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特開2020-79989RFID交信システム、及びRFID交信システムの制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-79989(P2020-79989A)
(43)【公開日】2020年5月28日
(54)【発明の名称】RFID交信システム、及びRFID交信システムの制御方法
(51)【国際特許分類】
   G06K 7/10 20060101AFI20200501BHJP
   H04B 1/59 20060101ALI20200501BHJP
   H04B 5/02 20060101ALI20200501BHJP
【FI】
   G06K7/10 288
   H04B1/59
   H04B5/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-212120(P2018-212120)
(22)【出願日】2018年11月12日
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100155712
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 尚
(72)【発明者】
【氏名】肥塚 八尋
【テーマコード(参考)】
5K012
【Fターム(参考)】
5K012AB03
5K012AC01
5K012AC08
5K012AC10
(57)【要約】
【課題】RFタグとの高感度かつ長距離の交信を実現するRFID交信システムを提供することを目的とする。
【解決手段】複数のリーダライタ(10A,10B)のうち、特定のリーダライタ(10A)がRFタグ(40)に信号を送信する期間に、別のリーダライタ(10B)がRFタグ(40)から信号を受信するとともに、複数のリーダライタ(10A,10B)はそれぞれ、RFタグ(40)に信号を送信する送信期間、および、RFタグ(40)から信号を受信する受信期間の両方を含んでいる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
RFタグとの間でデータの読み出しおよび書き込みの少なくともいずれか一方を行う複数のリーダライタを備え、
複数の前記リーダライタのうち、特定の前記リーダライタが前記RFタグに信号を送信する期間に、別の前記リーダライタが前記RFタグから信号を受信するとともに、
複数の前記リーダライタはそれぞれ、前記RFタグに信号を送信する送信期間、および、前記RFタグから信号を受信する受信期間の両方を含んでいるRFID交信システム。
【請求項2】
複数の前記リーダライタはそれぞれ、リーダライタ間の通信を制御するRW通信制御部を備え、
前記送信期間と前記受信期間とを切り替える信号を前記RW通信制御部を介して複数の前記リーダライタ間で受け渡す請求項1に記載のRFID交信システム。
【請求項3】
前記RW通信制御部は、
当該RW通信制御部が備えられている前記リーダライタにおいて前記送信期間が終了する時点で、送信期間終了を示す送信終了信号を出力するとともに、
当該RW通信制御部が備えられている前記リーダライタの前記受信期間において、前記送信終了信号を受信した時点で、当該リーダライタにおける送信期間を開始する制御を行う請求項2に記載のRFID交信システム。
【請求項4】
複数の前記リーダライタの少なくとも1つは、
上位のコントローラとの間の通信を制御する上位通信制御部を備え、前記上位通信制御部を介して受信した前記コントローラからの指示を、前記RW通信制御部を介して他のリーダライタとの間で共有する請求項2または3に記載のRFID交信システム。
【請求項5】
前記上位通信制御部を介して前記コントローラからデータの読み出しを行う指示を受信した前記リーダライタは、他のリーダライタが前記RFタグから読み出したデータをマージしてレスポンスデータを作成し、当該レスポンスデータを前記コントローラに送信する請求項4に記載のRFID交信システム。
【請求項6】
RFタグとの間でデータの読み出しおよび書き込みの少なくともいずれか一方を行う複数のリーダライタを備えたRFID交信システムの制御方法であって、
所定の1つの前記リーダライタが、上位のコントローラから、RFタグとの間でデータの読み出しおよび書き込みの少なくともいずれか一方を行う指示を受信するステップと、
前記所定の1つのリーダライタが前記コントローラから受信した指示を他の複数のリーダライタと共有するステップと、
複数の前記リーダライタ間で、前記RFタグに信号を送信する送信側リーダライタと、前記RFタグから信号を受信する受信側リーダライタとを切り替えるステップと、
