【解決手段】無機繊維を含む第1断熱材110と、無機繊維を含み、前記第1断熱材より、600℃における熱伝導率が低く、圧縮率25%における圧縮応力が高い第2断熱材120との積層物100を含む積層断熱材100であって、前記第1断熱材110の積層方向の厚さをA、前記第2断熱材120の積層方向の厚さをBとしたとき、前記AとBの比が1<A/B<5を満たし、かつ、Bが10mm以下であることを特徴とする積層断熱材100。
前記第1断熱材の圧縮率25%における圧縮応力は50kPa以下であり、前記第2断熱材の圧縮率25%における圧縮応力は100kPa以上である請求項1に記載の積層断熱材。
前記第1断熱材の引張強さが35.0N/50mm/25mm以上であり、前記第2断熱材の引張強さが500N/25mm/10mm以下であり、前記積層断熱材の引張強さは、800N/25mm/17.5mmから2000N/25mm/17.5mmである請求項1乃至3の何れか一項に記載の積層断熱材。
前記積層断熱材を外径33.3mmの管に巻きつけ、前記積層断熱材の内面の少なくとも一部が前記管の外面と接しているとき、前記積層断熱材の内面と前記管の外面との最大離隔距離が10mm未満である請求項1乃至4の何れか一項に記載の積層断熱材。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、我が国の原子力発電所にも使用可能な、施工性が良く断熱性が高い積層断熱材及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
耐火構造が、狭い場所にある部材、細い部材、及び/又は湾曲したり分岐する部材を保護するためには、薄く曲がりやすいことが求められる。しかし耐火構造を薄くすると断熱性が劣り、施工性と断熱性を両立させることは困難であった。本発明者らは、鋭意研究の結果、所定の断熱材を組み合わせ、かつ各断熱材の厚さを調整することにより、上記の目的を達成できることを見い出し本発明を完成させた。
【0007】
本発明によれば、以下の積層断熱材及びその製造方法が提供される。
1.無機繊維を含む第1断熱材と、
無機繊維を含み、前記第1断熱材より、600℃における熱伝導率が低く、圧縮率25%における圧縮応力が高い第2断熱材との積層物を含む積層断熱材であって、
前記第1断熱材の積層方向の厚さをA、前記第2断熱材の積層方向の厚さをBとしたとき、前記AとBの比が以下の式(1)を満たし、かつ、Bが10mm以下であることを特徴とする積層断熱材。
1<A/B<5 (1)
2.前記第1断熱材の圧縮率25%における圧縮応力は50kPa以下であり、前記第2断熱材の圧縮率25%における圧縮応力は100kPa以上である1に記載の積層断熱材。
3.前記第1断熱材の積層方向の厚さAが10mmを超え、
前記積層断熱材の積層方向の厚さが30mm未満である1又は2に記載の積層断熱材。
4.前記第1断熱材の引張強さが35.0N/50mm/25mm以上であり、前記第2断熱材の引張強さが500N/25mm/10mm以下であり、前記積層断熱材の引張強さは、800N/25mm/17.5mmから2000N/25mm/17.5mmである1乃至3の何れか一項に記載の積層断熱材。
5.前記積層断熱材を外径33.3mmの管に巻きつけ、前記積層断熱材の内面の少なくとも一部が前記管の外面と接しているとき、前記積層断熱材の内面と前記管の外面との最大離隔距離が10mm未満である1乃至4の何れか一項に記載の積層断熱材。
6.前記積層物を包装する包装材を備え、前記包装材は、前記第1断熱材と前記第2断熱材より、引張強さが高い1乃至5の何れか一項に記載の積層断熱材。
7.前記包装材が、片面が樹脂コートされたシリカクロスである6に記載の積層断熱材。
8.無機繊維を含み、厚さAを有する第1断熱材と、
無機繊維を含み、前記第1断熱材より、600℃における熱伝導率が低く、圧縮率25%における圧縮応力が高い第2断熱材であって、10mm以下である厚さBを有し、前記AとBの比が以下の式(1)を満たす第2断熱材とを、
積層することを、含む積層断熱材の製造方法。
1<A/B<5 (1)
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、施工性が良く断熱性が高い積層断熱材及びその製造方法が提供できる。
