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特開2020-75523フォイル型スポーツカイトの本体構造及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-75523(P2020-75523A)
(43)【公開日】2020年5月21日
(54)【発明の名称】フォイル型スポーツカイトの本体構造及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   B64C 31/06 20200101AFI20200424BHJP
   A63H 27/08 20200101ALI20200424BHJP
【FI】
   B64C31/06
   A63H27/08 B
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-207939(P2018-207939)
(22)【出願日】2018年11月5日
(11)【特許番号】特許第6513870号(P6513870)
(45)【特許公報発行日】2019年5月15日
(71)【出願人】
【識別番号】518391878
【氏名又は名称】加藤 眞次
(74)【代理人】
【識別番号】100134050
【弁理士】
【氏名又は名称】岩崎 博孝
(72)【発明者】
【氏名】加藤 眞次
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150AA13
2C150DA18
2C150DK20
2C150EB02
2C150EB16
2C150FB05
2C150FB43
2C150FD04
(57)【要約】
【課題】
低コスト且つ単純な作業・手順で組み立てることができるフォイル型スポーツカイトの本体構造を提供する
【解決手段】
複数のセルC1〜C6から構成されるフォイル型スポーツカイトの本体100の構造であって、各セルC1〜C6は、樹脂フィルム製の下面側シート110と樹脂フィルム製の上面側シート120の貼付により吸気口140を有する袋状に構成すると共に、少なくとも1枚の下面側シート110に対し、上面側シート120は複数のセル数分に分割(121〜126)し、下面側シート110に対して貼付する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のセルから構成されるフォイル型スポーツカイトの本体構造であって、
各セルは、樹脂フィルム製の下面側シートと樹脂フィルム製の上面側シートの貼付により吸気口を有する袋状に構成されると共に、
少なくとも1枚の前記下面側シートに対し、前記上面側シートは前記複数のセル数分に分割されると共に、前記下面側シートに対して貼付されることにより前記各セルが袋状に構成されている
ことを特徴とするフォイル型スポーツカイトの本体構造。
【請求項2】
請求項1において、
前記上面側シートは、前記下面側シートに対して幅方向に弛ませた状態で貼付される
ことを特徴とするフォイル型スポーツカイトの本体構造。
【請求項3】
請求項2において、
前記幅方向の弛み量は、吸気口のある前端近傍が最も大きく、後端側に向かって徐々に少なくなるように、且つ、前記前端近傍から前端に向かっても僅かに少なくなるよう構成されている
ことを特徴とするフォイル型スポーツカイトの本体構造。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかにおいて、
前記下面側シートが2以上に分割されてブロック化されている
ことを特徴とするフォイル型スポーツカイトの本体構造。
【請求項5】
複数のセルから構成されるフォイル型スポーツカイトの本体の製造方法であって、
樹脂フィルム製の下面側シートに対して、前記複数のセル数分に分割された樹脂フィルム製の上面側シートを順次貼付することにより、フォイル型スポーツカイトの本体を製造する方法。
【請求項6】
請求項5において、
前記下面側シートが2以上に分割されてブロック化されており、
各ブロック毎に前記下面側シートに前記上面側シートを貼付して複数のブロックを製造した後、
各ブロックを結合させることにより前記フォイル型スポーツカイトの本体を製造する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、凧の技術分野に関し、特にフォイル型スポーツカイトに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、上下左右、更には回転など自由にコントロールすることができるスポーツカイト(スポーツ凧)が我が国でも人気を博している。
【0003】
スポーツカイトには様々な種類のものが存在するが、その中でも所謂「フォイル型」と呼ばれるスポーツカイトは、カイト本体にフレーム(骨)構造を有しておらず、ふわりと軽く飛び、衝突による危険性も少ないことから、競技だけでなくレジャーとしても人気がある。
【0004】
