【課題】第1コネクタに備えられている回路基板の、接触パッドが形成されている第1面の位置精度が高く、第1コネクタの接触パッドと第2コネクタのコンタクトとの間の接触環境を回路基板上の位置によらず同一に保つコネクタ組立体を提供する。
【解決手段】第1コネクタ10は、フレーム11および回路基板13を有する。回路基板13の、不図示の下面(第1面)には、複数の接触パッドが2次元的に配列されている。そして、この回路基板13は、フレーム11の台部113によってその下面が支持されて、その下面が位置決めされている。第2コネクタには2次元的に配列された複数のコンタクトが備えられている。それら複数のコンタクトは、複数の接触パッドに同時に押し当てられる。
前記第2コネクタが、さらに、前記複数のコンタクトを支持して該複数のコンタクトを前記複数の接触パッドに同時に押し当てる押し当て機構を備えたことを特徴とする請求項1に記載のコネクタ組立体。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0012】
図1は、互いに嵌合する第1コネクタと第2コネクタの、嵌合前の状態を示した斜視図である。
【0013】
また、
図2は、
図1に示す第1コネクタと第2コネクタの嵌合状態を示した斜視図である。
【0014】
この
図2に示す状態に嵌合した後、第2コネクタ20に備えられているレバー37が回動操作される。詳細は後述する。
【0015】
第1コネクタ10は、金属製のフレーム11の上に樹脂製の大きなキャップ12が取り付けられた形状を有する。そして、そのキャップ12内に、多数本の電線からなるケーブル(不図示)が接続される。一方、第2コネクタ20は、第1コネクタ10を向いた側に、周囲を壁201で取り囲まれて窪んだ形状の嵌合部202を有する。この第2コネクタ20は機器に固定され接続される。
図2に示すように、第1コネクタ10は、第2コネクタ20側を向いた前端部分が第2コネクタ20の窪み形状の嵌合部202に嵌まり込むようにして嵌合する。
【0016】
ここで、第1コネクタ10には、第2コネクタ20側を向いた嵌合面に2次元的に配列された多数の接続パッド133(
図4(B)参照)が形成されている。第1コネクタ10が第2コネクタ20に嵌合すると、第1コネクタ10の嵌合面は、第2コネクタ20の嵌合面251にほぼ接した状態に対面する。この第2コネクタ20の嵌合面251は、周囲を壁201で囲まれた窪み形状の嵌合部202の底面である。この嵌合面251には、多数の孔252が形成されている。
【0017】
そして、その嵌合面251の多数の孔252の中には、その嵌合面251と同一面あるいは僅かに埋もれた高さに、コンタクト(後述する)が配置されている。そして、第1コネクタ10を第2コネクタ20上に、
図2に示した状態となるように嵌合させ、レバー37を回動操作する。すると、その回動操作により、第2コネクタ20の嵌合面251に形成されている多数の孔252からコンタクトが突き出る向きに移動してきて、第1コネクタ10の接触パッドに接触する。ただし、コンタクトは、接触パッドに接触すると弾性変形する。したがって、コンタクトは、実際には孔252からほとんど突き出ることなく、接触パッドに所定の接触圧を持って接触した状態となる。
【0018】
また、第1コネクタ10のフレーム11には、第2コネクタ20側の外面に複数のロック溝111が形成されている。
【0019】
このロック溝111は、フレーム11の、第2コネクタ20側端部に開口して嵌合方向に延びる第1部分111aと、第1部分111aの奥側において横に延びた第2部分111bとを有するL字形の溝である。
【0020】
また、第2コネクタ20にも、壁201の内側の部分に、複数のロック溝271が形成されている。この第2コネクタ20のロック溝271も、嵌合方向(窪みの奥向き)に延びた第1部分271aと、横に延びた第2部分271bとを有し、全体としてL字形となっている。ただし、第2部分271bは、第1部分271aの上端側に形成されていて、上方(第1コネクタ10側)に開口している。さらに、第2コネクタ20は、そのロック溝271を通って内側に突き出た複数のロック突部264を有する。
【0021】
第1コネクタ10が