尚、本発明の積層断熱材は、我が国の原子力発電所だけで無く、海外の原子力発電所にも使用でき、また、原子力発電所に限定されず、耐火が求められる全ての場所(施設)に使用できる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の積層断熱材は、無機繊維を含む第1断熱材と、無機繊維を含み、第1断熱材より600℃における熱伝導率が低く圧縮率25%における圧縮応力が高い第2断熱材とを積層した積層物を含む。さらに、第1断熱材の積層方向の厚さをA、第2断熱材の積層方向の厚さをBとしたとき、AとBの比が以下の式(1)を満たし、かつ、Bが10mm以下である。この構成により、断熱性に優れながら施工性に優れる断熱材が得られる。
1<A/B<5 (1)
【0011】
好ましくは、AとBの比が以下の式(2)を満たす。
1.5≦A/B≦3.5 (2)
より好ましくは、AとBの比が以下の式(3)を満たす。
2.0≦A/B≦2.5 (3)
【0012】
具体的には、第1断熱材の積層方向の厚さAは、好ましくは8mm以上であり、より好ましくは10mmより厚く、さらに好ましくは12mm以上である。上限は例えば20mmとできる。第2断熱材の積層方向の厚さBは、10mm以下であり、より好ましくは8mm以下、さらに好ましくは7mm以下である。下限は例えば2mm又は3mmとできる。第1断熱材及び/又は第2断熱材が薄くなると、施工性が良くなる。一方、第1断熱材及び/又は第2断熱材が厚くなると、断熱性が高くなる。
【0013】
積層物又は積層断熱材の積層方向の厚さは、好ましくは30mm未満であり、より好ましくは25mm以下であり、さらに好ましくは20mm以下である。下限は例えば12mmとできる。積層物又は積層断熱材の厚さが薄い程、施工性が良くなる傾向がある。
【0014】
積層断熱材の密度(重量)は、軽い方が好ましく、密度は、好ましくは80kg/m
3以上200kg/m
3未満である。120〜180kg/m
3とできる。
【0015】
本発明の積層断熱材は、保護すべき対象物を囲んで使用する。積層断熱材は対象物の周囲全てを囲むことが好ましいが、少なくとも一部囲めばよい。好ましくは第1断熱材と第2断熱材は可撓性を有し、積層断熱材も可撓性を有する。積層断熱材を使用するとき、第1断熱材が外側となるように対象物を囲むことが好ましい。さらに、本発明の積層断熱材は、未加熱であれば、一度取り外しても、再度取り付けることができ、再利用が可能である。
【0016】
本発明の積層断熱材は施工性が良いため、狭い場所や細い部材を保護できる。具体的には、積層断熱材を、外径33.3mmの管に、積層断熱材の内面の少なくとも一部が管の外面と接している状態で、巻きつけたとき、積層断熱材の内面と、管の外面との最大離隔距離を小さくできる。好ましくは10mm未満、より好ましくは9mm以下とできる。
図1に積層断熱材10(第1断熱材と第2断熱材は図示せず)を、管20の周りに、積層断熱材の内面11の少なくとも一部が管の外面21と接するように、巻き付けた状態を示す。狭い場所では、積層断熱材10は管20の周りを隙間なく覆うことが、嵩張らずまた断熱性能を発揮する点から好ましいが多くの場合困難であり、積層断熱材10と管20の間には隙間が空く。管20の外面21の接線の接点から、積層断熱材10の内面11まで接線の垂直方向に延びた直線が最も長いとき、その直線の長さが最大離隔距離であり、図ではDで示される。尚、このとき積層断熱材の外部からベルトで締め付けたりしない。
【0017】
また、積層物において、第1断熱材と第2断熱材は、結合又は接着してもよい。積層物を、結合又は接着した状態で、又は結合又は接着することなく部材を重ねた状態で、包装材で包んでよい。包装材は、機械的強度を確保するため、第1断熱材と第2断熱材より、圧縮応力と引張強さが高いものが好ましい。具体的には、包装材として、シリカクロス、ガラスクロス、又はアルミナクロス等を用いることができる。包装材の片面を樹脂(フッ素樹脂、アクリル樹脂等)でコートしたりアルミ蒸着すると防塵性が高まり好ましい。また、付属品としてベルトを用いて、対象物を囲んだ積層断熱材を外部から締め付けてもよい。
