特開2020-79027(P2020-79027A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-79027(P2020-79027A)
(43)【公開日】2020年5月28日
(54)【発明の名称】車両のアンテナ構造
(51)【国際特許分類】
   B60R 11/02 20060101AFI20200501BHJP
   B60J 5/04 20060101ALI20200501BHJP
   B60J 5/10 20060101ALI20200501BHJP
   H01Q 1/48 20060101ALI20200501BHJP
   H01Q 1/44 20060101ALI20200501BHJP
   H01Q 1/32 20060101ALI20200501BHJP
   H01Q 1/22 20060101ALI20200501BHJP
【FI】
   B60R11/02 A
   B60J5/04 R
   B60J5/10 Z
   H01Q1/48
   H01Q1/44
   H01Q1/32 Z
   H01Q1/22 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-213349(P2018-213349)
(22)【出願日】2018年11月13日
(71)【出願人】
【識別番号】000157083
【氏名又は名称】トヨタ自動車東日本株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】308013436
【氏名又は名称】小島プレス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082876
【弁理士】
【氏名又は名称】平山 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100086807
【弁理士】
【氏名又は名称】柿本 恭成
(74)【代理人】
【識別番号】100178906
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 充和
(72)【発明者】
【氏名】水落 和仁
(72)【発明者】
【氏名】池田 朋之
【テーマコード(参考)】
3D020
5J046
5J047
【Fターム(参考)】
3D020BA13
3D020BC06
3D020BC07
3D020BC14
5J046AA04
5J046AA17
5J046MA03
5J046MA09
5J046MA12
5J046SA00
5J046TA03
5J047AA04
5J047EA01
5J047EA02
(57)【要約】
【課題】樹脂製のドアパネルに装着されたアンテナ部品のメンテナンス性を向上することができ、また補強R/Fやヒンジ等を非金属にしても良好なアンテナ特性が得られる車両のアンテナ構造を提供する。
【解決手段】アンテナエレメント21及びアンテナアンプ22を含むアンテナ部品20が、バックドア11の樹脂製ドアパネル15に装着され、アンテナアンプ22と車体本体12の金属部12aとがアース部24で接続された車両10のアンテナ構造であって、ドアパネル15に車室18側に開口して設けられた凹部15cと、アンテナ部品20が収容された凹部15cを開閉可能に覆うカバー部15dと、を備え、金属製の飛散防止ワイヤ16がバックドア11の外周囲側に配設されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナエレメント及びアンテナアンプを含むアンテナ部品を車両ドアの樹脂製ドアパネルに装着し、前記アンテナアンプと車体本体の金属部とをアース部で接続した車両のアンテナ構造であって、
前記ドアパネルに車室側に開口して設けられた凹部と、
前記アンテナ部品が収容された前記凹部を開閉可能に覆うカバー部と、
を備えた車両のアンテナ構造。
【請求項2】
アンテナエレメント及びアンテナアンプを含むアンテナ部品を車両ドアの樹脂製ドアパネルに装着し、前記アンテナアンプと車体本体の金属部とをアース部で接続した車両のアンテナ構造であって、
前記車両ドアに前記アンテナ部品を収容する収容部が設けられるとともに、金属製の飛散防止ワイヤが、前記アンテナエレメントに対して地板として機能可能に前記車両ドアの外周囲側に配設されている車両のアンテナ構造。
【請求項3】
前記アース部が前記飛散防止ワイヤの一部からなり、前記アンテナアンプが前記飛散防止ワイヤに接続されている、請求項2に記載の車両のアンテナ構造。
【請求項4】
前記車両ドアの上部に樹脂製のルーフパネルが配設され、
