【課題】ロール状に巻回されたフィルムロールの帯状フィルムの始端部をロール外周面に留めている粘着テープを自動的に剥離して、送出済みの帯状フィルムの終端部に接続するフィルム接続装置を提供する。
【解決手段】フィルム接続装置は、次にロールセット位置にセットされるフィルムロールにおいて帯状フィルムFの始端部F1をロール外周面に留めている粘着テープを剥離させるフィルム留めテープ剥離装置99と、ロールセット位置にセットされているフィルムロールから送出し終えた帯状フィルムFの終端部F2を切断する終端部切断ユニット82と、粘着テープTが剥離された後、フィルムロールから繰り出された帯状フィルムFの始端部F1を切断する始端部切断ユニット93と、切断された終端部F2の先端と切断された始端部F1の先端とを粘着テープTを貼って接続する接続ユニットとを備える。
ロールセット位置にセットされているフィルムロールから送出し終えた帯状フィルムの終端部と、次に前記ロールセット位置にセットされるフィルムロールの帯状フィルムの始端部とを接続するフィルム接続装置であって、
前記次にロールセット位置にセットされるフィルムロールにおいて帯状フィルムの始端部をロール外周面に留めている粘着テープを剥離させるフィルム留めテープ剥離装置と、
前記ロールセット位置にセットされているフィルムロールから送出し終えた前記帯状フィルムの終端部を切断する終端部切断ユニットと、
前記フィルム留めテープ剥離装置によって前記粘着テープが剥離された後、前記フィルムロールから繰り出された帯状フィルムの始端部を切断する始端部切断ユニットと、
前記切断された終端部の先端と前記切断された始端部の先端とを粘着テープを貼って接続する接続ユニットと、を備える、フィルム接続装置。
前記フィルム留めテープ剥離装置は、平面視で略V字状をなす2つの先端部を有し、前記粘着テープを挟んだ両側に前記2つの先端部が位置するように前記帯状フィルムの始端部の内側に挿入される挿入プレートと、
前記挿入プレートの一方の先端部の下側に重なって配置され、前記挿入プレートに対して旋回可能に設けられている剥離プレートと、を備え、
前記剥離プレートは、前記挿入プレートの2つの先端部が前記帯状フィルムの始端部の内側に挿入された状態で旋回される、請求項1に記載のフィルム接続装置。
前記挿入プレートが挿入された状態で前記2つの先端部に対して前記始端部をそれぞれ押さえ付ける一対の押さえ部材を更に備える、請求項2に記載のフィルム接続装置。
前記剥離プレートの先端部は、当該先端部が重なっている前記挿入プレートの一方の先端部と平面視で略同じ形状に形成されている、請求項2又は3に記載のフィルム接続装置。
前記フィルム留めテープ剥離装置は、前記一対の押さえ部材で前記帯状フィルムの始端部を前記挿入プレートに押さえ付けた状態で、前記挿入プレート及び前記剥離プレートを前記フィルムロールから離間させるように移動させる移動ヘッドを更に備える、請求項2ないし4の何れか一項に記載のフィルム接続装置。
前記帯状フィルムは筒状のフィルムをシート状に折り畳んで形成されており、前記始端部切断ユニットには、前記切断された始端部の先端を上下から吸引して開く吸引ユニットが一体に設けられおり、前記始端部切断ユニットは、前記帯状フィルムの始端部を幅方向一方側角部が斜めに切除された形状に切断し、前記吸引ユニットによる吸引によって開かれた前記斜めに切除された一方側角部から、前記帯状フィルムの後端部の先端が挿入されて前記始端部の先端の内側に挟み込まれた状態で接続される、請求項1ないし5の何れか一項に記載のフィルム接続装置。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本発明に係る実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。この説明において、具体的な形状、材料、数値、方向等は、本発明の理解を容易にするための例示であって、用途、目的、仕様等にあわせて適宜変更することができる。また、以下において複数の実施形態や変形例などが含まれる場合、それらの特徴部分を適宜に組み合わせて用いることは当初から想定されている。
【0022】
図1は、フィルムロール供給システム10と、本発明の一実施形態であるフィルム接続装置を備えたフィルム送出装置30とを含む、フィルム送出システム100の平面図である。フィルム送出システム100は、フィルムロール供給システム10と、フィルム送出装置30とを備える。フィルム送出装置30は、フィルムロールRから長尺の帯状フィルムFを繰り出して、図示しないラベリング装置へ送出する装置である。フィルムロール供給システム10は、例えば段ボール箱等の外装体によって梱包された状態で納入されるフィルムロールRを外装体から取り出して、フィルム送出装置30のロールストック位置SPにセットするシステムである。
【0023】
フィルムロールRは、ボトル等に装着されるシュリンクラベルやストレッチラベルのような合成樹脂によって形成された筒状のラベルが連続的に繋がった状態でシート状に折り畳まれた長尺帯状のラベル形成基材である帯状フィルムFを円筒状の紙管PP(
図5参照)にロール状に巻回したものである。図示しないラベリング装置では、フィルム送出装置30から送出された帯状フィルムFが所定長さに切断されて個々のラベルが生成され、その後、各ラベルが筒状に開口されてボトル等にそれぞれ装着される。
【0024】
図1に示すように、フィルムロール供給システム10は、開梱装置12と、搬送装置14とを備える。開梱装置12は、外装体で梱包されたフィルムロールRを開梱する装置である。搬送装置14は、開梱装置12によって開梱された外装体からフィルムロールRを取り出してロールストック位置SPに搬送及びセットする装置である。
