【解決手段】ブイ2は、水面10に浮遊可能とされており、かつ、微動計3に連結されている。微動計3は、水底20に設置された状態において、水底20の微動を検出する。本体部4は、微動計3の出力を記録する記録部41を備える。本体部4は、ブイ2に取り付けられており、これによって、水面10の近傍に配置可能とされている。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、深さ100m程度までの地盤情報を得るために用いられる微動アレイ探査の技術が記載されている。微動アレイ探査とは、地表面に複数のセンサ(微動計)を設置して微動を観測し、観測した微動を解析することにより地盤のS波速度構造を推定できる手法である。
【0003】
このような微動アレイ探査によれば、地表面にセンサを配置するという、簡便かつ非破壊の手法により地盤の地下構造の情報を得ることができる。
【0004】
また、近年では、海底での微動アレイ探査も提案されている(下記非特許文献1)。この非特許文献1の技術では、海底に設置した微動計から船上までケーブルを配設し、微動計からの信号を船上に送って観測を行う。
【0005】
しかしながら、一般に、海底での微動探査を行う場合、水深は例えば10m〜100mオーダの深さとなることが予想される。そして、アレイ状に設置される微動計どうしの間隔は、例えば50m〜200m程度の距離とされる。このような状況下で各微動計からのケーブルを船上に引き込むことは、現実的にはかなりの困難が予想される。複数の船に分散してケーブルを引き込むことも考えられるが、その場合は傭船の費用が増加してしまう。また、荒れた海上において船上にケーブルを引き込むことは、船への負担を増加させてしまうという問題もある。
【0006】
また、この技術において、微動計を海底に設置するためには、海面上から微動計を海中に投下することになると想定される。しかしながら、海流などの影響により、投下位置と海底での微動計設置位置とがずれてしまう。このため、従来の技術では、海底での正確な微動計設置位置を把握することが難しいという問題もあった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、前記した状況に鑑みてなされたものである。本発明の主な目的は、海底などの水底に微動計を設置する作業を簡便かつ効率的に行うことができる技術を提供することである。また、本発明の他の目的の一つは、水底における微動計の位置を把握するための技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、以下の項目に記載の発明として表現することができる。
【0011】
(項目1)
水底での微動アレイ探査のために用いられる探査装置であって、
ブイと、微動計と、本体部とを備えており、
前記ブイは、水面に浮遊可能とされており、かつ、前記微動計に連結されており、
前記微動計は、前記水底に設置された状態において、前記水底の微動を検出する構成とされており、
前記本体部は、前記微動計の出力を記録する記録部を備えており、
かつ、前記本体部は、前記ブイに取り付けられており、これによって、前記水面近傍に配置可能とされている
水底微動探査装置。
【0012】
(項目2)
前記本体部は、さらにGPS信号受信部を備えており、
前記GPS信号受信部は、GPS信号に含まれる時間情報及び/又は位置情報を受け取って前記記録部に記録する構成とされている
項目1に記載の水底微動探査装置。
【0013】
(項目3)
前記本体部は、さらにバッテリを備えており、
前記バッテリは、前記記録部に電力を供給する構成となっている
項目1又は2に記載の水底微動探査装置。
【0014】
(項目4)
さらに、前記水底に設置された状態における前記微動計の移動を抑制するためのアンカーを備えており、
前記アンカーは、前記微動計に着脱可能なように取り付けられている
項目1〜3のいずれか1項に記載の水底微動探査装置。
【0015】
(項目5)
項目1〜4のいずれか1項に記載の水底微動探査装置を用いた水底微動探査方法であって、
前記微動計を水中に投下することによって、前記微動計を水底に配置し、かつ、前記ブイと前記本体部とを水面近傍に配置するステップと、
前記微動計によって検出された振動のデータを前記記録部に記録するステップと、
前記記録部に記録された前記振動のデータを用いて前記水底の状態を探査するステップと
