【解決手段】本発明は、タッチ操作が可能な表示装置を有する情報処理装置であって、紙幣又は硬貨の少なくとも一方の画像を表示装置に表示させる表示手段と、表示装置に表示されている紙幣又は硬貨の画像に対するタッチ操作が行われると、タッチ操作の操作形態が他の単位の紙幣又は硬貨への変更を要求する所定操作に該当するか否かの判定を行う判定手段と、判定手段の判定結果に応じて、表示装置に表示されている紙幣又は硬貨の画像を他の単位の紙幣又は硬貨の画像に表示を変更する変更手段と、を備える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電子マネーは、支払いを電子的に行うことができるため、紙幣や硬貨を使った支払いよりも便利である。しかし、電子マネーを使う場合、支払い額の確認は、電子機器の画面を通じて行われる。そして、電子機器の画面に表示される支払い額は、通常、複数桁のアラビア数字で表示される。よって、電子マネーを使って支払いを行う者は、支払い額の多寡を羅列された数字で把握せざるを得ないため、支払い額の多寡を紙幣や硬貨の枚数やボリュームで直感的に把握することができない。
【0005】
そこで、例えば、特許文献1に開示されているように、金額に応じた枚数の紙幣と硬貨をグラフィック表示することにより、金額を直感的に把握可能にする技術も提案されている。しかし、紙幣と硬貨のグラフィック表示を使った当該技術は、金額の表示に留まるため、支払いという行為を行っている最中に金額の多寡を直感的に把握することはできない。また、金額の入力を紙幣や硬貨のグラフィック表示に対する操作で実現しようとする場合、グラフィック表示されている紙幣や硬貨に対する操作だけでは任意の額を入力することができない場合がある。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、任意の額の入力が可能でありながら金額の多寡を直感的に把握可能な技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明では、表示されている紙幣又は硬貨の画像に対して所定操作が行われると、当該紙幣又は硬貨の画像を他の単位の紙幣又は硬貨の画像に表示を変更することにした。
【0008】
詳細には、本発明は、タッチ操作が可能な表示装置を有する情報処理装置であって、紙幣又は硬貨の少なくとも一方の画像を表示装置に表示させる表示手段と、表示装置に表示されている紙幣又は硬貨の画像に対するタッチ操作が行われると、タッチ操作の操作形態が他の単位の紙幣又は硬貨への変更を要求する所定操作に該当するか否かの判定を行う判定手段と、判定手段の判定結果に応じて、表示装置に表示されている紙幣又は硬貨の画像を他の単位の紙幣又は硬貨の画像に表示を変更する変更手段と、を備える。
【0009】
ここで、紙幣又は硬貨の画像とは、表示装置に紙幣又は硬貨を図示したものであり、例えば、紙幣又は硬貨をイラスト化した画像、紙幣及び硬貨を撮像装置で撮像した画像、その他、紙幣及び硬貨を示すことが客観的に把握できるあらゆる画像が挙げられる。紙幣又
は硬貨の画像は、例えば、表示装置に表示される金額の入力画面に表示される。
【0010】
また、所定操作とは、表示されている紙幣又は硬貨の画像に対する操作であり、例えば、紙幣又は硬貨の画像に対する長押し操作や、表示されている紙幣又は硬貨の画像を拡大又は縮小する操作が挙げられる。
【0011】
上記の情報処理装置であれば、紙幣又は硬貨の少なくとも一方の画像が表示されるため、金額を直感的に把握可能である。そして、表示された紙幣又は硬貨の画像に対し所定操作が行われると、操作された紙幣又は硬貨の画像が他の単位の紙幣又は硬貨の画像に表示が変更される。操作する紙幣又は硬貨の画像が他の単位の紙幣又は硬貨の画像に変更されれば、例えば、画像表示された紙幣又は硬貨を選択する操作において、選択された紙幣及び硬貨の合計を任意の金額にすることが可能となる。したがって、任意の金額を選択可能としつつも、金額の多寡の直感的な把握が可能となる。
【0012】
