特開2020-75550(P2020-75550A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-75550(P2020-75550A)
(43)【公開日】2020年5月21日
(54)【発明の名称】駐車支援装置
(51)【国際特許分類】
   B60W 30/06 20060101AFI20200424BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20200424BHJP
   G08G 1/00 20060101ALI20200424BHJP
   B60R 99/00 20090101ALI20200424BHJP
【FI】
   B60W30/06
   G08G1/16 A
   G08G1/00 X
   B60R99/00 330
   B60R99/00 321
   B60R99/00 322
   B60R99/00 351
   B60R99/00 340
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2018-208575(P2018-208575)
(22)【出願日】2018年11月6日
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000213
【氏名又は名称】特許業務法人プロスペック特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】日栄 悠
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 淳也
【テーマコード(参考)】
3D241
5H181
【Fターム(参考)】
3D241BA21
3D241CC01
3D241CC08
3D241CC11
3D241CC17
3D241CE04
3D241DA23Z
3D241DA58Z
3D241DB01Z
3D241DC33Z
3D241DC35Z
3D241DD12Z
5H181AA01
5H181BB04
5H181CC04
5H181CC11
5H181CC24
5H181FF04
5H181LL01
5H181LL02
5H181LL04
5H181LL09
5H181LL17
(57)【要約】      (修正有)
【課題】目標領域を予め登録した後に当該目標領域及びその周辺の環境が変化した場合において、目標領域を変更して駐車支援制御を実行し、且つ、当該変更された目標領域を新たな目標領域として登録することを運転者に対し自動的に提案できる駐車支援装置を提供する。
【解決手段】駐車支援装置は、目標領域に関する情報が予め記憶されており且つ現時点における車両の位置が前記予め記憶されていた目標領域の近傍であるとき、当該目標領域内に障害物が存在するか否かを判定する。駐車支援装置は、目標領域内に障害物が存在するとき、予め記憶されていた目標領域を移動させて、最終的な目標領域を決定する。このような場合、駐車支援装置は、予め記憶されていた目標領域を前記移動された目標領域に修正することを提案する提案画面を表示する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の周囲に存在する物体についての情報及び前記車両の周囲の路面上の区画線についての情報を含む車両周辺情報を取得する情報取得手段と、
前記車両の駐車を完了したときに前記車両が占有する領域である目標領域を決定する目標領域決定手段と、
前記目標領域に関する情報である目標領域情報を記憶するための目標領域記憶手段と、
現時点における前記車両の位置から前記目標領域へ前記車両を移動させることが可能な経路を目標経路として決定する経路決定手段と、
前記決定された目標経路に沿って前記車両を移動させるための前記車両の操舵角自動制御を含む駐車支援制御を実行する駐車支援手段と、
前記車両の乗員に対して画像を表示可能な表示装置と、
前記表示装置の前記画像上での運転者による操作を可能にする操作手段と、
を備え、
前記目標領域決定手段は、前記駐車支援制御の実行を要求された場合、
前記目標領域記憶手段に前記目標領域情報が予め記憶されており、且つ、現時点における前記車両の位置が前記目標領域記憶手段に記憶されている前記目標領域の近傍であるとき、前記車両周辺情報に基いて、前記目標領域記憶手段に記憶されている前記目標領域内に障害物が存在するか否かを判定し、
前記目標領域記憶手段に記憶されている前記目標領域内に障害物が存在するとき、前記目標領域記憶手段に記憶されている前記目標領域を移動させることにより、最終的な目標領域を決定する
ように構成され、
更に、前記目標領域決定手段は、前記目標領域記憶手段に記憶されている前記目標領域を移動させた場合、
前記表示装置において、前記目標領域記憶手段に記憶されている前記目標領域を前記移動された目標領域に修正することを提案する提案画面を表示し、
前記運転者による前記操作手段の操作に応じて、前記目標領域記憶手段に記憶されている前記目標領域を前記移動させた目標領域に修正する
ように構成された、
駐車支援装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両を所定の場所に駐車させるための駐車支援制御を実行する駐車支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両の駐車時において運転者の操舵操作を支援する駐車支援装置が提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。このような駐車支援装置は、障害物が存在しない領域をセンサ及びカメラ等によって検出し、車両の駐車が完了した時点に車両が占有する領域を目標領域として設定する。駐車支援装置は、車両を目標領域まで移動させる経路を目標経路として演算し、当該目標経路に沿って車両が移動するように駐車支援制御(操舵角自動制御)を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017−138664号公報
【発明の概要】
【0004】
ところで、本願発明者は、駐車支援制御における目標領域を記憶部(メモリ)に予め登録できる駐車支援装置を検討している。このような駐車支援装置において、運転者が、自宅の車庫のような所定の領域内に目標領域を予め登録する場合がある。しかし、運転者が目標領域を登録した後に、車庫の環境が変化する場合がある。例えば、車両の駐車時において、予め登録した目標領域内に障害物が存在する状況が生じ得る。このような状況が生じた場合、予め登録した目標領域を障害物が存在しない領域に移動させて、駐車支援制御を行うことが考えられる。
【0005】
しかし、障害物が、固定された構造物(例えば、新たに設置されたカーポートの柱)である場合、駐車支援制御を実行するたびに目標領域を移動させる処理が必要となる。このような処理を避けるためには、運転者が、現時点で記憶部に登録されている目標領域を削除し、且つ、新たな目標領域を記憶部に登録し直す必要がある。従って、運転者が煩わしさを感じるという課題がある。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされた。即ち、本発明の目的の一つは、目標領域を予め登録した後に当該目標領域及びその周辺の環境が変化した場合において、目標領域を変更して駐車支援制御を実行し、且つ、当該変更された目標領域を新たな目標領域として登録することを運転者に対して自動的に提案することが可能な駐車支援装置を提供することである。
