【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ノンシリコーンシャンプーで泡立ちが早い事と細かい泡質の両立、洗髪時の指通りの良さと早いすすぎ性の両立を満足できる毛髪洗浄剤組成物は開発されていない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、泡立ちが早い事と細かい泡質の両立、洗髪時は指通りの良さと早いすすぎ性の両立を満足できるように鋭意検討した結果、N−アシルアミノ酸界面活性剤と両性界面活性剤を特定比率で配合し、カチオン性ポリマーと脂肪酸を特定比率で配合することにより上記2つの課題の両立を図る事ができる事を見出し本発明に至った。
【0006】
即ち本発明は、
シリコーン化合物を含まず
(A)N−アシルアミノ酸界面活性剤
(B)両性界面活性剤
(A)/(B)=1〜3でかつ(A)+(B)=8〜23重量%
(C)脂肪酸
(D)カチオン性ポリマー
(C)/(D)=1〜10でかつ(C)+(D)=0.5〜3重量%
の組成である毛髪洗浄剤組成物に関する。
【0007】
シリコーン化合物とは、シロキサン結合を骨格とする合成ポリマーの総称である。具体的には、(アミノエチルアミノプロピルメチコン/ジメチコン)コポリマー、(シビニルジメチコン/ジメチコン)コポリマー、PEG/PPG−20/20ジメチコン、PEG−10ジメチコン、PEG−12ジメチコン、アモジメチコン、ジメチコン、ジメチコンコポリオール、ジメチコン共重合体、トリメチルシリルアモジメチコン、ビス(C13−15アルコキシ)PGアモジメチコン、ビス(PEG/PPG−20/20)ジメチコン、ビスセテアリルアモジメチコン、フェニルトリメチコン、メドウフォーム油脂肪酸PEG−8ジメチコン、リノールアミドプロピルPG−ジモニウムクロリドリン酸ジメチコン、高重合ジメチコン−1、アミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン、シクロペンタシロキサン、ジメチルシロキサン共重合体、ヒドロキシプロピルポリシロキサン加水分解コムギタンパク、高重合メチルポリシロキサン(1)、ポリシリコーン−14、ポリシリコーン−9、パンテニルコハク酸シリコーンクオタニウム−2、ジメチコノールなどが挙げられる。
本発明毛髪洗浄剤組成物は、洗髪時の指通り性と泡の滑りの向上を目的として添加されるシリコーン化合物を含まない。
【0008】
N−アシルアミノ酸界面活性剤として、N−ラウロイル−N−メチル−β−アラニン塩(入手可能な市販品として、川研ファインケミカル社製のアラノンALE、ALTA)、N−ヤシ油脂肪酸−N−メチル−β−アラニン塩(川研ファインケミカル社製のアラノンACE)、N−ミリストイル−N−メチル−β−アラニン塩(川研ファインケミカル社製のアラノンAME)、N−アシル−N−ヒドロキシエチル−β−アラニン塩、N−ラウロイルサルコシン塩(川研ファインケミカル社製のソイポンSLE、SLTA、SLP)、N−ヤシ油脂肪酸サルコシン塩(川研ファインケミカル社製のソイポンSCE)、N−ミリストイルサルコシン塩(川研ファインケミカル社製のソイポンM−30)、ラウロイルシルクアミノ酸K(川研ファインケミカル社製のカワシルクS)、N−ラウロイル−β−アラニン塩、N−ヤシ油脂肪酸−β−アラニン塩、N−ラウロイル−L−グルタミン酸塩、N−ヤシ油脂肪酸−L−グルタミン酸塩、N−ラウロイルアスパラギン酸塩、N−ヤシ油脂肪酸アスパラギン酸塩、N−ラウロイル−N−メチルタウリン塩、N−ヤシ油脂肪酸−N−メチルタウリン塩などが使用できる。
【0009】
N−アシルアミノ酸界面活性剤は、ショッテンバウマン反応などの公知の方法により製造される。N−アシルアミノ酸界面活性剤には、少量の遊離脂肪酸が含まれる。遊離脂肪酸は、原料である脂肪酸クロライドに含まれる遊離脂肪酸、アシル化の際に副成する遊離脂肪酸に由来する。遊離脂肪酸の含量は、脂肪酸クロライドの純度、アシル化条件などによって増減することがある。
