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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-80055(P2020-80055A)
(43)【公開日】2020年5月28日
(54)【発明の名称】領域設定方法、情報機器
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20200501BHJP
   G06F 3/0481 20130101ALI20200501BHJP
   G06F 3/0488 20130101ALI20200501BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20200501BHJP
【FI】
   G06F3/041 530
   G06F3/0481 170
   G06F3/0488
   B60R16/02 630L
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-213123(P2018-213123)
(22)【出願日】2018年11月13日
(71)【出願人】
【識別番号】000001487
【氏名又は名称】クラリオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002365
【氏名又は名称】特許業務法人サンネクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】江崎 実
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA03
5E555AA15
5E555BA23
5E555BA25
5E555BB23
5E555BB25
5E555BC04
5E555BC08
5E555CA12
5E555CB12
5E555CB34
5E555CB52
5E555CB53
5E555CC03
5E555DB18
5E555EA11
5E555EA14
5E555FA00
(57)【要約】      (修正有)
【課題】互いに近接した複数のアイコンにそれぞれ対応して複数のタッチ領域を設定する場合に、タッチ領域同士の境界を適切に設定する領域設定方法および情報機器を提供する。
【解決手段】情報機器1は、シルエット投影モデル作成部112と、配置部113と、領域設定部114を備える。シルエット投影モデル作成部112は、タッチパネル30の表示面と垂直な方向に湾曲した曲面モデルを用意して、タッチパネル30に表示されるアイコンに対応するシルエット画像を曲面モデルに投影した曲面シルエット画像を生成し、曲面シルエット画像に基づくシルエット投影モデルを作成する。配置部113は、作成されたシルエット投影モデルを、タッチパネル30の表示面と平行な描画平面上の所定の位置に配置する。領域設定部114は、所定の位置に配置されたシルエット投影モデルに基づいて、タッチパネル30のタッチ領域を設定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネルに表示されたアイコンに対するユーザのタッチ操作を受け付けるためのタッチ領域を前記タッチパネルに設定する方法であって、
前記タッチパネルの表示面と垂直な方向に湾曲した曲面モデルを用意して、前記アイコンに対応するシルエット画像を前記曲面モデルに投影した曲面シルエット画像を生成し、前記曲面シルエット画像に基づくシルエット投影モデルを作成するシルエット投影モデル作成処理と、
前記シルエット投影モデルを前記表示面と平行な平面上の所定の位置に配置する配置処理と、
前記所定の位置に配置された前記シルエット投影モデルに基づいて前記タッチ領域を設定する領域設定処理と、をコンピュータにより実行し、
前記領域設定処理では、前記シルエット投影モデルにそれぞれ含まれる第1のシルエット投影モデルと第2のシルエット投影モデルとが互いに重なった場合に、前記第1のシルエット投影モデルと前記第2のシルエット投影モデルとの交線を、前記第1のシルエット投影モデルに対応する第1のタッチ領域と前記第2のシルエット投影モデルに対応する第2のタッチ領域との境界線として、前記第1のタッチ領域および前記第2のタッチ領域を設定する、領域設定方法。
【請求項2】
請求項1に記載の領域設定方法において、
前記シルエット投影モデル作成処理では、前記シルエット投影モデルを複数作成し、
前記配置処理では、複数の前記シルエット投影モデルを、それぞれの頂点の高さを合わせて前記平面上に配置する、領域設定方法。
【請求項3】
請求項2に記載の領域設定方法において、
前記シルエット投影モデル作成処理では、底面から頂点までの高さが共通であって大きさが互いに異なる複数の前記シルエット投影モデルを作成する、領域設定方法。
【請求項4】
請求項3に記載の領域設定方法において、
前記シルエット投影モデル作成処理では、前記曲面シルエット画像を前記表示面と平行な方向に拡大または縮小することで、大きさが互いに異なる複数の前記シルエット投影モデルを作成する、領域設定方法。
【請求項5】
請求項3に記載の領域設定方法において、