また、本発明は、方法、プログラム、或いはシステムの側面から捉えることもできる。例えば、本発明は、タッチ操作が可能な表示装置を有する第1の情報処理装置と、情報処理装置から送られる情報を処理する第2の情報処理装置とを有する情報処理システムであって、第1の情報処理装置は、紙幣又は硬貨の少なくとも一方の画像を表示装置に表示させる表示手段と、表示装置に表示されている紙幣又は硬貨の画像に対するタッチ操作が行われると、タッチ操作の操作形態が他の単位の紙幣又は硬貨への変更を要求する所定操作に該当するか否かの判定を行う判定手段と、判定手段の判定結果に応じて、表示装置に表示されている紙幣又は硬貨の画像を他の単位の紙幣又は硬貨の画像に表示を変更する変更手段と、を備え、第2の情報処理装置は、第2の情報処理装置から送られる情報に基づいて、第1の情報処理装置で行われた操作に対する処理を行う処理部と、を備えるものであってもよい。
【発明の効果】
【0013】
上記の情報処理装置、方法、プログラム及びシステムであれば、紙幣又は硬貨の画像を使っているので、羅列された数字よりも現金に近い感覚を得ることができる。また、上記の情報処理装置、方法、プログラム及びシステムであれば、紙幣又は硬貨の画像をタッチする操作によって紙幣又は硬貨の単位を変更することができるので、画像上において、現実の紙幣又は硬貨で行うのと同様、金種の組み合わせで任意の金額指定を直感的に行うことが可能である。よって、上記の情報処理装置、方法、プログラム及びシステムであれば、任意の額の入力が可能でありながら金額の多寡を直感的に把握可能である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、実施形態について説明する。以下に示す実施形態は、単なる例示であり、本開示の技術的範囲を以下の態様に限定するものではない。
【0016】
図1は、実施形態に係る情報処理システムの構成図である。実施形態に係る情報処理システム1は、サーバ2(本願でいう「第2の情報処理装置」の一例である)、無線基地局3、通信ネットワーク4、スマートフォン5A,5B,5C(本願でいう「第1の情報処理装置」の一例である)によって形成されるシステムである。情報処理システム1は、主にサーバ2とスマートフォン5A,5B,5Cが協働することにより、スマートフォン5Aを所持するユーザ6Aとスマートフォン5Bを所持するユーザ6Bとスマートフォン5Cを所持するユーザ6Cとの間における電子マネーの支払いが実現される。
【0017】
サーバ2は、CPU(Central Processing Unit)やRAM(Random Access Memory)
、ROM(Read Only Memory)、通信インタフェース、HDD(Hard Disk Drive)やS
SD(Solid State Drive)等のストレージを有する情報処理装置である。
【0018】
無線基地局3は、スマートフォン5A,5B,5Cと無線通信可能な無線通信設備であり、無線通信用のアンテナ、電波の送受信機、通信ネットワーク4に繋がる通信インタフェース、電源装置等の電子機器類を備える。無線基地局3は、ビルの屋上や駅構内、その他各所に設置されており、スマートフォン5A,5B,5Cから無線で送られた通信データを通信ネットワーク4経由でサーバ2へ送ったり、サーバ2から通信ネットワーク4経由で送られた通信データを無線でスマートフォン5A,5B,5Cへ送る。無線基地局3としては、携帯電話事業者が所管する基地局の他、例えば、住宅や店舗等に設置された無線LAN(Local Area Network)の親機等が含まれる。
【0019】
スマートフォン5A,5B,5Cは、CPUやメモリ、通信インタフェース、タッチ操作可能な表示装置、バッテリ等を有する携帯可能な大きさの通信端末である。タッチ操作は、人の指が直接触れる形態のみならず、例えば、タッチペン等の道具類が触れる形態が含まれる。本実施形態では、本願でいう情報処理装置の一例としてスマートフォン5A,5B,5Cを例示するが、情報処理装置としては、スマートフォンの他に、例えば、フィーチャーフォン、タブレット型パーソナルコンピュータ、ノート型パーソナルコンピュータ、スマートウォッチ、メガネ型ウェアラブル端末、デスクトップ型パーソナルコンピュータ、ATM(Automated Teller Machine)、その他の各種電子機器が挙げられる。
【0020】
図2は、サーバ2及びスマートフォン5A,5B,5Cにおいて実現される機能ブロックを示した図である。サーバ2のメモリに記憶されているコンピュータプログラムをサーバ2のCPUが実行することにより、サーバ2では、
