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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-79719(P2020-79719A)
(43)【公開日】2020年5月28日
(54)【発明の名称】電気伝導率計及び濃度計
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/06 20060101AFI20200501BHJP
【FI】
   G01N27/06 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-212098(P2018-212098)
(22)【出願日】2018年11月12日
(71)【出願人】
【識別番号】592187534
【氏名又は名称】株式会社 堀場アドバンスドテクノ
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 真大
(74)【代理人】
【識別番号】100129702
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 喜永
(72)【発明者】
【氏名】土生 一徳
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 秀和
【テーマコード(参考)】
2G060
【Fターム(参考)】
2G060AA06
2G060AC02
2G060AE17
2G060AF07
2G060AF08
2G060AG11
2G060AG15
2G060FA01
(57)【要約】
【課題】 隣り合う電極間の距離を容易に設定できる構造の電気伝導率計を得る。
【解決手段】 内部流路を流れる流体の電気伝導率を測定する測定機構と、前記測定機構を締め付ける締付機構とを具備し、前記測定機構が、前記内部流路の一部を構成する第1貫通孔が形成された少なくとも2つの電極と、前記隣り合う電極の間に介在し、前記内部流路の一部を構成すると共に前記隣り合う電極の第1貫通孔を互いに連通させる第2貫通孔が形成されたスペーサ部材とを備え、前記締付機構が、前記測定機構の両端に配置された前記電極が互いに向かい合う方向へ押圧された状態に保持されるように、当該測定機構を締め付ける。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部流路を流れる流体の電気伝導率を測定する測定機構と、
前記測定機構を締め付ける締付機構とを具備し、
前記測定機構が、
前記内部流路の一部を構成する第1貫通孔が形成された少なくとも2つの電極と、
前記隣り合う電極の間に介在し、前記内部流路の一部を構成すると共に前記隣り合う電極の第1貫通孔を互いに連通させる第2貫通孔が形成されたスペーサ部材とを備え、
前記締付機構が、
前記測定機構の両端に配置された前記電極が互いに向かい合う方向へ押圧された状態に保持されるように、当該測定機構を締め付けるものであることを特徴とする電気伝導率計。
【請求項2】
前記測定機構が、前記電極及び前記スペーサ部材の互いに対向する端面間を気密にシールするシール機構をさらに備え、
前記シール機構が、
前記電極の端面に対し、前記第1貫通孔の外側を周回するように形成された凹部と、
前記スペーサ部材の端面に対し、前記第2貫通孔の外側を周回すると共に前記凹部に嵌り込むように形成された凸部とを備えている請求項1記載の電気伝導率計。
【請求項3】
前記シール機構が、前記凹部に前記凸部を嵌め込んだ状態において、前記凸部の外面に対し、前記凹部の内面及び当該内面と連なる前記電極の端面によって形成される角部が接触するように構成されている請求項2記載の電気伝導率計。
【請求項4】
前記凹部が、前記電極の端面に対して所定角度で互いに対向する方向へ傾斜した一対の内側面を有し、
前記凸部が、前記スペーサ部材の端面に対して前記所定角度よりも大きい角度で互いに対向する方向へ傾斜した一対の外側面を有し、
前記シール機構が、前記凹部に前記凸部を嵌め込んだ状態において、前記凸部の各外側面に対し、前記凹部の各内側面及び当該各内側面と連なる前記電極の端面によって形成される角部が接触するように構成されている請求項2又は3のいずれかに記載の電気伝導率計。
【請求項5】
前記スペーサ部材が、前記電極よりも硬度の低い材料によって形成されている請求項1乃至4のいずれかに記載の電気伝導率計。
【請求項6】
前記電極が、黒鉛を含む材料で形成されたものであり、
前記スペーサ部材が、フッ素樹脂を含む材料で形成されたものである請求項1乃至5のいずれかに記載の電気伝導率計。
【請求項7】
前記締付機構が、前記測定機構の両端に配置された電極を互いに向かい合う方向へ押圧して締め付ける一対の締付部材を備えている請求項1乃至6のいずれかに記載の電気伝導率計。
【請求項8】
前記締付機構が、前記測定機構を内部に保持し、前記締付機構を構成する前記一対の締付部材のうちで少なくとも一方が螺合されたブロック体をさらに備え、
