【解決手段】電動モータの駆動軸の回転角度及び回転方向を検出するロータリエンコーダ13は、発光素子18a,18bと、発光素子の発した光が通過する一対の固定スリット19a,19bが第1の間隔P1をあけて形成された固定スリット板19と、一対の固定スリットを通過した光を受ける一対の受光素子21a,21bと、駆動軸とともに回転し第2の間隔P2をあけて複数の回転スリット22aが形成された回転スリット板22とを有する。コントローラは、一対の受光素子の検出出力に基づいて、電動モータを停止させたときに、電動モータの停止位置に最も近い位置であって発光素子が発した光を一対の受光素子が受けない位置まで回転スリット板を正転又は逆転させて停止させるように電動モータを制御する。
開閉体を開閉駆動する電動モータと、前記電動モータの駆動軸の回転角度及び回転方向を位相の異なる2相の矩形波のパルス信号として検出するロータリエンコーダと、ロータリエンコーダの検出出力に基づいて前記電動モータを制御するコントローラとを備えた電動開閉装置において、
前記ロータリエンコーダが、
前記電動モータのケースに固定され光を発する発光素子と、前記発光素子に対向するように前記電動モータのケースに固定され前記発光素子の発した光が通過する一対の固定スリットが第1の間隔をあけて形成された固定スリット板と、前記電動モータのケースに固定され前記一対の固定スリットを通過した光を受ける一対の受光素子と、前記発光素子及び前記固定スリット板の間或いは前記固定スリット板及び前記受光素子の間に位置しかつ前記駆動軸とともに回転するように前記駆動軸に取付けられ同一円周上に第2の間隔をあけて複数の回転スリットが形成され前記発光素子の発した光を通過又は遮断させる回転スリット板とを有し、
前記コントローラが、前記一対の受光素子の検出出力に基づいて、前記電動モータを停止させたときに、前記電動モータの停止位置に最も近い位置であって前記発光素子が発した光を前記一対の受光素子が受けない位置まで前記回転スリット板を正転又は逆転させて停止させるように前記電動モータを制御することを特徴とする電動開閉装置。
スイッチ操作により前記電動モータが駆動されるか、或いは前記開閉体の手動による所定量以上の移動がトリガーとなって前記電動モータが駆動されるように構成された請求項1記載の電動開閉装置。
【背景技術】
【0002】
従来、遮蔽材を駆動する駆動軸が電動モータにより回転駆動され、駆動軸の回転量が検出手段により検出され、制御装置がこの検出手段から出力される検出信号に基づいて遮蔽材の位置を認識しながら、指令信号に基づいて電動モータの動作を制御するように構成された電動日射遮蔽装置が開示されている(例えば、特許文献1(請求項1及び4、段落[0002]、[0045]、
図1)参照。)。この電動日射遮蔽装置では、上記電動モータがヘッドボックス内に配設され、この電動モータの駆動力でスラットの昇降操作及び角度調節操作が行われる。また、検出手段は、駆動軸と一体に回転するスリットプレートのスリットを検出して、位相の異なる2相の矩形波を検出信号として出力するロータリエンコーダを備える。位置情報算出手段は、検出信号に基づくパルス信号カウントしたカウント値と、電動モータ停止時の検出信号のレベル値とを、遮蔽材の位置情報として算出するように構成される。更に、電動モータの停止時に、電源遮断装置が検出手段への電源を遮断するように構成される。
【0003】
このように構成された電動日射遮蔽装置では、指令信号に基づいて電動モータの作動が停止されるとき、ロータリエンコーダへの電源供給が電源遮断装置により遮断される。従って、スラットの昇降操作又は角度調節操作を行わないとき、ロータリエンコーダによる検出動作を停止させて、ロータリエンコーダによる電力消費を低減できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記従来の特許文献1に示された電動日射遮蔽装置は、無線スイッチや有線スイッチ等のスイッチを操作することにより、電動モータが回転してスラットを昇降又は角度調節し、その後、電動モータが停止してスラットの昇降又は角度調節が停止したときに、ロータリエンコーダによる検出動作を停止させてしまうため、この状態でカーテンを手で操作しても、コントローラが電動モータを作動させることができず、タッチモーション機能を使用できない不具合があった。ここで、タッチモーション機能とは、カーテンを手で操作したときに、ロータリエンコーダでカーテンの移動及びその方向を検出し、この検出出力に基づいてコントローラが電動モータを動作させる機能をいう。