を含むRFID交信システムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RFID交信システム、及びRFID交信システムの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、製造現場や物流現場で固体管理のために、個体に取り付けたRFタグからデータを読み書きし、プログラマブルコントローラ(Programmable Logic Controller、以下「PLC」と略記)等の産業用制御装置との間でデータ交換を行うRFIDシステムが知られている。
【0003】
これらのRFIDシステムでは、送信距離が限定されており、動作範囲内であっても、電波の干渉及び衝突のためにデータの信頼性が低くなるという問題があった。そこで、規模が大きく、且つ複雑な空間においても、十分な受信可能範囲を実現し、RFIDの位置を特定するために、複数の受信アンテナと、複数の送信アンテナとを備えるRFIDシステムが提供されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2011−520097(2011年7月14日公表)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、RFIDシステムにおいて、RFタグとの間でデータの読み出しまたは書き込みを行う際に、自ら電波を発振し続ける必要がある。しかしながら、自ら発振した電波がノイズとして、RFタグから受信するシグナルに悪影響を与える場合がある。
【0006】
特許文献1に記載のように、送信アンテナと受信アンテナとを別の位置に設置する構成において、送信アンテナから出射される電波が受信アンテナで受信されるシグナルに影響を及ぼすことを防ぐためには、送信アンテナと受信アンテナとを離して設ける必要がある。この場合、これらのアンテナは共にリーダライタ本体との間が同軸ケーブルで接続されている必要がある。
【0007】
すなわち、このように送信アンテナと受信アンテナとを離して設けると、同軸ケーブルで伝送される信号のパワーが減衰し、S/N比が劣化するという問題がある。また、同軸ケーブルは高価であるため、送信アンテナと受信アンテナとの間の距離を長くするとコストが嵩むという問題もある。
【0008】
本発明の一態様は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、RFタグとの高感度かつ長距離の交信を実現するRFID交信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るRFID交信システムは、RFタグとの間でデータの読み出しおよび書き込みの少なくともいずれか一方を行う複数のリーダライタを備え、複数の前記リーダライタのうち、特定の前記リーダライタが前記RFタグに信号を送信する期間に、別の前記リーダライタが前記RFタグから信号を受信するとともに、複数の前記リーダライタはそれぞれ、前記RFタグに信号を送信する送信期間、および、前記RFタグから信号を受信する受信期間の両方を含んでいる構成である。
【0010】
前記の構成によれば、特定のリーダライタがRFタグに信号を送信する期間に、別のリーダライタが自ら電波を発振することなく、RFタグから信号を受信するため、送信電波による受信シグナルへの影響を抑制することができる。また、送信アンテナおよび受信アンテナの少なくともいずれか一方とリーダライタ本体とを長い同軸ケーブルで接続する必要がないため、信号の劣化を生じさせることなく、RFタグとの高感度かつ長距離の通信を実現することができる。
【0011】
また、本発明の一態様に係るRFID交信システムは、複数の前記リーダライタはそれぞれ、リーダライタ間の通信を制御するRW通信制御部を備え、前記送信期間と前記受信期間とを切り替える信号を前記RW通信制御部を介して複数の前記リーダライタ間で受け渡してもよい。
【0012】
前記の構成によれば、複数のリーダライタ間で、送信期間と受信期間とを切り替える信号を互いに受け渡すため、別のリーダライタの処理状態を把握して、的確に送信期間と受信期間とを切り替えながら、RFタグとの間でデータの読み出しおよび書き込みの少なくともいずれか一方を行うことができる。
【0013】
また、本発明の一態様に係るRFID交信システムは、前記RW通信制御部は、当該RW通信制御部が備えられている前記リーダライタにおいて前記送信期間が終了する時点で、送信期間終了を示す送信終了信号を出力するとともに、当該RW通信制御部が備えられている前記リーダライタの前記受信期間において、前記送信終了信号を受信した時点で、当該リーダライタにおける送信期間を開始する制御を行ってもよい。