前記シルエット投影モデル作成処理では、大きさが互いに異なる複数の前記曲面モデルを用意して、前記シルエット画像を複数の前記曲面モデルの大きさに合わせて拡大または縮小して投影することで、大きさが互いに異なる複数の前記曲面シルエット画像を生成し、生成した複数の前記曲面シルエット画像を用いて、大きさが互いに異なる複数の前記シルエット投影モデルを作成する、領域設定方法。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の領域設定方法において、
前記コンピュータには、前記タッチパネルに表示される画像に対応する表示物を描画するための情報を格納するIDバッファが接続されており、
前記配置処理では、前記シルエット投影モデルを表す情報を、前記IDバッファにおいて前記所定の位置に対応するメモリ領域に書き込む、領域設定方法。
【請求項7】
請求項6に記載の領域設定方法において、
前記IDバッファは、前記表示物の深度情報を格納し、
前記領域設定処理では、前記IDバッファにそれぞれ格納される前記第1のシルエット投影モデルの深度情報と前記第2のシルエット投影モデルの深度情報とに基づいて、前記交線を特定する、領域設定方法。
【請求項8】
アイコンを表示するとともに、前記アイコンに対するユーザのタッチ操作を受け付けるためのタッチ領域が設定されるタッチパネルと、
前記タッチパネルの表示面と垂直な方向に湾曲した曲面モデルを用意して、前記アイコンに対応するシルエット画像を前記曲面モデルに投影した曲面シルエット画像を生成し、前記曲面シルエット画像に基づくシルエット投影モデルを作成するシルエット投影モデル作成部と、
前記シルエット投影モデルを前記表示面と平行な平面上の所定の位置に配置する配置部と、
前記所定の位置に配置された前記シルエット投影モデルに基づいて前記タッチ領域を設定する領域設定部と、を備え、
前記領域設定部は、前記シルエット投影モデルにそれぞれ含まれる第1のシルエット投影モデルと第2のシルエット投影モデルとが互いに重なった場合に、前記第1のシルエット投影モデルと前記第2のシルエット投影モデルとの交線を、前記第1のシルエット投影モデルに対応する第1のタッチ領域と前記第2のシルエット投影モデルに対応する第2のタッチ領域との境界線として、前記第1のタッチ領域および前記第2のタッチ領域を設定する、情報機器。
【請求項9】
請求項8に記載の情報機器において、
前記シルエット投影モデル作成部は、前記シルエット投影モデルを複数作成し、
前記配置部は、複数の前記シルエット投影モデルを、それぞれの頂点の高さを合わせて前記平面上に配置する、情報機器。
【請求項10】
請求項9に記載の情報機器において、
前記シルエット投影モデル作成部は、底面から頂点までの高さが共通であって大きさが互いに異なる複数の前記シルエット投影モデルを作成する、情報機器。
【請求項11】
請求項10に記載の情報機器において、
前記シルエット投影モデル作成部は、前記曲面シルエット画像を前記表示面と平行な方向に拡大または縮小することで、大きさが互いに異なる複数の前記シルエット投影モデルを作成する、情報機器。
【請求項12】
請求項10に記載の情報機器において、
前記シルエット投影モデル作成部は、大きさが互いに異なる複数の前記曲面モデルを用意して、前記シルエット画像を複数の前記曲面モデルの大きさに合わせて拡大または縮小して投影することで、大きさが互いに異なる複数の前記曲面シルエット画像を生成し、生成した複数の前記曲面シルエット画像を用いて、大きさが互いに異なる複数の前記シルエット投影モデルを作成する、情報機器。
【請求項13】
請求項8から請求項12のいずれか一項に記載の情報機器において、
前記タッチパネルに表示される画像に対応する表示物を描画するための情報を格納するIDバッファを備え、
前記配置部は、前記シルエット投影モデルを表す情報を、前記IDバッファにおいて前記所定の位置に対応するメモリ領域に書き込む、情報機器。
【請求項14】
請求項13に記載の情報機器において、
前記IDバッファは、前記表示物の深度情報を格納し、
前記領域設定部は、前記IDバッファにそれぞれ格納される前記第1のシルエット投影モデルの深度情報と前記第2のシルエット投影モデルの深度情報とに基づいて、前記交線を特定する、情報機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルにおける領域設定方法およびタッチパネルを備えた情報機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画面上に様々な図形や文字が表示され、任意の領域をタッチ操作することで入力操作が可能なタッチパネルが知られている。このようなタッチパネルを自動車等の車両に搭載して使用した場合、車両の走行によって加速度や振動が生じるため、ユーザが正しい領域をタッチ操作するのが困難になる。
【0003】
タッチパネルにおけるタッチ操作性の向上に関して、例えば下記特許文献1の技術が知られている。特許文献1では、加速度を測定する測定部と、処理の指示を受け付けるためのオブジェクトを、表示画面に表示する表示制御部と、前記オブジェクトに対する操作を検出する検出部と、前記検出部が、前記オブジェクトに対する操作として検出可能な前記表示画面の反応領域を設定する設定部と、を備え、前記設定部は、前記測定部により測定された加速度の大きさ及び方向に応じて、前記反応領域の範囲を変更することを特徴とする情報処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016−115107号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の技術では、複数のオブジェクト(アイコン)が画面上で互いに近接して表示されている場合、拡大された反応領域(タッチ領域)同士が重なり合ってしまうことがある。