【解決手段】生検サンプルなどから得られたデジタル遺伝子発現データを分析することにより、活性化B細胞様びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(ABC DLBCL)対象、胚中心B細胞様びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(GCB DLBCL)対象、縦隔原発B細胞リンパ腫(PMBL)対象、バーキットリンパ腫(BL)対象、又はマントル細胞リンパ腫(MCL)対象のための治療を選択するための方法を開示する。
活性化B細胞様びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(ABC DLBCL)対象、胚中心B細胞様びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(GCB DLBCL)対象、縦隔原発B細胞リンパ腫(PMBL)対象、
バーキットリンパ腫(BL)対象、又はマントル細胞リンパ腫(MCL)対象のために治療選
択肢を選択するための方法であって、以下のステップ:
(a)リンパ腫対象由来の生検サンプルから遺伝子発現産物を単離すること;
(b)単離された遺伝子発現産物からデジタル遺伝子発現データを得ることであって
、ここで、デジタル遺伝子発現データは、遺伝子発現シグネチャーにおける遺伝子についてのデータを含み、該遺伝子発現シグネチャーは、表2に列挙する遺伝子のうち少なくと
も1つを含むものであること;
(c)遺伝子発現シグネチャーからの遺伝子の加重平均発現レベルを作成し、それに
より遺伝子発現シグネチャー値を得ること;
(d)該遺伝子発現シグネチャー値に基づき予測スコアを算出すること;
(e)(d)の予測スコアに基づき、以下のグループの1つに属するとして対象を分類
すること:(i)ABC DLBCL、(ii)GCB DLBCL、(iii)PMBL、(iv)BL、又は(v)MCL;
(f)(e)における対象の分類に基づき、該対象のために治療選択肢を選択すること;及び
(g)該対象に該治療選択肢を提供すること
を含む、方法。
R-CHOP(リツキサン、シクロホスファミド、ヒドロキシダウノルビシン、オンコビン(ビンクリスチン)及びブレドニゾン)療法で治療するために、胚中心B細胞様びまん性大
細胞型B細胞リンパ腫(GCB DLBCL)対象を選択するための方法であって、以下のステップ:
(a)DLBCL対象由来の生検サンプルから遺伝子発現産物を単離すること;
(b)単離された遺伝子発現産物からデジタル遺伝子発現データを得ることであって
、ここで、デジタル遺伝子発現データは、遺伝子発現シグネチャーにおける遺伝子についてのデータを含み、該遺伝子発現シグネチャーは、以下の遺伝子のうち少なくとも1つを
含むものであること:ASB13(GenBankアクセッション番号NM_024701.3)、CCDC50(GenBankアクセッション番号NM_174908.3)、CREB3L2(GenBankアクセッション番号NM_194071.2)、CYB5R2(GenBankアクセッション番号NM_016229.3)、IRF4(GenBankアクセッション
番号NM_002460.1)、ISY1(GenBankアクセッション番号NM_020701.2)、ITPKB(GenBank
アクセッション番号NM_002221.3)、LIMD1(GenBankアクセッション番号NM_014240.2)、MAML3(GenBankアクセッション番号NM_018717.4)、MME(GenBankアクセッション番号NM_000902.2)、MYBL1(GenBankアクセッション番号XM_034274.14)、PIM2(GenBankアクセ
ッション番号NM_006875.2)、R3HDM1(GenBankアクセッション番号NM_015361.2)、RAB7L1(GenBankアクセッション番号NM_001135664.1)、S1PR2(GenBankアクセッション番号NM_004230.2)、SERPINA9(GenBankアクセッション番号NM_001042518.1)、TNFRSF13B(GenBankアクセッション番号NM_012452.2)、TRIM56(GenBankアクセッション番号NM_030961.1)、UBXN4(GenBankアクセッション番号NM_014607.3)、及びWDR55(GenBankアクセッション番号NM_017706.4);
(c)遺伝子発現シグネチャーからの遺伝子の加重平均発現レベルを作成し、それに
より遺伝子発現シグネチャー値を得ること;
(d)該遺伝子発現シグネチャー値に基づき予測スコアを算出すること;
(e)(d)の予測スコアに基づき、以下のグループの1つに属するとして対象を分類
すること:(i)活性化B細胞様びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(ABC DLBCL)又は(ii)胚中心B細胞様びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(GCB DLBCL);
(f)R-CHOP療法のために、GCB DLBCL対象を選択すること;並びに
(g)GCB DLBCL対象にR-CHOP療法を提供し、ABC DLBCL対象に異なる療法を提供する
こと
を含む、方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
発明の詳細な説明
癌細胞又は生検の遺伝子発現プロファイリングは、診断時における癌の分子表現型を反映する。結果として、ゲノム発現パターンにより提供される詳細な像は、新規な系統的癌分類についての根拠を提供し、生存率及び治療に対する反応性のより正確な予測因子を提供する。本発明は、リンパ腫、リンパ性悪性腫瘍又はリンパ増殖性障害をその遺伝子発現パターンに基づき同定、診断及び/又は分類するための方法を開示する。これらの方法を用いて得られた情報は、特定の対象に関して用いられるべき最適な治療アプローチを評価するのに有用であるだろう。
【0011】
本明細書で使用する場合、用語「リンパ増殖性障害(lymphoproliferative disorder)」とは、リンパ球の任意の腫瘍をいい、悪性腫瘍及び良性腫瘍の両方に言及してよい。本明細書で使用する場合、用語「リンパ腫」及び「リンパ性悪性腫瘍(lymphoid malignancy)」とは、具体的には、リンパ球及びリンパ芽球に由来する悪性腫瘍をいう。リンパ腫
の例としては、濾胞性リンパ腫(follicular lymphoma:FL)、バーキットリンパ腫(BL
)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、濾胞過形成(FH)、小細胞型リンパ球性リンパ腫(small cell lymphocytic lymphoma:SLL)、粘膜関連リンパ組織リンパ腫(mucosa-associated lymphoid tissue lymphoma:MALT)、脾リンパ腫、多発性骨髄腫、リンパ形質細胞
性リンパ腫、移植後リンパ増殖性障害(post-transplant lymphoproliferative disorder:PTLD)、リンパ芽球性リンパ腫、節性辺縁帯リンパ腫(nodal marginal zone lymphoma:NMZ)、胚中心B細胞様びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(GCB)、活性化B細胞様びまん
性大細胞型B細胞リンパ腫(ABC)及び縦隔原発B細胞リンパ腫(PMBL)が挙げられるが、
これらに限定されない。
【0012】
本明細書で使用する場合、語句「リンパ腫のタイプ(又は単に「タイプ」)」とは、リンパ腫の診断分類をいう。当該語句は、広範なリンパ腫のクラス(例えば、DLBCL、FL、MCLなど)をいうものであってよく、或いは広範なリンパ腫のクラスの範囲内にあるサブタ
イプ又はサブグループ(例えば、GCB DLBCL及びABC DLBCL)をいうものであってよい。一実施態様において、本発明は、活性化B細胞様びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(ABC DLBCL)、胚中心B細胞様びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(GCB DLBCL)、縦隔原発B細胞リン
パ腫(PMBL)、バーキットリンパ腫(BL)、又はマントル細胞リンパ腫(MCL)を有する
対象のために治療選択肢を選択することを含む。
【0013】
本発明の方法は、対象から遺伝子発現産物を単離することを含み、例えば、対象由来の急速凍結(snap-frozen)生検サンプル又は対象由来のホルマリン固定パラフィン包埋(formalin-fixed and paraffin-embedded:FFPE)生検サンプルなどの対象由来生検サンプ
ルなどから遺伝子発現産物を単離することを含む。本明細書で使用する場合、用語「遺伝子発現産物」とは、遺伝子転写の結果として産生される任意の分子をいう。遺伝子発現産物は、例えば、細胞内の全mRNA、rRNA、細胞内の全mRNAの逆転写により得られるcDNA、又はタンパク質などであり得る。遺伝子発現産物は、任意の適切な様式で対象から得ることができる。例えば、特定のリンパ腫のタイプを有すると診断されている患者から、1つ以
上の生検サンプルを得ることができ、該生検サンプルは、当分野で既知又は市販のプロトコルを用いてホルマリン固定及びパラフィン包埋され得る(例えば、Keirnan, J.(ed.), Histological and Histochemical Methods:Theory and Practice, 4th edition, Cold
Spring Harbor Laboratory Press(2008)を参照)。遺伝子発現産物は、当分野で既知
又は市販の方法を用いてFFPE生検サンプルから抽出され得る(例えば、Huang et al., Cancer Epidemiol Biomarkers Prev., 19:973-977(2010);QIAamp DNA FFPE Tissue Kit, RNAEASY
