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特開2020-75396可塑化装置、三次元造形装置および射出成形装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-75396(P2020-75396A)
(43)【公開日】2020年5月21日
(54)【発明の名称】可塑化装置、三次元造形装置および射出成形装置
(51)【国際特許分類】
   B29C 45/46 20060101AFI20200424BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20200424BHJP
   B29C 64/209 20170101ALI20200424BHJP
   B29C 64/321 20170101ALI20200424BHJP
   B33Y 40/00 20200101ALI20200424BHJP
   B33Y 50/02 20150101ALI20200424BHJP
   B29C 64/393 20170101ALI20200424BHJP
   B29C 64/106 20170101ALI20200424BHJP
【FI】
   B29C45/46
   B33Y30/00
   B29C64/209
   B29C64/321
   B33Y40/00
   B33Y50/02
   B29C64/393
   B29C64/106
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2018-209680(P2018-209680)
(22)【出願日】2018年11月7日
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】特許業務法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】横田 啓
【テーマコード(参考)】
4F206
4F213
【Fターム(参考)】
4F206JA07
4F206JL02
4F206JQ11
4F206JQ16
4F206JQ29
4F206JQ46
4F206JQ90
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL02
4F213WL74
4F213WL85
(57)【要約】
【課題】安定した吐出量を実現する可塑化装置を提案する。
【解決手段】材料を可塑化して溶融材料にする可塑化装置は、駆動モーターと、溝が形成された溝形成面を有し、駆動モーターによって回転するスクリューと、溝形成面に対向し、中心に連通孔が形成された対向面と、ヒーターとを有するバレルと、を備える。スクリューは、スクリューの内部に設けられた冷媒流路と、冷媒流路に連通し、スクリューの外部から冷媒を導入する入口部と、冷媒流路に連通し、スクリューの外部に冷媒を排出する出口部とを有する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
材料を可塑化して溶融材料にする可塑化装置であって、
駆動モーターと、
溝が形成された溝形成面を有し、前記駆動モーターによって回転するスクリューと、
前記溝形成面に対向し、中心に連通孔が形成された対向面と、ヒーターとを有するバレルと、
を備え、
前記スクリューは、前記スクリューの内部に設けられた冷媒流路と、前記冷媒流路に連通し、前記スクリューの外部から冷媒を導入する入口部と、前記冷媒流路に連通し、前記スクリューの外部に前記冷媒を排出する出口部とを有する、
可塑化装置。
【請求項2】
請求項1に記載の可塑化装置であって、
前記出口部は、前記入口部よりも前記スクリューの中心側に設けられている、可塑化装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の可塑化装置であって、
前記スクリューを収容するケースを備え、
前記ケースには、前記スクリューに対向する面に、環状のケース側溝部が設けられており、
前記スクリューには、前記ケース側溝部に対向する面に、前記冷媒流路に連通する環状のスクリュー側溝部が設けられており、
前記スクリューと前記ケースとの少なくともいずれか一方には、前記スクリュー側溝部の外周縁と前記ケース側溝部の外周縁との間をシールする外周シール部材と、前記スクリュー側溝部の内周縁と前記ケース側溝部の内周縁との間をシールする内周シール部材とが設けられており、
前記スクリュー側溝部と前記ケース側溝部と前記外周シール部材と前記内周シール部材とによって囲まれた空間を前記冷媒が流通する、可塑化装置。
【請求項4】
請求項3に記載の可塑化装置であって、
前記スクリューにおける前記ケースに対向する面に、熱伝達抑制部が設けられている、可塑化装置。
【請求項5】
請求項1に記載の可塑化装置であって、
前記駆動モーターは、回転軸を有し、
前記回転軸の内部には、前記冷媒流路に連通する軸内流路が形成されている、可塑化装置。
【請求項6】
三次元造形装置であって、
造形材料を吐出するノズルと、
材料を可塑化して前記造形材料にして、前記ノズルに前記造形材料を供給する可塑化装置と、
前記可塑化装置を制御する制御部と、
を備え、
前記可塑化装置は、
駆動モーターと、
溝が形成された溝形成面を有し、前記駆動モーターによって回転するスクリューと、
前記溝形成面に対向し、中心に連通孔が形成された対向面と、ヒーターとを有するバレルと、
を備え、
前記スクリューは、前記スクリューの内部に設けられた冷媒流路と、前記冷媒流路に連通し、前記スクリューの外部から冷媒を導入する入口部と、前記冷媒流路に連通し、前記スクリューの外部に前記冷媒を排出する出口部とを有する、三次元造形装置。
【請求項7】
請求項6に記載の三次元造形装置であって、
前記冷媒流路に前記冷媒を供給する冷媒ポンプと、
前記スクリューの温度を取得する温度センサーと、
を備え、
前記制御部は、前記温度センサーによって取得した前記温度が予め定められた温度以上である場合には、前記冷媒ポンプを駆動することによって前記冷媒流路に前記冷媒を供給する、三次元造形装置。
【請求項8】
射出成形装置であって、
溶融材料を吐出するノズルと、
材料を可塑化して前記溶融材料にして、前記ノズルに前記溶融材料を供給する可塑化装置と、
前記可塑化装置を制御する制御部と、
を備え、
前記可塑化装置は、
駆動モーターと、
溝が形成された溝形成面を有し、前記駆動モーターによって回転するスクリューと、
前記溝形成面に対向し、中心に連通孔が形成された対向面と、ヒーターとを有するバレルと、
を備え、
前記スクリューは、前記スクリューの内部に設けられた冷媒流路と、前記冷媒流路に連通し、前記スクリューの外部から冷媒を導入する入口部と、前記冷媒流路に連通し、前記スクリューの外部に前記冷媒を排出する出口部とを有する、射出成形装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、可塑化装置、三次元造形装置および射出成形装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、端面に螺旋溝が形成されたローターと、ローターの螺旋溝が形成された端面に対向し、中心に連通孔を有するバレルとを備えた可塑化装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−241016号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した可塑化装置は、ローターの回転と、バレルからの加熱とによって、螺旋溝内に供給された材料を可塑化するとともに、材料を螺旋溝に沿って外周部から中心部へと搬送することによって、可塑化された材料を連通孔から吐出する。しかし、ローターの温度が高くなりすぎると、材料の可塑化と搬送とのバランスが崩れて、可塑化された材料の連通孔からの吐出量が不安定になる可能性がある。そこで、本願は、安定した吐出量を実現する可塑化装置を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一形態によれば、材料を可塑化して溶融材料にする可塑化装置が提供される。この可塑化装置は、駆動モーターと、溝が形成された溝形成面を有し、前記駆動モーターによって回転するスクリューと、前記溝形成面に対向し、中心に連通孔が形成された対向面と、ヒーターとを有するバレルと、を備える。前記スクリューは、前記スクリューの内部に設けられた冷媒流路と、前記冷媒流路に連通し、前記スクリューの外部から冷媒を導入する入口部と、前記冷媒流路に連通し、前記スクリューの外部に前記冷媒を排出する出口部とを有する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1実施形態における三次元造形装置の概略構成を示す説明図。
図2】第1実施形態におけるフラットスクリューの溝形成面の構成を示す斜視図。
図3】第1実施形態におけるバレルのスクリュー対向面の構成を示す上面図。