前記ルーフパネルには、前記アース部と接続された金属製の追加ワイヤが前記アンテナエレメントに対して地板として機能可能な位置に配設されている、請求項2に記載の車両のアンテナ構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂製のドアパネルにアンテナエレメント及びアンテナアンプが装着された車両のアンテナ構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、樹脂製のドアパネルにアンテナエレメント及びアンテナアンプが装着された車両のアンテナ構造が提案されている。
例えば下記特許文献1では、合成樹脂製の外側パネルと内側パネルとが一体化されたドアパネルにアンテナが配置された合成樹脂製ドアパネルが提案されている。この合成樹脂製ドアパネルには、例えば外側パネル上部のスポイラの内側などの非透明樹脂部にアンテナエレメントが配置され、アースとなるドアパネルのヒンジにアンテナアンプが接続されることで、外部から見えない状態でアンテナを配置でき、アンテナの種類や位置が自由に選定できるようにされていた。
【0003】
また下記特許文献2では、合成樹脂を用いたインナーパネルとアウターパネルとで構成された自動車用の合成樹脂製ドアパネルにアンテナが装着されたドア内蔵車載アンテナが提案されている。このドア内蔵車載アンテナでは、インナーパネルとアウターパネルとの間に挟まれた空間部にアンテナを配置することで、外観を損なわずにアンテナの配置場所に大きな自由度を持たせていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−165336号公報
【特許文献2】特開2006−295712号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の樹脂製のドアパネルに装着されたアンテナ構造では、インナーパネルとアウターパネルとが接合された車両ドアの内部にアンテナエレメントやアンテナアンプ等のアンテナ部品が装着されていた。そのためアンテナ部品に故障や不具合等が生じると、例えばアンテナ部品が内蔵されたドア全体を交換したり、インナーパネルとアウターパネルとを分離して補修や交換を行い、再度接合したりする必要があり、メンテナンス性についての改善が望まれている。
また樹脂製のドアパネルに装着されたアンテナ構造では、車両ドア内の補強リインフォース(以下、補強R/F)やヒンジ等を非金属にしたり或いは車両ドアを車体本体に装着する金属ヒンジが劣化したりすると、アースが取れないという問題もあった。
【0006】
そこで本発明では、樹脂製のドアパネルに装着されたアンテナ部品のメンテナンス性を向上することができる車両のアンテナ構造を提供することを一目的とし、また樹脂製のドアパネルにアンテナ部品が装着された構造において補強R/Fやヒンジ等を非金属にしたり又は金属ヒンジが劣化したとしても、良好なアンテナ特性が得られる車両のアンテナ構造を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する本発明の車両のアンテナ構造は、アンテナエレメント及びアンテナアンプを含むアンテナ部品が、車両ドアの樹脂製ドアパネルに装着され、アンテナアンプと車体本体の金属部とがアース部で接続された車両のアンテナ構造であって、ドアパネルに車室側に開口して設けられた凹部と、アンテナ部品が収容された凹部を開閉可能に覆うカバー部と、を備えている。
【0008】
本発明の車両のアンテナ構造では、車両ドアが車体本体にヒンジにより開閉可能に装着され、アース部がアンテナアンプと車体本体の金属部とを接続するアース線を備えている。
【0009】
本発明の他の車両のアンテナ構造では、アンテナエレメント及びアンテナアンプを含むアンテナ部品が、車両ドアの樹脂製ドアパネルに装着され、アンテナアンプと車体本体の金属部とがアース部で接続された車両のアンテナ構造であって、車両ドアにアンテナ部品が収容される収容部が設けられるとともに、金属製の飛散防止ワイヤがアンテナエレメントに対して地板として機能可能に車両ドアの外周囲側に配設されている。その場合、アース部が飛散防止ワイヤの一部からなり、アンテナアンプが飛散防止ワイヤに接続されている。
【0010】
本発明の車両のアンテナ構造では、車体本体の金属部が金属製のルーフパネルである。また車両ドアの上部に樹脂製のルーフパネルが配設され、ルーフパネルには、アース部と接続された金属製の追加ワイヤがアンテナエレメントに対して地板として機能可能な位置に配設されている。
【発明の効果】
【0011】
本発明の車両のアンテナ構造によれば、ドアパネルの車室側に開口した凹部にアンテナ部品が収容されてカバー部により開閉可能に覆われているので、アンテナ部品に不具合が生じたとしても、カバー部を開いて補修や交換等を容易に行うことができる。よって、樹脂製のドアパネルに装着されたアンテナ部品のメンテナンス性を向上することができる車両のアンテナ構造を提供できる。
【0012】
