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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-74914(P2020-74914A)
(43)【公開日】2020年5月21日
(54)【発明の名称】ワイヤー導入補助具
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/09 20060101AFI20200424BHJP
【FI】
   A61M25/09 530
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-209892(P2018-209892)
(22)【出願日】2018年11月7日
(71)【出願人】
【識別番号】504180239
【氏名又は名称】国立大学法人信州大学
(71)【出願人】
【識別番号】000193612
【氏名又は名称】ミズホ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】特許業務法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】小山 淳一
【テーマコード(参考)】
4C167
4C267
【Fターム(参考)】
4C167AA28
4C167AA80
4C167BB11
4C167BB12
4C167BB40
4C167EE01
4C267AA28
4C267AA80
4C267BB11
4C267BB12
4C267BB40
4C267EE01
(57)【要約】
【課題】簡易な構造で、且つ簡単な操作にて、ワイヤーを容易にカテーテルに挿入することが可能なワイヤー導入補助具を提供する。
【解決手段】本ワイヤー導入補助具1は、ベース本体4Aの表面に、第1カテーテル13の先端側端部を支持する第1カテーテル用溝部10と、第1ガイドワイヤー14の基端側端部を支持する第1ワイヤー用溝部11とを直列に接続して設け、第1カテーテル用溝部10及び第1ワイヤー用溝部11は、共に断面V字状を成し、第1ワイヤー用溝部11の隣接辺11Aが、第1カテーテル用溝部10の隣接辺10Aよりも、各溝部の断面視で内側に位置する。そして、術者は、第1ガイドワイヤー14の基端側端部を、第1ワイヤー用溝部11に沿って第1カテーテル13側に移動させるだけの操作で、その基端側端部を、容易に第1カテーテル13の内腔に挿入することができる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルにワイヤーを挿入するためのワイヤー導入補助具であって、
その本体表面に、前記カテーテルを支持するためのカテーテル用溝部と、前記ワイヤーを支持するためのワイヤー用溝部と、を備え、
前記カテーテル用溝部及び前記ワイヤー用溝部は、共に断面V字状を成し、
前記ワイヤー用溝部の隣接辺が、前記カテーテル用溝部の隣接辺よりも、前記各溝部の断面視で内側に位置するように直列に接続されていることを特徴とするワイヤー導入補助具。
【請求項2】
前記カテーテル用溝部と前記ワイヤー用溝部とを直列に接続して設けた溝部連続体が、並列に複数設けられ、
前記各溝部連続体は、その断面視において、前記ワイヤー用溝部の隣接辺と、前記カテーテル用溝部の隣接辺との間の距離が相違して構成されることを特徴とする請求項1に記載のワイヤー導入補助具。
【請求項3】
前記本体表面に対する、前記カテーテル用溝部及び前記ワイヤー用溝部の深さが、前記各溝部の全長に亘って一定に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のワイヤー導入補助具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤー、例えばガイドワイヤーの基端側端部を、容易にカテーテルの先端側端部に挿入できるように導くワイヤー導入補助具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、カテーテルによる治療や診断が幅広く利用されている。カテーテルは、患者の体内への薬液の注入、体外への廃液等、あるいは脳血管内手術等、様々な医療行為に使用されている。このようなカテーテルを体内に挿入する際、目標部位に適切にカテーテルの先端側端部を導入するために、ガイドワイヤーを用いる場合がある。ガイドワイヤーは、カテーテルに比べて操作しやすく、安全に目標部位に導入することができ、ガイドワイヤーの留置後に、カテーテルをガイドワイヤーに沿わせて目標部位に導入する方法(セルジンガー法)が一般に採用されている。