図4】第2実施形態における三次元造形装置の概略構成を示す説明図。
図5】第2実施形態における熱伝達抑制部の構成を示す説明図。
図6】第3実施形態における三次元造形装置の概略構成を示す説明図。
図7】第3実施形態における冷媒供給流路と冷媒排出流路との構成を示す説明図。
図8】第3実施形態におけるスクリュー冷媒流路の構成を示す説明図。
図9】第3実施形態におけるスクリューケースのIX−IX線断面図。
図10】第3実施形態におけるスクリュー冷却処理の内容を示すフローチャート。
図11】第4実施形態における三次元造形装置の概略構成を示す説明図。
図12】第4実施形態における軸内流路の詳細を示す説明図。
図13】第5実施形態における三次元造形装置の概略構成を示す説明図。
図14】第5実施形態における第1接点の構成を示す説明図。
図15】第5実施形態におけるフラットスクリューの構成を示す説明図。
図16】第5実施形態におけるスクリュー冷却処理の内容を示すフローチャート。
図17】第6実施形態における三次元造形装置の概略構成を示す説明図。
図18】第7実施形態における射出成形装置の概略構成を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
A.第1実施形態:
図1は、第1実施形態における三次元造形装置100の概略構成を示す説明図である。図1には、互いに直交するX,Y,Z方向に沿った矢印が表されている。X方向およびY方向は、水平方向に沿った方向であり、Z方向は、鉛直方向に沿った方向である。他の図においても、X,Y,Z方向に沿った矢印が、適宜、表されている。図1におけるX,Y,Z方向と、他の図におけるX,Y,Z方向とは、同じ方向を表している。
【0008】
本実施形態における三次元造形装置100は、材料供給部20と可塑化装置90とノズル60とを有する吐出ユニット200と、造形テーブル310と、移動機構320と、制御部500とを備えている。本実施形態における三次元造形装置100では、制御部500の制御下において、材料供給部20から供給された材料が、可塑化装置90によって可塑化される。可塑化装置90によって可塑化された材料は、造形材料として可塑化装置90から送出されて、ノズル60に供給される。ノズル60に供給された造形材料は、ノズル60の先端部に設けられたノズル孔61から造形テーブル310上に向かって吐出される。ノズル孔61から吐出された造形材料が造形テーブル310上に積層されることによって、三次元造形物が造形される。尚、造形材料のことを溶融材料と呼ぶこともある。
【0009】
移動機構320は、造形テーブル310と吐出ユニット200との相対的な位置を変化させる。本実施形態では、移動機構320は、吐出ユニット200に対して、造形テーブル310を移動させる。本実施形態における移動機構320は、3つのモーターの駆動力によって、造形テーブル310をX,Y,Z方向の3軸方向に移動させる3軸ポジショナーによって構成される。各モーターは、制御部500の制御下にて駆動する。
【0010】
移動機構320は、造形テーブル310を移動させる構成ではなく、造形テーブル310を移動させずに、吐出ユニット200を移動させる構成であってもよい。また、移動機構320は、造形テーブル310と吐出ユニット200との両方を移動させる構成であってもよい。造形テーブル310と吐出ユニット200との相対的な位置を変化させられる構成であればよい。
【0011】
制御部500は、1以上のプロセッサーと、主記憶装置と、外部との信号の入出力を行う入出力インターフェースとを備えるコンピューターによって構成されている。本実施形態では、制御部500は、主記憶装置上に読み込んだプログラムや命令をプロセッサーが実行することによって、吐出ユニット200と、移動機構320との動作を制御して、三次元造形物を造形する造形処理を実行する。動作には、造形テーブル310に対する吐出ユニット200との三次元の相対的な位置の移動が含まれる。尚、制御部500は、コンピューターではなく、複数の回路の組み合わせによって構成されてもよい。
【0012】
材料供給部20には、ペレットや粉末等の状態の材料が収容されている。本実施形態における材料は、ペレット状のABS樹脂である。本実施形態における材料供給部20は、ホッパーによって構成されている。材料供給部20に収容された材料は、材料供給部20の下方に設けられた供給路22を介して、可塑化装置90に供給される。
【0013】
可塑化装置90は、駆動モーター30と、フラットスクリュー40と、バレル50と、スクリューケース91とを備えている。可塑化装置90は、材料供給部20から供給された固体状態の材料の少なくとも一部を溶融させてペースト状にした造形材料をノズル60に供給する。尚、フラットスクリュー40のことを単にスクリューと呼ぶこともある。スクリューケース91のことを単にケースと呼ぶこともある。
【0014】
スクリューケース91は、フラットスクリュー40とバレル50とを収容する筐体である。駆動モーター30は、スクリューケース91の上面に固定されている。駆動モーター30の回転軸31は、フラットスクリュー40に接続されている。駆動モーター30は、制御部500の制御下で駆動することによって、フラットスクリュー40を回転させる。
【0015】
フラットスクリュー40は、中心軸AXに沿った方向の高さが直径よりも小さい略円柱状のスクリューである。フラットスクリュー40は、中心軸AXがZ方向に平行になるように、スクリューケース91内に配置されている。
【0016】
フラットスクリュー40の上面41には、駆動モーター30の回転軸31が接続される固定穴49が設けられている。駆動モーター30の回転軸31が、固定穴49に螺合することによって、フラットスクリュー40と駆動モーター30の回転軸31とが接続されている。駆動モーター30が発生させるトルクによって、フラットスクリュー40は、スクリューケース91内において、中心軸AXを中心に回転する。
【0017】
フラットスクリュー40は、駆動モーター30が接続された上面41とは反対側の端部に、中心軸AXに垂直な溝形成面42を有している。溝形成面42には、溝部45が形成されている。尚、フラットスクリュー40の溝部45の詳細な形状は、図2を用いて後述する。
【0018】
本実施形態におけるフラットスクリュー40の外表面の一部は、熱伝達抑制部140によって覆われている。より具体的には、固定穴49内におけるフラットスクリュー40の面の全部と、スクリューケース91に対向するフラットスクリュー40の上面41と側面43とに、熱伝達抑制部140が設けられている。本実施形態では、固定穴49内におけるフラットスクリュー40の面に熱伝達抑制部140が設けられているため、駆動モーター30の回転軸31は、熱伝達抑制部140を介してフラットスクリュー40に接続されている。
【0019】
本実施形態における熱伝達抑制部140の熱伝導率は、フラットスクリュー40の熱伝導率よりも低い。本実施形態では、フラットスクリュー40は、ステンレス鋼によって形成されている。本実施形態では、フラットスクリュー40の外表面に、ステンレス鋼に比べて熱伝導率の小さなジルコニア被膜が形成されることによって、熱伝達抑制部140が設けられている。ジルコニア被膜は、例えば、溶射によって形成される。尚、フラットスクリュー40は、例えば、チタン合金等の他の金属材料や、樹脂材料や、セラミック材料によって形成されてもよい。熱伝達抑制部140は、フラットスクリュー40に比べて熱伝導率が低い材料であれば、ジルコニア以外の材料によって形成されてもよい。フラットスクリュー40の材料や、熱伝達抑制部140の材料は、材料供給部20から供給された材料を可塑化可能な耐熱性や硬度を有する材料であればよい。
【0020】
バレル50は、スクリューケース91内におけるフラットスクリュー40よりも下方に固定されている。バレル50は、フラットスクリュー40の溝形成面42に対向するスクリュー対向面51を有している。スクリュー対向面51には、フラットスクリュー40の中心軸AX上の位置に、ノズル孔61に連通する連通孔55が設けられている。尚、スクリュー対向面51のことを単に対向面と呼ぶこともある。
【0021】
バレル50には、フラットスクリュー40の溝部45に対向する位置にヒーター58が内蔵されている。ヒーター58の温度は、制御部500によって制御される。本実施形態では、バレル50内におけるヒーター58よりも外周側に、冷却水流路59が設けられている。バレル50の温度が高くなりすぎないように、冷却水流路59には、図示しないポンプによって、冷却水が循環する。尚、冷却水流路59は、バレル50内ではなくスクリューケース91内におけるバレル50の近傍に設けられてもよい。冷却水流路59は、設けられなくてもよい。尚、バレル50の詳細な形状は、図3を用いて後述する。
【0022】
ノズル60内には、ノズル流路62と、ノズル孔61とが設けられている。ノズル流路62には、連通孔55を介して、可塑化装置90から造形材料が供給される。ノズル孔61は、ノズル流路62の大気に連通する側の端部に設けられた流路断面が縮小された部分である。ノズル流路62に供給された造形材料は、ノズル孔61から吐出される。