TM FFPE Kit(Qiagen, Venlo, Netherlands);及びMAGMAX
TM FFPE DNA Isolation Kit(Life Technologies, Carlsbad, CA)を参照)。
【0014】
本発明の方法はさらに、単離された遺伝子発現産物からデジタル遺伝子発現データを得ることであって、ここで、デジタル遺伝子発現データは、遺伝子発現シグネチャーにおける遺伝子についてのデータを含むものであること、を含む。本明細書で使用する場合、語句「遺伝子発現データ」とは、細胞又は細胞グループにおける遺伝子又は遺伝子セットの相対的又は絶対的発現レベルに関する情報をいう。遺伝子発現レベルは、遺伝子によりコードされる、mRNAなどのRNAのレベルに基づき決定されてよい。或いは、発現レベルは、
遺伝子によりコードされるポリペプチド又はそのフラグメントのレベルに基づき決定されてよい。「遺伝子発現データ」は、個々の細胞について得られてよく、或いは、腫瘍又は生検サンプルなどの細胞グループについて得られてよい。少なくとも1つの遺伝子、遺伝
子セット、又は遺伝子セットのグループ、の発現を定量する任意の効果的な方法を用いて、本発明で使用するための遺伝子発現データを得てよい。例えば、遺伝子発現データは、1つ以上のマイクロアレイを用いて測定又は見積もられてよい。マイクロアレイは、核酸
系又は抗体系を含む(これらに限定されない)、任意の効果的なタイプのものであってよい。遺伝子発現はまた、様々な他の技術により測定されてもよく、これには、PCR、定量RT-PCT、リアルタイムPCR、RNA増幅、in situハイブリダイゼーション、免疫組織化学、免疫細胞化学、FACS、遺伝子発現連鎖解析(serial analysis of gene expression:SAGE)(Velculescu et al., Science, 270:484-487(1995))、ノーザンブロットハイブリダイゼーション、又はウェスタンブロットハイブリダイゼーションが含まれるが、これらに限定されない。
【0015】
核酸マイクロアレイは、通常、個々の遺伝子に由来し、規則的な配列(ordered array
)で支持体上に置かれる核酸プローブを含む。この支持体は、例えば、スライドガラス、ナイロンメンブレン、又はシリコンウエハーなどであってよい。サンプル中の遺伝子発現パターンは、サンプル由来の遺伝子発現産物とマイクロアレイをハイブリダイズすることにより得られる。この遺伝子発現産物は、例えば、細胞内の全mRNA、rRNA、又は細胞内の全mRNAの逆転写により得られるcDNAなどであってよい。サンプル由来の遺伝子発現産物は、検出を可能にするために、放射性ラベル、蛍光性ラベル又は他のラベルで標識される。
ハイブリダイゼーショ後、マイクロアレイを洗浄し、マイクロアレイ上の各核酸プローブとの遺伝子発現産物のハイブリダイゼーションを、ホスフォイメージャー(phosphorimager)又は走査型共焦点顕微鏡などの検出装置を用いて検出及び定量する。
【0016】
マイクロアレイは、cDNAマイクロアレイ又はオリゴヌクレオチドマイクロアレイであり得る。cDNAアレイは、固体支持体上に固定化される数百又は数千のcDNAプローブからなり、例えば、Southern et al., Genomics, 13:1008-1017(1992);Southern et al., Nucl. Acids. Res., 22:1368-1373(1994);Gress et al., Oncogene, 13:1819-1830(1996);Pietu et al., Genome Res., 6:492-503(1996);Schena et al., Science, 270:467-470(1995);DeRisi et al., Nat. Genet., 14:457-460(1996);Schena et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 93:10614-10619(1996);Shalon et al., Genome Res., 6:639-645(1996);DeRisi et al., Science, 278:680-686(1997);Heller et
al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 94:2150-2155(1997);及びLashkari et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 94:13057-13062(1997)などに詳述される。オリゴヌクレ
オチドアレイは、プローブが20-merから25-merのオリゴヌクレオチドであるという点でcDNAアレイと異なる。オリゴヌクレオチドアレイは、通常、フォトリソグラフィックマスキング(photolithographic masking)技術と共にin situオリゴヌクレオチド合成により作製される(例えば、Pease et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 91:5022-5026(1994
);Lipshutz et al., Biotechniques, 19:442-447(1995);Chee et al., Science, 274:610-14(1996);Lockhart et al., Nat. Biotechnol., 14:1675-1680(1996);及びWodicka et al., Nat. Biotechnol., 15:1359-1367(1997)を参照)。オリゴヌクレ
オチドアレイのための固体支持体は、典型的には、ガラス又はシリコン表面である。
【0017】
アレイ合成及び使用に適用できる方法及び技術は、例えば、米国特許第5,143,854号、
同第5,242,974号、同第5,252,743号、同第5,324,633号、同第5,384,261号、同第5,424,186号、同第5,445,934号、同第5,451,683号、同第5,482,867号、同第5,491,074号、同第5,527,681号、同第5,550,215号、同第5,571,639号、同第5,578,832号、同第5,593,839号、同第5,599,695号、同第5,624,711号、同第5,631,734号、同第5,795,716号、同第5,831,070
号、同第5,837,832号、同第5,856,101号、同第5,858,659号、同第5,936,324号、同第5,968,740号、同第5,974,164号、同第5,981,185号、同第5,981,956号、同第6,025,601号、同
第6,033,860号、同第6,040,193号、同第6,090,555号、及び同第6,410,229号、並びに米国特許出願公報第2003/0104411号などに記載されている。機械的合成方法を用いてマイクロアレイを合成するための技術は、例えば、米国特許第5,384,261号及び同第6,040,193号などに記載される。マイクロアレイは、ビーズ、ゲル、ポリマー表面、光ファイバーなどのファイバー、ガラス、又は任意の他の適切な基板上の核酸であってよい(例えば、米国特許第5,708,153号、同第5,770,358号、同第5,789,162号、同第5,800,992号、及び同第6,040,193号を参照)。
【0018】
マイクロアレイは、診断用途を可能にするような様式でパッケージされてよく、或いは、全てを含むデバイス(all-inclusive device)であり得る(例えば、米国特許第5,856,174号及び同第5,922,591号を参照)。様々な目的を対象とするマイクロアレイは、Affymetrix(Affymetrix, Santa Clara, CA)から市販される。
【0019】
本明細書で使用する場合、「デジタル遺伝子発現データ」とは、上記のような、配列されたcDNA又はオリゴヌクレオチドライブラリーとのハイブリダイゼーションに基づく「アナログ遺伝子発現データ」とは対照的に、配列タグの作成に基づく遺伝子発現情報をいう。
【0020】
デジタル遺伝子発現データは、当分野で既知の様々な方法、例えば、遺伝子発現連鎖解析(serial analysis of gene expression:SAGE)(例えば、Velculescu et al., Scien
ce, 270(5235):484-487(1995)を参照)、SuperSAGE(例えば、Matsumura et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 100(26):15718-15723(2003)を参照)、デジタルノー
ザン分析(例えば、Cao et al., Breast Cancer Research, 10:R91(2008)を参照)、
及びRNA-seq(例えば、Mortazavi et al. Nat Methods, 5(7):621-628(2008)を参
照)などを用いて得られ、分析され得る。一実施態様において、デジタル遺伝子発現データは、NanoString Technologies, Incから利用可能なNCOUNTER
TM遺伝子発現アッセイを用いて得られる。NCOUNTER
TMアッセイは、一回の反応で最大800遺伝子の発現を、広範囲の
発現レベルにわたり高感度且つ直線性で検出できる。NCOUNTER
TMアッセイは、ターゲット特異的な、カラーコード化されたプローブ対を用いた、対象となるmRNA分子のダイレクトデジタル検出に基づいており、逆転写によるmRNAからcDNAへの変換、又は得られたcDNAのPCRによる増幅を必要としない。対象となる各ターゲット遺伝子は、35から50ヌクレオチ
ドのターゲット特異的配列を保持する、レポーター及びキャプチャー(capture)プロー
ブ対を用いて検出される。さらに、各レポータープローブが、対象となる遺伝子の分子バーコーディングを可能にするユニークなカラーコードを5’末端に保持する一方、キャプ
チャープローブはいずれも、ターゲット遺伝子の接着についての分子ハンドルを提供するビオチンラベルを3’末端に保持しており、下流のデジタル検出が容易となる。ターゲッ