【0007】
本発明の駐車支援装置(以下、「本発明装置」と称呼される場合がある。)は、
車両(100)の周囲に存在する物体についての情報及び前記車両の周囲の路面上の区画線についての情報を含む車両周辺情報を取得する情報取得手段(81、82、83)と、
前記車両の駐車を完了したときに前記車両が占有する領域である目標領域を決定する目標領域決定手段(10、10h)と、
前記目標領域に関する情報である目標領域情報(400)を記憶するための目標領域記憶手段(10、10i)と、
現時点における前記車両の位置から前記目標領域へ前記車両を移動させることが可能な経路を目標経路として決定する経路決定手段(10、10j)と、
前記決定された目標経路に沿って前記車両を移動させるための前記車両の操舵角自動制御を含む駐車支援制御を実行する駐車支援手段(10、10k)と、
前記車両の乗員に対して画像を表示可能な表示装置(73、51)と、
前記表示装置の前記画像上での運転者による操作を可能にする操作手段(73)と、
を備える。
前記目標領域決定手段は、前記駐車支援制御の実行を要求された場合、
前記目標領域記憶手段に前記目標領域情報が予め記憶されており(ステップ705:Yes)、且つ、現時点における前記車両の位置が前記目標領域記憶手段に記憶されている前記目標領域の近傍である(ステップ710:Yes)とき、前記車両周辺情報に基いて、前記目標領域記憶手段に記憶されている前記目標領域内に障害物が存在するか否かを判定し、
前記目標領域記憶手段に記憶されている前記目標領域内に障害物が存在するとき(ステップ715:Yes)、前記目標領域記憶手段に記憶されている前記目標領域を移動させることにより、最終的な目標領域を決定する(ステップ720、ステップ730)
ように構成されている。
更に、前記目標領域決定手段は、前記目標領域記憶手段に記憶されている前記目標領域を移動させた場合、
前記表示装置において、前記目標領域記憶手段に記憶されている前記目標領域を前記移動された目標領域に修正することを提案する提案画面(1100)を表示し(ステップ835)、
前記運転者による前記操作手段の操作に応じて(ステップ845:Yes)、前記目標領域記憶手段に記憶されている前記目標領域を前記移動させた目標領域に修正する(ステップ850)
ように構成されている。
【0008】
係る構成を有する本発明装置は、駐車支援制御を実行する際に、目標領域記憶手段に記憶されている目標領域を移動させた場合、表示装置において、目標領域記憶手段に記憶されている目標領域を、移動された目標領域に修正することを提案する提案画面を表示する。従って、目標領域を目標領域記憶手段に予め記憶させた後に当該目標領域及びその周辺の環境が変化した場合でも、本発明装置は、目標領域記憶手段に記憶されている目標領域を移動させて駐車支援制御を実行し、その後、当該移動された目標領域を新たな目標領域として目標領域記憶手段に記憶することを運転者に対して自動的に提案することができる。従って、運転者が、現時点で目標領域記憶手段に記憶されている目標領域情報を削除し且つ新たな目標領域情報を目標領域記憶手段に登録し直すという操作を行う必要がなくなる。これにより、運転者が煩わしさを感じる可能性を低減することができる。
【0009】
なお、本発明装置の一の態様において、目標領域決定手段は、駐車支援制御を実行する際に目標領域記憶手段に記憶されている目標領域を移動させた回数が所定の回数以上であり(ステップ825:Yes)、且つ、提案画面を過去に表示していないとき(ステップ830:Yes)、提案画面を表示するように構成されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態に係る駐車支援装置の概略構成図である。
図2】第1超音波センサ、第2超音波センサ及びカメラの配置を表す車両の平面図である。
図3図1に示したタッチパネルの画面(表示画面)を3つの領域に区画した状態を示す図である。
図4図1に示した目標領域記憶部に格納されるテーブルを示した図である。
図5図4のテーブルに目標領域情報を登録する際にタッチパネルに表示される画面の一例を説明するための図である。
図6】本発明の実施形態に係る駐車支援ECUのCPUが実行する「並列駐車支援実行ルーチン」を示したフローチャートである。
図7】本発明の実施形態に係る駐車支援ECUのCPUが実行する「目標領域決定ルーチン」を示したフローチャートである。
図8】本発明の実施形態に係る駐車支援ECUのCPUが実行する「終了判定ルーチン」を示したフローチャートである。
図9】表示モードが駐車支援モードであるときに、本発明の実施形態に係る駐車支援ECUがタッチパネルに表示する画面の一例を説明するための図である。
図10図7のルーチンのステップ720にて実行される処理(目標領域のオフセット処理)と、ステップ725のオフセット条件とを説明するための図である。
図11図8のルーチンのステップ835にてタッチパネルに表示される提案画面の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施形態に係る駐車支援装置(以下、「本実施装置」と称呼される場合がある。)は、車両に適用される。図1に示したように、駐車支援装置は、駐車支援ECU10を備えている。駐車支援ECU10は、CPU10a、RAM10b、ROM10c、不揮発性メモリ10d及びインターフェース(I/F)10e等を含むマイクロコンピュータを備える。なお、本明細書において、「ECU」は電気制御装置(Electric Control Unit)を意味する。ECUは、CPU、RAM、ROM及びインターフェース等を含むマイクロコンピュータを含む。CPUはROMに格納されたインストラクションを実行することにより各種機能を実現する。
【0012】
駐車支援ECU10は、CAN(Controller Area Network)90を介して、エンジンECU20、ブレーキECU30、電動パワーステアリングECU(以下、「EPS・ECU」と称呼する。)40、メータECU50、SBW(Shift-by-Wire)・ECU60、及び、ナビゲーションECU70に接続されている。これらのECUは、CAN90を介して相互に情報を送信可能及び受信可能に接続されている。従って、特定のECUに接続されたセンサの検出値は他のECUにも送信されるようになっている。
【0013】
エンジンECU20は、エンジンアクチュエータ21に接続されている。エンジンアクチュエータ21は、内燃機関22のスロットル弁の開度を変更するスロットル弁アクチュエータを含む。エンジンECU20は、エンジンアクチュエータ21を駆動することによって、内燃機関22が発生するトルクを変更することができる。従って、エンジンECU20は、エンジンアクチュエータ21を制御することによって、車両の駆動力を制御することができる。なお、内燃機関22に代えて又は加えて、車両駆動源として電動機が使用されてもよい。