【0023】
図2は、第1実施形態におけるフラットスクリュー40の構成を示す斜視図である。図2に示したフラットスクリュー40は、技術の理解を容易にするために、図1に示した上下の位置関係を逆向きとした状態で示されている。図2には、熱伝達抑制部140にハッチングを施している。本実施形態では、フラットスクリュー40の溝形成面42には、溝部45が形成されている。溝部45は、中央部46と、渦状部47と、材料導入部48とを有している。中央部46は、フラットスクリュー40の中心軸AXの周りに形成された円形の窪みである。中央部46は、バレル50に設けられた連通孔55に対向する。
【0024】
渦状部47の一端は、中央部46に接続されている。渦状部47は、中央部46を中心として、溝形成面42の外周に向かって弧を描くように渦状に延びている。渦状部47は、インボリュート曲線状や螺旋状に延びるように構成されてもよい。
【0025】
渦状部47の他端は、材料導入部48に接続されている。材料導入部48は、スクリュー対向面51の外周縁に設けられた渦状部47よりも幅広な溝状の部分である。材料導入部48は、フラットスクリュー40の側面43まで連続している。供給路22を介して供給された材料は、材料導入部48から渦状部47へと導入される。
【0026】
図3は、第1実施形態におけるバレル50のスクリュー対向面51の構成を示す上面図である。上述したとおり、スクリュー対向面51の中央には、ノズル60に連通する連通孔55が形成されている。スクリュー対向面51における連通孔55の周りには、複数の案内溝54が形成されている。それぞれの案内溝54は、一端が連通孔55に接続され、連通孔55からスクリュー対向面51の外周に向かって渦状に延びている。それぞれの案内溝54は、造形材料を連通孔55に導く機能を有している。
【0027】
上述した三次元造形装置100の構成によれば、制御部500によって三次元造形物を造形する造形処理が実行されると、材料供給部20内の材料が、供給路22を通って、回転しているフラットスクリュー40の側面43から材料導入部48に供給される。材料導入部48内に供給された材料は、フラットスクリュー40の回転によって、渦状部47内へと搬送される。渦状部47内に搬送された材料は、フラットスクリュー40の回転と、バレル50に内蔵されたヒーター58による加熱とによって、少なくとも一部が溶融されて、流動性を有するペースト状の造形材料となる。
【0028】
フラットスクリュー40の回転によって、渦状部47内を中央部46に向かって造形材料が搬送されて、中央部46から連通孔55に造形材料が送出される。連通孔55を介してノズル60に供給された造形材料は、ノズル孔61から造形テーブル310上に向かって吐出される。尚、ノズル孔61から吐出される造形材料の流量のことを吐出量と呼ぶ。
【0029】
フラットスクリュー40の温度が高くなりすぎると、渦状部47内を造形材料が搬送されにくくなるため、連通孔55から送出される造形材料の流量が減少し、ノズル孔61からの造形材料の吐出量が低下する。したがって、フラットスクリュー40の温度は、渦状部47内における造形材料の溶融と搬送とに適した温度に維持されることが好ましい。
【0030】
以上で説明した本実施形態の三次元造形装置100によれば、駆動モーター30の回転軸31とフラットスクリュー40とが、熱伝達抑制部140を介して接続されているので、回転軸31を介して駆動モーター30からフラットスクリュー40に熱が伝わることを抑制できる。そのため、フラットスクリュー40の温度が高くなりすぎることを抑制できる。したがって、連通孔55から送出される造形材料の流量を安定させることができ、ノズル孔61からの造形材料の吐出量を安定させることができる。尚、本実施形態では、固定穴49内におけるフラットスクリュー40の面の全部が熱伝達抑制部140によって覆われている。これに対して、回転軸31を介して駆動モーター30の熱がフラットスクリュー40に伝わることを抑制できる範囲内において、フラットスクリュー40の一部が、熱伝達抑制部140によって覆われずに、露出してもよい。
【0031】
また、本実施形態では、熱伝達抑制部140の熱伝導率は、フラットスクリュー40の熱伝導率よりも小さい。そのため、熱伝達抑制部140を介さずに、駆動モーター30の回転軸31とフラットスクリュー40とが接続された形態に比べて、回転軸31を介して駆動モーター30からフラットスクリュー40に熱が伝わることを確実に抑制できる。
【0032】
また、本実施形態では、固定穴49内におけるフラットスクリュー40の面に熱伝達抑制部140が設けられている。そのため、簡易な構成によって、回転軸31を介して駆動モーター30からフラットスクリュー40に熱が伝わることを抑制できる。
【0033】
また、本実施形態では、スクリューケース91に対向するフラットスクリュー40の上面41と側面43とにも熱伝達抑制部140が設けられている。そのため、スクリューケース91からフラットスクリュー40に熱が伝わることを抑制できるので、フラットスクリュー40の温度が高くなりすぎることをさらに抑制できる。
【0034】
尚、本実施形態では、ペレット状のABS樹脂の材料が用いられたが、吐出ユニット200において用いられる材料としては、例えば、熱可塑性を有する材料や、金属材料、セラミック材料等の種々の材料を主材料として三次元造形物を造形する材料を採用することもできる。ここで、「主材料」とは、三次元造形物の形状を形作っている中心となる材料を意味し、三次元造形物において50重量%以上の含有率を占める材料を意味する。上述した造形材料には、それらの主材料を単体で溶融したものや、主材料とともに含有される一部の成分が溶融してペースト状にされたものが含まれる。
【0035】
主材料として熱可塑性を有する材料を用いる場合には、可塑化装置90において、当該材料が可塑化することによって造形材料が生成される。「可塑化」とは、熱可塑性を有する材料に熱が加わり溶融することを意味する。
【0036】
熱可塑性を有する材料としては、例えば、下記のいずれか一つまたは2以上を組み合わせた熱可塑性樹脂材料を用いることができる。
<熱可塑性樹脂材料の例>
ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリエチレン樹脂(PE)、ポリアセタール樹脂(POM)、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、ポリアミド樹脂(PA)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS)、ポリ乳酸樹脂(PLA)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリカーボネート(PC)、変性ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートなどの汎用エンジニアリングプラスチック、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトンなどのエンジニアリングプラスチック。
【0037】
熱可塑性を有する材料には、顔料や、金属、セラミック、その他に、ワックス、難燃剤、酸化防止剤、熱安定剤などの添加剤等が混入されていてもよい。熱可塑性を有する材料は、可塑化装置90において、フラットスクリュー40の回転とヒーター58の加熱によって可塑化されて溶融した状態に転化される。また、そのように生成された造形材料は、ノズル孔61から吐出された後、温度の低下によって硬化する。
【0038】
熱可塑性を有する材料は、そのガラス転移点以上に加熱されて完全に溶融した状態でノズル孔61から射出されることが望ましい。例えば、ABS樹脂は、ガラス転移点が約120℃であり、ノズル孔61からの射出時には約200℃であることが望ましい。このように高温の状態で造形材料を射出するために、ノズル孔61の周囲にはヒーターが設けられてもよい。
【0039】
吐出ユニット200では、上述した熱可塑性を有する材料の代わりに、例えば、以下の金属材料が主材料として用いられてもよい。この場合には、下記の金属材料を粉末状にした粉末材料に、造形材料の生成の際に溶融する成分が混合されて、可塑化装置90に投入されることが望ましい。
<金属材料の例>
マグネシウム(Mg)、鉄(Fe)、コバルト(Co)やクロム(Cr)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)の単一の金属、もしくはこれらの金属を1つ以上含む合金。
<合金の例>
マルエージング鋼、ステンレス、コバルトクロムモリブデン、チタニウム合金、ニッケル合金、アルミニウム合金、コバルト合金、コバルトクロム合金。
【0040】