トmRNAとレポーター - キャプチャープローブ対との間の液相ハイブリダイゼーション後
、過剰なプローブが除去され、プローブ/ターゲット複合体がNCOUNTER
TMカートリッジにて整列及び固定化され、次いで、画像収集及びデータ処理のためのデジタルアナライザー中に置かれる。対象となるmRNAターゲットを指定する数十万のカラーコードが、カートリッジ表面上で直接画像化される。遺伝子発現レベルは、その遺伝子についてカラーコード化されたバーコードが検出される回数をカウントすることにより測定され、次いで、バーコードカウントが表にされる。NANOSTRING
TM技術及びデジタル遺伝子発現データの分析は、例えば、Kulkarni, M. M., “Digital Multiplexed Gene Expression Analysis Using the NANOSTRING
TM NCOUNTER
TM System,” Current Protocols in Molecular Biology. 94:25B.10.1-25B.10.17(2011);Geiss et al., Nature Biotechnology, 26:317-325(2008);及び米国特許第7,919,237号などに詳述される。
【0021】
本明細書で使用する場合、用語「遺伝子発現シグネチャー(gene expression signature)」又は「シグネチャー」とは、協調的に発現される遺伝子のグループをいう。特定の
シグネチャーを構成する遺伝子は、特異的な細胞系列で、分化の段階で、又は特定の生物学的応答の間に、発現されてよい。遺伝子は、それらが発現される腫瘍の生物学的側面、例えば、癌の起源細胞、生検における非悪性細胞の性質、及び癌に関与する発癌性メカニズムなどを反映し得る(例えば、Shaffer et al., Immunity, 15:375-385(2001)を参
照)。遺伝子発現シグネチャーの例として、リンパ節(Shaffer et al., 上記を参照)、増殖(proliferation)(例えば、Rosenwald et al., New Engl. J. Med., 346:1937-1947(2002)を参照)、MHCクラスII、ABC DLBCL高(ABC DLBCL high)、B細胞分化、T細胞、マクロファージ、immune response-1、immune response-2、及び胚中心B細胞(germinal center B cell)が挙げられる。
【0022】
本発明は、リンパ腫の特定のタイプを分類し、次いで、その分類に基づいて適切な治療選択肢を選択するために使用され得る遺伝子発現シグネチャーを提供する。これに関して、本発明は、様々なリンパ腫のタイプを同定及び診断するための新規な800遺伝子アレイ
を提供する。800遺伝子アレイは、既に、ABC DLBCL、GCB DLBCL、PMBL、BL及びMCL間で差次的に発現されると同定されている遺伝子か、DLBCL又はMCLにおける生存率と関連することが示されている遺伝子か、又はリンパ系生物学において特に重要であることが当分野で知られている遺伝子を含む。800遺伝子アレイを含む遺伝子及びプローブ配列を表1に記載する。
【0023】
【表1-1】
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【表1-2】
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【表1-3】
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【表1-4】
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【表1-5】
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【表1-6】
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【表1-7】
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【表1-8】
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【表1-9】
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【表1-10】
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【表1-11】
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【表1-12】
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【表1-13】
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【表1-14】
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【表1-15】
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【表1-16】
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【表1-17】
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【表1-18】
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【表1-19】
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【表1-20】
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【表1-21】
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【表1-22】
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【表1-23】
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【表1-24】
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【表1-25】
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【表1-26】
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【表1-27】
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【表1-28】
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【表1-29】
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【表1-30】
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【表1-31】
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【表1-32】
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【表1-33】
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【表1-34】
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【表1-35】
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【表1-36】
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【表1-47】
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【表1-50】
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【表1-51】
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【表1-52】
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【表1-53】
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【表1-56】
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【表1-57】
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【表1-59】
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【表1-60】
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【表1-61】
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【表1-62】
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【表1-63】
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【表1-64】
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【表1-65】
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【表1-66】
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【表1-67】