このような場合、複数のタッチ領域同士が重なり合った部分がユーザによってタッチ操作されると、ユーザがどのアイコンを指定したのか特定することができないため、タッチ操作内容を正しく認識することができない。したがって、互いに近接した複数のアイコンにそれぞれ対応して複数のタッチ領域を設定する場合には、タッチ領域同士の境界を適切に設定する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による領域設定方法は、タッチパネルに表示されたアイコンに対するユーザのタッチ操作を受け付けるためのタッチ領域を前記タッチパネルに設定する方法であって、前記タッチパネルの表示面と垂直な方向に湾曲した曲面モデルを用意して、前記アイコンに対応するシルエット画像を前記曲面モデルに投影した曲面シルエット画像を生成し、前記曲面シルエット画像に基づくシルエット投影モデルを作成するシルエット投影モデル作成処理と、前記シルエット投影モデルを前記表示面と平行な平面上の所定の位置に配置する配置処理と、前記所定の位置に配置された前記シルエット投影モデルに基づいて前記タッチ領域を設定する領域設定処理と、をコンピュータにより実行し、前記領域設定処理では、前記シルエット投影モデルにそれぞれ含まれる第1のシルエット投影モデルと第2のシルエット投影モデルとが互いに重なった場合に、前記第1のシルエット投影モデルと前記第2のシルエット投影モデルとの交線を、前記第1のシルエット投影モデルに対応する第1のタッチ領域と前記第2のシルエット投影モデルに対応する第2のタッチ領域との境界線として、前記第1のタッチ領域および前記第2のタッチ領域を設定する。
本発明による情報機器は、アイコンを表示するとともに、前記アイコンに対するユーザのタッチ操作を受け付けるためのタッチ領域が設定されるタッチパネルと、前記タッチパネルの表示面と垂直な方向に湾曲した曲面モデルを用意して、前記アイコンに対応するシルエット画像を前記曲面モデルに投影した曲面シルエット画像を生成し、前記曲面シルエット画像に基づくシルエット投影モデルを作成するシルエット投影モデル作成部と、前記シルエット投影モデルを前記表示面と平行な平面上の所定の位置に配置する配置部と、前記所定の位置に配置された前記シルエット投影モデルに基づいて前記タッチ領域を設定する領域設定部と、を備え、前記領域設定部は、前記シルエット投影モデルにそれぞれ含まれる第1のシルエット投影モデルと第2のシルエット投影モデルとが互いに重なった場合に、前記第1のシルエット投影モデルと前記第2のシルエット投影モデルとの交線を、前記第1のシルエット投影モデルに対応する第1のタッチ領域と前記第2のシルエット投影モデルに対応する第2のタッチ領域との境界線として、前記第1のタッチ領域および前記第2のタッチ領域を設定する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、互いに近接した複数のアイコンにそれぞれ対応して複数のタッチ領域を設定する場合に、タッチ領域同士の境界を適切に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る情報機器の構成を示す図である。
図2】タッチパネルに表示されるメニュー画面に対して設定されるタッチ領域の一例を示す図である。
図3】タッチ領域の設定時に作成されるシルエット投影モデルの説明図である。
図4】複数のタッチ領域が重なり合う場合の境界線の設定方法の説明図である。
図5】本発明の一実施形態に係る情報機器におけるタッチ領域の設定処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、本発明の一実施形態に係る情報機器の構成を示す図である。図1に示す情報機器1は、例えば車両に搭載されて使用されることで、車両に搭乗しているユーザに様々な情報提供を行うものである。情報機器1は、制御部10、記憶部20、タッチパネル30、スピーカ40、ROM(Read Only Memory)50、RAM(Random Access Memory)60、カラーバッファ70、およびIDバッファ80を備える。
【0010】
制御部10は、情報機器1が実行する様々な処理や制御を受け持つ部分であり、例えばCPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等のコンピュータを用いて構成される。制御部10は、その機能として、タッチパネル制御部11、通信制御部12、ナビゲーション処理部13、コンテンツ処理部14、および現在位置取得部15の各機能ブロックを備える。制御部10は、これらの機能ブロックを、例えばROM50に格納された所定のプログラムを実行することで実現する。
【0011】
記憶部20は、制御部10において利用される様々な情報を記憶する部分であり、例えばHDD(Hard Disc Drive)やSSD(Solid State Drive)、メモリカード等を用いて構成される。記憶部20は、地図情報が格納された地図データベース(地図DB)21と、各種映像や音楽等のコンテンツ情報が格納されたコンテンツデータベース(コンテンツDB)22とを有する。なお、これ以外の情報を記憶部20に記憶してもよい。
【0012】