図2に示すように、電子マネー処理部21が実現される。サーバ2には、データベース22が設けられている。また、スマートフォン5A,5B,5Cでは、スマートフォン5A,5B,5Cのメモリに記憶されているコンピュータプログラムをCPUが実行することにより、
図2に示すように、表示処
理部51、判定処理部52、変更処理部53が実現される。
【0021】
電子マネー処理部21は、スマートフォン5A,5B,5Cからのアクセスを受けると、データベース22を参照してスマートフォン5A,5B,5Cの各ユーザ6A,6B,6Cが保有する電子マネーに関するデータを提供すると共に、スマートフォン5A,5B,5Cの画面上で行われた操作に対する処理を司る。データベース22は、SSD等の大容量記憶装置類に格納されているデータベースであり、登録ユーザであるユーザ6A,6B,6Cが保有する電子マネーの情報等が記録されている。
【0022】
表示処理部51は、ユーザ操作に応じて、電子マネーに関わる各種情報を表示装置に表示させる。表示処理部51は、例えば、電子マネーを紙幣及び硬貨で視覚的に表した画像を表示装置に表示させる。また、判定処理部52は、表示装置に対するタッチ操作が行われると、当該タッチ操作の内容を判定する処理を行う。また、変更処理部53は、表示装置に表示されている情報をユーザ操作に応じて変更する処理を行う。
【0023】
図3は、サーバ2において実行される処理フローの一例を示した図である。サーバ2では、以下の処理が実行される。すなわち、サーバ2では、スマートフォン5A,5B,5Cからのアクセスを検知すると、各ユーザ6A,6B,6Cの電子マネーの保有額のデータをスマートフォン5A,5B,5Cへ送信する処理が実行される(S101)。そして、サーバ2では、スマートフォン5A,5B,5Cから送られる電子マネーの支払い要求の有無を判定する処理が実行される(S102)。そして、サーバ2では、ステップS102で肯定判定が行われると、データベース22を更新する処理が実行される。
【0024】
図4は、スマートフォン5A,5B,5Cにおいて実行される処理フローの一例を示した図である。スマートフォン5A,5B,5Cでは、ユーザ6A,6B,6Cの操作を受けると、サーバ2から送信された電子マネーの保有額を表示する処理が実行される(S201)。スマートフォン5A,5B,5Cでは、電子マネーの保有額が、紙幣及び貨幣の画像で表示装置に表示される。そして、スマートフォン5A,5B,5Cでは、ユーザ6A,6B,6Cによる所定操作が行われたか否かを判定する処理が実行される(S202)。所定操作とは、スマートフォン5A,5B,5Cの画面に表示されている紙幣又は硬貨の画像を他の単位の紙幣又は硬貨の画像に表示を変更する操作であり、例えば、紙幣の画像を、2本以上の指で拡大或いは縮小する操作や、指で連打する操作、指でスライドする操作、指でスワイプする操作、指で強く押す操作、その他各種の操作が挙げられる。そして、スマートフォン5A,5B,5Cでは、ステップS202で肯定判定が行われると、表示装置に表示されている紙幣及び貨幣の画像を変更する処理が実行される(S203)。
【0025】
また、スマートフォン5A,5B,5Cでは、ユーザ6A,6B,6Cの操作が、電子マネーの支払いを実行するか操作か否かを判定する処理が実行される(S204)。そして、スマートフォン5A,5B,5Cでは、ステップS204の処理で肯定判定が行われると、サーバ2に対して電子マネーの支払いの実行を要求する処理が実行される(S205)。
【0026】
図5は、操作内容の判別処理を詳細に示した図である。スマートフォン5A,5B,5Cでは、ステップS202において、以下のような判定処理が実行される。すなわち、スマートフォン5A,5B,5Cでは、ユーザ6A,6B,6Cによる操作が、表示装置に画像表示されている紙幣又は貨幣の単位を上げる操作か否かの判定が行われる(S301)。そして、スマートフォン5A,5B,5Cでは、ステップS301の処理で肯定判定が行われると、操作が行われた紙幣又は硬貨よりも上の単位の紙幣又は硬貨を選択する処理が実行される(S302)。なお、例えば、操作が行われた紙幣又は硬貨よりも上の単