を備えた水底微動探査方法。
【0016】
(項目6)
項目1〜4のいずれか1項に記載の水底微動探査装置における前記微動計の、水中での位置を推定する方法であって、
音波を所定の位置から水中において伝播させるステップと、
前記音波による振動を、前記水底に設置された前記微動計により受信するステップと、
前記微動計により受信した前記振動を用いて前記微動計自体の位置を推定するステップと
を備える位置推定方法。
【0017】
(項目7)
項目1〜4のいずれか1項に記載の水底微動探査装置に用いられる前記微動計であって、
前記微動計は、前記水底の微動を受信可能とされた複数の微動計本体を備えている
微動計。
【0018】
(項目8)
項目1〜4のいずれか1項に記載の水底微動探査装置に用いられる前記微動計であって、
前記微動計は、水底の微動を受信可能とされた微動計本体とフレームとを備えており、
前記フレームには、前記微動計が前記水底に設置された状態において、前記微動計の内部における水流の通過を許容する開口部が形成されている
微動計。
【発明の効果】
【0019】
本発明の水底微動探査装置によれば、海底に微動計を設置する作業を簡便かつ効率的に行うことが可能になる。
【0020】
また、本発明の位置推定方法によれば、水底における微動計の位置を比較的に正確に推定することができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の一実施形態に係る水底微動探査装置を、添付の図面を参照しながら説明する。
【0023】
本実施形態の水底微動探査装置(以下単に「探査装置」又は「装置」と略称することがある)1は、ブイ2と、微動計3と、本体部4とを備えている(
図1参照)。さらに、この装置1は、防水容器5と、アンカー6と、信号ケーブル7とを追加的な構成として備えている。
【0024】
本実施形態の装置1は、
図2に示されるように、水中の複数の位置に設置されるものである。微動アレイ探査の場合は、少なくとも四つの装置1が使用される。各装置1は基本的に同様の構成なので、以下においては基本的に一つの装置1について説明する。
【0025】
また、以下の説明においては、この装置1が海において使用されることを想定して説明するが、湖や川など、海以外の場所で使用されることは可能である。
【0026】
(ブイ)
ブイ2は、水面10(
図1及び
図2参照)に浮遊可能なブイ本体21と、このブイ本体21に信号ケーブル7を取り付けるためのフック22とを備えている(
図2及び
図3参照)。ブイ本体21は、このブイ本体21に取り付けられた防水容器5及び本体部4を水面上に浮遊させることができるだけの浮力を有するものであることが好ましい。このようなブイ本体21としては、既存のものを使用可能なので、これ以上詳しい説明は省略する。フック22としては、信号ケーブル7をブイ本体21に容易に着脱できる構成のものが好ましい。フック22についても、既存のものを使用できるので、詳しい説明は省略する。以上の構成により、本実施形態のブイ2は、水面10において浮遊可能とされており、かつ、信号ケーブル7を介して微動計3に連結されたものとなっている。
【0027】
(本体部)
本実施形態の本体部4は、ブイ2に取り付けられており、これによって、水面10の近傍に配置可能とされている。具体的には、本体部4は、ブイ本体21の先端に取り付けられた防水容器5の内部に収納されている。つまり、本体部4は、防水容器5を介してブイ本体21の先端に取り付けられたものとなっている(
図3参照)。
【0028】
本実施形態の本体部4は、記録部41と、GPS信号受信部42と、バッテリ43とを備えている(
図4参照)。
【0029】
記録部41は、信号ケーブル7を介して送られた信号を増幅する増幅器411と、増幅された信号をA/D変換するA/D変換器412と、変換された信号を記録する記録媒体413とを有している。
【0030】
GPS信号受信部42は、GPS衛星50(
図2参照)から送信されたGPS信号を受信する構成となっており、具体的にはGPSアンテナから構成されている。GPS信号受信部42により記録されたGPSデータ(例えば時刻データや位置データ)も、本実施形態では、記録部41の記録媒体413に記録できるようになっている。
【0031】
この構成により、本実施形態のGPS信号受信部42は、GPS信号に含まれる時間情報及び/又は位置情報を受け取って記録部41に記録するようになっている。