タッチパネル30は、制御部10の制御に応じて様々な画像や映像を画面に表示するとともに、ユーザが画面上で行ったタッチ操作を検出する。タッチパネル30が検出したタッチ操作の内容は、制御部10において認識され、制御部10が実行する処理に反映される。タッチパネル30は、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイにタッチセンサを組み合わせたものを用いて構成される。
【0013】
スピーカ40は、制御部10の制御に応じて各種の音声を出力する。
【0014】
ROM50は、制御部10により実行される各種プログラムを格納する。ROM50に格納されたプログラムは、制御部10により読み出され、RAM60を作業領域に用いて制御部10により実行される。なお、記憶部20の一部を用いてROM50やRAM60を実現してもよい。
【0015】
カラーバッファ70は、タッチパネル30に表示される画像や映像の色情報を格納するためのバッファメモリである。制御部10は、カラーバッファ70を利用することで、周知の描画処理によって描画した様々な画像や映像をタッチパネル30に表示させることができる。
【0016】
IDバッファ80は、表示物IDを格納するためのバッファメモリである。このIDバッファ80に格納される表示物IDとは、制御部10が描画した様々な表示物の形状を表す情報である。制御部10は、カラーバッファ70に格納される色情報の代わりに、または色情報と組み合わせて、IDバッファ80に格納される表示物IDを用いることで、タッチパネル30に様々な画像や映像を表示させることが可能である。制御部10は、周知の描画処理により、カラーバッファ70に格納される色情報とは独立して、IDバッファ80に格納される表示物IDを作成することができる。
【0017】
本実施形態の情報機器1では、IDバッファ80に格納される表示物IDを、タッチパネル30への画像表示には利用せずに、タッチパネル30においてアイコンを表示する際のタッチ領域の設定に利用する。これにより、複数のアイコンが画面上で互いに近接して表示される場合においても、各アイコンに対して適切なタッチ領域を設定できるようにしている。なお、この点の詳細については後述する。
【0018】
次に、制御部10の各機能ブロックについて以下に説明する。
【0019】
タッチパネル制御部11は、タッチパネル30の制御を行う。タッチパネル制御部11は、表示制御部111、シルエット投影モデル作成部112、配置部113、領域設定部114、およびタッチ操作検出部115により構成される。
【0020】
表示制御部111は、様々な画像や映像の描画処理を行い、生成した色情報をカラーバッファ70に格納してタッチパネル30への表示を行う部分である。シルエット投影モデル作成部112および配置部113は、IDバッファ80を利用して、領域設定部114がタッチ領域の設定を行うための処理を実施する部分である。なお、これらが実施する処理内容の詳細については後述する。領域設定部114は、シルエット投影モデル作成部112および配置部113の処理結果を用いて、タッチパネル30におけるタッチ領域の設定を行う部分である。タッチ操作検出部115は、領域設定部114が設定したタッチ領域に基づき、ユーザがタッチパネル30に対して入力したタッチ操作を検出してその操作内容を認識する。
【0021】
通信制御部12は、不図示の通信装置を用いて情報機器1と他の装置との間で行われる通信を制御する。情報機器1は、この通信制御部12が行う通信制御により、例えば情報機器1が搭載された車両内の他の装置との間で情報を送受信し、車両の走行制御等に利用することができる。また、車両外に設置されたサーバ等から新たな地図情報やコンテンツ情報を取得し、地図DB21やコンテンツDB22に格納することもできる。
【0022】
ナビゲーション処理部13は、地図DB21から地図情報を取得し、車両を目的地まで案内するためのナビゲーション処理を行う。このナビゲーション処理には、例えば、目的地の検索処理や、車両の現在位置から設定された目的地までの経路探索処理などが含まれる。また、地図情報に基づいて表示制御部111に地図を描画させることで、車両周辺や任意地点の地図をタッチパネル30に表示させることも可能である。
【0023】
コンテンツ処理部14は、コンテンツDB22からコンテンツ情報を取得し、タッチパネル30やスピーカ40を用いてユーザに提供する。なお、コンテンツ情報に基づく画像や映像をタッチパネル30に表示させる際には、表示制御部111が用いられる。
【0024】
現在位置取得部15は、例えば不図示のGPSセンサにより受信されるGPS信号に基づき、車両の現在位置を取得する。現在位置取得部15が取得した車両の現在位置は、ナビゲーション処理部13が行うナビゲーション処理などに利用される。
【0025】
次に、タッチパネル30におけるタッチ領域の設定方法について説明する。図2は、タッチパネル30に表示されるメニュー画面に対して設定されるタッチ領域の一例を示す図である。図2に示すメニュー画面には、アイコン31〜37が表示されており、各アイコン31〜37に対してタッチ領域41〜47がそれぞれ設定されている。タッチ領域41〜47は、走行中の車両でもユーザがタッチ操作しやすいように、アイコン31〜37の部分だけでなく、アイコン31〜37の周囲の所定範囲まで含めてそれぞれ設定されている。なお、図2では理解しやすいように、タッチ領域41〜47をアイコン31〜37の周囲にハッチングで図示しているが、タッチパネル30において実際に表示されるのはアイコン31〜37のみであり、タッチ領域41〜47は表示されない。
