特開2020-74705(P2020-74705A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-74705(P2020-74705A)
(43)【公開日】2020年5月21日
(54)【発明の名称】豆乳甘酒の製造方法及び豆乳甘酒
(51)【国際特許分類】
   A23L 2/38 20060101AFI20200424BHJP
   A23L 11/00 20160101ALN20200424BHJP
【FI】
   A23L2/38 102
   A23L11/00 104Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-209558(P2018-209558)
(22)【出願日】2018年11月7日
(71)【出願人】
【識別番号】000002196
【氏名又は名称】サッポロホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100176773
【弁理士】
【氏名又は名称】坂西 俊明
(72)【発明者】
【氏名】池内 啓
【テーマコード(参考)】
4B020
4B117
【Fターム(参考)】
4B020LB18
4B020LC02
4B020LG05
4B020LK17
4B020LP18
4B020LQ06
4B117LC03
4B117LG11
4B117LG12
4B117LP05
4B117LP20
(57)【要約】
【課題】適度な甘みを有しつつ、アミノ酸を豊富に含む豆乳甘酒の製造方法を提供すること。
【解決手段】豆乳と麹とを混合し、豆乳を第1の温度で麹菌により発酵させる一次発酵工程と、一次発酵工程後の豆乳を第1の温度とは異なる第2の温度で麹菌により発酵させる二次発酵工程と、を備える、豆乳甘酒の製造方法。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
豆乳と麹とを混合し、前記豆乳を第1の温度で麹菌により発酵させる一次発酵工程と、前記一次発酵工程後の豆乳を前記第1の温度とは異なる第2の温度で麹菌により発酵させる二次発酵工程と、を備える、豆乳甘酒の製造方法。
【請求項2】
前記第2の温度が、前記第1の温度より高い、請求項1に記載の豆乳甘酒の製造方法。
【請求項3】
前記第2の温度が、60〜70℃である、請求項1又は2に記載の豆乳甘酒の製造方法。
【請求項4】
タンパク質構成アミノ酸を含む、豆乳甘酒であって、
前記タンパク質構成アミノ酸の総含有量が、前記豆乳甘酒全量を基準として、14000mg/L以上である、豆乳甘酒。
【請求項5】
グルコースの含有量が、前記豆乳甘酒1kgあたり、160g以上である、請求項4に記載の豆乳甘酒。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、豆乳甘酒の製造方法及び豆乳甘酒に関する。
【背景技術】
【0002】
豆乳は、各種食品又は食品素材の原料として使用されることがある。豆乳を原料に用いた食品(豆乳食品)としては、例えば、麹菌及び豆乳等を原料として製造される豆腐、湯葉の他に、豆乳を原料として製造される豆乳甘酒がある。豆乳食品については、これまでにも種々の開発がなされている。例えば、特許文献1には、豆乳に麹を加え、麹由来の酵素により豆乳の成分を加水分解することを特徴とする豆乳食品の製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−94708号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
豆乳甘酒は、豆乳を麹菌により発酵させて得ることができる。しかしながら、従来の方法では、適度な甘みを有しながら、吸収性の高い遊離のアミノ酸を豊富に含む豆乳甘酒を製造することが困難であった。
【0005】
本発明は、適度な甘みを有しつつ、アミノ酸を豊富に含む豆乳甘酒の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、豆乳と麹とを混合し、豆乳を第1の温度で麹菌により発酵させる一次発酵工程と、一次発酵工程後の豆乳を第1の温度とは異なる第2の温度で麹菌により発酵させる二次発酵工程と、を備える、豆乳甘酒の製造方法に関する。本発明の製造方法は、上記構成を有するため、適度な甘みを有しつつ、アミノ酸を豊富に含む豆乳甘酒の製造が可能になる。
【0007】
第2の温度は、第1の温度より高いことが好ましい。この場合、アミノ酸をより一層豊富に含む豆乳甘酒の製造が可能になる。
【0008】
第2の温度は、60〜70℃であってよい。この場合、アミノ酸をより一層豊富に含む豆乳甘酒の製造が可能になる。
【0009】
本発明は、タンパク質構成アミノ酸を含む、豆乳甘酒であって、タンパク質構成アミノ酸の総含有量が、豆乳甘酒全量を基準として、14000mg/L以上である、豆乳甘酒に関する。