フォイル型のスポーツカイトは、図11に示しているように、風を受けて吸気口140から入った空気によりカイト本体部100を構成する各セルが膨らみ、その状態で空中に浮かぶ構造となっている。本体部100からは多数の支持線150が繋がれており、それら支持線150が4本の操作線160に纏められ、更にその4本の操作線160が2つのハンドル200の両端に接続されて構成される。
【0005】
操作者は、このハンドル200を押したり引いたり、更には傾けるなどしてカイトを自由に操作するのである。
【0006】
また、こういったフォイル型のスポーツカイトは、その完成品も市販もされており、誰でも購入して直ぐに楽しむことが可能となっている(非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
Kite World Online ShopのFoil Kitesのウェブページ
https://www.kiteworld-jp.com/catalog/foil.html
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、非特許文献1にあるような市販されるものは、製品によっては高価であり、子供達が必ずしも気軽に遊べるものではない。
【0009】
また、自作する楽しさや、試行錯誤しながら自作することによって得られる知識などは、完成品を購入して単に使用するだけでは絶対に得られない点である。
【0010】
そうはいっても、セイル地等専用の布を使って縫い合わせるような工程が必要になると、費用もかかるし、なにより容易に組み立てることができなくなってしまう。
【0011】
本発明は、こういった問題点を解決するべくなされたものであって、低コスト且つ単純な作業・手順で組み立てることができるフォイル型スポーツカイトの本体構造を提供する事をその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するべく、本願発明は、複数のセルから構成されるフォイル型スポーツカイトの本体構造であって、各セルは、樹脂フィルム製の下面側シートと樹脂フィルム製の上面側シートの貼付により吸気口を有する袋状に構成されると共に、少なくとも1枚の前記下面側シートに対し、前記上面側シートは前記複数のセル数分に分割されると共に、前記下面側シートに対して貼付されることにより前記各セルが袋状に構成されていることを特徴とする。
【0013】
このように構成したことによって、低コスト且つ単純な作業で組み立てることができるフォイル型スポーツカイトの本体構造を提供する事か可能となった。まず素材をゴミ袋等でも広く利用されている樹脂フィルム(ポリエチレンフィルム等)とすることで、圧倒的な低コスト化を実現すると共に、万一破損等が発生した場合でも、容易に補修することが可能となっている。
【0014】
また、樹脂フィルムを、粘着テープ等を利用して互いに貼付することで作ることができるため、縫い合わせる等の作業が不要となり、小さな子供でも少し頑張れば十分に作ることが可能なレベルに製造方法が簡略化されているのである。
【0015】
加えて、上面側シートはセルの数分だけ分割されており、即ち、上面側シートはセル毎に独立したシート(上面分割シート)が下面側シートに対して貼付されて構成されていることで、風を受けた上面側シート(上面分割シート)が膨らむように撓み易く、結果として各セルが膨らんで揚力を生じ易い構造となっているのである。
【0016】
また、前記上面側シートは、前記下面側シートに対して幅方向に弛ませた状態で貼付してもよい。
【0017】
このように構成すれば、よりセルが空気を受けて膨らみ易やすい構造を実現できる。
【0018】
また、前記幅方向の弛み量は、吸気口のある前端近傍が最も大きく、後端側に向かって徐々に少なくなるように、且つ、前記前端近傍から前端に向かっても僅かに少なくなるように構成してもよい。
【0019】
このように構成すれば、膨らんだセルの上下を流れる気流によって、揚力が発生し易く、よく飛ぶフォイル型スポーツカイトを実現することができる。
【0020】
また、前記下面側シートが2以上に分割されてブロック化して構成してもよい。
【0021】
このように構成すれば、製造が容易となると共に、一部が破損等した場合でも、その部分だけを交換することによって、全体を損傷等のない状態に戻すことができる。
【0022】
なお本発明は、複数のセルから構成されるフォイル型スポーツカイトの本体の製造方法であって、樹脂フィルム製の下面側シートに対して、前記複数のセル数分に分割された樹脂フィルム製の上面側シートを順次貼付することにより、フォイル型スポーツカイトの本体を製造する方法、更には、前記下面側シートが2以上に分割されてブロック化されており、各ブロック毎に前記下面側シートに前記上面側シートを貼付して複数のブロックを製造した後、各ブロックを結合させることにより前記フォイル型スポーツカイトの本体を製造する方法、として捉えることも可能である。
【発明の効果】
【0023】
本発明を適用することで、低コスト且つ単純な作業・手順で組み立てることができるフォイル型スポーツカイトの本体構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】フォイル型スポーツカイトの概略全体構成図である。