吐出ユニット200においては、上記の金属材料の代わりに、セラミック材料を主材料として用いることが可能である。セラミック材料としては、例えば、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムなどの酸化物セラミックスや、窒化アルミニウムなどの非酸化物セラミックスなどが使用可能である。主材料として、上述したような金属材料やセラミック材料を用いる場合には、造形テーブル310に配置された造形材料は、例えばレーザーの照射や温風などによる焼結によって硬化されてもよい。
【0041】
材料供給部20に投入される金属材料やセラミック材料の粉末材料は、単一の金属の粉末や合金の粉末、セラミック材料の粉末を、複数種類、混合した混合材料であってもよい。また、金属材料やセラミック材料の粉末材料は、例えば、上で例示したような熱可塑性樹脂、あるいは、それ以外の熱可塑性樹脂によってコーティングされていてもよい。この場合には、可塑化装置90において、その熱可塑性樹脂が溶融して流動性が発現されるものとしてもよい。
【0042】
材料供給部20に投入される金属材料やセラミック材料の粉末材料には、例えば、以下のような溶剤を添加することもできる。溶剤は、下記の中から選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
<溶剤の例>
水;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類;酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸iso−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル等の酢酸エステル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、ジイソプロピルケトン、アセチルアセトン等のケトン類;エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;テトラアルキルアンモニウムアセテート類;ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド等のスルホキシド系溶剤;ピリジン、γ−ピコリン、2,6−ルチジン等のピリジン系溶剤;テトラアルキルアンモニウムアセテート(例えば、テトラブチルアンモニウムアセテート等);ブチルカルビトールアセテート等のイオン液体等。
【0043】
その他に、材料供給部20に投入される金属材料やセラミック材料の粉末材料には、例えば、以下のようなバインダーを添加することもできる。
<バインダーの例>
アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、セルロース系樹脂或いはその他の合成樹脂又はPLA(ポリ乳酸)、PA(ポリアミド)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)或いはその他の熱可塑性樹脂。
【0044】
B.第2実施形態:
図4は、第2実施形態の三次元造形装置100bの概略構成を示す説明図である。第2実施形態の三次元造形装置100bでは、吐出ユニット200bが有する可塑化装置90bにおいて、熱伝達抑制部140,140bの配置が第1実施形態と異なる。また、駆動モーター30の回転軸31が、接続部32を介してフラットスクリュー40bに接続されていることが第1実施形態と異なる。その他の構成は、特に説明しない限り、図1に示した第1実施形態と同じである。
【0045】
接続部32は、駆動モーター30の回転軸31の先端側に設けられた軸状部材である。駆動モーター30の発生するトルクは、接続部32を介して回転軸31からフラットスクリュー40bに伝達される。
【0046】
本実施形態では、熱伝達抑制部140bは、固定穴49内におけるフラットスクリュー40bの面に設けられているのではなく、駆動モーター30の回転軸31と接続部32との間に設けられている。つまり、駆動モーター30の回転軸31は、熱伝達抑制部140bと接続部32とを介してフラットスクリュー40bに接続されている。本実施形態の熱伝達抑制部140bの熱伝導率は、駆動モーター30の回転軸31の熱伝導率よりも小さい。尚、スクリューケース91に対向するフラットスクリュー40bの上面41と側面43とに、熱伝達抑制部140が設けられていることは、第1実施形態と同じである。
【0047】
図5は、本実施形態における熱伝達抑制部140bの構成を示す説明図である。本実施形態では、本実施形態では、駆動モーター30の回転軸31と熱伝達抑制部140bと接続部32とが機械的に接合されている。本実施形態では、熱伝達抑制部140bの上端と下端には、四角穴が形成されている。回転軸31の下端と、接続部32の上端とが、角柱状に形成されている。熱伝達抑制部140bの上端の四角穴には、回転軸31の下端が嵌合し、ねじ33によって熱伝達抑制部140bと回転軸31とが固定される。熱伝達抑制部140bの下端の四角穴には、接続部32の上端が嵌合し、ねじ33によって熱伝達抑制部140bと接続部32が固定される。つまり、本実施形態では、熱伝達抑制部140bは、軸継手としての機能を有している。尚、駆動モーター30の回転軸31と熱伝達抑制部140bと接続部32とは、駆動モーター30の発生するトルクをフラットスクリュー40bに伝達可能に接合されていれば、上述した構成以外によって接合されてもよい。
【0048】
以上で説明した本実施形態の三次元造形装置100bによれば、駆動モーター30の回転軸31が、熱伝達抑制部140bと接続部32とを介してフラットスクリュー40bに接続されているので、駆動モーター30の熱がフラットスクリュー40bに伝わることを抑制できる。そのため、フラットスクリュー40bの温度が高くなりすぎることを抑制できる。
【0049】
C.第3実施形態:
図6は、第3実施形態の三次元造形装置100cの概略構成を示す説明図である。第3実施形態の三次元造形装置100cでは、吐出ユニット200cが有する可塑化装置90cにおいて、フラットスクリュー40cにスクリュー冷媒流路150が設けられていることと、スクリューケース91に冷媒供給流路160と冷媒排出流路170とが設けられていることが第1実施形態と異なる。また、三次元造形装置100cが、スクリュー冷媒流路150に冷媒を供給する冷媒ポンプ180と、フラットスクリュー40cの温度を取得する温度センサー190とを備えていることが第1実施形態と異なる。その他の構成は、特に説明しない限り、図1に示した第1実施形態と同じである。尚、スクリュー冷媒流路150のことを単に冷媒流路と呼ぶこともある。
【0050】
スクリュー冷媒流路150には、フラットスクリュー40cを冷却するための冷媒が流れる。冷媒としては、例えば、水や油、クーラントを用いることができる。冷媒供給流路160には、スクリュー冷媒流路150に供給される冷媒が流れる。冷媒排出流路170には、スクリュー冷媒流路150から排出された冷媒が流れる。
【0051】
冷媒ポンプ180は、冷媒供給流路160と、冷媒排出流路170とに接続されている。冷媒ポンプ180は、制御部500の制御下で駆動して、冷媒排出流路170から冷媒供給流路160に冷媒を循環させる。
【0052】
温度センサー190は、フラットスクリュー40cの温度を測定する。測定されたフラットスクリュー40cの温度に関する情報は、制御部500に送信される。温度センサー190としては、例えば、放射温度計等の非接触式のセンサーを用いることができる。尚、温度センサー190は、フラットスクリュー40cに貼付された熱電対等の接触式のセンサーであってもよい。
【0053】
図7は、本実施形態における冷媒供給流路160と冷媒排出流路170との構成を示す説明図である。冷媒供給流路160は、冷媒供給配管161と、ケース供給溝部162とを有する。ケース供給溝部162は、フラットスクリュー40cの上面41に対向する、スクリューケース91の内壁面に設けられた円環状の溝である。ケース供給溝部162の円環の中心は、フラットスクリュー40cの中心軸AX上に位置する。ケース供給溝部162は、冷媒供給配管161を介して、冷媒ポンプ180に連通している。
【0054】
冷媒排出流路170は、冷媒排出配管171と、ケース排出溝部172とを有する。ケース排出溝部172は、フラットスクリュー40cの上面41に対向する、スクリューケース91の内壁面に設けられた円環状の溝である。ケース排出溝部172は、ケース供給溝部162の内側に、ケース供給溝部162に対して平行に配置されている。ケース排出溝部172の円環の中心は、フラットスクリュー40cの中心軸AX上に位置する。ケース排出溝部172は、冷媒排出配管171を介して、冷媒ポンプ180に連通している。尚、ケース供給溝部162とケース排出溝部172とのことを、特に区別せずに、ケース溝部と呼ぶこともある。
【0055】