【0032】
バッテリ43は、本体部4における動作部分、例えば記録部41を駆動するための電力を供給する構成となっている。一般的な海底微動アレイ探査においては数時間程度の記録時間で十分なので、バッテリ43としては、それに対応して、例えば10時間以上、より好ましくは50時間以上の駆動時間に対応した容量を持つものが用いられる。
【0033】
この構成により、本実施形態の本体部4は、微動計3の出力を記録できるものとなっている。
【0034】
(微動計)
本実施形態の微動計3は、フレーム31と、このフレームに支持されたケース32と、このケース32内に収納された第1微動計本体33及び第2微動計本体34とから構成されている(
図5〜
図12参照)。
【0035】
フレーム31は、同軸で配置された二つの円環311の周囲を接続板312により接続することで構成されている(
図5〜
図8参照)。二つの円環311の間には、開口部313が形成されている。また、二つの円環311の内部は、開口部314となっている。これらの開口部313・314は、微動計3が水底に設置された状態において、微動計3の内部における水流の通過を許容するようになっている。
【0036】
ケース32は、適宜な固定具を用いて、フレーム31における一方の円環311に固定されている。ケース32は、基部321と、この基部321に水密かつ着脱可能なように取り付けられるカバー322とを有している(
図12参照)。第1微動計本体33及び第2微動計本体34は、カバー322の内部に配置されている。
【0037】
本実施形態においては、通常時には、第1微動計本体33のみが動作し、第2微動計本体34は動作しない状態としている。具体的には、第1・第2微動計本体33・34として、上下反転して配置することで動作不能状態となる既知の振動計を用いている。このような振動計の配置方向を設定することで、一方のみが動作状態となり、他方を動作不能状態とすることができる。また、ケース32を初期状態に対して上下反転して配置することにより、動作する微動計本体を切り替えることができるようになっている。
【0038】
基部321の端部には、信号ケーブル7を接続するためのコネクタ323が組み込まれており、これによって、微動計3の出力を外部に取り出すことができるようになっている。
【0039】
以上の構成により、本実施形態の微動計は、水底20に設置された状態において、水底20の微動を検出できるようになっている。
【0040】
(防水容器)
防水容器5は、内部が水密となるように密閉された箱体状に構成されている(
図3参照)。防水容器5の内部には、本体部4が収納されている。信号ケーブル7は、防水容器5の水密性を損なわないような手段、例えばシール部材(図示せず)を用いて、防水容器5を通過して本体部4に接続されている。防水容器5としては、必要に応じて、ある程度の水深でも使用できる耐圧容器を用いることができるが、一般には、水底において使用するほどの耐圧性を有するものでなくてよい。
【0041】
(アンカー)
アンカー6は、アンカー本体61と、フック62と、チェーン63とを備えている(
図1及び
図13参照)。チェーン63の一端は、微動計3のフレーム31に接続されている。チェーン63の他端は、アンカー本体61の端部に取り付けたフック62に、着脱可能なように取り付けられている。フック62としては、いわゆるカラビナが用いられている。
【0042】
以上の構成により、本実施形態のアンカー6は、水底20に設置された状態における微動計3の移動を抑制することができるようになっている。また、前記しフック62を用いることにより、本実施形態のアンカー6は、微動計3に着脱可能なように取り付けられたものとなっている。
【0043】
(本実施形態の水底微動探査方法)
次に、
図14をさらに参照しながら、前記した装置1を用いて水底(以下の例では海底)20の微動を探査する方法の一例を説明する。
【0044】
(
図14のステップSA−1)
本例では、GPS信号を受信可能な船に、必要数の装置1が搭載されているものとする。この状態で、GPS信号に基づいて、微動計3を投下するべき位置を決定する。一般的な微動アレイ探査の場合、
図2に示されるように、三角形の頂点の位置と、当該三角形の重心の位置に微動計3を配置することが望ましい。もちろん、それ以外の位置にも微動計3を配置することは可能である。
【0045】
(
図14のステップSA−2)