前記締付機構が、前記ブロック体に螺合された締付部材を当該ブロック体に締め付けて前記測定機構を締め付けるものである請求項7記載の電位伝導率計。
【請求項9】
前記一方の締付部材が、前記測定機構の内部流路へ前記流体を導入する導入路を有し、
前記他方の締付部材が、前記測定機構の内部流路から前記流体を導出する導出路を有している請求項7又は8のいずれかに記載の電気伝導率計。
【請求項10】
前記測定機構及び前記各締付部材の間に介在するシール部材をさらに具備している請求項7乃至9のいずれかに記載の電気伝導率計。
【請求項11】
前記電極が、三つであり、
前記測定機構が、前記いずれかの電極に当該電極の温度を測定する温度センサをさらに備えている請求項1乃至10のいずれかに記載の電気伝導率計。
【請求項12】
前記請求項1乃至11のいずれかに記載の電気伝導率計によって測定された電気伝導率に基づき前記流体の濃度を算出する濃度計。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気伝導率計及び濃度計に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体製造プロセスにおいては、流路を流れる流体の濃度をコントロールするために、当該流体の電気伝導率を測定する電気伝導率計が使用される。
【0003】
前記従来の電気伝導率計として、例えば、特許文献1には、測定対象となる流体が流れるパイプに対し、当該流体の上下流方向に間隔を空けて孔を形成し、当該孔に電極を差し込んだ構造のものが開示されている。
【0004】
ところで、前記電気伝導率計においては、隣り合う電極間の距離が測定値に大きく影響を与えるため、隣り合う電極間の距離を容易に設定できる構造のものが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平5−23123号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、隣り合う電極間の距離を容易に設定できる構造の電気伝導率計を得ることを主な課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明に係る電気伝導率計は、内部流路を流れる流体の電気伝導率を測定する測定機構と、前記測定機構を締め付ける締付機構とを具備し、前記測定機構が、前記内部流路の一部を構成する第1貫通孔が形成された少なくとも2つの電極と、前記隣り合う電極の間に介在し、前記内部流路の一部を構成すると共に前記隣り合う電極の第1貫通孔を互いに連通させる第2貫通孔が形成されたスペーサ部材とを備え、前記締付機構が、前記測定機構の両端に配置された前記電極が互いに向かい合う方向へ押圧された状態に保持されるように、当該測定機構を締め付けるものであることを特徴とするものである。
【0008】
このようなものであれば、隣り合う電極の間にスペーサ部材を配置し、締付機構によって測定機構の両端に配置された電極を互いに向かい合う方向へ押圧された状態に保持したので、隣り合う電極間の距離をスペーサ部材の厚みによって容易に設定することができる。また、隣り合う電極間の距離を変更する場合に、スペーサ部材以外の部材を共通化できると共に、当該部材に新たに加工を加える必要がないため、製造コストを低減することができる。
【0009】
また、前記測定機構が、前記電極及び前記スペーサ部材の互いに対向する端面間を気密にシールするシール機構をさらに備え、前記シール機構が、前記電極の端面に対し、前記第1貫通孔の外側を周回するように形成された凹部と、前記スペーサ部材の端面に対し、前記第2貫通孔の外側を周回すると共に前記凹部に嵌り込むように形成された凸部とを備えているものであってもよい。
【0010】
このようなものであれば、シール機構の凸部が凹部に対して押え付けられた状態で嵌り込む。これにより、電極とスペーサ部材との間のシール性が向上し、電極及びスペーサ部材の間から内部流路を流れる流体が漏れ出ることを防止できる。
【0011】
なお、前記シール機構によってシール性を更に向上させるために次のような構成を採用してもよい。すなわち、前記凹部に前記凸部を嵌め込んだ状態において、前記凸部の外面に対し、前記凹部の内面及び当該内面と連なる前記電極の端面によって形成される角部が接触するように構成してもよい。具体的には、前記凹部が、前記電極の端面に対して所定角度で互いに対向する方向へ傾斜した一対の内側面を有し、前記凸部が、前記スペーサ部材の端面に対して前記所定角度よりも大きい角度で互いに対向する方向へ傾斜した一対の外側面を有し、前記凹部に前記凸部を嵌め込んだ状態において、前記凸部の各外側面に対し、前記凹部の各内側面及び当該各内側面と連なる前記電極の端面によって形成される角部が接触するように構成してもよい。
【0012】
このようなものであれば、凸部の各外面に対し、凹部の内面に対して当該内面と連なる端面によって形成される角部が食い込むようになり、シール性が格段に向上する。
【0013】
