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特開2020-78548研究データ機能を備えるX線撮像検出器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-78548(P2020-78548A)
(43)【公開日】2020年5月28日
(54)【発明の名称】研究データ機能を備えるX線撮像検出器
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/00 20060101AFI20200501BHJP
   G01T 7/00 20060101ALI20200501BHJP
【FI】
   A61B6/00 320Z
   G01T7/00 A
   A61B6/00 360Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】23
【出願形態】OL
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2019-200900(P2019-200900)
(22)【出願日】2019年11月5日
(62)【分割の表示】特願2018-117592(P2018-117592)の分割
【原出願日】2018年6月21日
(31)【優先権主張番号】62/522,721
(32)【優先日】2017年6月21日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/587,433
(32)【優先日】2017年11月16日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】15/867,716
(32)【優先日】2018年1月11日
(33)【優先権主張国】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】517023736
【氏名又は名称】ヴァレックス イメージング コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】マックスウェル アレン
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム ホーノフ
(72)【発明者】
【氏名】マーティン クラウスマイヤー ブラウン
(72)【発明者】
【氏名】キャメロン ラヴ
【テーマコード(参考)】
2G188
4C093
【Fターム(参考)】
2G188AA03
2G188AA25
2G188BB02
2G188CC22
2G188CC28
2G188DD05
2G188EE08
2G188EE43
2G188FF12
2G188FF25
4C093AA01
4C093CA15
4C093CA31
4C093CA37
4C093EB12
4C093EB13
4C093EB17
4C093EE14
4C093FA05
4C093FA13
4C093FA32
4C093FA44
4C093FA52
4C093FA59
4C093FF03
4C093FF07
4C093FG04
4C093FH02
4C093FH06
4C093FH08
4C093GA05
(57)【要約】
【課題】従来のデジタルX線デバイスの電力要件は完全にポータブルなデバイスを不可能にする。
【解決手段】X線撮像検出器は、少なくとも1つの外部サーバから研究データをダウンロードするように構成される少なくとも1つの無線トランシーバと、撮像検出器上に入射するX線に応答して複数の信号を生成するように構成されるデジタルイメージセンサと、撮像検出器及びラジオに通信可能に結合される少なくとも1つのプロセッサを備える。少なくとも1つのプロセッサは、複数の信号を受信し、これら複数の信号に基づきX線画像のデジタル表現を生成するように、及びデジタル表現を研究データに関連付けるように構成される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入射するX線に応答して複数の信号を生成するよう構成されるデジタルイメージセンサと、
前記デジタルイメージセンサに通信可能に結合され、前記複数の信号を受信して前記複数の信号に基づきX線画像のデジタル表現を生成するように構成される第一プロセッサと、
ユーザインタフェースを生成するとともに、前記X線画像の前記デジタル表現に基づくデジタル画像を前記ユーザインタフェースを介して表示させるように構成される第二プロセッサと、
を備え、
前記第一プロセッサは、前記第二プロセッサが第二アクティブ状態にあるときに第一アイドル状態に入るように構成され、または前記第二プロセッサは、前記第一プロセッサが第一アクティブ状態にあるときに第二アイドル状態に入るように構成される、撮像検出器。
【請求項2】
前記第二プロセッサは、前記X線画像の前記デジタル表現を受信し、前記X線画像の前記デジタル表現に基づき前記デジタル画像を生成するように構成される、請求項1に記載の撮像検出器。
【請求項3】
前記第一プロセッサは、X線が検出されない時間間隔が閾値を超えた後に、前記第一アイドル状態に入るように構成される、請求項1に記載の撮像検出器。
【請求項4】
前記第一アクティブ状態は、前記撮像検出器が前記撮像検出器上に入射するX線に応答して前記複数の信号を生成する電力状態を備える、請求項1に記載の撮像検出器。
【請求項5】
前記第二プロセッサは、前記第一プロセッサからのウェイクコマンドに応答して前記第二アイドル状態から前記第二アクティブ状態に入るように構成される、請求項1に記載の撮像検出器。
【請求項6】
前記第一プロセッサは、ユーザ入力または前記撮像検出器によるX線の検出のうちの1つに応答して前記ウェイクコマンドを生成する、請求項5に記載の撮像検出器。
【請求項7】
前記第二プロセッサは、前記ユーザインタフェースの生成を可能にするオペレーティングシステムを実行するように構成される、請求項1に記載の前記撮像検出器。
【請求項8】
前記第一又は第二プロセッサの少なくとも一方は、前記デジタル画像についての強調アルゴリズムを実行するよう構成される、請求項1に記載の撮像検出器。
【請求項9】
少なくとも1つの外部サーバから研究データをダウンロードするように構成される少なくとも1つの無線トランシーバを備え、
前記第一又は第二プロセッサの少なくとも一方は、前記デジタルイメージセンサ及び前記少なくとも1つの無線トランシーバに通信可能に結合され、前記デジタル表現を前記研究データに関連付けるように構成される、請求項1に記載の撮像検出器。
【請求項10】
前記研究データは、研究及び患者情報を含み、前記外部サーバは、医療におけるデジタル画像及び通信(DICOM)モダリティワークリストサーバを含む、請求項9に記載の撮像検出器。
【請求項11】
前記少なくとも1つの無線トランシーバは、WiFi、米国電気電子技術者協会(IEEE)802.11規格、Bluetooth、IEEE802.15無線通信規格、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)ロングタームエボリューション(LTE)(たとえば、リリース11または12)、高速パケットアクセス(HSPA)、WiMax、またはIEEE802.16規格を使用して通信するようにさらに構成される、請求項9に記載の撮像検出器。
【請求項12】
前記第一プロセッサ又は第二プロセッサの少なくとも一方に通信可能に結合される少なくとも1つの電子ストレージデバイス、ならびに前記研究データ及び前記デジタル表現を格納するように構成されるデータベースをさらに備える、請求項9に記載の撮像検出器。
【請求項13】
前記少なくとも1つの無線トランシーバは、医療におけるデジタル画像及び通信(DICOM)画像アーカイブ及び通信システム(PACS)ストレージサーバを含む、前記少なくとも1つの外部サーバへ研究データをアップロードするようにさらに構成される、請求項12に記載の撮像検出器。
【請求項14】
前記第一プロセッサ又は第二プロセッサの少なくとも1つは、前記撮像検出器上に格納される前記研究データを前記少なくとも1つの外部サーバと同期させるようにさらに構成される、請求項13に記載の撮像検出器。
【請求項15】
前記第二プロセッサは、前記X線画像の前記デジタル表現または前記研究データに基づくデジタル画像を、前記ユーザインタフェースを介して表示させるようにさらに構成される、請求項8に記載の撮像検出器。
【請求項16】
前記第二プロセッサに通信可能に結合され、前記ユーザインタフェースをみるように構成されるディスプレイをさらに備える、請求項15に記載の撮像検出器。
【請求項17】
少なくとも1つの無線トランシーバは、ユーザアクセスデバイスに通信可能に結合される、請求項14に記載の撮像検出器。
【請求項18】
前記少なくとも1つのプロセッサに通信可能に結合され、前記ユーザアクセスデバイスと通信するように構成される少なくとも1つのウェブサーバをさらに備える、請求項17に記載の撮像検出器。
【請求項19】
前記ユーザインタフェースは、ハイパーテキストマークアップ言語5準拠(HTML5準拠)ウェブインタフェースを使用し、または前記ユーザインタフェースは、患者選択、画像取得、画像もしくは研究アノテーション、または画像のレビューのために構成される、請求項15に記載の撮像検出器。
