特開2020-78969(P2020-78969A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特開2020-78969スライド装置及びスライド装置用キャップ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-78969(P2020-78969A)
(43)【公開日】2020年5月28日
(54)【発明の名称】スライド装置及びスライド装置用キャップ
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/075 20060101AFI20200501BHJP
【FI】
   B60N2/075
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-212229(P2018-212229)
(22)【出願日】2018年11月12日
(71)【出願人】
【識別番号】000241500
【氏名又は名称】トヨタ紡織株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】林 宏昭
【テーマコード(参考)】
3B087
【Fターム(参考)】
3B087BA02
3B087BB04
3B087BC16
(57)【要約】
【課題】低コストで固定レールから異物を排出できる機能を実装したスライド装置を提供する。
【解決手段】本開示の一態様は、シートに取り付けられた可動レールと、可動レールをスライド可能に支持すると共に、可動レールのスライド方向に延伸する底壁を有する固定レールと、上方から底壁を貫通するボルトと、固定レールのスライド方向の端部を被覆するキャップと、を備えるスライド装置である。キャップは、端部に取り付けられた取付部と、底壁に沿って取付部からスライド方向に延伸する舌片部と、を有する。舌片部は、ボルトよりもスライド方向内側まで延伸する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートに取り付けられた可動レールと、
前記可動レールをスライド可能に支持すると共に、前記可動レールのスライド方向に延伸する底壁を有する固定レールと、
上方から前記底壁を貫通するボルトと、
前記固定レールの前記スライド方向の端部を被覆するキャップと、
を備え、
前記キャップは、
前記端部に取り付けられた取付部と、
前記底壁に沿って前記取付部から前記スライド方向に延伸する舌片部と、
を有し、
前記舌片部は、前記ボルトよりも前記スライド方向内側まで延伸する、スライド装置。
【請求項2】
請求項1に記載のスライド装置であって、
前記固定レールは、
前記底壁のレール幅方向の両端からそれぞれ上方に延伸する2つの外側壁と、
前記2つの外側壁の上端からそれぞれ前記底壁に向かって延伸する2つの内側壁と、
を有し、
前記舌片部は、レール幅方向の寸法が前記2つの内側壁間のレール幅方向の距離よりも大きい領域を有する、スライド装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のスライド装置であって、
前記舌片部の上面は、前記スライド方向内側の先端に向かうに連れて前記底壁との距離が小さくなる、スライド装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のスライド装置であって、
前記舌片部の下面は、前記スライド方向内側の先端に向かうに連れて前記底壁との距離が大きくなる、スライド装置。
【請求項5】
シートに取り付けられた可動レールをスライド可能に支持する固定レールにおける前記可動レールのスライド方向の端部に取り付けられる取付部と、
前記取付部が前記端部へ取り付けられた状態で、前記固定レールの前記スライド方向に延伸する底壁に沿って、前記取付部から前記スライド方向に延伸する舌片部と、
を有し、
前記舌片部は、上方から前記底壁を貫通するボルトの取付位置よりも前記スライド方向内側まで延伸する、スライド装置用キャップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、スライド装置及びスライド装置用キャップに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の乗物に設置されるシートにおいて、シートクッションを支持するクッションフレームには、シートクッションを前後方向にスライドさせるためのスライド装置が設けられる。
【0003】
スライド装置は、フロア(例えば乗物のボディ)に固定される固定レールと、固定レールに対してスライド可能な可動レールとを有する。固定レールは、可動レールが通過するための開口を上部に有する。また、固定レールは、ボルトによってフロアに固定される。