図2に示すように第2コネクタ20に嵌合すると、第1コネクタ10のロック溝111と第2コネクタ20のロック溝271が互いに向き合ってL字形の通路が形成される。そして、レバー37を回動操作すると、ロック突部264が、そのL字形の通路のうちの、横向きに延びる第2部分111b,271bによって形成された通路部分を横に移動する。すると、このロック突部264により、第1コネクタ10が第2コネクタ20に対し移動不能にロックされる。
【0022】
また、第2コネクタ20のベースハウジング22の内側の面には、複数のシールド部材31が一周に渡って配置されている。第1コネクタ10のフレーム11および第2コネクタ20のベースハウジング22は金属製である。そして、シールド部材31は、ベースハウジング22に接した状態で、第2コネクタ20に備えられている。第1コネクタ10が第2コネクタ20に嵌合すると、第2コネクタ20に備えられたシールド部材31が第1コネクタ10のフレーム11のシールド接点部112に接触する。これにより、第1コネクタ10と第2コネクタ20が一体にシールドされる。
【0023】
第1コネクタ10を第2コネクタ20に、
図2に示した状態に嵌合させてレバー37を回動操作する。すると、先ずはロック突部264が横向きに移動を開始して、第1コネクタ10をロックする。次いで、第2コネクタ20の嵌合面251の孔252からコンタクトが上昇する。この上昇してきたコンタクトは、第2コネクタ20の嵌合面251に対面した位置にある、第1コネクタ10の嵌合面に形成されている接触パッド133に押し当てられる。
【0024】
さらに、第2コネクタ20の嵌合面251の長手方向両側から、ポストピン33が突き出ている。第1コネクタ10が第2コネクタ20に嵌合すると、これら2本のポストピン33は、第1コネクタ10に設けられている位置決め孔136(
図3参照)に差し込まれた状態となる。これら2本のポストピン33は、いずれも、嵌合面251の幅方向同じ側寄り(
図1の手前寄り)に設けられている。このため、第1コネクタ10は、第2コネクタ20に、長手方向逆向きには嵌合できず、
図1,
図2に示す向きでのみ嵌合可能となっている。
【0025】
以下では、先ず、第1コネクタ10について詳述し、次いで第2コネクタ20について詳述し、その後、第1コネクタ10と第2コネクタ20の嵌合時の動作について詳述する。
【0026】
図3は、第1コネクタの分解斜視図である。
【0027】
この第1コネクタ10は、
図1,
図2を参照して説明したフレーム11と、キャップ12のほか、回路基板13およびリテーナ14を備えている。
【0028】
そして、この第1コネクタ10を構成する各部品は、4本の短ネジ15と4本の長ネジ16とで固定されている。
【0029】
フレーム11は、前述の通り、金属製であって、その外側面に複数のロック溝111とシールド接点部112が設けられている。
【0030】
また、回路基板13には、
図3に示す上面131とは逆向き(下向き)の下面132(
図4(B)参照)に、多数の接触パッド133が2次元的に配列されている。なお、本明細書にいう「2次元的」とは、接触パッド133が行列状に整列する場合のほか、隣接する行又は列が相互にずれている場合等を含むものとする。この回路基板13の下面132が、第1コネクタ10の、第2コネクタ20への嵌合面である。
【0031】
また、この回路基板13は、その左右に舌部134が突き出ている。これに対応して、フレーム11には、その舌部134が載る台部113が設けられている。また、回路基板13の舌部134には、位置決め孔135,136が設けられている。一方、フレーム11の台部113には位置決めピン114が設けられている。この位置決めピン114は、フレーム11の左右の台部113に1つずつ、合計2つ設けられている。またこれら2つの位置決めピン114は、幅方向同じ側寄り(
図3における奥側寄り)に設けられている。
【0032】
さらに、フレーム11には、第2コネクタ20(
図1参照)側を向いた下面側に大きな開口115が開いている。
【0033】
回路基板13は、その舌部134がフレーム11の台部113の上に、フレーム11の位置決めピン114が回路基板13の位置決め孔135に挿し込まれた状態に載置される。これにより、回路基板13は、フレーム11に対し位置決めされる。