【0006】
本発明の目的は、ロータリエンコーダの消費電力を低減できるとともに、タッチモーション機能を発揮できる、電動開閉装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の観点は、
図1、
図2、
図5及び
図12に示すように、開閉体11を開閉駆動する電動モータ12と、電動モータ12の駆動軸12aの回転角度及び回転方向を位相の異なる2相の矩形波のパルス信号として検出するロータリエンコーダ13と、ロータリエンコーダ13の検出出力に基づいて電動モータ12を制御するコントローラ14とを備えた電動開閉装置10において、ロータリエンコーダ13が、電動モータ12のケース12bに固定され光を発する発光素子18a,18bと、発光素子18a,18bに対向するように電動モータ12のケース12bに固定され発光素子18a,18bの発した光が通過する一対の固定スリット19a,19bが第1の間隔P
1をあけて形成された固定スリット板19と、電動モータ12のケース12bに固定され一対の固定スリット19a,19bを通過した光を受ける一対の受光素子21a,21bと、発光素子18a,18b及び固定スリット板19の間或いは固定スリット板19及び受光素子21a,21bの間に位置しかつ駆動軸12aとともに回転するように駆動軸12aに取付けられ同一円周上に第2の間隔P
2をあけて複数の回転スリット22aが形成され発光素子18a,18bの発した光を通過又は遮断させる回転スリット板22とを有し、コントローラ14が、一対の受光素子21a,21bの検出出力に基づいて、電動モータ12を停止させたときに、電動モータ12の停止位置に最も近い位置であって発光素子18a,18bが発した光を一対の受光素子21a,21bが受けない位置まで回転スリット板22を正転又は逆転させて停止させるように電動モータ12を制御することを特徴とする。
【0008】
本発明の第2の観点は、第1の観点に基づく発明であって、更に
図2、
図5及び
図12に示すように、スイッチ操作により電動モータ12が駆動されるか、或いは開閉体11の手動による所定量以上の移動がトリガーとなって電動モータ12が駆動されるように構成されたことを特徴とする。
【0009】
本発明の第3の観点は、第1又は第2の観点に基づく発明であって、更に
図2、
図12及び
図13に示すように、電動モータ12が、窓枠、壁面又は天井に取付けられたヘッドレール16の端部に取付けられ、ヘッドレール16に沿って移動可能な複数のランナ17がヘッドレール16に取付けられ、複数のランナ17に開閉体11が垂下され、複数のランナ17のうち先頭のランナ17aと電動モータ12との間に開閉体移動機構29が設けられ、電動モータ12の駆動力が開閉体移動機構29を介して先頭のランナ17aに伝達されて先頭のランナ17aがヘッドレール16に沿って移動しかつ後続のランナ17bが追従することにより開閉体11が開閉されるように構成されたことを特徴とする。
【0010】
本発明の第4の観点は、第3の観点に基づく発明であって、更に
図12及び
図13に示すように、開閉体が、ヘッドレール16に沿って移動可能なカーテン11又は複数のルーバであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の第1の観点の電動開閉装置では、コントローラは、一対の受光素子の検出出力に基づいて、電動モータを停止させたときに、電動モータの停止位置に最も近い位置であって発光素子が発した光を一対の受光素子が受けない位置まで、電動モータを制御して回転スリット板を正転又は逆転させて停止させるので、一対の受光素子は、いずれも発光素子の発した光を受けない。この結果、一対の受光素子は動作しなくなるので、ロータリエンコーダの消費電力を低減できる。
【0012】
