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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-76116(P2020-76116A)
(43)【公開日】2020年5月21日
(54)【発明の名称】原料ガス供給装置
(51)【国際特許分類】
   C23C 16/448 20060101AFI20200424BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20200424BHJP
【FI】
   C23C16/448
   H01L21/31 B
   H01L21/31 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-208787(P2018-208787)
(22)【出願日】2018年11月6日
(71)【出願人】
【識別番号】390033857
【氏名又は名称】株式会社フジキン
(74)【代理人】
【識別番号】100129540
【弁理士】
【氏名又は名称】谷田 龍一
(74)【代理人】
【識別番号】100082474
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 丈夫
(72)【発明者】
【氏名】相川 献治
(72)【発明者】
【氏名】稲田 敏之
【テーマコード(参考)】
4K030
5F045
【Fターム(参考)】
4K030AA11
4K030AA16
4K030BA02
4K030BA08
4K030BA21
4K030CA04
4K030CA12
4K030EA01
4K030LA14
4K030LA15
5F045AA04
5F045AC08
5F045AC15
5F045AC16
5F045EE03
5F045EE17
5F045GB04
5F045GB06
(57)【要約】
【課題】 濃度安定性の向上した原料ガス供給装置を提供する。
【解決手段】 原料ガス供給装置(10)は、液体原料(M)を収容する原料容器(12)と、原料容器に収容された液体原料にキャリアガスを導入するためのキャリアガス導入路(14)と、原料容器の上部からガス化した液体原料とキャリアガスとの混合ガスを原料ガスとして取り出すための原料ガス排出路(16)と、原料容器の内部に設けられた隔壁部材(18)であって、キャリアガス導入路と原料ガス排出路とが配置された第1空間(S1)と、第1空間と下方で連通する第2空間(S2)とを隔てる隔壁部材(18)と、第1空間と第2空間とに液体原料が収容された状態で、第2空間における液体原料の上方の空間の圧力を調節することができる圧力調節機構(20)とを備え、圧力調節機構を用いて第1空間における液体原料の液面レベル(L1)を調節可能である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体原料を収容する原料容器と、
前記原料容器に接続され、前記原料容器に収容された前記液体原料にキャリアガスを導入するためのキャリアガス導入路と、
前記原料容器に接続され、前記原料容器の上部から、ガス化した前記液体原料と前記キャリアガスとの混合ガスを原料ガスとして取り出すための原料ガス排出路と、
前記原料容器の内部に設けられた隔壁部材であって、前記キャリアガス導入路の吐出口と前記原料ガス排出路の排出口とが配置された第1空間と、前記第1空間と下方で連通する第2空間とを隔てる隔壁部材と、
前記第1空間と前記第2空間とに前記液体原料が収容された状態で、前記第2空間における前記液体原料の上方の空間の圧力を調節することができる圧力調節機構と
を備え、
前記圧力調節機構を用いて、前記第1空間における前記液体原料の液面レベルを調節可能なように構成されている、原料ガス供給装置。
【請求項2】
前記圧力調節機構は、前記第2空間に接続された加圧ガス供給路と、前記加圧ガス供給路に接続されたバルブおよび加圧ガス供給源とを含む、請求項1に記載の原料ガス供給装置。
【請求項3】
前記原料ガス排出路に、上流側の圧力を調整可能な自動圧力調整装置が設けられている、請求項1または2に記載の原料ガス供給装置。
【請求項4】
前記第1空間における前記液体原料の液面レベルを測定するレベル測定ユニットをさらに備え、前記レベル測定ユニットの出力に基づいて前記圧力調節機構が制御されるように構成されている、請求項1から3のいずれかに記載の原料ガス供給装置。