【0014】
ブレーキECU30は、ブレーキアクチュエータ31に接続されている。ブレーキアクチュエータ31は、ブレーキECU30からの指示に応じてブレーキキャリパ32bに内蔵されたホイールシリンダに供給する油圧を調整し、その油圧によりブレーキパッドをブレーキディスク32aに押し付けて摩擦制動力を発生させる。従って、ブレーキECU30は、ブレーキアクチュエータ31を制御することによって、車両の制動力(車輪に対する制動力)を制御することができる。
【0015】
EPS・ECU40は、アシストモータ(M)41に接続されている。アシストモータ41は、図示しない車両の「操舵ハンドル、操舵ハンドルに連結されたステアリングシャフト及び操舵用ギア機構等を含むステアリング機構」に組み込まれている。EPS・ECU40は、ステアリングシャフトに設けられた操舵トルクセンサ(図示省略)によって、運転者が操舵ハンドルに入力した操舵トルクを検出し、この操舵トルクに基いてアシストモータ41を駆動する。EPS・ECU40は、このアシストモータ41の駆動によってステアリング機構に操舵トルク(操舵アシストトルク)を付与し、これにより、運転者の操舵操作をアシストすることができる。
【0016】
メータECU50は、表示器51及び車速センサ52に接続されている。表示器51は、運転席の正面に設けられたマルチインフォーメーションディスプレイである。表示器51は、車速及びエンジン回転速度等の計測値の表示に加えて、各種の情報を表示する。車速センサ52は車両の速度(車速)を検出し、その車速を示す信号をメータECU50に出力する。車速センサ52が検出した車速は、駐車支援ECU10にも送信される。
【0017】
SBW・ECU60は、シフト位置センサ61に接続されている。シフト位置センサ61は、変速操作部の可動部としてのシフトレバーの位置を検出する。本例において、シフトレバーの位置は、駐車位置(P)、前進位置(D)及び後進位置(R)である。SBW・ECU60は、シフトレバーの位置をシフト位置センサ61から受け取り、そのシフトレバー位置に基いて車両の図示しない変速機及び/又は駆動方向切替え機構を制御する(即ち、車両のシフト制御を行う。)ようになっている。
【0018】
ナビゲーションECU70は、車両が位置している場所の「緯度及び経度」を検出するためのGPS信号を受信するGPS受信機71、地図情報を記憶した地図データベース72、及び、タッチパネル(タッチパネル式ディスプレイ)73を備えている。ナビゲーションECU70は、車両が位置している場所の緯度及び経度、並びに地図情報等に基いて各種の演算処理を行い、タッチパネル73に地図上での車両の位置を表示させる。以下では、タッチパネル73に「地図及びその地図上での車両の位置」が表示されているときの表示モードを「ナビゲーションモード」と称する。なお、タッチパネル73は、便宜上、「表示装置」又は「表示部」とも称呼される。タッチパネル73の表示モードには、ナビゲーションモードの他に、駐車支援モードがある。駐車支援モードは、駐車支援制御を行う場合の表示モードである。後述するように、運転者が駐車支援ECU10に対して駐車支援を要求すると(後述する駐車支援要求を発生させると)、表示モードがナビゲーションモードから駐車支援モードに切り替えられる。
【0019】
駐車支援ECU10には、複数の第1超音波センサ81a〜81d、複数の第2超音波センサ82a〜82h、複数のカメラ83a〜83d、駐車支援スイッチ84、及び、スピーカ85が接続されている。複数の第1超音波センサ81a〜81dは「第1超音波センサ81」と総称される。複数の第2超音波センサ82a〜82hは「第2超音波センサ82」と総称される。複数のカメラ83a〜83dは「カメラ83」と総称される。
【0020】
第1超音波センサ81及び第2超音波センサ82のそれぞれ(以下、これらを区別する必要がない場合、「超音波センサ」と総称する。)は、超音波をパルス状に所定の範囲に送信し、物体によって反射された反射波を受信する。超音波センサは、超音波の送信から受信までの時間に基いて、「送信した超音波が反射された物体上の点である反射点」と超音波センサとの距離(反射点距離)を検出することができる。
【0021】
第1超音波センサ81は、第2超音波センサ82に比べて、車両に対して比較的遠い位置にある物体の検出に用いられる。図2に示すように、第1超音波センサ81aが、車体200のフロントバンパー201の右側端部に設けられている。第1超音波センサ81bが、車体200のフロントバンパー201の左側端部に設けられている。第1超音波センサ81cが、車体200のリアバンパー202の右側端部に設けられている。第1超音波センサ81dが、車体200のリアバンパー202の左側端部に設けられている。
【0022】
第2超音波センサ82は、車両に対して比較的近い位置にある物体の検出に用いられる。図2に示すように、4個の第2超音波センサ82a〜82dが、フロントバンパー201に、車幅方向に間隔をあけて設けられている。更に、4個の第2超音波センサ82e〜82hが、リアバンパー202に、車幅方向に間隔をあけて設けられている。
【0023】
カメラ83は、例えば、CCD(charge coupled device)或いはCIS(CMOS image sensor)の撮像素子を内蔵するデジタルカメラである。カメラ83は、所定のフレームレートで画像データを出力する。カメラ83の光軸は、車両の車体から斜め下方に向けて設定されている。従って、カメラ83は、車両を駐車する際に確認すべき車両の周辺状況(区画線、物体及び駐車可能領域等の位置及び形状等を含む。)を撮影し、画像データを駐車支援ECU10に出力するようになっている。
【0024】
図2に示すように、カメラ83aが、フロントバンパー201の車幅方向の略中央部に設けられている。カメラ83bが、車体200の後部のリアトランク203の壁部に設けられている。カメラ83cが、右側のドアミラー204に設けられている。カメラ83dが、左側のドアミラー205に設けられている。以降、カメラ83a、83b、83c及び83dによって撮像して得られた画像データを、それぞれ「前方画像データ」、「後方画像データ」、「右側方画像データ」及び「左側方画像データ」と称する場合がある。
【0025】
駐車支援ECU10は、所定時間(便宜上、以降では「第1所定時間」とも称呼する。)が経過するたびに、第1超音波センサ81及び第2超音波センサ82のそれぞれから検出信号を受信する。駐車支援ECU10は、検出信号に含まれる情報(即ち、反射点及び反射点距離)を、二次元マップにプロットする。この二次元マップは、車両の位置を原点とし、車両の進行方向をX軸、車両の左方向をY軸とした平面図である。なお、車両の位置とは、左前輪及び右前輪の平面視における中央位置である。車両の位置は、車両上の他の特定位置(例えば、平面視における左後輪及び右後輪の中央位置、平面視における車両の重心位置、又は、平面視における車両の幾何学的中心位置)であってもよい。
【0026】
