【解決手段】ホッパ内に溜まった遊技媒体を計数するための計数処理中に計数処理の停止操作を許容する第1期間と、計数処理の停止操作を抑制する第2期間を設けるため、ホッパ内に遊技媒体が留まった状態で放置される虞を低減可能となる。
計数処理には前記遊技媒体を送出するための回転盤を回転させる処理であって、前記貯留手段内に貯留される前記遊技媒体を計数する通常計数処理と、通常計数処理後に前記貯留手段内に残存する前記遊技媒体が残存しないようにするために実行される計数補助処理と、が含まれ、
当該計数補助処理に対応して前記第2期間が設けられることを特徴とする請求項1に記載の遊技装置。
前記通常計数処理における前記回転盤の回転方向を正回転方向とした場合に、前記計数補助処理では、前記回転盤を正回転に対して逆回転させる処理と、当該逆回転後に正回転に戻す処理と、が行われ、
前記第2期間は、前記通常計数処理が行われる期間と、前記計数補助処理において前記回転盤を逆回転させる期間とに対応して設けられる一方、前記第1期間は、前記計数補助処理において回転盤を正回転させる期間に対応して設けられることを特徴とする請求項3に記載の遊技装置。
前記計数補助処理を行う期間において前記遊技媒体を検知した場合に前記通常計数処理を行い、当該通常計数処理後にも前記計数補助処理を再度行うことを特徴とする請求項3または4に記載の遊技装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態について
図1から
図14を参照して説明する。
図1は、遊技場用システムの全体構成を概略的に示している。遊技場には、多数の遊技機(例えば同
図1に示すスロットマシン)1が設置されており、各遊技機1に対応して遊技装置2が設置されている。遊技機1及び遊技装置2は、夫々2台ずつ1台の中継装置3に接続されており、中継装置3はLAN4を介して管理装置5に接続されている。LAN4には、景品交換処理を行うPOS等の周辺機器が管理装置5と通信可能に接続されている。
【0011】
管理装置5は、遊技場内の例えば管理室に設置されており、キーボード5a、モニタ5bやプリンタ(図示略)等を備えている。管理装置5は、遊技機側(遊技機1、遊技装置2等)の機器や、POS等の周辺機器から送信される遊技信号を受信することにより、各種遊技情報を管理する。
【0012】
尚、
図1では省略しているが、数百台の遊技機1が管理装置5の管理対象となっている。また、上記したように遊技機1がスロットマシンの場合、その遊技価値(遊技媒体)はメダルであり、遊技機がパチンコ機であれば、遊技価値はパチンコ玉である。以下の説明では、遊技価値(遊技媒体)をメダルとして説明する。
【0013】
以下の説明において、
図2の紙面に直交する方向を前後方向(紙面手前側を前方)とし、
図2の紙面における左右方向を、同図の遊技装置2の左右方向(紙面右側を右方)とする。つまり、遊技装置2を正面から見た場合を基準として方向を規定する。
【0014】
図2に示すように、遊技機1の前面には、液晶表示部6、及び左右一対のスピーカ7が配置され、更に、表示窓8を介して視認可能なリール9、有効化された入賞ラインを示す有効ライン表示部10、クレジット(貯留)されたメダルを払い出させるためのクレジット清算釦11、クレジットされたメダルを投入するためのMAXBET釦12、メダルを直接投入するためのメダル投入口13、スタートレバー14、及び左ストップ釦15、中ストップ釦16、右ストップ釦17、払出数表示部18、クレジット数表示部19、受皿20等を備えている。
【0015】
遊技機1は、メダルが投入された状態でスタートレバー14が操作されると(ゲーム開始操作が行われると)、発生する乱数の中から1つの乱数を抽出して内部抽選を実行し、内部当選役がある場合には当該内部当選役に対応するフラグを成立させると共に、各リール9を始動(回転)させ、この状態で各ストップ釦15〜17が操作されると、対応するリール9の回転を停止させる。続いて、内部当選役のフラグに応じて各リール9の停止位置を決定するための図示しない停止テーブルに基づいて、所謂引込制御(すべり制御)を含む停止制御(各リール9を内部当選役フラグの種類に応じた入賞図柄又はハズレ図柄で停止表示させる制御)を実行する。引込制御は、各ストップ釦15〜17の操作を検出した時点から予め規定された引込範囲(最大で4図柄まで)にある図柄を入賞ライン上に引込んで停止させることが可能な制御である。
