特開2020-76294(P2020-76294A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-76294(P2020-76294A)
(43)【公開日】2020年5月21日
(54)【発明の名称】集合継手システム
(51)【国際特許分類】
   E03C 1/12 20060101AFI20200424BHJP
   F16L 41/03 20060101ALI20200424BHJP
【FI】
   E03C1/12 D
   E03C1/12 E
   F16L41/03
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-168587(P2019-168587)
(22)【出願日】2019年9月17日
(31)【優先権主張番号】特願2018-173982(P2018-173982)
(32)【優先日】2018年9月18日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100152272
【弁理士】
【氏名又は名称】川越 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(72)【発明者】
【氏名】木村 英治
(72)【発明者】
【氏名】渕上 斉太
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 総
(72)【発明者】
【氏名】徳丸 武司
【テーマコード(参考)】
2D061
3H019
【Fターム(参考)】
2D061AA04
2D061AB02
2D061AB04
2D061AC06
2D061AC07
3H019BA21
3H019BA33
3H019BA44
3H019BC01
3H019BD05
(57)【要約】
【課題】排水性能を維持しながら旋回羽根から発生する音を抑えた集合継手システムを提供する。
【解決手段】集合継手システムは、管状に形成されて軸線Oが上下方向に沿うように配置される継手本体16と、継手本体の内周面に設けられた旋回羽根34と、を有する集合継手11と、継手本体の端部に接続された縦管と、を備え、旋回羽根は、上方から下方に向かうに従い漸次、周方向Xの第1側X1に向けて延び、上下方向に沿って旋回羽根を見たときに、旋回羽根は、縦管の内周面から径方向に10mm内側を通る基準円C上に、周方向に沿って中心角θ2で50°以上110°以下の範囲にわたって配置されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管状に形成されて軸線が上下方向に沿うように配置される継手本体と、前記継手本体の内周面に設けられた旋回羽根と、を有する集合継手と、
前記継手本体の端部に接続された縦管と、
を備え、
前記旋回羽根は、上方から下方に向かうに従い漸次、周方向の第1側に向けて延び、
上下方向に沿って前記旋回羽根を見たときに、前記旋回羽根は、前記縦管の内周面から径方向に10mm内側を通る基準円上に、周方向に沿って中心角で50°以上110°以下の範囲にわたって配置されている集合継手システム。
【請求項2】
前記継手本体の内周面を、前記内周面における前記旋回羽根の上端部との接続部分が正面に位置するように径方向の内側から見たときに、前記旋回羽根が上下方向に対してなす角度が10°以上30°以下である請求項1に記載の集合継手システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集合継手システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、集合住宅やオフィスビルディング等の建築物は、排水路等の集合継手システムを備えている(例えば、特許文献1参照)。例えば、集合継手システムは、建築物の各階で排水を集める横管と、各横管で集めた排水を下方に向かって流す縦管と、横管と縦管とを接続する集合継手と、を備えている。
【0003】
集合継手は、管状に形成された継手本体と、継手本体の外周面に設けられた横管接続部と、継手本体の内周面に設けられた旋回羽根と、を備えている。
継手本体は、軸線が上下方向に沿うように配置されている。継手本体の上端部及び下端部には、縦管がそれぞれ接続されている。横管接続部には、横管が接続されている。旋回羽根は、継手本体における横管接続部よりも下方の部分に、上方から下方に向かうに従い漸次、周方向に沿って延びる螺旋状に配置されている。
【0004】
継手本体の上端部に接続された縦管、及び横管から継手本体内に流れ込んだ排水は、旋回羽根の上面に当たり、旋回羽根の上面に沿って螺旋状に流れる。集合継手の継手本体内を排水が螺旋状に流れ落ちる一方で、排水が流れない空間を継手本体内の空気が流れる。