【0010】
豆乳甘酒のグルコースの含有量は、豆乳甘酒1kgあたり、160g以上であってよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、適度な甘みを有しつつ、アミノ酸を豊富に含む豆乳甘酒の製造方法を提供することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0013】
[豆乳甘酒の製造方法]
本実施形態に係る豆乳甘酒の製造方法は、豆乳と麹とを混合し、豆乳を第1の温度で麹菌により発酵させる一次発酵工程と、一次発酵工程後の豆乳を第1の温度とは異なる第2の温度で麹菌により発酵させる二次発酵工程と、を備える。
【0014】
本明細書において、「豆乳甘酒」は、豆乳を麹菌により発酵させて得られる発酵豆乳(豆乳の麹菌発酵物)を意味する。「豆乳」は、大豆(微粉砕された大豆等)から熱水等によりタンパク質その他の成分を溶出させて得られる乳状の飲料を意味する。豆乳は、繊維質が除去されていてもよいし、除去されていなくてもよい。「豆乳」としては、大豆固形分の含有量が8質量%以上であるものが好ましい。「豆乳」には、例えば、原豆乳、無調整豆乳等が含まれる。
【0015】
[一次発酵工程]
一次発酵工程は、豆乳と麹とを混合し、豆乳を第1の温度で麹菌により発酵させる工程である。一次発酵工程では、豆乳に麹を添加して、第1の温度で、麹に含まれる麹菌により豆乳を発酵させる。一次発酵工程は、麹に豆乳を添加することにより行ってもよい。
【0016】
麹とは、米、麦、豆等の穀物に麹菌を繁殖させたものをいう。麹としては、例えば、米麹、麦麹、豆麹等が挙げられる。一次発酵工程では、1種又は2種以上の麹を使用してもよい。一次発酵工程で使用される麹は、米麹であることが好ましい。麹は、市販のものを使用することができる。麹は、市販の甘酒用の麹を使用することが好ましい。
【0017】
第1の温度は、例えば、30〜80℃であってよく、適度な甘みを有しつつ、アミノ酸がより一層豊富に含まれるようになる観点から、好ましくは40〜70℃又は40〜60℃であり、同様の観点、及び旨味がより強くなり、辛味及び刺激味並びに豆臭及び穀物臭がより抑制される観点から、より好ましくは45〜55℃である。
【0018】
一次発酵工程における第1の発酵時間は、豆乳の種類、麹の種類等に応じて、適宜設定することができる。第1の発酵時間は、例えば、1.0時間以上であってよく、3.0時間以上であってよく、5.0時間以上であってよく、7.0時間以上であってよく、8.0時間以上であってよく、適度な甘みを有しつつ、アミノ酸がより一層豊富に含まれるようになる観点及び旨味がより一層強くなる観点から、好ましくは8.0時間以上、8.5時間以上、9.0時間以上、又は9.5時間以上である。第1の発酵時間は、20.0時間以下であってよく、15.0時間以下であってよく、12.0時間以下であってよく、11.0時間以下であってよく、10.0時間以下であってよい。
【0019】
一次発酵工程における麹の使用量(添加量)は、豆乳1gあたり、0.10〜1.00gであってよく、0.20〜0.60gであってよく、0.30〜0.40gであってよい。
【0020】
[二次発酵工程]
二次発酵工程は、一次発酵工程後の豆乳を第1の温度とは異なる第2の温度で麹菌により発酵させる工程である。二次発酵工程は、一次発酵工程後に得られる混合物の温度を昇温又は降温させることにより実施することができる。
【0021】
第2の温度は、第1の温度とは異なる温度であればよく、例えば、30〜80℃であってよく、適度な甘みを有しつつ、アミノ酸がより一層豊富に含まれるようになる観点から、40〜70℃であることが好ましく、50〜70℃であることがより好ましく、60〜70℃又は55〜65℃であることが更に好ましい。
【0022】
第2の温度は、第1の温度より高くてもよく、第1の温度より低くてもよい。第2の温度は、適度な甘みを有しつつ、アミノ酸がより一層豊富に含まれるようになる観点から、第1の温度より高いことが好ましい。
【0023】
第1の温度と第2の温度との差の絶対値は、5℃〜20℃であってよく、7℃〜15℃であってよく、8〜12℃であってよく、10℃であってよい。第2の温度が第1の温度より高い場合、第2の温度は、第1の温度Tに対して、T+5℃以上、T+7℃以上、又はT+10℃以上であってよく、T+20℃以下又はT+15℃以下であってよい。第2の温度は、第1の温度Tに対して、T+5℃以上T+20℃以下又は、T+7℃以上T+15℃以下であってよく、T+10℃であってよい。
【0024】
適度な甘みを有しつつ、アミノ酸がより一層豊富に含まれるようになる観点から、第1の温度が、45〜55℃であり、かつ、第2の温度が60〜70℃又は55〜65℃であることが好ましい。