更に、駐車支援ECU10は、第1所定時間が経過するたびに、カメラ83のそれぞれから画像データを取得する。駐車支援ECU10は、カメラ83のそれぞれからの画像データを解析することによって車両の周囲にある物体を検出し、その物体の車両に対する位置(距離及び方位)及び形状を特定する。更に、駐車支援ECU10は、カメラ83のそれぞれからの画像データにおいて車両の周辺の路面に描かれた区画線(例えば、駐車領域を区画する区画線を含む)を検出し、その区画線の車両に対する位置(距離及び方位)及び形状を特定する。駐車支援ECU10は、画像データに基いて特定(検出)された物体及び区画線を上述した二次元マップに描く。
【0027】
駐車支援ECU10は、二次元マップ上に示された情報に基いて、車両の周囲(車両の位置から所定距離範囲内)に存在する物体を検出するとともに、車両の周囲であって「物体が存在しない領域」を検出する。駐車支援ECU10は、物体が存在しない領域が、車両が余裕をもって駐車することが可能な大きさ及び形状を有する領域である場合、その領域を「駐車可能領域」として決定する。例えば、区画線が検出されていない場合、駐車可能領域は、「物体が存在しない領域」である。一方、区画線が検出されている場合、駐車可能領域は、「物体が存在しない領域」のうち、区画線を跨がない長方形の領域である。
【0028】
なお、「第1超音波センサ81、第2超音波センサ82及びカメラ83」は「車両周辺センサ(或いは、情報取得手段)」と総称される。車両周辺センサからの信号に基いて得られる「車両の周囲に存在する物体についての情報(位置及び形状等)及び前記車両の周囲の路面上の区画線についての情報(位置及び形状等)」は、「車両周辺情報」とも称呼される。
【0029】
駐車支援スイッチ84は、運転者が駐車支援ECU10に対して駐車支援を要求する際(後述する駐車支援要求を発生させる際)に操作(押圧・押下)されるスイッチである。ここで、駐車支援制御とは、車両の駐車時に運転者による運転操作を支援する周知の制御である。
【0030】
スピーカ85は、駐車支援ECU10からの発話指令を受信した場合に音声を発生させる。
【0031】
(駐車支援制御の内容)
駐車支援ECU10は、駐車支援スイッチ84が押下される毎に、スイッチモードを、並列駐車モード、縦列駐車モード、及び、無設定モードへと順に切り替えるようになっている。
【0032】
並列駐車モードは、車両を並列駐車するときの駐車支援を行うモードである。並列駐車は、走行路の進行方向に対して直角方向に車両を駐車することと同義である。より具体的には、並列駐車は、車両(自車両)の一の側面が他車両(第1他車両)の一の側面に対向し且つ自車両の他の側面が別の他車両(第2他車両)の一の側面に対向し、自車両の車幅方向の中央を通る前後方向軸線と、第1及び第2他車両のそれぞれの車幅方向の中央を通る前後方向軸線とが、互いに平行になるように自車両を駐車することである。並列駐車は、自車両が走行路の進行方向に対して直角方向に向き、且つ、自車両の左右の側面の少なくとも一方が「白線、壁、フェンス及びガードレール等」と平行になるように自車両を駐車することを含む。
【0033】
縦列駐車モードは、自車両を縦列駐車するときの駐車支援を行うモードである。縦列駐車は、走行路の進行方向に対して自車両が平行となるように自車両を駐車することと同義である。より具体的には、縦列駐車は、自車両の前端部が第1他車両の後端部(又は前端部)に対向し且つ自車両の後端部が第2他車両の前端部(又は後端部)に対向し、自車両の前後方向軸線と、第1及び第2他車両のそれぞれの前後方向軸線とが、実質的に同一直線上に位置するように自車両を駐車することである。
【0034】
駐車支援ECU10は、後述するように、駐車支援スイッチ84に対する操作、シフトレバーの位置、及び車両の状態を監視し、駐車支援要求が発生したか否かを判定する。駐車支援要求は、並列駐車支援要求及び縦列駐車支援要求を含む。
【0035】
駐車支援ECU10は、並列駐車支援要求が発生した場合、車両が並列駐車可能領域内の所定領域(後述する目標領域)に車両を駐車させるための駐車支援制御を実行する。駐車支援ECU10は、縦列駐車支援要求が発生した場合、車両が縦列駐車可能領域内の所定領域(目標領域)に車両を駐車させるための駐車支援制御を実行する。
【0036】
駐車支援ECU10は、上記の駐車支援要求が発生したと判定されると、検出されている駐車可能領域に対して車両を駐車させたと仮定した場合に車両の車体が占有する領域を「目標領域」として決定する。更に、駐車支援ECU10は、車両がその目標領域に駐車された場合における車両の位置を目標位置として設定する。
【0037】
一方で、駐車支援ECU10は、運転者の操作に応じて、目標領域を不揮発性メモリ10dに予め登録することができる。従って、目標領域が予め登録されており、且つ、車両の現在位置が、前記登録されている目標領域の近傍である(即ち、車両の現在位置が目標領域から所定の距離以内である)場合、駐車支援ECU10は、前記登録されている目標領域を用いて最終的な目標領域を決定し、当該決定された目標領域に駐車された場合における車両の位置を目標位置として設定する。このような状況での目標領域の決定方法の詳細は後述する。
【0038】
駐車支援ECU10は、車両の位置を現在位置から目標位置まで移動させる経路を目標経路として決定する。目標経路は、車両の車体200が物体(他車両、縁石及びガードレール等)に対して所定距離以上の間隔をあけながら車両を現在位置から目標位置まで移動させることができる経路である。なお、目標経路は、様々な既知の演算方法の一つ(例えば、特開2015−3565号公報に提案されている方法)により演算され得る。
【0039】
駐車支援ECU10は、目標経路に沿って車両が移動するように駐車支援制御を実行する。駐車支援ECU10は、駐車支援制御として、シフト制御、操舵角自動制御、駆動力制御及び制動力制御を実行するようになっている。従って、駐車支援ECU10は、目標経路が決定されると、当該目標経路に沿って車両を移動させるための「車両を移動させるべき方向(具体的には、シフトレバーの位置)、操舵角パターン及び速度パターン」を決定する。
【0040】
駐車支援ECU10は、決定されたシフトレバーの位置に応じて、CAN90を介してSBW・ECU60に対してシフト制御指令を送信する。SBW・ECU60は、駐車支援ECU10からシフト制御指令を受信した場合には、シフトレバーの位置をシフト制御指令で特定される位置に変更する(即ち、シフト制御を実行する。)。
【0041】
操舵角パターンは、目標経路上の車両の位置と操舵角とを関連付けたデータである。駐車支援ECU10は、決定された操舵角パターンに応じて、CAN90を介してEPS・ECU40に対して操舵指令(目標操舵角を含む)を送信する。EPS・ECU40は、駐車支援ECU10から操舵指令を受信した場合には、操舵指令で特定される操舵トルクに基いてアシストモータ41を駆動して実際の操舵角を目標操舵角に一致させる(即ち、操舵角自動制御を実行する。)。
【0042】