【請求項5】
前記レベル測定ユニットは、前記原料ガス排出路に接続された第1圧力センサと、前記キャリアガス導入路に接続された第2圧力センサと、前記第1圧力センサの出力と前記第2圧力センサの出力とに基づいて液面レベルを演算する演算制御部とを含む、請求項4に記載の原料ガス供給装置。
【請求項6】
前記隔壁部材は、前記原料容器の蓋部から連続して下方に延びる筒状の部材である、請求項1から5のいずれかに記載の原料ガス供給装置。
【請求項7】
前記原料容器は、交換式の原料容器である、請求項1から6のいずれかに記載の原料ガス供給装置。
【請求項8】
前記第2空間において前記液体原料を覆うように配置され、前記液体原料の液面とともに移動可能に構成されている蓋部材をさらに備える、請求項1から7のいずれかに記載の原料ガス供給装置。
【請求項9】
前記第1空間の体積は、前記第2空間の体積よりも小さい、請求項1から8のいずれかに記載の原料ガス供給装置。
【請求項10】
前記原料容器において、前記キャリアガス導入路は、前記隔壁部材の連通部の近傍まで延びており、前記原料ガス排出路は、前記キャリアガス導入路の半分以下の長さに形成されている、請求項1から9のいずれかに記載の原料ガス供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原料ガス供給装置に関し、特に、バブリング法によって生成した原料ガスを供給する原料ガス供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体製造装置において、プロセスチャンバに供給するMOCVD(有機金属気相成長法)用の原料ガスを、バブリング法によって生成することが知られている。バブリング法では、タンクに貯蔵された液体の有機金属原料にキャリアガス(不活性ガス)を管から導入して気泡を発生させるとともに、タンクの上部から原料成分を含むガスを取り出し、これを原料ガスとして用いることができる(例えば、特許文献1)。
【0003】
バブリング法では、導入したキャリアガスの気泡が液体原料中を上昇していく過程で、ガス化した原料が気泡に含まれる。このため、液体原料中におけるキャリアガスの吐出口から液面までの距離、または、液面レベルによって、原料ガス中の原料濃度が変化し得る。また、導入するキャリアガスの流量によっても原料濃度は変化し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4605790号
【特許文献2】特開平7−171375号公報
【特許文献3】特開2006−45637号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
バブリング法において、所望濃度の原料ガスを安定して得るために、タンク内の液体原料の液面レベルを一定に保つ技術が開発されている。
【0006】
特許文献2には、タンク内の原料重量をロードセルを用いて検出し、原料重量を一定に保つように原料を補充することによって、液面レベルを一定に保つ装置が開示されている。また、特許文献3には、タンク内に底部から延びる仕切りを設け、仕切りの高さで液面レベルが一定に維持されるように、液体原料をオーバーフローさせて供給する構成が開示されている。
【0007】
しかしながら、MOCVDに用いる有機金属には、外気との反応性が高く危険なものが多く、液体原料を外部から供給して液面レベルを一定に維持する機構を設けることは、安全性の面で好ましくない場合がある。また、液体原料を外部から補充して液面レベルを一定に保持する場合、頻繁に液体の補充が求められ、複雑で高価な液体供給機構が必要になるという課題もある。
【0008】
一方で、液体原料補充機構を有しない交換式のバブリング用タンクを用いれば、より高い安全性を確保できる。しかしながら、交換式のタンクでは、使用中における液体原料の液面レベルの低下によって原料濃度の変化が生じやすい。また、安定した濃度の原料ガスを得るためには、タンク内の原料の残量が比較的多い段階でもタンクの取り換えが必要となり、一般に有機金属材料は高価なことから、できる限りタンク内の原料を効率的に利用することが望まれている。