【0025】
図2は、フィルムロールRの梱包箱を示す斜視図である。
図3は、
図2に示した梱包箱の4つのフラップ部を開いた状態を示す斜視図である。
図2及び
図3に示すように、フィルムロールRは、外装体である梱包箱1内に収納された状態で、フィルム送出システム100及びラベリング装置が設置されている工場に納品される。
【0026】
梱包箱1は、例えば、上面視で正方形状をなし、四方を取り囲む側壁部2を有している。梱包箱1には、例えば段ボール箱が好適に用いられるが、これに限定されるものではなく、プラスチック製のコンテナ容器等が用いられてもよい。梱包箱1は、
図3に示すように、側壁部2の上縁部に連設された4つのフラップ部3a,3b,3c,3dを有している。これらのフラップ部3a,3b,3c,3dは、
図2に示すように、閉じられた状態で粘着テープ4a,4bによって止められている。なお、図示していないが、梱包箱1は、側壁部2の下縁部に連設された4つのフラップ部を有しており、これらのフラップ部が閉じられた状態で粘着テープ4c,4dによって止められていることで、梱包箱1の底部が形成されている。
【0027】
図3に示すように、フィルムロールRは、内袋5に入れられた状態で梱包箱1内に収納されている。このようにフィルムロールRが内袋5に入れられた状態で梱包箱1によって梱包されていることで、フィルムロールRのフィルム巻き端面や外周面が梱包箱1の内壁面と直接接触して損傷するのを防止することができる。内袋5は、例えば合成樹脂製の袋(例えばビニール袋)によって好適に構成される。内袋5の口部は封鎖されることなく、フィルムロールRの紙管PPの内側に押し込まれた状態とされているのが好ましい(
図5参照)。
【0028】
再び
図1を参照すると、フィルムロール供給システム10は、梱包箱1を移送する移送装置16を備える。移送装置16には、例えば、多数のローラが所定間隔をあけて平行に配置されているローラ型のものが好適に用いられる。移送装置16は、モータ等の駆動源によって各ローラが回転駆動されることで梱包箱1を矢印A方向に沿って直線状に移送することができる。移送装置16の一端部である供給位置P1において、梱包箱1が移送装置16に供給される。梱包箱1の供給は、図示しない搬送ロボット装置によって行うのが好ましいが、作業者が人手で行ってもよい。
【0029】
フィルムロール供給システム10を構成している開梱装置12は、テープ切断ステーション12aと、フラップ開放ステーション12bとを含む。テープ切断ステーション12a及びフラップ開放ステーション12bは、移送装置16による梱包箱1の移送経路上に設置されている。
【0030】
テープ切断ステーション12aは、第1テープ切断ステーション13aと、第2テープ切断ステーション13bとを含んでいる。移送装置16によって第1テープ切断ステーション13aに移送されてきた梱包箱1は、図示しないストッパー機構によって停止され、この状態で梱包箱1の上面を閉じる2つのフラップ部3a,3cを止めている粘着テープ4aを図示しないカッター機構によって切断する。梱包箱1の内容物であるフィルムロールRを傷つけないようにカッター機構には超音波カッターを用いることが好ましいが、これに限定されるものではなく、刃物を備えたカッターを用いてもよい。
【0031】
第1テープ切断ステーション13aでのテープ切断が完了すると、梱包箱1は移送装置16によって第2テープ切断ステーション13bに移送され、図示しないストッパー機構によって停止させられる。この状態で、梱包箱1の上面の2つのフラップ部3a,3cを側壁部2に止めている粘着テープ4bを図示しないカッター機構によって切断する。このカッター機構も同様に、超音波カッターを用いるのが好ましい。第2テープ切断ステーション13bにおいて粘着テープ4bが切断された梱包箱1は、移送装置16によってフラップ開放ステーション12bに移送される。
【0032】
なお、第1及び第2テープ切断ステーション13a,13bでは、梱包箱1の上面に貼られた粘着テープ4a,4bに加えて、梱包箱1の下面に貼られた粘着テープ4c,4dも切断する構成とするのが好ましい。これにより、内容物であるフィルムロールRが取り出されて空箱となった梱包箱1を扁平な状態に畳んで貯蔵する作業を容易かつ確実なものにすることができる。
【0033】
フラップ開放ステーション12bは、
図3に示すように、梱包箱1の上側の4つのフラップ部3a,3b,3c,3dを開放した状態にする機能を有する。具体的には、図示しない4つの吸引ノズルによって各フラップ部3a,3b,3c,3dを吸引した状態で持ち上げながら、各吸引ノズルを側壁部2の外側へ移動させることによって各フラップ部3a,3b,3c,3dを開くことができる。この状態で、図示しない押し付け部材によって各フラップ部3a,3b,3c,3dを梱包箱1の側壁部2に押し付けるように折り曲げる。これにより、各フラップ部3a,3b,3c,3dは、
図3に示すように、側壁部2から斜め下方に沿って延伸した状態に維持されるように開放される。
【0034】
図1に示すように、フラップ開放ステーション12bにおいて4つのフラップ部3a,3b,3c,3dが開放された梱包箱1は、移送装置16によって取出し位置P2に移送され、図示しないストッパによって停止される。そして、この取出し位置P2において、搬送装置14によって内袋入りのフィルムロールRが梱包箱1から取り出される。
【0035】
搬送装置14は、テープ切断ステーション12a及びフラップ開放ステーション12bにより構成される開梱装置12によって開梱された梱包箱1からフィルムロールRを取り出してロールストック位置SPに搬送及びセットする機能を有する。これに加えて、フィルムロール供給システム10は内袋開放装置18を備えており、搬送装置14は、取出し位置P2で梱包箱1から取り出した内袋入りのフィルムロールRを、載置位置P3において内袋開放装置18用の載置台に置くように搬送する機能を有する。