図2】本体部を下面側から見た全体図である。
図3】本発明の実施形態の一例として示す、スポーツカイト本体部を構成する部材であって、(a)が上面側シートを構成する上面分割シート、(b)が下面側シートを構成する下面分割シートである。
図4】下面分割シートに対して上面分割シートを取り付ける(貼付する)際の両者の関係を示した図である。
図5】1枚の下面分割シートに対して2枚の上面分割シートを貼付する手順を示した図である。
図6】1枚の下面分割シートに対して2枚の上面分割シートを貼付した後の、左右端部の処理を示した図である。
図7】(a)は、1枚の下面分割シートに対して2枚の上面分割シートを貼付したことにより完成した3つのブロックを並べた状態を示した図であり、(b)は当該3つのブロックを連結して本体部とした状態を示した図である。
図8】本体部の後端の処理(袋状処理)の手順を示した図である。
図9】(a)は実施形態の一例として示す上面分割シートの具体的形状を示した図であり、(b)はその上面分割シートを下面分割シートに貼付して1つのセルを完成させた状態を示した斜視図である。
図10】(a)は図9(b)で示したセルの側面図であり、(b)は当該セルを前端側(吸気口側)から見た図である。
図11】フォイル型スポーツカイトを使用・操作している状態を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の実施形態の一例であるフォイル型スポーツカイトの本体100について説明を加える。なお、図面理解容易の為、各部の大きさや寸法を誇張して表現している部分があり、実際の製品と必ずしも一致しない部分があることを付記しておく。また各図面は符号の向きに見るものとする。
【0026】
〈フォイル型スポーツカイトの本体の構成〉
図1に示しているように、フォイル型スポーツカイト10は、本体部100と、当該本体部から繋がる多数の支持線150と、これら支持線150を纏める4本の操作線160と、更にこの4本の操作線160が接続される2つのハンドル200を主たる要素として構成される。なお、図1の略中央に描かれているのは「糸巻き」である。
【0027】
なお、明細書及び特許請求の範囲において、フォイル型スポーツカイト本体部100の「下面」とは、支持線150が備わっている面、即ち、当該スポーツカイトを上げている時に、操作者側に向いている面のことを意味し、「上面」はその反対側の面のことを意味する。更に、「前」とは、風を受ける吸気口140が設けられている側を指し、「後」とはその逆側を意味する。
【0028】
本発明は、このフォイル型スポーツカイト10を構成する本体部100に関するものであるため、以降はこの本体部100の部分に焦点を絞って説明する。
【0029】
図2に示しているように、本体部100は、下面側シート110と上面側シート120によって構成される。いずれのシートも材質は樹脂製のフィルム(例えばポリエチレンフィルム等)で構成される。また本体部100は、図2のように下面側から見ると、縦長の6つのセルC1〜C6が幅方向(左右方向)に並べられた構成となっている。
【0030】
各セルC1〜C6の前端(図2において上方)、即ち、本体部100の前端には、それぞれ吸気口140が設けられており、受けた風がこの部分から本体部100内に入って、各セルC1〜C6が膨らむように構成される。
【0031】
図3に示しているように、本発明の実施形態の一例として示す本体部100では、下面側シート110は、3枚の下面分割シート111〜113から構成される。同様に、上面側シート120は、6枚の上面分割シート121〜126から構成される。
【0032】
図1図2からも明らかなように、下面分割シート111〜113に、上面分割シート121〜126を重ねると、前端側では、上面分割シート121〜126が少し前方(前端側)に飛び出すように構成される。これは、風を受けやすく、且つ、受けた風をセルC1〜C6内に導入し易くするための工夫である。
【0033】
このように、本発明の実施形態の一例として示した本体部100は、1枚の下面分割シート111〜113に対して2枚の上面分割シート121〜126が対応する構成とされ、この一つの纏まりでブロックX〜Zが構成される。
【0034】
なお、上面分割シートの形状を、図9図10を参照しつつ、より具体的に補足説明する。
【0035】
実際の上面分割シートは、例えば、図9(a)に示したような形状を成している。後端側(図9(a)において右側)の幅W1に比べ、前端側(図9(a)において左側)近傍の位置(本実施形態においては前端切り込み123aの切り込み端周辺)の幅W2が大きくなるように構成される。これにより、下面分割シート112に貼付すると、前端側に比べて後端側の弛み量が少なくなるのである。
【0036】