【0009】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、バブリング法において濃度が安定した原料ガスの供給を好適に行うことができる原料ガス供給装置を提供することをその主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の実施形態による原料ガス供給装置は、液体原料を収容する原料容器と、前記原料容器に接続され、前記原料容器に収容された前記液体原料にキャリアガスを導入するためのキャリアガス導入路と、前記原料容器に接続され、前記原料容器の上部から、ガス化した前記液体原料と前記キャリアガスとの混合ガスを原料ガスとして取り出すための原料ガス排出路と、前記原料容器の内部に設けられた隔壁部材であって、前記キャリアガス導入路の吐出口と前記原料ガス排出路の排出口とが配置された第1空間と、前記第1空間と下方で連通する第2空間とを隔てる隔壁部材と、前記第1空間と前記第2空間とに前記液体原料が収容された状態で、前記第2空間における前記液体原料の上方の空間の圧力を調節することができる圧力調節機構とを備え、前記圧力調節機構を用いて、前記第1空間における前記液体原料の液面レベルを調節可能なように構成されている。
【0011】
ある実施形態において、前記圧力調節機構は、前記第2空間に接続された加圧ガス供給路と、前記加圧ガス供給路に接続されたバルブおよび加圧ガス供給源とを含む。
【0012】
ある実施形態において、前記原料ガス排出路には、上流側の圧力を調整可能な自動圧力調整装置が設けられている。
【0013】
ある実施形態において、上記の原料ガス供給装置は、前記第1空間における前記液体原料の液面レベルを測定するレベル測定ユニットをさらに備え、前記レベル測定ユニットの出力に基づいて前記圧力調節機構が制御されるように構成されている。
【0014】
ある実施形態において、前記レベル測定ユニットは、前記原料ガス排出路に接続された第1圧力センサと、前記キャリアガス導入路に接続された第2圧力センサと、前記第1圧力センサの出力と前記第2圧力センサの出力とに基づいて液面レベルを演算する演算制御部とを含む。
【0015】
ある実施形態において、前記隔壁部材は、前記原料容器の蓋部から連続して下方に延びる筒状の部材である。
【0016】
ある実施形態において、前記原料容器は、交換式の原料容器である。
【0017】
ある実施形態において、上記の原料ガス供給装置は、前記第2空間において前記液体原料を覆うように配置され、前記液体原料の液面とともに移動可能に構成されている蓋部材をさらに備える。
【0018】
ある実施形態において、前記第1空間の体積は、前記第2空間の体積よりも小さい。
【0019】
ある実施形態において、前記キャリアガス導入路は、前記隔壁部材の連通部の近傍まで延びており、前記原料ガス排出路は、前記キャリアガス導入路の半分以下の長さに形成されている。
【発明の効果】
【0020】
本発明の実施形態によれば、濃度が安定した原料ガスを供給することができる原料ガス供給装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施形態による原料ガス供給装置を備える半導体製造装置の構成を示す図である。
図2】本発明の実施形態による原料ガス供給装置の構成を示す模式的な断面図である。
図3】本発明の別の実施形態による原料ガス供給装置の構成を示す模式的な断面図である。
図4】本発明のさらに別の実施形態による原料ガス供給装置の構成を示す模式的な断面図である。
図5】本発明のさらに別の実施形態による原料ガス供給装置の構成を示す模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0023】
図1は、本発明の実施形態による原料ガス供給装置10が組み込まれた半導体製造装置100の全体構成を示す模式図である。半導体製造装置100は、原料ガス供給装置10によって生成された原料ガスG1をプロセスチャンバ2に供給するように構成されている。プロセスチャンバ2には真空ポンプ4が接続されており、プロセスチャンバ2の内部およびプロセスチャンバ2までの流路内を真空引きすることができる。また、図示する半導体製造装置100では、原料ガス供給装置10の下流側に自動圧力調整装置6が接続されており、原料ガス供給装置10の内部の圧力を調節・維持することができる。また、自動圧力調整装置6とプロセスチャンバ2との間には遮断弁8が設けられ、遮断弁8を閉じることによってプロセスチャンバ2への原料ガスG1の供給を停止することができる。