【0014】
前記の構成によれば、複数のリーダライタ間で、特定のリーダライタによる送信が終了した時点で、速やかに別のリーダライタにおける送信期間を開始することができる。よって、複数のリーダライタ間で送信期間と受信期間とを切り替えながら、効率よくRFタグとの間でデータの読み出しおよび書き込みの少なくともいずれか一方を行うことができる。
【0015】
また、本発明の一態様に係るRFID交信システムは、複数の前記リーダライタの少なくとも1つは、上位のコントローラとの間の通信を制御する上位通信制御部を備え、前記上位通信制御部を介して受信した前記コントローラからの指示を、前記RW通信制御部を介して他のリーダライタとの間で共有してもよい。
【0016】
前記の構成によれば、上位のコントローラ側は、複数のリーダライタのうち、特定の1つのリーダライタとの間でデータの送受信を行えば良い。よって、上位のコントローラ側からRFID交信システムに対して送信する指示に変更を加えることなく、複数のリーダライタを用いてRFタグとの間でデータの読み出しおよび書き込みの少なくともいずれか一方を行うことができる。
【0017】
また、本発明の一態様に係るRFID交信システムは、前記上位通信制御部を介して前記コントローラからデータの読み出しを行う指示を受信した前記リーダライタは、他のリーダライタが前記RFタグから読み出したデータをマージしてレスポンスデータを作成し、当該レスポンスデータを前記コントローラに送信してもよい。
【0018】
前記の構成によれば、複数のリーダライタのうち、上位のコントローラから指示を受信したリーダライタが、複数のリーダライタがそれぞれRFタグから読み出したデータをマージしてレスポンスデータを作成する。このため、上位のコントローラは、1つのリーダライタを用いてRFタグからデータの読み出しを行うのと同様の処理を行うことができる。よって、コントローラとRFID交信システムとの間の処理の流れを変更することなく、複数のリーダライタを用いて、RFタグとの間でデータの読み出しおよび書き込みの少なくともいずれか一方を行うことができる。
【0019】
また、前記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るRFID交信システムの制御方法は、RFタグとの間でデータの読み出しおよび書き込みの少なくともいずれか一方を行う複数のリーダライタを備えたRFID交信システムの制御方法であって、所定の1つの前記リーダライタが、上位のコントローラから、RFタグとの間でデータの読み出しおよび書き込みの少なくともいずれか一方を行う指示を受信するステップと、前記所定の1つのリーダライタが前記コントローラから受信した指示を他の複数のリーダライタと共有するステップと、複数の前記リーダライタ間で、前記RFタグに信号を送信する送信側リーダライタと、前記RFタグから信号を受信する受信側リーダライタとを切り替えるステップと、を含む方法である。
【0020】
前記の方法によれば、特定のリーダライタがRFタグに信号を送信する期間に、別の、電波を発振しないリーダライタがRFタグから信号を受信するため、送信電波による受信シグナルへの影響を抑制することができる。また、送信アンテナおよび受信アンテナの少なくともいずれか一方とリーダライタ本体とを長い同軸ケーブルで接続する必要がないため、信号の劣化を生じさせることなく、RFタグとの高感度かつ長距離の交信を実現することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の一態様によれば、RFタグとの高感度かつ長距離の交信を実現するRFID交信システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】RFID交信システムを用いたシステム環境を模式的に示す図である。
図2】実施形態に係るRFID交信システムの要部構成を示すブロック図である。
図3】リーダライタと、RFタグとの間の信号の流れを模式的に示す図である。
図4】RFタグからデータを読み出す場合のリーダライタと、RFタグとの間のデータの流れの一例を示す図である。
図5】RFタグから複数回データを読み出す場合のリーダライタと、RFタグとの間のデータの流れの一例を示す図である。
図6】変形例のRFID交信システムを用いたシステム環境を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一側面に係る実施形態(以下、「本実施形態」とも表記する)を、図面に基づいて説明する。
【0024】
§1 適用例
まず、図1を用いて、本発明が適用される場面の一例について説明する。図1は、本実施形態に係るRFID交信システム100を用いたシステム環境を模式的に示す図である。