【0026】
図2のメニュー画面において、例えば点線で囲った符号51に示す部分では、アイコン32に対応するタッチ領域42とアイコン34に対応するタッチ領域44との重なりが生じている。このように複数のタッチ領域が互いに重なり合う部分では、タッチ操作の重複を避けるため、タッチ領域同士の境界線を適切に定める必要がある。そこで本実施形態では、IDバッファ80に格納される表示物IDを利用してタッチ領域を設定することで、タッチ領域同士の境界線を適切に定めることができるようにしている。以下では、その具体的な方法を説明する。なお、上記ではタッチ領域42とタッチ領域44とが重なり合う部分51のみを説明したが、他の重なり部分についても同様である。
【0027】
図3は、タッチ領域の設定時に作成されるシルエット投影モデルの説明図である。タッチパネル制御部11のシルエット投影モデル作成部112は、タッチ領域の設定に先立って、例えば図3に示すような方法でシルエット投影モデルを作成する。図3において、図の上下方向はX軸方向およびY軸方向、すなわちタッチパネル30の表示面と平行な方向を表しており、図の左右方向はZ軸方向、すなわちタッチパネル30の表示面に対して垂直な奥行方向を表している。なお、シルエット投影モデルはX軸方向とY軸方向で同様の構造を有しているため、図3ではこれらを共通して表している。
【0028】
シルエット投影モデル作成部112は、まず図3に示すような曲面モデル61を用意する。曲面モデル61は、タッチパネル30の表示面と垂直な方向、すなわちZ軸方向に湾曲した形状を有している。シルエット投影モデル作成部112は、この曲面モデル61にシルエット画像62を投影することで、曲面モデル61に沿ってシルエット画像62が変形された曲面シルエット画像63を生成する。シルエット画像62は、図2のアイコン31〜37に対して、各アイコンの形状(輪郭)のみを表現した画像としてそれぞれ設定される。すなわち、シルエット画像62では、各アイコンの色彩は表現されていない。また、処理の高速化のために、シルエット画像62の解像度は、対応するアイコンの解像度よりも低く設定することが好ましい。
【0029】
シルエット投影モデル作成部112は、上記のようにして生成した曲面シルエット画像63を、タッチパネル30の表示面と平行な方向に拡大することで、曲面シルエット画像63に基づくシルエット投影モデル64を作成する。このときの拡大倍率は、図2のアイコン31〜37に対するタッチ領域41〜47の大きさの比率に応じて予め設定されている。すなわち、作成されるシルエット投影モデル64のX方向およびY方向の大きさが、設定すべきタッチ領域のX方向およびY方向の大きさとそれぞれ同一となるように、曲面シルエット画像63を拡大させる。これにより、図2に示したように、アイコン31〜37よりも大きなタッチ領域41〜47が設定されるようにする。
【0030】
配置部113は、上記のようにしてシルエット投影モデル作成部112が作成したシルエット投影モデル64を、IDバッファ80において設定された描画平面65上の所定の位置に配置する。描画平面65は、IDバッファ80に表示物IDが格納されることで表現された表示物が描画される平面を表しており、タッチパネル30の表示面と平行に設定されている。このとき配置部113は、シルエット画像62に対応するアイコンのメニュー画面上での表示位置(重心点の位置)と、シルエット投影モデル64の描画平面65上での位置(頂点の位置)とが一致するように、シルエット投影モデル64を描画平面65上に配置する。これにより、XY平面の方向だけでなく、タッチパネル30の表示面に対して垂直なZ方向(奥行方向)にも長さを有するシルエット投影モデル64の情報が、IDバッファ80に格納される。
【0031】
ここで、IDバッファ80は、表示物の深度情報を格納するための深度バッファを有している。シルエット投影モデル64のZ方向の情報は、IDバッファ80においてこの深度バッファに格納される。
【0032】
領域設定部114は、配置部113により描画平面65上の所定の位置に配置されたシルエット投影モデル64に基づいて、タッチパネル30におけるタッチ領域を設定する。具体的には、シルエット投影モデル64が描画平面65上に占める範囲に相当するタッチパネル30の領域を、タッチ領域として設定する。こうしたタッチ領域の設定を図2のアイコン31〜37に対してそれぞれ行うことで、アイコン31〜37にそれぞれ対応するタッチ領域41〜47をタッチパネル30において設定することができる。
【0033】
続いて、複数のタッチ領域が重なり合う場合の境界線の設定方法について、図4を参照して説明する。図4は、描画平面65上に配置された複数のシルエット投影モデルが互いに重なり合う様子を示した図である。なお、図4でも図3と同様に、図の上下方向はX軸方向およびY軸方向、すなわちタッチパネル30の表示面と平行な方向を表しており、図の左右方向はZ軸方向、すなわちタッチパネル30の表示面に対して垂直な奥行方向を表している。
【0034】