速度パターンは、目標経路上の車両の位置と走行速度とを関連付けたデータであり、車両が目標経路を走行する際の走行速度の変化を表す。駐車支援ECU10は、決定された速度パターンに応じて、CAN90を介してエンジンECU20に対して駆動力制御指令を送信する。エンジンECU20は、駐車支援ECU10から駆動力制御指令を受信した場合には、駆動力制御指令に応じてエンジンアクチュエータ21を制御する(即ち、駆動力制御を実行する)。更に、駐車支援ECU10は、決定された速度パターンに応じて、CAN90を介してブレーキECU30に対して制動力制御指令を送信する。ブレーキECU30は、駐車支援ECU10から制動力制御指令を受信した場合には、制動力制御指令に応じてブレーキアクチュエータ31を制御する(即ち、制動力制御を実行する)。
【0043】
以上のように、駐車支援ECU10は、機能上、「目標領域を決定する目標領域決定部10h」、「目標領域を記憶するための目標領域記憶部(不揮発性メモリ10d)10i」、「目標経路を決定する経路決定部10j」及び「駐車支援制御を実行する駐車支援部10k」を有している。
【0044】
(画面表示)
次に、表示モードが駐車支援モードである場合におけるタッチパネル73の画面(以降、単に「画面」と称する。)について説明する。図3に示すように、画面は、第1表示領域301と、第2表示領域302と、第3表示領域303とを有する。第1表示領域301は、画面を左右に2分割したときの左側の領域である。第2表示領域302は、上記のように画面を左右に2分割したときの右側の領域の一部であり、当該右側の領域を上下に2分割したときの上側の領域である。第3表示領域303は、上記の右側の領域を上下に2分割したときの下側の領域である。
【0045】
(画像の生成)
駐車支援ECU10は、表示モードが駐車支援モードである場合に、第1表示領域301に「視点画像」を表示させるとともに、第2表示領域302に「進行方向画像」を表示させる。以下、これらの画像の生成方法について簡単に説明する。
【0046】
駐車支援ECU10は、カメラ83のそれぞれから取得された画像データ(前方画像データ、後方画像データ、右側方画像データ及び左側方画像データ)に基いて、設定された仮想視点から車両と車両の周辺領域とを見た画像(以下、「視点画像」と称呼する。)を生成する。このような視点画像を生成する方法は周知である(特開2012−217000号公報及び特開2013−021468号公報等を参照。)。従って、以下、視点画像の生成方法の一例を簡単に説明する。
【0047】
駐車支援ECU10は、画像データに基いて、車両の周辺領域についての3次元データを生成する。駐車支援ECU10は、上記の3次元データにおいて仮想視点を設定する。仮想視点は、視点位置と視野方向とによって定義される。そして、駐車支援ECU10は、上記の3次元データから、設定された仮想視点に基づく画像を切り出すことにより、車両及び車両の周辺領域を見た様子を示す視点画像を得ることができる。例えば、仮想視点の視点位置は、車両の車体の平面視の中央位置から直上方向へ所定距離だけ離れた位置に設定される。仮想視点の視野方向は、上記の視点位置から車両へ向けて直下方向に設定される。従って、視点画像は、車両の直上位置から車両を見下ろすような画像となる。このような視点画像は「俯瞰画像」とも称呼される。
【0048】
更に、駐車支援ECU10は、前方画像データ及び後方画像データに基いて車両の進行方向の領域を表示する進行方向画像を生成する。車両が後進中(即ち、シフト位置センサ61によって検出されるシフトレバーの位置が「R」の場合)、駐車支援ECU10は、後方画像データに基いて、車両の後方領域を示す進行方向画像を生成する。一方、車両が前進中(即ち、シフト位置センサ61によって検出されるシフトレバーの位置が「D」の場合)、駐車支援ECU10は、前方画像データに基いて、車両の前方領域を示す進行方向画像を生成する。
【0049】
(目標領域情報の登録)
次に、不揮発性メモリ10dに格納されているテーブルの内容について図4を参照して説明する。なお、図4では、説明を簡単にするために、テーブル形式のデータ構造が示されているが、他のデータ構造で表現されていてもよい。
【0050】
不揮発性メモリ10dには、目標領域に関する情報を格納するテーブル400が記憶されている。テーブル400は、構成項目として、目標領域位置情報401と、オフセット回数(N1)402と、修正提案フラグ(F3)403と、修正回数(N2)404とを含む。
【0051】
目標領域位置情報401は、目標領域の位置に関する情報である。目標領域位置情報401は、目標領域となる長方形の情報であり、当該長方形の頂点の位置(緯度及び経度)の情報を含む。オフセット回数(N1)402は、目標領域位置情報401に記憶されている目標領域に対して駐車支援制御を実行したときに目標領域の位置がオフセット(修正)された回数を表す。修正提案フラグ(F3)403は、目標領域位置情報401に記憶されている目標領域の位置の修正を過去に提案したか否かを表すフラグである。修正提案フラグ(F3)403は、その値が「0」であるとき運転者に対して目標領域の修正がまだ提案されていない(後述する提案画面がまだ表示されていない)ことを示し、その値が「1」であるとき運転者に対して目標領域の修正が既に提案されている(提案画面が既に表示された)ことを示す。修正回数(N2)404は、目標領域位置情報401に記憶されている目標領域の位置が修正された回数を表す。なお、以降において、テーブル400における各項目の情報をまとめて「目標領域情報」と称呼する場合がある。
【0052】
なお、テーブル400への目標領域情報の登録は、図5に示す画面により行うことができる。図5に示すように、いま、車両100が自宅510の車庫520に駐車されたと仮定する。車両100が駐車された状態で運転者がタッチパネル73の画面にて所定の操作を行うと、駐車支援ECU10は、第1表示領域301に俯瞰画像501を表示するとともに、現時点の車両100の周囲を囲う長方形530を表示する。更に、駐車支援ECU10は、俯瞰画像501の上部に登録ボタン511を表示する。そして、駐車支援ECU10は、第3表示領域303に目標領域の登録を問い合わせる旨のメッセージ512を表示する。運転者が登録ボタン511を押下すると、駐車支援ECU10は、テーブル400に新たにレコードを作成する。このとき、駐車支援ECU10は、現時点の車両100の周囲を囲う長方形530の頂点の位置情報を目標領域位置情報401へ、初期値「0」をオフセット回数(N1)402へ、初期値「0」を修正提案フラグ(F3)403へ、初期値「0」を修正回数(N2)404へと格納する。
【0053】
(本実施装置の作動の概要)
本実施装置は、駐車支援制御の実行を要求された場合、目標領域記憶部10iに目標領域情報(テーブル400)が予め記憶されており、且つ、現時点における車両100の位置がテーブル400の目標領域位置情報401に記憶されている目標領域の近傍であるとき、車両周辺情報に基いて、当該目標領域内に障害物が存在するか否かを判定する。本実施装置は、上記の目標領域内に障害物が存在するとき、目標領域をオフセット(移動)させることにより、最終的な目標領域を決定する。
【0054】