【0003】
そこで、体内にガイドワイヤーを留置した後、術者は、目標部位に導入したガイドワイヤーの基端側端部を、カテーテルの先端側端部に挿入する操作を行う必要がある。この時、カテーテルもガイドワイヤーも非常に細いために、その挿入操作が非常に難しく、また煩雑であり、時間を要してしまう。しかも、このガイドワイヤーをカテーテルに挿入する操作時には、ガイドワイヤーが体内に留置されているために、その留置されているガイドワイヤーの部分を極力動かすことができず、その挿入操作が困難を極める。しかしながら、患者への負担を軽減するためには、この挿入操作を可能な限り、素早く行うことが求められている。
【0004】
この問題を解決すべく従来技術として、特許文献1及び特許文献2が開示されている。まず、特許文献1に記載されたガイドワイヤー導入補助具は、内腔を有し、該内腔の一方の端部にカテーテルの挿入端部が着脱可能に取り付けられ、前記内腔を介してカテーテルの内腔にガイドワイヤーを導入させることが可能であって、前記内腔は、カテーテルの挿入端部が着脱可能に嵌入されるカテーテル挿入腔と、カテーテル内腔径より大径でガイドワイヤーの導入端部が挿入されるガイドワイヤー挿入腔と、これらカテーテル挿入腔とガイドワイヤー挿入腔とを連通する連結腔とからなり、該内腔を介してカテーテル内腔にガイドワイヤーを導入させるように構成されている。
【0005】
また、特許文献2に記載されたガイドワイヤー導入補助具は、先端と基端と有する板状の本体部と、前記本体部に設けられ、前記先端から前記基端へ延びる溝部とからなり、前記溝部は、先端附近に前記ガイドワイヤーの基端を導入するガイドワイヤー基端導入部、基端附近に前記カテーテルの先端が脱着可能に固定されるカテーテル先端固定部が設けられており、前記カテーテル先端固定部は、前記溝部の幅が基端方向に徐々に広がり、かつ前記溝部の深さが基端方向に徐々に深くなるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−84089号公報
【特許文献2】特開2003−154011号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した、特許文献1に係るガイドワイヤー導入補助具では、当該ガイドワイヤー導入補助具を用いて、ガイドワイヤーの導入端部をカテーテルの内腔に挿入した後、一対の取手部を摘んで本体部を一対の脆弱部に沿って2つに分割することで、ガイドワイヤー導入補助具をカテーテルの挿入端部から離脱させている。このために、術者は、ガイドワイヤーの導入端部をカテーテル内に挿入する操作に加えて、一対の取手部を摘まんで、当該補助具をカテーテルおよびガイドワイヤーから取り除く操作が必要になり、その操作が非常に煩雑となる。また、このガイドワイヤー導入補助具は、複雑な構造を有しており、製造コストが高く、経済的にデメリットがある。
【0008】
また、上述した、特許文献2に係るガイドワイヤー導入補助具では、カテーテル先端固定部の先端部をカテーテルの最先端の外径よりもやや小さめに設定し、当該カテーテル先端固定部にカテーテル先端を突きあてるようにしてカテーテル先端位置を確定させ固定するようにしている。しかしながら、このカテーテル先端をカテーテル先端固定部に突き当てる操作により、カテーテル先端の内腔が縮径する虞があり、このために、ガイドワイヤーの基端部がカテーテル先端に容易に挿入されず、何回もカテーテル先端をカテーテル先端固定部に固定する必要があり、その操作が煩雑となる。
【0009】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、簡易な構造で、且つ簡単な操作にて、ワイヤーを容易にカテーテルに挿入することが可能なワイヤー導入補助具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(発明の態様)
以下に示す発明の態様は、本発明の構成を例示するものであり、本発明の多様な構成の理解を容易にするために、項分けして説明するものである。各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、発明を実施するための最良の形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、又は、更に他の構成要素を付加したものについても、本願発明の技術的範囲に含まれるものである。