図4において、符号71はタッチパネル30の表示面を表しており、この表示面71上にアイコン72a〜72cが表示されている。シルエット投影モデル作成部112は、これらのアイコン72a〜72cに対して、図3で説明したようにシルエット画像62a〜62cをそれぞれ設定し、シルエット画像62a〜62cを曲面モデルにそれぞれ投影した曲面シルエット画像63a〜63cを拡大することで、シルエット投影モデル64a〜64cを作成する。配置部113は、シルエット投影モデル作成部112が作成したシルエット投影モデル64a〜64cを、表示面71上でのアイコン72a〜72cの各表示位置に対応させて、描画平面65上にそれぞれ配置する。なお、アイコン72a〜72cは、図2に示したアイコン31〜37のいずれかにそれぞれ対応する。
【0035】
ここで、アイコン72a〜72cは、表示面71に沿った方向の大きさが互いに異なっている。そのため、描画平面65上に配置されたシルエット投影モデル64a〜64cの大きさも、描画平面65に沿った方向では互いに異なっている。一方、描画平面65から各シルエット投影モデル64a〜64cの頂点までの高さhは、図4に示すように一致している。すなわち、描画平面65上に配置されたシルエット投影モデル64a〜64cは、高さhを共通として曲率が互いに異なることで、描画平面65に沿った方向の大きさを変化させている。
【0036】
上記のように、シルエット投影モデル作成部112は、大きさが互いに異なるアイコン72a〜72cに対して、底面から頂点までの高さが共通であって大きさが互いに異なるシルエット投影モデル64a〜64cを作成する。このとき図4に示すように、アイコン72a〜72cが表示面71上で互いに近接していると、描画平面65上に配置されたシルエット投影モデル64a〜64cの一部分が互いに重なり合ってしまい、その結果、シルエット投影モデル64a〜64cに基づいて設定されるタッチ領域同士が重なり合ってしまうことがある。こうした場合、領域設定部114は、シルエット投影モデル64a〜64cの高さ情報、すなわち深度バッファに格納されるZ方向の情報を用いて、重なり合うタッチ領域同士の境界線を設定する。
【0037】
具体的には、領域設定部114は、例えばシルエット投影モデル64aと64bにそれぞれ対応するタッチ領域同士の重なり部分については、図4に示す交線66aをタッチ領域の境界線として設定する。この交線66aは、曲面形状をそれぞれ有するシルエット投影モデル64aとシルエット投影モデル64bが互いに交わる位置に形成される線であり、IDバッファ80に格納されるこれらのシルエット投影モデルの高さ情報から容易に特定することができる。すなわち、領域設定部114は、描画平面65上に描画されたシルエット投影モデル64aに対してIDバッファ80の深度バッファに格納される高さ情報と、描画平面65上に描画されたシルエット投影モデル64bに対してIDバッファ80の深度バッファに格納される高さ情報とを比較することで、交線66aの位置や形状を特定する。こうした高さ情報の比較処理は、制御部10が有する描画処理の一部として実装されているため、交線66aの位置や形状を容易に、かつ高速に特定することが可能となる。
【0038】
領域設定部114は、上記のようにして、IDバッファ80が有する深度バッファにそれぞれ格納されるシルエット投影モデル64a、64bの高さ情報に基づき、これらのシルエット投影モデルの交線66aを特定することで、対応するタッチ領域の境界線を設定する。シルエット投影モデル64bと64cについても同様に、IDバッファ80が有する深度バッファにそれぞれ格納されるシルエット投影モデル64b、64cの高さ情報に基づき、これらのシルエット投影モデルの交線66bを特定することで、対応するタッチ領域の境界線を設定する。その結果、互いに重なり合うタッチ領域の境界線として、あたかもせめぎ合う泡同士が形成する境界壁のように最適化された境界線を、容易かつ高速に設定することが可能となる。
【0039】
図5は、本発明の一実施形態に係る情報機器1におけるタッチ領域の設定処理の流れを示すフローチャートである。図5に示すフローチャートは、例えば図2のように複数のアイコン31〜37を含むメニュー画面をタッチパネル30に表示する際に、コンピュータである制御部10において、タッチパネル制御部11により実行される。
【0040】
ステップS10において、タッチパネル制御部11は、以降の処理対象とするアイコンを選択する。ここでは、例えば図2のアイコン31〜37のうちいずれかを、以降の処理対象として選択する。
【0041】
ステップS20において、タッチパネル制御部11は、シルエット投影モデル作成部112により、ステップS10で選択したアイコンに対応するシルエット画像を生成する。
【0042】
ステップS30において、タッチパネル制御部11は、シルエット投影モデル作成部112により、ステップS20で生成したシルエット画像からシルエット投影モデルを作成するシルエット投影モデル作成処理を実施する。ここでは図3で説明したように、Z軸方向に湾曲した曲面モデル61を用意して、ステップS20で生成したシルエット画像をこの曲面モデル61に投影した曲面シルエット画像を生成し、その曲面シルエット画像を拡大することで、シルエット投影モデルを作成する。
【0043】
ステップS40において、タッチパネル制御部11は、配置部113により、ステップS30で作成したシルエット投影モデルを描画平面65上の所定の位置に配置する配置処理を実施する。ここでは、ステップS10で選択したアイコンの表示位置に対応する描画平面65上の位置を特定し、ステップS30で作成したシルエット投影モデルを表す情報を、IDバッファ80において当該位置に対応するメモリ領域に書き込むことで、シルエット投影モデルを描画平面65上に配置する。
【0044】