【0034】
左右の舌部134には、それぞれに2つずつの位置決め孔135,136が設けられている。一方、フレーム11の台部113に設けられている位置決めピン114は、左右の各台部113につき1つずつである。これら台部113に設けられている位置決めピン114は、左右2つずつの位置決め孔135,136のうちの左右1つずつの位置決め孔135に差し込まれることで、フレーム11に対する回路基板13の位置決めを行なっている。左右2つずつの位置決め孔135,136のうちの残り1つずつの位置決め孔136には、嵌合の際に、第2コネクタ20に設けられているポストピン33(
図1参照)が差し込まれる。
【0035】
ここで、フレーム11の台部113には、回路基板13の、接触パッド133が形成された下面132(
図4(B)参照)が接し、その下面132が、フレーム11に対し位置決めされている。このため、回路基板13に厚みのばらつき等があっても、回路基板13上の接触パッド133は、フレーム11に対し常に正しく位置決めされる。したがって、第2コネクタ20のコンタクトを、第1コネクタ10の回路基板13上の接触パッド133に、高精度に調整された接触圧で接触させることができる。
【0036】
また、リテーナ14は、フレーム11に支持された回路基板13の上面131に接し、回路基板13をフレーム11の台部113に押し当てた状態に固定する。これにより、回路基板13は、フレーム11の台部113に確実に押し当てられた状態に固定される。
【0037】
短ネジ15は、リテーナ14側から、フレーム11にネジ止めされる。これにより、リテーナ14、回路基板13、およびフレーム11が一体に固定される。また、長ネジ16は、フレーム11側から挿し込まれて、キャップ12をフレーム11に固定している。
【0038】
ここで、リテーナ14は、中央部分が貫通した枠状の部材である。回路基板13の上面131は、リテーナ14の中央部分を通ってキャップ12側に開放されている。また、キャップ12は、上方に膨らんだドーム形状となっている。すなわち、キャップ12と回路基板13の上面131との間には、広い空間が形成されている。この空間には、この第1コネクタ10と第2コネクタ20とからなるコネクタ組立体の用途に応じ、必要な回路部品等が収容される。ここでは、その詳細説明は省略する。
【0039】
図4は、第1コネクタの上面側(
図4(A))、および下面側(
図4(B))を示した各斜視図である。
【0040】
図1には、キャップ12を取り付けた状態の第1コネクタ10の外観が示されている。これに対し、この
図4には、キャップ12を取り外した状態の第1コネクタが示されている。以下では、キャップ12を取り外した状態の第1コネクタであっても、そのまま第1コネクタ10と称する。
【0041】
回路基板13は、フレーム11とリテーナ14とに挟まれている。そして、その回路基板13の、接触パッド133が形成されている下面132が、フレーム11により高精度に位置決めされている。
【0042】
なお、本実施形態では、フレーム11とリテーナ14とを合わせた構成がハウジングの一例に相当し、フレーム11の台部113が位置決め部の一例に相当する。まだ、リテーナ14がハウジングの固定部の一例に相当する。
【0043】
次に、第2コネクタ20について詳述する。
【0044】
図5は、第2コネクタの分解斜視図である。
【0045】
この第2コネクタ20は、大きな部品として、コンタクトブロック21、ベースハウジング22、スライダ23、リフトプレート24、上ハウジング25、ロックプレート26、および、シェル27を有する。
【0046】
コンタクトブロック21は、複数(ここでは12個)備えられている。各コンタクトブロック21には、インサートモールドされた多数本のコンタクト211が配列されている。
【0047】
ベースハウジング22は、平面視で略矩形形状を成し、周囲が壁で取り巻かれて中央が窪んだ形状を有する。そして、窪んだ形状の底面には、12本の長孔221が形成されている。各長孔221には、各コンタクトブロック21が裏面側から圧入され、コンタクト211が長孔221を通過してベースハウジング22の内側に配置される。
【0048】