【0016】
遊技機1には、所謂ボーナス役としてのBB(ビッグボーナス)役及びRB(レギュラーボーナス)役、小役及びリプレイ役が設けられている。遊技機1には、
図2に示すように、合計5本(表示窓8の上段、中段、下段に対応した横方向に1本ずつの3本及び斜め方向の2本)の有効ラインが設けられている。遊技者によるストップ釦15〜17の操作によってこれらの有効ラインのうち何れかの有効ライン上に内部当選役に対応する図柄が揃ったとき、つまり有効ライン上に停止表示された図柄の組合せが内部当選役に対応する図柄の組合せと一致したとき、入賞となる。
【0017】
入賞となった場合には、BB状態やRB状態の発生、或いは、対応する枚数のメダルの払い出し(遊技価値の付与)が行われる。例えば、BB、RB図柄が揃ったときは各々BB状態、RB状態に移行し、BB、RB中は小役の入賞率が高まる。こうしたBB状態やRB状態は、所定の払出枚数に達すると終了する。
【0018】
遊技機1は、設定値を変更することによりBB役及びRB役の内部当選確率を変更可能となっている。この設定値は、
図3に例示するように1〜6の6段階設けられている。この設定値は遊技場の管理者により何れか1つが選択されて使用される。各設定値には、夫々理論上の出率(出玉率)が対応付けられており、この出率は、上記したボーナス役の内部当選確率により調節される。つまり、遊技機1では、設定値が大きいほどボーナス役当選確率が高くなり、それに伴って理論上の出率が大きくなる。尚、小役確率については全設定共通であるが、異なっていてもよい。
【0019】
上記した遊技機1の設定値(モード)を変更するには、電源スイッチにて遊技機1を電源OFFし、設定キーにて設定モード切替部(何れも図示略)を「遊技」→「設定」とする切替えを行い、電源ONすると設定変更可能状態へと移行する。設定変更可能状態では、クレジット数表示部19にて遊技機設定値(モード)を表示し、その表示は、図示しない設定ボタンの操作に応じて順に切り替わる。変更したい設定値が表示されているときにスタートレバー14を操作すると設定値が確定する。
【0020】
遊技機1からは次の信号が出力される。
アウト信号=遊技機1から出力される。開始操作に応じベット状態のメダルを消費したとしてベット状態のメダル数(3枚)分がパルス出力されるので、アウト信号数×1がアウト(消費価値、使用媒体数)となる。尚、リプレイ時にも対応分を出力する。
セーフ信号=遊技機1から出力される。入賞に応じてメダルが1枚払出(付与)される毎に1パルス出力されるので、セーフ信号数×1がセーフ(入賞付与価値、払出媒体数)となる。尚、リプレイ役入賞時にも、そのゲームに使用されたメダル分を出力する。
BBまたはRB信号=遊技機1から出力される。対応するボーナス状態(BB、RB)にレベル出力されるので、信号入力期間をボーナス状態として特定する。
【0021】
遊技装置2は、
図4に示すように、CPU2b、ROM2c、RAM2d、I/O2eを有するマイクロコンピュータにより構成される制御部2aにより動作する。遊技装置2は、貨幣が投入される貨幣投入口22、遊技装置2や遊技機1の遊技状態を示す状態表示灯23、返却操作用の返却釦25、払出操作用の払出釦26、払出釦26の押下に応じてメダルを遊技機1の受皿20に払出す払出ノズル27、表示部28を備えている。表示部28は、種々の情報を表示する情報表示部28a、計数処理の停止操作を行う計数停止釦28b、メダルの計数に関する情報を表示する持玉表示部28cを備えている。
【0022】
本実施形態の遊技装置2は、
図4、及び後述する
図7から
図9に示すように、計数処理部29を備えている。計数処理部29は所謂各台計数機能を有する。計数処理部29はメダルを検知可能な計数センサ29aを備えており、制御部2aに通信可能に接続されている。