ステップS50において、タッチパネル制御部11は、メニュー画面の全てのアイコンをステップS10で選択済みであるか否かを判定する。全てのアイコンを選択済みである場合は、シルエット投影モデルの作成を終了してステップS60に進み、未選択のアイコンが存在する場合は、ステップS10に戻る。ステップS10に戻った場合、タッチパネル制御部11は、ステップS10で未選択のアイコンの中からいずれかを選択した後、ステップS20〜S50の処理を繰り返す。これにより、メニュー画面の各アイコンに対して、図4で説明したように、底面から頂点までの高さが共通であって大きさが互いに異なるシルエット投影モデルがそれぞれ作成され、描画平面65上の所定の位置にそれぞれ配置される。
【0045】
ステップS60において、タッチパネル制御部11は、ステップS40で描画平面65上に配置した各シルエット投影モデルの中で、互いに重なり合うシルエット投影モデルの有無を判定する。その結果、重なり合うシルエット投影モデルが存在する場合はステップS70に進み、存在しない場合はステップS70を実行せずにステップS80に進む。
【0046】
ステップS70において、タッチパネル制御部11は、領域設定部114により、ステップS60で重なり合うと判定したシルエット投影モデル同士の交線を特定する。ここでは図4で説明した交線66a、66bのように、互いに重なり合う複数のシルエット投影モデルに対してIDバッファ80の深度バッファにそれぞれ格納される高さ情報を比較することで、これらの交線を特定する。重なり合う全てのシルエット投影モデルに対して交線を特定できたら、ステップS70の処理を終了してステップS80に進む。
【0047】
ステップS80において、タッチパネル制御部11は、領域設定部114により、ステップS40で描画平面65上に配置した各シルエット投影モデルを各アイコンのタッチ領域に設定する領域設定処理を行う。このとき領域設定部114は、ステップS70で重なり合うシルエット投影モデルの交線を特定していた場合は、その交線を当該タッチ領域の境界線として設定する。すなわち、図4において互いに重なり合うシルエット投影モデル64a、64bに対しては、これらのシルエット投影モデルの交線66aを、シルエット投影モデル64aに対応するタッチ領域とシルエット投影モデル64bに対応するタッチ領域との境界線として、これらのタッチ領域を設定する。同様に、図4において互いに重なり合うシルエット投影モデル64b、64cに対しては、これらのシルエット投影モデルの交線66bを、シルエット投影モデル64bに対応するタッチ領域とシルエット投影モデル64cに対応するタッチ領域との境界線として、これらのタッチ領域を設定する。全てのアイコンに対してタッチ領域を設定できたら、タッチパネル制御部11は、図5に示すフローチャートを終了する。
【0048】
以上説明した本発明の一実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
【0049】
(1)情報機器1は、タッチパネル30と、シルエット投影モデル作成処理(ステップS30)を実施するシルエット投影モデル作成部112と、配置処理(ステップS40)を実施する配置部113と、領域設定処理(ステップS80)を実施する領域設定部114とを備える。タッチパネル30は、アイコン31〜37を表示するとともに、アイコン31〜37に対するユーザのタッチ操作を受け付けるためのタッチ領域41〜47が設定される。シルエット投影モデル作成部112は、タッチパネル30の表示面71と垂直な方向に湾曲した曲面モデル61を用意して、アイコン72a〜72cに対応するシルエット画像62a〜62cを曲面モデル61にそれぞれ投影した曲面シルエット画像63a〜63cを生成し、これらの曲面シルエット画像63a〜63cに基づくシルエット投影モデル64a〜64cを作成する。配置部113は、シルエット投影モデル作成部112により作成されたシルエット投影モデル64a〜64cを、表示面71と平行な描画平面65上の所定の位置に配置する。領域設定部114は、配置部113により所定の位置に配置されたシルエット投影モデル64a〜64cに基づいて、タッチ領域41〜47を設定する。このとき領域設定部114は、シルエット投影モデル64a〜64cにそれぞれ含まれる第1のシルエット投影モデル(シルエット投影モデル64aまたは64b)と第2のシルエット投影モデル(シルエット投影モデル64bまたは64c)とが互いに重なった場合に、第1のシルエット投影モデルと第2のシルエット投影モデルとの交線66a,66bを、第1のシルエット投影モデルに対応する第1のタッチ領域と第2のシルエット投影モデルに対応する第2のタッチ領域との境界線として、第1のタッチ領域および第2のタッチ領域を設定する。このようにしたので、互いに近接した複数のアイコンにそれぞれ対応して複数のタッチ領域を設定する場合に、タッチ領域同士の境界を適切に設定することができる。
【0050】
(2)シルエット投影モデル作成部112は、シルエット投影モデル作成処理において、シルエット投影モデルを複数(シルエット投影モデル64a〜64c)作成する。配置部113は、配置処理において、複数のシルエット投影モデル64a〜64cを、それぞれの頂点の高さを合わせて描画平面65上に配置する。このようにしたので、タッチパネル30に表示される複数のアイコン31〜37に対して、領域設定部114が領域設定処理においてタッチ領域をそれぞれ設定するのに適したシルエット投影モデルを配置することができる。
