特開2020-78883(P2020-78883A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特開2020-78883プリントヘッドユニットの支持構造及びプリンタ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-78883(P2020-78883A)
(43)【公開日】2020年5月28日
(54)【発明の名称】プリントヘッドユニットの支持構造及びプリンタ
(51)【国際特許分類】
   B41J 25/304 20060101AFI20200501BHJP
   B41J 2/32 20060101ALI20200501BHJP
【FI】
   B41J25/304 F
   B41J2/32 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-212674(P2018-212674)
(22)【出願日】2018年11月13日
(71)【出願人】
【識別番号】000001960
【氏名又は名称】シチズン時計株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】507351883
【氏名又は名称】シチズン・システムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松嶋 厳
(72)【発明者】
【氏名】小味山 剛男
(72)【発明者】
【氏名】安田 洋之
(72)【発明者】
【氏名】清水 克宣
【テーマコード(参考)】
2C064
2C065
【Fターム(参考)】
2C064CC02
2C064CC06
2C064CC11
2C064EE01
2C065AA01
2C065AB01
2C065CC02
2C065CC14
(57)【要約】
【課題】プリントヘッドユニットの支持構造において、プリンタ本体に対してプリントヘッドユニットの着脱を容易にする。
【解決手段】フレーム10から吊り下げられたコイルばね21と、コイルばね21が固定されたばねホルダ22とを有する押圧部材20と、コイルばね21を上方に押圧した状態で、フレーム10に形成されたエンボス16及び支点シャフト15(支持部)に支持された取り付け状態と取り外された取り外し状態とを採りうる着脱自在のサーマルヘッドユニット30と、を備え、取り付け状態のとき、押圧部材20とサーマルヘッドユニット30とが互いに係合して、押圧部材20の位置決めを行う位置決め孔35及び突起24(係合部)をそれぞれ有し、押圧部材20は、サーマルヘッドユニット30との係合を解除する方向に変位させる支点突起27及び傾斜面26を有する。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリンタ本体から吊り下げられたコイルばねと前記コイルばねの下端に固定されたばねホルダとを有する押圧部材と、
前記ばねホルダを介して前記コイルばねを上方に押圧した状態で、前記プリンタ本体の所定位置に形成された支持部に支持された取り付け状態と、前記所定位置から取り外された取り外し状態とを採りうる着脱自在のプリントヘッドユニットと、を備え、
前記プリントヘッドユニットが前記取り付け状態のとき、前記押圧部材と前記プリントヘッドユニットとが互いに係合して、前記プリントヘッドユニットに対する前記押圧部材の位置決めを行う係合部をそれぞれ有し、
前記押圧部材は、前記係合部による前記プリントヘッドユニットとの係合を解除する方向に変位させる係合解除部を有しているプリントヘッドユニットの支持構造。
【請求項2】
前記押圧部材が有する前記係合部は、前記ばねホルダに形成されて前記プリントヘッドユニットに向けて突出した凸部又は凹んだ凹部であり、
前記プリントヘッドユニットが有する前記係合部は、前記押圧部材の前記凸部と係合する凹部又は前記押圧部材の前記凹部と係合する凸部であり、
前記係合部は、前記プリントヘッドユニットに対する前記押圧部材の前後方向の位置決めを行う請求項1に記載のプリントヘッドユニットの支持構造。
【請求項3】
前記プリントヘッドユニットは、前記プリントヘッドユニットの幅方向に直交する前後方向の後側の部分に、前記支持部によって下方から支持される被支持部を有し、
前記取り付け状態から前記後側の部分が上方に押し上げられた後上がりの傾斜状態では、前記被支持部が前記支持部に支持されない状態となり、
