特開2020-80237(P2020-80237A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ タイコエレクトロニクスジャパン合同会社の特許一覧

<>
  • 特開2020080237-コネクタ 図000003
  • 特開2020080237-コネクタ 図000004
  • 特開2020080237-コネクタ 図000005
  • 特開2020080237-コネクタ 図000006
  • 特開2020080237-コネクタ 図000007
  • 特開2020080237-コネクタ 図000008
  • 特開2020080237-コネクタ 図000009
  • 特開2020080237-コネクタ 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-80237(P2020-80237A)
(43)【公開日】2020年5月28日
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/52 20060101AFI20200501BHJP
【FI】
   H01R13/52 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2018-212773(P2018-212773)
(22)【出願日】2018年11月13日
(71)【出願人】
【識別番号】000227995
【氏名又は名称】タイコエレクトロニクスジャパン合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094330
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 正紀
(74)【代理人】
【識別番号】100109689
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 結
(72)【発明者】
【氏名】坂口 惣一
【テーマコード(参考)】
5E087
【Fターム(参考)】
5E087LL04
5E087LL17
5E087MM08
5E087RR12
(57)【要約】
【課題】水滴の侵入を防ぐ構造を備えたコネクタを提供する
【解決手段】コネクタ10は、ハウジング11を備えている。そして、このハウジング11は、フード13を有する。このフード13は、嵌合した状態の相手コネクタ20から離間し、矢印Xで示す嵌合方向に対し交わる向きに眺めたときに、相手コネクタ20の全域を覆っている。そして、このフード13は、相手コネクタ20の全域を覆いながら相手コネクタ20を一周に亘って取り巻いている。また、このコネクタ10は、フード13の開口131側前端近傍においてフード13の外面に立設した周回壁15を有する。この周回壁15は、フード13を一周に亘って取り巻いている。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングを有するコネクタであって、
前記ハウジングが、上方から眺めたときに、前記コネクタと嵌合した状態の相手コネクタの全域を覆う、該相手コネクタから離間した庇部を有することを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記庇部の前端近傍において該庇部の上面に立設し嵌合方向に対し交わる向きに延びる立壁を有することを特徴とする請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記ハウジングが、嵌合方向に対し交わる向きに眺めたときに該相手コネクタの全域を覆いながら該相手コネクタを一周にわたって取り巻く、前記相手コネクタから離間し前記庇部を兼ねたフードを有することを特徴とする請求項1または2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記ハウジングが、
嵌合方向に対し交わる向きに眺めたときに該相手コネクタの全域を覆いながら該相手コネクタを一周にわたって取り巻く、前記相手コネクタから離間し前記庇部を兼ねたフードと、
前記フードの開口側前端近傍において該フードの外面に立設し該フードを一周に亘って取り巻く、前記立壁を兼ねた周回壁とを有することを特徴とする請求項2に記載のコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば結露に起因する水や不用意にこぼした水などに起因する水滴がたれ落ちる可能性がある環境下にコネクタを配置する必要が生じる場合がある。このような環境下には防水型のコネクタを配置することが考えられる。しかしながら、防水型のコネクタは防水のための新たな部材や複雑な構造が必要となり、コスト高となるおそれがある。
【0003】