【0025】
図1に示すように、RFID交信システム100は、複数のリーダライタ10(10A,10B)を備えて構成されている。RFID交信システム100は、例えば生産現場において、部品や製品などの物品の個体管理のために用いられるRFタグ40との間でデータの読み出しおよび書き込みの少なくともいずれか一方を行うためのシステムである。
【0026】
RFID交信システム100は、上位機器であるPLC(Programmable Logic Controller)50から受信する指令に応じて、RFタグ40との間でデータの読み出しおよび書き込みの少なくともいずれか一方を行う。また、特定のリーダライタ10(例えばリーダライタ10A)がRFタグ40に信号を送信する期間に、別のリーダライタ10(例えばリーダライタ10B)がRFタグ40から信号を受信する。複数のリーダライタ10A,10Bはそれぞれ、RFタグ40に信号を送信する送信期間、および、RFタグ40から信号を受信する受信期間の両方を含んでいる。
【0027】
このようにRFID交信システム100は、複数のリーダライタ10A,10B間でRFタグ40に信号を送信するユニットと、RFタグ40から信号を受信するユニットとを入れかえることで、送信電波による受信シグナルへの影響を抑制することができる。
【0028】
§2 構成例
以下、本発明の実施形態に係るRFID交信システム100の構成について、図1及び図2に基づいて詳細に説明する。図1は、RFID交信システム100を用いたシステム環境を模式的に示す図である。図2は、RFID交信システム100の要部構成を示すブロック図である。
【0029】
〔RFID交信システム100の構成〕
図1および図2に示すように、リーダライタ10A,10Bのそれぞれは、スイッチングハブ60を介してEthernet(登録商標)によってPLC50に接続されている。なお、通信ネットワークはEthernetに限定されるものではなく、任意のフィールドネットワークで実現することができる。リーダライタ10A,10Bは、PLC50からの指令に応じて、RFタグ40との間でデータの読み出しおよび書き込みの少なくともいずれか一方を行う。
【0030】
リーダライタ10A,10Bのうち、PLC50からの指令を受信したリーダライタ10はマスタとして機能し、他のリーダライタ10はスレーブとして機能する。マスタ側のリーダライタ10は、PLC50からの指令をスレーブ側のリーダライタ10と共有する。
【0031】
〔リーダライタ10の構成〕
図2に示すように、リーダライタ10はそれぞれ、上位通信制御部11(11A,11B)、RF交信制御部20(20A,20B)、アンテナ25(25A,25B)、及びRW通信制御部30(30A,30B)を含んでいる。
【0032】
上位通信制御部11は、PLC50との間の通信を制御する。上位通信制御部11は、PLC50との間で、無線通信、またはバスやネットワークを介した有線通信を実行する。
【0033】
リーダライタ10は、上位通信制御部11による制御により、PLC50との間で通信を行う。上位通信制御部11は、スイッチングハブ60を介してPLC50から送信される指令を受信し、当該指令に応じて、RFタグ40との間でデータの読み出しおよび書き込みの少なくともいずれか一方を行う。
【0034】
なお、図2に示した例では、複数のリーダライタ10A,10Bのそれぞれが上位通信制御部11を備える構成を示したが、複数のリーダライタ10A,10Bの少なくとも1つが上位通信制御部11を備え、上位通信制御部11を備える特定リーダライタ10がマスタとして、別のリーダライタ10を統括的に制御する構成であってもよい。マスタして機能する特定のリーダライタ10は、上位通信制御部11を介して受信したコントローラからの指令を、RW通信制御部20を介して別のリーダライタ10との間で共有してもよい。
【0035】
これらの構成によれば、PLC50は、複数のリーダライタ10A、10Bが協働でRFタグ40との間でデータの読み出しおよび書き込みの少なくともいずれか一方を行っていることを認識している必要がない。また、PLC50は、何台のリーダライタ10がRFID交信システム100において用いられているのかを知る必要がない。これにより、PLC50からは、1台のリーダライタ10を用いてRFタグ40との間でデータの読み出しまたは書き込みを行う一般的な処理と同様に指示を送信することができる。よって、RFID交信システム100を、既存のシステムに容易に組み込んで用いることができる。
【0036】
アンテナ25は、RFタグ40との間の電波によるデータのやり取り(交信)を実現する。アンテナ25は、RF交信制御部20の制御に基づいて、RFタグ40に対してコマンド信号を含む電磁波を送出するとともに、コマンドに対するRFタグ40からの応答信号を受け付ける。