【0024】
自動圧力調整装置6は、原料ガス供給装置10の出口側近傍に設けられており、原料ガス供給装置10内で生成された原料ガスG1の圧力P1を所定値に自動調整することができる。自動圧力調整装置6は、例えば、流入側の一次配管において、原料ガスG1の圧力P1および温度Tを圧力センサP1および温度センサT1により検出すると共に、検出圧力P1および温度Tを用いて演算制御部6aにおいて補正を行うことによって、現実の原料ガスG1の圧力を補正する。また、補正した原料ガスG1の圧力値と、設定圧力値とを対比して、両者の偏差が零となる方向にコントロールバルブ6bの開閉を制御する。コントロールバルブ6bとしては、例えば、圧電素子駆動式バルブを用いることができ、コントロールバルブ6bの開度調整により、原料ガスG1の圧力P1を調整することができる。
【0025】
また、原料ガス供給装置10は、バブリング法によって原料ガスG1を生成するように構成されており、液体原料Mを収容することができる原料容器12と、原料容器12に接続され液体原料MにキャリアガスG0を導入するためのキャリアガス導入路14と、原料容器12に接続され原料ガスG1を取り出すための原料ガス排出路16とを備えている。原料容器12としては、例えば、直径8cm〜30cm、高さ15cm〜25cmの円柱状の形状を有するステンレス製の密封可能な容器が用いられる。また、キャリアガス導入路14および原料ガス排出路16としては、例えば、直径3mm〜10mmのステンレス管が用いられる。
【0026】
原料ガス供給装置10に設けられたキャリアガス導入路14の上流側は、キャリアガス供給源30に接続されている。キャリアガス供給源30からは、途中に設けられた減圧装置32、流量制御器34などを介して、所望の流量で原料ガス供給装置10にキャリアガスG0が供給される。流量制御器34としては、例えば質量流量制御器(熱式流量制御器または圧力式流量制御器)を用いることができる。
【0027】
本実施形態において、原料容器12は交換式の容器であり、予め液体原料Mが内部に収容された状態で原料ガス供給ラインに取り付けられる。原料容器12は、キャリアガス導入路14および原料ガス排出路16のそれぞれに設けられたバルブV14、V16ごと交換可能であってよく、この場合、バルブV14、V16の近傍には、図示しない継手等が設けられる。
【0028】
液体原料Mとしては、例えば、ジメチル亜鉛(DMZn)、トリメチルアルミニウム(TMAl)、トリメチルガリウム(TMGa)などの有機金属の液体原料が用いられ、また、キャリアガスG0としては、例えば、Ar、N2、H2などのガスが用いられる。
【0029】
本実施形態において、原料容器12は、恒温槽11に収容されており、原料容器12の内部の温度は一定に保たれている。ただし、恒温槽11に代えて、原料容器12を加熱することが出来る任意の態様のヒータが設けられていてもよい。ヒータは、原料容器12だけでなく、原料ガス排出路16および自動圧力調整装置6の流路部分も加熱し、温度を一定(例えば、150℃)に保つことができるように構成されていてよい。
【0030】
以上のように構成された半導体製造装置100において、バブリング法により原料ガス供給装置10で生成された原料ガスG1は、自動圧力調整装置6を介して、プロセスチャンバ2へと供給される。原料ガスG1の流量の制御は、例えば、原料ガス供給装置10の上流側でキャリアガスG0の流量を制御する流量制御器34を用いて行うことができる。また、自動圧力調整装置6の下流側には、希釈ガス(例えばアルゴンガスなどの不活性ガス)の供給路が接続されていてもよく、希釈ガスの流量を調整することによってプロセスチャンバ2に導入する原料ガスG1の濃度を調節することもできる。さらに、自動圧力調整装置6の下流側に図示しない流量制御器を設けて、原料ガスG1の流量を直接制御することも考えられる。この場合、自動圧力調整装置6と流量制御器との間には、圧力上昇を防ぐための排気ラインを設ける必要がある。
【0031】
また、図示するように、本実施形態の原料ガス供給装置10は、圧力調節機構20を備えている。圧力調節機構20は、加圧ガス供給路22と、バルブ24と、加圧ガス供給源26とを含み、バルブ24を開けることで原料容器12に加圧ガスG2を導入することができるように構成されている。圧力調節機構20は、原料ガス供給装置10の内部の圧力を調節可能である。圧力調節機構20の詳細な動作については後述する。