スクリューケース91には、ケース供給溝部162の外周縁に沿って、外周供給シール部材163が設けられており、ケース供給溝部162の内周縁に沿って、内周供給シール部材164が設けられている。スクリューケース91には、ケース排出溝部172の外周縁に沿って、外周排出シール部材173が設けられており、ケース排出溝部172の内周縁に沿って、内周排出シール部材174が設けられている。外周供給シール部材163と、内周供給シール部材164と、外周排出シール部材173と、内周排出シール部材174とには、高い弾性を有する金属材料を用いることができる。
【0056】
図8は、本実施形態におけるスクリュー冷媒流路150の構成を示す説明図である。図8には、技術の理解を容易にするために、上下に分割された状態のフラットスクリュー40cを表している。スクリュー冷媒流路150は、スクリュー供給溝部151と、入口部152と、上流流通部153と、下流流通部154と、出口部155と、スクリュー排出溝部156とを有しており、この順に冷媒が流れる。尚、スクリュー供給溝部151とスクリュー排出溝部156とのことを、特に区別せずに、スクリュー溝部と呼ぶこともある。
【0057】
スクリュー供給溝部151は、フラットスクリュー40cの上面41に設けられた円環状の溝である。スクリュー供給溝部151は、ケース供給溝部162に対向する位置に設けられている。スクリュー供給溝部151の円環の中心は、上述したケース供給溝部162の円環の中心と同じ、フラットスクリュー40cの中心軸AX上に位置する。スクリュー供給溝部151の直径と、ケース供給溝部162の直径とは同じである。したがって、フラットスクリュー40cの回転中であっても、スクリュー供給溝部151とケース供給溝部162とが対向した状態が確保される。スクリュー供給溝部151には、冷媒供給流路160から冷媒が供給される。スクリュー供給溝部151には、上流流通部153に連通する入口部152が設けられている。冷媒供給流路160から供給された冷媒は、入口部152を介して上流流通部153に導入される。
【0058】
スクリュー排出溝部156は、フラットスクリュー40cの上面41に設けられた円環状の溝である。スクリュー排出溝部156は、ケース排出溝部172に対向する位置に設けられている。スクリュー排出溝部156の円環の中心は、上述したケース排出溝部172の円環の中心と同じ、フラットスクリュー40cの中心軸AX上に位置する。スクリュー排出溝部156直径と、ケース排出溝部172の直径とは同じである。したがって、フラットスクリュー40cの回転中であっても、スクリュー排出溝部156とケース排出溝部172とが対向した状態が確保される。スクリュー排出溝部156には、下流流通部154に連通する出口部155が設けられている。下流流通部154を流れた冷媒は、出口部155を介して冷媒排出流路170に排出される。本実施形態では、スクリュー排出溝部156は、スクリュー供給溝部151の内側に、スクリュー供給溝部151に対して平行に配置されている。つまり、出口部155は、入口部152よりもフラットスクリュー40cの中心側に設けられている。
【0059】
上流流通部153は、フラットスクリュー40cの内部に設けられている。本実施形態では、上流流通部153は、フラットスクリュー40cの外周側から中心側に向かって、フラットスクリュー40cの周方向に沿って渦状に延びている。上流流通部153の一方の端部は、入口部152に連通している。上流流通部153の他方の端部は、下流流通部154に連通している。
【0060】
下流流通部154は、フラットスクリュー40cの内部に設けられている。本実施形態では、下流流通部154は、上流流通部153の内周に沿って配置されている。下流流通部154は、フラットスクリュー40cの中心側から外周側に向かって、フラットスクリュー40cの周方向に沿って渦状に延びている。下流流通部154の一方の端部は、上流流通部153に連通している。下流流通部154の他方の端部は、出口部155に連通している。
【0061】
本実施形態におけるフラットスクリュー40cは、例えば、図8に表したように上下に分割された状態で、切削加工等によって溝や穴が形成された後、上下に分割された部分同士を接合されることによって形成される。本実施形態におけるフラットスクリュー40cは、三次元造形装置を用いた積層によって形成されてもよい。
【0062】
図9は、図7におけるスクリューケース91のIX−IX線断面図である。図9には、冷媒供給流路160とスクリュー冷媒流路150との接続部分、および、冷媒排出流路170とスクリュー冷媒流路150との接続部分を表している。
【0063】
スクリューケース91には、上述したとおり、外周供給シール部材163と、内周供給シール部材164と、外周排出シール部材173と、内周排出シール部材174とが設けられている。外周供給シール部材163の一方の端部と、内周供給シール部材164の一方の端部とは、スクリューケース91に固定されている。外周供給シール部材163の他方の端部と、内周供給シール部材164の他方の端部とが、フラットスクリュー40cの上面41に接触している。ケース供給溝部162とスクリュー供給溝部151との間が、外周供給シール部材163と内周供給シール部材164とによって、シールされている。ケース供給溝部162とスクリュー供給溝部151と外周供給シール部材163と内周供給シール部材164とによって囲まれた空間を通って、ケース供給溝部162からスクリュー供給溝部151に冷媒が供給される。
【0064】
外周排出シール部材173の一方の端部と、内周排出シール部材174の一方の端部とは、スクリューケース91に固定されている。外周排出シール部材173の他方の端部と、内周排出シール部材174の他方の端部とが、フラットスクリュー40cの上面41に接触している。ケース排出溝部172とスクリュー排出溝部156との間が、外周排出シール部材173と内周排出シール部材174とによって、シールされている。ケース排出溝部172とスクリュー排出溝部156と外周排出シール部材173と内周排出シール部材174とによって囲まれた空間を通って、スクリュー排出溝部156からケース排出溝部172に冷媒が排出される。
【0065】
図10は、本実施形態におけるスクリュー冷却処理の内容を示すフローチャートである。この処理は、駆動モーター30がフラットスクリュー40cを回転させている期間内において、制御部500によって繰り返し実行される。まず、ステップS110にて、制御部500は、温度センサー190を用いて、フラットスクリュー40cの温度を取得する。次に、ステップS120にて、制御部500は、フラットスクリュー40cの温度が予め定められた温度以上であるか否かを判定する。予め定められた温度は、フラットスクリュー40cの冷却を開始しなければ、渦状部47内における造形材料の溶融と搬送とのバランスが崩れるおそれのある温度に設定される。渦状部47内における造形材料の溶融と搬送とのバランスが崩れるおそれのある温度は、予め行われる試験やシミュレーションによって設定できる。
【0066】
フラットスクリュー40cの温度が予め定められた温度以上であると判断された場合、ステップS130にて、制御部500は、冷媒ポンプ180を駆動することによって、スクリュー冷媒流路150に冷媒を供給する。その後、制御部500は、この処理を終了する。一方、フラットスクリュー40cの温度が予め定められた温度以上であると判断されなかった場合、制御部500は、ステップS130の処理を行わずに、この処理を終了する。制御部500は、駆動モーター30がフラットスクリュー40cを回転させている期間内において、この処理を繰り返す。
【0067】
尚、制御部500は、上述した本実施形態におけるスクリュー冷却処理によらずに、駆動モーター30がフラットスクリュー40cを回転させている期間内において、常時、冷媒ポンプ180を駆動させてもよい。この場合、三次元造形装置100cは、温度センサー190を備えていなくてもよい。
【0068】
以上で説明した本実施形態の三次元造形装置100cによれば、フラットスクリュー40c内に設けられたスクリュー冷媒流路150に冷媒を流通させることによってフラットスクリュー40cを冷却することができる。そのため、フラットスクリュー40cの温度が高くなりすぎることを抑制できる。
【0069】
また、本実施形態では、出口部155が入口部152よりもフラットスクリュー40cの中心側に設けられているので、フラットスクリュー40c内を外周側から中心側に向かって冷媒が流通する。そのため、フラットスクリュー40cの中心側よりも外周側の方がより冷却される。フラットスクリュー40cの中心側は、材料の可塑化のために、比較的高温であることが好ましい。フラットスクリュー40cの外周側は、材料の搬送のために、比較的低温であることが好ましい。したがって、フラットスクリュー40cの中心側よりも外周側の方がより冷却されることによって、材料の可塑化と搬送との適切なバランスを確保することができる。
【0070】