一方、一対の受光素子が動作しなくなった状態で、開閉体を手で操作すると、開閉体の移動により回転スリット板が電動モータとともに回転し、発光素子の発した光が回転スリットを通って受光素子に達するので、ロータリエンコーダが開閉体の移動及びその方向を検出する。この検出出力に基づいてコントローラは電動モータを作動させることにより、開閉体を全閉位置又は全開位置まで移動させ、或いは開閉体の手動による停止操作で所望の位置まで移動させる。この結果、ロータリエンコーダで開閉体の移動及びその方向を検出し、この検出出力に基づいてコントローラが電動モータを動作させる機能、即ちタッチモーション機能を発揮できる。そして、コントローラは、電動モータの停止位置に最も近い位置であって発光素子が発した光を一対の受光素子が受けない位置まで、電動モータを制御して回転スリット板を正転又は逆転させて停止させるので、上記と同様に、ロータリエンコーダの消費電力を低減できる。従って、開閉体の手動による操作時には、ロータリエンコーダの消費電力を低減できるとともに、タッチモーション機能を発揮できる。
【0013】
本発明の第2の観点の電動開閉装置では、スイッチ操作により電動モータが駆動される場合、コントローラは、スイッチ操作に基づいて電動モータを回転させ、その後、スイッチ操作に基づいて電動モータが停止したときに、電動モータの停止位置に最も近い位置であって発光素子が発した光を一対の受光素子が受けない位置まで、電動モータを制御して回転スリット板を正転又は逆転させて停止させるので、上記と同様に、ロータリエンコーダの消費電力を低減できる。
【0014】
一方、開閉体の手動による所定量以上の移動がトリガーとなって電動モータが駆動される場合、上記と同様に、ロータリエンコーダで開閉体の移動及びその方向を検出し、この検出出力に基づいてコントローラが電動モータを動作させる機能、即ちタッチモーション機能を発揮できる。そして、コントローラは、電動モータの停止位置に最も近い位置であって発光素子が発した光を一対の受光素子が受けない位置まで、電動モータを制御して回転スリット板を正転又は逆転させて停止させるので、上記と同様に、ロータリエンコーダの消費電力を低減できる。従って、開閉体の手動による所定量以上の移動がトリガーとなって電動モータが駆動される場合、ロータリエンコーダの消費電力を低減できるとともに、タッチモーション機能を発揮できる。
【0015】
本発明の第3の観点の電動開閉装置では、窓枠等に取付けられたヘッドレールの端部に電動モータを取付け、複数のランナをヘッドレールに沿って移動可能にヘッドレールに取付け、複数のランナに開閉体を垂下し、更に複数のランナのうち先頭のランナと電動モータとの間に開閉体移動機構を設けたので、電動モータの駆動力が開閉体移動機構を介して先頭のランナに伝達されて、先頭のランナがヘッドレールに沿って移動しかつ後続のランナが追従することにより開閉体が開閉される。そして、コントローラは、一対の受光素子の検出出力に基づいて、電動モータを停止させたときに、電動モータの停止位置に最も近い位置であって発光素子が発した光を一対の受光素子が受けない位置まで、電動モータを制御して回転スリット板を正転又は逆転させて停止させるので、上記と同様に、ロータリエンコーダの消費電力を低減できる。一方、一対の受光素子が動作しなくなった状態で、開閉体を手で操作すると、上記と同様に、ロータリエンコーダの消費電力を低減できるとともに、タッチモーション機能を発揮できる。
【0016】
本発明の第4の観点の電動開閉装置では、開閉体が、ヘッドレールに沿って移動可能なカーテン又は複数のルーバであるので、コントローラは、電動モータを作動させることにより、カーテン又はルーバを全閉位置又は全開位置まで移動させ、或いはカーテン又はルーバの手動による停止操作で所望の位置まで移動させることができる。このとき、ロータリエンコーダの消費電力を低減できるとともに、タッチモーション機能を発揮できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明実施形態の電動開閉装置のカーテンが事前に記憶している開閉限界位置に停止したときであって、(a)はロータリエンコーダの回転スリット板が物理的限界位置で停止した状態を示す要部断面構成図であり、(b)は回転スリット板が実際の停止位置で停止した状態を示す要部断面構成図である。
【
図2】(a)は事前に記憶しているカーテンの開閉限界位置で先頭のランナが停止した状態を示す電動開閉装置の正面図であり、(b)は回転スリット板がカーテンの物理的限界位置から実際の停止位置に戻って停止することを示すロータリエンコーダのパルス波形を示す図である。
【
図3】その電動開閉装置のヘッドレールをその長手方向に縦に切断した状態を示す断面構成図である。
【
図4】その電動開閉装置のエンコーダカバーを外した状態の電動モータ、電磁クラッチ及びロータリエンコーダの斜視図である。
【