【0051】
(3)シルエット投影モデル作成部112は、底面から頂点までの高さが共通であって大きさが互いに異なる複数のシルエット投影モデル64a〜64cを作成する。このようにしたので、互いに大きさが異なる複数のアイコン31〜37に対して、それぞれに適したシルエット投影モデルを作成することができる。
【0052】
(4)シルエット投影モデル作成部112は、曲面シルエット画像63a〜63cを表示面71と平行な方向に拡大することで、大きさが互いに異なる複数のシルエット投影モデル64a〜64cを作成する。このようにしたので、大きさが互いに異なる複数のシルエット投影モデルを容易に作成することができる。
【0053】
(5)情報機器1は、タッチパネル30に表示される画像に対応する表示物を描画するための情報を格納するIDバッファ80を備えており、IDバッファ80はコンピュータである制御部10に接続されている。配置部113は、配置処理において、シルエット投影モデル64a〜64cを表す情報を、IDバッファ80において描画平面65上の所定の位置に対応するメモリ領域に書き込む。このようにしたので、制御部10が有する描画処理の機能を利用して、シルエット投影モデル64a〜64cを容易に作成および配置することが可能となる。
【0054】
(6)IDバッファ80は、表示物の深度情報を格納する深度バッファを有している。領域設定部114は、領域設定処理において、IDバッファ80にそれぞれ格納される第1のシルエット投影モデルの深度情報と第2のシルエット投影モデルの深度情報とに基づいて、交線66a,66bを特定する。このようにしたので、タッチ領域の境界線としての交線66a,66bを容易かつ高速に特定することが可能となる。
【0055】
なお、以上説明した本発明の一実施形態では、シルエット投影モデル作成部112において、曲面シルエット画像63a〜63cを表示面71と平行な方向に拡大することで、大きさが互いに異なる複数のシルエット投影モデル64a〜64cを作成する例を説明した。しかし、これ以外の方法を用いて、大きさが互いに異なる複数のシルエット投影モデル64a〜64cを作成してもよい。具体的には、例えばシルエット投影モデル作成部112は、ステップS30のシルエット投影モデル作成処理において、大きさが互いに異なる複数の曲面モデルを用意する。そして、図4のシルエット画像62a〜62cをこれらの複数の曲面モデルの大きさに合わせて拡大して投影することで、大きさが互いに異なる複数の曲面シルエット画像63a〜63cを生成する。こうして生成した複数の曲面シルエット画像63a〜63cを用いて、大きさが互いに異なる複数のシルエット投影モデル64a〜64cを作成することも可能である。このようにすれば、シルエット画像を曲面モデルに投影して曲面シルエット画像を生成する処理と、設定すべきタッチ領域に合わせて曲面シルエット画像を拡大してシルエット投影モデルを作成する処理とを統合して、これらを一度の処理で実施することができる。したがって、処理の高速化を図ることができる。
【0056】
また、以上説明した本発明の一実施形態では、シルエット投影モデル作成部112において、曲面シルエット画像63a〜63cを表示面71と平行な方向に拡大することで、大きさが互いに異なる複数のシルエット投影モデル64a〜64cを作成する例を説明した。しかし、これとは反対に、曲面シルエット画像63a〜63cを表示面71と平行な方向に縮小することで、大きさが互いに異なる複数のシルエット投影モデル64a〜64cを作成してもよい。さらに、上記のように大きさが互いに異なる複数の曲面モデルを用いてシルエット投影モデル64a〜64cを作成する場合についても同様に、図4のシルエット画像62a〜62cをこれらの複数の曲面モデルの大きさに合わせて縮小して投影することで、大きさが互いに異なる複数の曲面シルエット画像63a〜63cを生成し、生成した複数の曲面シルエット画像63a〜63cを用いて、大きさが互いに異なる複数のシルエット投影モデル64a〜64cを作成してもよい。このようにすれば、アイコンの大きさに関わらず、任意の大きさでシルエット投影モデルを作成することができる。
【0057】
以上説明した本発明の一実施形態では、車両に搭載される情報機器1を例として説明したが、本発明は他の情報機器においても適用可能である。アイコンを表示可能なタッチパネルを有しており、アイコンに対するユーザのタッチ操作を受け付けるためのタッチ領域をタッチパネルに設定するものであれば、任意の情報機器において本発明を適用可能である。
【0058】
以上説明した各実施形態や各種変形例はあくまで一例であり、発明の特徴が損なわれない限り、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。また、上記では種々の実施形態や変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0059】
1:情報機器、10:制御部、11:タッチパネル制御部、12:通信制御部、13:ナビゲーション処理部、14:コンテンツ処理部、15:現在位置取得部、20:記憶部、21:地図DB、22:コンテンツDB、30:タッチパネル、40:スピーカ、50:ROM、60:RAM、70:カラーバッファ、80:IDバッファ、111:表示制御部、112:シルエット投影モデル作成部、113:配置部、114:領域設定部、115:タッチ操作検出部
図1
図2
図3
図4
図5