前記係合解除部により前記係合部による係合が解除された状態で、前記プリントヘッドユニットは、前方に引き出す方向に取り外し可能の状態となる請求項1又は2に記載のプリントヘッドユニットの支持構造。
【請求項4】
前記係合解除部は、前記ばねホルダに形成された、前記後ろ側の部分に後上がりとなる傾斜面と、前記ばねホルダの上部に又は前記ばねホルダの上部が対向する前記プリンタ本体の天面に形成された、前記天面と接した状態で前記ばねホルダを回動させる支点となる支点突起と、を有し、
前記プリントヘッドユニットが、前記支点突起を回動中心として前記ばねホルダを、前記傾斜面に接するまで回転させることにより、前記係合部による係合を解除する請求項3に記載のプリントヘッドユニットの支持構造。
【請求項5】
請求項1から4のうちいずれか1項に記載のプリントヘッドユニットの支持構造を備えたプリンタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリントヘッドユニットの支持構造及びプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタは、感熱紙等の用紙に印字を行うプリントヘッドユニットを備えている。プリントヘッドユニットは、プリントヘッドと、プリントヘッドの熱を放熱する金属製のヒートシンクとが一体化されているものもある。
【0003】
プリントヘッドユニットは、通常、ばねの弾性力により、プラテンローラに押し付けられた状態となっている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平2−50356号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、プリントヘッドユニットは、プリンタ本体に対して着脱自在のものもある。プリントヘッドユニットをプリンタ本体から取り外した取り外し状態では、ばねが自由長に伸びた状態となっており、プリントヘッドユニットをプリンタ本体に取り付けた取り付け状態にするためには、プリントヘッドユニットに対するばねの位置決めを正確に行う必要があり、煩雑な作業が要求される。
【0006】
また、取り付け状態から取り外し状態にする際も、プリントヘッドユニットをプリンタ本体から簡単に取り外すことが求められている。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、プリンタ本体に対してプリントヘッドユニットを容易に着脱することができる、プリントヘッドユニットの支持構造及びプリンタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1は、プリンタ本体から吊り下げられたコイルばねと前記コイルばねの下端に固定されたばねホルダとを有する押圧部材と、前記ばねホルダを介して前記コイルばねを上方に押圧した状態で、前記プリンタ本体の所定位置に形成された支持部に支持された取り付け状態と、前記所定位置から取り外された取り外し状態とを採りうる着脱自在のプリントヘッドユニットと、を備え、前記プリントヘッドユニットが前記取り付け状態のとき、前記押圧部材と前記プリントヘッドユニットとが互いに係合して、前記プリントヘッドユニットに対する前記押圧部材の位置決めを行う係合部をそれぞれ有し、前記押圧部材は、前記係合部による前記プリントヘッドユニットとの係合を解除する方向に変位させる係合解除部を有しているプリントヘッドユニットの支持構造である。
【0009】
本発明の第2は、本発明に係るプリントヘッドユニットの支持構造を備えたプリンタである。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るプリントヘッドユニットの支持構造及びプリンタによれば、プリンタ本体に対してプリントヘッドユニットを容易に着脱することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係るプリンタの一実施形態であるサーマルプリンタを示す外観斜視図である。
図2】プリンタにおける前カバーが開いた状態を示す斜視図である。
図3A図1に示した閉位置でプリンタの前後方向に沿った鉛直面による断面を示す断面図である。
図3B図3AにおけるA部の詳細を示す拡大図である。
図4図2に示した開位置でプリンタの前後方向に沿った鉛直面による断面を示す断面図である。
図5】本実施形態のサーマルヘッドユニットの支持構造を構成するフレーム、押圧部材及びサーマルヘッドユニットを示す分解斜視図である。