【請求項20】
入射するX線に応答して複数の信号を生成するよう構成されるデジタル画像検出手段と、
前記デジタル画像検出手段に通信可能に結合され、前記複数の信号を受信して前記複数の信号に基づきX線画像のデジタル表現を生成するように構成される第一の処理手段と、
ユーザインタフェース手段を生成するとともに、前記X線画像の前記デジタル表現に基づくデジタル画像を前記ユーザインタフェースを介して表示させるように構成される第二の処理手段と、
を備え、
前記第一の処理手段は、前記第二の処理手段が第二アクティブ状態にあるときに第一アイドル状態に入るように構成され、または前記第二の処理手段は、前記第一の処理手段が第一アクティブ状態にあるときに第二アイドル状態に入るように構成される、X線撮像検出器。
【請求項21】
画像検出器を用いてデジタル画像を生成する方法であって、
前記画像検出器のデジタルイメージセンサによって、入射するX線に応答して複数の信号を生成する段階と、
第一アクティブ状態にある前記画像検出器の第一プロセッサによって、前記複数の信号に基づいてX線画像のデジタル表現を生成する段階と、
複数の信号の生成に応答して、第二アイドル状態にある第二プロセッサを、前記第一プロセッサから前記第二プロセッサへウェイク信号を送信することによって、第二アクティブ状態に入るようにする段階と、
前記第二プロセッサが第二アクティブ状態にあるときに、前記デジタル表現を前記第二プロセッサに送信する段階と、
を備える方法。
【請求項22】
前記第二プロセッサが第二アクティブ状態にあるときに、ユーザインタフェースの生成を可能にするオペレーティングシステムを実行する段階をさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記画像検出器の少なくとも1つの無線トランシーバによって、研究データを少なくとも1つの外部サーバからダウンロードする段階と、
前記画像検出器の前記プロセッサによって、前記デジタル表現を前記研究データに関連付ける段階と、
をさらに含む請求項21に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年6月21日に出願された、米国仮出願第62/522,721号、及び2017年11月16日に出願された、米国仮出願第62/587,433号の利益を主張する。これらの米国仮出願は、いずれかのその附属書または添付書類を含み、それらの全体が参照により本明細書に援用される。
【0002】
別段に本明細書に示されない限り、この条項内に記述される手法は、本出願内の特許請求の範囲への先行技術ではなく、この条項内に含まれることにより先行技術であると認められない。
【0003】
デジタルラジオグラフィは、デジタルX線撮像検出器を使用し、デジタルX線画像を生成するX線撮像の一形態であり、従来のフィルムに基づく技術に勝る複数の利点を有する。化学的な処理を回避することにより、デジタルラジオグラフィは、より時間効率がよく、即時画像プレビューのためのデジタル画像を提供し、画像強調を容易にし、一般的に同様のコントラストの画像を生成するより少ない放射線を必要とする。
【0004】
ここでデジタルラジオグラフィは、医療診断、獣医療、デンタルイメージング、工業検査、及びセキュリティを含む、多くの用途に使用される。それぞれのこれらの用途は、X線取得システム、すなわち、フル画像取得、強調、及びデータストレージ機能を備えるバッテリ駆動型デバイスの完全にポータブルな実装から利益を得ることができる。しかしながら、従来のデジタルX線デバイスの電力要件は、このような完全にポータブルなデバイスを不可能にする。たとえば、X線撮像検出器は、簡単に運搬できる形態要因により開発されており、関連した画像取得ワークステーションのサイズ及び電力要件は、このようなシステムが単一の自己完結型のバッテリ駆動デバイスとして実装されることを一般的に妨げる。代替に、X線撮像検出器と併せて、専用コンピュータワークステーションは、取得された画像を受信し、画像処理及び強調を実行し、画像取得を制御するためのユーザインタフェースを提供するために一般的に用いられる。
【0005】
本開示の前述の、及び他の特徴は、添付の図面と併せて、以下の説明及び添付の特許請求の範囲からより十分に明らかになるであろう。これらの図面は、本開示に従ういくつかの実施形態のみを描写するため、その範囲の制限とみなされない。本開示は、添付の図面の使用を介して追加の特殊性及び詳細に関して説明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本開示の1つ以上の実施形態に従う、デジタルラジオグラフィックX線取得システムのブロック図である。
図2図1内のデジタルラジオグラフィックX線取得システムのポータブルX線撮像検出器を概略的に図示する。
図3】本開示のさまざまな実施形態に従う、図2のポータブルX線撮像検出器のセンサパネルプロセッサ及び第一電力領域についての電力状態図である。
図4】本開示のさまざまな実施形態に従う、図2のポータブルX線撮像検出器のCPU及び第二電力領域についての電力状態図である。
図5】本開示の1つ以上の実施形態に従い、X線画像を取得するための例示的な方法を要約するフローチャートを記載する。
図6】本開示の1つ以上の実施形態に従い、X線画像を取得するための例示的な方法を要約するフローチャートを記載する。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下の発明を実施するための形態において、本明細書の一部を形成する、添付の図面へ参照を行う。図面において、文脈が別段に指示しない限り、同様の記号は、同様の構成要素を典型的に同定する。発明を実施するための形態、図面、及び特許請求の範囲において説明される例示的な実施形態は、限定することを意味するものではない。本明細書に提示される発明の主題の趣旨または範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用することができ、他の変更を行うことができる。一般的に本明細書に記述され、図面に示されるように、本開示の態様が多種多様な異なる構成において配置され、置換され、組み合わされ、設計されることが可能であり、これらのすべてが明らかに企図され、本開示の部分をなすことが容易に理解されるであろう。
【0008】
上記の先行技術の説明に照らして、当該技術において、バッテリ駆動され、ユーザインタフェース、画像取得、画像強調、データストレージ及びデータ送信機能を有するポータブルX線デジタル撮像装置が必要である。
【0009】
本開示の実施形態に従い、撮像検出器は、1つ以上の外部サーバから研究データをダウンロードし、X線画像のデジタル表現を生成し、このデジタル表現を研究データに関連付けるように構成される。
【0010】
加えて、本開示の実施形態に従い、デジタルX線画像は、ポータブルの、バッテリ駆動型の、X線センサシステムを介して生成され、スマートフォン、ラップトップコンピュータ、または電子タブレットなどの、ユーザのコンピューティングデバイスを介してユーザへ利用可能にされる。X線センサシステムは、画像処理を実行するように構成され、ユーザのコンピューティングデバイスは、X線システムとインタラクトするためのユーザインタフェース(UI)を表示する。その結果、従来のラジオグラフィックX線取得システムの機能性は、外部データ取得及び処理ワークステーションを含まずに提供される。さらに、X線センサシステムは、電力状態アーキテクチャを含み、電力状態アーキテクチャは、電力消費を大幅に削減できることにより、ポータブルの、バッテリ駆動型デバイスとしてX線システムの使用を可能にする。具体的に、X線システムは、画像取得を実行する第一電力領域、ならびにUI、ネットワーキング、及び画像処理機能を実行する第二電力領域により構成される。節電するために、第一電力領域と関連するプロセッサ、及び第二電力領域と関連するプロセッサは、アイドル状態またはスリープ状態などの、より低い電力消費状態にそれぞれ独立して入ることができる。
【0011】
図1は、本開示の1つ以上の実施形態に従う、デジタルラジオグラフィックX線取得システム100のブロック図である。デジタルラジオグラフィックX線取得システム100は、デジタルラジオグラフィシステムであり、デジタルラジオグラフィシステムは、ユーザのコンピューティングデバイスと組み合わされるときに、従来のラジオグラフィックX線取得システムの機能性を提供するように構成される。したがって、入射するX線に基づき生のデジタルX線画像データを生成することに加えて、デジタルラジオグラフィックX線取得システム100は、また、生のデジタルX線画像データに基づきデジタル画像を生成し、これらのデジタル画像の適切な画像処理を実行し、専用のデータ取得ワークステーション、または他のコンピューティングデバイスを含まずに、ユーザがデジタル画像にアクセスすることを可能にするUIを提供するように構成される。示されるように、デジタルラジオグラフィックX線取得システム100は、ネットワーク105を介してリモートサーバ(外部サーバ)140へ順に接続できる、X線撮像検出器120へ無線で接続されるユーザアクセスデバイス110を含む。いくつかの実施形態において、デジタルラジオグラフィックX線取得システム100は、無線アクセスポイント130を介してリモートサーバ140へ接続される。