本発明の車両のアンテナ構造において、車両ドアが車体本体にヒンジにより開閉可能に装着され、アース部がアンテナアンプと車体本体の金属部とを接続するアース線を備えていれば、車両ドアを車体本体に開閉可能に装着するヒンジや補強R/Fを非金属にしても、或いは金属のヒンジが経年劣化しても、アースとなる車体本体の金属部にアンテナアンプを確実に接続でき、良好なアンテナ特性が得られるとともに長期間維持できる。
【0013】
本発明の車両のアンテナ構造において、アンテナ部品が樹脂製ドアパネルの収容部に収容され、金属製の飛散防止ワイヤが、アンテナエレメントに対して地板として機能可能に車両ドアの外周囲側に配設されていれば、車両ドアに金属の地板となり得る金属リインフォース(以下、金属R/F)等のような大きい金属部品が存在しなくても、良好なアンテナ特性を実現できる。そのため樹脂製のドアパネルにアンテナ部品が装着された構造で補強R/Fやヒンジ等を非金属にしたり、車両ドアを車体本体に装着する金属ヒンジが劣化したりしても、良好なアンテナ特性が得られる車両のアンテナ構造を提供できる。また樹脂製のドアパネルを用いて大きい金属部材を別に装着する必要がないため、車両ドアを大幅に軽量化できる。さらに飛散防止ワイヤを地板として利用できるため、部品の共通化が図れ、アンテナ構造を備えた車両ドアの構成を簡素化できる。
【0014】
本発明の車両のアンテナ構造において、アース部が飛散防止ワイヤの一部からなり、アンテナアンプが飛散防止ワイヤに接続されていれば、飛散防止ワイヤをアース部として利用でき、アース部を構成する部材を別に設ける必要がなく、更なる部品の共通化を図り、アンテナ構造を簡素化できる。
【0015】
本発明の車両のアンテナ構造において、ルーフパネルが金属製であれば、アンテナエレメントに近接して十分な地板を設けることができ、容易に受信感度等のアンテナ特性を確保できる。
【0016】
一方、本発明の車両のアンテナ構造において、車両ドアの上部に樹脂製のルーフパネルが配設されている場合、樹脂製のルーフパネルに、アース部に接続された金属製の追加ワイヤがアンテナエレメントに対して地板として機能可能な位置に配設されていれば、車両ドアに金属の地板となり得る金属R/Fなどが存在せず、さらにルーフパネルにも地板となり得る金属パネルや金属R/F等が存在していなくても、良好な受信感度などのアンテナ特性を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1実施形態におけるアンテナ構造を適用した車両の後方側の斜視図である。
図2】本発明の第1実施形態における車両のバックドアを開いた状態でルーフ及びバックドアを下から見た概略図である。
図3】本発明の第1実施形態における車両のバックドアにおけるヒンジ付近を示す概略部分断面図である。
図4】本発明の第1実施形態における金属製の飛散防止ワイヤを用いたバックドアと金属R/Fを用いたバックドアとで受信感度を比較した図である。
図5】本発明の第2実施形態における車両のバックドアを開いた状態でルーフ及びバックドアを下から見た概略図である。
図6】本発明の第2実施形態における金属製の追加ワイヤを設けた場合と追加ワイヤを設けない場合とで指向性を比較した図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について図を用いて詳細に説明する。各図中、車両前方をFr、車両後方をRr、車幅方向をW、車両上方をUp、車両下方をLoで示している。
[第1実施形態]
図1乃至図3に示すように、本実施形態の車両10のアンテナ構造では、アンテナエレメント21、アンテナアンプ22等のアンテナ部品20が車両10のバックドア11に装着されている。
【0019】
車両10は、ボデーやフレーム等を有する車体本体12にヒンジ13を介してバックドア11が上下に開閉可能に装着されている。車体本体12の形状や構造は特に限定されないが、本実施形態では金属製のルーフパネル14を備えている。
【0020】
バックドア11は、樹脂製のアウターパネル15a及びインナーパネル15bからなるドアパネル15が互いに接着等により接合一体化されて構成されている。このバックドア11は、金属パネル、金属R/F、金属枠材などの大型の金属部材を用いず、各種のドア部品が樹脂等の非導電性材料を用いて形成されることで軽量化が図られている。
【0021】
このバックドア11には、車両10の衝突やロールオーバー等の際に、ドアパネル15が破損して飛散したり、脱落したりすることを防止するため、バックドア11の外周囲側に飛散防止ワイヤ16が配設されている。飛散防止ワイヤ16は、長尺の金属ワイヤからなり、バックドア11を車体本体12に開閉可能に強固に支持する複数のヒンジ13により両端側が支持されている。本実施形態では、飛散防止ワイヤ16の一端側が車幅方向Wの一方側のヒンジ13に貫通した状態で固定されており、ヒンジ13よりも延長した延長部分16aが設けられている。