【0011】
(1)カテーテルにワイヤーを挿入するためのワイヤー導入補助具であって、その本体表面に、前記カテーテルを支持するためのカテーテル用溝部と、前記ワイヤーを支持するためのワイヤー用溝部と、を備え、前記カテーテル用溝部及び前記ワイヤー用溝部は、共に断面V字状を成し、前記ワイヤー用溝部の隣接辺が、前記カテーテル用溝部の隣接辺よりも、前記各溝部の断面視で内側に位置するように直列に接続されていることを特徴とするワイヤー導入補助具(請求項1の発明に相当)。
(1)項に記載のワイヤー導入補助具では、カテーテル用溝部及びワイヤー用溝部が、共に断面V字状を成し、ワイヤー用溝部の隣接辺が、カテーテル用溝部の隣接辺よりも、各溝部の断面視にて内側に位置するように直列に接続されているので、術者により、カテーテルをカテーテル用溝部上に置き、ワイヤーをワイヤー用溝部上に置いて、当該ワイヤーを、ワイヤー用溝部に沿うようにしてカテーテルに向かって移動させるだけの操作で、ワイヤーを容易にカテーテルの内腔に挿入することができる。
【0012】
(2)(1)項に記載のワイヤー導入補助具であって、前記カテーテル用溝部と前記ワイヤー用溝部とを直列に接続して設けた溝部連続体が、並列に複数設けられ、前記各溝部連続体は、その断面視において、前記ワイヤー用溝部の隣接辺と、前記カテーテル用溝部の隣接辺との間の距離が相違して構成されることを特徴とするワイヤー導入補助具(請求項2の発明に相当)。
(2)項に記載のワイヤー導入補助具では、術者は、カテーテルの外径とワイヤーの外径との差に応じて、複数の溝部連続体の中から適宜対応する溝部連続体を選択することができる。
【0013】
(3)(1)項または(2)項に記載のワイヤー導入補助具であって、前記本体表面に対する、前記カテーテル用溝部及び前記ワイヤー用溝部の深さが、前記各溝部の全長に亘って一定に形成されていることを特徴とするワイヤー導入補助具(請求項3の発明に相当)。
(3)項に記載のワイヤー導入補助具では、製造コストを低減させることができる。しかも、カテーテル用溝部とワイヤー用溝部との境目に形成される段差の面積を増大させることができる。
【0014】
(4)(1)項〜(3)項いずれかに記載のワイヤー導入補助具であって、前記表面は、水平面に対して傾斜角度で傾斜した傾斜面であることを特徴とするワイヤー導入補助具。
(4)項に記載のワイヤー導入補助具では、術者によって、ワイヤー及びカテーテルを操作し易くなる。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係るワイヤー導入補助具によれば、簡易な構造であって、且つ簡単な操作にて、ワイヤーを容易にカテーテルに挿入することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本発明の実施形態に係るワイヤー導入補助具の平面図である。
図2図2は、図1のA−A線に沿う断面図であるが、第1及び第2カテーテルと、第1及び第2ガイドワイヤーの図示を省略した断面図である。
図3図3は、図1において、第1及び第2カテーテル用溝部側の、矢視D側面図である。
図4図4は、図1のB−B線に沿う断面図である。
図5図5は、図1のC−C線に沿う断面図である。
図6図6は、他の実施形態に係るベース本体の側面図である。
図7図7(a)は、他の実施形態に係るワイヤー導入補助具の斜視図であり、(b)は、断面図である。
図8図8(a)は、さらに他の実施形態に係るワイヤー導入補助具の斜視図であり、(b)は、断面図である。
図9図9は、さらに他の実施形態に係るワイヤー導入補助具の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための形態を図1図9に基づいて詳細に説明する。
本発明の実施形態に係るワイヤー導入補助具1は、ワイヤー、例えばガイドワイヤー14、24の基端側端部を、カテーテル13、23の先端側端部に挿入する際に使用される。本発明の実施形態に係るワイヤー導入補助具1は、図1に示すように、ベース本体4Aの表面に、第1及び第2溝部連続体5、6が並列に間隔を置いて配置されて構成されている。なお、後述するが、第1溝部連続体5と第2溝部連続体6とは、術者により使用される、第1(第2)カテーテル13(23)の外径と、第1(第2)ガイドワイヤー14(24)の外径との差に対応して、後述する距離N1、N2(図2参照)が相違するように予め設定されたものである。本実施形態では、第1及び第2溝部連続体5、6が形成されているが、溝部連続体を3箇所以上形成しても良いし、1箇所形成しても良い。本実施形態では、第1(第2)カテーテル13(23)には、マイクロカテーテルが採用される。