上述のように目標領域を移動させた場合、本実施装置は、目標領域位置情報401に記憶されている目標領域を前記オフセットされた目標領域に修正することを提案する提案画面をタッチパネル73に表示する。従って、運転者が、現時点で記憶されている目標領域を目標領域記憶部10iから削除し且つ新たな目標領域を目標領域記憶部10iに登録し直すという操作を行う必要がなくなる。これにより、運転者が煩わしさを感じる可能性を低減することができる。
【0055】
更に、本実施装置は、目標領域をオフセットした回数に関する情報(オフセット回数(N1)402)、及び、提案画面を過去に表示したか否かを表す情報(修正提案フラグ(F3)403)に基いて、提案画面を表示するか否かを判定する。例えば、障害物が、一時的に置かれた構造物である場合、次回の駐車時においてその構造物が駐車の障害になる可能性は小さい。この場合、目標領域記憶部10iに記憶されている目標領域を修正しないことが好ましい。一方で、障害物が、固定された構造物(例えば、新たに設置されたカーポートの柱)である場合、駐車支援制御を実行するたびに目標領域のオフセットが必要となることから、目標領域記憶部10iに記憶されている目標領域を修正することが好ましい。そこで、本実施装置は、オフセット回数(N1)402に基いて、障害物が、一時的に置かれた構造物であるか又は固定された構造物であるか否かを推定する。本実施装置は、オフセット回数(N1)402が一定の回数以上になった場合、障害物が、固定された構造物であると推定して、提案画面を表示する。
【0056】
上述のように提案画面が表示されると、運転者は、目標領域を前記オフセットされた目標領域に修正することを承認又は拒否(キャンセル)する。ここで、運転者が目標領域の修正を拒否した場合、障害物が一時的に置かれた構造物である可能性が高いことから、それ以降において提案画面を表示しないことが好ましい。従って、本実施装置は、オフセット回数(N1)402が一定の回数以上になっていても、修正提案フラグ(F3)403に基いて、運転者に対して目標領域の修正が既に提案されているか否かを判定する。目標領域の修正がまだ提案されていない場合、本実施装置は、提案画面を表示する。これにより、運転者が目標領域の修正を提案画面にて拒否した場合、運転者の意図を反映してそれ以降において提案画面が表示されなくなる。これにより、運転者が煩わしさを感じる可能性を低減できる。
【0057】
(並列駐車支援の実際の作動)
次に、並列駐車支援要求に対する駐車支援制御を実行する際の具体的な作動を説明する。駐車支援ECU10のCPU10a(以下、単に「CPU」と称呼する。)は、「第1所定時間よりも長い第2所定時間」が経過する毎に図6乃至図8に示したルーチンのそれぞれを実行するようになっている。更に、CPUは、図示しないルーチンを第1所定時間が経過する毎に実行することにより、車両周辺センサから車両周辺情報を取得している。更に、CPUは、図示しないルーチンを第1所定時間が経過する毎に実行することにより、上述した二次元マップを車両周辺情報に基いて更新している。
【0058】
所定のタイミングになると、CPUは、図6のステップ600から処理を開始してステップ605に進み、駐車支援フラグ(以降、単に「支援フラグ」と称呼する。)F1の値が「0」であるか否かを判定する。支援フラグF1は、その値が「0」であるとき駐車支援要求(並列駐車支援要求及び縦列駐車支援要求の何れか)が発生していないことを示し、その値が「1」であるとき駐車支援要求が発生していることを示す。支援フラグF1の値は、図示しないイグニッションスイッチがOFFからONへと変更されたときにCPUにより実行されるイニシャライズルーチンにおいて「0」に設定される。更に、支援フラグF1の値は、後述する図7のステップ740及び図8のステップ815においても「0」に設定される。
【0059】
いま、支援フラグF1の値が「0」であると仮定すると、CPUはステップ605にて「Yes」と判定してステップ610に進み、駐車支援スイッチ84の所定の操作により並列駐車モードが選択されたか否かを判定する。並列駐車モードが選択されていない場合、CPUはステップ610にて「No」と判定してステップ695に直接進み、本ルーチンを一旦終了する。
【0060】
並列駐車モードが選択されたと仮定すると、CPUはステップ610にて「Yes」と判定してステップ615に進み、以下に述べる所定の実行条件が成立しているか否かを判定する。実行条件は、以下の条件1乃至条件4の総てが成立したときに成立する。
(条件1):並列駐車支援要求及び縦列駐車支援要求の何れもが発生していない。
(条件2):現在のシフトレバーの位置が前進位置(D)である。
(条件3):車速が所定の車速(例えば、30[km/h])以下である。
(条件4):車両100が並列駐車可能である大きさの領域(駐車可能領域)が検出されている。
【0061】
実行条件が成立していない場合、CPUはステップ615にて「No」と判定してステップ695に直接進み、本ルーチンを一旦終了する。
【0062】
いま、実行条件が成立していると仮定すると、CPUはステップ615にて「Yes」と判定し、以下に述べるステップ620乃至ステップ630の処理を順に行い、ステップ635に進む。
【0063】
ステップ620:CPUは、支援フラグF1の値を「1」に設定する。
ステップ625:CPUは、画面の表示モードをナビゲーションモードから駐車支援モードに変更する。CPUは、図9に示すように、第1表示領域301に俯瞰画像901を表示させるとともに、第2表示領域302に進行方向画像902を表示させる。
ステップ630:CPUは、図7に示した後述する「目標領域決定ルーチン」を実行することにより、目標領域を決定する。
【0064】
CPUは、ステップ635に進むと、支援フラグF1の値が「1」であるか否かを判定する。支援フラグF1の値が「1」でない場合、CPUは、そのステップ635にて「No」と判定してステップ695に直接進み、本ルーチンを一旦終了する。
【0065】
これに対し、支援フラグF1の値が「1」である場合、CPUは、そのステップ635にて「Yes」と判定し、以下に述べるステップ640乃至ステップ650の処理を順に行い、その後、ステップ695に進んで本ルーチンを一旦終了する。
【0066】
ステップ640:CPUは、ステップ630にて決定された目標領域を第1表示領域301の俯瞰画像901上に表示させる。
ステップ645:CPUは、車両100が目標領域に駐車された場合における車両100の位置を目標位置として設定する。そして、CPUは、車両100の位置を現在位置から目標位置まで移動させる経路を目標経路として決定する。更に、CPUは、目標経路に沿って車両100を移動させるための「車両100を移動させるべき方向(具体的には、シフトレバーの位置)、操舵角パターン及び速度パターン」を決定する。
【0067】
ステップ650:CPUは、駐車支援制御を実行する。具体的には、CPUは、車両100を移動させるべき方向に従って、シフト制御を行う。更に、CPUは、操舵角パターンに従ってEPS・ECU40に操舵指令(目標操舵角)を送信することにより、操舵角自動制御を実行する。更に、CPUは、速度パターンに従ってエンジンECU20に対して駆動力制御指令を送信することにより、駆動力制御を実行する。CPUは、速度パターンに従ってブレーキECU30に対して制動力制御指令を送信することにより、制動力制御を実行する。従って、運転者は、シフトレバー、操舵ハンドル、アクセルペダル及びブレーキペダルを自身で操作しなくても、車両100を目標領域に移動させることができる。なお、ステップ650が実行されている時点において、運転者がブレーキペダルを操作することによって大きな制動力を要求した場合、その要求に応じた制動力が発生するようにブレーキアクチュエータ31が制御される。更に、その場合、エンジンアクチュエータ21が制御されることにより車両100の駆動力は「0」に設定される。