図5】その電動開閉装置のエンコーダカバーを外した状態の電動モータ、電磁クラッチ及びロータリエンコーダの分解斜視図に、これらを制御するコントローラを含むブロック図を組合せた構成図である。
【
図6】事前にカーテンの閉止限界位置を記憶するためのフローチャート図である。
【
図7】その電動開閉装置のカーテンが外部からの停止信号に基づいて停止したときであって、(a)は回転スリット板が停止信号を受信したタイミングを示す
図1(a)に対応する要部断面構成図であり、(b)は回転スリット板が実際の停止位置を示す
図1(b)に対応する要部断面構成図である。
【
図8】(a)は外部からの停止信号に基づいて先頭のランナが停止した状態を示す電動開閉装置の正面図であり、(b)は回転スリット板が停止信号を受信したタイミングから実際の停止位置に進んで停止することを示すロータリエンコーダのパルス波形を示す図である。
【
図9】事前にカーテンの各中間位置を記憶するためのフローチャート図である。
【
図10】その電動開閉装置のカーテンがリモコンスイッチの操作による停止信号に基づいて停止するときのフローチャート図である。
【
図11】その電動開閉装置のカーテンがタッチモーション装置の起動により停止するときのフローチャート図である。
【
図12】その電動開閉装置のカーテンを展開して窓を全閉にした状態を示す正面図である。
【
図13】その電動開閉装置のカーテンを折り畳んで窓を全開にした状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
図1及び
図2に示すように、電動開閉装置10は、開閉体であるカーテン11を開閉駆動する電動モータ12と、電動モータ12の駆動軸12aの回転角度及び回転方向を位相の異なる2相の矩形波のパルス信号として検出するロータリエンコーダ13と、ロータリエンコーダ13の検出出力に基づいて電動モータ12を制御するコントローラ14とを備える。電動モータ12は、
図2、
図12及び
図13に示すように、窓枠、壁面又は天井に取付けられたヘッドレール16の一端部に取付けられ、このヘッドレール16には、ヘッドレール16に沿って移動可能な複数のランナ17が取付けられる。そして、これらのランナ17には、カーテン11が垂下される(
図12及び
図13)。
【0019】
一方、ロータリエンコーダ13は、光を発する発光素子18a,18bと、この発光素子18a,18bの発した光が通過する一対の固定スリット19a,19bが第1の間隔P
1をあけて形成された固定スリット板19と、一対の固定スリット19a,19bを通過した光を受ける一対の受光素子21a,21bと、駆動軸12a(
図4及び
図5)とともに回転し第2の間隔P
2をあけて複数の回転スリット22aが形成された回転スリット板22とを有する(
図1)。発光素子18a,18bは、この実施の形態では、一対の受光素子21a,21bにそれぞれ対向して2個設けられる。また、発光素子18a,18bは素子等収容ケース23、パネル24及びハウジング26を介して電動モータ12のケース12b(
図4及び
図5)に固定され、受光素子21a,21bは発光素子18a,18bに対向するように素子等収容ケース23、パネル24及びハウジング26を介して電動モータ12のケース12bに固定される。上記第1の間隔P
1は一対の固定スリット19a,19bのピッチであり、上記第2の間隔P
2は隣り同士の回転スリット22a,22aのピッチである。
【0020】
具体的には、電動モータ12は減速機付きモータであり、電動モータ12の出力軸12cは電磁クラッチ27の一端に挿入され、電磁クラッチ27の他端には駆動軸12aの基端が挿入される(
図5)。この電磁クラッチ27により出力軸12c及び駆動軸12aの回転が許容又は阻止されるようになっている。また、電磁クラッチ27の全部及び駆動軸12aの基端部は、側面に開口部26aが形成されたハウジング26に収容される(
図4及び