【0004】
上記開口を介して固定レール内に異物が侵入した場合、異物が可動レールとボルトの頭部との間に挟まれることで、スライド装置の動作不良、破損等の不具合が生じ得る。そこで、異物がボルトの頭部を乗り越えて固定レール内から排出されるように、異物排出部材を固定レール内に配置したスライド装置が考案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018−2047号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記異物排出部材を固定レールへ取り付けるには、固定レール内で組み付け作業を行う必要があり、組み付けコストが生じる。また、異物排出部材に係合部を設ける必要があるため、異物排出部材の部品コストが高まる。
【0007】
本開示の一局面は、低コストで固定レールから異物を排出できる機能を実装したスライド装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様は、シート(1)に取り付けられた可動レール(6)と、可動レール(6)をスライド可能に支持すると共に、可動レール(6)のスライド方向に延伸する底壁(71)を有する固定レール(7)と、上方から底壁(71)を貫通するボルト(8A)と、固定レール(7)のスライド方向の端部(7A)を被覆するキャップ(9)と、を備えるスライド装置(4)である。
【0009】
また、キャップ(9)は、端部(7A)に取り付けられた取付部(91)と、底壁(71)に沿って取付部(91)からスライド方向に延伸する舌片部(92)と、を有する。舌片部(92)は、ボルト(8A)よりもスライド方向内側まで延伸する。
【0010】
このような構成によれば、固定レール(7)の端部(7A)を被覆するキャップ(9)の取り付けによって、舌片部(92)を固定レール(7)内に配置することができる。舌片部(92)は、固定レール(7)をフロアに固定するボルト(8A)よりも内側まで延伸しているので、固定レール(7)の内部に侵入した異物は、可動レール(6)に押されて舌片部(92)に乗り上げ、ボルト(8A)を乗り越えることができる。また、舌片部(92)は、キャップ(9)の一部であり、固定レール(7)への特別な固定機構を必要としない。したがって、舌片部(92)を有するキャップ(9)を用いることで、低コストで固定レール(7)から異物を排出する機能を実装できる。
【0011】
本開示の一態様では、固定レール(7)は、底壁(71)のレール幅方向の両端からそれぞれ上方に延伸する2つの外側壁(72A,72B)と、2つの外側壁(72A,72B)の上端からそれぞれ底壁(71)に向かって延伸する2つの内側壁(73A,73B)と、を有してもよい。舌片部(92)は、レール幅方向の寸法(W)が2つの内側壁(73A,73B)間のレール幅方向の距離(D)よりも大きい領域(92G)を有してもよい。このような構成によれば、舌片部(92)の強度を高めることができる。また、舌片部(92)は、固定レール(7)の端部(7A)からスライド方向に挿入できるため、内側壁(73A,73B)間の距離(D)よりも舌片部(92)の幅(W)が大きい領域(92G)があっても舌片部(92)を容易に固定レール(7)内に配置することができる。
【0012】
本開示の一態様では、舌片部(92)の上面(92A)は、スライド方向内側の先端(92C)に向かうに連れて底壁(71)との距離が小さくなってもよい。このような構成によれば、異物が舌片部(92)に乗り上げやすくなるので、固定レール(7)から異物をより確実に排出できる。
【0013】
本開示の一態様では、舌片部(92)の下面(92B)は、スライド方向内側の先端(92C)に向かうに連れて底壁(71)との距離が大きくなってもよい。このような構成によれば、舌片部(92)を固定レール(7)内に挿入するときに、舌片部(92)がボルト(8A)の頭部を乗り越えやすくなる。そのため、舌片部(92)の設置をより容易に行なうことができる。
【0014】
本開示の別の態様は、シート(1)に取り付けられた可動レール(6)をスライド可能に支持する固定レール(7)における可動レール(6)のスライド方向の端部(7A)に取り付けられる取付部(91)と、取付部(91)が端部(7A)へ取り付けられた状態で、固定レール(7)のスライド方向に延伸する底壁(71)に沿って、取付部(91)からスライド方向に延伸する舌片部(92)と、を有するスライド装置用キャップ(9)である。舌片部(92)は、上方から底壁(71)を貫通するボルト(8A)の取付位置よりもスライド方向内側まで延伸する。