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【表1-68】
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【表1-69】
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【表1-70】
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【表1-71】
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【表1-72】
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【表1-73】
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【表1-74】
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【表1-75】
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【表1-76】
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【表1-77】
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【表1-78】
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【表1-79】
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【表1-80】
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【表1-81】
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【表1-82】
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【表1-83】
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【表1-84】
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【表1-85】
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【表1-86】
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【表1-87】
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【表1-88】
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【表1-89】
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【表1-90】
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【表1-91】
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【表1-92】
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【表1-93】
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【表1-94】
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【表1-95】
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【表1-96】
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【表1-97】
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【表1-98】
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【表1-99】
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【表1-100】
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【表1-101】
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【表1-102】
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【表1-103】
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【表1-104】
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【表1-110】
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【表1-111】
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【表1-112】
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【表1-113】
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【表1-114】
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【表1-115】
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【表1-116】
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【表1-117】
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【表1-118】
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【表1-119】
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【表1-120】
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【表1-121】
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【表1-122】
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【表1-123】
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【表1-124】
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【表1-125】
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【表1-126】
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【表1-127】
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【表1-128】
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【表1-129】
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【表1-130】
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【表1-131】
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【表1-132】
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【表1-133】
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【表1-134】
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【表1-135】
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【表1-136】
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【表1-137】
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【表1-138】
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【表1-139】
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【表1-140】
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【表1-141】
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【表1-142】
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【表1-143】
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【表1-144】
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【表1-145】
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【表1-146】
