用できるマーカ400の数を最大にしなければならない。更に、マーカ400の部分的な隠れ並びにチューブ側のマーカ反射によって位置特定誤差と誤検出が起こることがある。したがって、部分的にしか見えないマーカ400と側壁の反射の数を最小にしなければならない。
【0055】
図5は、一実施形態による、スロット402の隣の菱形領域内の基準マーカ400の位置を示す、
図4に示されたトレイの一部分の拡大図である。
図5に示されたように、チューブスロットは、カメラの視界内でマーカ(
図5のマーカ400Aなど)を遮る可能性のあるチューブスロット402内に保持されたチューブ130を、チューブがチューブスロット内の中心でなくなるようにスロット402の1つの角の方に押すように構成されたばね500を含む。
図5は、カメラの視界から遮られると予想される領域502と、カメラの視界内で見えると予想される領域504とを示す。したがって、各菱形領域404の中心にあるマーカ以外、マーカ402とチューブスロット402の中心間の距離が最大にされる。特定の構成により、スロット402内にチューブがあるかスロット402が空かにかかわらずカメラの視界内に少なくとも3つのマーカがあり、それにより、許容可能な精度範囲内のトラッキングが提供され、更に他のマーカの使用がなくなる。その結果、部分的に見えるマーカとチューブ壁上の反射の数が最小にされうる。
【0056】
図6Aと
図6Bは、チューブ130のまわりのカメラの視界内の3つのマーカ400を示すカメラからの画像である。
図6Aに示されたように、3つのマーカ400が、チューブ130のまわりのカメラの視界内に見え、1つのマーカ400Aが、カメラの視界から部分的に遮られている。
図6Bに示されたように、チューブ130のまわりのカメラの視界内に3つのマーカ400がある。第4のマーカは、カメラの視界から完全に遮られているので示されない。実施形態は、マーカコディフィケーション(codification)を利用しない。即ち、パターンが各行で繰り返す。
【0057】
一実施形態では、マーカ400は、付加的な符号化情報を伝達できる。符号化は、基準マーカの形状、色、配列又はこれらの任意の組み合わせを局所的に変更することによって実現されうる。符号化情報は、低解像度ハードウェアエンコーダの場合又はハードウェア符号化が全くない場合に局所化することがある。符号化情報は、ハードウェアエンコーダ出力に対するサニティチェックを提供できる。符号化情報は、トレイ識別も提供できる。
【0058】
基準マーカに符号化を加えると、検出強健さが犠牲になることがある。同一の単純な白ドットを使用することによって強健さが高まる。ドットが摩耗、洗浄又は製造欠陥によって破損した場合でも、極端なエラー(例えば、プロセッサ決定画像がトレイ120のどこか他の場所にある)。単一データポイントの位置が少しずれることがあるが、そのずれは、各ドット400の質量中心を取るかRANSACなどのロバスト法を使用して、マッチング外れ値を自動的に除去することによって最小化されうる。
【0059】
較正
ソフトウェア観点から、引出し視覚システム(DVS)には主に2つの部分がある。一方は、オンライン部分であり、他方はオフライン部分である。オンライン部分は、動作中、即ち、カメラによって取得された新しい画像をシステムが処理するときと、引出しインベントリを発見するためにシステムが使用されているときに生じる部分を意味する。オフライン部分は、例えば、較正段階とトレーニングも示す。システムは、様々なチューブタイプを検出するためにクラシファイヤ構成要素をトレーニングするのに大量のデータを必要とする。この較正とトレーニングは、製品が作成された後で顧客に送られるたび又は設置時に行われうる。トレーニング部分が、DVSに対して1回行われ、次にソフトウェアのそのオンライン部分が、DVSの全ての事例に対して実行される。トレーニングは、特に、様々なチューブタイプを決定するとき有用である。システムに使用されるチューブタイプを決定するために範囲が定義された後、それらのチューブの画像が、トレーニングのための集合を定義できる。トレーニングは、製品の販売前に工場で一度に行うことができ、業務での顧客による製品のトレーニングが不要なことがある。トレーニングは、新しいチューブタイプに対応している場合だけ更新されなければならない。これは、メーカ側で行われることである。較正は、もう1つのオフライン構成要素であり、顧客の場所で行われるか、各事例のメーカで行われうる。トレーニングは、システム全体又は生産ライン全体に一度実行されてもよく、較正は、個々の事例ごとに少なくとも一度実行される。