【0012】
ネットワーク105は、デジタルラジオグラフィックX線取得システム100とリモートサーバ140との間でデータを交換することを可能にする、いずれかの技術的に実現可能なタイプの通信ネットワークであることができる。ネットワーク105の実施例は、とりわけ、ワイドエリアネットワーク(WAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、無線(たとえば、WiFi)ネットワーク、及び/またはインターネットを含むことができる。
【0013】
リモートサーバ140は、ユーザデータ、患者データ、以前に行われた研究、及びそれらと関連する以前に取得された画像などの、X線撮像検出器120の動作に関係する情報が存在するコンピューティングデバイスである。たとえば、いくつかの実施形態において、リモートサーバ140は、1つ以上の医療におけるデジタル画像及び通信(DICOM)サーバ、たとえば、DICOM画像アーカイブ及び通信システム(PACS)ストレージサーバ、及び/またはDICOM PACSレビューワークステーションを含む。これらのようなサーバは、複数のモダリティからの医用画像へストレージ及び便利なアクセスを提供することにより、X線撮像検出器120のユーザが特定の患者またはプロジェクトと関連する、以前に生成された医用画像及び/または研究に即時にアクセスすることを可能にする。他の実施例において、サーバは、産業及びセキュリティ用途において使用される他のX線画像へのストレージ及び簡便なアクセスを提供する。
【0014】
ユーザアクセスデバイス110は、UIを表示するための表示装置111を含み、X線撮像検出器120へ無線で接続できる、いずれかの技術的に実現可能なコンピューティングデバイスであることができる。たとえば、ユーザアクセスデバイス110は、X線撮像検出器120とインタラクトする(たとえば、X線撮像検出器から出力を受信し、X線撮像検出器へ入力を提供する)ように構成される、スマートフォン及び/またはウェアラブルコンピューティングデバイス、電子タブレット、ラップトップコンピュータ、及び同様のものであることができる。いくつかの実施形態において、ユーザアクセスデバイス110は、X線撮像検出器120とのこれらのようなインタラクションを可能にするソフトウェアアプリケーションによりプログラミングされる。ユーザアクセスデバイス110は、これらのようなインタラクションを可能にすることができるため、X線撮像検出器120は、デスクトップコンピュータなどの専用のデータ取得ワークステーションを必要としない。結果として、X線撮像検出器120は、よりポータブルな形態要因において構成できる。加えて、表示装置と関連する電力使用量は、ユーザアクセスデバイス110に表され、さらにX線撮像検出器120の携帯性、及びX線撮像検出器120についての動作時間の持続を向上させる。
【0015】
いくつかの実施形態において、ユーザアクセスデバイス110は、ウェブブラウザベースのインタフェースを介してX線撮像検出器120とインタラクトする。これらのような実施形態において、X線撮像検出器120は、X線撮像検出器120の動作中にユーザアクセスデバイス110へUIを送信するウェブサーバとして構成される。さらに、これらのような実施形態において、X線撮像検出器120とインタラクトするために、ユーザアクセスデバイス110は、適切なブラウザプログラム、たとえば、ハイパーテキストマークアップ言語5準拠(HTML5準拠)ウェブブラウザプログラムを支援するいずれかのコンピューティングデバイスであることができる。したがって、X線撮像検出器120は、「自分のデバイスを持ち込む」スキームに従い動作できるため、異なるユーザアクセスデバイス110を各々備える、複数の異なるユーザにより動作できる。結果として、複数の異なるユーザについてX線撮像検出器120により実行されるソフトウェアを修復する、または完全に置換する影響は、それぞれの個々のユーザアクセスデバイス110がこれらのようなアップグレードまたは修復により影響を受けないため、大幅に減少する。加えて、それぞれのさまざまなユーザアクセスデバイス110へのアップグレードが不要であるため、これらのようなソフトウェアアップグレードを合理化する。
【0016】
X線撮像検出器120は、ポータブルX線撮像検出器の形態要因においてX線画像取得ワークステーションの機能性により構成される、バッテリ駆動された、無線ラジオグラフィックパネルである。このように、X線撮像検出器120の機能は、ラジオグラフィック(単一画像X線)アプリケーションについての画像処理機能と、蛍光透視(ビデオX線)アプリケーションについての画像処理機能と、ネットワーク105などの無線ネットワーク経由でクエリを行い、リモートサーバ140内に含まれるDICOMモダリティワークリストサーバなどのリモートサーバからの研究データをダウンロードする、またはアップロードすることと、リモートサーバ140のうちの1つ以上と動的に同期できるDICOMモダリティワークリストサーバのように実行される研究データをローカルに格納することと、内部ウェブサーバを介してデータベースまたは電子ストレージデバイス(たとえば、フラッシュメモリ)内のローカルに格納された研究データにアクセスするためのユーザインタフェースを提供することと、DICOM PACSのパネルレジデントバージョンなどの、実行される研究、及び取得される画像のローカル記録を維持することと、これらのような研究をみる、及び/またはレビューするためにユーザインタフェースを提供することと、直接にX線撮像検出器120からリモートサーバ140のうちの1つ以上へ画像を含む、実行される研究を送信することと、リモートサーバ140のうちの1つ以上にあるユーザアクセスデバイス110及びネットワークレジデントリソースの両方へ同時に接続される能力と、専用のワークステーションコンピュータなどの別個のコンピューティングデバイスを必要とせずにソフトウェア修復または置換を受ける能力とのうちの1つ以上を含むが、これらに限定されない。加えて、いくつかの実施形態において、X線撮像検出器120の機能は、X線撮像検出器120上で実行する(専用の取得ワークステーション内で実行されるよりも)強調アルゴリズムを使用するデジタル画像の強調を有するが、これらに限定されない。したがって、これらのような実施形態において、X線撮像検出器120は、必要な強調アルゴリズムを提供できる。標準的な画像処理は、オフセット補正、ゲイン補正、及び欠陥補正を有し得る。オフセット補正は、ピクセルが同一のベースライン出力レベルを共有するように、各ピクセルのベースラインレベルをシフトさせる。ゲイン補正は、X線入力への各ピクセルの応答を正規化する。一斉に、オフセット及びゲイン補正は、画像を形成するピクセルの集合体がX線入力へ均一な応答を有することを可能にする。加えて、撮像検出器は、何らかの欠陥のある少なくとも数個のピクセルを含む可能性があり、オフセット及びゲイン補正を使用して正規化できない。欠陥補正は、最近隣ピクセルの平均を使用して、これらのような欠陥のあるピクセルを置換する。
【0017】
さまざまな実施形態において用いられることができる3つのタイプの画像強調アルゴリズム(標準的な画像処理を越える)は、グリッド検出及び抑制、散乱補正、及び本質的な強調を備える。
【0018】
グリッド検出及び抑制において、一次元のX線グリッドは、各ストリップ間に狭い間隙を含む、緻密な材料の狭い、平行なストリップのグループを含む。このようなグリッドは、吸収されることなく、被験者の身体、または周囲の物体により散乱するX線の不鮮明にする影響を低減させるために使用できる。このグリッド検出及び抑制アルゴリズムは、さまざまな方法を含むことができる。グリッド検出方法は、グリッドが存在するかどうかを判定する。グリッドが存在する場合に、グリッド特徴付け及び抑制方法を使用する。グリッド特徴付けは、グリッドの周波数、グリッドピーク値、グリッドピーク幅、及びグリッドの方向などの属性を決定する。グリッド抑制は、一連の一次元バンドストップフィルタを含む。
【0019】
散乱補正は、散乱した、吸収されていない放射線の影響を低減させるための代替の(または補足の)技術である。被験者の身体、または他の隣接する材料によるX線の散乱の影響は、散乱カーネルを使用することにより推定できる。この散乱カーネルを使用して、全体の信号から散乱放射線の寄与を除去し、一次(散乱していない)放射線による所望の信号のみを残すことができる。
【0020】
本質的な強調において、画像は、画像及び試験に基づくパラメータに存在するデータの分析に基づく全体的なコントラスト及び輝度の強調について最初に処理される。つぎに、画像は、提供されたパラメータと同様に入力データの分析に基づき適応的に強調される異なる周波数に分割される。このように行う際に、画像内の器官、組織及び骨の境界のコントラスト、シャープネス及びノイズレベルを制御する。本質的な強調アルゴリズムは、基本の画像処理のみをX線画像に適用するときに、画像を臨床的に有用にする。
【0021】