船が所定位置に到達したら、搭載されている装置1の全体(微動計3を含む全体)を所定位置において水中に投下する。この作業を、必要数の装置1について行う。水中に投下された装置1の状態を
図1及び
図2に示す。これらの図に示されるように、水中に投下した状態においては、微動計3とアンカー6とが水底(海底)20に配置される。また、ブイ2の上部は水面10よりも上に配置され、これによって、本体部4も水面10より高い位置に配置される。ここで、信号ケーブル7の長さは、予め想定される水深よりも十分長くされている。なお、微動計3の設置位置の正確な推定については後述する。
【0046】
(
図14のステップSA−3)
水底20に接地した微動計3は、水底(つまり地盤)20の微動を受信し、この微動を、本体部4の記録部41に記録する。また、本体部4のGPS信号受信部42は、GPS衛星50からのGPS信号を受信する。本実施形態では、このGPS信号に含まれる時間情報を用いて、振動の記録時間を正確に把握することができる。
【0047】
記録した微動の振動波形を
図15に示す。
図15の縦軸は速度振幅(cm/s)であるが、四つの波形を縦軸方向に離間して記載している。
【0048】
(
図14のステップSA−4)
所定時間(例えば1時間〜2時間あるいはそれ以上)が経過した後、微動計3を含む装置1の全体を回収する。この回収は、ブイ2の位置を目印とすることにより、船を用いて比較的に容易に行うことができる。
【0049】
(
図14のステップSA−5)
ついで、回収した装置1の本体部4に記録された振動データを解析することにより、地盤の状態、例えばS波速度構造を推定することができる。得られたS波速度構造の一例を
図16に示す。
【0050】
本実施形態の探査装置1によれば、個々の装置1が独立して振動及び時間を取得できるので、個別の装置1から船上にケーブルを引き込む必要がない。このため、実際の微動探査の実施を簡便に行うことができるという利点がある。
【0051】
しかも、本例の装置1では、水底20に配置する部分を微動計3のみとし、本体部4を水上あるいは水面近傍に配置することとしたので、水底20に配置する微動計3を耐圧容器で囲う必要がない。このため、装置1全体として、装置構成を簡略化し、かつ軽量とすることが可能になる。微動計部分に各種計器やバッテリ等を付設し、水底の水圧に耐える強度の耐圧容器でそれらを囲う構造の場合、耐圧容器の重量のため、装置の取り扱いにクレーンが必要になる可能性が高い。これに対して、本実施形態の装置では、装置の軽量化を図れるために、クレーンを使わずに人力での投下が可能になる。すると、小型の船、例えば漁船を使っての探査が可能になり、実際の探査コストの低減が期待できる。
【0052】
また、本実施形態では、微動計3に開口部313及び314を設けたので、海流等の水流から微動計3に加えられる圧力を軽減することができる。すると、微動計3を軽量とした場合でも、微動計3の不意の移動を抑止することができる。したがって、本実施形態によれば、微動計の軽量化を図ることができ、その結果、装置全体を軽量化することが可能になる。
【0053】
(微動計の位置の推定方法)
ついで、水底20に設置された微動計3の位置を推定する方法の一例を、
図17をさらに参照しながら説明する。
【0054】
(
図17のステップSB−1)
まず、前提として、微動計3は既に水中に投下されているものとする(
図1及び
図2参照)。この状態において、音波を複数の位置から水中に向けて発信する(
図18参照)。具体的には、例えば、適宜な船40に搭載した音波発信装置401(
図19参照)を用いて、水中に音波を発信する。そして、当該船40を移動させながら、複数の位置から水中に音波を発信する。
図18の例では、設置されたブイ2の外側を反時計回りに周回するように一艘の船40を移動させている。そして、適宜の位置で停船させた後に音波を発信する作業を繰り返すようになっている。ここで、船の位置(したがって音波発信位置)は、船に取り付けたGPS信号受信装置402(
図19参照)により把握できるようになっている。本実施形態では、GPS信号受信装置402として、RTK−GPSを用いることにより、位置精度の向上を図っている。
【0055】
なお、
図19の例では、ブイ2の形状が
図1と若干異なっているが機能的には同様のものである。また、