図5)。このハウジング26の基端は電動モータ12のケース12bの先端に取付けられ、ハウジング26の先端はフランジ28に取付けられる。そして、フランジ28はヘッドレール16の一端部に取付けられ、このフランジ28に駆動軸12aの中央が回転可能に保持される。また、ハウジング26の開口部26aはパネル24により閉止され、パネル24の内面には中央に凹部23aが形成された素子等収容ケース23が取付けられる。更に、素子等収容ケース23は上記凹部23aにより第1収容部23bと第2収容部23cに区画される。そして、第1収容部23bには発光素子18a,18bが収容され、第2収容部23cには固定スリット板19及び受光素子21a,21bが収容される。このとき、固定スリット板19は発光素子18a,18bと受光素子21a,21bとの間に位置するように第2収容部23cに収容される。これにより、発光素子18a,18bは素子等収容ケース23、パネル24及びハウジング26を介して電動モータ12のケース12bに固定され、受光素子21a,21bは発光素子18a,18bに対向するように素子等収容ケース23、パネル24及びハウジング26を介して電動モータ12のケース12bに固定される。
【0021】
一方、回転スリット板22は、発光素子18a,18b及び固定スリット板19の間に位置するように駆動軸12aに取付けられ、発光素子18a,18bの発した光を通過又は遮断させるように構成される(
図1)。具体的には、回転スリット板22は円板状に形成され、その外周縁に同一円周上に第2の間隔P
2をあけて複数の回転スリット22aが形成される(
図4及び
図5)。また、回転スリット板22は駆動軸12aの基端近傍に嵌着され、複数の回転スリット22aが形成された回転スリット板22の外周縁が素子等収容ケース23の凹部23aに遊挿される。これにより、複数の回転スリット22aが形成された回転スリット板22の外周縁が発光素子18a,18b及び固定スリット板19の間に位置しかつ回転スリット板22が駆動軸12aとともに回転することにより、発光素子18a,18bの発した光が通過又は遮断されるようになっている。
【0022】
固定スリット19aの第1の間隔P
1と回転スリット22の第2の間隔P
2との関係、即ちP
1:P
2は、例えば3:4に設定されることができる(
図1)。また、固定スリット19aの幅B
1と回転スリット22aの幅B
2との関係、即ちB
1:B
2は、例えば1:3に設定されることができる。更に、P
1:B
1は、例えば6:1に設定され、P
2:B
2は、例えば8:3に設定されることができる。なお、一対の発光素子18a,18bの間隔及び一対の受光素子21a,21bの間隔は、固定スリット19aの第1の間隔P
1と同一に設定される。
【0023】
一対の発光素子18a,18bのうち一方の発光素子18aは、一対の固定スリット19a,19bのうち一方の固定スリット19aと、一対の受光素子21a,21bのうち一方の受光素子21aとに対向して設けられる。そして、回転スリット板22が回転することにより、一方の発光素子18aの発した光は、回転スリット22a及び一方の固定スリット19aを通って一方の受光素子21aに到達し、一方の受光素子21aにより光が検出される場合と、回転スリット板22により遮られて一方の受光素子21aに到達せずに、一方の受光素子21aにより光が検出されない場合がある。これにより、一方の受光素子21aによる光の検出及び未検出が交互に繰り返される。
【0024】
また、一対の発光素子18a,18bのうち他方の発光素子18bは、一対の固定スリット19a,19bのうち他方の固定スリット19bと、一対の受光素子21a,21bのうち他方の受光素子21bとに対向して設けられる。そして、回転スリット板22が回転することにより、他方の発光素子18bの発した光は、回転スリット22a及び他方の固定スリット19bを通って他方の受光素子21bに到達し、他方の受光素子21bにより光が検出される場合と、回転スリット板22により遮られて他方の受光素子21bに到達せずに、他方の受光素子21bにより光が検出されない場合がある。これにより、他方の受光素子21bによる光の検出及び未検出が交互に繰り返される。本明細書では、一方の受光素子21aにより光が検出されている状態をエンコーダのA相が検出状態であるとし、一方の受光素子21bにより光が検出されていない状態をエンコーダのA相が未検出状態であるとする(
図2及び
図8)。また、他方の受光素子21bにより光が検出されている状態をエンコーダのB相が検出状態であるとし、他方の受光素子21bにより光が検出されていない状態をエンコーダのB相が未検出状態であるとする。
【0025】
一方、