また、ベースハウジング22の窪みには、上方から、スライダ23およびリフトプレート24が配置され、さらに、その上に、上ハウジング25が置かれる。これらスライダ23およびリフトプレート24には、多数本のコンタクト211を貫通させる多数の孔232,242が形成されている。また、上ハウジング25にもコンタクト211を貫通させる多数の孔252が形成されている。この上ハウジング25の孔252には、コンタクト211の最上部が入り込んでいる。ただし、コンタクト211に力が加わっていない状態では、コンタクト211の最上部は上ハウジング25の孔252の中に入り込んでいて、上ハウジング25の上方には突き出ていない。
【0049】
スライダ23は、長手方向に張り出した張出部233を有し、その張出部233にカム孔234が形成されている。このカム孔234には、後述するカム部材36の第2カム362が入り込む。そして、このスライダ23は、カム部材36の回転により長手方向に押されてスライドする。また、このスライダ23の上面231(リフトプレート24側の面)は、凸形状のカム面となっている。
【0050】
また、リフトプレート24は、スライダ23に重なって広がっている。このリフトプレート24の下面(スライダ23側の面)は、スライダ23の上面231の凸部235に対応した凹形状を有するカム受面となっている。そして、スライダ23の上面231の凸部235がリフトプレート24の下面243の凹部244に入り込んでいる。この状態では、リフトプレート24は下がった位置にある。そして、カム部材36が回転すると、第2カム362の作用によりスライダ23が横にスライドする。すると、スライダ23の上面231の凸部235がリフトプレート24の下面243の凸部に接し、リフトプレート24を持ち上げる。そして、このリフトプレート24は、多数本のコンタクト211を同時に持ち上げる。
【0051】
第1コネクタ10が嵌合している状態では、その第1コネクタ10を構成する回路基板13の、接触パッド133が形成されている下面である嵌合面が上ハウジング25の上面である嵌合面251に重なるように配置される。このため、第1コネクタ10が嵌合している状態では、上ハウジング25から上方に突き出ようとしたコンタクト211は、第1コネクタ10の回路基板13の下面132の接触パッド133に接して弾性変形する。これにより、接触パッド133とコンタクト211が所期の接触圧で接触した状態となる。
【0052】
また、上ハウジング25のさらに上方には、ロックプレート26が配置される。このロックプレート26は、大きな開口261の周りを取り巻く枠形状を有し、その長手方向に張出部262が設けられている。この張出部262には、カム部材36の第1カム361が入り込む位置にカム孔263が形成されている。さらに、このロックプレート26には、開口261内に突き出た複数個(ここでは8個)のロック突部264(
図1を合わせて参照)が形成されている。
【0053】
また、シェル27は、ロックプレート26の開口261に入り込むように配置される。このとき、ロックプレート26のロック突部264は、シェル27に設けられているL字形のロック溝271に入り込む。
【0054】
前述の通り、第1コネクタ10のフレーム11(
図1,
図3参照)にもL字形のロック溝111が形成されている。そして、第1コネクタ10が
図2に示すように嵌合すると、第1コネクタ10と第2コネクタ20の双方のロック溝111,271が向き合って重なり、そこにL字形の通路が形成される。ロックプレート26は、カム部材36が回動すると第1カム361の作用により横向きにスライドする。すると、ロック突部264が、双方のロック溝111,271からなるL字形の通路のうちの、第2部分111b,271bからなる横向きの通路内を移動する。これにより、第1コネクタ10が、第2コネクタ20にロックされる。
【0055】
また、この第2コネクタ20は、
図5に示すように、多数本のシールド部材31、ボールプランジャ32、2本のポストピン33、ロックブロック34、ロックブロックばね35、カム部材36、レバー37、および4本のネジ38を有する。
【0056】