【0023】
遊技装置2は、遊技者が獲得したメダルを、計数受入れ部30を介して受入れ可能であり、受入れられたメダルを計数処理部29で計数して持玉として管理し、遊技者が払出釦26を押下(付与操作を受付)すると、その持玉を対価とした払戻処理(価値付与処理)を行った場合はその対価分(払い戻したメダルと同数)を持玉から減算する。計数受入れ部30は遊技媒体が投入される計数受入手段として機能する。そして、残高や持玉が残存する状態で遊技者が返却釦25を押下(発行操作を受付)すると、残高や持玉を特定可能なICカードを発行する。ICカードは遊技者が有する遊技価値を特定可能な一般カードや会員カードを含む。また、ICカードを受け付けた場合は、その残高や持玉を引継ぐ。尚、以降の説明を含め遊技価値がメダルとなるスロットマシンを例示しているが、説明の都合上、持「玉」等のように、遊技価値をメダルではなく玉と表現する場合がある。
【0024】
遊技装置2は中継装置3とのシリアル通信により貨幣受付処理や対価付与処理、価値付与処理、残高、持玉、貸出メダル、払戻数、入金額や計数玉数や、貸出の対価となる売上額、及びICカードの受付や発行処理等の各種情報を特定可能であるが、これらをパルス信号(例えば入金1000円毎に1パルス、売上100円毎に1パルス等)にて特定してもよい。
【0025】
さて、
図2に示したように、メダルが払出される遊技機1の受皿20は、その遊技機1の下方に位置するのに対し、遊技装置2の計数受入れ部30は、遊技機1の受皿20よりも上方に配置した位置関係にある。このように、遊技機1に対応する遊技装置2に備えられた計数受入れ部30(或いは当該遊技装置2)は、遊技機1の側部に並ぶようにして遊技機1,1間に設けられている。
【0026】
図5及び
図6は、遊技装置2の構成を説明するための図であり、計数受入れ部30近傍の斜視図及び分解斜視図を示している。遊技装置2は払出ノズル27と計数受入れ部30が設けられた所謂各台計数機である。
図5に示す様に、計数受入れ部30は、遊技装置2の前面側のベースプレート31に対し、例えば合成樹脂材料からなる上下の取付体32,33を介して組付けられる。具体的には、ベースプレート31は、遊技装置2の下方において、当該遊技装置2前面を覆う矩形板状に形成されている。
【0027】
ベースプレート31は、若干上寄りの位置に形成された払出口31aと、その払出口31aの直ぐ下側の位置に形成された下側連通孔31bとを有する。払出口31aは、メダルを1枚挿通できる程度の幅寸法に設定されており、後面側に突出する連通ダクト31a´が延設されている。この払出口31aは、連通ダクト31a´を介して、遊技装置2の内蔵する図示しない払出ホッパに連通する払出用の孔である。これに対し、下側連通孔31bは、払出口31aに比して幅広な寸法に設定されており、遊技装置2に内蔵される計数処理部29のホッパ部34に連通する計数用の孔である。ホッパ部34は計数受入れ部30に投入された遊技媒体を貯留する貯留手段として機能する。
【0028】
取付体32は、
図5及び
図6に示すように縦長な矩形板状をなす後壁32aと、その下半部から前側に張出す枠壁32b〜32dとを一体に有する。取付体32の後壁32aは、ベースプレート31の払出口31aに対応する払出口32e1、及び下側連通孔31bに対応する連通孔32e2を有する。取付体32は、ベースプレート31の上部に合わせて取付けられたときに、上側の払出口31a,32e1が相互に連なるとともに下側連通孔31bと連通孔32e2とが相互に連なるようになっている。
【0029】
取付体32の枠壁32b〜32dは、遊技装置2と同じ幅寸法で対向しつつ前方へ延出する左右の枠壁32b,32cと、前の枠壁32dとで枠状をなす。左右の枠壁32b,32cの上縁は、計数受入れ部30の寸法形状に合わせるように、前の枠壁32d側に向かって下方へ緩やかに傾斜している。枠壁32b〜32dの内方は、仕切壁35により左右に仕切られ、その仕切壁35右側の連通孔32e2に通じる計数用の構造と、仕切壁35左側の払出口32e1に通じる底面35aがある払出用の構造とを形成している。