【0037】
RF交信制御部20は、アンテナ25を介して、RFタグ40に対するコマンド信号の送出と、応答信号の受信とを実行し、RFタグ40との間でデータの読み出しおよび書き込みの少なくともいずれか一方を行う。なお、RF交信制御部20は、リーダライタ10の各部を統括的に制御する機能を備えている演算装置であってもよい。RF交信制御部20は、例えば1つ以上のプロセッサ(例えばCPUなど)が、1つ以上のメモリ(例えばRAMやROMなど)に記憶されているプログラムを実行することでリーダライタ10の各部を制御してもよい。
【0038】
RF交信制御部20は、データ処理部21(21A,21B)を備え、データ処理部21の機能により、上位通信制御部11がPLC50から受信した指令を解読する。PLC50から受信する指令には、RFタグ40との間でのデータの書き込みを指定するライトコマンドと、RFタグ40との間でのデータの読み出しを指定するリードコマンドとがある。ライトコマンド、およびリードコマンドには、PLC50とリーダライタ10との間でのデータ交換サイズに関するデータが含まれている。
【0039】
また、RF交信制御部20は、データ処理部21の機能により、PLC50から受信したライトコマンドに含まれるデータを、RFタグ40に書き込み可能なデータに変換する。RF交信制御部20は、例えば、PLC50から受信したライトコマンドに含まれる8進コード、16進コード、64進コード等のデータをアスキーコードのデータに変換する。
【0040】
また、RF交信制御部20は、PLC50から受信したリードコマンドに対する応答として、RFタグ40との間で読み出したデータを、データ処理部21の機能により、PLC50に転送可能なデータに変換する。RF交信制御部20は、例えば、RFタグ40との間で読み出した数字列データを、8進コード、16進コード、64進コード等のデータに変換する。
【0041】
また、詳細については後述するが、RF交信制御部20は、RFタグ40から読み出したデータを、データ処理部21の機能により、他のリーダライタ10がRFタグ40から読み出したデータとマージして、PLC50に転送可能なデータに変換する。
【0042】
RW通信制御部30は、他のリーダライタ10との間の通信を制御する。RW通信制御部30は、他のリーダライタ10との間でバスやネットワークを介した有線通信を実行する。RW通信制御部30は、I/O信号を通信する通信線を介して他のリーダライタ10に接続されている。なお、他のリーダライタ10との通信は、上位通信制御部11経由でEthernetを介しても行われる。他のリーダライタ10との通信の詳細については後述する。
【0043】
RW通信制御部30は、上位通信制御部11がPLC50から受信した指令を、他のリーダライタ10との間で共有する。また、RW通信制御部30は、RF交信制御部20がRFタグ40との間で送受信する信号に係る情報を他のリーダライタ10との間で共有する。また、RW通信制御部30は、RF交信制御部20からRFタグ40に信号を送信する送信期間と、RF交信制御部20がRFタグ40から信号を受信する受信期間と、を切り替える信号を他のリーダライタ10との間で受け渡す。
【0044】
例えば、複数のリーダライタ10のうち特定のリーダライタ10が受信期間のみを含み、別のリーダライタが送信期間のみを含む場合には、特定のリーダライタ10がRFタグ40からレスポンスを受信した後、その旨を別のリーダライタ10に伝達する必要が生じ、直ぐに次の信号に移行することはできない。本実施形態では、複数のリーダライタ10A,10B間で送信期間と受信期間とを切り替えるため、複数のリーダライタ10により、RFタグ40からのレスポンスを受信したら、すぐに次の送信に移行することができる。
【0045】
〔I/O信号の流れについて〕
図3は、複数のリーダライタ10A,10Bと、RFタグ40との間の信号の流れを模式的に示す図である。図3に示すように、マスタとして機能する特定のリーダライタ10Aから、RFタグ40に対するコマンド送信が行われると、スレーブとして機能する別のリーダライタ10Bは、リーダライタ10Aの送信信号の周波数を検知して、自身のPLL(phase locked loop)周波数を調整し、リーダライタ10Aに合わせ込む。
【0046】
特定のリーダライタ10Aは、自身がRFタグ40に対して送信したコマンドに対する応答を、RFタグ40が送出している間、無変調波の送信を継続する。RFタグ40が送出する応答は、別のリーダライタ10Bによって受信される。リーダライタ10Bは、RFタグ40から受信した応答を復調する。
【0047】