【0060】
実施形態は、また、左側カメラ242と右側カメラ244などの1つ以上のDVSカメラの基準マーカパターンを位置合せするための較正方法を含む。製造及び組立精度の限度によって、引出しに対するDVSカメラの相対的姿勢がDVSユニットにより異なることがある。したがって、カメラ座標系とトレイ座標系間のマッピングを学習するために較正法が使用される。チューブ高さなどの特性は、トレイ表面から測定され、中心オフセットは、各チューブスロット中心から測定される。
【0061】
トレイが引出し内に保持されたとき、位置合せには、3つの座標系、即ちカメラ座標系、トレイ座標系及び引出し座標系が考慮される。これらの3つの座標系の間の較正を行なっている間、較正は、以下の仮定、すなわち(1)トレイ軸のうちの1つが引出し移動方向と合わせされ、その軸がカメラの軸のうちの1つと大雑把に合わせされること、(2)引出しに取り付けられた全てのトレイの表面が、引出し表面に平行な平坦面を構成することによって、2つの座標系、即ちカメラ座標系とトレイ座標系に制限されうる。したがって、対応するカメラ(242と244)の本質的パラメータが既に較正されている場合は、カメラ(242と244)ごとの空の55スロットトレイの1つの画像を使用して、トレイ向きごとにトレイ表面に対するカメラの姿勢を較正できる。
【0062】
図7Aは、実施形態と共に使用するためにスロット402間に配置された基準マーカ400を検出した、例示的トレイ120のトップビューに重ね合わされたトレイ座標系を示す図である。
図7Aに示されたように、トレイ座標系は、x軸とy軸を含む。
図7Bは、実施形態と共に使用するためにスロット402間に配置された、基準マーカ400が検出された例示的トレイのトップビューのカメラ(例えば、左側カメラ242)からの画像である。
図7Bの画像は、空の55スロットトレイの中間行(例えば、第6行)がカメラの視界の中心にあるときに取得された。
【0063】
画像内の検出基準マーカ400はそれぞれ、例えばハフ変換による円検出を使用して位置特定される。トレイ座標系が、カメラ座標系と予め位置合わせされた(例えば、大雑把に位置合わせされた)とき、検出マーカ400は、そのx座標にしたがって4つのクラスタにグループ化されうる。例えば、
図7Aに示された実施形態では、トレイ座標系のy軸は、カメラ座標系のy軸と予め位置合わせされうる。実施形態は、例えばトレイ座標系のx軸をカメラ座標系のx軸と予め位置合わせする方法など、トレイ座標系をカメラ座標系と予め位置合わせする他の方法を含みうる。各クラスタ内の検出マーカ400は、他のクラスタによって構成されたy方向の他の線802に平行なy方向の線802内にある。したがって、1組の平行線802(
図8Aと
図8Bに示された)を検出マーカ400の位置に合わせるために線形回帰が行われうる。同様に、線形回帰を行ってx方向の平行線をわずかな修正で合わせることができる。奇数列上の検出マーカ400が、各菱形領域404の上角にあり、偶数列上の検出マーカ400が、各菱形領域404の右角にある。したがって、同じ行上のマーカが、1対の平行線804(
図8Aと
図8Bに示された)を形成し、他の行上のマーカ400によって形成された対の線804に平行である。
【0064】
図8Aと
図8Bは、左側カメラ242と右側カメラ244から取得された画像上の回帰から得られた検出マーカ400及び平行線802を示す。第6行がカメラの視界の中心にありかつマーカパターンの物理的配置がトレイ表面にある場合に、各検出マーカ400のトレイ表面の物理位置に対する三次元対応関係が識別されうる。三次元及び二次元対応関係{Pi}及び{pi}により、以下のように再投影誤差を最小にすることによってカメラ姿勢を導出できる。
【0065】
R,t = argmin
R,tΣi||p
i- f(RP
i+ t,K
c,d
c)||
2,
【0066】