図6図5に示した支持構造により組み立てられた状態の要部を示す図3A相当の断面図である。
図7】収容部からサーマルヘッドユニット等を見たときの状態を示す図である。
図8】本実施形態のサーマルヘッドユニットの支持構造の作用を説明する図6相当の要部断面図であり、プリンタの使用状態を示す。
図9】本実施形態のサーマルヘッドユニットの支持構造の作用を説明する図6相当の要部断面図であり、サーマルヘッドユニットの取り外し過程(その1)の状態を示す。
図10】本実施形態のサーマルヘッドユニットの支持構造の作用を説明する図6相当の要部断面図であり、サーマルヘッドユニットの取り外し過程(その2)の状態を示す。
図11】本実施形態のサーマルヘッドユニットの支持構造の作用を説明する図6相当の要部断面図であり、サーマルヘッドユニットの取り外し状態を示す。
図12】位置決め孔に案内する傾斜面(案内面)が形成された突起を、位置決め孔と係合させる状態を説明する突起付近の要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係るプリントヘッドユニットの支持構造及びこのプリントヘッドユニットの支持構造を備えたプリンタの実施形態について、図面を用いて説明する。
【0013】
<プリンタの概略構成及び作用>
図1は本発明に係るプリンタの一実施形態であるサーマルプリンタ1(以下、単にプリンタ1という。)を示す外観斜視図、図2はプリンタ1における前カバー3が開いた状態を示す斜視図、図3A図1に示した閉位置でプリンタ1の前後方向に沿った鉛直面による断面を示す断面図、図3B図3AにおけるA部の詳細を示す拡大図、図4図2に示した開位置でプリンタ1の前後方向に沿った鉛直面による断面を示す断面図である。
【0014】
プリンタ1は、図1に示すように全体として直方体状の筐体4(プリンタ本体)と、筐体4の内部に後述するサーマルヘッドユニット30(プリントヘッドユニットの一例)等が収容されている。
【0015】
ここで、プリンタ1の幅方向を幅方向X、プリンタ1の前後方向を前後方向Y、プリンタ1の上下方向を上下方向Zとする。また、前後方向Yのうち、前方向を前方Fとし、後方向を後方Bとする。
【0016】
筐体4は、直方体の前方F側の端部に開口2d(図2,4参照)を有する本体部2と、回動する前カバー3と、を備えている。前カバー3は、図1,3Aに示した起立した状態における下端付近の幅方向Xに延びた軸回りに回動自在に形成されている。前カバー3は、起立した状態で、開口2dを塞いだ閉位置となり、回動により前方Fに倒れて伏した状態(図2,4参照)で、開口2dを開放した開位置となる。
【0017】
筐体4は、前カバー3が閉位置にあるときも、前カバー3の上端と本体部2との間にわずかな隙間が形成されている。この隙間は、後述する感熱紙を、筐体4の内部から外部に排出する排出口4aとなっている。
【0018】
筐体4の内部には、ロール紙Pを収容する空間である収容部Sが形成されている。ロール紙Pは、帯状に長い感熱紙が、その感熱面を外面側にして巻かれている。前カバー3が開位置にあるとき、開口2dを通じて、収容部Sにロール紙Pを出し入れすることができる。
【0019】
前カバー3が閉位置にあるとき、収容部Sに収容されたロール紙Pから巻き解かれた感熱紙は、後述するサーマルヘッドユニット30とプラテンローラ6との間、その前方Fに配置された固定刃80とカッターユニット7の可動刃7aとの間、さらにその前方に形成された排出口4aという搬送経路を通って、プリンタ1の外部に排出される。なお、感熱紙が巻き解かれることで、ロール紙Pは図3Aの反時計回り方向Rに回転する。
【0020】
本体部2の内部で、前部の天面2a付近には、図3A,4に示すように、収容部Sに臨んで、サーマルヘッドユニット30と固定刃80とが配置されている。サーマルヘッドユニット30は、図3Aに示すように、ロール紙Pから巻き解かれた感熱紙の感熱面に圧力及び熱を加えて印字を行う。
【0021】
本体部2の内部で、天面2aの後方B側には、サーマルヘッドユニット30が印字を行うための発熱制御や紙送り制御など、プリンタの動作を制御する制御基板70が配置されている。制御基板70とサーマルヘッドユニット30とは、フレキシブルフラットケーブル(FFC)等のケーブル60でサーマルヘッドユニット30に接続されている。
【0022】