【0018】
積層断熱材の引張強さは、高い程好ましく、例えば、800N/25mm/17.5mm〜2000N/25mm/17.5mm、又は1000N/25mm/17.5mm〜1800N/25mm/17.5mmとできる。包装材の引張強さは、目付け590〜750g/m
2において、例えば300N/25mm〜2000N/25mm、より好ましくは又は400N/25mm〜1500N/25mmとできる。
【0019】
第1断熱材と第2断熱材は、それぞれ一層でもよいし、複数の層からなる積層体でもよい。積層体の場合、複数の層は同じでも異なってもよい。
【0020】
第1断熱材は無機繊維を含み、第2断熱材より熱伝導率が高く、圧縮応力が低い。
第1断熱材の600℃における熱伝導率は、例えば0.01W/(m・K)以上、0.05W/(m・K)以上、又は0.13W/(m・K)以上である。下限は例えば1.0W/(m・K)以下又は0.5W/(m・K)以下である。熱伝導率が低いと断熱性が良くなる。また、第1断熱材の耐熱温度(8時間加熱して収縮率4%以下の温度)は、好ましくは1000℃以上であり、より好ましくは1300℃以上であり、さらに好ましくは1500℃以上である。上限は例えば1700℃とできる。
圧縮率25%における圧縮応力は、好ましくは50kPa以下であり、より好ましくは40kPa以下であり、さらに好ましくは25kPa以下である。下限は例えば5kPaとできる。圧縮応力が低いと施工性が良くなる。
【0021】
また、第1断熱材は、構造的強度を確保するために、引張強さが高いことが好ましい。例えば35.0N/50mm/25mm以上であり、好ましくは37.5N/50mm/25mm以上であり、より好ましくは50N/50mm/25mm以上である。上限は例えば125N/50mm/25mmとできる。
【0022】
第1断熱材は無機繊維を含み、無機繊維を90重量%以上、95重量%以上、又は97重量%以上含むことができる。
【0023】
第1断熱材が含む無機繊維として、セラミック繊維を用いることができる。例えば、シリカとアルミナからなる繊維(シリカ:アルミナ=40:60〜0:100)、具体的には、シリカ・アルミナ繊維、ムライト繊維、アルミナ繊維を用いることができる。
【0024】
また、作業者の健康上の安全性を考慮して、生体溶解性繊維を用いることができる。
生体溶解性繊維は、一般に、主成分として、シリカ及び/又はアルミナに、アルカリ金属酸化物(Na
2O,K
2O等)、アルカリ土類金属酸化物(CaO等)、マグネシア、ジルコニア、チタニアから選択される1以上を含む。他の酸化物も含むことができる。
【0025】
例えば、以下の組成が例示できる。
SiO
2とZrO
2とAl
2O
3とTiO
2との合計 50重量%〜82重量%
アルカリ金属酸化物とアルカリ土類金属酸化物との合計 18重量%〜50重量%
【0026】
また、以下の組成が例示できる。
SiO
2 50重量%〜82重量%
CaOとMgOとの合計 10重量%〜43重量%
【0027】
より具体的には、以下の組成1又は組成2が例示できる。
[組成1]
SiO
2 70〜82重量%
CaO 1〜9重量%
MgO 10〜29重量%
Al
2O
3 3重量%未満
[組成2]
SiO
2 70〜82重量%
CaO 10〜29重量%
MgO 1重量%以下
Al
2O
3 3重量%未満
加熱後においても溶解性が高い観点から、組成2が好ましい。
【0028】
また、特に耐熱性の高い繊維として、以下の組成が例示できる。
SiO
2、MgO及びCaOの3成分を主成分とし、以下の組成を有する無機繊維。
SiO
2:73.6重量%〜85.9重量%
MgO:9.0重量%〜15.0重量%
CaO:5.1重量%〜12.4重量%
Al
2O
3:0重量%以上2.3重量%未満
Fe
2O
3:0重量%〜0.50重量%
SrO:0.1重量%未満
主成分とは、無機繊維が含む全ての成分のうち最も含有量(重量%)の高い3成分(1番含有量が高い成分、2番目に含有量が高い成分、及び3番目に含有量が高い成分の3成分)がSiO
2、MgO及びCaOであることを意味する。
【0029】