ここで、f()は、カメラ座標系からその画像平面への三次元から二次元への投影関数であり、K
cは、焦点距離及びカメラの2軸と画像上の主点のスキューとを含む本質的較正行列であり、d
cは、レンズ歪みベクトルである。回転行列Rと並進ベクトルtは、カメラ画像の姿勢を示す非本質的パラメータである。最適化は、例えば、OpenCV APIを使用して実現されうる。
【0067】
トレイ位置合わせ
図9Aと
図9Bは、一実施形態による、投影マーカ900と検出マーカ902の間のオフセットを示すチューブトレイとチューブのトップビューの例示的画像である。基準マーカパターンが既に較正されているとき、カメラ姿勢は、任意の点のトレイ座標系からカメラ座標系へのマッピングを提供する。トレイ120の各行がカメラの視界の中心にあるとき、トレイ120が引出し110と共に移動し、ハードウェアエンコーダ210がカメラ242,244(例えば、左側カメラ242又は右側カメラ244)を大雑把に作動させるとき、引出し110上の現在のトレイ構成(例えば、トレイのタイプ、向き、及び位置)とエンコーダ情報に基づいて、各検出基準マーカ902の二次元投影900が予測されうる。このように、投影マーカ900(
図9Aと
図9Bに示された)が、最近接点探索によって画像上の検出マーカ902を突き合わせるテンプレートとして働きうる。投影マーカ900と検出マーカ902間のオフセットは、ハードウェアエンコーダ210の誤差による補償すべき並進量を示す。したがって、トレイ120の位置を決定して、カメラの視界内にあるトレイ120とチューブスロット402とを位置合わせできる。
【0068】
いくつかの実施形態では、オフセットは、x及びy両方向に10画素以内でよい。しかしながら、実施形態は、任意の画素数のオフセットを含みうる。
【0069】
トレイ120が既に位置合わせされているとき、チューブスロット格子点をトレイ表面の各菱形領域404の中心に定義し、補償されたチューブスロット格子点を画像に投影して、トレイ位置合わせから得られたオフセットに基づいてトレイスロット402を位置特定することによって、チューブスロット位置特定(tube slot localization)が決定されうる。
【0070】
図10Aは、較正中に得られたチューブスロット格子点1002から決定されたy軸線1004とx軸線1006を示す図である。y軸線1004とx軸線1006は、
図10Bに示されたチューブスロット格子点1002をつなぐ。
【0071】
図10Bは、トレイのトップビューの画像の上に重ねられたチューブスロット格子点1002を示す。これらの格子点1002により、各チューブスロット402を入力画像から抽出でき、チューブ占有検出、チューブ分類及びチューブ評価などの様々なタスクのための画像分析を実行できる。
【0072】
図11は、本明細書に開示された実施形態による、トレイ格子較正を使用するトレイ格子位置合わせ及びチューブスロット位置特定の方法を示すフローチャートである。
図11に示されたように、この方法は、ステップ1102で、トレイの1つ以上の新しい画像を取得し、ステップ1104で、トレイ上に配置された基準マーカ400を検出することを含む。ステップ1106に示されたように、引出しハードウェアエンコーダ210が、値(例えば、トレイ120の各行がカメラの視界の中心にあることを示す値)を受け取る。
【0073】
ステップ1108で、投影マーカ900と検出マーカ902の間のオフセットを使用することによって、トレイ120が、前述のように位置合わせされうる。投影マーカ900は、1106からの取得エンコーダ情報と、1118でトレイ較正ファイルに記憶されうるオフライン較正情報(例えば、トレイ上の物理位置に対する各検出基準マーカの対応関係を識別する情報、及び/又は基準マーカパターンを識別する情報)によって決定された引出し110上の現在トレイの構成(例えば、トレイのタイプ、向き、及び位置)とに基づいて予測される。投影マーカ900と検出マーカ902間のオフセットは、ハードウェアエンコーダ210の不正確さによる補償すべき並進量を示す。したがって、カメラの視界内にあるトレイ120とチューブスロット402を位置合わせするために、トレイ120の位置が決定されうる。
【0074】