【0030】
即ち、取付体32の枠壁32b〜32d内の左側には、後壁32aの連通孔32eと、前の枠壁32dの切欠部32fと、を繋ぐ仕切壁35の底面35aが、前方に向かってなだらかに下方へ傾斜している。また、取付体32の前の枠壁32dには、その切欠部32fに合わせて払出ノズル27が取付けられる。これにより、取付体32は、前記払出部から送出されるメダルが、
図5の払出口31a,連通孔32eを通して、仕切壁35左側の底面35aを経由した後、前方の切欠部32fから払出ノズル27を介して流下する払出通路Aを形成している。尚、払出通路Aについて、
図6では分解図のため便宜上2つに分けているが、
図5及び
図6の矢印Aで示すように1つの払出用の通路を形成する。前記払出しホッパを含む払出部は、前記貸出操作による貸出処理(或いは前記持玉を対価とした再プレイ処理等)に伴い、払出通路Aを介して払出ノズル27からメダルを払出す払出手段に相当する。
【0031】
一方、計数受入れ部30から投入するメダルは、取付体32右側の連通孔32e2を介して、ベースプレート31の下側連通孔31bから計数部に流入する計数通路Bを形成している。この計数通路Bについても、
図6では2つに分けているが、
図5の矢印Bで示すように1つの計数用の通路を形成する。
【0032】
また、
図6に示す下側取付体33は、その上半部にて上方に向かうにつれ前方へ膨らむように膨出した膨出部33aと、下半部にて板状をなす後壁33bとを一体に有する。下側取付体33は、ベースプレート31において、取付体32の下側に膨出部33aが連なるようにして取付けられる。
【0033】
計数受入れ部30は例えば合成樹脂材料からなり、その全体形状は上記した取付体32,33の払出通路A及び計数通路Bの形状に対応した漏斗状をなす。具体的には
図6に示すように、計数受入れ部30は、取付体32の枠壁32b〜32dに上側から被さる周壁30b〜30d及び後壁30aと、その内側の計数斜面36a〜36cとの一体形成により、上面側が開口し且つ下端に計数口36dを有する漏斗部36が形成されている。
【0034】
ここで、漏斗部36の左側において、第1計数斜面36aは、周壁30b上端から右方(内方)に向かって下方へ傾斜し、その後部の第2計数斜面36bは、後壁30a上端から前方に向かって下方へ傾斜する。これにより、計数受入れ部30は、その少なくとも一部(左部の計数斜面36a,36bや周壁30b,30d等)の形状が、取付体32の左部及び払出ノズル27の基端部といった払出通路Aの形状に対応しており、その計数斜面36a,36bは、当該払出通路Aの底面35aに対して天井部となる。つまり、ベースプレート31、取付体32,33及び計数受入れ部30は、それら部品30〜33が遊技装置2に組付けられて、払出通路A及び計数通路Bの共通部品となる組立体にあって、計数受入れ部30の一部の計数斜面36a,36bは、払出通路Aのスペースを確保した形状となっている。
【0035】
また、漏斗部36の右側において、主面となる第3計数斜面36cは、周壁30d上端から後方に向かって下方へ傾斜し、後壁30a下端に形成された開口である計数口36dを、取付体32の連通孔32e2に対応する最深部としている。こうして、計数受入れ部30において、漏斗部36の計数斜面36a〜36cは、上面側から投入されるメダルが計数口36dへと滑り落ちるような斜面となっており、当該滑り落ちたメダルは、計数口36dから取付体32の連通孔32e2(つまり計数通路B側)へと受入れ、前記計数部で計数可能としている。
【0036】
図5及び
図6に示すように、払出ノズル27は貸出処理や再プレイ処理等により本体側の払出口31aから払い出されるメダルを払出口32e1から払出ノズル27を通過して排出可能な構成とする一方、計数受入れ部30にて受け入れたメダルを計数口36dを介して本体側の下側連通孔31bへ排出することで、本体内部の計数処理部29にてメダルを計数可能としている。なお、払出口31a、32e1から払出ノズル27に至る経路はメダルの払出通路Aを構成している。