【0036】
図4(a)は
図3に示した梱包箱1から内袋入りフィルムロールRを搬送装置14で取り出す様子を示す斜視図であり、
図4(b)は搬送装置14のチャックヘッドを示す正面図である。
【0037】
図4(a)に示すように、搬送装置14は、例えば多関節型のアームロボットによって好適に構成される。搬送装置14は、アーム20の先端にチャックヘッド22を備えており、このチャックヘッド22によって内袋入りのフィルムロールRや、内袋5の口部から露出したフィルムロールRをチャックすることができる。
【0038】
より詳しくは、チャックヘッド22は、
図4(a),(b)に示すように、ヘッドベース23と、このヘッドベース23に移動可能に設けられた4つの内側チャック爪24及び4つの外側チャック爪25とを有している。ヘッドベース23には、内側チャック爪24及び外側チャック爪25をそれぞれ矢印方向に開閉駆動する駆動機構(図示せず)が設置されている。内側チャック爪24は、フィルムロールRの紙管PPの内側に挿入されて開き動作することで、紙管PPの内面に当接してフィルムロールRをチャックすることができる。外側チャック爪25は、フィルムロールRの外径側から閉じ動作することで、ロール外周面に内袋5を介して(又は直接に)に当接することによってフィルムロールRをチャックすることができる。
【0039】
なお、搬送装置14のチャックヘッド22に内側チャック爪24及び外側チャック爪25の両方を設けた例について説明したが、これに限定されるものではなく、いずれか一方だけ(例えば、内側チャック爪24のみ)を設けてもよい。
【0040】
図4(a)に示すように、取出し位置P2において、搬送装置14のチャックヘッド22によって内袋入りのフィルムロールRがチャックされ、この状態でチャックヘッド22が上方へ移動することによって内袋入りのフィルムロールRが梱包箱1から取り出される。このとき、梱包箱1が持ち上がらないように、取出し位置P2において梱包箱1の下面を吸引するか、図示しない保持部材で挟む等によって、梱包箱1を保持する構成とするのが好ましい。
【0041】
図5(a)〜(c)は、フィルムロール供給システム10に含まれる内袋開放装置18において、内袋5の口部が開放されてフィルムロールRが露出した状態とされる様子を段階的に示す模式図である。
【0042】
取出し位置P2において梱包箱1から取り出された内袋入りのフィルムロールRは、搬送装置14によって載置位置P3に搬送され、
図5(a)に示すように、内袋開放装置18用の載置台26上に載置される。載置台26には例えば4本の円柱状の支持ピン27(
図5(a)〜(c)では3本のみ図示)が周方向に等ピッチで立設されており、各支持ピン27の上端面がフィルムロールRの下面に内袋5を介して当接した状態でフィルムロールRが載置されている。
【0043】
載置位置P3において載置台26に置かれた内袋入りのフィルムロールRは、
図1に示すように、移送機構17によって内袋開放装置18へ移送される。内袋開放装置18は、
図5(a)に示すように、4つの吸引ノズル28(
図5(a),(b)では2つのみ図示)と、4枚の開放板29(
図5(b),(c)では2枚のみ図示)とを備える。各吸引ノズル28は、鉛直方向に沿って上下移動可能であると共に、水平方向にも移動可能に設けられている。各開放板29もまた、鉛直方向に沿って上下移動可能であると共に、水平方向にも移動可能に設けられている。
【0044】
図5(a)に示すように、内袋開放装置18へ移送されたフィルムロールRに対し、各吸引ノズル28が下降移動して、フィルムロールRの上面を覆っている内袋5を吸引した状態とする。この状態で、各吸引ノズル28が上昇移動すると、
図5(b)に示すように、吸引ノズル28によって吸引保持されている内袋5の部位が変わりながら内袋5が持ち上げられ、その後、吸引ノズル28が水平方向に開くように移動することで内袋5の口部5aが開放された状態となる。この状態で、開放板29が下降移動して、内袋5の口部5aの内側に挿入される。そして、
図5(c)に示すように、各開放板29が水平方向に開くように移動して内袋5の口部5aを十分に開放した状態とした後、各開放板29が下降移動する。これにより、内袋5の口部5aが載置台26の支持ピン27の辺りまで押し下げられ、その結果、フィルムロールRが内袋5の口部5aから露出した状態となる。
【0045】
上記のようにして内袋5の開放された口部5aからフィルムロールRが露出された後、移送機構17によって載置台26を載置位置P3へと戻し移送する。そして、内袋5から露出したフィルムロールRを搬送装置14のチャックヘッド22でチャックして搬送し、後述するロールストック装置のロールストック位置SPにセットする。
【0046】
なお、フィルムロール供給システム10において、搬送装置14は、フィルムロールRが取り出された後に内袋開放装置18の載置台26上に残された内袋5を回収して所定の投入場所19に投入してもよい。このようにすれば、フィルムロールRが取り出されて残った内袋5を自動的に回収して所定の場所に投入(又は貯蔵)することができるので、フィルムロール供給システム10の省人化又は無人化を図ることができる。
【0047】
また、フィルムロール供給システム10において、搬送装置14は、フィルムロールRが取り出された梱包箱1を取出し位置P2から所定の貯蔵場所15に搬送して貯蔵してもよい。このようにすれば、フィルムロールRが取り出されて残った梱包箱1を搬送装置14によって自動的に所定の貯蔵場所15に搬送して貯蔵することができるので、フィルムロール供給システム10の省人化又は無人化を図ることができる。