前カバー3は、図1,3Aの閉位置にあるとき前面となる外面に、プリンタ1に動作指令を行ったり、各種の設定を行ったりするための操作ボタンや、動作状態を点消灯で知らせるランプ等を有する操作部5を備えている。前カバー3は、図2の開位置にあるとき上面となる内面側に、ゴム材料で形成されたプラテンローラ6やカッターユニット7を備えている。
【0023】
プラテンローラ6は、歯車輪列を介して図示を略したステッピングモータの動力により回転する。プラテンローラ6は、図3Aに示すように前カバー3が閉位置にあるとき、サーマルヘッドユニット30の下方に位置する。サーマルヘッドユニット30は、後述する押圧部材20から下方に向かう弾性力を受けることで、プラテンローラ6に弾性的に押し付けられる。
【0024】
前カバー3が閉位置にあるとき、収容部Sに収容されたロール紙Pから巻き解かれた感熱紙は、サーマルヘッドユニット30とプラテンローラ6とに挟まれた状態となる。このとき、感熱紙は、ロール紙Pの外面となる感熱面がサーマルヘッドユニット30側に向き、感熱面の裏側の面がプラテンローラ6側に向いた状態となる。
【0025】
感熱紙は、サーマルヘッドユニット30からプラテンローラ6に押し付けられる圧力を受け、プラテンローラ6が回転するときの摩擦力によって前方Fに送られる。プラテンローラ6による送りとともに、サーマルヘッドユニット30が発熱することで、感熱紙の感熱面に印字が行なわれる。
【0026】
カッターユニット7は、図3Bにおいて、プラテンローラ6よりも前方に配置されている。カッターユニット7は、前カバー3が閉位置にあるとき、上下動可能とされた可動刃7aを有している。可動刃7aは、歯車輪列を介して図示を略したステッピングモータの動力により上下動する。
【0027】
本体部の2の、サーマルヘッドユニット30よりも前方Fに配置された固定刃80は、下方向に向いて固定されている。前カバー3が閉位置にあるとき、カッターユニット7の可動刃7aは固定刃80の下方に位置し、動力により上方に移動した可動刃7aと固定刃80とに挟まれた感熱紙を、剪断力により切断する。
【0028】
カッターユニット7の可動刃7aと固定刃80によって切断された感熱紙は、ロール紙Pから分離されて、排出口4aの外側で受け取られる。
【0029】
<サーマルヘッドユニットの支持構造>
次に、サーマルヘッドユニット30の詳細な支持構造について説明する。
【0030】
図5は本実施形態のサーマルヘッドユニット30の支持構造を構成するフレーム10、押圧部材20及びサーマルヘッドユニット30を示す分解斜視図、図6図5に示した支持構造により組み立てられた状態の要部を示す図3A相当の断面図、図7は収容部Sからサーマルヘッドユニット30等を見たときの状態を示す図である。
【0031】
サーマルヘッドユニット30は、本体部2の天面2aに固定された、図5に示す金属製のフレーム10に支持されている。フレーム10は、本体部2に固定されて動かないため、実質的にプリンタ本体ということができる。
【0032】
フレーム10は、プリンタ1の幅方向Xに延びて天面2aと平行な天板13と、天板13の幅方向Xの両端からそれぞれ下方に延びてプリンタ1の内側面2bに平行な側板11及びプリンタ1の内側面2cに平行な側板12とが一体に形成されている。両側板11,12は、天板13と繋がった部分から、さらに後方Bにも長く延びている。
【0033】
天板13には、幅方向Xに沿って例えば3つ並んだ、ばね支持突起14が形成されている。ばね支持突起14は、下方に向けて突出したボス状である。ばね支持突起14は、後述する押圧部材20の構成部品であるコイルばね21の上端部の内側にきつく嵌め合わされることで、コイルばね21を吊り下げた状態で保持する。
【0034】
天板13の、3つのばね支持突起14よりも幅方向Xの両外側には、それぞれ、ホルダ案内片17が形成されている。ホルダ案内片17は、下方に向けて突出した薄片状に形成されている。ホルダ案内片17は、後述する押圧部材20の構成部品であるばねホルダ22に形成された孔23に挿入されることで、コイルばね21の伸縮によって上下動するばねホルダ22の、前後方向Yへの変位を規制して、前後方向Yへのばたつき(大きい変位)を防止又は抑制する。
【0035】
両側板11,12にはそれぞれ、幅方向Xの内側に突出したエンボス16(支持部)と、エンボス16の後方Bに、幅方向Xの内側に突出した支点シャフト15(支持部)と、が形成されている。エンボス16と支点シャフト15とは、略同じ高さ位置(上下方向Zの位置)に形成されている。なお、前後方向Yにおいて、エンボス16はばね支持突起14よりも前方Fに形成され、支点シャフト15はばね支持突起14よりも後方Bに形成されている。