また、本実施形態では、フラットスクリュー40cの回転中であっても、ケース供給溝部162とスクリュー供給溝部151と外周供給シール部材163と内周供給シール部材164とによって囲まれた空間を介して、ケース供給溝部162からスクリュー供給溝部151に対して、冷媒を連続的に供給できる。また、フラットスクリュー40cの回転中であっても、ケース排出溝部172とスクリュー排出溝部156と外周排出シール部材173と内周排出シール部材174とによって囲まれた空間を介して、スクリュー排出溝部156からケース排出溝部172に対して、冷媒を連続的に排出できる。
【0071】
また、本実施形態では、スクリューケース91に対向するフラットスクリュー40cの上面41と側面43とにも、熱伝達抑制部140が設けられている。そのため、スクリューケース91を介してフラットスクリュー40cに熱が伝わることを抑制できるので、フラットスクリュー40cの温度が高くなりすぎることをさらに抑制できる。
【0072】
また、本実施形態では、フラットスクリュー40cの温度が予め定められた温度以上となった場合に、制御部500が冷媒ポンプ180を駆動して、フラットスクリュー40cに冷媒を供給する。そのため、フラットスクリュー40cの温度が高くなりすぎることを抑制しつつ、フラットスクリュー40cが回転する期間中、常に冷媒ポンプ180を駆動する場合に比べて、消費電力を低減できる。
【0073】
D.第4実施形態:
図11は、第4実施形態の三次元造形装置100dの概略構成を示す説明図である。第4実施形態の三次元造形装置100dでは、吐出ユニット200dが有する可塑化装置90dにおいて、駆動モーター30の回転軸31内に、スクリュー冷媒流路150に連通する軸内流路157が設けられていることが第3実施形態と異なる。その他の構成は、特に説明しない限り、図6に示した第3実施形態と同じである。
【0074】
図12は、軸内流路157の詳細を示す説明図である。本実施形態では、軸内流路157は、二重管構造を有している。本実施形態では、軸内流路157の外側の層は、スクリュー冷媒流路150に冷媒を供給するための軸内供給流路158である。軸内供給流路158は、駆動モーター30の回転軸31の側面に開口する一端にてケース供給溝部162に連通し、他端にてフラットスクリュー40d内に設けられたスクリュー冷媒流路150の上流流通部153に連通する。
【0075】
本実施形態では、上流流通部153は、フラットスクリュー40dの内部を、外周に向かって延びている。上流流通部153の一方の端部は、上述したとおり、軸内供給流路158に連通しており、上流流通部153の他方の端部は、下流流通部154に連通している。下流流通部154は、フラットスクリュー40dの内部を、外周側から中心側に向かって、迷路状に延びている。下流流通部154の一方の端部は、上述したとおり、上流流通部153に連通しており、下流流通部154の他方の端部は、後述する軸内排出流路159に連通している。
【0076】
軸内流路157の内側の層は、スクリュー冷媒流路150から冷媒を排出するための軸内排出流路159である。軸内排出流路159は、回転軸31の側面に開口する一端にて、ケース排出溝部172に連通し、他端にてフラットスクリュー40d内に設けられたスクリュー冷媒流路150の下流流通部154に連通する。尚、軸内流路157の内側の層が軸内供給流路158であってもよい。この場合、軸内流路157の外側の層が軸内排出流路159であればよい。
【0077】
本実施形態では、ケース供給溝部162とケース排出溝部172とが、駆動モーター30の回転軸31に対向するスクリューケース91の面に設けられている。ケース供給溝部162とケース排出溝部172とは、回転軸31の外周に沿って環状に設けられている。ケース供給溝部162は、ケース排出溝部172よりも下方に設けられている。ケース供給溝部162と回転軸31との間は、供給シール部材165によってシールされている。ケース排出溝部172と回転軸31との間は、排出シール部材175によってシールされている。
【0078】
以上で説明した本実施形態の三次元造形装置100dによれば、フラットスクリュー40dの回転中であっても、軸内流路157を介して、フラットスクリュー40d内に設けられたスクリュー冷媒流路150に冷媒を連続的に供給できるので、フラットスクリュー40dを冷却することができる。そのため、フラットスクリュー40dの温度が高くなりすぎることを抑制できる。
【0079】
また、本実施形態では、軸内流路157が冷却されることによって、駆動モーター30の回転軸31を介してフラットスクリュー40dに熱が伝わることを抑制できる。したがって、軸内流路157のことを熱伝達抑制部と捉えることもできる。
【0080】
E.第5実施形態:
図13は、第5実施形態の三次元造形装置100eの概略構成を示す説明図である。第5実施形態の三次元造形装置100eでは、吐出ユニット200eが有する可塑化装置90eにおいて、フラットスクリュー40e内にペルチェ素子600が設けられていることが第1実施形態と異なる。また、三次元造形装置100eが、ペルチェ素子600に電流を供給する電源610と、フラットスクリュー40eの温度を取得する温度センサー190とを備えていることが第1実施形態と異なる。その他の構成は、特に説明しない限り、図1に示した第1実施形態と同じである。
【0081】
ペルチェ素子600は、ペルチェ効果によって一方の面から吸熱し、他方の面から放熱する熱電素子である。本実施形態では、ペルチェ素子600は、フラットスクリュー40eの内部に設けられている。
【0082】
電源610は、制御部500の制御下で、ペルチェ素子600に電流を供給する。ペルチェ素子600の下面が吸熱し、ペルチェ素子600の上面が放熱するように、ペルチェ素子600に対して電源610から電流が供給される。フラットスクリュー40eの上面41に対向するスクリューケース91の内壁面には、第1接点612が設けられている。第1接点612と電源610との間は、第1配線611によって電気的に接続されている。フラットスクリュー40eの上面41には、第1接点612に接触するように、第2接点622が設けられている。第2接点622とペルチェ素子600との間は、第2配線621によって電気的に接続されている。
【0083】
本実施形態では、フラットスクリュー40eの上面41には熱伝達抑制部140が設けられておらず、フラットスクリュー40eの側面43と、固定穴49内の面とに熱伝達抑制部140が設けられている。
【0084】
本実施形態では、スクリューケース91には、フラットスクリュー40eの上方に、大気に連通する開口部95が設けられている。尚、スクリューケース91には、開口部95が設けられていなくてもよい。
【0085】
温度センサー190は、フラットスクリュー40eの温度を測定する。測定されたフラットスクリュー40eの温度に関する情報は、制御部500に送信される。温度センサー190としては、例えば、放射温度計等の非接触式のセンサーを用いることができる。尚、温度センサー190は、フラットスクリュー40eに貼付された熱電対等の接触式のセンサーであってもよい。
【0086】
図14は、本実施形態における第1接点612の構成を示す説明図である。本実施形態では、第1接点612は、円環状に形成されている。第1接点612の中心は、フラットスクリュー40eの中心軸AX上に位置する。第1接点612の半径は、第2接点622からフラットスクリュー40eの中心軸AXまでの距離と同じである。そのため、フラットスクリュー40eの回転中であっても、第1接点612と第2接点622とが接触した状態が確保されて、ペルチェ素子600に対して電源610から電流が供給される。尚、第1接点612は、円環状に形成されていなくてもよい。第1接点612と第2接点622との少なくともいずれか一方が円環状に形成されており、第1接点612と第2接点622とが接触することによって、第1接点612と第2接点622との間が電気的に接続されていればよい。
【0087】
図15は、本実施形態におけるフラットスクリュー40eの構成を示す説明図である。本実施形態では、上述したとおり、フラットスクリュー40eの内部に、ペルチェ素子600が設けられている。ペルチェ素子600は、フラットスクリュー40eの周方向に沿って円環状に配置されている。本実施形態では、フラットスクリュー40eは、上面41を有する上側部分145と、溝形成面42を有する下側部分146とによって構成されている。ペルチェ素子600は、上側部分145と下側部分146との間に設けられている。上側部分145と下側部分146とは、ペルチェ素子600を挟んで接合される。尚、ペルチェ素子600は、フラットスクリュー40eの周方向に沿って円環状に配置されていなくてもよい。ペルチェ素子600は、フラットスクリュー40eを冷却できるように配置されていればよい。
【0088】
本実施形態では、フラットスクリュー40eの上側部分145の熱伝導率は、フラットスクリュー40eの下側部分146の熱伝導率よりも大きい。上側部分145には、例えば、ベリリウム銅や銅合金等を用いることができる。下側部分146には、例えば、ステンレス鋼やチタン合金等を用いることができる。尚、フラットスクリュー40eは、ペルチェ素子600の上面に上側部分145が設けられた形態ではなく、ペルチェ素子600の上面に放熱板が設けられた形態であってもよい。