位の紙幣又は硬貨が、保有金額を上回る場合もあるため、ステップS301の処理では、例えば、表示装置に表示されている紙幣又は貨幣の単位を上げる操作が行われた場合に、当該操作を許容可能か否かの判定を保有金額と比較して判定し、許容不能な場合は否定判定を行うようにしてもよい。
【0027】
また、スマートフォン5A,5B,5Cでは、ユーザ6A,6B,6Cによる操作が、表示装置に表示されている紙幣又は貨幣の単位を下げる操作であるか否かの判定が行われる(S303)。そして、スマートフォン5A,5B,5Cでは、ステップS303の処理で肯定判定が行われると、操作が行われた紙幣又は硬貨よりも下の単位の紙幣又は硬貨を選択する処理が実行される(S304)。
【0028】
スマートフォン5A,5B,5Cでは、ステップS202における上記一連の処理(S301〜S304)によって、表示されている紙幣又は硬貨の画像に対する操作内容が判別される。そして、スマートフォン5A,5B,5Cでは、所定操作が行われた紙幣又は硬貨の画像が、ステップS203において、上記ステップS302又はステップS304で選択された紙幣又は硬貨の単位の画像に変更される。
【0029】
図6は、情報処理システム1で取り扱う紙幣及び硬貨の一例を示した図である。情報処理システム1では、4種類の紙幣と6種類の硬貨の計10種類の画像を使った金額の表示が行われる。情報処理システム1では、単位の高い貨幣から順に一万円券M1、五千円券M2、一千円券M3、五百円硬貨M4、百円硬貨M5、五十円硬貨M6、十円硬貨M7、五円硬貨M8、一円硬貨M9が、スマートフォン5A,5B,5Cに表示する画像データとして用意されている。
【0030】
図7は、スマートフォンに表示される画面の第1例を示した図である。
図7(A)〜(D)に示されるように、画面D01では、電子マネーの保有額が、例えば、上部の表示欄D01Aに複数桁の数字で表示される(ステップS201による処理)。また、画面D01では、例えば、表示欄D01Bに、電子マネーの保有額のうち千円以上の額を最小枚数の紙幣で表した画像が表示される。なお、ユーザ6A,6B,6Cが既に本コンピュータプログラムを利用している場合、ユーザの利便性を向上するため、表示欄D01Bには、前回利用時の状態、すなわち、例えば、一万円券を五千円券2枚で表示させたような状態で紙幣が表示されてもよい。スマートフォン5A,5B,5Cは、携帯可能な小型の電子機器であり、表示装置の表示スペースが限られているため、紙幣と硬貨を共に表示欄D01Bに表示することが難しい。そこで、スマートフォン5A,5B,5Cでは、
図7(A)に示されるように、表示欄D01Bには紙幣の画像と、各紙幣の枚数を意味する丸数字が表示される。そして、スマートフォン5A,5B,5Cでは、硬貨の保有額が小銭用の画面を呼び出すボタンD01Cに吹き出しで表示される。
【0031】
ここで、表示欄D01Bに表示されている紙幣をタッチすると、
図7(B)に示されるように、タッチされた紙幣が選択済み紙幣としてハイライト表示される。例えば、紙幣が表示されている表示欄D01Bにおいて、一万円券M1が1回タッチされ、一千円券M3が3回タッチされた場合、1枚の一万円券M1と3枚の一千円券M3がハイライト表示される。また、選択した紙幣及び硬貨の合計額が、支払いを確定させる操作を行うためのボタンD01Dに吹き出しで表示される。
【0032】
また、画面D01において、ボタンD01Cをタッチすると、
図7(C)に示されるように、表示欄D01Bに表示されていた紙幣の画像が硬貨の画像へ切り替わる。紙幣から硬貨へ表示が切り替わった表示欄D01Bには、電子マネーの保有額のうち千円未満の額を最小枚数の硬貨で表した画像と、各硬貨の枚数を意味する丸数字が表示される。上述したのと同様、ユーザ6A,6B,6Cが既に本コンピュータプログラムを利用している場
合、ユーザの利便性を向上するため、表示欄D01Bには、前回利用時の状態、すなわち、例えば、五百円硬貨を百円硬貨5枚で表示させたような状態で硬貨が表示されてもよい。
【0033】
ここで、表示欄D01Bに表示されている硬貨をタッチすると、
図7(D)に示されるように、タッチされた硬貨が選択済み硬貨としてハイライト表示される。例えば、硬貨が表示されている表示欄D01Bにおいて、百円硬貨M5が2回タッチされ、五十円硬貨M6が1回タッチされた場合、2枚の百円硬貨M5と1枚の五十円硬貨M6がハイライト表示される。また、選択した紙幣及び硬貨の合計額が、支払いを確定させる操作を行うためのボタンD01Dに吹き出しで表示される。