【0036】
左右のエンボス16,16には、後述する、両側板11,12の間に配置され、幅方向Xに延びたサーマルヘッドユニット30の構成部品であるヒートシンク31の側部に隣接する下面が上方から載り、左右の支点シャフト15,15には、ヒートシンク31の側部に形成された切欠き33,33が上方から引っ掛かる。これにより、サーマルヘッドユニット30が、フレーム10に支持される。
【0037】
サーマルヘッドユニット30は、幅方向Xに沿って多数の発熱素子が配列されたサーマルヘッド39と、金属製で平板状のヒートシンク31とが一体に形成されたものである。サーマルヘッド39は、ケーブル60により制御基板70に接続され、制御基板70により、各発熱素子の発熱が制御されて、接触した感熱紙の部分を発色させて印字を行う。
【0038】
ヒートシンク31は、幅方向Xについてサーマルヘッド39よりも長く形成され、フレーム10の両側板11,12の間に配置したとき、両側部に隣接する下面が左右のエンボス16,16に同時に載る長さに形成されている。ヒートシンク31の両側部の、前後方向Yの中央部付近には、エンボス16,16をそれぞれ逃げる切欠き36が形成されている。
【0039】
この切欠き36が形成された前後方向Yの位置では、ヒートシンク31の幅が、左右のエンボス16,16の先端間の寸法よりも短く形成されている。この結果、切欠き36がエンボス16,16を上下方向に通過して、エンボス16に対するヒートシンク31の位置を上下に移動させることができる。
【0040】
ヒートシンク31の両側部の後方の部分には、下端が開放し上端が閉じた切欠き33が形成されている。この切欠き33は、ヒートシンク31の両側部の、前後方向Yに沿って少し離れたから部位からそれぞれ下方に延びた2本の爪の間に形成されている。
【0041】
切欠き33には、フレーム10の支点シャフト15を下方から挿し入れることができ、上端の閉じた部分が支点シャフト15に突き当たることで、両側部に隣接する下面が左右の支点シャフト15,15に同時に引っ掛かる。なお、切欠き33に支点シャフト15が挿入されている状態では、サーマルヘッドユニット30は、前後方向Yの変位が規制され、支点シャフト15を切欠き33から抜く上方への動きのみが許容された状態となる。
【0042】
ヒートシンク31の前部で、幅方向Xの両側縁の近くにはそれぞれ、ヒートシンク31の厚さ方向に貫通した位置決め孔35(係合部)が形成されている。位置決め孔35は、後述する押圧部材20の構成部品であるばねホルダ22の下面に形成された突起24(係合部)と係合することで、サーマルヘッドユニット30に対するばねホルダ22の、前後方向Yの位置決め行う。
【0043】
なお、ヒートシンク31に位置決め孔35を形成するのに代えてヒートシンク31の上面に上方に突出する突起を形成し、ばねホルダ22に突起24を形成するのに代えて、ヒートシンク31の突起と係合する位置決め孔を形成してもよい。
【0044】
フレーム10とサーマルヘッドユニット30との間には、押圧部材20が配置されている。押圧部材20は、例えば3本のコイルばね21と、上端が開口した箱状のばねホルダ22と、を備えている。
【0045】
ばねホルダ22は、箱の底面に、3本のコイルばね21の下端をそれぞれ保持して、3本のコイルばね21の下端が別々に独立して動くのを阻止している。ばねホルダ22は、底面の裏側に相当する下面に、押圧部材20のコイルばね21がばね支持突起14に嵌め合わされて天板13から吊り下げられて水平状態となる水平面25と、水平面25よりも前後方向Yの後部の、水平面25に対して、後ろ上がりに傾斜した傾斜面26とを有する。
【0046】
また、水平面25における両側部に近い前部にはそれぞれ、下方に突出した突起24が形成されている。突起24と前述した位置決め孔35とは、幅方向Xの対応した位置(同じ位置)に形成されている。
【0047】
押圧部材20は、3本のコイルばね21の上端がそれぞれ、フレーム10の天板13のばね支持突起14に嵌め合わされて保持されることで、フレーム10の天板13に吊り下げられた状態となる。ここで、押圧部材20が天板13に吊り下げられた状態のとき、コイルばね21には、コイルばね21の自重とばねホルダ22の重さが作用し、これによりコイルばね21は、自由長よりも伸びた状態になっている。