第1断熱材は、取り扱いの観点から、ブランケットが好ましい。第1断熱材を製造する際には、適宜無機バインダー、有機バインダー等の通常の添加剤を用いることができる。
【0030】
第2断熱材は無機繊維を含み、第1断熱材より熱伝導率が低く、圧縮応力が高い。
第2断熱材の600℃における熱伝導率は、例えば0.5W/(m・K)以下、0.3W/(m・K)以下、又は0.13W/(m・K)以下である。下限は例えば0.1W/(m・K)とできる。
圧縮率25%における圧縮応力は、例えば80kPa以上、又は100kPa以上であり、上限は例えば400kPaとできる。
【0031】
また、第2断熱材は、引張強さを、例えば600N/25mm/10mm以下、500N/25mm/10mm以下、又は400N/25mm/10mm以下とできる。下限は例えば200N/25mm/10mmとできる。
【0032】
第2断熱材は無機繊維を含み、無機繊維を20〜80重量%、20〜70重量%、又は30〜60重量%含むことができる。
第2断熱材は、第1断熱材で説明した無機繊維を含むことができる。
【0033】
第2断熱材は、無機繊維と他の成分との複合材料を用いることができる。
好ましくは、特表2004−517222号公報に記載されるようなエアロゲルと無機繊維の複合材を用いることができる。
この複合材は、エアロゲルマトリックスが、無機繊維の不織バットにより補強されたものである。無機繊維として、ガラス繊維、セラミックス繊維等を用いることができる。第1断熱材に用いる生体溶解性繊維も用いてもよい。
【0034】
エアロゲルは、連続気泡を有するゲル構造物の孔から、格子間の可動溶媒相を、この溶媒の臨界点より高い温度及び圧力下で除去することで得ることができる。溶媒抽出過程では、溶媒相の圧力及び温度を臨界圧力及び温度より高く保持することが好ましい。エアロゲルは典型的に低いかさ密度(約0.15g/cc以下、好適には約0.03から0.3g/cc)、高い表面積(一般に約400から1,000m
2/g以上、好適には約700から1000m
2/g)、高い間隙率(約95%以上、好適には約97%以上)、及び大きな細孔容積(約3.8mL/g以上、好適には約3.9mL/g以上)を有する。このような特性の組み合わせによって、低い熱伝導率が得られる。耐熱温度は700℃以上である。
【0035】
上記の複合材は、型の中にある補強用繊維バットにゲル前駆体を加え、超臨界乾燥することにより得ることができる。
【0036】
エアロゲルマトリックスを構成する無機エアロゲルの材料は、例えばケイ素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、イットリウム、バナジウム等の金属酸化物である。特に好適なゲルは、加水分解を受けたケイ酸エステルのアルコール溶液から生じたゲルである(アルコゲル)。
【0037】
また、複合材は、エアロゲルマトリックスに分散させて微細繊維を含んでもよい。
繊維バットに用いる繊維と微細繊維は、例えば、ガラス繊維、石英等の無機繊維である。繊維バットと微細繊維は、同じ繊維を用いてもよいし異なる繊維を用いてもよい。
【0038】
さらに、複合材は、二酸化チタン等の輻射散乱材、水酸化アルミニウム等の吸熱材を含むことが好ましい。好適な複合材は、非晶質シリカ(エアロゲル、表面に有機シランを少量含有)に、ガラス繊維、二酸化チタン、水酸化アルミニウムを含むものである。
【0039】
第1断熱材、第2断熱材等の上記の特性はそれぞれ実施例記載の方法で測定できる。
【0040】
本発明の積層断熱材は、上記の第一断熱材と第2断熱材を積層して製造することができる。必要に応じて、第1断熱材と第2断熱材の積層物を包装材で包装する。
【実施例】
【0041】
実施例及び比較例で用いた部材の特性の測定方法は以下の通りである。
・熱伝導率
第1断熱材の熱伝導率は、特開2016−065360号公報に記載の周期加熱法により測定した。
第2断熱材の熱伝導率は、ASTM C177に準拠し、1.41N/cm
2積荷で測定した。
【0042】
・圧縮応力
縦75mm×横75mmのサンプルを準備した。