図3に示すように、複数のランナ17のうち先頭のランナ17aと電動モータ12との間には、カーテン移動機構29が設けられる。このカーテン移動機構29は、電動モータ12の駆動軸12aに嵌着されヘッドレール16の一端部に設けられた駆動プーリ29aと、ヘッドレール16の他端部に回転可能に設けられた従動プーリ29bと、駆動プーリ29a及び従動プーリ29bに掛け渡されたベルト29cとを有する。ベルト29cはヘッドレール16内に配索され、ベルト29cには先頭のランナ17aが結合される。そして、電動モータ12の駆動力は、カーテン移動機構29の駆動プーリ29a及びベルト29cを介して先頭のランナ17aに伝達され、先頭のランナ17aがヘッドレール16に沿って移動しかつ後続のランナ17bが追従することにより、カーテン11が開閉されるように構成される。
【0026】
図5に示すように、コントローラ14の制御入力には、一対の受光素子21a,21bの検出出力と、リモコンスイッチ31の検出出力とが入力され、コントローラ14の制御出力には、電磁クラッチ駆動回路32を介して電磁クラッチ27に接続され、モータ駆動回路33を介して電動モータ12に接続される。また、コントローラ14にはメモリ14aが設けられる。このメモリ14aには、リモコンスイッチ31の検出出力に基づく電動モータ12の制御内容、一対の受光素子21a,21bの検出する駆動軸12aの回転速度や回転角度に基づくヘッドレール16における先頭のランナ17aの位置、或いは後述の事前にカーテン11の閉止限界位置や中間位置等が記憶される。上記リモコンスイッチ31は、カーテン11を開閉するために操作されるスイッチである。即ち、このリモコンスイッチ31を操作することにより、電動モータ12が駆動されて、カーテン11が開閉されるようになっている。また、カーテン11の手動による所定量以上の移動がトリガーとなって電動モータ12が駆動されるように構成される。即ち、カーテン11が手動で所定量以上移動すると、ロータリエンコーダ13の一対の受光素子21a,21bによりカーテン11の移動及びその方向が検出され、この検出出力に基づいてコントローラ14が電動モータ12を動作させるタッチモーション機能が発揮されるようになっている。そして、コントローラ14は、一対の受光素子21a,21bの検出出力に基づいて、電動モータ12を停止させたときに、電動モータ12の停止位置に最も近い位置であって発光素子18a,18bが発した光を一対の受光素子21a,21bが受けない位置まで回転スリット板22を正転又は逆転させて停止させるように電動モータ12を制御するように構成される。
【0027】
このように構成された電動開閉装置10の動作を説明する。
【0028】
(1) 事前にカーテン11の閉止限界位置を記憶する場合
図6のフローチャート図に基づいて説明する。先ず、カーテン11が静止した状態で電動開閉装置10の電源を投入して、閉止限界位置の検出を開始する。次いで、リモコンスイッチ31の閉釦(図示せず)を押すことにより、電磁クラッチ27及び電動モータ12を駆動してカーテン11を閉止する。即ち、コントローラ14が電磁クラッチ駆動回路32及びモータ駆動回路33を制御して、電磁クラッチ27により駆動軸12aの回転を許容するとともに電動モータ12を回転させることにより、駆動軸12a、駆動プーリ29a及びベルト29cを介して先頭のランナ17aを移動させる。これによりカーテン11が移動して閉止される。カーテン11が移動している間は、エンコーダ信号、即ちロータリエンコーダ13の一対の受光素子21a,21bが検出する信号が変化している。エンコーダ信号が変化しなくなると、コントローラ14は電動開閉装置10のカーテン11が物理的に閉止限界位置に達して停止したと判断して、電動モータ12を停止するとともに電磁クラッチ27により駆動軸12eの回転を阻止する。
【0029】
このとき、コントローラ14はエンコーダのA相及びB相がともに未検出状態であるか否かを一対の受光素子21a,21bの検出出力により判断する。例えば、
図2(b)に示すように、カーテン11が停止した位置(電動開閉装置の物理的閉止限界位置)において、エンコーダのA相が検出状態であり、エンコーダのB相が未検出状態であった場合、コントローラ14は、電磁クラッチ27及び電動モータ12を制御して、上記停止した位置に最も近い位置であって発光素子18a,18bが発した光を一対の受光素子21a,21bが受けない位置、即ち