【0015】
このような構成によれば、キャップ(9)の取り付けによって舌片部(92)を固定レール(7)内に配置することができる。したがって、舌片部(92)によって、低コストで固定レール(7)から異物を排出する機能を実装できる。
【0016】
なお、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的構成等との対応関係を示す一例であり、本開示は上記括弧内の符号に示された具体的構成等に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、実施形態におけるシートの模式的な斜視図である。
図2図2は、図1のシートのクッションフレーム及びスライド装置の一部を示す模式的な斜視図である。
図3図3は、図2のIII−III線での模式的な切断部端面図である。
図4図4は、図1のスライド装置におけるキャップの模式的な斜視図である。
図5図5Aは、図2のVA−VA線での模式的な部分断面図であり、図5Bは、図2のVB−VB線での模式的な切断部端面図である。
図6図6は、図5Aとは異なる実施形態におけるキャップを示す模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本開示が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。
[1.第1実施形態]
[1−1.構成]
図1に示すシート1は、シートクッション2Aと、シートバック2Bと、クッションフレーム3とを備える。
【0019】
シートクッション2Aは、着席者の臀部等を支持するための部位である。シートバック2Bは、着席者の背部を支持するための部位である。クッションフレーム3は、シートクッション2Aを支持する。
【0020】
クッションフレーム3は、図2に示すように、シート前後方向に延伸するパネル状のサイドフレーム31を有する。サイドフレーム31には、複数のリンク34が揺動可能に取り付けられている。
【0021】
なお、図2には示されていないが、クッションフレーム3は、シート幅方向に離間して配置された2つのサイドフレーム31を有する。2つのサイドフレーム31は、フロントフレーム32、パイプ33等によってシート幅方向に連結されている。
【0022】
本実施形態のシート1は、乗用車の座席シートとして使用される。なお、以下の説明及び各図面における方向は、シート1を乗物(つまり乗用車)に組み付けた状態における方向を意味する。また、本実施形態では、シート幅方向は、乗物の左右方向に一致し、シート前方は、乗物の前方に一致する。
【0023】
<スライド装置>
図1に示すスライド装置4は、シート1に取り付けられている。スライド装置4は、図2に示すように、ループハンドル5と、2つの可動レール6と、2つの固定レール7と、第1ボルト8A及び第2ボルト8Bと、キャップ9とを備える。
【0024】
(ループハンドル)
ループハンドル5は、可動レール6のロックを操作するための部材である。ループハンドル5は、2つの可動レール6と共にシート前後方向にスライドする。
【0025】
(可動レール)
2つの可動レール6は、いわゆるアッパレールであり、金属で形成されている。2つの可動レール6は、後述する2つの固定レール7とそれぞれ組み合わされ、パワー式又はマニュアル式のスライド機構を構成している。
【0026】
各可動レール6は、シート前後方向に延伸し、各固定レール7に対しシート前後方向にスライド可能に構成されている。可動レール6は、複数のリンク34を介してクッションフレーム3のサイドフレーム31に取り付けられている。
【0027】
図3に示すように、可動レール6は、シート上下方向と垂直な方向に延伸し、クッションフレーム3と対向する上壁61と、上壁61のレール幅方向両側に配置され、レール幅方向に対向する2つの側壁62A,62Bとを有する。2つの側壁62A,62Bは、それぞれ、上壁61のレール幅方向の両端から下方に延伸し、さらにレール幅方向外側かつ上方に向かってU字状に湾曲している。可動レール6は、シート幅方向の中心を通りシート幅方向と垂直な面に対して対称形状である。
【0028】
ここで、「レール幅方向」とは、シート上下方向と可動レール6のスライド方向とに垂直な方向を意味する。なお、本実施形態では、レール幅方向はシート幅方向に一致している。
【0029】
(固定レール)
2つの固定レール7は、いわゆるロアレールであり、金属で形成されている。2つの固定レール7は、それぞれ1つの可動レール6を上下方向と垂直な方向にスライド可能に支持している。2つの固定レール7は、レール幅方向に離間して配置されている。
【0030】