【0022】
飛散防止ワイヤ16の延長部分16aは、車体本体12の金属部12aに電気的に接続されることで、後述のようにアース線24aとして利用されている。本実施形態ではルーフパネル14が金属製のため、一端側の延長部分16aはルーフパネル14に固定されている。一方、飛散防止ワイヤ16の他端側の端末は車幅方向Wの他方側に配設されたヒンジ13に固定されている。
【0023】
また飛散防止ワイヤ16のヒンジ13間に配置される中間部分は、アウターパネル15a及びインナーパネル15bの一方又は双方に固定された複数の固定ブロック17に、間隔をおいて支持されている。複数の固定ブロック17は、バックドア11における車幅方向Wの両側及び車両下方Loにおける複数位置に固定されている。これによりバックドア11は外周側で飛散防止ワイヤ16に接合されており、バックドア11が破損して飛散したり脱落したりすることが防止されている。
【0024】
本実施形態のアンテナ構造では、このようなバックドア11におけるドアパネル15の車室18側にアンテナ部品20が装着されている。バックドア11にはアンテナ部品20が収容される収容部が設けられている。具体的には、インナーパネル15bに車室18側に向けて開口して設けられた凹部15cと、凹部15cを開閉可能に覆うカバー部15dと、を備えている。凹部15cにアンテナ部品20が収容された状態で、カバー部15dにより凹部15c全体及びアンテナ部品20が車室18側から覆われている。
【0025】
凹部15cに収容されたアンテナ部品20は、アンテナエレメント21及びアンテナアンプ22等である。アンテナエレメント21は、例えば略λ/4の長さに形成された線材等からなる。アンテナアンプ22はアンテナエレメント21の一端側に装着されてヒンジ13に固定されている。
【0026】
アンテナエレメント21は凹部15cに所定位置及び向き、例えばルーフパネル14近傍の位置に車幅方向Wに延びる向きで配置されて固定されている。アンテナエレメント21は凹部15cに固定されることで、バックドア11の外周側を略環状に囲む金属製の飛散防止ワイヤ16に対して所定位置に配置されており、アンテナエレメント21に対して飛散防止ワイヤ16が地板として機能することが可能となっている。
【0027】
アンテナアンプ22には、ラジオ23等の機器が接続されるとともにアース部24が接続されている。アース部24では、バックドア11に装着されたアンテナアンプ22と、車体本体12に設けられた金属部12aとがアース線24aにより接続されている。アース線24aは、本実施形態では、飛散防止ワイヤ16の一端側の一部からなる。アンテナアンプ22は、ヒンジ13に固定されることで、ヒンジ13に貫通して固定された飛散防止ワイヤ16の延長部分16aに電気的に接続されている。
【0028】
このような本実施形態の車両10のアンテナ構造ではλ/4のモノポールアンテナが構成されている。ここではバックドア11に装着されることで、アンテナエレメント21の周囲に金属製の飛散防止ワイヤ16が配置されるとともに、前方側に金属製のルーフパネル14が配置されることで、優れたアンテナ特性を実現している。
【0029】
例えばバックドア11に、金属R/Fを無くして金属飛散防止ワイヤ16を設けた図2のような構成と、金属R/Fを内部に配置して金属飛散防止ワイヤ16を設けた構成とを、他を全て同一にして、周波数を変化させて受信感度を比較したところ、図4に示すように、何れも十分な受信感度が得られた。
【0030】
以上のような構成の車両10のアンテナ構造によれば、ドアパネル15の車室18側に開口した凹部15cにアンテナ部品20が収容されてカバー部15dにより開閉可能に覆われているので、アンテナ部品20に不具合が生じた際、カバー部15dを開いて補修や交換等を容易に行うことができる。よってドアパネル15を分解してアンテナ部品20の補修や交換等を行ったりバックドア11を交換したりする必要がなく、アンテナ部品20のメンテナンス性を向上することができる。
【0031】
また本実施形態のアンテナ構造では、バックドア11が車体本体12にヒンジ13により開閉可能に装着され、アース部24がアンテナアンプ22と車体本体12の金属部12aとを接続するアース線24aを備えている。そのためバックドア11を車体本体12に開閉可能に装着する金属のヒンジ13が経年劣化しても、或いはヒンジ13を非金属にしたり補強R/Fや枠材を非金属にしても、アースとなる車体本体12の金属部12aにアンテナアンプ22を確実に接続でき良好なアンテナ特性が得られるとともに、長期間維持できる。
【0032】