別のリーダライタ10Bによる、RFタグ40からの応答の受信が終了すると、特定のリーダライタ10Aは、RW通信制御部30Aの機能により、送信期間と受信期間とを切り替える送受切替信号をI/O信号として別のリーダライタ10Bに送信する。RW通信制御部30Aは、送信期間終了を示す送信終了信号として、送受切替信号を別のリーダライタ10Bに送信する。特定のリーダライタ10Aは、無変調波の発振を即時停止する。
【0048】
特定のリーダライタ10AのI/O信号は、コマンド送信開始から、無変調波の発振停止までの期間ONとなり、別のリーダライタ10BのI/O信号は、この期間においてOFFとなる。こうして、複数のリーダライタ10A,10Bのうち、特定のリーダライタ10AがRFタグ40に信号を送信する期間に、別のリーダライタ10BがRFタグから信号を受信する。
【0049】
RFタグ40からの応答を受信している受信期間において、特定のリーダライタ10Aから送信期間終了を示す送信終了信号を受信した時点で、別のリーダライタ10Bは、発振を開始し、送信期間を開始する。別のリーダライタ10Bは、RFタグ40に対してコマンド送信し、コマンド送信が終了すると、当該コマンドに対する応答を、RFタグ40が送出している間、無変調波の送信を継続する。
【0050】
RFタグ40が送出する応答は、特定のリーダライタ10Aによって受信される。リーダライタ10Aは、RFタグ40から受信した応答を復調する。特定のリーダライタ10Aによる、RFタグ40からの応答の受信が終了すると、別のリーダライタ10Bは、RW通信制御部30Bの機能により、送信期間と受信期間とを切り替える送受切替信号を特定のリーダライタ10Aに送信する。RW通信制御部30Bは、送信期間終了を示す送信終了信号として、送受切替信号を特定のリーダライタ10Aに送信する。別のリーダライタ10Aは、無変調波の発振を即時停止する。
【0051】
別のリーダライタ10BのI/O信号は、コマンド送信開始から、無変調波の発振停止までの期間ONとなり、特定のリーダライタ10AのI/O信号は、この期間においてOFFとなる。こうして、複数のリーダライタ10A,10Bのうち、別のリーダライタ10BがRFタグ40に信号を送信する期間に、特定のリーダライタ10AがRFタグ40から信号を受信する。
【0052】
このように、複数のリーダライタ10A,10Bはそれぞれ、RFタグ40に信号を送信する送信期間、および、RFタグ40から信号を受信する受信期間の両方を含む。これにより、複数のリーダライタ10A,10B間で、送信側のリーダライタ10と、受信側のリーダライタ10とに分けることができ、送信電波による受信シグナルへの影響を抑制することができる。また、複数のリーダライタ10A,10B間は、高価な同軸ケーブルではなく、安価なイーサネットケーブルで接続することができコストが嵩むのを抑制することができる。さらに、長い同軸ケーブルを用いる場合に生じる、信号の強度減衰の問題が生じることもない。
【0053】
また、特定のリーダライタ10AのRW通信制御部30Aは、当該RW通信制御部30Aが備えられているリーダライタ10Aにおいて送信期間が終了する時点で、送信期間終了を示す送信終了信号を出力するとともに、当該RW通信制御部10Aが備えられているリーダライタ10Aの受信期間において、送信終了信号を受信した時点で、当該リーダライタ10Aにおける送信期間を開始する制御を行う。
【0054】
また、別のリーダライタ10BのRW通信制御部30Bは、当該RW通信制御部30Bが備えられているリーダライタ10Bにおいて送信期間が終了する時点で、送信期間終了を示す送信終了信号を出力するとともに、当該RW通信制御部10Bが備えられているリーダライタ10Bの受信期間において、送信終了信号を受信した時点で、当該リーダライタ10Bにおける送信期間を開始する制御を行う。
【0055】
これにより、複数のリーダライタ10A,10B間で、送信期間と、受信期間との切り替えを速やかに行うことができる。よって、複数のリーダライタ10A,10Bを用いて送信期間と受信期間とを切り替えながらRFタグ40との間でのデータの読み出しまたは書き込みの処理を行う場合に、データの送受信に遅延が生じることがない。
【0056】
〔データの流れについて〕
図4、および図5は、PLC50と、複数のリーダライタ10A,10Bと、RFタグ40との間のデータの流れを示す図である。なお、図4、及び図5に示した例では、リーダライタ10と、RFタグ40との間の交信は16ビット単位で行われる場合を示している。また、図4、及び図5に示した例では、RFタグ40からデータを読み出す処理の流れを示しているが、RFタグ40にデータを書き込む処理を行う場合も同様の流れとなる。
【0057】