【0048】
プリンタ1の使用状態では、エンボス16と支点シャフト15との上側に、サーマルヘッドユニット30が保持された状態となり、サーマルヘッドユニット30の上面側に配置されているヒートシンク31の上面が、ばねホルダ22の水平面25に接して、ばねホルダ22を上方に押し上げた状態となる。
【0049】
なお、この使用状態では、ヒートシンク31に形成された位置決め孔35に、ばねホルダ22の水平面25に形成された突起24が係合して、ばねホルダ22は、サーマルヘッドユニット30に対する前後方向Yの変位が規制され、サーマルヘッドユニット30に対して前後方向Yの位置決めがなされている。
【0050】
また、ばねホルダ22がサーマルヘッドユニット30により押し上げられている状態では、各コイルばね21が自由長よりも縮められた状態になっていて、ばねホルダ22は、孔23にホルダ案内片17が挿入された状態となっている。
【0051】
このため、3本のコイルばね21の下端を一体に保持しているばねホルダ22は、ホルダ案内片17と孔23との案内作用により、コイルばね21が大きく撓んで押圧部材20がサーマルヘッドユニット30の上面から外れてしまうのを防止することができる。したがって、サーマルヘッドユニット30に対して、感熱紙を押圧するための荷重を適切に作用させることができる。
【0052】
各コイルばね21が自由長よりも縮められた状態では、ヒートシンク31は、ばねホルダ22を介して、コイルばね21の縮められている長さに応じた、下方に向かう復元力(弾性力)で押圧される。
【0053】
この結果、サーマルヘッドユニット30がエンボス16と支点シャフト15との上側に保持されている状態で、サーマルヘッドユニット30には下方に向かう、コイルばね21の復元力(弾性力)に対応した下向きの押圧力が作用している。この押圧力は、感熱紙が、サーマルヘッドユニット30からプラテンローラ6に押し付けられる圧力となる。
【0054】
ばねホルダ22は、箱の両側壁の後部に、水平方向に延びた上縁から上方に突出した支点突起27を備えている。この支点突起27は、水平面25の後端縁(傾斜面26との切り替え位置)よりも前後方向Yの後方Bに形成されている。
【0055】
この支点突起27の上側先端は、エンボス16と支点シャフト15との上側にサーマルヘッドユニット30が保持されてコイルばね21が縮められている状態では、天板13の天面には接しないように設定されている。一方、コイルばね21がさらに縮められている状態では、支点突起27の上側先端が、天板13の天面には接するように設定されている。支点突起27と傾斜面26とは協働して、位置決め孔35と突起24との係合を解除する方向に変位させる係合解除部の一例である。
【0056】
<サーマルヘッドユニットの脱着作用>
上述したサーマルヘッドユニット30の支持構造で支持されたサーマルヘッドユニット30の脱着作用について、以下に説明する。
【0057】
図8,9,10,11は、本実施形態のサーマルヘッドユニット30の支持構造の作用を説明する図6相当の要部断面図であり、図8は使用状態、図9はサーマルヘッドユニット30の取り外し過程(その1)の状態、図10はサーマルヘッドユニット30の取り外し過程(その2)の状態、図11はサーマルヘッドユニット30の取り外し状態をそれぞれ示す。
【0058】
なお、サーマルヘッドユニット30の脱着は、主にヒートシンク31を介して行われるため、図8〜10の各図においては、サーマルヘッド39の表記を省略してヒートシンク31のみの表記としている。
【0059】
プリンタ1の使用状態では、図8に示すように、サーマルヘッドユニット30は、支点シャフト15に、ヒートシンク31の両側部の側部に形成された切欠き33が係合して、両側部に隣接する下面が支持され、支点シャフト15よりも前方Fに形成されたエンボス16に、ヒートシンク31の両側部の前部に隣接する下面が載った状態となって支持されている。
【0060】
これにより、サーマルヘッドユニット30はフレーム10に対して前後方向Y及び上下方向Zの位置決めがなされている。なお、サーマルヘッドユニット30はフレーム10に対して幅方向Xについても略位置決めされている。
【0061】
このとき、押圧部材20が、コイルばね21の弾性力によりヒートシンク31を下方に押圧し、サーマルヘッドユニット30は、印字対象である感熱紙に対して、圧力を加えている。
【0062】