こうして、集合継手システムでは、内部に生じる圧力差を抑えた状態での内部を流れる排水の流量である排水性能を、増加させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−037371号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、旋回羽根の上下方向の投影面積を大きくすると、旋回羽根の上面に排水が当たったときに発生する音が大きくなる。一方で、この投影面積を小さくすると、排水が螺旋状に流れにくくなり、集合継手システムの排水性能が低下する虞がある。
【0007】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、排水性能を維持しながら旋回羽根から発生する音を抑えた集合継手システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明の集合継手システムは、管状に形成されて軸線が上下方向に沿うように配置される継手本体と、前記継手本体の内周面に設けられた旋回羽根と、を有する集合継手と、前記継手本体の端部に接続された縦管と、を備え、前記旋回羽根は、上方から下方に向かうに従い漸次、周方向の第1側に向けて延び、上下方向に沿って前記旋回羽根を見たときに、前記旋回羽根は、前記縦管の内周面から径方向に10mm内側を通る基準円上に、周方向に沿って中心角で50°以上110°以下の範囲にわたって配置されていることを特徴としている。
【0009】
この発明によれば、発明者らは、排水が、継手本体と同軸の円筒状になって(以下、円筒状の排水の流れを円筒状流と言う)、この円筒状流の水膜の厚さが約10mmの状態で集合継手内を流れることを見出した。水膜の密度が高い円筒状流に当たる位置に旋回羽根を配置することにより、旋回羽根を効率的に用いることができる。
【0010】
基準円上に配置された旋回羽根の中心角が50°未満だと、旋回羽根の周方向の第1側を向く面に排水が当たっても排水が螺旋状に流れにくくなり、集合継手の排水性能が低下する虞がある。一方で、旋回羽根の中心角が110°を超えると、旋回羽根の周方向の第1側を向く面に排水が当たったときに発生する音が大きくなる。
円筒状流に当たる位置に旋回羽根を配置し、かつ、旋回羽根の中心角を50°以上110°以下にすることにより、排水性能を維持しながら、旋回羽根から発生する音を抑えることができる。
【0011】
また、上記の集合継手システムにおいて、前記継手本体の内周面を、前記内周面における前記旋回羽根の上端部との接続部分が正面に位置するように径方向の内側から見たときに、前記旋回羽根が上下方向に対してなす角度が10°以上30°以下であってもよい。
この発明によれば、この角度が10°未満だと、旋回羽根の周方向の第1側を向く面に排水が当たっても排水が螺旋状に流れ難くなる。一方で、この角度が30°を超えると、排水の流れが乱流になって旋回羽根の周方向の第1側を向く面に排水が当たったときに発生する音が大きくなり、排水が当たったときに旋回羽根が受ける力が大きくなる。この角度を10°以上30°以下にすることにより、旋回羽根から発生する音を抑えつつ、排水を螺旋状に流しやすくし、排水により旋回羽根が受ける力を抑えることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の集合継手システムによれば、排水性能を維持しながら旋回羽根から発生する音を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態の集合継手システムの一部を破断した側面図である。
図2】同集合継手の下部接続管の縦断面図である。
図3】同下部接続管の平面図である。
図4】同集合継手内を流れる排水の流れを説明する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る集合継手システムの一実施形態を、図1から図4を参照しながら説明する。
図1に示すように、本実施形態の集合継手システム1は、建築物101の排水用として用いられる。集合継手システム1は、建築物101の床スラブ102に形成されたスラブ貫通孔102a内を通して各階に配置されている。
【0015】
集合継手システム1は、本実施形態の集合継手11と、縦管46と、横管48と、を備えている。
集合継手11は、継手本体16と、横管接続部41と、を備えている。継手本体16は、円管状に形成され、軸線Oが上下方向に沿うように配置されている。以下、継手本体16の周方向X(図3参照)を単に周方向Xと言う。