【0018】
ベース本体4Aは、金属製、または合成樹脂製で構成される。ベース本体4Aは、図1図3に示すように、断面矩形状にて所定長さ延びるブロック体にて構成されている。このベース本体4Aの上面(表面)に、第1及び第2溝部連続体5、6が並列に間隔を置いてそれぞれ形成されている。
【0019】
第1溝部連続体5は、図1及び図2に示すように、第1カテーテル13の先端側端部を支持するための第1カテーテル用溝部10と、第1ガイドワイヤー14の基端側端部を支持するための第1ワイヤー用溝部11とを直列に接続して設けられている。図4も参照して、第1カテーテル用溝部10は、例えば、サイズが4Fr(内径略1.2mm,外径略1.4mm)の第1カテーテル13に対応するものである。第1カテーテル用溝部10は、断面V字状でベース本体4Aの長手方向に沿って延びている。第1カテーテル用溝部10は、断面V字状、好ましくは断面逆正三角形状に形成される。第1カテーテル用溝部10の断面形状は、ベース本体4Aの長手方向に沿って不変である。すなわち、第1カテーテル用溝部10は、ベース本体4Aの表面に対する深さが、全長に亘って一定に形成されている。
【0020】
なお、第1カテーテル用溝部10は、上述したように断面V字状に形成されており、その隣接辺10A、10A間の角度は、例えば30〜160°の範囲内で適宜設定される。本実施形態では、第1カテーテル用溝部10の隣接辺10A、10A間の角度が60°に設定される。また、第1カテーテル用溝部10において、その深さがベース本体4Aの長手方向に沿って、なだらかに深くまたは浅くなる傾斜溝として構成してもよく、ベース本体4Aの長手方向に沿って、部分的に傾斜溝を構成してもよい。
【0021】
そして、第1カテーテル13を第1カテーテル用溝部10上に置くと、第1カテーテル用溝部10の隣接辺10A、10Aに、第1カテーテル13の外周面がそれぞれ接触する。言い換えれば、第1カテーテル13の外周の接線上に第1カテーテル用溝部10の隣接辺10A、10Aが位置する。なお、第1カテーテル13を第1カテーテル用溝部10上に置いた際、第1カテーテル13の径方向全域が第1カテーテル用溝部10内に位置するように、第1カテーテル用溝部10の深さが設定されている。これにより、第1カテーテル13の第1カテーテル溝部10への設置の際、第1カテーテル13の圧縮変形をきたすことなく、確実に第1カテーテル13の位置決めが成されることになる。
【0022】
図1図2及び図4に示すように、第1ワイヤー用溝部11は、例えば、サイズ(外径)が、0.035〜0.038inch(0.889〜0.965mm)の第1ガイドワイヤー14に対応するものである。当該第1ワイヤー用溝部11は、第1カテーテル用溝部10の一端部に直列に接続されている。第1ワイヤー用溝部11は、第1カテーテル用溝部10の断面形状と相似形状である断面V字状、好ましくは断面逆正三角形状にてベース本体4Aの長手方向に沿って延びている。第1ワイヤー用溝部11の断面形状は、ベース本体4Aの長手方向に沿って不変である。すなわち、第1ワイヤー用溝部11は、ベース本体4Aの表面に対する深さが、全長に亘って一定に形成されている。
【0023】
なお、第1ワイヤー用溝部11は、上述したように断面V字状に形成されており、その隣接辺11A、11A間の角度は、例えば30〜160°の範囲内で適宜設定される。本実施形態では、第1ワイヤー用溝部11の隣接辺11A、11A間の角度は、第1カテーテル用溝部10と同様に、60°に設定される。また、第1ワイヤー用溝部11においても、第1カテーテル用溝部10と同様に、その深さがベース本体4Aの長手方向に沿って、なだらかに深くまたは浅くなる傾斜溝として構成してもよく、ベース本体4Aの長手方向に沿って部分的に傾斜溝を構成してもよい。
【0024】
そして、第1ガイドワイヤー14を第1ワイヤー用溝部11上に置くと、第1ワイヤー用溝部11の隣接辺11A、11Aに、第1ガイドワイヤー14の外周面がそれぞれ接触する。言い換えれば、第1ガイドワイヤー14の外周の接線上に第1ワイヤー用溝部11の隣接辺11A、11Aが位置する。なお、本実施形態では、第1ガイドワイヤー14を第1ワイヤー用溝部11上に置いた際、第1ガイドワイヤー14の径方向全域が第1ワイヤー用溝部11内に位置するように、第1ワイヤー用溝部11の深さが設定されている。