また、前記スペーサ部材が、前記電極よりも硬度の低い材料によって形成してもよく、具体的には、前記電極を黒鉛を含む材料で形成されたものであり、前記スペーサ部材をフッ素樹脂を含む材料で形成されたものであってもよい。
【0014】
このようなものであれば、比較的硬度の低いスペーサ部材に形成された凸部の外面に対し、比較的硬度の高い電極に形成された凹部の内面及び当該内面と連なる端面によって形成される角部が食い込むように接触し、シール性が更に向上する。また、スペーサ部材は、フッ素樹脂を含む材料で形成すれば、ゴム製Oリングに比べて硬質であるため、隣り合う電極の間にゴム製Oリングを介在させてシールした場合に比べて、隣り合う電極の対向する端面間の距離を均一に保ち易くなる。
【0015】
また、前記締付機構が、前記測定機構の両端に配置された電極を互いに向かい合う方向へ押圧して締め付ける一対の締付部材を備えているものであってもよい。より具体的には、前記締付機構が、前記測定機構を内部に保持し、前記締付機構を構成する前記一対の締付部材のうちで少なくとも一方が螺合されたブロック体をさらに備え、前記締付機構が、前記ブロック体に螺合された締付部材を当該ブロック体に締め付けて前記測定機構を締め付けるものであってもよい。
【0016】
このようなものであれば、ブロック体に対して一対の締付部材を螺合させることにより、測定機構を容易に締め付けることができる。
【0017】
なお、前記一対の締付部材は、具体的には、前記一方の締付部材が、前記測定機構の内部流路へ前記流体を導入する導入路を有し、前記他方の締付部材が、前記測定機構の内部流路から前記流体を導出する導出路を有するように構成すればよい。
【0018】
また、前記測定機構の両端に位置付けられる電極と前記締付部材との間にシール部材をさらに具備しているものであってもよい。
【0019】
このようなものであれば、測定機構及び締付部材の間から内部流路を流れる流体が漏れ出ることを防止することができる。
【0020】
また、前記電極が、三つであり、前記測定機構が、前記いずれかの電極に当該電極の温度を測定する温度センサをさらに備えているものであってもよい。
【0021】
流体の電気伝導率を測定する場合には、当該流体の温度が電気伝導率の値に影響を与えるため、流体の温度に基づき電気伝導率の値を補正する必要がある。そして、三つの電極で流体の電気伝導率を測定する場合には、上流側及び中央に位置する両電極を流れる電流、及び、中央及び下流側に位置する両電極を流れる電流に基づき電気伝導率を測定するが、この電気伝導率を温度に基づき補正する場合、両電流の測定に用いられる中央に位置する電極に設置された温度センサによって測定された温度を使用することにより、より正確に補正することができる。
【0022】
また、本発明に係る濃度計は、前記いずれかの電気伝導率計によって測定された電気伝導率に基づき前記流体の濃度を算出するものである。
【0023】
このように構成した電気伝導率計によれば、電極が流路を流れる流体の流れを妨げることがない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】実施形態に係る電気伝導率計を模式的に示す断面図である。
図2】実施形態に係る電極及びスペーサ部材を示す斜視図である。
図3】実施形態に係るシール機構を模式的に示す拡大断面図である。
図4】その他の実施形態に係るシール機構を模式的に示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に、本発明に係る電気伝導率計を図面に基づいて説明する。
【0026】
本発明に係る電気伝導率計は、例えば、半導体製造プロセスにおけるCMP等に用いられるシリカ系やセリア系のようなスラリー状の流体(以下、液体試料ともいう)の濃度を測定する場合に用いられるものであり、液体試料に接触した少なくとも2つの電極間の抵抗を測定して当該液体試料の電気伝導率(S/m(ジーメンス毎メートル))を算出するものである。なお、本発明に係る電気伝導率計は、濃度計にも使用することができる。
【0027】
<実施形態1> 本実施形態に係る電気伝導率計100は、図1に示すように、内部流路Rを流れる液体試料の電気伝導率を測定する測定機構10と、測定機構10を締め付ける締付機構20と、を具備している。
【0028】
前記測定機構10は、3つの電極11と、隣り合う電極11間に介在するスペーサ部材12と、電極11及びスペーサ部材12の互いに対向する端面11a,12a間を気密にシールするシール機構13と、を備えている。
【0029】
前記3つの電極11は、液体試料と接触するものであり、液体試料に対して耐腐食性を有する材料によって形成されている。なお、本実施形態に係る3つの電極11は、黒鉛を含む組成の材料やステンレス等によって形成されている。また、3つの電極11は、図2(a)に示すように、いずれも板状のものであり、その中央に内部流路Rの一部を構成する第1貫通孔11hが形成された扁平な環状になっており、同一形状をなしている。より具体的には、3つの電極11は、平行に配置される二つの端面11aを有しており、隣り合う電極11は、その端面11a同士を対向させている。