各固定レール7は、シート前後方向に延伸している。固定レール7は、底壁71と、2つの外側壁72A,72Bと、2つの内側壁73A,73Bと、上部摺動部74A,74Bと、下部摺動部75A,75Bとを有する。固定レール7は、シート幅方向の中心を通りシート幅方向と垂直な面に対して対称形状である。
【0031】
底壁71は、可動レール6のスライド方向に延伸している。底壁71は、可動レール6の上壁61と対向している。底壁71の上面は平坦である。
2つの外側壁72A,72Bは、底壁71のレール幅方向の両端からそれぞれ上方に延伸している。
【0032】
2つの内側壁73A,73Bは、外側壁72A,72Bの上端からそれぞれ底壁71に向かって延伸している。具体的には、内側壁73A,73Bは、外側壁72A,72Bの上端からシート幅方向内側に延伸した後、湾曲して下方に延伸している。
【0033】
外側壁72A,72Bと内側壁73A,73Bとにより、下側が開放され、かつスライド方向に延伸する溝状の空間が形成されている。可動レール6における側壁62A,62Bの上方に湾曲した先端部は、固定レール7に形成された上記溝状の空間に挿入されている。このように可動レール6の側壁と固定レール7の側壁とが互いの先端部を挟むように配置されることで、可動レール6のシート幅方向の移動が規制されている。
【0034】
上部摺動部74A,74Bは、上記溝状の空間の上方に配置されている。上部摺動部74A,74Bは、可動レール6の側壁62A,62Bの先端部に上方から当接し、スライドする側壁62A,62Bと摺動する。
【0035】
下部摺動部75A,75Bは、底壁71のシート幅方向の端部近傍に配置されている。下部摺動部75A,75Bは、可動レール6の側壁62A,62Bに下方から当接し、可動レール6を支持しつつ、スライドする側壁62A,62Bと摺動する。
【0036】
固定レール7は乗物のフロアに固定されていてもよいし、シート1の折り畳みが可能なように、例えば固定レール7のシート後側の端部が乗物のフロアに着脱可能に構成されていてもよい。
【0037】
(ボルト)
図2に示す第1ボルト8A及び第2ボルト8Bは、図示しないナットに螺合することで、固定レール7を乗物のボディに固定している。
【0038】
第1ボルト8A及び第2ボルト8Bは、それぞれ、上方から固定レール7の底壁71を貫通し、乗物のボディに到達している。第1ボルト8A及び第2ボルト8Bの頭部は、底壁71の上に載っている。
【0039】
(キャップ)
キャップ9は、固定レール7におけるスライド方向の端部7A,7Bのうち、シート前方の第1端部7Aを被覆している。キャップ9は、図4に示すように、取付部91と、舌片部92とを有する。
【0040】
取付部91は、固定レール7の第1端部7Aに取り付けられた部位である。具体的には、取付部91は、断面がC字状の枠体で構成され、固定レール7の第1端部7Aにおける外周面に装着されている。固定レール7の第1端部7Aはスライド方向に開口しており、取付部91は、第1端部7Aのスライド方向における開口を閉塞しないように取り付けられている。
【0041】
舌片部92は、取付部91が第1端部7Aに取り付けられた状態で、底壁71に沿って取付部91からスライド方向に延伸している部位である。本実施形態では、図5Aに示すように、舌片部92の下面92Bは、全体が底壁71と接触している。つまり、舌片部92と底壁71との間に隙間は存在しない。
【0042】
舌片部92は、第1端部7Aに近接する第1ボルト8Aの取付位置よりもスライド方向内側まで延伸している。つまり、舌片部92の先端92Cは、第1ボルト8Aよりもスライド方向内側に位置する。
【0043】
本実施形態では、舌片部92の厚みは、第1ボルト8Aの頭部の厚み(つまり、底壁71から突出している部分の高さ)よりも小さい。そのため、舌片部92は、第1ボルト8Aが貫通する開口92Dを有する。
【0044】
舌片部92の上面92Aは、先端92Cに向かうに連れて底壁71との距離が小さくなっている。つまり、舌片部92の上面92Aは、先端92Cに向かうに連れて舌片部92の厚みが小さくなるように傾斜している。
【0045】
図5Aでは、先端92Cの近傍の先端近傍領域92Eにおける上面92Aは傾斜した平坦面であるが、先端近傍領域92Eにおける上面92Aは湾曲していてもよい。また、先端近傍領域92Eにおける上面92Aは、底壁71との距離が段階的(つまり非連続的)に変化してもよい。なお、開口92Dが設けられた拡幅領域92Gと先端近傍領域92Eとの間の中間領域92Fにおける上面92Aは、底壁71の上面と平行な平坦面である。
【0046】