引出し110上の現在トレイの構成を示すオフライン較正は、前述のように決定されうる。例えば、トレイ較正画像(例えば、
図7Bに示された画像)が、ステップ1110で取得され、基準マーカ400が、ステップ1112で検出される。
【0075】
ステップ1114で、検出マーカ902がクラスタにグループ化され、ステップ1116で、トレイ格子が計算されうる。例えば、検出マーカ902は、
図8Aに示されたx座標にしたがって4つのクラスタにグループ化されうる。前述のように、トレイ格子は、x座標に沿った検出クラスタ化マーカ902の位置に平行線802を合わせ、y座標に沿った各行上の検出マーカ902の位置に対の平行線804を合わせることによって計算されうる。次に、トレイは、トレイ上の物理位置に対する各検出基準マーカの対応関係を識別することによって較正される。次に、カメラ姿勢が、トレイ座標系からカメラ座標系に任意の点のマッピングを提供できる。較正情報(例えば、トレイ上の物理位置に対する各検出基準マーカの対応関係を識別する情報)が、例えば、ステップ1118に示されたようにトレイ較正ファイルに記憶され、1108でトレイを位置合わせするために使用されうる。
【0076】
ステップ1108で、トレイ120が位置合わせされたとき、ステップ1120で、チューブスロット位置特定が決定されうる。例えば、チューブスロット位置特定は、トレイ表面の各菱形領域404の中心におけるチューブスロット格子点1002を定義し、補償されたチューブスロット格子点1002を画像上に投影して、トレイ位置合わせから得られたオフセットに基づいてトレイスロット402を位置特定することによって決定されうる。これらの格子点1002により、各チューブスロット402のチューブスロット画像パッチを入力画像から抽出でき、チューブ占有検出、チューブ分類及びチューブ評価などの様々なタスクのために画像分析を行える。
【0077】
図12は、本発明の実施形態を実現できる例示的な計算処理環境1200の例を示す。計算処理環境1200は、本明細書に示された任意の構成要素の一部として実現されうる。計算処理環境1200は、本発明の実施形態を実現できる計算処理システムの一例であるコンピュータシステム1210を含みうる。
図12に示されたように、コンピュータシステム1210は、コンピュータシステム1210内で情報を通信するためのバス1221や他の通信機構などの通信機構を含みうる。システム1210は、更に、情報を処理するためにバス1221と結合された1つ以上のプロセッサ1220を含む。プロセッサ1220は、1つ以上のCPU、GPU、又は当該技術分野で知られた任意の他のプロセッサを含みうる。
【0078】
コンピュータシステム1210は、また、情報及びプロセッサ1220によって実行される命令を記憶するために、バス1221に結合されたシステムメモリ1230を含む。システムメモリ1230は、読み取り専用メモリ(ROM)1231及び/又はランダムアクセスメモリ(RAM)1232などの揮発性及び/又は不揮発性メモリの形のコンピュータ可読記憶媒体を含んでもよい。システムメモリRAM1232は、他のダイナミック記憶装置(例えば、ダイナミックRAM、スタティックRAM及びシンクロナスDRAM)を含んでもよい。システムメモリROM1231は、他のスタティック記憶装置(例えば、プログラマブルROM、消去可能PROM、及び電気的消去可能PROM)を含んでもよい。更に、システムメモリ1230は、プロセッサ1220による命令の実行中に一時的変数又は他の中間情報を記憶するために使用されることがある。起動中などにコンピュータシステム1210内の要素間で情報を伝達するのを支援する基本ルーチンを含む基本入出力システム1233(BIOS)が、ROM1231に記憶されてもよい。RAM1232は、プロセッサ1220がすぐにアクセスできかつ/又はプロセッサ1520が現在処理しているデータ及び/又はプログラムモジュールを含んでもよい。システムメモリ1230は、更に、例えば、オペレーティングシステム1234、アプリケーションプログラム1235、他のプログラムモジュール1236及びプログラムデータ1237を含んでもよい。
【0079】