処理においてつぎのステップは、画像内の、器官、組織及び骨の境界のコントラスト、シャープネス及びノイズレベルを制御するために使用される。これは、異なる周波数に画像を分割し、提供されたパラメータと同様に入力データの分析に基づき適応的にそれらを強調することを介して行われる。
【0022】
DICOMモダリティワークリストサーバは、X線取得システムなどの、モダリティによりクエリを行われるときに、スケジューリングされた研究のリストを提供するDICOM規格により定義されるサービスである。DICOMストレージサーバは、実行された研究のストレージを提供するサービスである。
【0023】
研究データは、患者のリスト、実行される研究(ワークリストとも称される)、すでに実行された1つ以上の研究、及び画像データを含むことができる。1つの実施形態において、研究は、単一の画像キャプチャイベントを表すエンティティ(たとえば、コンテナ)である。いくつかの実施形態において、研究は、スケジューリングされる(まだ実行されていない)ことができ、この事例において、研究は、それと関連する患者データを含むが、関連した画像を含まないことができる。研究が実行される(たとえば、患者が現れ、画像がキャプチャされるなど)と、つぎに画像は、研究へ添付できる。
【0024】
動作中に、X線源150は、関心の患者または物体を介して、X線撮像検出器120上へX線を指向する。X線撮像検出器120が間接パネル検出器として構成される実施形態において、X線撮像検出器120内のシンチレータ材料は、入射X線により励起され、光を放射し、光は、複数のフォトダイオードにより検出される。各ダイオードは、最終的にデジタル画像になるものの異なるピクセルについての信号(たとえば、入射光強度に比例する電圧)を生成し、X線撮像検出器120内のエンコーダは、これらの各電圧を解釈し、電圧に比例する値をそれぞれへ割り当てる。X線撮像検出器120が直接パネル検出器として構成される実施形態において、入射X線光子は、電荷に直接変換される。
【0025】
X線撮像検出器120の1つの実施形態は、図2と併せて以下に記述される。図2は、本開示の1つ以上の実施形態に従い、X線撮像検出器120を概略的に図示する。示されるように、X線撮像検出器120は、中央処理装置(CPU)220、センサパネルプロセッサ250、及びX線センサパネル280を含む。CPU220は、デバッグ/サービスポート231、ソリッドステートドライブ(SSD)232または他の不揮発性データ記憶媒体、及び無線トランシーバ(無線モジュール233及び234)のうちの1つ以上を含む、さまざまなデバイスに結合される。またCPU220は、メモリ221を含む、またはメモリ221に結合される。同様に、センサパネルプロセッサ250は、加速度計260、3軸ジャイロ261、デジタル−アナログコンバータ/アナログ−デジタルコンバータ(DAC/ADC)261、電力モニタ263、X線センサパネル280についてのゲートドライバ264、衝撃センサ265、温度センサ266、バッテリ/スーパーキャパシタ267または他の電源、電源ボタン268、ステータスインジケータ269、及びX線センサアナログデバイス270のうちの1つ以上を含む、さまざまなデバイスに結合される。加えて、センサパネルプロセッサ250は、画像取得ファームウェア251を含む、または画像取得ファームウェア251に結合される。
【0026】
CPU220は、CPU、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、任意の他のタイプの処理ユニット、または異なる処理ユニットの組み合わせとして実装される任意の適切なプロセッサであることができる。いくつかの実施形態において、CPU220は、スマートモビリティアーキテクチャ(SMARC)x86ベースのプロセッサである。一般に、処理ユニット220は、パネル較正ソフトウェア、研究編集ソフトウェア、画像レビュー及び/またはアノテーションソフトウェア、画像再処理ソフトウェア、及び同様のものなどの、とりわけ、オペレーティングシステム(OS)222、画像処理ソフトウェア223、及び/またはUIアプリケーション224を含む、データを処理すること、及び/またはメモリ221内にあるソフトウェアアプリケーションを実行できる任意の技術的に実現可能なハードウェアユニットであることができる。CPU220は、メモリ221からデータを読み出し、メモリ221へデータを書き込むように構成される。メモリ221は、ランダムアクセスメモリ(RAM)モジュール、フラッシュメモリユニット、または任意の他のタイプのメモリユニットもしくはそれらの組み合わせを含むことができる。メモリ221は、とりわけOS222、画像処理ソフトウェア223、及び/またはUIアプリケーション224を含む、CPU220により実行できるさまざまなソフトウェアプログラムと、これらのソフトウェアプログラムと関連するアプリケーションデータとを含む。明確さのために、メモリ221は、図2においてCPU220内に含まれるように描写されるが、いくつかの実施形態において、別個のデバイスとして実装できる。
【0027】
OS222は、タスクのスケジューリングと、画像処理ソフトウェア223及びUIアプリケーション224の実行と、SSD232、無線モジュール233、及び無線モジュール234へのコマンドの送信と、CPU220の電力状態の管理とを備える、CPU220の機能を支援する。画像処理ソフトウェア223は、センサパネルプロセッサ250から受信する画像データを処理し、デジタル画像を生成する、及び/または強調アルゴリズムをデジタル画像上で実行するための1つ以上のアプリケーションを含む。たとえば、画像処理ソフトウェア223は、デジタル表現または他の画像データを特定の画像ファイルフォーマット内のデジタル画像に変換するように、及び/または結果として生成されるデジタル画像を修正するように構成できる。したがって、デジタル表現をセンサパネルプロセッサ250から受信すると、画像生成及び後処理は、X線センサパネル280及びセンサパネルプロセッサ250の動作から独立して実行できる。UIアプリケーション224は、X線撮像検出器120とユーザアクセスデバイス110との間で、及びX線撮像検出器120とリモートサーバ140との間で無線通信を可能にする任意のソフトウェアアプリケーションを含む。たとえば、UIアプリケーション224は、ユーザアクセスデバイス110へUIを生成し、送信する(たとえば、ウェブブラウザを介して)ように、及びユーザアクセスデバイス110から受信するユーザ入力を受信し、実装するように構成されることができる。したがって、UIアプリケーション224は、ユーザアクセスデバイス110を用いて、X線撮像検出器120を制御し、その他の方法によりX線撮像検出器120とインタラクトすることを可能にする。これらのような実施形態において、CPU220、UIアプリケーション224、及び無線モジュール233及び/または234は、ウェブサーバとして機能する。さらに、これらのような実施形態において、UIアプリケーション224は、患者選択、画像取得、画像もしくは研究アノテーション、または画像のレビューのために構成できる。
【0028】
デバッグ/サービスポート231は、トラブルシューティング、ソフトウェアアップグレード、及び同様のものについてX線撮像検出器120へ有線接続を提供する。SSD232は、以前に取得されたデータまたは医用画像、特定の患者またはプロジェクトと関連する研究、及び/またはソフトウェアアプリケーションについて不揮発性ストレージを提供する。無線モジュール233及び234は、X線撮像検出器120が図1内のユーザアクセスデバイス110と、及び/または図1内の無線アクセスポイント130と無線で通信することを可能にする、任意の技術的に実現可能な無線チップ、カード、または他のデバイスであることができる。無線モジュール233及び/または234としての使用のために適切なデバイスの実施例は、WiFiモジュール、WLANモジュール、3Gモジュール、及び同様のものを含む。たとえば、いくつかの実施形態において、無線モジュール233及び/または234は、ユーザアクセスデバイス110へWiFi Direct接続を提供できる802.11ac/nデバイスである。代替に、または加えて、いくつかの実施形態において、無線モジュール233及び/または234は、ユーザアクセスデバイス110へBluetooth接続を提供できるデバイスである。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの無線トランシーバは、WiFi、米国電気電子技術者協会(IEEE)802.11規格、Bluetooth、またはIEEE802.15無線通信規格、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)ロングタームエボリューション(LTE)(たとえば、リリース11または12)、高速パケットアクセス(HSPA)、またはWiMAX(Worldwide interoperability for Microwave Access)として業界団体へ一般に知られている、IEEE802.16規格(たとえば、802.16e、802.16m)を使用して通信するように構成される。したがって、いくつかの実施形態において、無線モジュール233及び/または234は、2つのアンテナを含み、同時にWiFi及びBluetooth両方の動作ができる。いくつかの実施形態において、たとえば、クラウドと、またはリモートサーバ140と通信するために、無線モジュール233は、X線撮像検出器120との無線通信のために構成され、無線モジュール234は、無線アクセスポイント130との独立した無線通信のために構成される。これらのような実施形態において、X線撮像検出器120がインターネットアクセスまたは無線アクセスポイント130を含まない位置にあるときに、無線モジュール234は、電力を温存するために無効にされることができる。