図19の例では、アンカー6とブイ2との間を適宜な連結具(例えばロープ)8によって連結することで、アンカー6とブイ2との連結強度を向上させている。
【0056】
(
図17のステップSB−2)
一方、水底20に配置された微動計3は、ステップSB−1の実施中において水中に向けて発信された音波による振動を受信する。一つの音波発信位置において発信された音波の受信波形の例を
図20に示す。
図20においては、四つの微動計3における受信波形を上から順に記載している。一番下の波形は、発信した音波の波形である。音波発信後、各微動計3において若干の時間差をもって音波が受信されていることがわかる。この受信波形も、本体部4の記録部41に記録される。なお、ここで時間情報は、本体部4のGPS信号受信部42で受信されたものである。
【0057】
(
図17のステップSB−3)
ついで、微動計3を回収した後、微動計3により受信した振動波形を解析することにより、微動計3の位置を推定する。解析手法としては特に制約されないが、例えば、音波発信位置と音波の受信タイミングとを逆解析することによって微動計3の位置を正確に推定することができる。なお、この逆解析の手法は、既存の推定手法に基づいて容易に実施できるので、これ以上詳細な説明は省略する。ここで、微動計3では、水底20の微動と位置推定用の音波とを同時に受信することもあるが、両者は、例えば周波数や受信強度の相違を用いて比較的に精度よく分離することができる。
【0058】
図21に、推定した微動計3の位置(黒丸)と、設置予定地点(×)と、ブイ2の位置(+)とを示す。設置予定地点に比較的近い位置に微動計3を設置していることが分かる。一方、ブイ2の位置からは離れている。ブイ2は風や波によって移動しやすいためであると推測される。なお、ブイ2の位置は、本体部4のGPS信号受信部42により受信したGPS信号(位置情報)により把握した。
【0059】
水底微動探査においては、水上からでは、投下された微動計3の位置を正確に把握することは難しい。仮に正確な位置から投下したとしても、海流や波の影響により、微動計3が流されることがある。また、水上からでは把握できない地形的影響により微動計3の位置ずれを生じる可能性もある。微動計3の位置が想定からずれると、微動探査における解析結果に誤差を生じることになる。
【0060】
従来の水底微動探査においても、例えばトランスポンダのような特別な付加設備を微動計に配置して微動計の位置を正確に把握することは可能である。しかしながら、このような特別な付加設備を設けることは、装置を複雑化・大型化してしまうという問題がある。
【0061】
これに対して、本実施形態の位置推定方法によれば、微動を受信するための微動計3における音波受信波形を用いることで、微動計3の位置を正確に推定可能なので、装置の簡易化・小型化を期待することができるという利点がある。
【0062】
また、本実施形態の装置1では、アンカー6を用いたので、微動観測時において、微動計3が海流により移動することを抑止することができる。
【0063】
さらに、本実施形態では、アンカー6を微動計3に対して着脱可能としたので、次のような利点を有する。
・アンカーを微動計に固定すると、投入用の装置の準備や、投入作業や、微動計回収の際に、取り回しに手間がかかってしまう。これに対して、アンカーを着脱式にすることにより、これらの問題を軽減ないし解消することができる。
・海底や海流の条件に応じて、アンカーの形状や重量や設置位置(微動計との位置関係)を変更することができ、より適切な設置状態を容易に実現できる。
・これらの理由により、良質な微動データを操作性良く取得できると期待できる。
【0064】
ここで、本実施形態の水底微動探査装置1を用いた水底微動探査方法は下記のように表現できる:
微動計3を水中に投下することによって、微動計3を水底に配置し、かつ、ブイ2と本体部4とを水面近傍に配置するステップと、
微動計3によって検出された振動のデータ(微動データ)を記録部41に記録するステップと、
記録部41に記録された振動のデータを用いて水底の状態を探査するステップと
を備えた水底微動探査方法。
【0065】
なお、前記実施形態の記載は単なる一例に過ぎず、本発明に必須の構成を示したものではない。各部の構成は、本発明の趣旨を達成できるものであれば、上記に限らない。
【0066】
例えば、前記した説明においては、主に海底を想定して説明したが、海底に限らず、湖底や川底において前記した装置を使用することができる。