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【表1-147】
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【表1-148】
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【表1-149】
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【表1-150】
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【表1-151】
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【表1-152】
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【表1-153】
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【表1-154】
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【0024】
800遺伝子アレイに由来する遺伝子の新規組み合わせに基づく遺伝子発現シグネチャー
は、活性化B細胞様びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(ABC DLBCL)、胚中心B細胞様びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(GCB DLBCL)、縦隔原発B細胞リンパ腫(PMBL)、バーキット
リンパ腫(BL)、又はマントル細胞リンパ腫(MCL)を有すると患者を診断するために使
用され得る。例えば、前記リンパ腫のタイプの1つを有すると患者を診断するために使用
され得る遺伝子発現シグネチャーは、表1に記載の遺伝子のうち少なくとも1つを含むが、好ましくは2つ以上を含む(例えば、2、5、10、50、75、100、125、150、175、200、225
、250、275、300、400、500、600、若しくは700遺伝子、又は前記値の任意の2つにより定義される範囲)。望ましくは、ABC DLBCL、GCB DLBCL、PMBL、BL、又はMCLを有すると患
者を診断するために使用され得る遺伝子発現シグネチャーは、表1に記載の遺伝子のうち15〜200を含む(例えば、15、30、50、75、100、125、150、175、若しくは200遺伝子、又
は前記値の任意の2つにより定義される範囲)。一実施態様において、ABC DLBCL、GCB DLBCL、PMBL、BL、又はMCLを有すると患者を診断するために使用される遺伝子発現シグネチャーは、表2に記載の遺伝子、又は表2に記載の遺伝子のサブセット(例えば、表2に記載
の遺伝子のうち10、15、30、50、75、100、125、150、若しくは190、又は前記値の任意の2つにより定義される範囲)を含む。
【0025】
【表2-1】
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【表2-2】
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【表2-3】
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【表2-4】
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【表2-5】
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【0026】
本発明はまた、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)と既に診断されている対象のために治療選択肢を選択するための方法を提供する。当該方法は、DLBCL対象由来の生検
サンプルから遺伝子発現産物を単離すること、及び単離された遺伝子発現産物からデジタル遺伝子発現データを得ることを含む。当該方法は、DLBCL対象由来の生検サンプルから
遺伝子発現産物を単離すること、及び単離された遺伝子発現産物からデジタル遺伝子発現データを得ることを含む。本発明の他の実施態様に関連して上に記載の遺伝子発現産物、デジタル遺伝子発現データ及び遺伝子発現シグネチャーの説明は、DLBCLと既に診断され
ている対象のために治療選択肢を選択するための上記本発明の方法のそれら同一側面にも適用できる。
【0027】
本発明はさらに、R-CHOP(リツキサン、シクロホスファミド、ヒドロキシダウノルビシン、オンコビン(ビンクリスチン)及びブレドニゾン)療法で治療するために、GCB DLBCL対象を選択するための方法を提供する。当該方法は以下を含む:(a)DLBCL対象由来の
生検サンプルから遺伝子発現産物を単離すること;(b)単離された遺伝子発現産物から
デジタル遺伝子発現データを得ることであって、ここで、デジタル遺伝子発現データは、遺伝子発現シグネチャーにおける遺伝子についてのデータを含むものであること;(c)
遺伝子発現シグネチャーからの遺伝子の加重平均発現レベルを作成し、それにより遺伝子発現シグネチャー値を得ること;(d)該遺伝子発現シグネチャー値に基づき予測スコア
を算出すること;(e)(d)の予測スコアに基づき、ABC DLBCL又はGCB DLBCLに属するとして対象を分類すること;(f)R-CHOP療法のために、GCB DLBCL対象を選択すること;及び(g)GCB DLBCL対象にR-CHOP療法を提供し、ABC DLBCL対象に異なる療法を提供するこ
と。本発明の他の実施態様に関連して上に記載の遺伝子発現産物、デジタル遺伝子発現データ及び遺伝子発現シグネチャーの説明は、R-CHOP療法で治療するために、GCB DLBCL対
象を選択するための上記本発明の方法のそれら同一側面にも適用できる。
【0028】
本発明は、DLBCLをGCBサブタイプ又はABCサブタイプに属するとして分類し、次いで、
その分類に基づいて適切な治療選択肢を選択するために使用され得る遺伝子発現シグネチャーを提供する。これに関して、本発明は、様々なリンパ腫のタイプを同定及び診断するための新規な20遺伝子アレイを提供する。20遺伝子アレイは、対象となる15遺伝子と、5
つのハウスキーピング遺伝子を含み、Lenz et al., N. Engl. J. Med., 359:2313-2323
(2008)に記載のパイロットスタディに基づく(本明細書の実施例も参照)。20遺伝子アレイを含む遺伝子及びプローブ配列を表3に記載する。20遺伝子アレイからの遺伝子のす
べて又はそれらの組み合わせに基づく遺伝子発現シグネチャーは、患者がABC DLBCL又はGCB DLBCLを有すると診断するために使用され得る。例えば、ABC DLBCL又はGCB DLBCLを有すると患者を診断するために使用され得る遺伝子発現シグネチャーは、表3に記載の遺伝
子のうち少なくとも1つを含むが、好ましくは2つ以上を含む(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20)。
【0029】
【表3-1】
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【表3-2】
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【表3-3】
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【表3-4】
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【0030】
一実施態様において、特定のサンプルがABC DLBCL、GCB DLBCL、PMBL、BL、又はMCLに
属する可能性を評価するために使用される方法は、(1)遺伝子発現シグネチャーからの
遺伝子発現データを正規化及び変換し、クオリティコントロールを実施すること、(2)
個々に3つの部分からなるサブモデル(trinary submodels)を形成すること、並びに(3
)サブモデルを最終的な予測へと組み合わせること、を伴う。遺伝子発現データは、各プローブセットと、そのプローブセットについて報告されるカウントのlog
2と等しい値とを関連付けることにより変換され得る。次いで、変換されたデータにその各々の正規化重み(normalization weights)(表4に記載されるように)を乗じることにより遺伝子発現シグネチャーからの遺伝子の加重平均発現レベルが作成され得、これを合計して正規化係数(normalization factor)に到達し得る。正規化係数が4.5未満である場合、サンプルは
低クオリティであるとして排除される。そうでなければ、正規化係数を、log変換データ
カウントのそれぞれから減算することができる。チップバッチのためのリファレンスアレイ、及びリファレンスゴールドスタンダードアレイ(reference gold standard array)
が利用可能である場合には、各プローブセットについて、その遺伝子についてのリファレンスアレイカウントのスコアlog
2を減算し、その遺伝子についてのゴールドスタンダードカウントのlog
2を加算する。これらの上記ステップは下記方程式にまとめられ、これにより予測スコアy
i(プローブセットiについて使用される最終的なアウトプットシグナル)
が算出される:
【0031】
【化1】
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【0032】
(式中、x
iは、試験されているサンプルのアレイにおけるプローブセットiについてのカ
ウントであり、h
jは、プローブセットjについてのハウスキーピング重み(housekeeping weight)であり、r
iは、リファレンスアレイにおけるプローブセットiについてのカウン
トであり、g
iは、ゴールドスタンダードアレイにおけるプローブセットiについてのカウ
ントである)。
【0033】