図2(b)に示すように、エンコーダのA相及びB相がともに未検出状態となる位置まで回転スリット板22を逆転させる。そして、この位置で電動モータ12を停止するとともに電磁クラッチ27により駆動軸12aの回転を阻止し、この位置をカーテン11の実際の停止位置(閉止限界位置)としてメモリ14aに記憶する。一方、カーテン11が停止した位置(電動開閉装置の物理的閉止限界位置)において、エンコーダのA相及びB相がともに未検出状態であった場合、その位置をカーテン11の実際の停止位置(閉止限界位置)としてメモリ14aに記憶する。なお、カーテン11の開放限界位置も上記と同様にしてメモリ14aに記憶される。
【0030】
(2) 事前にカーテン11の各中間位置を記憶する場合
図9のフローチャート図に基づいて説明する。この実施の形態では、カーテン11の中間位置は1番目からk番目まで設定する。先ず、カーテン11が静止した状態で電動開閉装置10の電源を投入して、1番目の中間位置の検出を開始する。次いで、リモコンスイッチ31の閉釦を押すことにより、電磁クラッチ27及び電動モータ12を駆動してカーテン11を閉止する方向に移動させる。カーテン11が移動している間は、エンコーダ信号、即ちロータリエンコーダ13の一対の受光素子21a,21bが検出する信号が変化している。そして、カーテン11が1番目の中間位置に達して、リモコンスイッチ31の停止釦(図示せず)を押すと、コントローラ14は電動モータ12を停止するとともに電磁クラッチ27により駆動軸12aの回転を阻止して、エンコーダ信号は変化しなくなる。
【0031】
このとき、コントローラ14はエンコーダのA相及びB相がともに未検出状態であるか否かを一対の受光素子21a,21bの検出出力により判断する。例えば、
図8(b)に示すように、カーテン11が停止した位置(停止信号を受信したタイミング)において、エンコーダのA相が未検出状態であり、エンコーダのB相が検出状態であった場合、コントローラ14は、電磁クラッチ27及び電動モータ12を制御して、上記停止した位置に最も近い位置であって発光素子18a,18bが発した光を一対の受光素子21a,21bが受けない位置、即ち
図8(b)に示すように、エンコーダのA相及びB相がともに未検出状態となる位置まで回転スリット板22を正転させる。そして、この位置で電動モータ12を停止するとともに電磁クラッチ27により駆動軸12aの回転を阻止し、この位置をカーテン11の実際の停止位置(1番目の中間位置)としてメモリ14aに記憶するとともに、リモコンスイッチ31の1番目の釦(図示せず)と対応させてメモリ14aに記憶する。
【0032】
一方、カーテン11が停止した位置(停止信号を受信したタイミング)において、エンコーダのA相及びB相がともに未検出状態であった場合、その位置をカーテン11の実際の停止位置(1番目の中間位置)としてメモリ14aに記憶するとともに、リモコンスイッチ31の1番目の釦と対応させてメモリ14aに記憶する。2番目〜k番目の中間位置も上記と同様にして設定してメモリ14aに記憶するとともに、リモコンスイッチ31の2番目〜k番目の釦(図示せず)に対応させてメモリに記憶する。この結果、リモコンスイッチ31のn番目の釦(1番目〜k番目の釦のいずれか1つの釦)を押すと、コントローラ14はカーテン11をn番目の中間位置で停止し、エンコーダのA相及びB相がともに未検出状態であるので、一対の受光素子21a,21bは動作しなくなり、ロータリエンコーダ13の消費電力を低減できる。
【0033】
(3) リモコンスイッチ31の操作による停止信号に基づいて停止する場合
図10のフローチャート図に基づいて説明する。先ず、カーテン11が静止した状態で電動開閉装置10の電源を投入して、リモコンスイッチ31の閉釦を押すと、コントローラ14は、電磁クラッチ駆動回路32及びモータ駆動回路33を制御して、電磁クラッチ27により駆動軸12aの回転を許容するとともに電動モータ12を回転させることにより、駆動軸12a、駆動プーリ29a及びベルト29cを介して先頭のランナ17aを移動させる。これによりカーテン11が閉止する方向に移動する。リモコンスイッチ31の停止釦が押されるか、又はリモコンスイッチ31の停止釦が押されずにカーテン11が閉止限界位置に達するまで、カーテン11が移動しており、エンコーダ信号、即ちロータリエンコーダ13の一対の受光素子21a,21bが検出する信号が変化する。そして、リモコンスイッチ31の停止釦が押されると、エンコーダ信号が変化しなくなり、コントローラ14はカーテン11がリモコンスイッチ31の操作者の所望の位置に達して停止したと判断して、電動モータ12を停止するとともに電磁クラッチ27により駆動軸12aの回転を阻止する。