【0030】
また、前記3つの電極11には、それぞれリード線Lが接続されている。なお、リード線Lは、外部に設けられた交流電源(図示せず)に接続されている。さらに、3つの電極11のうちで中央に位置する電極11には、温度センサTが接続されている。なお、3つの電極11のうちで内部流路Rの上流側及び下流側に位置する電極11には、同一極性の電圧が印加され、中央に位置する電極11には、前記極性と逆極性の電圧が印加されるように構成されている。
【0031】
前記スペーサ部材12は、隣り合う電極11の間に介在して当該両電極11を絶縁するものである。よって、スペーサ部材12は、絶縁性を有する材料によって形成されている。なお、本実施形態に係るスペーサ部材12は、フッ素樹脂を含む組成の材料によって形成されている。また、スペーサ部材12は、図2(b)に示すように、板状のものであり、その中央に内部流路Rの一部を構成すると共に、隣り合う電極11の第1貫通孔11hを連通させる第2貫通孔12hが形成された扁平な環状になっている。より具体的には、スペーサ部材11は、平行に配置される二つの端面12aを有しており、その端面12aを電極11の端面11aに対向させている。
【0032】
なお、前記第1貫通孔11h及び前記第2貫通孔12hは、いずれも同じ内径に形成されている。よって、電極11及びスペーサ部材12を交互に並べて各第1貫通孔11h及び各第2貫通孔12hを連通させることにより、測定機構10に対し、内面に凹凸を有さない内部流路Rが形成される。このように構成することにより、内部流路Rをスラリー状の流体がスムーズに流れるようになり、内部流路に対するスラリーの固着が抑制され、スラリーの固着による測定誤差が生じ難くなると共に、洗浄回数が低減され、メンテナンス性も向上する。
【0033】
前記シール機構13は、電極11及びスペーサ部材12の互いに対向する端面11a,12a間を気密にシールするものである。具体的には、シール機構13は、図2に示すように、電極11の端面11aに対して第1貫通孔11hの外側を周回するように形成された凹部14と、スペーサ部材12の端面12aに対して第2貫通孔12hの外側を周回するように形成された凸部15と、を備えている。そして、凸部15は、凹部14に嵌り込むように構成されている。
【0034】
なお、図3(a)に示すように、本実施形態に係る凹部14は、断面三角状の溝形状に形成されており、互いに対向する内側面14aを有している。そして、凹部14の各内側面14aは、電極11の端面11aに対して所定角度θで互いに対向する方向へ傾斜している。また、本実施形態に係る凸部15は、断面三角状に突起形状に形成されており、互いに対向する外側面15aを有している。そして、凸部15の各外側面15aは、スペーサ部材12の端面12aに対して前記所定角度θよりも大きい角度θ(θ<θ)で互いに対向する方向へ傾斜している。この場合、例えば、θを135°とし、θを142.5°とすればよい。すなわち、凹部14の各内側面14a間の角度が、凸部15の各外側面15a間の角度よりも小さくすればよい。
【0035】
これにより、前記シール機構13は、図13(b)に示すように、凹部14を凸部15に嵌め込んだ状態において、凸部15の各外側面15aに対し、凹部14の各内側面14a及び当該各内側面14aと連なる端面11aによって形成される角部14bが接触するように構成されている。また、スペーサ部材12は、電極11よりも硬度の低い材料によって形成されている。このため、凸部15の各外側面15aに対し、凹部14の角部14b(より具体的には、角部14bの稜線)が接触して食い込むようになっている。
【0036】
前記締付機構20は、図1に示すように、測定機構10の両端に配置された電極11が互いに向かい合う方向へ押圧された状態に保持されるように当該測定機構10を締め付けるものである。具体的には、締付機構20は、測定機構10を収容する内部空間Rを備えたブロック体21と、ブロック体21の両端部に螺合される一対の締付部材22と、ブロック体21の側面に形成された開口に接続される配線ブロック23と、を備えている。
【0037】
前記ブロック体21は、概略筒状のものである。そして、ブロック体21は、両端部よりも内径が狭くなった中央部が測定機構10を収容する内部空間Sになっている。なお、ブロック体21の両端部には、その内面に雄ネジ溝21aが形成されている。
【0038】
前記一対の締付部材22は、その外面にブロック体21に形成された雄ネジ溝21aと螺合する雌ネジ溝22aが形成されたネジ状のものである。また、一方の締付部材22には、測定機構10の内部流路Rに流体を導入するための導入路IRが形成されており、他方の締付部材22には、測定機構10の内部流路Rから流体を導出するための導出路ORが形成されている。そして、導入路IR及び導出路ORは、いずれも測定機構10側へ向かってテーパー状に縮径しており、測定機構10側の内径が内部流路Rの内径と一致している。すなわち、一対の締付部材22は、測定機構10の内部流路Rを外部流路と接続するポートの役割も果たしている。なお、導入路IR及び導出路ORは、測定機構10側の内径が内部流路Rの内径と一致していればよく、例えば、上流側から下流側に向かって当該内径と同径で延びるものであってもよい。