対象を(i)ABC DLBCL、(ii)GCB DLBCL、(iii)PMBL、(iv)BL、又は(v)MCLに属するとする最終的な分類は、各リンパ腫のタイプについて、3つの部分からなるサブモデ
ル5つの組み合わせ(すなわち、MCL、BL non-myc、BL myc、PMBL、ABC DLBCL、及びGCB D
LBCL)に基づき、そのそれぞれは、下記式に従って、3つの潜在的アウトプット値(すな
わち、-1、0、1)を生じる:
【0034】
【化2】
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【0035】
(式中、y
iは、上記のようにプローブセットiに割り当てられた予測スコアy
iであり、w
i
は、表4に提示するような特定のモデルについてのそのプローブセットと関連する重みで
あり、特定のサブモデルについての高(upper)及び低(lower)カットポイントを表5に
記載する)。
【0036】
【表4-1】
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【表4-2】
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【表4-3】
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【表4-4】
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【表4-5】
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【表4-6】
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【表4-7】
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【表4-8】
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【表4-9】
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【表4-10】
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【表4-11】
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【表4-12】
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【表4-13】
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【表4-14】
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【表4-15】
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【表4-16】
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【表4-17】
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【表4-18】
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【表4-19】
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【表4-20】
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【表4-21】
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【表4-22】
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【表4-23】
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【表4-24】
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【表4-25】
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【表4-26】
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【表4-27】
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【表4-28】
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【表4-29】
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【表4-30】
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【表4-31】
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【表4-32】
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【表4-33】
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【表4-34】
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【0037】
【表5】
[この文献は図面を表示できません]
【0038】
次いで、5つのサブモデルを下記ロジックに従って組み合わせることができ、これを図
に要約する。
(1)MCLサブモデルが1の値を有する場合、サンプルはMCLとコールされる。
MCLサブモデルが0の値を有する場合、サンプルは、分類不能だがボーダーライン(unclassifiable but borderline)のMCLとコールされる。
MCLサブモデルが-1の値を有する場合、ステップ2に進む。
(2)BL non-mycサブモデルが1の値を有する場合、ステップ3に進む。
BL non-mycサブモデルが0の値を有する場合、サンプルは、分類不能だがボーダーラ
インのBLとコールされる。
BL non-mycサブモデルが-1の値を有する場合、ステップ4に進む。
(3)BL mycサブモデルが0又は1の値を有する場合、サンプルはBLとコールされる。
BL mycサブモデルが-1の値を有する場合、サンプルは、分類不能だがボーダーラインのBLとコールされる。
(4)PMBLサブモデルが1の値を有する場合、サンプルはPMBLとコールされる。
PMBLサブモデルが0の値を有する場合、サンプルは、分類不能だがボーダーラインのPMBLとコールされる。
PMBLサブモデルが-1の値を有する場合、ステップ5に進む。
(5)ABC/GCBサブモデルが1の値を有する場合、サンプルはABCとコールされる。
ABC/GCBサブモデルが0の値を有する場合、サンプルは未分類(unclassified)DLBCL
とコールされる。
ABC/GCBサブモデルが-1の値を有する場合、サンプルはGCBとコールされる。
【0039】
同様の分析を実施して、DLBCLと既に診断されている対象が、胚中心B細胞(GCB)サブ
タイプ又は活性化B細胞(ABC)サブタイプを有するかどうかを、800遺伝子アレイを用い
て予測することができる。これに関して、サンプルは、非PMBLのDLBCLのものであると考
えられるため、ABC/GCBサブモデルのみが、以下のロジックを用いて使用される:
ABC/GCBサブモデルが1の値を有する場合、サンプルはABCとコールされる。
ABC/GCBサブモデルが0の値を有する場合、サンプルは未分類DLBCLとコールされる。
ABC/GCBサブモデルが-1の値を有する場合、サンプルはGCBとコールされる。
【0040】
別の実施態様において、特定のDLBCLサンプルがABCサブタイプ又はGCBサブタイプのい
ずれかに属する可能性を評価することは、表3に記載の遺伝子を含む20遺伝子アレイを用
いて予測スコアを算出することを伴い得る。予測スコアは、ABC DLBCL、GCB DLBCL、PMBL、BL、又はMCLの分類に関する上記アルゴリズムを用いるが、異なるセットのモデル重み
、ハウスキーピング重み、及びカットポイントを用いて、算出され得る。例えば、特定のサブモデルについての20遺伝子プローブセットと関連する重み(w
i)を表6に記載する。
この例では、ABC/GCBサブモデルについての低カットポイントが1988.2である一方、ABC/G
CBサブモデルについての高カットポイントは2513.9である。
【0041】
【表6】
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【0042】
特定のサンプルが、ABC DLBCL、GCB DLBCL、PMBL、BL、又はMCLに属する可能性を報告
するための代替的な方法は、別個の予測クラスラベルを各サンプルに割り当てることを避け、その代わりに、5つの信頼値のベクトルを提供する。各信頼値は、サンプルが5つのリンパ腫のタイプのうちの1つのものであるという可能性を示す。例えば、線形予測スコア
が、上記のように、各サブモデル
【0043】
【化3】
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【0044】
について最初に生成される。しかしながら、3つの個別のグループの1つを示すために個別のカットポイントを用いるよりむしろ、ベイズ(Bayesian)サブモデルスコアを定義するために以下の変換を用い得る:
【0045】
【化4】
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【0046】
(式中、y
iは、上記のようにプローブセットiに割り当てられた値であり;w
iは、表4に提示するような特定のモデルについてのそのプローブセットと関連する重みであり;m
1、v
1、m
2、及びv
2は、表7に記載するようなサブモデルと関連する値であり、Φは以下:
【0047】
【化5】
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【0048】
のように定義されるガウス(Gaussian)密度である)。
【0049】
【表7】
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【0050】
次いで、2つのベイズサブモデルを以下の単一ベイズスコアB
BL:
【0051】
【化6】
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【0053】
次いで、各サブタイプの信頼値(confidence values)が、以下:
【0054】
【化7】
[この文献は図面を表示できません]
【0056】
同様の信頼値分析を実施して、DLBCLと既に診断されている対象が、胚中心B細胞(GCB
)サブタイプ又は活性化B細胞(ABC)サブタイプを有するかどうかを、800遺伝子アレイ
を用いて予測することができる。これに関して、サンプルは、非PMBLのDLBCLのものであ
ると考えられるため、ABC/GCBベイズサブモデルのみが、以下のロジック:
【0057】
【化8】
[この文献は図面を表示できません]
【0059】
別の実施態様において、特定のDLBCLサンプルがABCサブタイプ又はGCBサブタイプのい
ずれかに属する可能性を評価することは、表3に記載の遺伝子を含む20遺伝子アレイを用
いて信頼値を算出することを伴い得る。信頼値は、ABC DLBCL、GCB DLBCL、PMBL、BL、又はMCLに関する上記アルゴリズムを用いるが、異なるセットのモデル重み、ハウスキーピ
ング重み、及びカットポイントを用いて、算出され得る。例えば、特定のサブモデルについての20遺伝子プローブセットと関連する重み(w
i)を表6に記載する。このモデルにつ
いてのm
1、m
2、v
1、及びv
2値は、例えば、それぞれ、916.74、-449.76、294.24、及び343.55である。
【0060】
本発明の実施態様に従うリンパ増殖性障害の分類は、任意の他の有効な分類特徴又は特徴セットと組み合わせて使用されてよい。例えば、本発明の方法を、WHO推奨ガイドライ
ン(suggested guidelines)、形態学的特性、組織化学的特性、染色体構造、遺伝子変異、細胞増殖率、免疫反応性、臨床所見、及び/又は化学的、生物学的若しくは他の薬剤に対する反応、と組み合わせることにより障害を分類してよい。本発明の実施態様は、例えば、免疫組織化学、フローサイトメトリー、転座についてのFISH、又はウイルス診断など、リンパ腫診断のための他の方法の代わりに又はそれと組み合わせて使用されてよい。
【0061】
本発明の方法はさらに、対象のリンパ腫分類に基づき、対象のために治療選択肢を選択することを含む。対象におけるリンパ腫のタイプの正確な決定は、治療方法の良好な選択及び適用を可能にする。対象が罹患している正確なリンパ腫を知ることにより、臨床医は、非生産的又はさらには逆効果ともなる療法を回避しつつ、対象にとって最も適切で有用な療法又は治療を選択することが可能となる。例えば、中枢神経系(CNS)予防は、BLを
治療するために有用であり得るが、DLBCLについてはそうではなく、CHOP療法(シクロホ
スファミド、ヒドロキシダウノルビシン、オンコビン(ビンクリスチン)、及びブレドニゾン)は、DLBCLを治療するために有用であり得るが、芽球性MCL(blastic MCL)につい
てはそうでなく(例えば、Fisher et al., N. Engl. J. Med., 328:1002-1006(1993)
;及びKhouri et al., J. Clin. Oncol., 12:3803-3809(1998)を参照)、濾胞性リン
パ腫を有する対象が、高頻度で治療を受ける一方、濾胞過形成を有する対象はそうではない。
【0062】
選択される治療選択肢は、特定のリンパ腫のタイプを治療する際に有効性を示す、任意の適切な治療レジメン又は医薬品(pharmaceutical agent)を含み得る。例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を治療するための現在の標準治療には、アントラサイクリン系化学療法レジメン、例えば、抗CD20モノクローナル抗体リツキシマブ(RITUXAN
TM, Genentech, Inc., South San Francisco, CA)の投与と組み合わせたCHOP(「R-CHOP
」)、CODOX-M/IVAC療法(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、メトトレキサート/イホスファミド、エトポシド、高用量シタラビン)、CNS予防、及び放射
線療法が含まれる。一実施態様において、ABC DLBCL診断は、GCB DLBCL診断と比較して、R-CHOP化学療法に反応して悪い予後を有し得ることから、本発明は、GCB DLBCL対象にR-CHOP療法を提供する一方、ABC DLBCL対象に異なる療法を提供することを含む。この実施態様において、ABC DLBCL対象には、本明細書に記載の治療選択肢、又はそうでなければリ
ンパ腫に対して効果的であることが当分野で既知の治療選択肢のいずれかが提供され得る。
【0063】
MCLのための治療選択肢には、例えば、化学療法(例えば、CHOP)、免疫系療法(例え
ば、リツキシマブ)、放射免疫療法、及び生物学的薬剤(例えば、プロテアソーム(protoesome)阻害剤及びmTor阻害剤)が含まれる。BLのための治療選択肢には、例えば、R-EPOCH療法(すなわち、リツキシマブ、エトポシド、ブレドニゾン、オンコビリン(oncovirin)(ビンクリスチン)-ドキソルビシン-シクロホスファミド)、CODOX-M/IVAC療法、免疫療法、骨髄移植、幹細胞移植、手術、及び放射線療法が含まれる。PBMLのための治療選択肢は、DLBCLのためのものと同様であり、また、高用量化学療法、放射線療法、及び/
又は幹細胞移植も含まれ得る。他のリンパ腫治療には、リンパ腫の生存を維持する特異的経路を標的化する薬物、例えば、イブルチニブなどが含まれる。
【0064】
以下の実施例は、本発明を更に説明するが、当然ながら、その範囲を限定するものとして決して解釈されるべきではない。
【実施例】
【0065】
実施例1
本実施例は、ホルマリン固定パラフィン包埋組織における遺伝子発現プロファイリングを用いて、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)のサブタイプを決定するための方法を実証する。
【0066】
ABC DLBCL及びGCB DLBCLサブタイプは、急速凍結(snap-frozen)組織における遺伝子
発現プロファイリング(gene expression profiling:GEP)(本明細書において、「frozen-GEP」と称する)を用いて最初に定義されたが、ホルマリン固定パラフィン包埋組織(FFPET)を用いた、正確性は低いが比較的安価で広範に適用可能な免疫組織化学(IHC)法を使用することが習慣化されている。本発明の方法は、FFPETに適用可能な新規GEP技術を用いて、起源細胞(cell-of-origin:COO)を区別するためのロバストで、高度に正確な
分子アッセイを可能とする。GENECHIP
TM U133 plus 2.0マイクロアレイ(Affymetrix, Santa Clara, CA)を用いてfrozen-GEPにより割り当て(assigned)られた「ゴールドスタ
ンダード」COOを有したリンパ腫/白血病分子プロファイリングプロジェクト(Lymphoma/Leukemia Molecular Profiling Project:LLMPP)マッチングケースから、中央で審査さ
れたDLBCL FFPET生検に対して研究を実施した。トレーニングコホートは、20のGCB DLBCL、19のABC DLBCL及び12の分類不能(unclassifiable:U)ケースを含む51ケースからなった。独立したバリデーションコホートは、Lenz et al., N. Engl. J. Med., 359:2313-2323(2008)に記載のバリデーションコホートから選び出された68ケース(28のGCB DLBCL、30のABC DLBCL、及び10のU)を含み、DLBCL集団で見られる典型的な割合のCOOサブタイプを有した。
【0067】
10 μmのFFPETスクロールから核酸を抽出した。NANOSTRING
TMアッセイ(NanoString Technologies, Seattle, WA)を用いて、200 ngのRNAに対してデジタル遺伝子発現を実施した。FFPET GEP研究はすべて、異なるFFPETスクロールを用いて、2つの独立サイト(BC Cancer Agency, Vancouver及びNCI, Bethesda, MD)で並行して実施してサイト間での一致
を決定し、それにより、アッセイのロバスト性及びポータビリティが評価される。IHCに
よりCOOを割り当てるため、バリデーションコホートについて0.6 mmの2連のコアを用いて組織マイクロアレイを作製し、CD10、BCL6、MUM1、FOXP1、GCET1、及びLMO2についての抗体で染色した。2人の血液病理学者が、染色された腫瘍細胞の割合を独立して評価し、不
一致のケースについては3人目の血液病理学者とともにコンセンサスを得た。バリデーシ
ョン研究のために、それらのGEP及びIHCデータの作成及び分析には、「ゴールドスタンダード」COOをブラインドした。
【0068】
119のFFPET生検すべてにおいて十分なRNAが得られた。トレーニングコホートを用いた
パイロットスタディにより、20遺伝子(すなわち、対象となる15の遺伝子及び5つのハウ
スキーピング遺伝子)が同定され、NANOSTRING
TMアッセイを用いて測定されるそれらの発現は、Lenz et al.(上記)に記載のCOO割り当てモデル(COO assignment model)の正確な複製を可能とする。次いで、NANOSTRING