【0068】
更に、CPUがステップ605の処理を実行する時点において、支援フラグF1の値が「0」でない場合、CPUはそのステップ605にて「No」と判定してステップ650に進み、駐車支援制御を継続する。その後、CPUは、ステップ695に進んで本ルーチンを一旦終了する。
【0069】
次に、図7に示したフローチャートを参照して、CPUが実行する「目標領域決定ルーチン」ついて説明する。前述したように、CPUは、図6のルーチンのステップ630に進んだ場合、図7に示したルーチンの処理をステップ700から開始して、ステップ705に進む。CPUは、ステップ705にて、現時点において目標領域情報がテーブル400に登録されているか否か(即ち、不揮発性メモリ10dに予め登録された目標領域情報が存在するか否か)を判定する。
【0070】
ここで、自宅510の車庫520内の目標領域530(図5を参照。)が、テーブル400に予め登録されていると仮定する。いま、図9に示すように、運転者は、自宅510の車庫520の前で駐車支援(並列駐車支援)を要求する。この場合、CPUは、ステップ705にて「Yes」と判定してステップ710に進み、所定の位置条件が成立しているか否かを判定する。
【0071】
位置条件は、車両100の現在位置が「目標領域位置情報401に格納されている目標領域」の近傍である(車両100の現在位置と、目標領域位置情報401に格納されている目標領域を規定する長方形との間の距離が所定の距離以内である。)場合に成立する。上述の仮定によれば、位置条件が成立する。従って、CPUは、そのステップ710にて「Yes」と判定してステップ715に進む。なお、以降において、テーブル400の目標領域位置情報401に格納されている目標領域を「目標領域候補」と称呼する。
【0072】
次に、CPUは、ステップ715にて、車両周辺情報に基いて、目標領域候補内に障害物が存在するか否かを判定する。目標領域候補内に障害物が存在しない場合、CPUは、そのステップ715にて「No」と判定してステップ750に進み、目標領域候補を最終的な目標領域として決定する。その後、CPUは、ステップ795を経由して図6のステップ635に進む。
【0073】
いま、図10に示すように、目標領域候補530に重なるように障害物1010が存在していると仮定する。この場合、目標領域候補530内に障害物1010の一部が存在しているので、CPUは、ステップ715にて「Yes」と判定してステップ720に進み、障害物1010から離れるように目標領域候補530をオフセットする。「目標領域候補530をオフセットする」ことは、目標領域候補530をその長手方向(第1方向)1031に移動させること、及び/又は、目標領域候補530を第1方向1031と直交する第2方向1032へ移動させること、を含む。更に、上述のようなオフセットは、目標領域候補530が、駐車可能領域内(この例では、車庫520内)に収まるように実行される。本例において、CPUは、目標領域候補530を障害物1010から第1距離d1だけ離れるように、目標領域候補530を第2方向1032に移動させる。第1距離d1は、車両100の駐車時において「車両100と車両100の周囲にある物体との間において最低限確保すべき第2距離(マージン)d2」以上の所定の値である。なお、図10において、上述のようにオフセットされた目標領域候補は、斜線領域1020により示されている。
【0074】
次に、CPUは、ステップ725に進むと、所定のオフセット条件が成立しているか否かを判定する。
【0075】
オフセット条件は、オフセットされた目標領域候補(即ち、斜線領域1020)と、その周囲に存在する物体との間の距離が第2距離d2以上確保できるときに成立する。図10の例においては、障害物1010が存在する側と反対側における斜線領域1020と車庫520内の構造物521との間の距離Dxが第2距離d2以上であり、且つ、斜線領域1020と車庫520内の壁522との間の距離Dyが第2距離d2以上であると仮定する。この場合、オフセット条件が成立するので、CPUは、ステップ725にて「Yes」と判定し、以下に述べるステップ730及びステップ735の処理を順に行い、その後、ステップ795を経由して図6のステップ635に進む。
【0076】
ステップ730:CPUは、ステップ720にてオフセットされた目標領域候補(即ち、斜線領域1020)を最終的な目標領域として決定する。
ステップ735:CPUは、オフセットフラグF2の値を「1」に設定する。オフセットフラグF2は、その値が「0」であるとき「目標領域位置情報401に格納されている目標領域」がオフセットされなかったことを示し、その値が「1」であるとき「目標領域位置情報401に格納されている目標領域」がオフセットされたことを示す。更に、CPUは、オフセット回数(N1)402をインクリメント(1だけ加算する)する。
【0077】
これに対して、ステップ725にてオフセット条件が成立しない場合、CPUは、そのステップ725にて「No」と判定してステップ740に進み、支援フラグF1の値を「0」に設定する。その後、CPUは、ステップ795を経由して図6のステップ635に進む。これにより、CPUは、ステップ635に進んだとき「No」と判定する。従って、オフセット条件が成立しない場合、駐車支援制御が実行されない。
【0078】
なお、CPUがステップ705に進んだ時点において、テーブル400に予め登録された目標領域情報が存在しない場合、CPUは、そのステップ705にて「No」と判定してステップ745に進む。更に、CPUがステップ710に進んだ時点において位置条件が成立しない場合、CPUは、そのステップ710にて「No」と判定してステップ745に進む。CPUは、ステップ745に進むと、駐車可能領域内において目標領域を決定する。その後、CPUは、ステップ795を経由して図6のステップ635に進む。
【0079】
更に、CPUは第2所定時間が経過する毎に図8に示した「終了判定ルーチン」を実行するようになっている。従って、所定のタイミングになると、CPUは図8のステップ800から処理を開始してステップ805に進み、支援フラグF1の値が「1」であるか否かを判定する。支援フラグF1の値が「1」でない場合、CPUはステップ805にて「No」と判定し、ステップ895に直接進んで本ルーチンを一旦終了する。
【0080】
これに対し、支援フラグF1の値が「1」である場合、CPUはステップ805にて「Yes」と判定してステップ810に進み、以下に述べる条件5及び条件6の少なくとも一方が成立しているか否かを判定する。
(条件5)イグニッションスイッチがOFFである。