シールド部材31は、ベースハウジング22に、周囲を取り巻く壁221の内壁面側に設けられているシールド部材配置部222に沿う姿勢に配置される。そして、このシールド部材31は、前述した通り、嵌合してきた第1コネクタ10のフレーム11に形成されているシールド接点部112(
図1参照)に接する。こうして、これらのシールド部材31により、第1コネクタ10と第2コネクタ20が一体にシールドされる。
【0057】
また、ボールプランジャ32は、ベースハウジング22の孔223に差し込まれる。そして、組立後のロックプレート26の張出部262の裏面に接する。上述の通り、このロックプレート26は、カム部材36の回転によりスライドする。このロックプレート26の張出部262の裏面には、ボールプランジャ32が接する位置であって、ロックプレート26のスライドの始点と終点との2箇所に、窪み(不図示)が形成されている。そして、このボールプランジャ32は、ロックプレート26のスライドの始点と終点との2箇所でロックプレート26を軽くロックするとともに、後述するレバー37を回動操作するユーザにクリック感を与えている。
【0058】
また、2本のポストピン33は、ベースハウジング22の底部の2つの孔224にそれぞれ差し込まれる。そして、さらに、シェル27に設けられている2つの孔272(ここでは、一方の孔272のみ図示)を貫通し、
図1に示すように、第2コネクタ20の嵌合部202から突き出た状態となる。これら2本のポストピン33は、前述の通り、第1コネクタ10の回路基板13の位置決め孔136に差し込まれる。これにより、第1コネクタ10の長手方向逆向の嵌合が防止されている。
【0059】
ロックブロック34およびロックブロックばね35は、第1コネクタ10が嵌合していないときにカム部材36が回転できないようにロックし、第1コネクタ10が嵌合するとそのロックを解除する部材である。
【0060】
ロックブロック34およびロックブロックばね35は、ベースハウジング22上に配置される。そして、ロックブロック34は、ロックブロックばね35に押されて、第2コネクタ20の窪んだ形状の嵌合部202内に、その先端部341が突き出た状態となる(
図6参照)。この状態では、カム部材36の回転が阻止される。そして、この第2コネクタ20に第1コネクタ10を嵌合させる。すると、ロックブロック34の先端341が嵌合してきた第1コネクタ10に押されロックブロックばね35を押し縮めながら嵌合部202から引っ込む。すると、カム部材36のロックが解除されて、カム部材34が回転可能な状態となる。
【0061】
また、カム部材34は、前述の通り、第1カム361と第2カム362とを有する。第1カム361は、ロックプレート26のカム孔263内に位置し、カム部材36の回転によりロックプレート26をスライドさせる。また、第2カム362は、スライダ23のカム孔234内に位置し、カム部材36の回転によりスライダ23をスライドさせる。
【0062】
レバー37は、カム部材36にネジ止めされる。そして、このレバー37は、ユーザにより回動操作される。レバー37が回動すると、カム部材36も一体に回動する。
【0063】
4本のネジ38は、シェル27をベースプレート22に固定する。これにより、シェル27とベースプレート22とに挟まれて配置された各部品を固定する。
【0064】
ここで、この第2コネクタ20では、ベースハウジング22とシェル27とを合わせた構成がハウジングの一例に相当する。また、スライダ23が、スライド板の一例に相当する。さらに、リフトプレート24が、移動板の一例に相当する。
【0065】
図6は、組み立てられた状態の第2コネクタの斜視図である。
【0066】
組み立てられた状態の第2コネクタ20は、
図1にも示されている。この
図6では、
図1とは向きを変えた姿勢の第2コネクタ20が示されている。
【0067】
この
図6には、
図1には表れていない、ロックブロック34の先端部341が示されている。
【0068】
図7は、第1コネクタと第2コネクタとが嵌合し、かつレバーが回動操作される前の状態を示した斜視図(A)と、その部分拡大図(B)である。ここで、
図7(B)の拡大図は、
図7(A)に示した円Cの部分の拡大図である。この
図7以降の各図では、第1コネクタ10のキャップ12(
図1,
図2参照)は、図示省略され、回路基板13の上面131があらわれている。