【0037】
図5及び
図6に示すように、計数受入れ部30と払出口32e1を含む払出通路Aは共通部品を採用する等により一体構成となっていることから、払出通路Aの上方の計数受入れ部30の一部の第1計数斜面36a等は払出通路Aのスペースを確保した形状となっている。また、計数受入れ部30の計数斜面36a、36b、36cは計数受入れ部30にて受け入れたメダルが計数口36dへと滑り落ちる様に形成された斜面であり、計数口36dの下方には
図7から
図9に示す計数ユニット40が配置されている。なお、
図9に示された計数ユニット40の方向は、
図7に示された計数ユニット40の向きに対して逆方向に示されている。
【0038】
図7から
図9に示す様に、計数ユニット40は、ホッパ部34と計数処理部29とにより構成され、計数処理部29には、メダルを受け入れてメダル排出口43から排出するための回転盤44が設けられている。回転盤44は、平置き状態のメダルを1枚ずつ収容するメダル凹部孔44aが周方向等間隔の5カ所に設けられた回転部材である。メダル凹部孔44aのメダルは、回転盤44の回転に応じて1枚ずつメダル通路43aに送り出される。回転盤44は、メダル通路43aにメダルが送り出される回転位置毎にステップ単位で回転駆動され、回転盤44の回転ステップ数に応じた枚数のメダルがメダル排出口43に通じるメダル通路43aに送出される。
【0039】
図9に示されるように、メダル通路43aの底面には計数センサ29aが配設されている。計数センサ29aは、メダルがメダル排出口43に排出されてメダル通路43aを通過する途中で当該メダルを検知する。計数センサ29aとしては、例えば交流磁界を発生させる検出コイルを備える磁気誘導型の近接センサを用いることができる。なお、
図5に示すように、計数口36dから排出されたメダルは遊技者側からホッパ部34に受け入れられ、メダル排出口43から島側に排出される。
【0040】
計数ユニット40における動作フローとしては以下のような流れとなっている。
計数開始
正回転1(計数中)3s(通常計数処理)
逆回転(リトライ)2.5s(第1計数補助処理)
正回転2(計数中)3s(第2計数補助処理)
自動停止
上記フローにおいて、メダルを計数カウントしたら正回転1から再度開始する。また、最後のメダルカウントから約8.5s後に自動停止する。なお、上記フローではサブ計数タイマとして正回転1と異なる期間を設定可能としているが、同一タイマを使用してもよい。
【0041】
次に、遊技装置2の動作を説明する。遊技装置2は、
図2に示す様に、貨幣投入口22から貨幣を受け付ける(貨幣受付処理)と、遊技装置2の表示部28に入金額が残高に加算して表示され、残高がある状態で遊技装置2の払出釦(貸出釦)26を押下(貸出操作、付与操作)すると払出単位(例えば1000円)分の貸出メダル(対価付与価値)が払出ノズル27から払出され(対価付与処理)、その対価分が残高から引落とされる。尚、貨幣は複数回分の対価付与処理の対応分を受付可能である(例えば1万円まで)。
【0042】
遊技装置2は中継装置3とのシリアル通信により管理装置2にて貨幣受付処理や対価付与処理、残高や持玉、貸出玉数、払戻玉数、入金額、計数玉数や貸出玉数や貸出玉の対価となる売上額、及びICカードの受付や発行処理等の各種情報を特定可能とするが、これらをパルス信号(例えば入金1000円毎に1パルス、売上100円毎に1パルス等)にて特定可能としても良い。
【0043】
次に、遊技装置2における計数処理の内容について
図7から
図9を参照しながら説明する。遊技装置2は、ホッパ部34(貯留手段)内に貯留する遊技媒体(メダル)の個数を計数するための計数処理中に、計数処理の停止操作を許容する第1期間と、計数処理の停止操作を第1期間に比較して抑制される第2期間を設ける。計数処理とは遊技媒体(メダル)の計数を行うための処理であり、計数処理には遊技媒体を計数処理部29(計数処理手段)に送出させるための回転盤44を回転させる処理が含まれる。計数処理中は表示部28の表示が