【0025】
図2及び図4に示すように、第1カテーテル用溝部10の最深点と、第1ワイヤー用溝部11の最深点との図中の左右方向の位置は略一致すると共に、上下方向の位置が相違している。すなわち、第1ワイヤー用溝部11の最深点は、第1カテーテル用溝部10の最深点よりも浅く形成される。また、第1ワイヤー用溝部11の隣接辺11A、11Aは、第1カテーテル用溝部10の隣接辺10A、10Aの内側に位置する。さらに、上述したように、第1カテーテル用溝部10及び第1ワイヤー用溝部11は、その深さが全長に亘って一定である。これにより、第1カテーテル用溝部10と第1ワイヤー用溝部11との境目には、ベース本体4Aの短手方向に沿うV字状の壁面17(段差)が現出する。第1カテーテル用溝部10の隣接辺10A、10Aと、第1ワイヤー用溝部11の隣接辺11A、11Aとの間の距離N1は、第1カテーテル13の半径R1(0.70mm)から第1ガイドワイヤー14の半径R2(0.48mm)を差し引いたもの(0.22mm)が基準となる。
【0026】
なお、第1カテーテル溝部10及び第1ワイヤー用溝部11に、上述した傾斜溝が採用される場合でも、第1カテーテル用溝部10と第1ワイヤー用溝部11との境目において、両者10、11の深さが異なり、言い換えれば、その境目において、第1ワイヤー用溝部11の最深点が、第1カテーテル溝部10の最深点より浅く形成され、その位置に段差が現出される。
【0027】
また、上述した距離N1にこの基準値をそのまま採用する場合もあるが、単なる図面上の検討だけでなく、第1カテーテル13の材質等の種類、第1カテーテル13の微妙な屈曲や、第1ガイドワイヤー14の微妙な屈曲等の様々な条件を考慮しつつ、実験等を含めて鋭意検討して、例えば、使用する第1ガイドワイヤー14の半径R1と第1カテーテル13の半径R2との差(0.22mm)である基準値に適宜値を加えたり、当該基準値から適宜値を差し引いて設定する場合もある。要するに、距離N1は、様々な条件を考慮しつつ、第1カテーテル用溝部10上に第1カテーテル13を置いて、また第1ワイヤー用溝部11上に第1ガイドワイヤー14を置いたとき、第1カテーテル13の内腔に、第1ガイドワイヤー14の径方向全域が位置するように適宜設定される。なお、図3に示すように、ベース本体4Aの第1カテーテル用溝部10側の端面で、第1溝部連続体5の下方に、基準値である例えば「0.2」と表示している。
【0028】
図1図2及び図5に示すように、第2溝部連続体6は、第2カテーテル23の先端側端部を支持するための第2カテーテル用溝部20と、第2ガイドワイヤー24の基端側端部を支持するための第2ワイヤー用溝部21とを直列に接続して設けられている。この第2溝部連続体6は、例えば、サイズ(外径)が、0.010〜0.014inch(0.254〜0.356mm)である第2ガイドワイヤー24の基端側端部を、サイズが1.7Fr(外径略0.56mm,内径略0.43mm)の第2カテーテル23の内腔に挿入するためのものである。
【0029】
そして、第2カテーテル用溝部20の隣接辺20A,20Aと、第2ワイヤー用溝部21の隣接辺21A、21Aとの間の距離N2は、第2カテーテル23の半径R1(0.28mm)から第2ガイドワイヤー24の半径R2(0.18mm)を差し引いたもの(0.10mm)が基準となる。なお、この距離N2にこの基準値をそのまま採用する場合もあるが、基準値に適宜値を加えたり、当該基準値から適宜値を差し引いて設定する場合もある。なお、図3に示すように、ベース本体4Aの第2カテーテル用溝部20側の端面で、第2溝部連続体6の下方に、基準値である例えば「0.1」と表示している。第2溝部連続体6のその他の構成は、第1溝部連続体5の構成と同等であるために、ここでの説明を省略する。ところで、本実施形態では、第1溝部連続体5と第2溝部連続体6とを、並列に間隔を置いて配置しているが、第1溝部連続体5の第1カテーテル用溝部10と第2溝部連続体6の第2カテーテル用溝部20とを、並列に間隔を置かず連続して設けてもよい。
【0030】