ここで、特許文献1には、水滴侵入防止用の突条を形成し、その突条を相手コネクタのハウジングに突き当てることにより水滴の侵入を防ぐフラット配線材用コネクタが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−157928号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上掲の特許文献1に開示されたフラット配線材用コネクタの場合、相手コネクタの幅方向中央部分にのみ上記の突条が形成されている。このため、その突条の脇からの水滴の侵入を防ぎきれないおそれがある。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑み、水滴の侵入を防ぐ構造を備えたコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成する本発明のコネクタは、ハウジングを有するコネクタであって、
そのハウジングが、上方から眺めたときに、本発明のコネクタと嵌合した状態の相手コネクタの全域を覆う、相手コネクタから離間した庇部を有することを特徴とする。
【0008】
本発明のコネクタは、上方から眺めたときに、本発明のコネクタと嵌合した状態の相手コネクタの全域を覆う庇部を有する。このため、落下してきた水滴は庇部の上に落下し、水滴が相手コネクタに垂れ落ちることが防止される。
【0009】
また、本発明のコネクタに備えられている庇部は、相手コネクタからは離間している。このため、庇部に落下した水滴が庇部を伝って流れてもその水滴が相手コネクタに触れることが防止される。
【0010】
ここで、本発明のコネクタにおいて、上記庇部の前端近傍において庇部の上面に立設し嵌合方向に対し交わる向きに延びる立壁を有することが好ましい。
【0011】
この立壁を有する構造の場合、立壁により、庇部の上に落下した水滴が庇部の内側へ回り込むことが防止される。
【0012】
また、本発明のコネクタにおいて、上記ハウジングが、嵌合方向に対し交わる向きに眺めたときに相手コネクタの全域を覆いながら相手コネクタを一周にわたって取り巻く、相手コネクタから離間し上記庇部を兼ねたフードを有することが好ましい。
【0013】
このフードを備えると、例えば横向きや上下逆向きなど、コネクタの姿勢の自由度が向上する。
【0014】
さらに、本発明のコネクタにおいて、上記ハウジングが、
嵌合方向に対し交わる向きに眺めたときに相手コネクタの全域を覆いながら相手コネクタを一周にわたって取り巻く、相手コネクタから離間し上記庇部を兼ねたフードと、
上記フードの開口側前端近傍においてフードの外面に立設しフードを一周に亘って取り巻く、上記立壁を兼ねた周回壁とを有することが好ましい。
【0015】
周回壁を有する構造の場合、コネクタを例えば横向きや上下逆向きなどの姿勢に配置しても、フードに落下した水滴がフードの内側へ回り込むことが防止される。
【発明の効果】
【0016】
以上の本発明のコネクタによれば、水滴の侵入が防止される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1実施形態のコネクタの斜視図である。
図2図1に示されたコネクタの断面図である。
図3図1に示されたコネクタの側面図である。
図4】本発明の第2実施形態のコネクタの斜視図である。
図5図4に示されたコネクタの断面図である。
図6図4に示されたコネクタの側面図(A)と、図5に示された円Rの部分の拡大図(B)である。
図7】本発明の第3実施形態のコネクタの斜視図である。
図8】本発明の第4実施形態のコネクタの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0019】
図1は、本発明の第1実施形態のコネクタの斜視図である。
【0020】
また、図2は、図1に示されたコネクタの断面図である。ただし、この図2には、本コネクタ10に嵌合した状態の相手コネクタ20も示されている。また、この図2には、実装時の姿勢にあるコネクタ10が示されている。すなわち、このコネクタ10は、フード13の開口131をやや下に向けた姿勢に取り付けられている。
【0021】
図1に示すように、コネクタ10は、相手コネクタ20(図2参照)が矢印Xで示す嵌合方向に差し込まれる嵌合開口12を有する。さらに、このコネクタ10は、フード13を有する。このフード13は、嵌合状態の相手コネクタ20から離間し、嵌合方向に対し交わる向きに眺めたときに相手コネクタ20の全域を覆いながら相手コネクタ20を一周に亘って取り巻いている。このフード13は、相手コネクタ20とフード13との間に指が入る程度に相手コネクタ20から離間している。これにより、相手コネクタ20を嵌合/抜去するにあたりフード13内に指を入れることを可能としている。また、フード13の内面には、フード13を補強する複数にリブ18が設けられている。これらのリブ18は、傾斜した曲面により、相手コネクタ20の嵌合を案内することも可能である。
【0022】
図3は、図1に示されたコネクタの側面図である。この図3には、水滴が落下した時の、その水滴が流れるルートが示されている。
【0023】
このコネクタ10には、フード13よりも後方に、フランジ14を有する。そして、このコネクタ10の、フランジ14よりも後方の部分は、ユニットケース30内に収納される。
【0024】
ユニットケース30の上に、水滴40aが矢印a1で示す向きに落下する。すると、その落下した水滴は、矢印a2,a3,・・,a7のルートを通って下に落ちる。
【0025】