図4に示すように、複数のリーダライタ10A,10Bのうちマスタとして機能する特定のリーダライタ10Aは、上位通信制御部11Aの機能により、RFタグ40からのデータの読み出しを指示するリード指示を、PLC50から受信する。特定のリーダライタ10Aは、RW通信制御部10Aの機能により、上位通信制御部11A経由でEthernetを介して、別のリーダライタ10BにPLC50から指示を受信した旨の通知を送信して、別のリーダライタ10Bとの間でPLC50からの指示を共有する。
【0058】
また、特定のリーダライタ10Aは、PLC50から指示を受信すると、RF交信制御部20Aの機能により、RFタグ40に対して、応答を要求するクエリ(Query)をアンテナ25Aを介して送信する。
【0059】
RFタグ40は、特定のリーダライタ10Aからのクエリの応答として、16ビットの乱数を送信する。RFタグ40から送信された16ビットの乱数は、別のリーダライタ10Bによって受信される。別のリーダライタ10Bは、RF交信制御部20Bの機能により、RFタグ40から受信した16ビットの乱数を用いて、RFタグ40に対して識別情報の提供を求める識別情報読み出しコマンドを送信する。
【0060】
RFタグ40は、識別情報読み出しコマンドを受信して、応答として、識別情報を送信する。RFタグ40から送信された識別情報は、特定のリーダライタ10Aによって受信される。特定のリーダライタ10Aは、RF交信制御部20Aの機能により、RFタグ40から受信した識別情報を用いて、データハンドリングのためのハンドル乱数の提供を求める。
【0061】
RFタグ40は、ハンドル乱数の提供を求めるコマンドを受信して、16ビットのハンドル乱数を送信する。RFタグ40から送信されたハンドル乱数は、別のリーダライタ10Bによって受信される。別のリーダライタ10Bは、RF交信制御部20Bの機能により、RFタグ40から受信したハンドル乱数を用いて、RFタグ40に対してデータの読み出しを要求する読み出しコマンドを送信する。
【0062】
RFタグ40は、受信した読み出しコマンドに対する応答として、メモリから16ビットのデータを読み出して送信する。RFタグ40から送信されたデータは、特定のリーダライタ10Aによって受信される。特定のリーダライタ10Aは、RF交信制御部20Aのデータ処理部21Aの機能により、RFタグから受信したデータを処理して、PLC50に提供するためのレスポンスデータを生成する。特定のリーダライタ10Aは、RF交信制御部20Aが生成したレスポンスデータを、上位通信制御部11Aの機能により、PLC50に送信する。
【0063】
図5に示すように、RFタグ40から読み出すデータのサイズが、一度の交信で読み出すことができるデータ単位より大きい場合には、複数のリーダライタ10A,10Bで、送信期間と受信期間とを切り替えながら、RFタグ40から複数回データを読み出す。複数のリーダライタ10A,10Bは、RFタグ40との間で、乱数、識別情報、ハンドル乱数を受け渡すインベントリーフェーズの後、送信期間であるリーダライタ10がRFタグ40に読み出しコマンドを送信する。
【0064】
図5に示した例では、まず、PLC50から読み出し指示を受信した特定のリーダライタ10Aとは別のリーダライタ10Bから、RFタグ40に読み出しコマンドが送信される。RFタグ40は、受信した読み出しコマンドに対する応答として、メモリから16ビットのデータを読み出して送信する。RFタグ40から送信されたデータは、受信期間である特定のリーダライタ10Aによって受信される。
【0065】
続いて、リーダライタ10A,10B間で、送信期間と受信期間とが切り替えられ、特定のリーダライタ10Aから、RFタグ40に読み出しコマンドが送信される。RFタグ40は、受信した読み出しコマンドに対する応答として、メモリから16ビットのデータを読み出して送信する。RFタグ40から送信されたデータは、受信期間である別のリーダライタ10Bによって受信される。
【0066】
特定のリーダライタ10AがPLC50から受信した読み出し指示には、RFタグ40から読み出すデータの容量に関する情報が含まれている。特定のリーダライタ10Aは、RF交信制御部20Aのデータ処理部21の機能により、PLC50から受信した指示に基づいて、RFタグ40に読み出しコマンドを送信する回数を検出して、別のリーダライタ10Bとの間で、RFタグ40に読み出しコマンドを送信する回数に係る情報を共有する。
【0067】
複数のリーダライタ10A,10Bは、PLC50から受信した読み出し指示に応じた容量のデータをRFタグ40から読み出した後、PLC50から読み出し指示を受信した特定のリーダライタ10Aは、PLC50に提供するためのレスポンスデータを生成する。特定のリーダライタ10Aは、別のリーダライタ10BがRFタグ40から受信したデータを、RW通信制御部30Aの機能により、上位通信制御部11A経由でEthernetを介して、別のリーダライタ10Bから受信する。