コンピュータシステム1210は、また、磁気ハードディスク1241やリムーバブルメディアドライブ1242(例えば、フロッピディスクドライブ、コンパクトディスクドライブ、テープドライブ、及び/又はソリッドステートドライブ)など、情報及び命令を記憶するための1つ以上の記憶装置を制御するためにバス1221に結合されたディスクコントローラ1240を含む。記憶装置は、適切な装置インタフェース(例えば、小型コンピュータシステムインタフェース(SCSI)、集積装置電子回路(IDE)、汎用シリアルバス(USB)又はファイヤワイヤ)を使用してコンピュータシステム1210に追加されてもよい。
【0080】
コンピュータシステム1210は、また、情報をコンピュータユーザに表示するための陰極線管(CRT)や液晶表示装置(LCD)などの表示装置又はモニタ1266を制御するためにバス1221に結合された表示装置コントローラ1265を含んでもよい。コンピュータシステム1210は、コンピュータユーザと対話し情報をプロセッサ1220に提供するために、キーボード1262やポインティング装置1261などのユーザ入力インタフェース1260及び1つ以上の入力装置を含む。ポインティング装置1261は、例えば、指示情報とコマンド選択をプロセッサ1220に通信し、表示装置1266上のカーソルの動きを制御するためのマウス、トラックボール又はポインティングスティックでよい。表示装置1266は、ポインティング装置1261による指示情報及びコマンド選択の通信を補足するか置き換える入力を可能にするタッチスクリーンインタフェースを提供してもよい。
【0081】
コンピュータシステム1210は、本発明の実施形態の処理段階の一部又は全てを、システムメモリ1230などのメモリに含まれる1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスを実行するプロセッサ1220に応じて実行してもよい。そのような命令は、ハードディスク1241やリムーバブルメディアドライブ1242などの別のコンピュータ可読媒体からシステムメモリ1230に読み込まれてもよい。ハードディスク1241は、本発明の実施形態によって使用される1つ以上のデータストア及びデータファイルを収容してもよい。データストアコンテンツ及びデータファイルは、セキュリティを改善するために暗号化されてもよい。プロセッサ1220は、また、システムメモリ1230に収容された命令の1つ以上のシーケンスを実行するために多重処理機構内で使用されてもよい。代替実施形態では、ソフトウェア命令の代わりに又はその命令との組み合わせでハードワイヤード回路が使用されてもよい。したがって、実施形態は、ハードウェア回路とソフトウェアのいかなる特定の組み合わせにも限定されない。
【0082】
以上述べたように、コンピュータシステム1210は、本発明の実施形態によりプログラムされた命令を保持し、また本明細書に記載されたデータ構造、テーブル、レコード又は他のデータを収容するための少なくとも1つのコンピュータ可読媒体又はメモリを含んでもよい。用語「コンピュータ可読媒体」は、本明細書で使用されるとき、実行する命令をプロセッサ1220に提供することに関係する任意の持続性有形媒体を指す。コンピュータ可読媒体は、不揮発性媒体、揮発性媒体及び伝送媒体を含むがこれらに限定されない多数の形態をとってもよい。不揮発性媒体の非限定的な例には、ハードディスク1241やリムーバブルメディアドライブ1242など、光ディスク、ソリッドステートドライブ、磁気ディスク及び光磁気ディスクが挙げられる。揮発性媒体の非限定的な例には、システムメモリ1230などのダイナミックメモリが挙げられる。伝送媒体の非限定的な例には、バス1221を構成する線を含む同軸ケーブル、銅線、及び光ファイバが挙げられる。伝送媒体は、また、電波及び赤外線データ通信中に生成されるものなど、音波又は光波の形をとってもよい。
【0083】