【0069】
この
図7に示す、レバー37が回動操作される前においては、ロック突部264は、ロック溝271,111内の、
図7(B)に示す位置にある。ロック突部264がこの位置にあるときは、第1コネクタ10はロックされておらず、第1コネクタ10は第2コネクタ20から取り外すことができる状態にある。
【0070】
図8は、
図7に示す、レバーを回動操作する前の状態における、平面図(A)、一部を断面して示した部分断面平面図(B)、および縦断面図(C)である。ここで、
図8(C)は、
図8(A)に示す矢印A−Aに沿う断面図である。また、
図8(B)は、
図8(C)に示す矢印B−Bに沿う部分を断面して示した部分断面平面図である。
【0071】
図8(B)に示すように、ロックブロック34は、その先端部341が第1コネクタ10によって押されて
図8(B)の右側にスライドし、ロックブロックばね35を押し縮めた状態にある。この状態では、ロックブロック34の突当壁面342がカム部材36の被突当壁面363から離れている。すなわち、カム部材36のロックが解除された状態にあり、レバー37を回動操作してカム部材36を回すことが可能である。
【0072】
第1コネクタ10を第2コネクタ20から取り外すと、ロックブロック34がロックブロックばね35に押される。そして、ロックブロック34の先端部341が、窪んだ形状の嵌合部202内に突き出た状態となる(
図6参照)。この状態では、ロックブロック34の突当壁面342が、カム部材36の被突当壁面363に突き当てられている。すると、カム部材34がロックされた状態となり、レバー37を回動させようとしてもロックブロック34によりその回動が阻止される。
【0073】
図9は、
図8(C)に示す円Dの部分の拡大図である。
【0074】
コンタクトブロック21は、ベースハウジング22の長孔221に、その下方から圧入されている。そして、そのコンタクトブロック21を構成するコンタクト211が、上方に突き出ている。そして、そのコンタクト211は、スライダ23の孔232、およびリフトプレート24の孔242を貫通し、その上端部が上ハウジング25の孔252の内部にまで延びている。この上ハウジング25の直上には、第1コネクタ10の回路基板13が位置している。この回路基板13の、上ハウジング25に対面した下面には接触パッド133が形成されている。
【0075】
スライダ23の上面231は、多数の凸部235を有するカム面となっている。また、リフトプレート24の下面243も、多数の凹部244を有するカム受面となっている。
【0076】
そして、
図9に示す状態、すなわち、
図7に示す、レバー37を回動操作する前の状態のときは、スライダ23の凸部235がリフトプレート24の凹部244に入り込んでいる。この状態にあるときは、コンタクト211には、リフトプレート24による押し上げの力は作用していない。
【0077】
図10は、レバーを途中まで回動させた状態を示した斜視図(A)と、その部分拡大図(B)である。ここで、
図10(B)は、
図10(A)に示した円Cの部分の拡大図である。
【0078】
ここでは、
図10(A)に示す通り、レバー37は途中まで回動した状態にある。この状態では、ロック突部264は、
図10(B)に示すように、ロック溝271,111内の横に延びた第2部分271b,111bの途中位置まで移動している。ロック突部264がこの位置まで移動すると、第1コネクタ10は既にロックされた状態となる。すなわち、第1コネクタ10は、第2コネクタ20から取り外すことはできず、この嵌合状態に固定された状態となる。
【0079】
前述の通り、このロック突部264は、ロックプレート26(
図5参照)に設けられている。そして、このロックプレート26のカム孔263にカム部材36の第1カム361が入り込んでいる。レバー37を回すとそのレバー37と一体にカム部材36が回動し、第1カム361がカム孔263の壁面を押してロックプレート26がスライドする。すなわち、
図10に示す、レバー37を途中まで回動させた状態において、既に第1カム361がロックプレート26に作用し、ロックプレート26が移動途中にあることを意味している。
【0080】
図11は、