【0029】
センサパネルプロセッサ250は、X線撮像検出器120の画像取得ハードウェアを制御し、その他の方法によりX線撮像検出器120の画像取得ハードウェアとインタラクトするCPU220とは別個のプロセッサである。このように、センサパネルプロセッサ250は、CPU、ASIC、FPGA、任意の他のタイプの処理ユニット、または異なる処理ユニットの組み合わせとして実装される任意の適切なプロセッサであることができる。いくつかの実施形態において、センサパネルプロセッサ250は、画像取得ファームウェア251を含むFPGAである。一般に、センサパネルプロセッサ250は、X線撮像検出器120の画像取得ハードウェアを制御し、X線センサパネル280の読み出し電子機器から信号を受信し、受信した信号に基づきX線画像のデジタル表現を生成し、画像処理のためにCPU220へデジタル表現を送信できる、任意の技術的に実現可能なハードウェアユニットであることができる。いくつかの実施形態において、センサパネルプロセッサ250は、CPU220内に含まれる機能性であることができる。
【0030】
加速度計260及び3軸ジャイロ261は、その時点でX線撮像検出器120の動きがあるときでも、X線画像取得中にX線撮像検出器120の正確な向きを示す。したがって、特定の画像について上/下/左/右を示すメタデータは、画像取得時に収集できる。いくつかの実施形態において、加速度計260は、また、X線撮像検出器120が衝突したときを示すことにより、このような衝突中にX線センサパネル280により生成される信号が入射X線に応答して生成される画像信号として解釈されることを防止できる。いくつかの実施形態において、加速度計260からの出力を「シェイクツーウェイク」特徴に用いて、ユーザがX線撮像検出器120をシェイクするだけで、X線撮像検出器120がアイドルまたはスリープ状態を出て、よりアクティブな状態に入ることを引き起こすことができる。
【0031】
DAC/ADC262は、X線センサパネル280内に配置される複数のダイオードのそれぞれから受信する各アナログ信号(電圧)をデジタル値に変換することにより、画像のデジタル表現の生成を容易にできる。電力モニタ263は、バッテリ状態を監視する。ゲートドライバ264は、X線センサパネル280の各光検出ダイオードの出力を増幅させる。衝撃センサ265は、加速度計260からの信号に基づきX線撮像検出器120の衝突または震動を検出するための専用のロジックを含むことができる。代替に、衝撃センサは、X線撮像検出器120の衝突または震動を検出するために専用のセンサを含む。温度センサ266は、X線センサパネル280の温度を監視し、これらにより生成されるアナログ信号の温度に基づく補正を容易にする。バッテリ/スーパーキャパシタ267は、X線撮像検出器120について電源として機能する。いくつかの実施形態において、バッテリ/スーパーキャパシタ267は、また、X線撮像検出器120についての、一時的な無停電電源装置、または他の電源として構成され、バッテリのホットスワッピングを容易にする。ステータスインジケータ269は、1つ以上の色符号化発光ダイオード(LED)などの視覚インジケータ、及び/または1つ以上のブザーなどの可聴インジケータを含む。ステータスインジケータ269は、現在の電力状態、バッテリ状態、無線通信状態、システム状態、現在の画像取得の完了、及び同様のもののうちの1つ以上と関連するユーザに情報を提供できる。X線センサアナログデバイス270は、X線センサパネル280の特定のピクセル上に入射する可視光へ比例する電圧を各々生成する、アナログASICデバイスなどの、X線センサパネル280の読み出し電子機器を含む。
【0032】
電源ボタン268は、さまざまなユーザ入力が全体として、CPU220、センサパネルプロセッサ250、及び/またはX線撮像検出器120の電力状態を制御することを可能にする。たとえば、いくつかの実施形態において、X線撮像検出器120がオフであるときに、1秒などの、一定の時間間隔を超えて電源ボタン268を押すと、センサパネルプロセッサ250をオンにし、起動させることをもたらす。いくつかの実施形態において、X線撮像検出器120が動作しているときに、より長い時間間隔、たとえば、1秒から3秒の間、電源ボタン268を押すと、CPU220、センサパネルプロセッサ250、及び/またはX線撮像検出器120が全体として、アイドルまたはスリープ状態などの、任意のより低い電力状態を終了し、通常の動作電力状態に入ることをもたらす。いくつかの実施形態において、X線撮像検出器120が動作しているときに、さらにより長い時間間隔、たとえば、3秒から6秒の間、電源ボタン268を押すと、CPU220及びセンサパネルプロセッサ250がシャットダウンしようとすることをもたらす。いくつかの実施形態において、X線撮像検出器120が動作しているときに、さらにより長い時間間隔、たとえば、6秒より長く、電源ボタン268を押すと、CPU220及びセンサパネルプロセッサ250が直ちにシャットダウンすることをもたらす。他の実施形態において、任意の他の技術的に実現可能なユーザ入力スキームを電源ボタン268と併せて用いて、センサパネルプロセッサ250及び/またはCPU220が一定の電力状態に入ることを引き起こすことができる。
【0033】
本開示のさまざまな実施形態に従い、X線撮像検出器120は、画像取得を実行する第一電力領域291、ならびにUI及び画像処理機能を実行する第二電力領域292を含む電力状態アーキテクチャにより構成される。示されるように、センサパネルプロセッサ250及びX線センサパネル280は、第一電力領域291内に含まれ、CPU220及び関連したデバイスは、第二電力領域292に含まれる。節電するために、第一電力領域と関連するプロセッサ、すなわち、センサパネルプロセッサ250、及び第二電力領域と関連するプロセッサ、すなわち、CPU220は、アイドル状態、またはスリープ状態などの他のより低い電力消費状態にそれぞれ独立して入ることができる。したがって、センサパネルプロセッサ250及び第一電力領域291は、図3と併せて以下に記述される、一方の電力状態スキームに従い動作し、CPU220及び第二電力領域292は、図4と併せて以下に記述される、他方の電力状態スキームに従い動作する。
【0034】
図3は、本開示のさまざまな実施形態に従う、センサパネルプロセッサ250及び第一電力領域291についての電力状態図300である。示されるように、センサパネルプロセッサ250は、オフ状態301、アイドル状態302、レディ状態303、及びビジー状態304の4つの異なる電力状態において動作する。
【0035】
アイドル状態302において、X線センサアナログデバイス270、すなわち、X線センサパネル280の光センサは、電力を供給されるが、休止状態において、すなわち、低電圧は、X線センサアナログデバイス270に印加される。加えて、いくつかの実施形態において、アイドル状態302において、X線センサアナログデバイス270は、所定の閾値、たとえば、1ボルトより大きい正のゲート電圧(一般的に入射X線により生成される)に応答しない。電力は、アイドル状態302のためにほとんど必要とされず、結果として、X線センサパネルは、相対的に低い電力消費を有するアイドル状態302にとどまることができる。
【0036】
レディ状態303において、X線センサアナログデバイス270は、電力を供給され、X線曝露を検出する準備ができる。したがって、入射X線は、アイドル状態302の所定の閾値より高い電圧を生成できる。X線センサアナログデバイス270が低電力状態にあるが入射X線を検出できるため、レディ状態303は、「vトリガ」状態とみなせる。この電力状態において、入射X線を検出すると、画像取得は、X線センサパネル280がビジー状態304に入ることを引き起こすことにより、トリガできる。実施形態において、トリガは、ユーザアクセスデバイス(「無線デバイス」)または「vトリガ」からであることが可能である。
【0037】
ビジー状態304において、X線センサパネル280は、画像取得、すなわち、統合時間のための待機、X線センサアナログデバイス270の読み出し、ならびにいくつかの実施形態において、オフセット後の画像のための別の統合時間のための待機、及び2回目のX線センサアナログデバイス270の読み出しを実行する。
【0038】