計算処理環境1200は、更に、リモートコンピュータ1280などの1つ以上のリモートコンピュータへの論理接続を使用するネットワーク接続環境で動作するコンピュータシステム1210を含んでもよい。リモートコンピュータ1280は、パーソナルコンピュータ(ラップトップ又はデスクトップ)、移動装置、サーバ、ルータ、ネットワークPC、ピア装置又は他の共通ネットワークノードでよく、典型的には、コンピュータ1210に関して前述した要素の多く又は全てを含む。ネットワーク環境内で使用されるとき、コンピュータ1210は、インターネットなどのネットワーク1271を介した通信を確立するためのモデム1272を含んでもよい。モデム1272は、ネットワークインタフェース1270又は別の適切な機構を介してシステムバス1221に接続されうる。
【0084】
ネットワーク1271は、コンピュータシステム1210と他のコンピュータ(例えば、リモート計算処理システム1280)間の通信を容易にすることができるインターネット、イントラネット、ローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、直接接続、一連の接続、セルラ電話網又は、他のネットワーク又は媒体を含む、当該技術分野で一般に知られている任意のネットワーク又はシステムでよい。ネットワーク1271は、有線、無線又はその組み合わせでよい。有線接続は、イーサネット(登録商標)、汎用シリアルバス(USB)、RJ−11、又は当該技術分野で一般に知られている他の有線接続を使用して実現されてもよい。無線接続は、Wi−Fi、WiMAX及びBluetooth(登録商標)、赤外線、セルラーネットワーク、衛星、又は当該技術分野で一般に知られている他の無線接続方法を使用して実現されてもよい。更に、いくつかのネットワークは、ネットワーク1271内で通信を容易にするために、単独で動作してもよく互いに通信して動作してもよい。
【0085】
プロセッサは、本明細書で使用されるとき、タスクを実行するために、コンピュータ可読媒体上に記憶された機械可読命令を実行する装置であり、ハードウェアとファームウェアのいずれか1つ又は組み合わせを含みうる。プロセッサは、また、タスクを実行するために実行可能な機械可読命令を記憶するメモリを含みうる。プロセッサは、使用する情報を実行可能手順又は情報装置によって処理、分析、修正、変換又は送信し、かつ/又は情報を出力装置に送ることによって情報に作用する。プロセッサは、例えば、コンピュータ、コントローラ又はマイクロプロセッサの能力を使用するか備えてもよく、また実行命令を使用して汎用コンピュータによって実行されない特殊目的の機能を実行するように調整される。プロセッサは、任意の他のプロセッサと結合されて(電気的及び/又は実行可能な構成要素を含むように)、それらの間の対話及び/又は通信を可能にしてもよい。コンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ若しくは専用コンピュータ、又は装置を作成する他のプログラム可能な処理装置を限定なしに含むコンピュータにロードされ、その結果、コンピュータ又は他のプログラム可能な処理装置上で実行するコンピュータプログラム命令が、フローチャートのブロックで指定された機能を実現するための手段を作成する。ユーザインタフェースプロセッサ又はジェネレータは、表示要素又はその一部分を生成するために電子回路若しくはソフトウェア又はその両方の組み合わせを含む既知の要素である。ユーザインタフェース(UI)は、プロセッサ又は他の装置とのユーザ相互作用を可能にする1つ以上の表示要素を含む。
【0086】
本明細書で使用されるような実行可能なアプリケーションは、ユーザの命令又は入力に応じて、オペレーティングシステム、コンテキストデータ収集システム又は他の情報処理システムのものなど、プロセッサを調整して所定の機能を実現するためのコード又は機械可読命令を含む。実行可能な手順は、1つ以上の特定のプロセスを実行するためのコード又は機械可読命令のセグメント、サブルーチン、実行可能アプリケーションのコード又は一部の他の別個のセクションを含む。これらのプロセスは、入力データ及び/又はパラメータを受け取り、受け取った入力データに基づいて演算を実行しかつ/又は受け取った入力データに応じて機能を実行し、得られた出力データ及び/又はパラメータを提供することを含んでもよい。グラフィカルユーザインタフェース(GUI)は、本明細書で使用されるとき、表示プロセッサによって生成され、プロセッサ又は他の装置とのユーザ対話を可能にする1つ以上の表示要素と、関連データ取得及び処理機能を含む。