【0048】
上述したようにフィルムロール供給システム10によれば、人手を介さず自動的かつ連続的に、搬送装置14によってフィルムロールRを梱包箱1から取り出してロールストック位置SPに搬送及びセットすることができる。したがって、フィルム送出装置30へのフィルムロールの供給を行うことが可能になり、省人化を図ることができる。
【0049】
また、フィルムロールRは内袋5に入った状態で梱包箱1に収納されており、フィルムロール供給システム10は、梱包箱1から取り出された内袋入りのフィルムロールRを内袋5の口部5aを開放した状態とする内袋開放装置18を更に備え、搬送装置14は、開放された内袋5の口部5aからフィルムロールRを取り出してロールストック位置SPに搬送及びセットする。これにより、フィルムロールRが内袋入りの状態で梱包された状態で納品される場合でも、フィルムロールRを梱包箱1及び内袋5から取り出して搬送装置14によってロールストック位置SPに確実に搬送及びセットすることができる。
【0050】
なお、フィルムロールRが梱包箱1内に内袋無しの状態で梱包されている場合には、取出し位置P2において搬送装置14によって梱包箱1から取り出されたフィルムロールRはそのままロールストック位置SPに搬送してセットすればよい。
【0051】
次に、
図6〜
図11を参照して、本実施形態のフィルム接続装置80を含むフィルム送出装置30について説明する。
図6は、
図1に示したフィルム送出装置30の平面図である。
図7は、
図6に示したフィルム送出装置30の側面図である。
図8は、フィルム送出装置30を構成しているフィルム送出ステーション40を示す拡大平面図である。
図8において水平面内で互いに直交するX方向及びY方向が矢印によってそれぞれ示されている。
【0052】
フィルム送出装置30は、上述したフィルムロール供給システム10によってロールストック装置32のロールストック位置SPにセットされたフィルムロールRから、帯状フィルムFを繰り出してラベリング装置に送出するものである。
【0053】
図6〜
図8に示すように、フィルム送出装置30は、ロールストック位置SPに供給されるフィルムロールRをストックするロールストック装置32と、ロール取出位置P4において、ロールストック装置32からフィルムロールRを1個ずつ取り出して、ロールストック装置32に隣接して設けられたフィルム送出ステーション40に供給するロール供給部50と、フィルム送出ステーション40に供給されたフィルムロールRを、ロールセット位置P5にセットするロールセッティング部60と、フィルム送出ステーション40のロールセット位置P5にセットされたフィルムロールRから帯状フィルムFを繰り出してラベリング装置に送出するフィルム送出部70と、フィルム送出ステーション40のロールセット位置P5にセットされていたフィルムロールRから送出し終えた送出済みの帯状フィルムFの終端部と、フィルム送出ステーション40に新たに供給されたフィルムロールRから繰り出された送出前の帯状フィルムFの始端部とを接続するフィルム接続装置80とから構成されている。
【0054】
図9は、フィルム送出装置30を構成しているロールストック装置32であって、ロール支持部材36がロール取出位置P4に位置している状態を示す正面図である。
図10は、
図9に示すロールストック装置32において、ロール支持部材36がロールストック位置SPに位置している状態を示す正面図である。
【0055】
ロールストック装置32は、
図6、
図7、
図9及び
図10に示すように、水平状態に固定設置された支持軸33に回転可能に支持され、駆動モータ34によって断続的に回転する回転円盤35と、この回転円盤35の同心円上に回転可能に支持された4つのロール支持部材36とを備えており、回転円盤35は、4つのロール支持部材36がロールストック位置SPとロール取出位置P4とを通過して鉛直面上を循環移動するように、垂直状態に配置されている。
【0056】
各ロール支持部材36は、供給されたフィルムロールRを、その紙管PPの内周面で支持する、支持円盤37aから水平に張りだした4本の支持棒37bを有している。
【0057】
また、回転円盤35を支持している、固定設置された支持軸33及び各ロール支持部材36の回転軸には、それぞれ歯車38a,38bが取り付けられており、支持軸33に取り付けられた歯車38a及び各ロール支持部材36の回転軸に取り付けられた歯車38bは、回転円盤35に回転可能に支持された4つの中間歯車39に歯合している。これによって、回転円盤35が一方の方向に回転すると、各中間歯車39が同方向に回転し、これに伴って、各歯車38bが逆方向に回転するので、各ロール支持部材36が回転円盤35の回転方向と逆方向に回転し、4本の支持棒37bを有する各ロール支持部材36が、常時、所定の姿勢を維持するようになっている。なお、駆動モータ34、歯車38a,38b及び中間歯車39等の駆動機構については、正面側から視認できないように、カバー部材31によって隠蔽されている。
【0058】
また、ロールストック装置32を取り囲んでいる上部フレームには、透過型のロール検出センサの発光部Saが取り付けられていると共に、固定設置された支持軸33には、ロール検出センサの受光部Sbが取り付けられており、発光部Saから出射された光が遮光されるか否かによって、最上位に位置しているロール支持部材36、即ち、ロール取出位置P4の手前に位置しているロール支持部材36の支持棒37bにフィルムロールRが吊り下げられているか否かを検出するようになっている。
【0059】