示されるように、センサパネルプロセッサ250及びX線センサパネル280は、たとえば、ユーザが1秒より長く電源ボタン268を押したときに、電源オンインジケータに応答してオフ状態301からアイドル状態302に入る。センサパネルプロセッサ250及びX線センサパネル280は、ソフトウェアコマンドに応答してレディ状態303からアイドル状態302に入る。このようなソフトウェアコマンドは、最大閾値時間を超えてアイドル状態にとどまるX線センサパネル280などへ、ユーザアクセスデバイス110(図1に示される)からのユーザ入力に応答して生成されることができる。同様に、センサパネルプロセッサ250及びX線センサパネル280は、このようなソフトウェアコマンドに応答してアイドル状態302からレディ状態303に入る。加えて、センサパネルプロセッサ250及びX線センサパネル280は、画像取得の完了に応答してビジー状態304からレディ状態303に入る。センサパネルプロセッサ250及びX線センサパネル280は、vトリガに応答して、すなわち、X線センサパネル280がレディ状態303にあるときに、X線センサアナログデバイス270が入射X線を検出するときに、レディ状態303からビジー状態304に入る。代替に、または加えて、センサパネルプロセッサ250及びX線センサパネル280は、ユーザアクセスデバイス110からの送信などの、無線トリガに応答してレディ状態303からビジー状態304に入る。
【0039】
いくつかの実施形態において、センサパネルプロセッサ250及びX線センサパネル280がオフ状態301からアイドル状態302に入るときに、センサパネルプロセッサ250は、CPU220に電源投入する(図4参照)。したがって、これらのような実施形態において、センサパネルプロセッサ250は、CPU220の初期電力状態を制御する。加えて、いくつかの実施形態において、センサパネルプロセッサ250及びX線センサパネル280がレディ状態303にあり、X線が検出されるときに、センサパネルプロセッサ250は、CPU220がスリープ状態またはアイドル状態にある場合に、CPU220がスリープ状態またはアイドル状態を終了することを引き起こす。たとえば、センサパネルプロセッサ250は、「wake on WLAN」コマンド(図4参照)を送信できる。これらのような実施形態において、CPU220及び第二電力領域292は、これにより減少した遅延、または最小遅延によりユーザについての画像を処理し、表示するために準備されるが、センサパネルプロセッサ250及びX線センサパネル280により画像が取得されていないときに、より低い電力消費状態にとどまることができる可能である。
【0040】
図4は、本開示のさまざまな実施形態に従う、CPU220及び第二電力領域292についての電力状態図400である。示されるように、CPU220は、オフ状態401、スリープ状態402、ローアウェイク状態403、及びハイアクティブ状態404の4つの異なる電力状態において動作する。
【0041】
アイドル状態402において、ソフトウェアは、CPU220において動作していない。いくつかの実施形態において、アイドル状態402は、S3スリープ状態に実質的に類似する。これらのような実施形態において、CPU220は、クリティカルなバッテリ電力を検出するときにオフ状態401に入ること、及び特定の持続時間(たとえば、1秒から3秒)、電源ボタン268を押すときにハイアクティブ状態404に入ることを備える、一般的にS3電力状態に従い動作する。同様に、CPU220は、バッテリ取り外しイベント、ローバッテリ検出、または最大時間閾値を超えるアクティビティがないことに応答して、ローアウェイク状態403からアイドル状態402に入る。加えて、いくつかの実施形態において、アイドル状態402で、CPU220は、バッテリ挿入を検出するときに、またはCPU220がたとえば、X線の検出に応答して、「wake on WLAN」を受信するときに、及び/またはCPU220がセンサパネルプロセッサ250からシェイク入力を受信するときに、ローアウェイク状態403に入るように構成される。いくつかの実施形態において、PCI Express(PCIe)ウェイク機構は、CPU220がアイドル状態402からローアウェイク状態403に入ることを引き起こすために用いられる。いくつかの実施形態において、無線モジュール233または234は、センサパネルプロセッサ250から特定のタイプのパケットを検出するときに、PCIeウェイク信号をアサートするようにプログラミングされる。センサパネルプロセッサ250がレディ状態303またはビジー状態304にありながらCPU220がアイドル状態402にあることにより、X線撮像検出器120による不要なエネルギー消費を回避できることに留意する。
【0042】
ローアウェイク状態403において、CPU220は、S0ローアウェイク状態などの、より低い電力消費状態(すなわち、より低いアクティビティレベルの動作状態)において動作する。ローアウェイク状態403は、ハイアクティブ状態404などの、通常の動作状態より低い電力消費状態である。したがって、CPU220のうちの1つ以上のコアは、ソフトウェアを実行しない場合にパークされない。CPU220は、ローバッテリ検出、ローアクティビティ検出、またはバッテリ取り外しイベントに応答してハイアクティブ状態404からローアウェイク状態403に入る。
【0043】
ハイアクティブ状態404において、CPU220は、S0ハイアクティブ状態などの、標準的な動作状態において動作する。したがって、CPU220は、電源ボタン268が押されることに応答してオフ状態401から、電源ボタン268が押されることに応答してスリープ状態402から、及びハイアクティビティレベルを検出することに応答してローアウェイク状態403から、ハイアクティブ状態404に入る。加えて、CPU220は、6秒を超えるような、延長された持続時間に電源ボタン268が押されることに応答して、またはたとえば、ユーザアクセスデバイス110へのユーザ入力を介して、ソフトウェアコマンドに応答して、ハイアクティブ状態404からオフ状態401に入る。
【0044】
電力状態図400により示されるように、CPU220及び第二電力領域292は、センサパネルプロセッサ250(または機能性)及び第一電力領域291から独立してより低い電力消費状態に入るように構成される。たとえば、多数の画像を取得するが、画像処理またはリモートサーバ140との通信が不要である期間に、CPU220及び第二電力領域292は、センサパネルプロセッサ250及びX線センサパネル280がレディ状態303及び/またはビジー状態304において動作しながら、ローアウェイク状態403またはスリープ状態402にとどまることにより、X線撮像検出器120の電力消費を大幅に削減できる。したがって、取得された画像についての画像処理を必要とするまで、より低い電力消費状態においてCPU220及び第二電力領域292を動作させることにより、X線撮像検出器120の電力消費において大幅な削減を実現できる。一般的なプロセッサについて、ハイアクティブ状態404における電力消費が約20W程度であることができ、ローアウェイク状態403における電力消費が約5W程度であることができ、スリープ状態402における電力消費が約0.5W程度であることができることに留意する。
【0045】
図5は、本開示の1つ以上の実施形態に従い、X線画像を取得するための例示的な方法を要約するフローチャートを記載する。この方法は、ブロック501〜510のうちの1つ以上により図示されるように、1つ以上の動作、機能、またはアクションを含むことができる。これらのブロックは、順番に図示されるが、これらのブロックは、並列して、及び/または本明細書に記述されるこれらと異なる順序で実行されることができる。また、さまざまなブロックは、より少ないブロックに結合される、追加のブロックに分割される、及び/または所望の実施態様に基づき除去されることができる。方法は、図1から図4のデジタルラジオグラフィックX線取得システム100と併せて記述されるが、当業者は、任意の適切に構成されたラジオグラフィックシステムが本開示の範囲内にあることを理解するであろう。
【0046】
方法ステップの前に、センサパネルプロセッサ250及び第一電力領域291は、たとえば、ユーザが電源ボタン268を介してX線撮像検出器120を起動させることに応答して、レディ状態303に入る。加えて、CPU220及び第二電力領域292は、たとえば、CPU220内のローアクティビティの検出に応答して、スリープ状態402に入る。
【0047】
方法500は、センサパネルプロセッサ250がX線センサパネル280から複数の信号を介してX線センサパネル280上に入射するX線を検出する、ステップ501において開始する。たとえば、いくつかの実施形態において、X線センサアナログデバイス270は、X線センサパネル280上に配置されるシンチレータ材料により生成される入射光に応答してセンサパネルプロセッサ250に電圧信号を各々送信し、このシンチレータ材料は、入射X線により励起されるときに可視光を放射する。
【0048】
ステップ502において、センサパネルプロセッサ250は、複数の信号が加速度計260及び/または衝撃センサ265からの出力に基づき、X線センサパネル280の衝突または震動と関連するかどうかを判定する。はい、である場合に、方法500は、ステップ510に進行して終了し、いいえ、である場合に、方法500は、ステップ503に進行する。
【0049】