TMアッセイを用いて、トレーニングコホートにおけるこれら20遺伝子の発現を定量化し、それによりCOOモデルを最適化させた。FFPETブロックの年齢(6〜32歳)にかかわらず、トレーニングサンプルの95%(49/51)が、十分なクオリティの遺伝子発現データを生じた。次いで、係数、閾値、及びQCパラメーターを含むCOOモデルを「ロック(locked)」し、独立したバリデーションコホートに適用した
。バリデーションコホート(5〜12歳)由来のサンプルの99%(67/68)が、適した(adequate)クオリティの遺伝子発現を生じた。「ゴールドスタンダード」なABC DLBCL及びGCB
DLBCLケースを考慮する場合、NCIサイトでのNANOSTRING
TMアッセイによるCOO割り当ては、表8に示すように、93%一致し、5%がUと標識され、1つのABCがGCBとして誤って分類された。
【0069】
【表8】
[この文献は図面を表示できません]
【0070】
従って、frozen-GEPを用いて、公開された疾患定義アルゴリズムにより予めサブタイプされた、LLMPPからの119の高度に特徴付けられたDLBCLケースは、本発明の方法に従って
高精度に分析された。これらの結果は、診断のためにルーチンに得られるFFPET由来のRNAを利用した本発明の方法が、DLBCLケースの分析のための既存技術に対して望ましい代替
法を提供することを実証する。本発明の方法によるABC及びGCBケースの2%の誤分類率は
、Hans、Tally及びChoiアルゴリズムについての、それぞれ、9%、6%及び17%の比率と
比べて遜色がない(Hans et al. Blood, 103(1):275-82(2004);Meyer et al., J. Clin. Oncol., 29(2):200-207(2011);及びChoi et al., Clin. Cancer Res., 15(17):5494-502(2009)を参照)。さらに、NCI及びBC Cancer Agencyサイト間でCOO割り当てが100%一致(「ゴールドスタンダード」Uケースも含める場合には95%)したことは、IHCアルゴリズムとは対照的に、本発明の方法がロバストであることを示す。
【0071】
本発明の方法は、アーカイブFFPETで高パフォーマンスを示し、早いターンアラウンド
タイム(turn-around time)を可能にし(FFPETブロックから結果まで<36時間)、臨床
診療において非常に望ましい。
【0072】
実施例2
本実施例は、ホルマリン固定パラフィン包埋組織における遺伝子発現プロファイリングを用いて、侵攻性B細胞非ホジキンリンパ腫(agg-B-NHL)のサブタイプを決定するための方法を実証する。
【0073】
エキスパートの血液病理学レビューパネルにより、≧60%の腫瘍含量を有するとみなされ、B細胞免疫表現型が確認された、ホルマリン固定パラフィン包埋組織(FFPET)生検を評価した。診断カテゴリーには、活性化B細胞様(ABC)及び胚中心B細胞様(GCB)サブタイプを含むびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、分類不能(UNC)DLBCL、縦隔原発B細胞リンパ腫(PMBCL)、バーキットリンパ腫(BL)、並びにマントル細胞リンパ腫(MCL)が含まれた。以前のGEPデータ、診断シグネチャー、NCOUNTER
TM遺伝子発現アッセイ(NanoString Technologies, Seattle, WA)を使用し、公開された手順(Scott et al, Blood,(January 2014);DOI:10.1182/blood-2013-11-536433)を用いて、800遺伝子(表4に示す)に対するプローブを、これらの病理学的疾患単位間を区別する際に実用的に設計した。
【0074】
トレーニングコホートは107のユニークなケースを含み、それらのFFPET生検を、Molecular Characterization Laboratory, Frederick National Laboratory for Cancer Research(Frederick, MD)及びCentre for Lymphoid Cancer, BC Cancer Agency(Vancouver, BC)にて独立してアッセイした。得られたアルゴリズムをロックダウン(locked down)
し、199ケースの独立コホートに適用した。これらのケース由来のFFPET生検から核酸を抽出し、2つの独立した研究所にわたって実行(run)し、研究所間のパフォーマンスを評価するために、83ケースを両方の研究所で実行した。NANOSTRING
TM分類が比較される「ゴールドスタンダード」は、ABC、GCB、及びUNC DLBCLのケースでは、適合(matched)する凍結生検のAffymetrix遺伝子発現プロファイリングに基づき(Lenz et al., 上記)、BL、MCL、及びPMBCLのケースでは血液病理学レビューパネルによる病理学診断に基づいた。こ
の研究のためのヒト組織及び臨床データの使用は、ヘルシンキ宣言に従い、アリゾナ大学治験審査委員会(University of Arizona Institutional Review Board)により承認された。
【0075】
最終的にロックされたアルゴリズムは、47のハウスキーピング遺伝子を含む297遺伝子
プローブ(表2に示す)からなった。トレーニングコホートから36ケースを、NANOSTRING
TMコードセットの新規ロットに対して再度実行し、アッセイのクロスコードセットキャリ
ブレーション(cross code set calibration)を可能にした。研究所手順及びアルゴリズムは、併せて「Lymph5Cx」テストと称され、階層的な一連の一対比較からなる。独立したバリデーションセットにおいて、アッセイの257/282(91.1%)が、十分なクオリティの
遺伝子発現データを生じた(199ケースのうち全部で185)。分類の概要を表9に示す。
【0076】
【表9】
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【0077】
このコホートにおいて、136ケース(82%)が正しく割り当てられた一方、12ケース(6%)は、以下のとおり、不正確な診断に割り当てられた:6のBLはGCBに割り当てられ、1
のGCBはPMBCLとラベルされ、1のUNC DLBCLはPMBCLとコールされ、4のPMBCLはDLBCLサブタイプに割り当てられた。Lymph5Cxテストは、2つの診断エンティティ間での不確定な結果
のカテゴリーを含み、ボーダーラインと宣言された。2つの研究所サイト間の一致は、両
方のサイトで適切(adequate)な遺伝子発現データを生じたケースの71/72(99%)であ
った。
【0078】
従って、本実施例の結果は、Lymph5Cxテストが、agg-B-NHLの組織学的及び免疫表現型
的特徴を有するケースについて、単一の方法論を用いて、多くの場合臨床的に難しいagg-B-NHLの診断カテゴリーを区別することができ、ロバストであったことを実証する。誤分
類エラーは低く、これにより、このテストが、現在の診断方法を補助するのに役立つことが示唆された。さらに、DLBCL(間質(stromal))及びMCL(増殖(proliferation))における既知の予後シグネチャーと関連する遺伝子、並びに標的化可能な経路が定量化された。
【0079】
刊行物、特許出願及び特許を含む、本明細書に引用した全ての参考文献は、それぞれの参考文献が参照によって組み込まれることが個々に且つ具体的に示され、その全体が本明細書に記載されているのと同程度まで、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0080】
本発明の説明に関して(特に、以下の特許請求の範囲に関して)、用語「a」及び「an
」及び「the」及び「少なくとも1つ(at least one)」並びに同様の指示対象の使用は、本明細書に特記がないか文脈と明らかに矛盾しない限り、単数形及び複数形の両方をカバーすると解釈すべきである。1つ以上の事項の列挙の後での用語「少なくとも1つ」の使用(例えば、「A及びBの少なくとも1つ」)は、本明細書に特記がないか文脈と明らかに矛
盾しない限り、列挙した事項から選択される1つの事項(A又はB)、又は列挙した事項の
うち2つ以上の任意の組み合わせ(A及びB)を意味すると解釈されるべきである。用語「
含む(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」及び「含む(containing)」は、特記のない限り、オープンエンドの用語(すなわち、「〜を含むがそれ
らに限定されない」を意味する)と解釈すべきである。本明細書中の値の範囲の記述は、本明細書に特記のない限り、その範囲内に入る各個別の値に個々に言及する省略方法として働くことのみを意図しており、各個別の値は、それが本明細書に個々に記述されているかのように本明細書に組み込まれる。本明細書に記載される全ての方法は、本明細書に特記がないか文脈と明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実施できる。本明細書で提供される任意の及び全ての例又は例示的用語(例えば、「など(such as)」)の使用
は、本発明をよりよく説明することのみを意図しており、特段特許請求されない限り、本発明の範囲に限定を課すものではない。本明細書の全ての用語は、特許請求されていない任意の要素を本発明の実施に必須のものとして示していると解釈すべきではない。
【0081】
発明を実施するために本発明者らが知る最良の形態を含む、本発明の好ましい実施態様が本明細書に記載される。これらの好ましい実施態様のバリエーションは、上述の説明を読めば当業者に明らかとなり得る。本発明者らは、当業者がかかるバリエーションを適宜使用することを予期しており、本発明者らは、本明細書に具体的に記載されたのとは異なる方法で本発明が実施されることを意図している。従って、本発明は、適用法によって許容されるとおり、本明細書に添付した特許請求の範囲に記載される主題の全ての改変及び等価物を含む。更に、その全ての可能なバリエーションでの上記要素の任意の組み合わせが、本明細書に特記がないか文脈と明らかに矛盾しない限り、本発明によって包含される。