そして、ロール検出センサSa,Sbによって、ロール取出位置P4の手前に位置しているロール支持部材36にフィルムロールRが吊り下げられていることが検出されると、そのロール支持部材36をロール取出位置P4まで移送して停止させるが、そのロール支持部材36にフィルムロールRが吊り下げられていることが検出されなければ、そのロール支持部材36からフィルムロールRを取り出すことができないので、ロール取出位置P4を通過させるようになっている。
【0060】
なお、上記ではロールストック装置32が4つのロール支持部材36を有する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば2つや3つ等の複数のロール支持部材36が設けられていてもよい。また、上記ではロールストック位置SPが1箇所である場合について説明したが、これに限定されるものではなく、上述したフィルムロール供給システム10によってフィルムロールRがセットされるロールストック位置SPはロール取出位置P4以外のどこであってもよい。さらに、ロールストック装置がロール支持部材36を1つだけ備えていてもよく、この場合にはロール支持部材36を回転させる必要はないので固定設置されていれば良く、ロール取出位置P4とロールストック位置SPとが同じ位置となる。
【0061】
図11(a)はフィルム送出装置30を構成しているロール供給部50を示す平面図、
図11(b)は同ロール供給部50を示す正面図である。ロール供給部50は、
図8及び
図11(a),(b)に示すように、フィルム送出ステーション40内をY方向に移動するベース部材52と、このベース部材52上をX方向に移動するコラム54と、このコラム54に取り付けられたロールホルダ56とを備える。ベース部材52及びコラム54を適宜移動させることによって、ロールホルダ56を、後述する段取り位置P6を経由して、ロール取出位置P4とロールセット位置P5との間で移動させることができるようになっている。
【0062】
ロールホルダ56は、フィルムロールRの紙管PP内に挿入可能な例えば6本のチャック爪56aを有しており、フィルムロールRの紙管PP内に挿入した6本のチャック爪56aを開閉させることによって、フィルムロールRの紙管PPをクランプしたり、アンクランプしたりすることができるようになっている。
【0063】
従って、ロールホルダ56をロール取出位置P4に移動させ、ロール支持部材36に吊り下げられているフィルムロールRの紙管PP内にロールホルダ56のチャック爪56aを挿入した後、フィルムロールRの紙管PPをクランプした状態で、ロールホルダ56をロール支持部材36から離間する方向に移動させると、ロール支持部材36に吊り下げられているフィルムロールRを取り出すことができる。なお、ロール支持部材36に吊り下げられているフィルムロールRの紙管PP内にロールホルダ56のチャック爪56aを挿入する際、4本の支持棒37bの間にチャック爪56aが挿入されるように、両者の位置関係が設定されている。
【0064】
また、コラム52には、
図11(a),(b)に示すように、発光部及び受光部を有する反射型のロール検出センサ58が取り付けられていると共に、各チャック爪56aの先端部の外面側には、ロール検出センサ58の発光部から出射された光をロール検出センサ58の受光部に向けて反射させる反射鏡(図示せず)が取り付けられている。これにより、ロール取出位置P4において、ロール支持部材36に吊り下げられているフィルムロールRの紙管PP内にチャック爪56aを挿入する際、ロール検出センサ58の発光部から出射された光が受光部に受光されなくなった時点で、その検出位置にフィルムロールRの一方の端面が位置していることが検出されるようになっている。
【0065】
そして、このようにして検出されたフィルムロールRの一方の端面の位置と、オペレータによって、予め、入力されているフィルムロールRの紙管幅データとに基づいて、フィルムロールRの他方の端面の位置を算出することによって、ロール支持部材36に吊り下げられているフィルムロールRの吊下位置を把握し、この吊下位置に応じて、フィルムロールRの紙管PP内に進入しているチャック爪56aの停止位置を調整することで、フィルムロールRに対してチャック爪56aが、常時、所定量だけ挿入されるようになっている。
【0066】
また、ロールホルダ56が、ロール支持部材36に吊り下げられているフィルムロールRの紙管PPをクランプすると、上述したロールストック装置32の回転円盤35が僅かに回転し、これに伴って、ロール取出位置P4に位置しているロール支持部材36の4本の支持棒37bが僅かに降下するので、ロール取出位置P4において、フィルムロールRを吊り下げていたロール支持部材36の支持棒37bが、フィルムロールRの紙管PPの内周面から離間するようになっている。
【0067】
ロールセッティング部60は、
図6、
図7及び
図8に示すように、ロールセット位置P5から退避することができるように、フィルム送出ステーション40内をY方向に移動するベース部材61と、このベース部材61に立設されたコラム62と、このコラム62に回転可能に取り付けられた、フィルムロールRを保持するロールホルダ63とから構成されている。ロールホルダ63は、上述したロール供給部50のロールホルダ56と同様に、フィルムロールRの紙管PP内に挿入した例えば6本のチャック爪63aを開閉させることによって、フィルムロールRをクランプしたり、アンクランプしたりすることができるようになっている。なお、コラム62には、フィルム送出部70の構成要素である、ロールホルダ63を回転駆動させるロール駆動用モータ64を備えた駆動機構が取り付けられている。
【0068】
フィルム送出部70は、
図6、
図7及び