【0039】
そして、一対の締付部材22は、ブロック体21の両端部に螺合された状態において、シール部材30を介して測定機構10を内部流路Rの中心軸に沿って両端側から押圧するように締め付ける構造になっている。
【0040】
なお、前記シール部材30は、測定機構10の両端に位置する電極11と各締付部材22との間を気密にシールするものである。具体的には、シール部材30は、締付部材22の導入路IR又は導出路ORと測定機構10の内部流路Rとを連通させる第3貫通孔30hを有している。そして、測定機構10の両端に位置する電極11とシール部材30との互いに対向する端面間、及び、締付部材22とシール部材30との互いに対向する端面間に、前記スペーサ部材12と同様の構造を有するシール機構13を有している。
【0041】
前記配線ブロック23は、ブロック体21の側面に設けられた開口にネジ止めされる筒状のものであり、その一端が内部空間Sまで達している。なお、配線ブロック23及びブロック体21は、0リング23aによってシールされている。そして、配線ブロック23に、ブロック体21の内部空間Sに収容された測定機構10の各電極11から延びるリード線Lや温度センサTから延びるリード線Lと通し、外部へ導出できるようになっている。
【0042】
<その他の実施形態> 前記実施形態においては、シール機構13を構成する凹部14及び凸部15を断面三角状に形成したが、これに限定されることなく、例えば、凹部14及び凸部15を、図4に示すように、断面台形状に形成してもよい。この場合においても、凹部14の各内側面14aを、電極11の端面11aに対して所定角度θで互いに対向する方向へ傾斜させ、また、凸部15の各外側面15aを、スペーサ部材12の端面12aに対して前記所定角度θよりも大きい角度θで互いに対向する方向へ傾斜させればよい。
【0043】
また、前記実施形態においては、凹部14において、各内側面14aの電極11の端面11aに対する各角度θを同一とし、凸部15において、各外側面15aのスペーサ部材12の端面12aに対する各角度θを同一としたが、角度が異なるようにしてもよい。
【0044】
また、前記実施形態においては、測定機構10をフロック本体21の両端部にネジ止めされる一対の締付部材22によって締め付ける構成を採用しているが、これに限定することなく、例えば、ブロック体21の一端側の開口を塞ぎ、他端側の開口にネジ止めされた締付部材22を一端側へねじ込むことによって測定機構10を締め付ける構成を採用してもよい。また、筒状のブロック体21に電極11及びスペーサ部材12の外径と同じ又は僅かに小さい内径を有する空間を形成し、その空間に電極11及びスペーサ部材12を捻じ込むように収容するように構成してもよい。この場合、ブロック体21に捻じ込まれた電極11及びスペーサ部材12が動かないように固定され、測定機構10の両端に配置された電極11が互いに向かい合う方向へ押圧された状態に保持することができるようになる。
【0045】
また、前記実施形態においては、3つの電極11によって流体の電気伝導率を測定しているが、4つの電極11によって流体の電気伝導率を測定してもよい。この場合、内部流路Rに対し、最も上流側に位置する電極11と最も下流側に位置する電極11とを組みとし、これらの電極11に挟まれる二つの電極を組みとし、両組で測定される抵抗に基づき電気伝導率を算出する。すなわち、交流4極法によって流体の電気伝導率を算出する。また、2つの電極11によって流体の電気伝導率を測定してもよい。なお、電極11が2つ又は3つの場合には、交流2極法によって流体の電気伝導率を算出する。
【0046】
また、前記実施形態においては、測定機構10と締付部材22との間にシール部材30を介在させているが、必ずしも介在させる必要はない。すなわち、締付部材22の一端面によって直接測定機構10の端部に位置する電極11を押圧するようにしてもよい。この場合、締付部材22及び電極11の互いに対向する端面間に前記シール機構13と同様の構成を設けてもよい。
【0047】
また、前記実施形態においては、電極11を円環状としているが、その他の環形状を有するものであってもよい。
【0048】
その他、本発明は前記各実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0049】
100 電気伝導率計
10 測定機構
11 電極
11a 端面
11h 第1貫通孔
12 スペーサ部材
12a 端面
12h 第2貫通孔
13 シール機構
14 凹部
14a 内側面
14b 角部
15 凸部
15a 外側面
20 締付機構
21 ブロック体
22 締付部材
30 シール部材

図1
図2
図3
図4