【0034】
そして、ボタンD01Dが押されると、上述したステップS204の処理で肯定判定が行われ、選択された紙幣及び硬貨の合計額が支払い額として確定する。そして、ステップS205の処理、すなわち、当該合計額に相当する電子マネーの支払いの実行をサーバ2に対して要求する処理が実行される。
【0035】
ところで、支払い額は、保有額を表した最小枚数の紙幣及び硬貨を選択するだけで入力可能とは限らない。例えば、支払い額が5000円であるにも関わらず、保有額が10000円であった場合、表示欄D01Bには一万円券M1が1枚分表示されるのみなので、5000円という支払い額を入力不能である。上述したステップS202及びステップS203の処理は、このような場合のために用意されている。
【0036】
図8は、金種変更の操作時の画面の第1例である。
図8の太い矢印は、一万円券M1がタッチされている箇所の移動方向を示している。
図8では、2箇所同時にタッチされており、2箇所が互いに離れる方向へ移動するような操作が行われた場合を例示している。例えば、表示欄D01Bに表示されていた一万円券M1を2本の指で広げるような操作が行われると、上述したステップS202とステップS303の処理で肯定判定が行われる。すると、上述したステップS304の処理が実行され、表示欄D01Bに表示されていた一万円券M1が、
図8(B)に示されるように、1つ下の単位の紙幣である五千円券M2に変更される。なお、変更前後の貨幣が等価となるように、変更前に表示されていた1枚の一万円券M1と等価な2枚の五千円券M2が変更後に表示される。
【0037】
図9は、金種変更の操作時の画面の第2例である。
図9では、3箇所同時にタッチされており、3箇所が互いに近づく方向へ移動するような操作が行われた場合を例示している。例えば、表示欄D01Bに表示されていた一万円券M1を3本の指で縮める操作が行われると、上述したステップS202とステップS303の処理で肯定判定が行われる。すると、上述したステップS304の処理が実行され、表示欄D01Bに表示されていた一万円券M1が、
図9(B)に示されるように、紙幣の中でも最も小さい単位の紙幣である一千円券M3に変更される。そして、変更前後の貨幣が等価となるように、変更前に表示されていた1枚の一万円券M1と等価な10枚の一千円券M3が変更後に表示される。
図9(B)の画面内に表示されている丸数字は、一千円券M3の枚数を表している。
【0038】
なお、タッチされている2箇所が互いに離れる方向へ移動するような操作が行われた場合に、表示欄D01Bに表示されていた紙幣又は硬貨を上の単位に変更してもよい。また、タッチされている3箇所が互いに近づく方向へ移動するような操作が行われた場合に、表示欄D01Bに表示されていた紙幣又は硬貨を上の単位に変更してもよい。また、紙幣又は硬貨の単位を、タッチされている箇所の距離の変化量に応じて段階的に変更してもよい。
【0039】
また、タッチされている2箇所が互いに近づく方向へ移動するような操作が行われた場
合に、表示欄D01Bに表示されていた紙幣又は硬貨を上の単位に変更してもよい。また、タッチされている3箇所が互いに離れる方向へ移動するような操作が行われた場合に、表示欄D01Bに表示されていた紙幣又は硬貨を上の単位に変更してもよい。
【0040】
図10は、金種変更の操作時の画面の第3例である。ここでは、表示されている紙幣又は硬貨を押す時間の長さに応じて金種変更を行う操作について例示する。例えば、表示欄D01Bに表示されている百円硬貨M5を指で押す操作が行われると、ステップS202とステップS301の処理で肯定判定が行われ、
図10(A)に示されるように、百円硬貨M5より1つ上の単位の硬貨である五百円硬貨M4と、百円硬貨M5より2つ上の単位の紙幣である一千円券M3の画像が表示される。そして、百円硬貨M5から変更される金種が、百円硬貨M5を押す時間の長さに応じて決定される。例えば、百円硬貨M5を押していた指が比較的短時間で百円硬貨M5から離れれば一千円券M3と五百円硬貨M4のうちの一方がステップS302の処理で選択され、百円硬貨M5を押していた指が比較的長時間経った後に百円硬貨M5から離れれば一千円券M3と五百円硬貨M4のうちの他方がステップS302の処理で選択される。