また、押圧部材20は、突起24がヒートシンク31の位置決め孔35に挿入されていることにより、サーマルヘッドユニット30に対して、前後方向Yの位置決めがなされている。
【0063】
次に、サーマルヘッドユニット30を筐体4から取り外す場合は、図9に示すように、ヒートシンク31の後部の切欠き33を支点シャフト15から上方に抜くように、ヒートシンク31の後部を押圧部材20の押圧力に逆らって上方に押す。これにより、ヒートシンク31は、前部のエンボス16との接線を中心にして、図示の反時計回りに回転し、切欠き33から支点シャフト15が抜かれた状態となる。
【0064】
このとき、ヒートシンク31は、図9に示すように、後部が持ち上げられた傾斜となるが、ヒートシンク31と水平面25で接しているばねホルダ22も、コイルばね21が撓んで、水平面25がヒートシンク31と接し続けるように、ヒートシンク31とともに傾斜する。
【0065】
ここで、さらにヒートシンク31の後部を上方に押すと、図10に示すように、ばねホルダの上端の後部に形成された支点突起27が、天板13の内面(天面)に突き当たる。支点突起27は、ヒートシンク31を介して持ち上げられる荷重が作用している水平面25よりも後方Bに形成されているため、ばねホルダ22には、天面と支点突起27との設定を中心として、図示の時計回り方向に回転するモーメントが発生する。しかも、撓んだコイルばね21も、鉛直方向に真っ直ぐ吊り下げられた姿勢に復元しようとする曲げモーメントが生じる。
【0066】
この結果、反時計回り方向に回転して傾斜したヒートシンク31に対し、ばねホルダ22は、反対方向である時計回りに回転し、ばねホルダ22に形成された突起24がヒートシンク31に形成された位置決め孔35から抜けて、ヒートシンク31に対するばねホルダ22の位置決めが解除される。
【0067】
そして、ばねホルダ22は、コイルばね21の撓みが真っ直ぐに吊り下げられた姿勢に戻り、水平面25はヒートシンク31から離れて、後部の傾斜面26がヒートシンク31に接した状態となる。
【0068】
ヒートシンク31は、突起24と位置決め孔35との係合が外れたことで、前方Fへの変位の規制が無くなり、図11に示すように、切欠き33から支点シャフト15が抜けた傾斜姿勢のままで、ヒートシンク31が傾斜方向に沿った前方Fへ引き出される。
【0069】
この前方Fへの引き出しの途中で、図5に示した切欠き36の位置がエンボス16の位置に達したとき、ヒートシンク31の傾斜姿勢をさらに強くするようにヒートシンク31の前部を下方に下げると、図11の二点鎖線で示すように、切欠き36がエンボス16を通過し、ヒートシンク31をエンボス16の下方に移動させることができる。
【0070】
この姿勢のままで、ヒートシンク31がその傾斜方向に沿った前方Fへ引き出されることで、サーマルヘッドユニット30を図4に示すように、収容部Sから本体部2の外部に引き出すことができる。
【0071】
サーマルヘッドユニット30を本体部2に取り付ける場合は、上述した説明の操作の順序を、時系列を反対にして行えばよい。
【0072】
本実施形態のサーマルヘッドユニット30の支持構造は、サーマルヘッドユニット30を本体部2に取り付ける際に、複数のコイルばね21の下端を1つずつサーマルヘッドユニットの所定位置にセットする必要が無い。すなわち、本実施形態における押圧部材20は、3つのコイルばね21の下端をばねホルダ22によって一体に保持していて、サーマルヘッドユニット30は3つのコイルばね21をそれぞれ位置決めすることがなく、1つのばねホルダ22との間でのみ位置決めを行えば足りる。
【0073】
したがって、本実施形態の本実施形態のサーマルヘッドユニット30の支持構造及びこの支持構造を備えたプリンタ1は、サーマルヘッドユニット30の位置決めの動作を容易にすることができる。
【0074】
また、サーマルヘッドユニット30を、傾斜した姿勢(前下がりの姿勢)のままでエンボス16に載せた状態で後方Bに移動させ、位置決め孔35に突起24を挿入させるだけの簡単な操作で、サーマルヘッドユニット30とばねホルダ22との位置決めを行うことができる。
【0075】
そして、この突起24を位置決め孔35から退避させる操作も、ヒートシンク31の後部を上方に持ち上げるだけの操作であるため、ヒートシンク31を直接目視しながら行う必要は無く、また、狭い作業空間で手探りでも行うことができる。
【0076】