なお、本実施形態では、ベース本体4Aは、断面略矩形状のブロック体にて形成されているが、他の実施形態として、図6に示すように、ベース本体4Bは、断面直角三角形で所定長さ延びる三角状ベース本体部30と、該三角状ベース本体部30の斜辺上に一体的接続され、断面矩形状で所定長さ延びる矩形ベース本体部31と、から構成される。三角状ベース本体部30の斜辺の傾斜角度αは、60°以下の範囲で適宜設定される。本実施形態では、傾斜角度αは15°である。そして、矩形ベース本体部31の表面に第1及び第2溝部連続体5、6が形成される。
【0031】
このように、ベース本体4Bの、第1及び第2溝部連続体5、6が形成される表面が、水平面に対して傾斜角度15°にて傾斜した傾斜面34に形成されている。これにより、術者により、第1(第2)カテーテル13(23)及び第1(第2)ガイドワイヤー14(24)を目視し易く、第1(第2)ガイドワイヤー14(24)の基端側端部を、第1(第2)カテーテル13(23)の内腔に挿入する操作を簡単なものにすることができる。
【0032】
次に、本実施形態に係るワイヤー導入補助具1の使用方法を説明する。すなわち、本ワイヤー導入補助具1を使用して、第1ガイドワイヤー14の基端側端部を、第1カテーテル13の先端側端部に挿入する方法を説明する。
まず、術者は、使用する第1ガイドワイヤー14の外径(半径)及び第1カテーテル13の外径(半径)を把握して、それに対応する第1または第2溝部連続体5または6のいずれかを選択する。なお、本実施形態では、第1カテーテル13の半径R1が0.7mmで、第1ガイドワイヤー14の半径R2が0.48であり、その差が0.22mmであるので、「0.2」と表示されている第1溝部連続体5が選択される。
【0033】
次に、術者は、第1カテーテル13の先端側端部を、第1溝部連続体5の第1カテーテル用溝部10上に配置する。このとき、第1カテーテル13の先端側端面を、第1カテーテル用溝部10と第1ワイヤー用溝部11との境目におけるV字状の壁面17(図4参照)に突き当てた状態として、第1カテーテル13を第1カテーテル用溝部10上に位置決めする。
【0034】
次に、体内に留置されている第1ガイドワイヤー14であって、体外に余裕を持って突出して延びている第1ガイドワイヤー14の基端側端部を、第1溝部連続体5の第1ワイヤー用溝部11上に配置する。そして、体内に留置されている第1ガイドワイヤー14の部分を極力動かさないように、第1ガイドワイヤー14の基端側端部を、第1ワイヤー用溝部11に沿って第1カテーテル13側に移動させる。すると、第1ガイドワイヤー14の基端側端部が、何ら障害なく容易に第1カテーテル13の内腔に挿入される。挿入された後は、第1カテーテル13及び第1ガイドワイヤー14を、簡単に、本ガイドワイヤー導入補助具1の第1溝部連続体5から離脱させることができる。その後は、術者により、通常通り、第1カテーテル13を第1ガイドワイヤー14に沿って体内に侵入させる。
【0035】
なお、カテーテルの種類によっては、カテーテルの先端が適宜角度で屈曲しているものがあり、その場合も同様で、その屈曲した先端部分を、第1溝部連続体5の第1カテーテル用溝部10上に沿わせて、その先端側端面を第1カテーテル用溝部10と第1ワイヤー用溝部11との境目におけるV字状の壁面17に突き当てる。
そして、上述したように、第1ガイドワイヤー14の基端側端部を、第1ワイヤー用溝部11に沿って第1カテーテル13側に移動させれば、第1ガイドワイヤー14の基端側端部を、容易に第1カテーテル13の内腔に挿入することができる。
【0036】
以上説明したように、本発明の実施形態に係るワイヤー導入補助具1は、例えば、第1ガイドワイヤー14の基端側端部を、第1カテーテル13の先端側端部に容易に挿入できるように導くものであって、ベース本体4A(4B)の表面に、第1カテーテル13の先端側端部を支持するための第1カテーテル用溝部10と、第1ガイドワイヤー14の基端側端部を支持するための第1ワイヤー用溝部11と、を備え、第1カテーテル用溝部10及び第1ワイヤー用溝部11は、共に断面V字状の相似形状を成し、第1ワイヤー用溝部11の隣接辺11A、11Aが、第1カテーテル用溝部10の隣接辺10A、10Aよりも、各溝部10、11の断面視で内側に位置するように直列に接続されている。
【0037】
