特開2020-76284(P2020-76284A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-76284(P2020-76284A)
(43)【公開日】2020年5月21日
(54)【発明の名称】箱抜き空間形成用型枠
(51)【国際特許分類】
   E04G 15/06 20060101AFI20200424BHJP
   E04G 9/00 20060101ALI20200424BHJP
   B28B 7/30 20060101ALI20200424BHJP
   B28B 7/34 20060101ALI20200424BHJP
【FI】
   E04G15/06 C
   E04G9/00 102
   B28B7/30
   B28B7/34 C
   B28B7/34 M
   B28B7/34 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】書面
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2018-222861(P2018-222861)
(22)【出願日】2018年11月9日
(71)【出願人】
【識別番号】517084656
【氏名又は名称】株式会社ネクステック
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼宮 一雅
【テーマコード(参考)】
2E150
4G053
【Fターム(参考)】
2E150BA17
2E150BA32
2E150BA42
2E150BA52
2E150BA53
2E150CA01
2E150DA14
2E150DA52
2E150HF14
2E150MA02X
2E150MA46X
4G053BC03
4G053BC08
(57)【要約】
【課題】 各種コンクリート造作物の建造に際して用いられる箱抜き空間形成用型枠の設置、取り外しが容易に行われるようにする。
【解決手段】 コンクリート造作物22面に箱抜き空間を形成するために埋設使用される箱抜き空間形成用型枠1であり、形成される前記箱抜き空間の深さ方向に沿って分割される複数個の型枠単体3a、3b、3cが、互いに側面を当接するように柱状に一体に組み合わされて構成されるもの。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリート造作物面に箱抜き空間を形成するために埋設使用される箱抜き空間形成用型枠であり、
形成される前記箱抜き空間の深さ方向に沿って分割される複数個の型枠単体が、互いに側面を当接するように柱状に一体に組み合わされて構成されることを特徴とする箱抜き空間形成用型枠。
【請求項2】
前記型枠単体が中央型枠単体とその周囲に配置される複数個の周囲型枠単体とから構成される請求項1記載の箱抜き空間形成用型枠。
【請求項3】
前記中央の型枠単体が前記箱抜き空間の奥方に向かうにつれて徐々に細く形成されている請求項1記載の箱抜き空間形成用型枠。
【請求項4】
前記中央の型枠単体と前記周囲の型枠単体の当接面が、互いに同形である請求項2記載の箱抜き空間形成用型枠。
【請求項5】
前記中央の型枠単体が金属製であり、前記周囲の複数個の前記型枠単体が木製である請求項2記載の箱抜き空間形成用型枠。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、各種コンクリート造作物の建造に際して用いられる箱抜き空間形成用型枠に関する。
【背景技術】
【0002】
各種のコンクリート造作物は、上面にアンカーボルト等の取付けのため箱抜き空間を形成する場合がある。従来この箱抜き空間の形成は、例えば、コンクリート造作物を成形する外周型枠内の箱抜き空間を形成する位置に型枠パネルを立設して囲み状態に組み付け、コンクリートを外周型枠内に充填し、固化後に取り外すことで行っている。この従来の方法では、型枠パネルの組み付けに手間がかかるとともに、とくにコンクリート固化後の型枠パネルの取り外しが、コンクリートから引きはがして行うので非常に手間がかかる問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この発明は上記の事情に鑑みて行ったもので、箱抜き空間形成用型枠の設置、取り外しが容易に行われるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この発明は、コンクリート造作物面に箱抜き空間を形成するために埋設使用される箱抜き空間形成用型枠であり、形成される前記箱抜き空間の深さ方向に沿って分割される複数個の型枠単体が、互いに側面を当接するように柱状に組み合わされて構成されることを特徴とする箱抜き空間形成用型枠を提供する。
【0005】
上記構成の箱抜き空間形成用型枠は、複数個の型枠単体が柱状に一体に組み合わされて構成されていることで、その設置が容易に行われるとともに、かつ、型枠単体が分解することで容易に取り外すことができる。
【0006】
さらに、型枠単体が中央型枠単体とその周囲に配置される複数個の周囲型枠単体とから構成されることで、始めに中央型枠単体を取り外すことで周囲型枠単体の取り外しが容易に行われ、その際、中央の型枠単体が箱抜き空間の奥方に向かうにつれて徐々に細く形成されていることでその抜き取りが容易に行われ、さらに、中央の型枠単体と周囲の型枠単体の当接面が互いに同形である構成とされることで、中央の型枠単体が抜き出されて形成された抜き空間側へ周囲の型枠単体の押し込むことで、それらの取り外しが容易に行える。
【0007】
中央の型枠単体が金属製であり、周囲の複数個の前記型枠単体が木製である構成とされることで、箱抜き空間形成用型枠は全体が軽量で、運搬、取り扱いが容易に行われるとともに、安価に構成される。また、中央の型枠単体は金属製とされていることで繰り返し使用が行え、その際、箱抜き空間形成用型枠の平面形状の大小にかかわらず中央において兼用される。くわえて、設置、取り外しの作業の際に最も力がかかる部分となる中央の型枠単体が金属製であることで、その作業が安定して行われる。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、箱抜き空間形成用型枠の設置、取り外しが容易に行われるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】この発明の箱抜き空間形成用型枠の実施形態の斜視図