継手本体16は、上部接続管17と、上部接続管17に中間管18を介して接続された下部接続管19と、を備えている。
上部接続管17の外周面には、横管接続部41が固定されている。本実施形態では、横管接続部41は上部接続管17の外周面に複数設けられている。横管接続部41には、横管48が接続されている。
上部接続管17の内周面には、堰止め板22が固定されている。堰止め板22は、横管48に排水が逆流するのを抑制する。
上部接続管17は、塩化ビニル樹脂等で形成されている。
【0016】
上部接続管17の上端部には、縦管接続部23が取付けられている。縦管接続部23は、第1旋回羽根24を備えている。第1旋回羽根24は、上下方向において、横管48に対応する位置に配置されている。
縦管接続部23には、縦管46が接続されている。縦管46として、主に内径が100mmの管が用いられる。縦管46の外径は、上部接続管17の内径よりも小さい。
【0017】
中間管18には、例えば、エスロン(登録商標)耐火VPパイプ(積水化学工業社製)を好適に用いることができる。エスロン耐火VPパイプは、火災時にパイプ内の空間を塞ぐように熱膨張し、延焼を防止する。なお、中間管18を塩化ビニル樹脂等の通常の樹脂で形成し、中間管18の外周面に熱膨張シートを巻き付けてもよい。
中間管18の内周面には、第2旋回羽根が設けられてもよい。中間管18の上端部は、上部接続管17の下端部の内側に嵌合されている。上部接続管17と中間管18との接続部分は、例えば接着剤等により接合されている。
図1に示すように、上部接続管17と中間管18との接続部分は、床スラブ102のスラブ貫通孔102a内に配置されている。スラブ貫通孔102aには、モルタル103が充填されている。
【0018】
図2及び図3に示すように、下部接続管19は、接続管部31と、傾斜管部32と、下側管部(縦管接続部)33と、第3旋回羽根(旋回羽根)34と、を備えている。なお、図3は、下部接続管19を上下方向に沿って見た(平面視した)図である。
なお、図2は、図3に示すように、傾斜管部32の内周面を、内周面における第3旋回羽根34の上端部との接続部分32aが正面に位置するように径方向の内側から、矢印B1の方向に見た図である。
【0019】
接続管部31は、円筒状に形成され、中間管18の下端部の外側に嵌合されている(図1参照)。接続管部31は、例えば接着剤等により中間管18に接合されている。
傾斜管部32は、円筒状に形成され、かつ、上方から下方に向かうに従い漸次、外径及び内径がそれぞれ小さくなるように形成されている。すなわち、傾斜管部32はテーパー状である。
傾斜管部32は、接続管部31と同軸に配置されている。傾斜管部32の上端部は、接続管部31の下端部の内周面に固定されている。傾斜管部32の上端部は、中間管18の下端部に中間管18の下方から接触している(図1参照)。
【0020】
下側管部33は、円筒状に形成されている。下側管部33は、傾斜管部32と同軸に配置されている。下側管部33の上端部は、傾斜管部32の下端部の外周面に固定されている。下側管部33には、縦管46が接続されている。
このように、継手本体16の上端部及び下端部には、縦管46がそれぞれ接続されている。両縦管46は、同軸に配置されている。
【0021】
第3旋回羽根34は、傾斜管部32の内周面における横管接続部41よりも下方の部分に固定されている(図1参照)。図3に示すように、第3旋回羽根34は、上方から下方に向かうに従い漸次、周方向Xの第1側X1に向けて延びている。なお、前述の接続部分32aは、傾斜管部32の内周面における第3旋回羽根34の周方向Xの第1側X1を向く面34aの上端部との接続部分(交点)であってもよい。
図2に示すように、接続部分32aが上下方向に対して接続部分32aよりも下方になす角度θ1は、22°である。ここで接続部分32aは、接続部分32aにおける接線であってもよい。角度θ1は、10°以上30°以下であることが好ましい。
図3において、縦管46の内周面46aから径方向に10mm内側を通る基準円Cを規定する。基準円Cと縦管46の内周面46aとは、同軸に配置されている。
第3旋回羽根34は、図3に示す平面視において、基準円C上に周方向Xに沿って中心角θ2の範囲にわたって配置されている。中心角θ2は、83°である。中心角θ2は、50°以上110°以下であることが好ましい。
【0022】
下部接続管19を構成する接続管部31、傾斜管部32、下側管部33、及び第3旋回羽根34は、例えば塩化ビニル樹脂等の射出成形により一体に形成されている。
継手本体16は、上部接続管17、中間管18、及び下部接続管19の3つの部材で構成されている。なお、継手本体を2つ、又は4つ以上の部材で構成してもよいし、継手本体を1つの部材で一体に構成してもよい。