さらに本実施形態のアンテナ構造では、金属製の飛散防止ワイヤ16が、アンテナエレメント21に対して地板として機能可能にバックドア11の外周囲側に配設されているので、バックドア11に金属の地板となり得る金属パネル、金属R/F、金属ヒンジ、金属枠材などの金属部材が存在しなくても、或いはこれらが経年劣化しても、良好なアンテナ特性が実現できる。しかも樹脂製のドアパネル15を用いて金属部材を過剰に装着する必要がないため、バックドア11を大幅に軽量化できる。同時に飛散防止ワイヤ16を地板として利用することで部品を共通化できるため、アンテナ構造を備えたバックドア11の構成を簡素化することができる。
【0033】
さらに本実施形態のアンテナ構造では、アース部24が飛散防止ワイヤ16の一部からなり、アンテナアンプ22が飛散防止ワイヤ16に接続されているので、飛散防止ワイヤ16をアース部24として利用してアース部24を構成するための部材を別に設ける必要がないため、一層の部品の共通化を図ってアンテナ構造を簡素化し得る。
【0034】
また本実施形態のアンテナ構造では、ルーフパネル14が金属製であれば、ルーフパネル14と接続された車体本体12の金属部12aなどにアースされることで、アンテナエレメント21に近接して十分な地板を設けることができ、容易に受信感度等のアンテナ特性を確保できる。
【0035】
[第2実施形態]
図5に第2実施形態における車両10のアンテナ構造をバックドアに装着した例を示す。この第2実施形態では、車体本体12におけるバックドア11の車両前方Fr側の上部には樹脂製のルーフパネル14が配設されている。この樹脂製のルーフパネル14には、金属パネルや金属R/Fなどが設けられていない。
【0036】
またルーフパネル14には、アンテナ部品20のアース部24と接続された状態で、金属製の追加ワイヤ25が設けられている。追加ワイヤ25は金属ワイヤからなり、車幅方向Wの中央部分に車体本体12の後端部から車両前方Fr側に向けて延びており、例えばλ/4の長さを有している。この追加ワイヤ25は、アンテナエレメント21に対して地板として機能可能な形状及び位置となるように配設されている。その他は、全て第1実施形態と同様である。
【0037】
このような第2実施形態の車両10のアンテナ構造であっても、第1実施形態と同様の作用効果が得られる。
しかも第2実施形態では、バックドア11の上部に樹脂製のルーフパネル14が配設されることで一層の軽量化が図られている。
また樹脂製のルーフパネル14を用いていても、ルーフパネル14にはアース部24に接続された金属製の追加ワイヤ25がアンテナエレメント21に対して地板として機能可能な位置に配設されている。そのためバックドア11に金属パネル、金属R/F、金属枠材などが存在せずさらにルーフパネル14にも地板となり得る金属が存在していなくても、良好なアンテナ特性を実現できる。
【0038】
例えば追加ワイヤ25の有無による指向性を確認したところ、図6に示すように、追加ワイヤ25がない場合に比べ、追加ワイヤ25がある場合には、車両前方側について良好な指向性を実現できた。
【0039】
なお、上記各実施形態は本発明の範囲内において適宜変更可能である。例えば上記各実施形態では、いずれも車両ドアがバックドア11の例について説明したが、車両ドアが他のドアであってもよい。またアンテナ部品20を収容するための凹部15cをバックドア11の上部に設けたが、所望のアンテナ特性が得られる範囲で他の部位に凹部15cを設けてアンテナ部品20を収容することも可能である。さらに、凹部15cの形状や構造等も特に限定されるものではない。例えば凹部15cをドアパネル15と一体に成形したものであってもよく、別に成形された凹部15cをドアパネル15に装着し、或いはドアパネル15に設けた開口に装着することも可能である。
【0040】
上記各実施形態では、何れもアウターパネル15aとインナーパネル15bとの両方共が樹脂により作製されるとともに、補強R/F等の各種ドア部品に金属を用いていないバックドア11の例を用いて説明したが、金属R/Fなどの金属製のドア部品を多用した車両ドアであっても、インナーパネル15bの車室18側に開口した凹部15cを設けて、アンテナ部品20を収容して本発明を適用することは可能である。
【0041】
上記各実施形態では、バックドア11に設けられてアンテナ部品20が収容された収容部として、インナーパネル15bに開口して設けられた凹部15cとカバー部15dとを備えた例について説明したが、収容部の形態はアンテナ部品20を配置できれば特に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0042】
10 車両
11 バックドア
12 車体本体
12a 金属部
13 ヒンジ
14 ルーフパネル
15 ドアパネル
15a アウターパネル
15b インナーパネル
15c 凹部
15d カバー部
16 飛散防止ワイヤ
16a 延長部分
17 固定ブロック
18 車室
20 アンテナ部品
21 アンテナエレメント
22 アンテナアンプ
23 ラジオ
24 アース部
24a アース線
25 追加ワイヤ
図1
図2
図3
図4
図5
図6