図10(B)は、ステップS302の処理で五百円硬貨M4が選択された場合の画面を示している。
【0041】
図11は、金種変更の操作時の画面の第4例である。ここでは、表示されている紙幣又は硬貨をスライド操作(「フリック入力」とも呼ばれる)して金種変更を行う操作について例示する。例えば、表示欄D01Bに表示されている百円硬貨M5を指で押す操作が行われると、ステップS202の処理で肯定判定が行われ、
図11(A)に示されるように、百円硬貨M5より1つ上の単位の硬貨である五百円硬貨M4と、百円硬貨M5より2つ上の単位の紙幣である一千円券M3と、百円硬貨M5より1つ下の単位の硬貨である五十円硬貨M6と、百円硬貨M5より2つ上の単位の硬貨である十円硬貨M7の画像が、指で押している百円硬貨M5の周囲に表示される。そして、百円硬貨M5を押していた指がこれら4つの金種のうち何れかへスライドすると、スライドした方にある金種が選択される。例えば、百円硬貨M5を押していた指が一千円券M3又は五百円硬貨M4へスライドすると、ステップS301で肯定判定が行われ、ステップS302で一千円券M3又は五百円硬貨M4が選択される。また、例えば、百円硬貨M5を押していた指が五十円硬貨M6又は十円硬貨M7へスライドすると、ステップS303で肯定判定が行われ、ステップS304で五十円硬貨M6又は十円硬貨M7が選択される。
図11(B)は、ステップS302の処理で一千円券M3が選択された場合の画面を示している。なお、例えば、操作が行われた紙幣又は硬貨よりも上の単位の紙幣又は硬貨が、保有金額を上回る場合もあるため、指で押している硬貨又は紙幣の周りに他の単位の硬貨又は紙幣を表示する際、保有金額を基にした判定処理を行い、保有金額との関係で選択可能な単位の硬貨又は紙幣のみを選択可能な表示にしてもよい。
【0042】
上記実施形態の情報処理システム1であれば、支払いを電子的に行うことができるため、現金を使った支払いよりも便利である。また、支払い額については、金額に応じた枚数の紙幣と硬貨が画像で表示されるため、支払い額を直感的に把握可能である。そして、上記実施形態では、支払い額の入力を紙幣と硬貨の画像を用いて行うことができるため、支払いという行為を行っている最中において、支払い額の多寡を直感的に把握可能である。そして、上記実施形態であれば、紙幣や硬貨の画像を用いた金額の入力の場合に生ずる特有の問題、すなわち、表示されている紙幣や硬貨に対する操作だけでは入力不能な金額の入力を、当該画像の紙幣又は硬貨に対する所定操作によって可能としている。このため、上記実施形態であれば、紙幣や硬貨の画像を用いた金額の入力においても、表示されている紙幣と硬貨の組み合わせでは入力不能な任意の金額の入力が可能である。
【0043】
ところで、上記実施形態において選択できる紙幣と硬貨は、予算に応じて制限されるようになっていてもよい。
図12は、スマートフォンに表示される画面の第2例を示した図
である。表示欄D01Bに表示される紙幣や硬貨には、例えば、
図12に示されるように、選択不能であることを意味する鍵マークKが、予算の執行予定日及び枚数と共に表示されていてもよい。鍵マークKが表示される紙幣及び硬貨は、数字入力された予算額に応じて自動選択されたものであってもよいし、或いは、ユーザ6A,6B,6Cが紙幣及び硬貨をタッチして選択したものであってもよい。鍵マークKが付いている紙幣と硬貨については、金額の入力操作において選択不能であるため、使途が予定されている予算を誤って別の用途に使うことを予防可能である。
【0044】
上記のような金額の入力操作を通じて支払い額が入力された後、ステップS205の処理が実行されると、入力された支払い額に相当する電子マネーが、ユーザ6A,6B,6Cのうち何れかのユーザへ送金される。送金先の選択方法としては、例えば、以下のような方法が適用可能である。
【0045】
図13は、送金操作において表示される画面の第1例である。送金先の選択画面D02には、例えば、