図8に示すように、ロールセッティング部60によってロールセット位置P5にセットされたフィルムロールRを回転させるロール駆動用モータ64と、フィルムロールRから繰り出された帯状フィルムFを挟み込んでラベリング装置に送出する上下一対のフィルム送出ローラ72及びフィルム送出ローラ72を駆動させるサーボモータ73を有する駆動機構と、フィルム送出ローラ72の上流側に設置された、ファン74a及び風道74bを有するエアダンサユニット74と、フィルム送出ローラ72の下流側に設置された複数の固定ローラ75a及び複数の固定ローラ75a間を昇降する複数の可動ローラ75bを有するアキュームユニット75とを備える。
【0069】
帯状フィルムFの送出中は、アキュームユニット75の可動ローラ75bが常時所定の高さ位置に保持されるようにサーボモータ73を制御すると共に、エアダンサユニット74の風道74b内で垂れ下がった帯状フィルムFの下端位置に応じてロール駆動用モータ64を制御することによって、ラベリング装置側が要求している送出速度で帯状フィルムFがラベリング装置側に送出され、帯状フィルムFの送出速度の変動やフィルムロールRの外径変動に伴う帯状フィルムFの繰出速度の変動に追従してフィルムロールRが回転するようになっている。
【0070】
なお、帯状フィルムFの接続時等、ラベリング装置の運転中に帯状フィルムFの送出動作が一時的に停止された場合は、アキュームユニット75に蓄えられている帯状フィルムFがラベリング装置側に引き出され、アキュームユニット75の可動ローラ75bが徐々に上昇していくことになる。
【0071】
フィルム接続装置80は、
図6、
図7及び
図8に示すように、フィルム送出ステーション40内の段取り位置P6に供給された新たなフィルムロールRから帯状フィルムFを繰り出して、その始端部の重ね合わせ部分を相互に離間させながら、離間した状態の帯状フィルムFの始端部を、帯状フィルムFの送出経路に隣接する所定のフィルム待機位置に位置決めする段取りユニット81と、ロールセット位置P5にセットされたフィルムロールRから送出されている帯状フィルムFの終端部を所定位置で切断する第1切断ユニット(終端部切断ユニット)82と、第1切断ユニット82によって切断された帯状フィルムFの終端部を、帯状フィルムFの送出経路に設定されたフィルム接続位置に位置決めした後、フィルム待機位置に位置決めされた送出前の帯状フィルムFの始端部を、ロール供給部50のロールホルダ56と共に帯状フィルムFの送出経路に移送することによって、第1切断ユニット82によって切断された帯状フィルムFの終端部が位置決めされているフィルム接続位置において、送出済みの帯状フィルムFの終端部を送出前の帯状フィルムFの始端部に挟み込ませる移送ユニット83と、フィルム接続位置において、送出済みの帯状フィルムFの終端部を送出前の帯状フィルムFの始端部に挟み込んだ状態で、双方の帯状フィルムF,Fの重ね合わせ部分を相互に接続する接続ユニット84とを備える。
【0072】
続いて、
図12〜
図21を参照して、上述のフィルム接続装置80の構成及び動作について詳細に説明する。
図12〜
図21は、フィルム送出装置30を構成しているフィルム接続装置80の動作を段階的に示す図である。
図12〜
図18には、それぞれ、上段に側面図、下段に平面図が示されており、
図19〜
図21には平面図のみが示されている。また、
図12〜
図18には、X方向及びY方向と直交する鉛直方向又は上下方向が矢印Zで示されている。
【0073】
フィルム接続装置80は、
図12に示すように、段取りユニット81の一部としてフィルム留めテープ剥離装置99を備えており、フィルム留めテープ剥離装置99は剥離ユニット85を有する。剥離ユニット85は、段取り位置P6にセットされたフィルムロールRに巻回された帯状フィルムFの繰り出し端部となる始端部F1をロール外周面に留めている粘着テープTを剥離させた後、始端部F1をフィルムロールRから繰り出す装置である。
【0074】
フィルム留めテープ剥離装置99は、移動ヘッド87を更に備えており、剥離ユニット85は移動ヘッド87に移動可能に連結されている。移動ヘッド87は、例えばリニアアクチュエータ等で駆動される駆動装置86によってX方向に駆動可能に連結されている。移動ヘッド87は、例えば圧縮空気によって駆動されるエアシリンダを内蔵しており、これにより移動ヘッド87は剥離ユニット85をZ方向に移動させることができる。
【0075】
剥離ユニット85は、平面視で略V字状に形成されている挿入プレート88と、挿入プレート88の下面に沿って配置されると共に挿入プレート88に対して旋回可能に設けられた剥離プレート89と、挿入プレート88の上方に設置され、略V字状をなす挿入プレート88の2つの先端部に対して進退するようにZ方向に移動する一対の押さえ部材90とを有する。剥離プレート89の先端部は、挿入プレート88の2つの先端部のうち一方の先端部と略同じ形状に形成されているため、平面視で両者が略同じ輪郭で重なった状態になっている。
【0076】
図12に示すように駆動装置86によって剥離ユニット85を矢印X1方向に移動させ、
図13に示すように挿入プレート88の2つの先端部を、段取り位置P6にセットされたフィルムロールRの始端部F1を留めている粘着テープTの両側に挿入する。この状態で、一対の押さえ部材90を矢印Z1方向に下降移動させ、帯状フィルムFの始端部F1を挿入プレート88の2つの先端部に押さえ付ける。
【0077】
続いて、
図14に示すように、挿入プレート88に対して剥離プレート89を矢印C方向に旋回させる。そうすると、
図15に示すように、剥離プレート89の先端部が、帯状フィルムFの始端部F1を留めている粘着テープTの下を通過することで、粘着テープTがフィルムロールRの外周面から剥離される。
【0078】