【0089】
図16は、本実施形態におけるスクリュー冷却処理の内容を示すフローチャートである。この処理は、駆動モーター30がフラットスクリュー40eを回転させている期間内において、制御部500によって繰り返し実行される。まず、ステップS210にて、制御部500は、温度センサー190を用いて、フラットスクリュー40eの温度を取得する。次に、ステップS220にて、制御部500は、フラットスクリュー40eの温度が予め定められた温度以上であるか否かを判定する。予め定められた温度は、フラットスクリュー40eの冷却を開始しなければ、渦状部47内における造形材料の溶融と搬送とのバランスが崩れるおそれのある温度に設定される。渦状部47内における造形材料の溶融と搬送とのバランスが崩れるおそれのある温度は、予め行われる試験やシミュレーションによって設定できる。
【0090】
フラットスクリュー40eの温度が予め定められた温度以上であると判断された場合、ステップS230にて、制御部500は、電源610からペルチェ素子600に電流を供給する。その後、制御部500は、この処理を終了する。一方、フラットスクリュー40eの温度が予め定められた温度以上であると判断されなかった場合、制御部500は、ステップS230の処理を行わずに、この処理を終了する。制御部500は、駆動モーター30がフラットスクリュー40eを回転させている期間内において、この処理を繰り返す。
【0091】
尚、制御部500は、上述した本実施形態におけるスクリュー冷却処理によらずに、駆動モーター30がフラットスクリュー40eを回転させている期間内において、常時、電源610からペルチェ素子600に電流を供給してもよい。この場合、三次元造形装置100eは、温度センサー190を備えていなくてもよい。
【0092】
以上で説明した本実施形態の三次元造形装置100eによれば、ペルチェ素子600によってフラットスクリュー40eを冷却することができるので、フラットスクリュー40eの温度が高くなりすぎることを抑制できる。
【0093】
また、本実施形態では、スクリューケース91に設けられた円環状に形成された第1接点612と、フラットスクリュー40eに設けられた第2接点622とが接触することによって、ペルチェ素子600と電源610との間が電気的に接続されている。そのため、フラットスクリュー40eの回転中であっても、フラットスクリュー40eの外部に設けられた電源610からペルチェ素子600に対して電流を供給できる。
【0094】
また、本実施形態では、スクリューケース91に開口部95が設けられているので、ペルチェ素子600から放出された熱が、スクリューケース91の外に排出されやすい。そのため、ペルチェ素子600によるフラットスクリュー40eの冷却効果を向上させることができる。
【0095】
また、本実施形態では、ペルチェ素子600がフラットスクリュー40eの中心軸AXの周りに円環状に配置されているので、フラットスクリュー40eの中心部よりもフラットスクリュー40eの外周側を効果的に冷却できる。そのため、材料の可塑化と搬送との適切なバランスが保つことができる。
【0096】
また、本実施形態では、フラットスクリュー40eの側面43に熱伝達抑制部140が設けられている。そのため、スクリューケース91からフラットスクリュー40eに熱が伝わることを抑制できるので、フラットスクリュー40eの温度が高くなりすぎることをさらに抑制できる。
【0097】
F.第6実施形態:
図17は、第6実施形態の三次元造形装置100fの概略構成を示す説明図である。第6実施形態の三次元造形装置100fでは、吐出ユニット200fが有する可塑化装置90fにおいて、駆動モーター30の回転軸31の側面に第2接点622が設けられており、第2配線621が駆動モーター30の回転軸31内を通ってペルチェ素子600に接続されていることが第5実施形態と異なる。その他の構成は、特に説明しない限り、図13に示した第5実施形態と同じである。
【0098】
本実施形態では、第1接点612は、駆動モーター30の回転軸31に対向するスクリューケース91の面に設けられている。第1接点612は、駆動モーター30の回転軸31の外周に沿って円環状に形成されている。そのため、フラットスクリュー40fの回転中であっても、第1接点612と第2接点622とが接触した状態が確保されて、ペルチェ素子600に対して電源610から電流が供給される。
【0099】
以上で説明した本実施形態の三次元造形装置100fによれば、ペルチェ素子600に電流を供給するための第2配線621が駆動モーター30の回転軸31内を通っており、スクリューケース91に設けられた円環状に形成された第1接点612と、駆動モーター30の回転軸31の側面に設けられた第2接点622とが接触することによって、ペルチェ素子600と電源610との間が電気的に接続されている。そのため、フラットスクリュー40fの回転中であっても、フラットスクリュー40fの外部からペルチェ素子600に対して電流を供給できる。
【0100】
G.第7実施形態:
図18は、第7実施形態における射出成形装置700の概略構成を示す説明図である。本実施形態の射出成形装置700は、第1実施形態で説明した可塑化装置90と、射出制御機構710と、ノズル60と、金型部730と、型締装置740とを備えている。
【0101】
可塑化装置90は、第1実施形態で説明したように、フラットスクリュー40と、バレル50とを有している。フラットスクリュー40およびバレル50の具体的な構成は、第1実施形態のフラットスクリュー40およびバレル50の構成と同じである。可塑化装置90は、図示しない制御部の制御下で、フラットスクリュー40の溝部45に供給された粒状の材料の少なくとも一部を可塑化し、流動性を有するペースト状の溶融材料を生成して連通孔55から射出制御機構710へと導く。
【0102】
射出制御機構710は、射出シリンダー711と、プランジャー712と、プランジャー駆動部713とを備えている。射出制御機構710は、射出シリンダー711内の可塑化された材料を後述するキャビティCvに射出する機能を有している。射出制御機構710は、図示しない制御部の制御下で、ノズル60からの材料の射出量を制御する。射出シリンダー711は、バレル50の連通孔55に接続された略円筒状の部材であり、内部にプランジャー712を備えている。プランジャー712は、射出シリンダー711の内部を摺動し、射出シリンダー711内の材料を、可塑化装置90に接続されたノズル60側に圧送する。プランジャー712は、モーターによって構成されるプランジャー駆動部713により駆動される。
【0103】
金型部730は、可動金型731と固定金型732とを備えている。可動金型731と固定金型732とは、互いに対面して設けられ、その間に成形品の形状に相当する空間であるキャビティCvを有している。キャビティCvには、可塑化された材料が射出制御機構710によって圧送されてノズル60を介して射出される。
【0104】
型締装置740は、金型駆動部741を備えており、可動金型731と固定金型732との開閉を行う機能を有している。型締装置740は、図示しない制御部の制御下で、金型駆動部741を駆動して可動金型731を移動させて金型部730を開閉させる。
【0105】
第7実施形態の射出成形装置700は、上述したとおり、第1実施形態と同じ構成の可塑化装置90を備えている。したがって、フラットスクリュー40の温度が高くなりすぎることを抑制できる。したがって、連通孔55から送出される溶融材料の流量を安定させることができ、ノズル60からの溶融材料の射出量を安定させることができる。尚、射出成形装置700には、第1実施形態の可塑化装置90の代わりに、第1実施形態以外の上記の各実施形態で説明した可塑化装置90b,90c,90d,90e,90fが搭載されてもよい。
【0106】
H.他の実施形態:
(H1)上述した第3実施形態から第6実施形態の三次元造形装置100c,100d,100e,100fにおいて、固定穴49内におけるフラットスクリュー40c,40d,40e,40fの面には、熱伝達抑制部140が設けられている。これに対して、固定穴49内におけるフラットスクリュー40c,40d,40e,40fの面には、熱伝達抑制部140が設けられていなくてもよい。また、固定穴49内におけるフラットスクリュー40c,40d,40e,40fの面に、熱伝達抑制部140が設けられておらず、フラットスクリュー40c,40d,40e,40fは、第2実施形態において説明した熱伝達抑制部140bと接続部32とを介して回転軸31に接続されてもよい。
【0107】
(H2)上述した第1実施形態から第4実施形態の三次元造形装置100,100b,100c,100dにおいて、スクリューケース91に対向するフラットスクリュー40,40b,40c,40dの上面41には、熱伝達抑制部140が設けられている。これに対して、フラットスクリュー40,40b,40c,40dの上面41には熱伝達抑制部140が設けられていなくてもよい。
【0108】