図11に示す計数中用の表示に移行する。なお、計数処理の停止操作を抑制する場合には、計数処理の停止操作を不可として許容しない場合だけでなく、例えば操作釦を一時的に表示しない等により計数処理の停止操作を時間的に制限する場合も含む。
【0044】
各遊技機1に対応した遊技装置2(各台計数機)は中継装置3を介して遊技機1や管理装置5等と各種情報の送受信を行う一方、計数受入れ部30にて受け入れたメダルを計数処理部29において計数する。遊技装置2においては、計数処理部29の回転盤44が回転することで計数センサ29aにてメダルを検知可能とし、計数処理が行われる。
【0045】
図10は、遊技装置2における計数処理において、通常計数処理の後、第1計数補助処理を実施し、メダルを計数したため通常計数処理を再開した後に、第1計数補助処理でメダルを計数することなく逆計数タイマがタイムアップし、次いで第2計数補助処理を実施した場合のタイムチャートを例示している。
図10に示す様に、遊技装置2は、計数センサ29aによって最後のメダル検知後一定期間(通常計数タイマ分、例えば3秒)メダルを検知しない場合、更に一定期間(逆転計数タイマ分、例えば2.5秒)回転盤44を逆回転させ、それでもメダル検知しない場合には、もう一度回転盤44を一定期間(サブ計数タイマ分、例えば3秒)正回転させる計数補助処理を行う。すなわち、計数補助処理では、回転盤44を正回転に対して逆回転させる処理と、逆回転後に正回転に戻す処理が行われる。
【0046】
計数補助処理中にメダルを検知した場合はそれ以前の通常計数処理中にメダルを検知した際と同様に処理する。つまり、計数補助処理を行う期間において遊技媒体を検知した場合は通常計数処理を行い、この通常計数処理後にも計数補助処理を再度行う。メダルを検知しない場合はサブ計数タイマ分の正回転後に回転盤44を停止する。
【0047】
計数処理には、ホッパ部34内に貯留される遊技媒体を計数する通常計数処理と、通常計数処理後にホッパ部34内に残存する遊技媒体が残存しないようにするために実行される計数補助処理とが含まれ、計数補助処理に対応して第2期間が設けられる。なお、正回転方向とは、通常計数処理における回転盤44の回転方向を意味し、逆回転方向とは正回転方向の逆方向回転を意味する。
【0048】
返却釦25の操作により、遊技者が所有する遊技価値を特定可能なICカード等の記録媒体(図示せず)の発行処理を行うが、計数処理中は返却釦25を一時的に不能化して発行処理を制限すなわち抑制する。すなわち、計数処理手段による遊技媒体の計数処理中には、返却釦25(発行処理手段)における記録媒体の発行処理が抑制される。よって、回転盤44の停止により計数処理が終了すると、発行処理が許容される。なお、返却釦25は、遊技者が所有する遊技価値を特定可能な記録媒体の発行処理を行う発行処理手段として機能する。
【0049】
計数処理が終了するまで発行処理が抑制されることや、計数処理により遊技に集中できないといった理由により、計数処理を停止するための停止操作を可能とする。停止操作は
図11に示す通り表示部28における計数中表示を行う際に表示される計数停止釦28bの操作により受け付けられる。
【0050】
遊技装置2に供給する電圧の関係で、計数処理中は発行処理(返却釦25の操作)を不能とする。よって、発行処理を急ぐ遊技者は計数処理により計数されるメダルがなくなったと判断すると、計数停止釦28bを押下して計数処理を中断させ、発行処理を行う傾向が見受けられる。
【0051】
計数処理中にいつでも停止操作を許容すると、計数補助処理を行う意味合いが薄れるので通常計数処理、及び計数補助処理の一部である回転盤44の逆回転中には計数停止釦28bを表示せず停止操作を一時的に制限すなわち抑制し、この抑制する期間を第2期間として示している。なお、計数処理中は貸出処理や再プレイ処理等も不能となる。
【0052】
一方で、計数補助処理の一部の期間であるサブ計数タイマが作動する正回転中には停止操作を許容することで、遊技者の、発行処理を行うため計数処理を停止したいというニーズや、計数処理により遊技に集中できないため計数処理を停止したいというニーズに対応する。