【0032】
図2は、原料ガス供給装置10のより詳細な構成を示す図である。図2に示すように、原料ガス供給装置10の原料容器12の内部には、隔壁部材18が設けられており、隔壁部材18は、キャリアガス導入路14および原料ガス排出路16が設けられた第1空間S1と、その外側の第2空間S2とを分け隔てている。
【0033】
本実施形態の隔壁部材18は、原料容器12の蓋部12aから連続して下方に延びる筒状の部材であり、円筒状、角筒状など、任意の形状を有していてよい。隔壁部材18としては、例えば、直径10mm〜100mmのステンレス製の円筒部材が用いられる。
【0034】
また、隔壁部材18の下端部と、原料容器12の底部12bとの間には隙間が設けられている。この構成において、第1空間S1と第2空間S2とは、上方(蓋部12aの近傍)では隔離されるとともに、原料容器12の下方(底部12bの近傍)で連通する。なお、本明細書において、第1空間S1と第2空間S2とが下方で連通するという場合、典型的には、第1空間S1と第2空間S2との連通部が、原料容器12の高さの半分以下の高さに位置していることを意味する。
【0035】
ただし、隔壁部材18は、下端部の全体が開放されている必要はなく、原料容器12の底部12bと部分的に接続されていてもよい。また、隔壁部材18は、原料容器12の底部12bと全体的に接続されていてもよく、この場合には、隔壁部材18の下端近傍に、第1空間S1と第2空間S2とを連通させるための開口部が設けられる。
【0036】
上記の隔壁部材18を有する原料容器12において、キャリアガス導入路14および原料ガス排出路16は、第1空間S1と連通するように、原料容器12の蓋部12aに接続されている。キャリアガス導入路14は、隔壁部材18の下端部(すなわち第1空間S1と第2空間S2との連通部)の近傍にまで延びており、その先端部に設けられた吐出口から上方に浮上するキャリアガスG0の気泡を生じさせる。
【0037】
一方、原料ガス排出路16の排出口は、原料容器12の蓋部12aの近傍に設けられており、第1空間S1における液体原料Mの液面より上の空間S1’に溜まったガス(キャリアガスG0とガス化した液体原料Mとの混合ガス)を原料ガスG1として外部に取り出すことができる。第1空間S1における原料ガス排出路16の長さは、例えば、キャリアガス導入路14の長さの半分以下(より具体的には1/5以下)に設定されている。
【0038】
ただし、原料ガス排出路16は、原料容器12の蓋部12aより上のみ、すなわち、第1空間S1の内部には長さを有しないように設けられていてもよい。なお、本明細書では、上記のように原料ガス排出路16が第1空間S1に長さを有していない場合にも、原料ガス排出路16が第1空間S1の上部と連通している限り、原料ガス排出路16が第1空間S1に配置されていると記載することがある。また、原料ガス排出路16が第1空間S1の上部に接続される(または第1空間S1の上部から原料ガスを取り出す)と言う場合、典型的には、原料容器12の高さの半分以上の高さに、原料ガス排出路16の排出口が位置していることを意味する。原料ガス排出路16は、上記位置に排出口を有する限り、隔壁部材18に接続されて第1空間S1と連通する管材によって構成されていてもよく、第2空間S2と連通しない限り第2空間S2を通過するように設けられていてもよい。
【0039】
また、原料ガス供給装置10の第2空間S2には、液体原料Mを覆うように配置され、液体原料Mの液面とともに移動可能に構成されている蓋部材(落し蓋)17が設けられている。蓋部材17を設けることによって、第2空間S2における液体原料Mの気化を抑制することができるので、液体原料Mの利用効率を向上させ得る。ただし、第2空間S2における液体原料Mの気化が特に問題とならないようであれば、蓋部材17を設けなくてもよい。
【0040】
また、上述したように、隔壁部材18によって隔てられた第1空間S1の外側に設けられた第2空間S2には、圧力調節機構20が接続されている。圧力調節機構20は、液体原料Mが収容された状態で、第2空間S2における液体原料Mの上方の空間S2’の圧力を調節できるように構成されている。
【0041】