圧縮応力を、以下の式に従い、サンプル圧縮時の荷重値を、サンプルの面積(縦寸法と横寸法)で除算して求めた。圧縮時の荷重は、材料試験機(オートグラフ、島津製作所)を用いて所定の圧縮率(厚さ)まで圧縮(2mm/min)した際の荷重値とした。
圧縮応力(kPa)=測定荷重(N)÷サンプル面積(m
2)÷1000
【0043】
・引張強さ
第1断熱材は、材料試験機(オートグラフ、島津製作所)を用いて引張速度20mm/minで試験した。第1断熱材の試験体サイズは150mm×50mm×25mmとした。引張強さは以下の式に従い、サンプル破断時の荷重値に、サンプルの横寸法と厚さを併記して記載した。
引張強さ=測定荷重(N)/横寸法(mm)/厚さ(mm)
【0044】
第2断熱材及び積層断熱材は、材料試験機(オートグラフ、島津製作所)を用いて引張速度200mm/minで試験した。試験体サイズは、第2断熱材では150mm×25mm×10mm、積層断熱材では300mm×25mm×17.5mmとした。包装材の厚みは正確に算出できないことから、積層断熱材の厚みは積層物の厚みとした。引張強さは以下の式に従い、サンプル破断時の荷重値を、サンプル破断時の荷重値に、サンプルの横寸法と厚さを併記して記載した。
引張強さ=測定荷重(N)/横寸法(mm)/厚さ(mm)
【0045】
包装材は、材料試験機(オートグラフ、島津製作所)を用いて引張速度200mm/minで試験した。試験体サイズは長さ100mm×幅25mmとした。
【0046】
実施例1、比較例1〜3
以下の断熱材A、断熱材Bを用いて、
図2に示す積層物100を作製し、加熱試験を実施した。
・断熱材A(第1断熱材):生体溶解性繊維ブランケット(生体溶解性繊維組成:SiO
2含有量約77質量%、CaO含有量約9質量%、MgO含有量約13質量%、Al
2O
3含有量約1質量%)(密度130kg/m
3、耐熱温度1300℃、600℃における熱伝導率0.17W/(m・K)、800℃における熱伝導率0.22W/(m・K)、圧縮率25%のときの圧縮応力16.4kPa、引張強さ37.5N/50mm/25mm)
・断熱材B(第2断熱材):エアロゲル・無機繊維複合材(パイロジェルXT、アスペン(株))(耐熱温度700℃以上、600℃における熱伝導率0.089W/(m・K)、圧縮率25%のときの圧縮応力201.3kPa、引張強さ500N/50mm/25mm)
【0047】
具体的には、
図2に示すように、上方が開放している箱型電気炉200を準備した。電気炉の中にヒーター210がある。電気炉の上方に、電気炉を閉じるように断熱材A110と断熱材B120を積層した積層物100を、断熱材A110がヒーター210に向くように設置した。実施例1、比較例1〜3で用いた断熱材Aと断熱材Bの厚さを表1に示す。
熱電対を電気炉内のヒーターと積層断熱材の間(
図2の220)、断熱材Aと断熱材Bの間(
図2の230)、断熱材Bの外側の面(断熱材Aと接する面と反対側の面)(
図2の240)に設置した。断熱材Bの外側の面に設置した熱電対が周囲の空気(対流)の影響を受けないように、生体溶解性繊維ブランケット(繊維の組成は断熱材Aの繊維と同じ)からなる対流対策材300を断熱材Bの外側にさらに被せた。
【0048】
ヒーター210により、ISO834標準加熱曲線で1時間加熱を行った。熱電対の設置位置220,230,240における、1時間後の測定温度(℃)を、表1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】
実施例2、比較例4〜6
実施例1で用いた断熱材Aと断熱材Bを積層して積層物を作製し、さらにシリカクロス(目付け:590〜750g/m
2、引張強さ:縦1423.8N/25mm、横435.8N/25mm)で包装して積層断熱材(引張強さ:縦1780N/25mm/17.5mm、横833.7N/25mm/17.5mm)を作製した。比較例4だけは断熱材Bだけを用いて包装した。実施例2、比較例4〜6で用いた断熱材Aと断熱材Bの厚さは表2に示す。
この積層断熱材を用いて巻き付け試験を実施した。具体的には、積層断熱材を、外径33.3mmの管に巻き付け、積層断熱材の内面の少なくとも一部が管の外面と接している状態において、積層断熱材の内面と管の外面との最大離隔距離を測定した。結果を表2に示す。
【0051】
【表2】