【0068】
特定のリーダライタ10Aは、RFタグ40から受信したデータと、別のリーダライタ10Bから受信したデータとを、RF交信制御部20Aのデータ処理部21の機能によりマージしてレスポンスデータを作成する。特定のリーダライタ10Aは、作成したレスポンスデータを上位通信制御部11Aの機能によりPLC50に送信する。
【0069】
このように、複数のリーダライタ10のうち、PLC50から読み出し指示を受信した特定のリーダライタ10Aは、自らの受信期間にRFタグ40から受信したデータと、別のリーダライタ10Bが受信期間にRFタグ40から受信したデータと、をマージしてレスポンスデータを作成し、PLC50に送信する。これにより、複数のリーダライタ10を用いても、PLC50と、特定のリーダライタ10との間の通信が複雑になることがなく、RFタグ40との間のデータの読み出しまたは書き込み処理に遅延が生じる事がない。
【0070】
〔変形例のRFID交信システム200の構成〕
図6は、変形例のRFID交信システム200が用いられるシステム環境を模式的に示す図である。上述のRFID交信システム100では、2台のリーダライタ100A,100Bを用いて、交互に送信期間と受信期間とを切り替えて、RFタグ40との間でデータの読み出しおよび書き込みの少なくともいずれか一方を行う例を説明した。しかしながら、これに限らず、RFID交信システム200は、3台以上の複数のリーダライタ10A,10B,10C・・・を備えて構成されていてもよい。
【0071】
RFID交信システム200は、3台以上の複数のリーダライタ10A,10B,10C・・・のうち、特定のリーダライタがRFタグ40に信号を送信する期間に、別の1つのリーダライタがRFタグ40から信号を受信する。また複数のリーダライタはそれぞれ、RFタグ40に信号を送信する送信期間、および、RFタグ40から信号を受信する受信期間の両方を含んでいる。
【0072】
3台以上の複数のリーダライタ10A,10B,10C・・・のうち、PLC50から指示を受信したリーダライタ10、または、上位通信制御部11を備える特定のリーダライタ10がマスタとして機能し、別の複数のリーダライタ10がスレーブとして機能してもよい。マスタとして機能するリーダライタ10は、自らがRFタグ40から読み出したデータと、別の複数のリーダライタ10がRFタグ40から読み出してデータをとをマージしてレスポンスデータを生成し、PLC50に送信する。
【0073】
〔ソフトウェアによる実現例〕
リーダライタ10の制御ブロック(特に上位通信制御部11、RF交信制御部20、およびRW通信制御部30)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0074】
後者の場合、リーダライタ10は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば1つ以上のプロセッサを備えていると共に、前記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えている。そして、前記コンピュータにおいて、前記プロセッサが前記プログラムを前記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。前記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。前記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、前記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、前記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して前記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、前記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0075】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0076】
10(10A,10B,10C) リーダライタ
11(11A,11B) 上位通信制御部
20(20A,20B) RF交信制御部
21(21A,21B) データ処理部
25(25A,25B) アンテナ
30(30A,30B) RW通信制御部
50 PLC(上位機器)
40 RFタグ
図1
図2
図3
図4
図5
図6