また、上部接続管17及び下部接続管19を透明にしてもよい。これにより、上部接続管17及び下部接続管19の接続状態を外部から視認することができる。また、上部接続管17及び下部接続管19に、非熱膨張黒鉛や水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の難燃剤を配合してもよい。
【0023】
継手本体16の外周面に、遮音対策として遮音カバーを設けてもよい。遮音カバーは、例えば、厚さ0.8〜2mmの軟質塩化ビニル、ブチルゴム、又はポリプロピレン(PP)樹脂製のシートで形成される。遮音カバーを、上記のシートの内側に、厚さ5〜20mmのポリエステル繊維、ウレタン発泡体、又はグラスウールの層を設けた積層体としてもよい。
【0024】
また、中間管18は無くても良い。
その場合、上部接続管17と下部接続管19とが直接接続される。下部接続管19の上端の接続管部31が受口の場合には、上部接続管17の下端が差口とされて下部接続管19に挿入される。下部接続管19の上端の接続管部31が差口の場合には、上部接続管17の下端が受口とされ、この下端に下部接続管19が挿入される。
これらの場合、シート状の耐火材(以下、耐火シートともいう)を、上部接続管17と下部接続管19との接続部分に巻き付けることができる。この場合、前記耐火シートは、上部接続管17や下部接続管19のうち、横管接続部41より下側に位置する部分に巻かれる。なお、下部接続管19に耐火シートを巻く場合であって、下部接続管19のうち、第3旋回羽根34が存在する範囲の外面を、例えば成形性の観点などから、径方向の内側に向けて凹ませる場合、この範囲に耐火シートは巻きにくい。この場合、下部接続管19のうち、第3旋回羽根34が存在しない範囲に耐火シートを巻くのが好ましい。一方、この凹み内に、径方向の外側に向けて突出する突部が設けられている場合には、耐火シートを突部によって径方向の内側から支持することができる。そのため、下部接続管19のうち、第3旋回羽根34がある位置まで耐火シートを巻いてもよい。
【0025】
なお、発明者らは、この集合継手を用いて実験を行った。この実験は、SHASE(空気調和衛生工学会規格)−S218(2014)、集合住宅の排水立て管システムの排水能力試験法の規定に基づいて行った。この規定に基づいて、排水の流量を6.5L/s(リットル毎秒)とすると、排水の落下速度は実測で約2.6m/sであることが分かった。
このとき、発明者らは、図4に示すように、排水Lが、継手本体16と同軸の円筒状になって集合継手11内を流れることを見出した(以下、円筒状の排水の流れを円筒状流と言う)。なお、図4では、排水Lと第3旋回羽根34との位置関係を示す。
【0026】
円筒状流の外径は、縦管46の外径と同一の約100mmである。円筒状流の軸線に直交する断面積は、(1)式から、2500mmとなる。
6.5×10(mm/s)/(2.6×10(mm/s))
=2500mm ・・(1)
円筒状流の内径をD(mm)とすると、(2)式が成り立つ。
π(100/2)−π(D/2)=2500 ・・(2)
よって、内径Dは約82.6mmとなり、円筒状流の水膜の厚さは約10mmとなることが分かった。水膜の密度が高い円筒状流に当たる位置に第3旋回羽根34を配置することにより、第3旋回羽根34を効率的に用いることができる。
【0027】
基準円C上に配置された第3旋回羽根34の中心角θ2が50°未満だと、第3旋回羽根34の面34aに排水Lが当たっても排水Lが螺旋状に流れにくくなり、集合継手11の排水性能が低下する虞がある。一方で、第3旋回羽根34の中心角θ2が110°を超えると、第3旋回羽根34の面34aに排水Lが当たったときに発生する音が大きくなる。
本実施形態の集合継手システム1によれば、円筒状流に当たる位置に第3旋回羽根34を配置し、かつ、第3旋回羽根34の中心角θ2を50°以上110°以下にすることにより、排水性能を維持しながら、第3旋回羽根34から発生する音を抑えることができる。これにより、第3旋回羽根34を小型化することができる。
【0028】
接続部分32aが上下方向に対してなす角度θ1は、10°以上30°以下であることが好ましい。角度θ1が10°未満だと、第3旋回羽根34の面34aに排水Lが当たっても排水Lが螺旋状に流れ難くなる。一方で、角度θ1が30°を超えると、排水Lの流れが乱流になって第3旋回羽根34の面34aに排水Lが当たったときに発生する音が大きくなり、排水Lが当たったときに第3旋回羽根34が受ける力が大きくなる。角度θ1を10°以上30°以下にすることにより、第3旋回羽根34から発生する音を抑えつつ、排水Lを螺旋状に流しやすくし、排水Lにより第3旋回羽根34が受ける力を抑えることができる。