続いて、剥離ユニット85を矢印Z2方向へ上昇移動させ、帯状フィルムFの始端部F1を持ち上げる。このとき、始端部F1は一対の押さえ部材90によって挿入プレート88の2つの先端部に押さえ付けられているため、始端部F1をフィルムロールRの外周面から離間させることができ、その結果、粘着テープTを確実に剥離させることがきる。
【0079】
続いて、
図16に示すように、図示しない移動機構によって、駆動装置86及び移動ヘッド87と共に剥離ユニット85を矢印X2方向に移動させる。このとき、フィルムロールRをクランプして保持するロールホルダ56を回転駆動することが好ましく、これにより帯状フィルムFの繰り出しを円滑に行うことができる。そして、
図17に示すように、フィルムロールRが約1回転して約1周分の帯状フィルムFが繰り出された後、剥離ユニット85が停止する。
【0080】
図18に示すように、フィルム接続装置80は、吸引ユニット91、切断位置決めセンサ92、第2切断ユニット(始端部切断ユニット)93、フィルム始端位置検出センサ94、及び、フィルム終端位置決めセンサ95を更に備える。
【0081】
吸引ユニット91は、段取り位置P6にあるフィルムロールRから繰り出された帯状フィルムFの始端部F1を、上下一対のノズル91a,91bによって吸引することで、始端部F1の先端において対向するフィルム部分同士を離間させる機能を有する。
【0082】
切断位置決めセンサ92は、段取り位置P6にあるフィルムロールRから繰り出された帯状フィルムFの始端部F1に対向する上方(又は下方)位置に設けられる。切断位置決めセンサ92は、第2切断ユニット93によって帯状フィルムFの始端部F1を切断するに際して、帯状フィルムFに印刷等によって各ラベルにそれぞれ設けられているマークを検出し、この検出結果に基づいて第2切断ユニット93に対する帯状フィルムFの始端部F1の位置を決めるためのものである。
【0083】
第2切断ユニット93は、段取り位置P6にあるフィルムロールRから繰り出された帯状フィルムFに対してY方向に移動可能に設けられている。第2切断ユニット93は、帯状フィルムFの始端部F1をL字状に切断する機能を有する。ここで、「L字状」とは、帯状フィルムFの始端部F1を、長手方向と直交する幅方向に切断すると共に、幅方向の一方側の角部を斜めに切除する形状を意味する。このように、第2切断ユニット93によって帯状フィルムFの始端部F1の一方側角部だけを斜めに切除する構成としたことで、始端部F1の幅方向の両側角部を斜めに切除する場合(特許文献1の
図8(a)参照)には、帯状フィルムFの幅(又は、折り径)が変更になったとき部品交換や調整が必要になるが、本実施形態のフィルム接続装置80では第2切断ユニット93について部品交換や調整を行うことなく対応可能となる。
【0084】
フィルム始端位置検出センサ94は、第1切断ユニット93によって切断された帯状フィルムFの始端部F1の先端位置を検出する機能を有する。フィルム始端位置検出センサ94は、第2切断ユニット93と共に移動するように設けられている。
【0085】
図18に示すように、切断位置決めセンサ92の検出結果に基づいて、駆動装置86を駆動して移動ヘッド87を介して剥離ユニット85を矢印X2方向に移動させる。これにより、剥離ユニット85によって繰り出された帯状フィルムFの始端部F1に対する第2切断ユニット93の位置、すなわち、帯状フィルムFの始端部F1の切断位置が決められる。
【0086】
この状態で、
図19に示すように、第2切断ユニット93及びフィルム始端位置検出センサ94を矢印Y1方向に移動させ、第2切断ユニット93を作動させて帯状フィルムFの始端部F1をL字状に切断する。第2切断ユニット93によって切断された帯状フィルムFの始端部F1は、吸引ユニット91のノズル91a,91bによって吸引されて上下に開かれることで、始端部F1において対向するフィルム部分が離間して、斜めに切除された角部が開かれる。
【0087】
また、
図18及び
図19に示すように、フィルム送出ステーション40においてロールセット位置P5(
図6参照)にセットされたフィルムロールRから送出されている帯状フィルムFの終端部F2が第1切断ユニット82によって幅方向に沿って切断される。帯状フィルムFの終端部F2が切断された後、アキュームユニット75への帯状フィルムFの送出が停止され、これにより
図20に示すように帯状フィルムFの終端部F2の先端がフィルム接続位置P7に位置決めされる。このように帯状フィルムFの終端部F2の先端をフィルム接続位置に位置決めした状態で帯状フィルムFの送出を停止するために、帯状フィルムFの終端部F2に対向して設けられ、終端部F2の各ラベルに付されているマークを検出するフィルム終端位置決めセンサ95の検出結果が用いられる。なお、帯状フィルムFを送出し終えたフィルムロールRの紙管PPは、図示しない紙管取外し機構によってロールセッティング部60のロールホルダ63から取り外されて所定の収納場所(図示せず)に回収される。
【0088】
一方、段取り位置P6にあるフィルムロールRから繰り出された帯状フィルムFの始端部F1は、
図20に示すように、矢印X1方向に戻されることによって始端部F1の先端がフィルム接続位置P7に合わされる。この際の始端部F1の先端の位置決めには、フィルム始端位置検出センサ94の検出結果が用いられる。具体的には、フィルム始端位置検出センサ94によって帯状フィルムFの始端部F1の先端が検出されるまで、段取り位置P6においてロールホルダ56によってフィルムロールRを回転させて帯状フィルムFを巻き戻す。
【0089】
なお、
図20に示すように、第2切断ユニット93によって切断された帯状フィルムFの始端部片は、剥離ユニット85よって矢印X2方向に移送されて廃棄される。