また、フード13の上に、水滴40bが矢印b1で示す向きに落下する。すると、その落下した水滴は、矢印b2,b3,・・,b5のルートを通って下に落ちる。したがって、落下した水滴がフード13内の相手コネクタを濡らすことが防止される。なお、この実施形態では、落下した水滴がフード13の内側に回り込むことを積極的には防止していない。ただし、フード13の内側に回り込む水滴は僅かと考えられる。また、相手コネクタ20はフード13から離間しているため、水滴がフード13の内側に多少回り込んだとしても、それによって相手コネクタ20が濡れることはない。
【0026】
図4は、本発明の第2実施形態のコネクタの斜視図である。
【0027】
この第2実施形態において、上述の第1実施形態における各要素に対応する要素には、第1実施形態において付した符号と同じ符号を付して示す。そして、この第2実施形態の説明にあたっては、上述の第1実施形態との相違点についてのみ、説明する。
【0028】
また、図5は、図4に示されたコネクタの断面図である。この図5には、本コネクタ10に嵌合した状態の相手コネクタ20も示されている。
【0029】
この第2実施形態のコネクタ10は、フード13の開口131側前端近傍においてフード13の外面に立設した周回壁15を有する。この周回壁15は、フード13を一周に亘って取り巻いている。
【0030】
図6は、図4に示されたコネクタの側面図(A)と、図5に示された円Rの部分の拡大図(B)である。
【0031】
この図6には、水滴が落下した時の、その水滴が流れるルートが示されている。
【0032】
ユニットケース30の上に水滴40aが矢印a1に示す向きに落下する。この場合の落下した水滴が流れるルートは、上述の第1実施形態の場合と同様である。
【0033】
また、フード13の、周回壁15よりも後方に位置に、水滴40cが矢印c1に示す向きに落下する。すると、その落下した水滴は、進路が周回壁15に阻まれて周回壁15の背面151に沿い矢印c2,c3,・・,c5のルートを通って下に落ちる。したがって、フード13上に落下した水滴がフード13内の相手コネクタを濡らすことが、上述の第1実施形態の場合よりもさらに確実に防止される。
【0034】
また、図6(B)に示すように、周回壁15の上に、水滴40dが矢印d1に示す向きに落下する。すると、その落下した水滴は、矢印d2に示すように周回壁15の前面152に沿って落下する。ここで、周回壁15の、フード13側の根もとの部分には斜面153が形成されている。このため、周回壁15の前面152に沿って落下してきた水滴は、矢印d3に示すように斜面153を滑り落ち、さらに矢印d4,d5のルートを通って下に落ちる。ここで、周回壁15の前面152に沿って落下した水滴が斜面153を進むと、斜面153によって、フード13から前方に離れる向きの速度成分が水滴に与えられる。これにより、水滴がフード13の内側に回り込むことが防止される。このようにして、この第2実施形態の場合、落下してきた水滴によりフード13内の相手コネクタ20が濡れることが、上述の第1実施形態よりもさらに確実に防止される。
【0035】
図7は、本発明の第3実施形態のコネクタの斜視図である。第2実施形態の説明の場合と同様、ここでも、上述の第1実施形態との相違点についてのみ、説明する。
【0036】
上述の第1実施形態のコネクタ10は、嵌合状態にある相手コネクタ20を一周に亘って取り巻く形状のフード13を備えている。これに対し、この図7に示した第3実施形態のコネクタ10の場合、ハウジング11には、フード13ではなく、庇部16が備えられている。この庇部16は、嵌合状態の相手コネクタ20から離間して、上方から眺めたときに相手コネクタ20の全域を覆っている。図1のフード13は、図7の庇部16を兼ねた構造となっている。
【0037】
ここでは、上方から落下する水滴を食い止めることができれば十分である。したがって、コネクタ10の実装の姿勢が予め決められているのであれば、図1に示すフード13に代わり、図7に示す庇部16を備えてもよい。
【0038】
図8は、本発明の第4実施形態のコネクタの斜視図である。ここでは、上述の第2実施形態(図4参照)および第3実施形態(図7参照)との相違点についてのみ、説明する。
【0039】
上述の第2実施形態のコネクタ10は、フード13の開口131側前端近傍においてフード13の外面に立設してフード13を一周に亘って取り巻く周回壁15を備えている。これに対し、この図8に示した第4実施形態のコネクタ10の場合、周回壁15ではなく、立壁17を備えている。この立壁17は、庇部16の前端近傍において庇部16の上面に立設し嵌合方向に対し交わる向きに延びている。コネクタ10の実装の姿勢が予め決められているのであれば、図4に示すフード13および周回壁15に代わり、図8に示す庇部16および立壁17を備えてもよい。
【符号の説明】
【0040】
10 コネクタ
11 ハウジング
12 嵌合開口
13 フード
131 開口
14 フランジ
15 周回壁
151 背面
152 前面
153 斜面
16 庇部
17 立壁
18 リブ
20 相手コネクタ
30 ユニットケース
40a,40b,40c,40d 水滴
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8