【0029】
なお、本実施形態の集合継手11では、接続部分32aと軸線Oとがなす角度θ1は、10°未満であったり、30°を超えたりしてもよい。
【0030】
以上、本発明の一実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の構成の変更、組み合わせ、削除等も含まれる。
例えば、前記実施形態では、第3旋回羽根34は、基準円Cと縦管46の内周面46aとの間にわたって、かつ、周方向Xに沿って中心角θ2の範囲にわたって配置されていてもよい。このように構成することにより、第3旋回羽根34を水膜の密度が高い円筒状流により効率的に当てることができる。
集合継手11は、縦管接続部23及び横管接続部41を備えなくてもよい。
継手本体16内に旋回羽根が設けられる位置は特に限定されず、上下方向において横管接続部41と同等の位置等でもよい。
継手本体16は円管状に形成されているとした。しかし、継手本体の形状はこれに限定されず、継手本体は楕円の管状や、角管状等に形成されていてもよい。
【0031】
前記実施形態では、下部接続管19において、接続管部31、下側管部33は受口とされているが、いずれかが差口でもよく、両方が差口とされていてもよい。接続管部31や下側管部33を差口とする場合、接続管部31や下側管部33は直管状となる。この場合、接続管部31の内径および外径は、第3旋回羽根34の上端における傾斜管部32の内径および外径と略同一となる。下側管部33の内径および外径は、第3旋回羽根34の下端における傾斜管部32の内径および外径と略同一となる。
接続管部31が差口である場合には、上記の通り中間管18を省略し、上部接続管17の下端(受口)に接続管部31を挿入することができる。
なお、前記実施形態では、受口としての接続管部31、下側管部33に挿入される中間管18や縦管46と干渉しないよう、第3旋回羽根34の位置は接続管部31と下側管部33の間の傾斜管部32の内部に設けられていた。しかしながら、接続管部31、下側管部33を差口とすることで、第3旋回羽根34の上端位置を接続管部31の内部に設けたり、第3旋回羽根34の下端位置を下側管部33の内部に設けたり、接続管部31から下側管部33に亘って第3旋回羽根34を設けたりすることができる。すなわち、第3旋回羽根34の設置位置の自由度を向上させることができる。また、第3旋回羽根34が接続管部31および下側管部33と重なることで、第3旋回羽根34の中心角θ2を50°以上と大きくしても、下部接続管19全体の長さを短くし、集合継手11全体を小さくして収まりを改善することができる。
【0032】
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【0033】
(実施例)
以下では、本発明の実施例及び比較例を具体的に示してより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
表1に示すように、仕様1から仕様5の集合継手を作製した。
仕様1の集合継手では、基準円C上の第3旋回羽根34の中心角θ2は48°、接続部分32aと軸線Oとがなす角度θ1は13°とした。同様に、仕様2の集合継手では、中心角θ2は60°、角度θ1は35°とした。仕様3の集合継手では、中心角θ2は60°、角度θ1は18°とした。仕様4の集合継手では、中心角θ2は80°、角度θ1は22°とした。仕様5の集合継手では、中心角θ2は100°、角度θ1は28°とした。
【0034】
これらの仕様1から仕様5の集合継手を用いて、前述のSHASE−S218(2014)、集合住宅の排水立て管システムの排水能力試験法の規定に基づいた試験を行った。
各仕様での排水性能の試験結果を、表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
仕様1の集合継手では、排水性能は5.5L/sであった。同様に、仕様2,3,4,5の集合継手では、排水性能はそれぞれ6.0L/s,6.5L/s,7.0L/s,6.5L/sであった。
中心角θ2が50°未満である仕様1の集合継手が比較例、中心角θ2が50°以上110°以下である仕様2から仕様5の集合継手が実施例となる。
仕様2から仕様5の実施例の集合継手では、比較例の集合継手に比べて排水性能が高くなることが分かった。
【符号の説明】
【0037】
1 集合継手システム
11 集合継手
16 継手本体
32a 接続部分
34 第3旋回羽根(旋回羽根)
46 縦管
C 基準円
O 軸線
X 周方向
X1 第1側
θ1 角度
θ2 中心角
図1
図2
図3
図4