【0053】
次に遊技装置2における処理フローについて、
図12から
図14を参照して説明する。以下の処理は具体的には遊技装置2の制御部2aが制御するが、以下の説明では遊技装置2が制御部として機能するものとして説明する。
【0054】
遊技装置2は、計数待機中には(S10:NO)、計数開始条件が成立したか(S11)を判定する待機フローを実行する。遊技装置2において、計数センサ29aがメダルを検知したり、遊技者が計数開始操作を行ったりすると計数開始条件が成立する(S11:YES)。なお、図には示していないが計数開始条件がメダル検知により成立した場合にも計数値は加算される。
【0055】
計数待機中に(S10:NO)、計数開始条件が成立すると(S11:YES)、回転盤44の回転を開始する等して計数処理を開始し(S12)、通常計数タイマの作動を開始して(S13)、通常計数フラグを1にし(S14)、返却釦25を非有効化する(S15)。その後、新たにメダルを計数することなく(S16:NO)、回転盤44が正回転中で(S17:YES)、通常計数フラグが1で(S18:NO)、通常計数タイマがタイムアップしていないことから(S35:NO)、計数処理中の状態でリターンすると、計数処理中において(S10:YES)、メダルを計数したかを判定し(S16)、計数しない場合(S16:NO)、回転盤44が正回転中で(S17:YES)、通常計数フラグが1であることから(S18:NO)、通常計数タイマがタイムアップしたか(S35)を判定する待機フローとなる通常計数処理を行う。
【0056】
ここで、遊技装置2は、メダルを計数すると(S16:YES)、計数値を加算して(S24)、通常計数タイマ(3秒)を再作動させ(S25)、この場合は回転盤が正回転中であり(S26:NO)、通常計数フラグが1であるため(S29:NO)、リターンする。
【0057】
一方で、最後のメダル検知から通常計数タイマ分メダルを検知しないまま通常計数タイマがタイムアップすると(S35:YES)、回転盤44の逆回転を開始し(S36)、通常計数フラグを0として(S37)、逆転計数タイマ(2.5秒)の作動を開始し(S38)、リターンして、計数処理中において(S10:YES)、メダルを計数したかを判定し(S16)、計数しない場合(S16:NO)、回転盤44が逆回転中であることから(S17:NO)、逆転計数タイマがタイムアップしたか(S31)を判定する待機フローとなる第1計数補助処理(逆回転に対応)に移行する。
【0058】
ここで、遊技装置2がメダルを計数した場合(S16:YES)、計数値を加算して(S24)、通常計数タイマの作動を開始し(S25)、回転盤44が逆回転中であることから(S26:YES)、通常計数フラグを1とし(S27)、回転盤44を正回転として通常計数処理を再開する。
【0059】
一方で遊技装置2がメダルを検知しないまま逆転計数タイマがタイムアップすると(S31:YES)、回転盤44の正回転を開始し(S32)、サブ計数タイマの作動(3秒)を開始し(S33)、計数停止釦28bを有効化する(S34)。このようにして、計数処理中において(S10:YES)、メダルを計数したかを判定し(S16)、計数しない場合(S16:NO)、回転盤44が正回転中で(S17:YES)、通常計数フラグが0であることから(S18:YES)、サブ計数タイマがタイムアップしたか(S19)と、計数停止釦28bの操作を受付したか(S23)とを判定する待機フローとなる第2計数補助処理(正回転に対応)を行う。この期間は計数停止釦28bが有効化されることにより計数処理の停止操作を許容する第1期間となる。
【0060】