ステップ503において、センサパネルプロセッサ250(またはセンサパネルプロセッサ機能性)は、CPU220(またはCPU機能性)がハイアクティブ状態404またはローアウェイク状態403などの、より高い電力消費状態に入ることを引き起こす。たとえば、いくつかの実施形態において、センサパネルプロセッサ250は、wake on WLANパケットを無線モジュール233または234を介してCPU220へ送信する。
【0050】
ステップ504において、センサパネルプロセッサ250は、ステップ501において受信する複数の信号に基づきX線画像のデジタル表現を生成する。たとえば、デジタル表現は、強度値と関連する適切なメタデータと同様に、X線センサパネル280の各ピクセルについての強度値を含むことができる。
【0051】
ステップ505において、センサパネルプロセッサ250は、その後の画像処理のためにCPU220へX線画像のデジタル表現を送信する。CPU220がステップ505中にハイアクティブ状態404またはローアウェイク状態403などのアクティブ状態にあるため、送信されるデジタル表現から画像を生成するプロセスを直ちに開始する準備ができていることに留意する。
【0052】
ステップ506において、CPU220は、標準画像フォーマット(たとえば、bmp、gif、jpg、tifなど)内のデジタル画像ファイルなどの、ステップ505において送信されるデジタル表現に基づきデジタル画像を生成する。
【0053】
X線ラジオグラフィにおいて、交流(AC)ノイズは、ACノイズ源がX線センサパネル280に近接するときに、X線撮像検出器120により生成されるデジタル画像の品質に影響を及ぼす可能性がある。たとえば、GHz状態におけるCPU220内の数百万個のトランジスタのスイッチングは、このようなノイズ源の1つである可能性がある。いくつかの実施形態に従い、X線撮像検出器120内のいくつかの、またはすべての構成要素のスイッチングは、動作中に同期する。結果として、X線撮像検出器120により生成される画像内のスイッチングノイズの影響は、画像から画像へ静的に与えられる可能性がある。その結果、取得された画像からオフセット画像の差分は、このような静的ノイズをも除去する。取得された画像からオフセット画像(すなわち、曝露された画像後に直ちに撮られるが線量を含まない画像)の差分を求める技術が電荷を読み出すために使用されるX線センサパネル280内のASICの温度誘起及び他の短期ドリフトについて補償するために一般的に使用されることに留意する。
【0054】
いくつかの実施形態に従い、X線撮像検出器120内のすべてのスイッチングを同期させる。ノイズ源として作用するX線撮像検出器120内のさまざまなデバイスが通常の動作中に、非同期でスリープモードに入る、またはスリープモードを終了することができるため、いくつかの実施形態において、同期クロックは、デバイスのこれらのような非同期スリープ及びウェイクについて補償するように修正される。これらのような実施形態に従い、CPU220及び他のノイズ源デバイスを単一のクロックに同期させる。CPU220としての使用のために適切なプロセッサが単一の外部クロックに同期するように一般的に設計されていないため、X線撮像検出器120は、CPU220に同期するが、CPU220は、X線撮像検出器120に同期しない。
【0055】
図6は、本開示の1つ以上の実施形態に従い、X線画像を取得するための例示的な方法を要約するフローチャートを記載する。この方法は、ブロック601〜605のうちの1つ以上により図示されるように、1つ以上の動作、機能、またはアクションを含むことができる。ブロックは、順番に図示されるが、これらのブロックは、並列して、及び/または本明細書に記述されるこれらと異なる順序で実行されることができる。また、さまざまなブロックは、より少ないブロックに結合する、追加のブロックに分割する、及び/または所望の実施態様に基づき除去することができる。方法は、図1から図5のデジタルラジオグラフィックX線取得システム100と併せて記述されるが、当業者は、任意の適切に構成されたラジオグラフィックシステムが本開示の範囲内にあることを理解するであろう。
【0056】
方法ステップの前に、患者の研究は、特定の臨床位置についてスケジューリングされ、リモートサーバ140内に格納される。
【0057】
方法600は、X線撮像検出器120が特定の患者について実行される1つ以上の研究について1つ以上のリモートサーバ140にクエリを行う、ステップ601において開始する。いくつかの実施形態において、ユーザは、ユーザアクセスデバイス110を介してクエリを開始し、X線撮像検出器120は、無線アクセスポイント130またはネットワーク105を介して1つ以上のリモートサーバ140と通信する。たとえば、X線撮像検出器120は、DICOMモダリティワークリストサーバにクエリを行うことができる。
【0058】
ステップ602において、X線撮像検出器120は、DICOMモダリティワークリストサーバなどの、リモートサーバ140から特定の患者に実行される1つ以上の研究を受信する。
【0059】
ステップ603において、X線撮像検出器120は、1つ以上のX線画像を取得するユーザアクセスデバイス110からのコマンドを受信する。
【0060】
ステップ604において、X線撮像検出器120は、1つ以上のX線画像を取得し、ローカルに格納する。たとえば、いくつかの実施形態において、取得されたX線画像、及び/または取得されたX線画像のデジタル表現をSSD232内に格納する。その結果、ユーザは、ユーザアクセスデバイス110を介して、リモートサーバ140にアクセスせずにこれらのようなX線画像またはそのデジタル表現へ後にアクセスできる。
【0061】
ステップ605において、X線撮像検出器120は、1つ以上のX線画像をリモートサーバ140のうちの1つへ送信する。このような画像データの直接アップロードが、X線撮像検出器120を専用ワークステーションへ接続することを必要とせずに、病院のPACS上にレビューについて研究のリアルタイム可用性を提供することに留意する。同様に、ワークリストデータの直接ダウンロードは、X線撮像検出器120を専用ワークステーションへ接続することを必要とせずに、ワークリスト(すなわち、取得される研究)へリアルタイム更新を提供する。従来のデジタルラジオグラフィックX線取得システムにおいて、上記のステップが別個のコンピュータワークステーション上で動作するソフトウェアにより一般的に調整され、実行されることにさらに留意する。さまざまな実施形態に従い、X線撮像検出器120を使用して、このようなソフトウェアは、X線撮像検出器120自体の上で実際に動作する。したがって、ユーザは、「ダンプ」デバイス(たとえば、ユーザアクセスデバイス110)を介してパネルソフトウェアにアクセスする。すなわち、このデバイスは、HTML5準拠のブラウザを含めてパネルソフトウェアへのユーザアクセスを提供し、他の挿入されたプロプライエタリソフトウェアをほとんど、または全く提供しないことが可能である。
【0062】
従来のラジオグラフィックX線取得システムの機能性は、外部データ取得及び処理ワークステーションを含まずに提供できる。したがって、デジタルX線画像は、ポータブルの、バッテリ駆動型の、X線センサシステムを介して生成され、ユーザのコンピューティングデバイスを介してユーザへ利用可能にされる。X線システムは、画像取得を実行する第一電力領域、ならびにユーザインタフェース、ネットワーキング、及び画像処理機能を実行する第二電力領域により構成される。節電するために、第一電力領域と関連するプロセッサ、及び第二電力領域と関連するプロセッサは、アイドル状態またはスリープ状態などの、より低い電力消費状態にそれぞれ独立して入ることができる。
【0063】
図1図2、及び図6を参照して、いくつかの実施形態は、X線撮像検出器120を含み、このX線撮像検出器120は、少なくとも1つのリモートサーバ140から研究データをダウンロードするように構成される少なくとも1つの無線モジュール233または234と、X線撮像検出器120上に入射するX線に応答して複数の信号を生成するように構成されるX線センサパネル280と、X線センサパネル280及び少なくとも1つの無線モジュール233または234に通信可能に結合され、複数の信号を受信して複数の信号に基づきX線画像のデジタル表現を生成するように、及びデジタル表現を研究データに関連付けるように構成される少なくとも1つのセンサパネルプロセッサ250またはCPU220と、を備える。
【0064】
いくつかの実施形態において、研究データは、研究及び患者情報を含み、リモートサーバ140は、医療におけるデジタル画像及び通信(DICOM)モダリティワークリストサーバを含む。
【0065】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの無線モジュール233または234は、WiFi、米国電気電子技術者協会(IEEE)802.11規格、Bluetooth、IEEE802.15無線通信規格、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)ロングタームエボリューション(LTE)(たとえば、リリース11または12)、高速パケットアクセス(HSPA)、WiMAX、またはIEEE802.16規格を使用して通信するようにさらに構成される。