図13に示されるように、ユーザ6A,6B,6Cに各々対応する選択ボタンB1,B2,B3が表示される。この選択画面D02の例では、近距離送金が想定されており、例えば、スマートフォン5A,5B,5Cに内蔵の測位システム(GPS)、或いは、Blutooth(登録商標)や赤外線通信等の近距離無線通信によって特定される付近のユーザが一覧表示される。そして、選択画面D02に表示されている選択ボタンB1,B2,B3のうち何れかを選択することにより、ボタンに対応するユーザへの送金が可能となる。
【0046】
図14は、送金操作において表示される画面の第2例である。例えば、選択画面D02において選択ボタンB1が選択されると、スマートフォン5A,5B,5Cには、送金先を示した画面D03が表示される。画面D03の表示欄D03Aには、選択画面D02において選択された選択ボタンB1に対応するユーザ6Aの氏名と顔が表示される。そして、画面D03に表示されているボタンB4が押されると、上述したような、紙幣や硬貨の画像を用いた金額の入力を行うための画面が表示される。
【0047】
図15は、送金操作において表示される画面の第3例である。送金操作における金額の入力としては、上述したような紙幣及び硬貨の画像を押して選択状態にするタッチ操作の他、例えば、紙幣及び硬貨の画像を特定の位置へ移動するスライド操作が適用できる。すなわち、
図15に示されるように、金額の入力画面D04には、紙幣や硬貨の像が表示される表示欄D04Bの他、送金したい紙幣及び硬貨の画像を入れる領域D04Cが表示される。そして、表示欄D04Bに表示されている紙幣や硬貨の画像が領域D04Cへスライド操作される度、領域D04Cから吹き出し表示されている送金額が順次加算される。また、表示されている紙幣や硬貨の画像だけでは入力不能な額の入力については、当該画像の紙幣又は硬貨に対する上記所定操作が行われることにより、任意の額の入力が可能となる。
【0048】
図16は、送金操作において表示される画面の第4例である。また、
図17は、送金操作において表示される画面の第5例である。また、
図18は、送金操作において表示される画面の第6例である。送金額の入力が完了すると、スマートフォン5A,5B,5Cには、
図16に示されるように、送金額の確認画面D05が表示される。この確認画面D05では、送金額が送金先と共に表示される。そして、送金先のユーザの顔をイメージしたアイコンが長押しされると、送金が開始されると共に、
図17に示されるように、送金の状態を示す状態表示Sが進捗率をイメージする形で表示される。そして、送金が完了すると、
図18に示されるように、状態表示Sが、送金が完了したことをイメージする形で表示される。
【0049】
なお、送金操作において表示される画面は、
図16から
図18までに示したような形態に限定されるものではない。送金操作において表示される画面は、例えば、以下のようなものであってもよい。
【0050】
図19は、送金操作において表示される画面の第7例である。また、
図20は、送金操作において表示される画面の第8例である。送金額の入力が完了すると、スマートフォン5A,5B,5Cには、例えば、
図19に示されるように、送金額の確認画面D06が表示される。この確認画面D06では、送金額が単なる数字ではなく、紙幣及び硬貨の画像で表示される。そして、送金先のユーザの顔をイメージしたアイコンが長押しされると、送金が開始されると共に、
図20に示されるように、送金の状態を示す状態表示Sが進捗率をイメージする形で表示される。
【0051】
情報処理システム1では、上記のような送金操作が行われることにより、ユーザ6A,6B,6C間における送金が実現される。
【0052】
なお、上記実施形態では、ユーザ6A,6B,6C間における送金が例示されていたが、情報処理システム1は、例えば、銀行の他口座への送金、店舗に対する支払い、その他、電子マネーや通常のお金の各種送金に適用可能である。
【0053】
また、上記実施形態では、サーバ2を経由した送金が例示されていたが、情報処理システム1は、例えば、スマートフォン5A,5B,5Cに備わる近距離無線通信手段を利用し、電子マネーの送金がスマートフォン5A,5B,5C同士の間で直接行われてもよい。
【0054】
また、上記実施形態では、紙幣や硬貨の画像を用いた金額の入力がスマートフォン5A,5B,5Cにおいて行われていたが、紙幣や硬貨の画像を用いた金額の入力は、例えば、デスクトップ型のパーソナルコンピュータ、銀行のATM、券売機、キオスク端末、その他各種の機器においても適用可能である。