拡幅領域92Gは、他の領域よりも幅(つまり、レール幅方向の寸法)が大きい。図5Bに示すように、拡幅領域92Gにおける舌片部92の幅Wは、拡幅領域92Gと上下方向に重なる位置(つまり、スライド方向の同じ位置)における2つの内側壁73A,73B間のレール幅方向の距離Dよりも大きい。なお、中間領域92Fにおける舌片部92の幅は、図4に示すように、第1ボルト8Aの頭部の径よりも小さい。
【0047】
キャップ9の材質は特に限定されないが、樹脂が好ましい。樹脂を用いることで、舌片部92の形状の自由度が高まる。また、取付部91に弾性を持たせることができるので、固定レール7への取付が容易になる。
【0048】
[1−2.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1a)固定レール7の第1端部7Aを被覆するキャップ9の取り付けによって、舌片部92を固定レール7内に配置することができる。図5Aに示すように、舌片部92は、固定レール7をフロア(つまり乗物のボディ)に固定する第1ボルト8Aよりも内側まで延伸しているので、固定レール7の内部に侵入した異物Sは、可動レール6又はループハンドル5に押されて舌片部92に乗り上げ、第1ボルト8Aを乗り越えることができる。また、舌片部92は、キャップ9の一部であり、固定レール7への特別な固定機構を必要としない。したがって、舌片部92を有するキャップ9を用いることで、低コストで固定レール7から異物Sを排出する機能を実装できる。
【0049】
(1b)舌片部92が内側壁73A,73B間の距離Dよりも幅Wが大きい拡幅領域92Gを有することで、舌片部92の強度を高めることができる。また、舌片部92は、固定レール7の第1端部7Aからスライド方向に挿入できるため、拡幅領域92Gがあっても舌片部92を容易に固定レール7内に配置することができる。
【0050】
(1c)舌片部92の上面92Aが先端92Cに向かうに連れて底壁71との距離が小さくなることで、異物Sが舌片部92に乗り上げやすくなる。その結果、固定レール7から異物Sをより確実に排出できる。
【0051】
[2.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
【0052】
(2a)上記実施形態のスライド装置4において、舌片部92は、必ずしも内側壁73A,73B間の距離よりも幅が大きい領域を有しなくてもよい。また、舌片部92の幅はスライド方向に沿って一定であってもよい。
【0053】
(2b)上記実施形態のスライド装置4において、必ずしも先端92Cに向かうに連れて舌片部92の上面92Aと底壁71との距離が小さくならなくてもよい。つまり、上面92Aはスライド方向全体において底壁71の上面と平行であってもよい。
【0054】
また、図6に示すように、舌片部92の下面92Bは、スライド方向内側の先端92Cに向かうに連れて底壁71との距離が大きくなってもよい。つまり、舌片部92の下面92Bと底壁71との間に空隙が設けられ、この空隙が先端92Cに向かうに連れて上下方向に広がるように、下面92Bが傾斜してもよい。これにより、舌片部92を固定レール7内に挿入するときに、舌片部92が第1ボルト8Aの頭部を乗り越えやすくなる。そのため、舌片部92の設置をより容易に行なうことができる。なお、舌片部92の上面92Aと下面92Bの双方が傾斜していてもよい。
【0055】
(2c)上記実施形態のスライド装置4において、キャップ9は、固定レール7におけるスライド方向の2つの端部7A,7Bのうち、シート後方の第2端部7Bに取り付けられてもよい。
【0056】
(2d)上記実施形態のスライド装置4は、乗用車以外の自動車に用いられるシートや、自動車以外の例えば鉄道車両、船舶、航空機等の乗物に用いられるシートにも適用できる。また、上記実施形態のスライド装置4は、乗物以外の建物で使用されるシートにも適用できる。
【0057】
(2e)上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
【符号の説明】
【0058】
1…シート、2A…シートクッション、2B…シートバック、
3…クッションフレーム、4…スライド装置、5…ループハンドル、6…可動レール、
7…固定レール、7A…第1端部、7B…第2端部、8A…第1ボルト、
8B…第2ボルト、9…キャップ、31…サイドフレーム、32…フロントフレーム、
33…パイプ、34…リンク、61…上壁、62A,62B…側壁、71…底壁、
72A,72B…外側壁、73A,73B…内側壁、
74A,74B,75A,75B…摺動部、91…取付部、92…舌片部、
92A…上面、92B…下面、92C…先端、92D…開口、
92E…先端近傍領域、92F…中間領域、92G…拡幅領域。
図1
図2
図3
図4
図5
図6