したがって、サーマルヘッドユニット30が、本体部に対して上方に開閉する上カバーに設けられているもののように、上カバーを広い作業空間に露出した状態でサーマルヘッドユニットを脱着する場合はもとより、特に、本実施形態のプリンタ1のように、前カバー3を開いた状態の本体部2の狭い内部に手を挿し入れてサーマルヘッドユニット30を脱着する場合に、より簡単な操作を実現することができる。
【0077】
本実施形態のプリンタ1及びサーマルヘッドユニット30の支持構造は、位置決め孔35と突起24との係合を解除する係合解除部として、支点突起27と傾斜面26とを適用したものであるが、支点突起27は、ばねホルダ22に形成されているものでなくてもよい。
【0078】
すなわち、ばねホルダ22に形成した支点突起27に代えて、ばねホルダ22が上方に持ち上げられたときに、ばねホルダ22の上端の後部に突き当たって、ばねホルダ22を時計回りに回転させる、天板13の天面から下方に突出して形成された支点突起を適用することもできる。このように形成された支点突起と傾斜面26とは協働して、位置決め孔35と突起24との係合を解除する方向に変位させる係合解除部の一例となる。
【0079】
また、本発明に係るプリンタ及びサーマルヘッドユニットの支持構造における係合解除部は、位置決め孔35と突起24との係合を解除する機能を発揮するものであればよく、上述した支点突起27と傾斜面26との組み合わせに限定するものではない。
【0080】
すなわち、本実施形態のプリンタ1及びサーマルヘッドユニット30の支持構造においては、例えば、図9に示した状態から、ばねホルダ22の前端に、指を掛けてばねホルダ22の前部を上方に押し上げることで、突起24を位置決め孔35から退避させるような指掛け部を設けたものでは、その指掛け部を係合解除部として適用することもできる。
【0081】
ただし、上述した実施形態における支点突起27と傾斜面26との組み合わせの係合解除部は、切欠き33から支点シャフト15を抜くために、ヒートシンク31の後部を上方に持ち上げる操作をそのまま延長して、さらに後部を持ち上げるだけの操作を行うだけで、係合を解除することができるため、係合を解除するための別の動きを行う必要が無く、係合を解除するための操作を簡便化することもできる。
【0082】
本実施形態の係合部の一例としての突起24は、位置決め孔35に近づいていくときの移動方向の後ろ側に、突起24を位置決め孔35に案内する案内面(例えば、傾斜面)を有するものであることが好ましい。
【0083】
図12は、位置決め孔35に案内する傾斜面24a(案内面)が形成された突起24を、位置決め孔35と係合させる状態を説明する突起24付近の要部断面図である。
【0084】
このように、突起24の後ろ側の面に傾斜面24aが形成されていることにより、本体部2から取り外されている状態のサーマルヘッドユニット30を本体部2に取り付けるために、ばねホルダ22に対してヒートシンク31を、図12に示すように後方Bに移動させると、突起24の先端が位置決め孔35に挿入された時点で、突起24の、相対的な移動方向の後ろ側に形成された傾斜面24aに、位置決め孔35の上端縁が接することで、単なる水平面の場合よりも傾斜面24aは下方に落下するように位置決め孔35に滑り落ちる。
【0085】
したがって、突起24の下端が水平に形成されているものに比べて、傾斜面24aが形成された突起24は、突起24が位置決め孔35に案内され易い。これにより、本体部2に対してサーマルヘッドユニット30を取り付ける操作を、一層容易にすることができる。
【0086】
本実施形態は、プリントヘッドユニットとしてサーマルヘッドユニットを適用したものであるが、本発明に係るプリントヘッドユニットの支持構造はサーマルヘッドユニットの支持構造に限定するものではなく、その他の形式のプリントヘッドユニットの支持構造にも適用することができる。
【0087】
同様に、本実施形態は、プリンタとしてサーマルプリンタを適用したものであるが、本発明に係るプリンタはサーマルプリンタに限定するものではなく、その他の形式のプリンタにも適用することができる。
【符号の説明】
【0088】
1 サーマルプリンタ
10 フレーム
15 支点シャフト
16 エンボス
17 ホルダ案内片
20 押圧部材
21 コイルばね
22 ばねホルダ
24 突起
26 傾斜面
27 支点突起
30 サーマルヘッドユニット
31 ヒートシンク
35 位置決め孔
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12