また、図示したような前端切り込み123aを設け、この切り込み123aを重ねるようにして下面分割シート112と共に袋状に構成するため(図9(b)、図10参照)、前端即ち吸気口140側に向かうに従い僅かに窄(すぼ)んだ形状として仕上がることとなる。この独特のセルの形状によって、揚力を得やすくよく飛ぶフォイル型スポーツカイトの本体を構成することができるのである。
【0037】
〈フォイル型スポーツカイトの本体の作成手順〉
続いて、図2図8を参照しつつ、本体部100の作り方について説明する。
【0038】
下面分割シート111〜113、及び、上面分割シート121〜126は、予め所定の大きさ(サイズ)にカットされているものを使用する。
【0039】
まず、図3に記載しているように、各下面分割シート111〜113、及び、各上面分割シート121〜126の前端部分に補強テープ(マスキングテープ等)170を張って補強する。各分割シートが動かないよう押さえるなどして注意して貼り、はみ出した部分はハサミやカッターなどでカットする。
【0040】
次に、1枚の下面分割シートに対して2枚の上面分割シートを貼り付け、ブロック(本実施形態においては3つのブロックX〜Z)を作る。
【0041】
ここでは、図4に示しているように、1枚の下面分割シート111に対して2枚の上面分割シート121、122を貼り付け、ブロックXを作る手順を説明する。なお、上面分割シート121は下面分割シート111の左半分に、上面分割シート122は下面分割シート111の右側に取り付けるが定位置となる。
【0042】
図5(a)に示したように、まず、下面分割シート111を床面等に置き、上面分割シート121を逆サイド側(右側)にひっくり返して配置し、粘着テープ300を使って貼付する。
【0043】
その後、図5(b)に示したように、貼付した上面分割シート121を左側(本来の定位置側)に返し、更にその上にもう1枚の上面分割シート122を(ひっくり返して)重ねた状態で、更に粘着テープ300を使って貼付する。
【0044】
そして、図6に示しているように、後から重ねた方の上面分割シート122を右側(本来の定位置側)に返す。更に、それぞれの上面分割シート121、122の貼付されていない側の幅方向端縁を、下面分割シート111の両端(左右端)から少し内側で位置決めし、粘着テープ300で貼付して固定する。2枚の上面分割シート121、122の境界部分には、幅広粘着テープ302を更に上から貼付して補強する。
【0045】
なお、最終的に本体部100の両端になる部分に関しては、図6の拡大図部分に示しているように、粘着テープ300で貼付固定した上で一度内側に折り返し、更にその上から幅広粘着テープ302で貼付し補強する。他のブロックと接続する側の端面はこの折り返しの補強は行わない。
【0046】
また、上面分割シート121、122は、本実施形態においては、下面分割シート111の対応部分(半分の領域)よりも幅広に構成されているため、貼付すると、図6に示しているように、下面分割シート111に対して弛むような(浮くような)構成となる。この弛み(浮き)の部分に空気が流入してセルが膨らむこととなる。なお、図6では、理解容易の為に弛み(浮き)の程度を誇張して表現している。
【0047】
また、下面分割シート111に対する上面分割シートの弛み量(浮き量)は、前側(吸気口140側)近傍が最も大きく、後端側に向かって徐々に少なくなるように、且つ、前端近傍から前端(吸気口140側)に向かっても僅かに少なくなるように構成される。例えば図3(a)では、理解容易のため、上面分割シート121〜126は上から下まで等幅のシートとして表現されているが、厳密には、下から上に向かって徐々に幅広になるように構成される(この点は追って詳述する)。
【0048】
同様の手順で、下面側シート112に対して2枚の上面側シート123、124を貼付する。更に、下面側シート113に対して2枚の上面側シート125、126を貼付する。
【0049】
これにより、図7(a)に示したように、3つのブロックX〜Zが出来上がる。最後は、図7(b)に示しているように、3つのブロックX〜Zを繋げて粘着テープで貼付し、1つの本体部100に仕上げる。
【0050】
また、各ブロックX〜Zの後端部分、即ち、各セルC1〜C6を袋状とするための底になる部分を作るために、図8に示しているように、上面分割シートと下面分割シートを貼付固定する。当該部分についても、一旦粘着テープ300で上面分割シート122を下面分割シート111に対して貼付固定した後、貼付した粘着テープ300を半分に折り曲げるようにして折り返し、更に粘着テープ302を貼付して補強しておく。
【0051】
この手順を経ることによって、本体部100が完成する。
【0052】
このように、本願発明は、複数のセルC1〜C6から構成されるフォイル型スポーツカイトの本体100の構造であって、各セルC1〜C6は、樹脂フィルム製の下面側シート110と樹脂フィルム製の上面側シート120の貼付により吸気口140を有する袋状に構成されると共に、少なくとも1枚(上記例では3分割)の下面側シート110に対し、上面側シート110は複数のセル数分に分割(上記例では6分割)されると共に、下面側シート110に対して貼付されることにより各セルC1〜C6が袋状に構成されていることを特徴としていた。