【0090】
段取り位置P6にあるフィルムロールRから繰り出された帯状フィルムFの始端部F1の先端がフィルム接続位置P7に合わされると、
図21に示すように、移送ユニット83(
図8参照)によって第2切断ユニット93及び吸引ユニット91が、フィルム送出経路に向かって前進移動される。このとき、段取り位置P6においてロールホルダ56によって保持されていたフィルムロールRがロールセット位置P5のロールホルダ63に受け渡される。これにより、吸引ユニット91によって開かれている始端部F1の斜め切除の角部から、送出済みの帯状フィルムFの終端部F2の先端が挿入されて、始端部F1の先端を構成する2枚のフィルム部分の間に、帯状フィルムFの終端部F2の先端が挟み込まれる。
【0091】
そして、フィルム接続位置P7において挟み込まれた状態で接続された送出前の帯状フィルムFの始端部F1と送出済みの帯状フィルムFの終端部F2とが、接続ユニット84(
図8参照)によって粘着テープTが貼られることで接続され、これにより帯状フィルムF同士の継ぎ合わせが完了する。この状態で、フィルム送出ローラ72(
図7参照)の駆動が再開されて、帯状フィルムFのアキュームユニット75への送出が再開される。
【0092】
上述したように、フィルム送出装置30によれば、始端部F1が粘着テープTでロール外周面に留められた状態でロールストック位置SPに供給されるフィルムロールRを、フィルム送出ステーション40に受け渡して、送出済みの帯状フィルムFの終端部F2と新たに供給されたフィルムロールRの帯状フィルムFの始端部F1とを継ぎ合わせて、フィルム送出動作を再開することができる。したがって、フィルム送出装置30によれば、省人化又は無人化による自動運転が可能になる。
【0093】
なお、本発明は、上述した実施形態及びその変形例に限定されるものではなく、本願の特許請求の範囲に記載された事項の範囲内において種々の変更や改良が可能である。
【0094】
例えば、上記ではフィルム接続装置80において、送出前の帯状フィルムFの始端部F1の先端をL字状に切断し、送出済みの帯状フィルムFの終端部の先端を上記始端部F1の先端を構成する2枚のフィルム部分の間に挟み込んで接続する場合について説明したが、これに限定されるものではない。送出前の帯状フィルムFの始端部F1の先端を角部の斜め切除を行うことなく幅方向に沿って切断し、当該始端部の先端を、送出済みの帯状フィルムFの終端部の先端と略隙間なく突き合わせた状態で位置あわせして粘着テープTにより接続してもよい。
【0095】
また、上記においては1基のフィルムロール供給システム10によって1台のフィルム送出装置30にフィルムロールRを供給する例について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、
図22に示すフィルム送出システム100Aのように、1基のフィルムロール供給システム10によって、2台のフィルム送出装置30a,30bにフィルムロールRを供給してもよい。この場合、フィルムロールRをフィルム送出装置30a,30bに供給する搬送装置14aとは別に、梱包箱1を貯蔵場所15に搬送すると共に内袋5を投入場所19に搬送する例えば多関節型アームロボットからなる搬送装置14bを設置してもよい。
【0096】
また、上記においては、梱包箱1を開梱して内袋入りのフィルムロールRを取り出し、次いで内袋5からフィルムロールRを取り出してフィルム送出装置30に供給する例について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、
図23に示すように、搬送装置14は、開梱された状態でパレット6上に段積みされた複数のフィルムロールRを1つずつ取り出して、ロールストック位置SPに搬送及びセットする構成としてもよい。この場合、
図24(a),(b)に示すように、パレット6上に段積みされたフィルムロールRの間に、柔軟性を有するシート材7を介在させるのが好ましい。これにより、上下に積まれたフィルムロールRの端面同士が直接接触することよるフィルムの損傷を防止又は抑制することができる。このように、搬送装置14によって、梱包箱1で梱包されたフィルムロールRの供給だけでなく、パレット6上に段積みされた包装なしのフィルムロールRの供給を行うことで、フィルムロール供給システム10の汎用性が向上する。また、この場合には、フィルムロールRを梱包する梱包箱や内袋等が不要になるため、省資源化を図ることができる。なお、複数のフィルムロールRがパレット6上に段積みされた状態で工場に納品されるとき、複数のフィルムロールRは、その周囲に合成樹脂製の帯状ラップ材が巻かれて梱包されていたり、或いは、合成樹脂製の外袋が被せられて梱包されていたりすることがあるが、そのような場合には帯状ラップ材や外袋などの外装体を人手、搬送装置14、又は別の開梱装置によって、開梱した状態として、フィルム供給システム100に供給することが好ましい。
【0097】
また、上記においては、筒状のラベルが連続的に繋がった状態でシート状に折り畳まれた長尺の帯状フィルムFを紙管PPにロール状に巻回したフィルムロールRから、帯状フィルムFを繰り出してラベリング装置に送出するフィルム送出装置について説明したが、これに限定されるものではなく、本発明は、単なる帯状フィルムをフィルムロールから繰り出して送出する各種フィルム送出装置に適用することができる。
【0098】
さらに、上記においては、長尺の帯状フィルムFを紙管PPにロール状に巻回したフィルムロールRを使用する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、紙管のないフィルムロールを使用する場合についても、本発明を適用することができる。