【0034】
このとき、コントローラ14はエンコーダのA相及びB相がともに未検出状態であるか否かを一対の受光素子21a,21bの検出出力により判断する。例えば、カーテン11が停止した位置(停止信号を受信したタイミング)において、エンコーダのA相が未検出状態であり、エンコーダのB相が検出状態であった場合、コントローラ14は、電磁クラッチ27及び電動モータ12を制御して、上記停止した位置に最も近い位置であって発光素子18a,18bが発した光を一対の受光素子21a,21bが受けない位置、即ちエンコーダのA相及びB相がともに未検出状態となる位置まで回転スリット板22を正転させる。この結果、一対の受光素子21a,21bは動作しなくなり、ロータリエンコーダ13の消費電力を低減できる。
【0035】
一方、リモコンスイッチ31の停止釦が押されずにカーテン11が閉止限界位置に達すると、エンコーダ信号が変化しなくなると、コントローラ14はカーテン11が物理的に閉止限界位置に達して停止したと判断して、電動モータ12を停止するとともに電磁クラッチ27により駆動軸12aの回転を阻止する。この停止位置は、カーテン11の実際の停止位置(閉止限界位置)として既にメモリ14aに記憶されており、エンコーダのA相及びB相がともに未検出状態であるので、一対の受光素子21a,21bは動作しなくなり、ロータリエンコーダ13の消費電力を低減できる。
【0036】
(4) タッチモーション機能が起動して停止する場合
図11のフローチャート図に基づいて説明する。先ず、カーテン11が静止した状態で電動開閉装置10の電源を投入して、カーテン11を手動で閉止する方向に操作することにより、カーテン11が手動で所定量以上移動すると、コントローラ14は、電磁クラッチ駆動回路32及びモータ駆動回路33を制御して、電磁クラッチ27により駆動軸12aの回転を許容するとともに電動モータ12を回転させることにより、駆動軸12a、駆動プーリ29a及びベルト29cを介して先頭のランナ17aを移動させる。これによりカーテン11から手を離しても、リモコンスイッチ31の停止釦が押されるか、又はリモコンスイッチ31の停止釦が押されずにカーテン11が閉止限界位置に達するまで、カーテン11は移動し、エンコーダ信号、即ちロータリエンコーダ13の一対の受光素子21a,21bが検出する信号が変化する。そして、リモコンスイッチ31の停止釦が押されると、エンコーダ信号が変化しなくなり、コントローラ14はカーテン11がリモコンスイッチ31の操作者の所望の位置に達して停止したと判断して、電動モータ12を停止するとともに電磁クラッチ27により駆動軸12aの回転を阻止する。
【0037】
このとき、コントローラ14はエンコーダのA相及びB相がともに未検出状態であるか否かを一対の受光素子21a,21bの検出出力により判断する。例えば、カーテン11が停止した位置(停止信号を受信したタイミング)において、エンコーダのA相が未検出状態であり、エンコーダのB相が検出状態であった場合、コントローラ14は、電磁クラッチ27及び電動モータ12を制御して、上記停止した位置に最も近い位置であって発光素子18a,18bが発した光を一対の受光素子21a,21bが受けない位置、即ちエンコーダのA相及びB相がともに未検出状態となる位置まで回転スリット板22を正転させる。この結果、一対の受光素子21a,21bは動作しなくなり、ロータリエンコーダ13の消費電力を低減できる。
【0038】
一方、リモコンスイッチ31の停止釦が押されずにカーテン11が閉止限界位置に達すると、エンコーダ信号が変化しなくなると、コントローラ14はカーテン11が物理的に閉止限界位置に達して停止したと判断して、電動モータ12を停止するとともに電磁クラッチ27により駆動軸12aの回転を阻止する。この停止位置は、カーテン11の実際の停止位置(閉止限界位置)として既にメモリ14aに記憶されており、エンコーダのA相及びB相がともに未検出状態であるので、一対の受光素子21a,21bは動作しなくなり、ロータリエンコーダ13の消費電力を低減できる。
【0039】
なお、上記実施の形態では、開閉体としてヘッドレールに沿って移動可能なカーテンを挙げたが、 開閉体としてヘッドレールに沿って移動可能な複数のルーバであってもよい。また、上記実施の形態では、回転スリット板を発光素子及び固定スリット板の間に位置させたが、回転スリット板を固定スリット板及び受光素子の間に位置させてもよい。