【0025】
二次発酵工程における第2の発酵時間は、豆乳の種類、麹の種類等に応じて、適宜設定することができる。第2の発酵時間は、例えば、1.0時間以上であってよく、3.0時間以上であってよく、5.0時間以上であってよく、7.0時間以上であってよく、8.0時間以上であってよく、適度な甘みを有しつつ、アミノ酸がより一層豊富に含まれるようになる観点、旨味がより強くなる観点、及び豆臭及び穀物臭がより抑制される観点から、好ましくは8.0時間以上、8.5時間以上、9.0時間以上、又は9.5時間以上である。第2の発酵時間は、20.0時間以下であってよく、15.0時間以下であってよい。
【0026】
本実施形態に係る豆乳甘酒の製造方法は、上述の一次発酵工程及び二次発酵工程以外の工程(他の工程)を備えていてもよい。他の工程としては、例えば、二次発酵工程後に、得られた豆乳甘酒をろ過して麹の残渣を除去するろ過工程、豆乳甘酒を殺菌する殺菌工程、豆乳甘酒を均質化する均質化工程等を備えていてもよい。殺菌工程では、超高温加熱処理法(UHT法)により殺菌を行ってよい。殺菌は、例えば、120〜150℃、1〜5秒間の条件で実施してよい。均質化工程では、豆乳甘酒を、ミキサー、高圧ホモジナイザー等を用いて均質化することにより実施してよい。
【0027】
[豆乳甘酒]
本実施形態に係る豆乳甘酒は、タンパク質構成アミノ酸を含む。本実施形態に係る豆乳甘酒において、タンパク質構成アミノ酸の総含有量は、14000mg/L以上である。上述した本実施形態に係る製造方法によれば、タンパク質構成アミノ酸の総含有量が上記範囲内である豆乳甘酒を容易に得ることができる。豆乳甘酒は、そのまま飲食品として使用することもでき、また、飲食品素材として使用することもできる。
【0028】
本明細書において、「タンパク質構成アミノ酸」は、グリシン、アラニン、アスパラギン、システイン、グルタミン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、セリン、プロリン、トレオニン、バリン、フェニルアラニン、トリプトファン、チロシン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、ヒスチジン及びリシンを意味する。タンパク質構成アミノ酸の総含有量は、上述した20種類のアミノ酸の含有量の合計である。タンパク質構成アミノ酸の総含有量は、後述する実施例に記載の方法により測定される。
【0029】
豆乳甘酒のタンパク質構成アミノ酸の総含有量は、豆乳甘酒全量を基準として、14000mg/L以上であればよく、15000mg/L以上、15500mg/L以上、16000mg/L以上、16500mg/L以上、17000mg/L以上、17500mg/L以上、18000mg/L以上、18500mg/L以上、19000mg/L以上又は19500mg/L以上であってよく、25000mg/L以下、22500mg/L以下又は21000mg/L以下であってよい。
【0030】
豆乳甘酒は、グルコースを含んでいてよい。豆乳甘酒のグルコースの含有量は、豆乳甘酒1kgあたり、160g以上であってよく、165g以上、170g以上、175g以上、180g以上、185g以上又は190g以上であってよく、200g以下又は195g以下であってよい。豆乳甘酒のグルコースの含有量は、後述する実施例に記載の方法により測定される。
【0031】
豆乳甘酒は、イソフラボン類を含んでいてよい。イソフラボン類は、骨格にイソフラボンを有する成分である。イソフラボン類としては、例えば、ダイジン、ダイゼイン、ゲニスチン及びゲニステインが挙げられる。ダイジン及びゲニスチンは、それぞれダイゼイン及びゲニステインの配糖体である。
【0032】
豆乳甘酒のダイジンの含有量は、例えば、豆乳甘酒全量を基準として、0.50mg/100g以上又は0.55mg/100g以上であってよく、1.50mg/100g以下、1.00mg/100g以下、又は0.65mg/100g以下であってよい。
【0033】
豆乳甘酒のダイゼインの含有量は、例えば、豆乳甘酒全量を基準として、0.85mg/100g以上、1.00mg/100g以上、1.20mg/100g以上、又は1.40mg/100g以上であってよく、2.10mg/100g以下、1.75mg/100g以下、又は1.65mg/100g以下であってよい。
【0034】
豆乳甘酒のゲニスチンの含有量は、例えば、豆乳甘酒全量を基準として、0.10mg/100g以上、0.50mg/100g以上、又は0.60mg/100g以上であってよく、1.70mg/100g以下、1.00mg/100g以下、又は0.70mg/100g以下であってよい。
【0035】