以上の構成において、第1空間S1における液面レベルL1と、第2空間S2における液面レベルL2とは異なっており、具体的には、液面レベルL1は、液面レベルL2よりも高くなっている。これは、圧力調節機構20を用いて第2空間S2の上方空間S2’の圧力が高いものにされ、第1空間S1の上方空間S1’の圧力よりも高くなっているからである。液面レベルL1と液面レベルL2との差は、上方空間S1’およびS2’の各圧力、第1空間S1および第2空間S2の各液面の受圧面積、液体原料Mの密度ρに従って決定される。
【0042】
このように、原料ガス供給装置10は、圧力調節機構20を用いて第2空間S2の上方空間S2’の圧力を調節することによって、第1空間S1における液体原料Mの液面レベルL1を調節することが可能である。具体的には、圧力調節機構20において加圧ガス供給路22を介して、上記の空間S2’に加圧ガスG2としての不活性ガスを供給することによって、空間S2’の圧力を増加させることができ、その圧力に応じた高さに第2空間S2の液面レベルL2を降下させるとともに、第1空間S1の液面レベルL1を上昇させることができる。加圧ガスG2としては、液体原料Mと反応が生じないガスを用いることが望ましく、具体的には、アルゴンガスや窒素ガスを用いることができる。
【0043】
したがって、バブリングにより原料ガスG1の供給を行うことによって、次第に原料容器12内の液体原料Mの全体量が低下したときにも、第2空間S2の上方空間S2’の圧力を増加させることによって、第1空間S1における液面レベルL1を一定に保つことが可能である。液面レベルL1を一定に保つようにすれば、キャリアガス導入路14の吐出口と液面までの距離(気泡の移動距離)が一定に保たれるので、より安定した濃度の原料ガスG1を得ることができる。
【0044】
また、加圧ガス供給路22に排気ラインおよび排気バルブを設け、圧力調節機構20が第2空間S2の上方空間S2’の圧力を減少させ得るように構成されていてもよい。この場合、上方空間S2’の圧力を減少させることによって液面レベルL1を下降させることもできるので、液面レベルL1が高くなりすぎたときなどにも対応することができる。また、原料ガスG1の濃度を低下させたいときにも、液面レベルL1を下降させることによって対応することができる。
【0045】
上記の第1空間S1の体積は、典型的には、第2空間S2の体積よりも小さく設計されている。このため、第1空間S1における液面レベルL1は、第1空間S1への比較的少量の液体原料Mの流出入により変化させることができ、また、原料容器取り換え時の液体原料Mの残量を少なくすることができる。ただし、第2空間S2の受圧面積が第1空間S1の受圧面積と比較して大きいほど、上方空間S2’の圧力変化に対し液面が大きく変動するため、液面レベルL1の制御が難しくなる。また、第1空間S1の体積が小さい場合、気泡が隔壁部材18に接触することで原料ガスG1の濃度に影響を与え得る。したがって、第1空間S1および第2空間S2の大きさについては、これらの要素も考慮して設計されることが好適である。
【0046】
また、図2に示すように、本実施形態の原料ガス供給装置10では、第1空間S1に、レベル測定ユニットとしてのレベルセンサ19が設けられ、第1空間S1における液面レベルL1を測定可能である。この場合、レベルセンサ19からの出力がバルブ24を制御する演算制御部28にフィードバックされ、液面レベルL1を一定に維持するようにバルブ24を制御することができる。
【0047】
ただし、液面レベルL1を常に一定に維持する必要はなく、閾値以上の液面レベルL1の低下が確認されたときだけ、圧力調節機構20を用いて、液面レベルL1を上昇させる動作を行うようにしてもよいことはもちろんである。
【0048】
上記のレベルセンサ19としては、任意のものを用いることができ、例えば、光学式、フローター式、測温抵抗体を用いた方式などの種々のレベルセンサを採用することができる。光学式のレベルセンサとしては、例えば、図2に示すような原料容器12の蓋部12aに取り付けられ、液面に対して光を照射するとともに、液面からの反射光を受け取って高さを計測するタイプのものを用いることができる。
【0049】
また、図3に示す原料ガス供給装置10Aのように、別途レベルセンサを設けることなく、原料ガス排出路16に接続された第1圧力センサP1と、キャリアガス導入路14に接続された第2圧力センサP2と、第1圧力センサP1の出力(圧力)P1と第2圧力センサP2の出力(圧力)P2とに基づいて液面レベルL1を演算する演算制御部29とを用いて液面レベルL1を測定するレベル測定ユニットを構成することもできる。