【0066】
いくつかの実施形態において、X線撮像検出器120は、少なくとも1つのセンサパネルプロセッサ250またはCPU220に通信可能に結合される少なくとも1つのSSD232、ならびに研究データ及びデジタル表現を格納するように構成されるデータベースをさらに備える。
【0067】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの無線モジュール233または234は、医療におけるデジタル画像及び通信(DICOM)画像アーカイブ及び通信システム(PACS)ストレージサーバを含む、少なくとも1つのリモートサーバ140へ研究データをアップロードするようにさらに構成される。
【0068】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つのセンサパルネプロセッサ250またはCPU220は、X線撮像検出器120上に格納される研究データを少なくとも1つの外部サーバと同期させるようにさらに構成される。
【0069】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つのセンサパルネプロセッサ250またはCPU220は、ユーザインタフェースを生成するように、及びX線画像のデジタル表現に基づくデジタル画像、または研究データを、ユーザインタフェースを介して表示させるようにさらに構成される。
【0070】
いくつかの実施形態において、X線撮像検出器120は、少なくとも1つのプロセッサに通信可能に結合され、ユーザインタフェースをみるように構成されるディスプレイをさらに備える。
【0071】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの無線モジュール233または234は、ユーザアクセスデバイス110に通信可能に結合される。
【0072】
いくつかの実施形態において、X線撮像検出器120は、少なくとも1つのセンサパネルプロセッサ250またはCPU220に通信可能に結合され、ユーザアクセスデバイス110と通信するように構成される少なくとも1つのウェブサーバをさらに備える。
【0073】
いくつかの実施形態において、ユーザインタフェースは、ハイパーテキストマークアップ言語5準拠(HTML5準拠)ウェブインタフェースを使用する。
【0074】
いくつかの実施形態において、ユーザインタフェースは、患者選択、画像取得、画像もしくは研究アノテーション、または画像のレビューのために構成される。
【0075】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つのセンサパネルプロセッサ250またはCPU220は、デジタル画像上に強調アルゴリズムを実行するようにさらに構成される。
【0076】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つのセンサパネルプロセッサ250またはCPU220は、X線センサパネル280に通信可能に結合され、複数の信号を受信してこれら複数の信号に基づきX線画像のデジタル表現を生成するように構成されるセンサパネルプロセッサ250と、ユーザインタフェースを生成するように、及びX線画像のデジタル表現に基づくデジタル画像を、ユーザインタフェースを介して表示させるように構成されるCPU220とを備える。これらのような実施形態において、センサパネルプロセッサ250は、CPU220が第二アクティブ状態にありながら、第一アイドル状態に入るように構成される、またはCPU220は、センサパネルプロセッサ250が第一アクティブ状態にありながら、第二アイドル状態に入るように構成される。
【0077】
いくつかの実施形態において、CPU220は、X線画像のデジタル表現を受信するように、及びX線画像のデジタル表現に基づきデジタル画像を生成するように構成される。
【0078】
いくつかの実施形態において、センサパネルプロセッサ250は、X線が検出されない時間間隔が閾値を超えた後に、第一アイドル状態に入るように構成される。
【0079】
いくつかの実施形態において、第一アクティブ状態は、X線撮像検出器120がX線撮像検出器120上に入射するX線に応答して複数の信号を生成する電力状態を備える。
【0080】
いくつかの実施形態において、CPU220は、センサパルネプロセッサ250からのウェイクコマンドに応答して第二アイドル状態から第二アクティブ状態に入るように構成される。
【0081】
いくつかの実施形態において、センサパネルプロセッサ250は、ユーザ入力、またはX線撮像検出器120によるX線の検出のうちの1つに応答してウェイクコマンドを生成する。
【0082】
いくつかの実施形態において、CPU220は、ユーザインタフェースの生成を可能にするオペレーティングシステムを実行するように構成される。
【0083】
いくつかの実施形態に従い、X線撮像装置は、少なくとも1つの外部サーバ(たとえば、リモートサーバ140)から研究データをダウンロードするように構成される無線通信手段(たとえば、無線モジュール233及び234)と、デジタル画像感知手段上に入射するX線に応答して複数の信号を生成するように構成されるデジタル画像感知手段(たとえば、X線センサパネル280)と、複数の信号を受信してこれら複数の信号に基づきX線画像のデジタル表現を生成するように、及びデジタル表現を研究データに関連付けるように構成される制御手段(たとえば、センサパネルプロセッサ250及びCPU220)と、を備える。
【0084】
少なくとも1つのリモートサーバ140から研究データをダウンロードするように構成される無線通信手段の実施例は、無線モジュール233及び/または234を含む。
【0085】
デジタル画像感知手段上に入射するX線に応答して複数の信号を生成するように構成されるデジタル画像感知手段の実施例は、X線センサパネル280を含む。
【0086】
複数の信号を受信し、これら複数の信号に基づきX線画像のデジタル表現を生成するように、及びデジタル表現を研究データに関連付けるように構成される制御手段の実施例は、センサパネルプロセッサ250及び/またはCPU220を含む。
【0087】
いくつかの実施形態に従い、装置は、曝露期間中にX線撮像検出器120上に入射するX線に応答して複数の信号を生成するように構成されるX線撮像検出器120と、X線撮像検出器120に通信可能に結合され、複数の信号を受信し、これら複数の信号に基づきX線画像のデジタル表現を生成するように構成されるセンサパネルプロセッサ250と、ユーザインタフェースを生成するように、及びX線画像のデジタル表現に基づくデジタル画像を、ユーザインタフェースを介して表示させるように構成されるCPU220とを備え、センサパネルプロセッサ250は、CPU220が第二アクティブ状態にありながら、第一アイドル状態に入るように構成される、またはCPU220は、センサパネルプロセッサ250が第一アクティブ状態にありながら、第二アイドル状態に入るように構成される。
【0088】
いくつかの実施形態に従い、研究データを処理するX線撮像検出器120のための方法は、少なくとも1つの無線モジュール233または234により少なくとも1つのリモートサーバ140から研究データをダウンロードすることと、X線センサパネル280によりX線センサパネル280上に入射するX線に応答して複数の信号を生成することと、センサパネルプロセッサ250により複数の信号に基づきX線画像のデジタル表現を生成することと、CPU220、センサパネルプロセッサ250により、デジタル表現を研究データに関連付けることとを備える。
【0089】
書き込まれた本開示に続く特許請求の範囲は、書き込まれた本開示に本明細書により明示的に組み込まれ、各請求項が別個の実施形態として他のものから独立している。本開示は、その従属請求項を備える独立請求項のすべての順列を含む。さらにまた、以下の独立請求項及び従属請求項から派生可能な追加の実施形態は、書き込まれた本願説明に明示的に組み込まれる。これらの追加の実施形態は、所与の従属請求項の従属性を成句「いずれかの請求項は請求項[x]で開始し、この請求項に直に先行する請求項で終了する」と置換することにより決定され、括弧に入れられた用語「[x]」は、直前に列挙された独立請求項の数と置換される。たとえば、独立請求項1で開始する第一請求項セットについて、請求項3は、請求項1及び請求項2のいずれか一方に従属することが可能であり、これらの別個の従属性は2つの別個の実施形態をもたらし、請求項4は、請求項1、請求項2、または請求項3のいずれか1項に従属することが可能であり、これらの別個の従属性は3つの別個の実施形態をもたらし、請求項5は、請求項1、請求項2、請求項3、または請求項4のいずれか1項に従属することが可能であり、これらの別個の従属性は4つの別個の実施形態をもたらすなどである。
【0090】
さまざまな態様及び実施形態は、本明細書に開示されているが、他の態様及び実施形態は、当業者に明らかであろう。本明細書に開示されるさまざまな態様及び実施形態は、説明のためであり、限定することを意図されず、真の範囲及び趣旨は以下の特許請求の範囲により示される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6