(H3)上述した各実施形態の三次元造形装置100,100b,100c,100d,100e,100fにおいて、スクリューケース91に対向するフラットスクリュー40,40b,40c,40d,40e,40fの側面43には、熱伝達抑制部140が設けられている。これに対して、フラットスクリュー40,40b,40c,40d,40e,40fの側面43には熱伝達抑制部140が設けられていなくてもよい。
【0109】
I.他の形態:
本開示は、上述した実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実現することができる。例えば、本開示は、以下の形態によっても実現可能である。以下に記載した各形態中の技術的特徴に対応する上記実施形態中の技術的特徴は、本開示の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、本開示の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【0110】
(1)本開示の第1の形態によれば、材料を可塑化して溶融材料にする可塑化装置が提供される。この可塑化装置は、駆動モーターと、溝が形成された溝形成面を有し、前記駆動モーターによって回転するスクリューと、前記溝形成面に対向し、中心に連通孔が形成された対向面と、ヒーターとを有するバレルと、を備える。前記スクリューは、前記スクリューの内部に設けられた冷媒流路と、前記冷媒流路に連通し、前記スクリューの外部から冷媒を導入する入口部と、前記冷媒流路に連通し、前記スクリューの外部に前記冷媒を排出する出口部とを有する。
この形態の可塑化装置によれば、スクリューの内部に設けられた冷媒流路に冷媒を流通させることによってスクリューを冷却することができるので、スクリューの温度が高くなりすぎることを抑制できる。そのため、連通孔からの溶融材料の吐出量を安定させることができる。
【0111】
(2)上記形態の可塑化装置において、前記出口部は、前記入口部よりも前記スクリューの中心側に設けられてもよい。
この形態の可塑化装置によれば、スクリューの内部を外周側から中心側に向かって冷媒が流通することによって、スクリューの外周側を効果的に冷却できる。そのため、材料の可塑化と搬送との適切なバランスが保つことができる。
【0112】
(3)上記形態の可塑化装置において、前記スクリューを収容するケースを備え、前記ケースには、前記スクリューに対向する面に、環状のケース側溝部が設けられており、前記スクリューには、前記ケース側溝部に対向する面に、前記冷媒流路に連通する環状のスクリュー側溝部が設けられており、前記スクリューと前記ケースとの少なくともいずれか一方には、前記スクリュー側溝部の外周縁と前記ケース側溝部の外周縁との間をシールする外周シール部材と、前記スクリュー側溝部の内周縁と前記ケース側溝部の内周縁との間をシールする内周シール部材とが設けられており、前記スクリュー側溝部と前記ケース側溝部と前記外周シール部材と前記内周シール部材とによって囲まれた空間を前記冷媒が流通してもよい。
この形態の可塑化装置によれば、スクリューの回転中であっても、スクリュー側溝部とケース側溝部と外周シール部と内周シール部とによって囲まれた空間を介して、冷媒流路に冷媒を連続的に供給できる。
【0113】
(4)上記形態の可塑化装置において、前記スクリューにおける前記ケースに対向する面に、熱伝達抑制部が設けられてもよい。
この形態の可塑化装置によれば、ケースからスクリューに熱が伝わることを抑制できるため、スクリューの温度が高くなりすぎることをさらに抑制できる。
【0114】
(5)上記形態の可塑化装置において、前記駆動モーターは、回転軸を有し、前記回転軸の内部には、前記冷媒流路に連通する軸内流路が形成されてもよい。
この形態の可塑化装置によれば、スクリューの回転中であっても、軸内流路を介して、冷媒流路に冷媒を連続的に供給できる。
【0115】
(6)本開示の第2の形態によれば、三次元造形装置が提供される。この三次元造形装置は、造形材料を吐出するノズルと、材料を可塑化して前記造形材料にして、前記ノズルに前記造形材料を供給する可塑化装置と、前記可塑化装置を制御する制御部と、を備える。前記可塑化装置は、駆動モーターと、溝が形成された溝形成面を有し、前記駆動モーターによって回転するスクリューと、前記溝形成面に対向し、中心に連通孔が形成された対向面と、ヒーターとを有するバレルと、を備える。前記スクリューは、前記スクリューの内部に設けられた冷媒流路と、前記冷媒流路に連通し、前記スクリューの外部から冷媒を導入する入口部と、前記冷媒流路に連通し、前記スクリューの外部に前記冷媒を排出する出口部とを有する。
この形態の三次元造形装置によれば、スクリューの内部に設けられた冷媒流路に冷媒を流通させることによってスクリューを冷却することができるので、スクリューの温度が高くなりすぎることを抑制できる。そのため、ノズルからの造形材料の吐出量を安定させることができる。
【0116】
(7)上記形態の三次元造形装置において、前記冷媒流路に前記冷媒を供給する冷媒ポンプと、前記スクリューの温度を取得する温度センサーと、を備え、前記制御部は、前記温度センサーによって取得した前記温度が予め定められた温度以上である場合には、前記冷媒ポンプを駆動することによって前記冷媒流路に前記冷媒を供給してもよい。
この形態の三次元造形装置によれば、スクリューの温度が予め定められた温度以上である場合に、制御部が冷媒ポンプを駆動するため、スクリューの温度が高くなりすぎることを抑制しつつ、スクリューが回転する期間中、常に冷媒ポンプを駆動する場合に比べて、消費電力を低減できる。
【0117】
(8)本開示の第3の形態によれば、射出成形装置が提供される。この射出成形装置は、溶融材料を吐出するノズルと、材料を可塑化して前記溶融材料にして、前記ノズルに前記溶融材料を供給する可塑化装置と、前記可塑化装置を制御する制御部と、を備える。前記可塑化装置は、駆動モーターと、溝が形成された溝形成面を有し、前記駆動モーターによって回転するスクリューと、前記溝形成面に対向し、中心に連通孔が形成された対向面と、ヒーターとを有するバレルと、を備える。前記スクリューは、前記スクリューの内部に設けられた冷媒流路と、前記冷媒流路に連通し、前記スクリューの外部から冷媒を導入する入口部と、前記冷媒流路に連通し、前記スクリューの外部に前記冷媒を排出する出口部とを有する。
この形態の射出成形装置によれば、スクリューの内部に設けられた冷媒流路に冷媒を流通させることによってスクリューを冷却することができるので、スクリューの温度が高くなりすぎることを抑制できる。そのため、ノズルからの溶融材料の吐出量を安定させることができる。
【0118】
本開示は、可塑化装置以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、三次元造形装置や射出成形装置、吐出ユニット等の形態で実現することができる。
【符号の説明】
【0119】
20…材料供給部、22…供給路、30…駆動モーター、31…回転軸、32…接続部、33…ねじ、40,40b,40c,40d,40e,40f…フラットスクリュー、41…上面、42…溝形成面、43…側面、45…溝部、46…中央部、47…渦状部、48…材料導入部、49…固定穴、50…バレル、51…スクリュー対向面、54…案内溝、55…連通孔、58…ヒーター、59…冷却水流路、60…ノズル、61…ノズル孔、62…ノズル流路、90,90b,90c,90d,90e,90f…可塑化装置、91…スクリューケース、95…開口部、100,100b,100c,100d,100e,100f…三次元造形装置、140,140b…熱伝達抑制部、145…上側部分、146…下側部分、150…スクリュー冷媒流路、151…スクリュー供給溝部、152…入口部、153…上流流通部、154…下流流通部、155…出口部、156…スクリュー排出溝部、157…軸内流路、158…軸内供給流路、159…軸内排出流路、160…冷媒供給流路、161…冷媒供給配管、162…ケース供給溝部、163…外周供給シール部材、164…内周供給シール部材、165…供給シール部材、170…冷媒排出流路、171…冷媒排出配管、172…ケース排出溝部、173…外周排出シール部材、174…内周排出シール部材、175…排出シール部材、180…冷媒ポンプ、190…温度センサー、200,200b,200c,200d,200e,200f…吐出ユニット、310…造形テーブル、320…移動機構、500…制御部、600…ペルチェ素子、610…電源、611…第1配線、612…第1接点、621…第2配線、622…第2接点、700…射出成形装置、710…射出制御機構、711…射出シリンダー、712…プランジャー、713…プランジャー駆動部、730…金型部、731…可動金型、732…固定金型、740…型締装置、741…金型駆動部、AX…中心軸、Cv…キャビティ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図16
図17
図18