図10に示す、レバーが途中まで回動した状態における、平面図(A)、一部を断面して示した部分断面平面図(B)、および縦断面図(C)である。ここで、
図11(C)は、
図11(A)に示す矢印A−Aに沿う断面図である。また、
図11(B)は、
図11(C)に示す矢印B−Bに沿う部分を断面して示した部分断面平面図である。
【0081】
図11(B)に示すように、カム部材36は、
図8(B)と同様に、ロックブロック34によるロックが解除された状態にある。ただし、このカム部材36は、
図8(B)に示す状態から回動している。この回動により、第1カム361(
図5参照)がロックプレート26に作用してロックプレート26をスライドさせ、第1コネクタ10をロックしている。
【0082】
図11(B)に示すように、この回動により、第2カム362も回動している。ただし、この段階では、スライダ23は、第2カム362により未だ押されておらず、スライドを開始していない。
【0083】
図12は、
図11(C)に示す円Dの部分の拡大図である。
【0084】
レバー37を
図10に示した姿勢にまで回動させた段階においては、スライダ23はスライドを開始していない。したがって、リフトプレート24も未だ持ち上げられておらず、コンタクト211も変形前の状態にとどまっている。
【0085】
図13は、レバーを最終姿勢まで回動させた状態を示した斜視図(A)と、その部分拡大図(B)である。ここで、
図13(B)は、
図13(A)に示した円Cの部分の拡大図である。なお、これら
図13(A),(B)には、シェル27(
図5参照)を取り外した状態が示されている。
【0086】
この
図13に示すように、レバー37を最終の姿勢にまで回動させると、カム部材36も
図10に示した状態からさらに回動する。そして、カム部材36の、ロックプレート26のカム孔263に入り込んでいる第1カム361がロックプレート26をさらに押し、ロック突部264がこの
図13に示す最終位置まで横に移動する。これにより、第1コネクタ10は、第2コネクタ20にさらに確実にロックされる。
【0087】
図14は、
図13に示す、レバーを最終姿勢まで回動した状態における、平面図(A)、一部を断面して示した部分断面図平面図(B)、および縦断面図(C)である。ここで、
図14(C)は、
図14(A)に示す矢印A−Aに沿う断面図である。また、
図14(B)は、
図14(C)に示す矢印B−Bに沿う部分を断面して示した部分断面平面図である。この
図14においても、
図13と同様、シェル27を取り外した状態が示されている。また、この
図14では、ロックブロック34やロックブロックばね35も図示が省略されている。
【0088】
レバー37を最終姿勢にまで回動させると、カム部材36も最終姿勢にまで回動する。そして、そのカム部材36の回動により、
図14(B)に示すように、スライダ23のカム孔234に入り込んでいる第2カム362がスライダ23を押して、スライダ23をスライドさせている。
【0089】
図15は、
図14(C)に示す円Dの部分の拡大図である。
【0090】
レバー37を
図13に示した最終姿勢にまで回動させると、先にスライドを開始していたロックプレート26だけでなく、スライダ23もスライドする。その結果、スライダ23の上面231に形成されているカム面の凸部235が、リフトプレート23の下面243に重なり、リフトプレート23が上に持ち上げられる。その結果、配列されている多数本のコンタクト211が、リフトプレート24の上面241により一斉に持ち上げられる。コンタクト211の上端部は、上ハウジング25に設けられている孔252に入り込んでいて、その上ハウジング25の直上には第1コンタクト10の回路基板13が対面している。この回路基板13の、上ハウジング25に対面した下面には接触パッド133が形成されている。このため、リフトプレート24により持ち上げられたコンタクト211は、回路基板13の下面の接触パッド133に所期の接触圧で確実に接触する。ここで、多数本のコンタクト211は、1枚のリフトプレート24により同時に持ち上げられる。したがって、例えば特許文献1のようにスライダ23に相当する部材のカム面で個々のコンタクト211を個別に持ち上げる構成と比べ、接触圧や接触タイミングのばらつきが抑えられる。