【0087】
UIは、また、実行可能な手順又は実行可能なアプリケーションを含む。実行可能な手順又は実行可能なアプリケーションは、表示プロセッサを調整してUI表示画像を表す信号を生成する。そのような信号は、ユーザによる検討のために要素を表示する表示装置に供給される。実行可能手順又は実行可能アプリケーションは、更に、キーボード、マウス、ライトペン、タッチスクリーン、又はユーザがプロセッサにデータを提供することを可能にする他の手段などのユーザ入力装置から信号を受け取る。プロセッサは、実行可能な手順又は実行可能なアプリケーションの制御下で、入力装置から受け取った信号に応じてUI表示要素を操作する。このようにして、ユーザは、プロセッサ又は他の装置とのユーザ対話を可能にする入力装置を使用して表示要素と対話する。本明細書の機能及びプロセス段階は、ユーザ命令に応じて自動的、全体的又は部分的に実行されてもよい。自動的に実行される動作(ステップを含む)は、ユーザが動作を直接指示することなく実行可能な命令又は装置動作に応じて実行される。
【0088】
ワークフロープロセッサは、本明細書で使用されるとき、データを処理して、例えばプログラムで指定されたように、タスクリストに追加するタスク又はタスクリストから除去するタスクを決定するか、タスクリストに組み込まれたタスク又はタスクリストに組み込むタスクを修正する。タスクリストは、作業者、装置ユーザ、又は装置若しくは両方の組み合わせによって実行するためのタスクのリストである。ワークフロープロセッサは、ワークフローエンジンを使用してもよく使用しなくてもよい。ワークフローエンジンは、本明細書で使用されるとき、イベント及びイベント関連データに応じてプロセスを実行する所定のプロセス定義に応じて実行するプロセッサである。ワークフローエンジンは、イベント関連データに応じて、プロセスを順次かつ/又は並列に実行して、装置及び/又は作業者によって実行されるタスクを決定し、装置と作業者のタスクリストを決定されたタスクを含むように更新する。プロセス定義は、ユーザによって定義可能であり、例えば、装置と作業者によって実行される開始、待機、決定及びタスク割り当てステップの1つ以上を含む一連のプロセスステップを含む。イベントは、プロセス定義を使用して実行されるプロセスの動作に影響を及ぼすオカレンスである。ワークフローエンジンは、ユーザが従うプロセスを定義することを可能にするプロセス定義関数を含み、またイベントモニタを含むことがある。ワークフローエンジン内のプロセッサは、プロセス定義にしたがって、どのプロセスが動作しているか、どの患者に関するものか、医者、及び次にどのステップを実行すべきかを追跡し、実行されるタスクを医者に通知するための手順を含みうる。
【0089】
本明細書に示された図のシステム及びプロセスは網羅的ではない。本発明の原理にしたがって、同じ目的を達成する他のシステム、プロセス及びメニューが導出されてもよい。本発明を特定の実施形態に関して述べてきたが、本明細書に示し述べた実施形態と変形が、単に説明のためのであることを理解されたい。現行の設計に対する修正は、本発明の範囲から逸脱することなく当業者によって実行されうる。更に、プロセス及びアプリケーションは、代替実施形態では、
図12のユニットを結合するネットワーク上の1つ以上の(例えば、分散された)処理装置上にあってもよい。図に示された機能とステップはいずれも、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの両方の組み合わせで実現されうる。本明細書内の請求要素は、その要素が語句「means for」を使用して明示的に列挙されない限り
米国特許法112条第6項の条件下で解釈されるべきである。本発明は、例示的な実施形態に関して述べたが、その実施形態に限定されない。当業者は、本発明の好ましい実施形態に対して多くの変更及び修正を行うことができ、そのような変更及び修正が、本発明の真の趣旨から逸脱せずに行われうることを理解するであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、本発明の真の趣旨及び範囲内にあるような全ての等価的変形物を対象として含むように解釈されるべきである。