ここで、遊技装置2がメダルを計数した場合(S16:YES)、回転盤44が正回転中であり(S26:NO)、通常計数フラグが0であることから(S29:YES)、通常計数フラグを1として(S30)、計数停止釦28bを非有効化し(S22)、リターンして通常計数処理を再開する。一方、遊技装置2がメダルを検知しないままサブ計数タイマがタイムアップした場合は(S19:YES)、計数処理を終了して計数待機中とすべく、回転盤44を停止し(S20)、返却釦25を有効化して(S21)、計数停止釦28bを非有効化する(S22)。また、計数停止釦28bの操作を受付けた場合も(S23:YES)同様に計数処理を終了して計数待機中となる。なお、計数待機中に再度計数開始条件が成立すれば(S11:YES)、通常計数処理を再開する。
【0061】
以上説明した実施形態によれば、次のような効果を奏する。
計数ユニット40のホッパ部34内に溜まった遊技媒体(メダル)を計数するための計数処理の停止操作を許容する第1期間と、計数処理の停止操作を抑制する第2期間とを設けるため、ホッパ部34内に遊技媒体が留まった状態で放置される虞を低減可能となる。
【0062】
また、計数処理中に発行処理を抑制するため、計数処理と発行処理とが同時に行われることにより処理負担を軽減可能となると共に、発行処理後に遊技媒体が計数される恐れが低減される。
【0063】
計数処理には、通常計数処理と、通常計数処理後にホッパ部34内に残存する遊技媒体を確認するための計数補助処理とが含まれ、当該計数補助処理において第2期間を設けるため、計数補助処理が行われずに遊技媒体が残存する虞を低減可能となる。
【0064】
通常計数処理と、計数補助処理における回転盤44を逆回転させる期間とを第2期間とする一方、計数補助処理における回転盤44を正回転させる期間を第1期間とするため、第2期間から第1期間に移行したことを回転盤44の回転により把握し易くなる。
【0065】
計数補助処理を行う期間において遊技媒体を検知した場合に通常計数処理を行い、当該通常計数処理後にも計数補助処理を再度行うため、計数補助処理中に残存するメダル、又は、追加投入したメダルを検知した場合であっても適切に対応可能となる。
【0066】
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、次のように変形または拡張できる。
第2計数補助処理にて停止操作を許容することを例示したが、第1計数補助処理や通常計数処理にて停止操作を許容する構成や、正回転や逆回転に関わりなく停止操作を抑制する構成も想定でき、計数処理において停止操作を許容する期間と抑制する期間とを設ければどのように構成しても良い。
【0067】
抑制する処理として停止操作を禁止することを例示したが、例えば停止操作は受付けるが、許容する期間と比較して操作から停止までの期間を長くするといったように処理自体を禁止する以外に抑制する処理を採用しても良い。
【0068】
計数補助処理として回転盤44の回転方向を2回転換することを例示したが、1回転換して逆回転するだけでも良いし、回転盤44を振動させるなど、回転方向を転換しない処理であってもホッパ部34内に遊技媒体が残存しないようにするための処理であればどのような処理を計数補助処理としても良い。
【0069】
計数処理として回転盤44を回転させる処理を例示したが、例えばベルトコンベアのような構成で遊技媒体を送出する処理を計数処理のように、ホッパ部34内に溜まった遊技媒体を計数するための処理であればどのような処理を計数処理としても良い。
【0070】
例示した全ての遊技情報は入力した信号により直接的に特定しても演算式を利用して間接的に特定しても良い。
上記の数値、桁数、項目等は例示であり、どのような数値を採用しても良い。
【0071】
「以下」と「未満」についてはどちらを採用しても良く、「達していない」等の表現は以下或いは未満となった場合のいずれにも対応する表現となる。「以上」と「超過」についても同様で、「達している」等の表現は双方に対応する表現となる。
【0072】
対象となる遊技機は、計数処理を行う遊技機であればスロットマシン以外にパチンコ遊技機等どのような遊技機を対象としても良い。
例示した構成を適宜設定に応じて採用するか否かを変更しても良いし、変形例を含む例示した構成をどのように組み合わせても良いし、適宜構成を除外しても良い。