これにより、術者は、第1カテーテル13の先端側端部を第1溝部連続体5の第1カテーテル用溝部10上に配置した後、第1ガイドワイヤー14の基端側端部を、第1溝部連続体5の第1ワイヤー用溝部11に沿って第1カテーテル13側に移動させるだけの操作で、第1ガイドワイヤー14の基端側端部を、容易に第1カテーテル13の内腔に挿入することができる。さらに、第1ガイドワイヤー14の基端側端部を第1カテーテル13の先端側端部に挿入した後は、第1カテーテル13及び第1ガイドワイヤー14を、簡単に、本ガイドワイヤー導入補助具1から離脱させることができる。しかも、ガイドワイヤー導入補助具1は、シンプルな構造であるので、製造コストを大幅に抑えることができる。
【0038】
また、本発明の実施形態に係るワイヤー導入補助具1では、第1及び第2ワイヤー用溝部11、21の隣接辺11A、21Aと、第1及び第2カテーテル用溝部10、20の隣接辺10A、20Aとの間の距離N1、N2が相違する第1及び第2溝部連続体5、6が複数形成されているので、使用する、第1(第2)カテーテル13(23)及び第1(第2)ガイドワイヤー14(24)の大きさ、すなわち、使用する、第1(第2)カテーテル13(23)の外径と、第1(第2)ガイドワイヤー14(24)の外径との差に対応して、複数の第1及び第2溝部連続体5、6の中から適宜選択して使用することができる。
【0039】
さらに、本発明の実施形態に係るワイヤー導入補助具1の、例えば、第1溝部連続体5において、第1カテーテル用溝部10の断面形状は、ベース本体4Aの長手方向に沿って不変であり、ベース本体4Aの表面に対する深さが、全長に亘って一定に形成されている。一方、第1ワイヤー用溝部11の断面形状も、ベース本体4Aの長手方向に沿って不変であり、ベース本体4Aの表面に対する深さが、全長に亘って一定に形成されている。これにより、第1カテーテル用溝部10と第1ワイヤー用溝部11との境目に形成される壁面17(段差)がV字状を呈しその面積を増大させることができる。この結果、術者により、第1カテーテル13の先端側端面を、第1カテーテル用溝部10及び第1ワイヤー用溝部11の境目の壁面17に干渉させ易くなり、第1カテーテル13を第1カテーテル用溝部10上に容易に位置決めすることができる。しかも、本ワイヤー導入補助具1の製造コストを低減させることができる。
【0040】
さらにまた、本発明の実施形態に係るワイヤー導入補助具1では、ベース本体4Bの、第1及び第2溝部連続体5、6が形成される表面が、水平面に対して傾斜角度15°にて傾斜した傾斜面34に形成されているので、術者による、第1(第2)ガイドワイヤー14(24)の基端側端部を、第1(第2)カテーテル13(23)の内腔に挿入する操作をより簡単に行うことができる。
【0041】
なお、本実施形態に係るワイヤー導入補助具1では、第1及び第2溝部連続体5、6の、第1及び第2カテーテル用溝部10、20、並びに第1及び第2ワイヤー用溝部11、21は、断面V字状で、その底部が断面鋭角状を呈しているが、湾曲状に形成されてもよい。また、第1及び第2溝部連続体5、6の、第1及び第2カテーテル用溝部10、20、並びに第1及び第2ワイヤー用溝部11、21の底部に凹状の溝部を形成してもよい。さらに、第1及び第2溝部連続体5、6の、第1及び第2カテーテル用溝部10、20、並びに第1及び第2ワイヤー用溝部11、21の底部に、対応する、第1及び第2カテーテル13、23、並びに第1及び第2ガイドワイヤー14、24の外周面と非接触となる平面部を形成してもよい。
【0042】
また、本実施形態に係るワイヤー導入補助具1では、第1及び第2カテーテル用溝部10、20、並びに第1及び第2ワイヤー用溝部11、21は、断面V字状を成し、一対の壁面(隣接辺10A、20A、11A、21A)が、断面視でそれぞれ直線状を呈しているが、当該壁面が断面視で内側に向かう湾曲凸状、湾曲凹状、またはS字状に形成されてもよく、その他機械加工に適した形状を利用することが可能である。
このように、第1及び第2カテーテル用溝部10、20、並びに第1及び第2ワイヤー用溝部11、21は、全体として、断面略V字状に形成されてあればよい。
【0043】
さらに、本実施形態に係るワイヤー導入補助具1では、ベース本体4Aの表面に、第1(第2)溝部連続体5(6)として、第1(第2)カテーテル用溝部10(20)と、第1(第2)ワイヤー用溝部11(21)とが、直列に接続されて構成されているが、第1(第2)カテーテル用溝部10(20)と、第1(第2)ワイヤー用溝部11(21)とを、別々のベース本体の表面にそれぞれ設けて、これらのベース本体を、接着、溶接やカシメ等適宜の接続手段により一体的に接続するように構成してもよい。
【0044】