【0053】
このように構成したことによって、低コスト且つ単純な作業で組み立てることができるフォイル型スポーツカイトの本体100の構造を提供する事か可能となった。まず素材をゴミ袋等でも広く利用されている樹脂フィルム(ポリエチレンフィルム等)とすることで、圧倒的な低コスト化を実現すると共に、万一破損等が発生した場合でも、容易に補修することが可能となっている。
【0054】
また、樹脂フィルム製のシートを、粘着テープ300、302等を利用して互いに貼付することで作ることができるため、縫い合わせる等の作業が不要となり、小さな子供でも少し頑張れば十分に作ることが可能なレベルに製造方法が簡略化されているのである。
【0055】
加えて、上面側シート120はセルC1〜C6の数分だけ分割されており、即ち、上面側シート120はセル毎に独立したシート(上面分割シート121〜126)が下面側シート110に対して貼付されて構成されていることで、風を受けた上面分割シートが膨らむように撓み易く、結果として各セルC1〜C6が膨らみ揚力を生じ易い構造となっているのである。
【0056】
また、上面分割シート121〜126は、下面側シート110に対して幅方向に弛ませた状態で貼付されていた。
【0057】
このように構成したことにより、セルC1〜C6が空気を受けて膨らみ易やすい構造を実現している。
【0058】
また、当該幅方向の弛み量は、吸気口140のある前端近傍が最も大きく、後端側に向かって徐々に少なくなるように、且つ、前記前端近傍から前端に向かっても僅かに少なくなるように構成されていた。
【0059】
このように構成したことによって、膨らんだセルC1〜C6の上下を流れる気流によって、揚力が発生し易く、よく飛ぶフォイル型スポーツカイトを実現している。
【0060】
また、下面側シートが2以上に分割されてブロック化されていることによって、作成が容易となると共に、一部が破損等した場合でも、その部分だけを交換することによって、全体を損傷等のない状態に戻すことが可能な構成となっている(粘着テープを剥がして損傷したブロックを交換すればよい)。また、ブロック数を増減させることで、幅方向にサイズの異なる本体部のバリエーションを容易に構成しやすいというメリットも存在する。
【0061】
〈その他の構成例〉
上記では、本体部100が6つのセルC1〜C6で構成されていたが、セル数はこれに限られない。使用者の体力や目的等に応じて適宜変更することが可能である。
【0062】
また、上記では、下面側シート110が3枚に分割された下面分割シートとして構成されていたが、これに限られるものではない。分割されずに1枚の下面側シートで構成することも可能であるし、2分割更には6分割などで構成することも可能である。
【符号の説明】
【0063】
10・・・フォイル型スポーツカイト
100・・・本体部
110・・・下面側シート
111〜113・・・下面分割シート
120・・・上面側シート
121〜126・・・上面分割シート
140・・・吸気口(前端部)
150・・・支持線
160・・・操作線
170・・・補強テープ
200・・・ハンドル
300・・・粘着テープ(幅狭)
302・・・粘着テープ(幅広)
C1〜C6・・・セル
X〜Z・・・ブロック
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2019年2月21日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のセルから構成されるフォイル型スポーツカイトの本体構造であって、
各セルは、樹脂フィルム製の下面側シートと樹脂フィルム製の上面側シートの貼付により吸気口を有する袋状に構成されると共に、
少なくとも枚の前記下面側シートに対し、前記上面側シートは前記複数のセル数分に分割されると共に、前記下面側シートに対して貼付されることにより前記各セルが袋状に構成され、
前記下面側シートが2以上に分割されると共に、当該分割された下面側シートのそれぞれに対して2以上の上面側シートが貼付されてブロック化されている
ことを特徴とするフォイル型スポーツカイトの本体構造。
【請求項2】
複数のセルから構成されるフォイル型スポーツカイトの本体の製造方法であって、
各セルは、樹脂フィルム製の下面側シートと樹脂フィルム製の上面側シートの貼付により吸気口を有する袋状に構成されると共に、
前記下面側シートを2以上に分割した上で、当該分割した下面側シートのそれぞれに対して2以上の上面側シートを貼付して複数のブロックを製造した後、
各ブロックを結合させることにより前記フォイル型スポーツカイトの本体を製造する方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0062
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0062】
また、上記では、下面側シート110が3枚に分割された下面分割シートとして構成されていたが、これに限られるものではない。2割などで構成することも可能である。