豆乳甘酒のゲニステインの含有量は、例えば、豆乳甘酒全量を基準として、1.40mg/100g以上、2.00mg/100g以上、又は2.50mg/100g以上であってよく、4.00mg/100g以下、3.50mg/100g以下、3.00mg/100g以下、又は2.90mg/100g以下であってよい。
【0036】
豆乳甘酒のダイジン、ダイゼイン、ゲニスチン及びゲニステインの合計含有量は、豆乳甘酒全量を基準として、5.00mg/100g以上又は5.30mg/100g以上であってよく、9.00mg/100g以下であってよい。
【0037】
ダイジン、ダイゼイン、ゲニスチン及びゲニステインそれぞれの含有量は、後述する実施例に記載の方法により測定される。
【0038】
本実施形態に係る豆乳甘酒は、容器に入れて提供することができる。容器は、密閉できるものであればよく、例えば、金属製(アルミニウム製又はスチール製等)の缶容器、ガラス容器、ペットボトル容器、紙容器、パウチ容器等を適用することができる。
【実施例】
【0039】
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は、以下の実施例により限定されるものではない。
【0040】
[試験例1]
<豆乳甘酒(発酵豆乳)の調製>
豆乳(無調整豆乳、不二製油株式会社製)に、市販の甘酒用の米麹を豆乳1gあたり、0.04g又は0.33gとなるように添加した。次いで、豆乳を、表1〜2に示す条件で、一段階又は二段階の発酵で、麹菌により発酵させた。各段階における発酵温度及び発酵時間は、表1〜2に示すとおりとした。発酵終了後、ミキサーで粉砕した。
【0041】
<豆乳甘酒の評価>
比較例及び実施例の豆乳甘酒の官能評価は、「甘味」、「旨味」、「辛味・刺激味」、「豆、穀物臭」及び「総合評価」の評価項目について、訓練されたパネル(五味を識別可能なパネル)5名により行った。
【0042】
「甘味」、「旨味」、「辛味・刺激味」、及び「豆、穀物臭」については、表1に示す比較例3を評点4.0の比較対照品とし、比較対照品と比べて、かなり弱く感じられる場合に評点1.0、弱く感じられる場合に評点2.0、やや弱く感じられる場合に評点3.0、やや強く感じられる場合に評点5.0、強く感じられる場合に評点6.0、かなり強く感じられる場合に評点7.0と評価した。
【0043】
「総合評価」は、飲料としてのおいしさを5段階で評価し、5名のパネルによる平均値を評価スコアとした。総合評価の項目は、「甘味」、「旨味」、「辛味・刺激味」、及び「豆、穀物臭」に加えて、香り(薬品臭、4−ビニルグアイアコール臭等)、水っぽさ、酸味、マイルドさ、スッキリさ、とろみ、えぐみ、及び飲料としての飲みやすさを指標にして官能評価を実施した。総合評価は、飲料としておいしいと感じられるほど、評点が高くなり、飲料としておいしくないと感じられるほど評点が低くなる。
【0044】
表1〜2に一段階の発酵工程を経て製造された比較例の豆乳甘酒及び二段階の発酵工程(一次発酵工程及び二次発酵工程)を経て製造された実施例の豆乳甘酒のグルコース含有量及びアミノ酸含有量の測定結果を示す。
【0045】
グルコース含有量の測定は、以下の方法により、実施した。まず、実施例又は比較例の豆乳甘酒を超純水で1g/250mlに調整した。得られた試料を、1.5ml容高速遠心チューブに移し、15300g、室温(25℃)で15分遠心した。上澄みをアミコンウルトラ3k(日本ミリポア株式会社)で限外濾過したものを、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法により分析した。
【0046】
20種類のアミノ酸(タンパク質構成アミノ酸)の含有量(単位:mg/L)の測定は、全自動アミノ酸分析機により実施した。
【0047】
イソフラボン類である、ダイジン(配糖体)、ダイゼイン、ゲニスチン(配糖体)及びゲニステインそれぞれの含有量の測定は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法により実施した。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
60℃、10時間の条件(一段階の発酵)で豆乳を麹菌により発酵させて得られた比較例3の豆乳甘酒は、適度な甘みを有していた。これに対し、50℃、10時間の条件(一段階の発酵)で豆乳を麹菌により発酵させて得られた比較例2の豆乳甘酒は、より豊富にアミノ酸を含んでいたが、甘みがより弱く感じられるようになった(比較例2〜3の対比)。
【0051】
一次発酵工程及び二次発酵工程(二段階の発酵)を経て製造された実施例の豆乳甘酒は、適度な甘さ(比較例3の豆乳甘酒と同程度の甘さ)を有しつつ、より豊富にアミノ酸が含まれていた(実施例1〜9と比較例3との対比)。二次発酵工程における温度が、一次発酵工程における温度より高い場合(実施例1〜6)、得られる豆乳甘酒は、適度な甘さを有しつつ、より一層豊富にアミノ酸が含まれるものとなった。