(条件6)駐車支援制御が終了した直後である。駐車支援制御は、車両100が駐車完了時の位置である目標位置にまで移動したときに終了する。なお、CPUは、駐車支援制御を中止させるための「駐車支援スイッチ84に対する特定操作」がなされた際にも駐車支援制御を終了するようになっていてもよい。
【0081】
上記条件5及び条件6の何れもが成立していない場合、CPUはステップ810にて「No」と判定し、ステップ895に進んで本ルーチンを一旦終了する。
【0082】
これに対し、上記条件5及び条件6の少なくとも一方が成立している場合、CPUはステップ810にて「Yes」と判定してステップ815に進み、支援フラグF1の値を「0」に設定する。これにより、CPUが図6のステップ605に進んだときに「Yes」と判定するようになる。
【0083】
次に、ステップ820にて、CPUは、オフセットフラグF2の値が「1」であるか否かを判定する。オフセットフラグF2の値が「1」でない場合、CPUはステップ820にて「No」と判定し、ステップ895に直接進んで本ルーチンを一旦終了する。
【0084】
これに対し、オフセットフラグF2の値が「1」である場合、CPUはステップ820にて「Yes」と判定してステップ825に進み、オフセット回数(N1)402が所定の第1閾値Nth1以上であるか否かを判定する。第1閾値Nth1は、これに限定されないが、例えば、3である。
【0085】
いま、テーブル400が図4に示した状態であると仮定すると、CPUは、ステップ825にて「Yes」と判定してステップ830に進み、修正提案フラグ(F3)403の値が「0」であるか否かを判定する。修正提案フラグ(F3)403の値が「0」であるので、CPUは、そのステップ830にて「Yes」と判定し、以下に述べるステップ835及びステップ840の処理を順に行い、その後、ステップ845に進む。
【0086】
ステップ835:CPUは、図11に示すように、タッチパネル73に提案画面1100を表示させる。具体的には、CPUは、俯瞰画像901上に、ステップ720にてオフセットされた目標領域(即ち、符号1020)を表示する。更に、CPUは、俯瞰画像901の上部に、OKボタン1101及びキャンセルボタン1102を表示する。更に、CPUは、第3表示領域303に、目標領域位置情報401に記憶されている目標領域を前記表示された目標領域(1020)に修正するかを問い合わせる旨のメッセージ1103を表示させるとともに、当該メッセージ1103をスピーカ85に発話させる。
ステップ840:CPUは、修正提案フラグ(F3)403の値を「1」に設定する。
【0087】
次に、CPUは、ステップ845に進むと、運転者が目標領域の修正を承認したか否か(OKボタン1101が押下されたか否か)を判定する。OKボタン1101が押下されて目標領域の修正が承認された場合、CPUは、そのステップ845にて「Yes」と判定してステップ850に進む。CPUは、ステップ850にて、目標領域位置情報401に記憶されている目標領域(530)を前記オフセットされた目標領域(1020)に修正(更新)する。次に、CPUは、ステップ855にて、オフセットフラグF2の値を「0」に設定するとともに、修正提案フラグ(F3)403の値を「0」に設定する。更に、CPUは、修正回数(N2)404をインクリメント(1だけ加算する)する。その後、CPUは、ステップ895に進んで本ルーチンを一旦終了する。
【0088】
一方、CPUがステップ825に進んだ時点において、オフセット回数(N1)402が所定の第1閾値Nth1以上でない場合、CPUは、そのステップ825にて「No」と判定してステップ860に進む。更に、CPUがステップ830に進んだ時点において、提案フラグ(F3)403の値が「0」でない場合、CPUは、そのステップ830にて「No」と判定してステップ860に進む。CPUがステップ845に進んだ時点において、運転者が目標領域の修正を承認しない場合(即ち、キャンセルボタン1102が押下された場合)、CPUは、そのステップ845にて「No」と判定してステップ860に進む。CPUは、ステップ860に進むと、オフセットフラグF2の値を「0」に設定する。その後、CPUは、ステップ895に進んで本ルーチンを一旦終了する。
【0089】
なお、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。
【0090】
(変形例1)
図6乃至図8のルーチンは、縦列駐車支援要求に対する駐車支援制御にも適用することができる。この場合、CPUが、図6のステップ610に進むと、駐車支援スイッチ84の所定の操作により縦列駐車モードが選択されたか否かを判定する。更に、図6のステップ615の実行条件の条件4は、以下の条件7に置き換えられる。
(条件7):車両100が縦列駐車可能である大きさの領域(候補領域)が検出されている。
【0091】
(変形例2)
図7のルーチンのステップ720にて、CPUは、修正回数(N2)404の値に基いて、オフセットに使用される第1距離d1の値を変化させてもよい。例えば、修正回数(N2)404の値が「1」以上である場合、目標領域が既に修正されたことを意味することから、CPUは、第1距離d1を所定の値だけ小さくして、目標領域候補をオフセットさせる距離を小さくしてもよい。
【0092】
(変形例3)
図8のルーチンのステップ820乃至ステップ830は省略されてもよい。即ち、目標領域がオフセットされた場合には常に、提案画面1100が表示されてもよい。
【0093】
(変形例4)
駐車支援に係る表示は、タッチパネル73に代えて又は加えて、表示器51に表示されてもよい。この場合、目標領域を登録する操作及び目標領域の修正を承認する操作等は、操舵ハンドルの近傍に設けられた操作手段(図示しないボタン又はスイッチ)等によって行われてもよい。
【0094】
(変形例5)
駐車支援ECU10が、駐車支援制御として、操舵角自動制御のみを実行するように構成されてもよい。この場合、目標経路が決定されると、駐車支援ECU10は、駐車支援に係る案内(シフトレバーの位置)をタッチパネル73に表示させる。運転者は、駐車支援に係る案内に従って、シフトレバーの位置を変更する。運転者がシフトレバーの位置を案内された位置に変更すると、駐車支援ECU10は、操舵角自動制御を開始する。運転者は、ブレーキペダル及びアクセルペダルを操作することにより車両を移動させる。車両が目標位置に到達すると、駐車支援ECU10が、運転者に対して車両を停止させる旨を知らせるメッセージを画面に表示させるとともに、当該メッセージをスピーカ85に発話させる。運転者がブレーキペダルを操作して車両を停止させると、駐車支援ECU10は、駐車支援制御(操舵角自動制御)を終了させる(即ち、駐車支援制御が完了する。)。
【符号の説明】
【0095】
10…駐車支援ECU、20…エンジンECU、30…ブレーキECU、40…EPS・ECU、50…メータECU、60…SBW・ECU、70…ナビゲーションECU、81a〜81d…第1超音波センサ、82a〜82h…第2超音波センサ、83a〜83d…カメラ、84…駐車支援スイッチ、85…スピーカ。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
図9
図10
図11