図2】この発明の箱抜き空間形成用型枠の実施形態の平面図
図3】この発明の箱抜き空間形成用型枠の実施形態の側面図
図4】この発明の箱抜き空間形成用型枠の実施形態の分解斜視図
図5】この発明の箱抜き空間形成用型枠の固定状態の実施形態の斜視図
図6】この発明の箱抜き空間形成用型枠の実施形態の使用説明図
図7】この発明の箱抜き空間形成用型枠の実施形態の使用説明図
【発明の好ましい実施形態】
【0010】
図1はこの発明の箱抜き空間形成用型枠の斜視図、図2は同平面図、図3は同側面図、図4は同分解斜視図である。箱抜き空間形成用型枠1は、平面形状における辺長さが41cmの正方形で、その長さを180cmとする角柱形態で、縦方向において分割される3種類9個の柱状の型枠単体3a、3b、3cよりなり、使用に際しては、図5に示すように、上部が一対の鉄製の固定材5により固定され、下部が粘着テープ7により巻回固定されて一体とされる。
【0011】
中央に位置する型枠単体3aは鉄製で、上面、下面を正方形とし、上面の一辺寸法を21cm、下面の一辺寸法を11cmとする下部側が細い角錐形態である。平面形状を十字とする縦長の中心材4の4端縁に長手方向に沿って下部側が細くなる台形の当接プレート6のそれぞれが取り付けられている。さらに、中心材4の上面には略正方形の取付け板9が、下面には正方形の底板8が取り付けられ、取付け板9には一対のネジ穴が設けられた吊り下げ部11が固着されている。
【0012】
型枠単体3b、3cは木製で、内部に補強心材を備え周面が面板で構成される中空構造である。型枠単体3bのそれぞれは上面、下面を短辺長さが10cmとする長方形とし、側面形状を型枠単体3aに沿った台形とする下部側が細い角錐形態で、4周囲の中央それぞれに配置される。型枠単体3cのそれぞれは側面形状を型枠単体3b沿った台形とする上部側が細い角錐形態で、4角に配置される。固定材5のそれぞれは箱抜き空間形成用型枠1の相対する上縁それぞれに当接され、型枠単体3b、3cのそれぞれを貫通する4本の固定ボルト15により互いが連結され、これにより箱抜き空間形成用型枠1を上部において固定している。固定材5のそれぞれは両端位置にネジ穴が設けられた吊り下げ部19が固着されている。
【0013】
箱抜き空間形成用型枠1は、中央の型枠単体3aのみを鉄製としていることで全体が軽量で、運搬、取り扱いが容易に行われるとともに、安価に製造される。とくに、柱状型枠単3aを他の型枠単体3b、3cと同様にブロック形態とすることなく中心材4と当接プレート6を用いて構成したことで、さらに軽量化が図られ、かつ、安価に製造される。周囲の型枠単体3b、3cは使用後に密着するコンクリート造作物から外す際に傷が付き、損傷して再使用が行うことが難しいが、中央の型枠単体3aはその恐れがないことで、鉄製とされることで繰り返し使用可能としている。その際、型枠単体3aは箱抜き空間形成用型枠1の平面形状の大小にかかわらず中央において兼用されることで便利に使用される。また、後に説明する設置、取り外しの作業の際に最も力がかかる部分が型枠単体3aであり、この部分が鉄製であることでその作業が安定して行われる。
【0014】
次に、上記の一体に固定された箱抜き空間形成用型枠1の使用方法を、図6を参照して説明する。20のそれぞれはコンクリート造作物22を成形する外周型枠であり、その外周型枠20内の箱抜き空間形成位置に、取付け板9の吊り下げ部11が吊り下げボルト24により支持桟材26に、固定材5それぞれの吊り下げ部19が吊り下げボルト28により支持桟材30にそれぞれ連結された状態において、クレーンにより全体が吊り下げられて支持桟材30それぞれの端部が外周型枠20上に設置固定されることで配置される。箱抜き空間形成用型枠1が配置された状態において、外周型枠20内にコンクリートが流入され、養生固化されてコンクリート造作物22が形成される。
【0015】
以下、箱抜き空間形成用型枠1の取り外し作業を説明する。まず支持桟材26を支持桟材30上に固定する2本の固定ボルト29を外して支持桟材26を自由状態とし、クレーンにより支持桟材26を上方に吊り上げる。これにより支持桟材26に吊り下げボルト24により固定取付けされた箱抜き空間形成用型枠1の中央の型枠単体3aが、図7に示すように、上方に抜き出される。抜き出した型枠単体3aにおいて、吊り下げボルト24を外して取付け板9から支持桟材26を離脱させるとともに、固定ボルト28それぞれを外して支持桟材30それぞれの外周型枠20上への設置固定をクレーンにより解除する。次に、コンクリート造作物22面上において、周囲の型枠単体3bの1個を、型枠単体3aが抜かれたことによって形成された中央の抜き空間40側に木づちやバールを使用することで押し込んで取り外し、続いて他の3個の型枠単体3bを同様にして取り外す。次に4角に位置する型枠単体3cを順次取り外すことでコンクリート造作物22面上に箱抜き空間が形成される。
【0016】
上記の箱抜き空間形成用型枠1の取り外し作業は、箱抜き空間形成用型枠1が型枠単体3a、3b、3cに分割されており、それぞれの型枠単体3a、3b、3cを分解して取り外すことで容易に行われる。とくに、中央型枠単体3aの上方への抜き出しが下部側を細い角錐形態としていることで容易に行われ、それに続く型枠単体3bそれぞれの取り外しがその側面形状を型枠単体3aに沿った台形としていることで、中央型枠単体3aが抜き出されて形成された抜き空間40側へ押し込みが可能で、これによりそれらの取り外しが容易に行える。
【符号の説明】
【0017】
1 箱抜き空間形成用型枠
3a 型枠単体
3b 型枠単体
3c 型枠単体
22 コンクリート造作物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7