次に、他の実施形態に係るワイヤー導入補助具1を図7図9に基づいて説明する。図7に示す実施形態に係るワイヤー導入補助具1では、ブロック状のベース本体4Aの上側角部を跨るように、溝部連続体25として、カテーテル用溝部30とワイヤー用溝部31とが直列に接続して設けられている。カテーテル用溝部30は、断面V字状に形成されているが、この実施形態では、隣接辺30A、30A間の角度が90°であり、その形成位置により断面L字状と表現することもある。言い換えれば、カテーテル用溝部30において、一方の隣接辺30Aが水平方向に延び、他方の隣接辺30Aが鉛直方向に延びている。一方、同様に、ワイヤー用溝部31は、断面V字状に形成されているが、この実施形態では、隣接辺31A、31A間の角度が90°であり、その形成位置により断面L字状と表現することもある。言い換えれば、ワイヤー用溝部31において、一方の隣接辺31Aが水平方向に延び、他方の隣接辺31Aが鉛直方向に延びている。そして、ワイヤー用溝部31の隣接辺31A、31Aが、カテーテル用溝部30の隣接辺30A、30Aの内側に位置する。
【0045】
また、図8に示す実施形態に係るワイヤー導入補助具1では、ブロック状のベース本体4Aの上側角部を跨るように、図7に示す溝部連続体25が並列に連続して複数設けられている。この実施形態では、各溝部連続体25、25が階段状を呈している。これら各溝部連続体25、25においては、カテーテル用溝部30の隣接辺30A、30Aと、ワイヤー用溝部31の隣接辺31A、31Aとの間の距離M1、M2、M3が互いに相違している。具体的には、溝部連続体25が下側に位置するにつれてその距離M1、M2、M3が次第に大きく設定されている(M1<M2<M3)。なお、その逆で、溝部連続体25が上側に位置するにつれてその距離M1、M2、M3を次第に大きく設定してもよい。
【0046】
さらに、図9に示す実施形態に係るワイヤー導入補助具1では、ベース本体4Aの上側角部を跨るように、カテーテル用溝部30及びワイヤー用溝部31を有する溝部連続体25が形成されている。カテーテル用溝部30は、隣接辺30A、30A間の角度が90°である断面V字状に形成されており、一方の隣接辺30Aが水平方向に対して傾斜して延び、他方の隣接辺30Aが鉛直方向に対して傾斜して延びている。一方、ワイヤー用溝部31も、同様に、隣接辺31A、31A間の角度が90°である断面V字状に形成されており、一方の隣接辺31Aが水平方向に対して傾斜して延び、他方の隣接辺31Aが鉛直方向に対して傾斜して延びている。
【0047】
なお、以上の説明では、本実施形態に係るワイヤー導入補助具1を使用して、第1(第2)ガイドワイヤー14(24)の基端側端部を、第1(第2)カテーテル13(23)としてのマイクロカテーテルの内腔に挿入する実施形態を説明したが、マイクロカテーテルの他、マイクロバルーンカテーテル及び頸動脈用バルーンカテーテルにも適用することができる。
【0048】
また、以上の説明では、本実施形態に係るワイヤー導入補助具1により、ワイヤーとしてのガイドワイヤー14、24の基端側端部を、カテーテル13、23の先端側端部に容易に挿入できることを説明したが、例えば、塞栓コイルを使用する場合、状況により、塞栓コイルの基端側端部に接続されているデリバリーワイヤーを、イントロデューサーシースに挿入する場合があり、この場合、イントロデューサーシースの外径もマイクロカテーテルと同様に非常に細いために、本実施形態に係るワイヤー導入補助具1を適用することができる。
【0049】
要するに、本実施形態に係るワイヤー導入補助具1においては、医療現場にて使用する、ワイヤーの種類(ガイドワイヤー、デリバリーワイヤーや電極線等)、及びカテーテル(医療用の細い管状のもの)の種類(シース等を含む)が限定されることはない。
【符号の説明】
【0050】
1 ワイヤー導入補助具,4A、4B ベース本体(本体),5 第1溝部連続体,6 第2溝部連続体,10 第1カテーテル用溝部,10A 隣接辺(第1カテーテル用溝部側),11 第1ワイヤー用溝部,11A 隣接辺(第1ワイヤー用溝部側),20 第2カテーテル用溝部,20A 隣接辺(第2カテーテル用溝部側),21 第2ワイヤー用溝部,21A 隣接辺(第2ワイヤー用溝部側)
図1
図2
図3
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図5
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図7
図8
図9