【0050】
第1圧力センサP1および第2圧力センサP2を用いた液面レベルL1の測定は、気泡式液面計と同様の原理を利用して行うことができる。気泡式液面計では、液中に挿入したチューブの先端から気泡を発生させたときのチューブ内の圧力が、チューブ先端における液体の圧力と同じになることを利用して、チューブ先端位置での液体の圧力ひいては液面レベルを測定することができる。液面レベルが高い場合、気泡発生時のチューブ内の圧力は大きくなり、液面レベルが低い場合、チューブ内の圧力は小さくなる。
【0051】
本実施形態においても、キャリアガス導入路14から液体原料Mに気泡を発生させるので、このときの第2圧力センサP2の出力P2(キャリアガス導入路14の吐出口の位置での液体圧力)、液面上方の圧力を示す第1圧力センサP1の出力P1、および、液体原料Mの密度ρなどに基づいて、液面レベルL1を演算により求め得る。例えば、吐出口の高さ位置を液面レベルL1の基準とすると、L1=(P2−P1)/ρgの式に基づいて(ここでgは重力加速度)、液面レベルL1を求めることができる。
【0052】
このように第1圧力センサP1および第2圧力センサP2の出力P1、P2に基づいて液面レベルL1を求めることができれば、他にレベルセンサを設ける必要がないので低コスト化を図ることができる。第1圧力センサP1は、例えば、流量制御器34に備えられたものであってよく、第2圧力センサP2は、自動圧力調整装置6に備えられたものであってもよい。
【0053】
なお、上記のようなレベル測定ユニットを設けることなく、原料ガスG1の消費量(例えば、原料ガス供給装置10の下流側に設けた流量制御器または流量計によって測定されるガス流量の積分値)から原料容器12内の第1空間S1における液面レベルL1の低下の程度を推定し、原料ガスG1の消費量に基づいて第2空間S2の圧力を適宜増加させるようにしても液面レベルL1を一定に保持し得る。
【0054】
以上、本実施形態の原料ガス供給装置を説明したが、種々の改変が可能である。例えば、図4に示す原料ガス供給装置10Bのように、隔壁部材18を、筒状ではなく、板状の部材にして、第1空間S1と第2空間S2とを一枚の壁で隔てるようにしてもよい。また、上述したように、第1空間S1と第2空間S2とは、隔壁部材18に設けた開口部18aによって連通させてもよい。
【0055】
また、図5は、液体原料供給路15が設けられている他の態様の原料ガス供給装置10Cを示す。液体原料供給路15が設けられている場合、原料容器内の液体原料Mの量が大幅に低下したときに、液体原料Mを補充することができる。ただし、第1空間S1における液面レベルL1を一定に保つために常に液体原料Mを補充する必要はなく、液体原料Mの量が十分に多いうちは第2空間S2の上方空間S2’の圧力調節により液面レベルL1を所定の高さに維持し、液体原料Mの量が相当量少なくなったときにのみバルブV15を開いて追加の液体原料Mを補充するようすればよい。
【0056】
また、上記には、キャリアガス供給源30と加圧ガス供給源26とを別々に設ける態様を説明したが、キャリアガスG0と加圧ガスG2とが同じ種類のガスであってよい場合、共通のガス供給源から流路を分岐させてキャリアガス導入路14および加圧ガス供給路22にそれぞれ接続するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明の実施形態にかかる原料ガス供給装置は、例えば、半導体製造装置において原料ガスを供給するために好適に用いられる。
【符号の説明】
【0058】
2 プロセスチャンバ
4 真空ポンプ
6 自動圧力調整装置
8 遮断弁
10 原料ガス供給装置
11 恒温槽
12 原料容器
14 キャリアガス導入路
16 原料ガス排出路
18 隔壁部材
19 レベルセンサ
20 圧力調節機構
22 加圧ガス供給路
24 バルブ
26 加圧ガス供給源
28 演算制御部
29 演算制御部
30 キャリアガス供給源
32 減圧装置
34 流量制御器
100 半導体製造装置
G0 キャリアガス
G1 原料ガス
G2 加圧ガス
M 液体原料
S1 第1空間
S2 第2空間
L1、L2 液面レベル
図1
図2
図3
図4
図5