【発明の効果】
【0010】
本発明、毛髪洗浄剤組成物により、洗浄時の指通り性、滑らかさを向上させるだけでなく、細かい泡質となる上に、すすぎが早く洗いあがりのさっぱり感が感じられる効果を付与することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について説明する。
本発明毛髪洗浄剤組成物のA成分はN−アシルアミノ酸界面活性剤である。起泡性、細かい泡質、洗浄性、指通り性、滑らかさ、すすぎ性、さっぱり感の要になる本発明毛髪洗浄剤組成物の主剤である。本発明の求める泡立ちが早い事と細かい泡質の両立、洗髪時の指通りの良さと早いすすぎ性の両立を考慮すると、N−アシルアミノ酸界面活性剤として、N−アシル−N−メチル−β−アラニン塩、N−アシル−N−ヒドロキシエチル−β−アラニン塩のうち少なくとも1種を使用することが特に好ましい。
【0012】
N−アシル−N−メチル−β−アラニン塩、N−アシル−N−ヒドロキシエチル−β−アラニン塩は、一般式(1)、(2)で示される。
【化1】
[式(1)(2)中R
1、R
2は炭素数9〜15の直鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルキレン基を示し、M
1、M
2はアルカリ金属、トリエタノールアミンを示す。]
R
1、R
2の炭素数は9〜15のものが使用でき、炭素数10〜16のものが好ましく、炭素数10〜14のものが特に好ましい。炭素数が8以下では臭いの点で問題があり、炭素数が16以上の場合は毛髪洗浄剤組成物の低温安定性の点で問題がある。
【0013】
本発明毛髪洗浄剤組成物のB成分は両性界面活性剤である。両性界面活性剤としては、アミドプロピルベタインであるコカミドプロピルベタイン(入手可能な市販品として、川研ファインケミカル社製のソフタゾリンCPB、CPB−R)、ラウリン酸アミドプロピルベタイン(川研ファインケミカル社製のソフタゾリンLPB、LPB−R)、ミリスチン酸アミドプロピルベタイン、パーム核油脂肪酸アミドプロピルベタイン(川研ファインケミカル社製のソフタゾリンPKPB)、アミドアミンであるココアンホ酢酸Na(川研ファインケミカル社製のソフタゾリンCH、CH−R、CL、CL−R)、ラウロアンホ酢酸Na(川研ファインケミカル社製のソフタゾリンLHL、LHL−SF)、ラウラミドプロピルヒドロキシスルタイン(川研ファインケミカル社製のソフタゾリンLSB、LSB−R)、ラウラミドプロピルアミンオキシド(川研ファインケミカル社製のソフタゾリンLAO−C)、ヒドロキシアルキル(C12−14)ヒドロキシエチルサルコシン(川研ファインケミカル社製のソフタゾリンLMEB、LMEB−R)、ココアンホプロピオン酸Na(川研ファインケミカル社製のソフタゾリンNS、SFD)、ラウリルベタイン、ラウリルヒドロキシスルタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイドなどが使用できる。
【0014】
本発明の求める泡立ちが早い事と細かい泡質の両立、洗髪時の指通りの良さと早いすすぎ性の両立を考慮すると、両性界面活性剤として、アミドプロピルベタイン、アミドアミンのうちの少なくとも1種を使用することが特に好ましい。アミドプロピルベタイン、アミドアミンは一般式(3)、(4)で示される。
【化2】
[式(3)(4)中R
3、R
4は炭素数7〜17の直鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルキレン基を示す。]
R
3、R
4の炭素数は7〜17のものが使用できる。炭素数が6以下では臭いの点で問題があり、炭素数が18以上の場合は毛髪洗浄剤組成物の低温安定性の点で問題がある。
【0015】
本発明の求める泡立ちが早い事と細かい泡質の両立、洗髪時の指通りの良さと早いすすぎ性の両立を考慮すると、A成分のN−アシルアミノ酸界面活性剤とB成分の両性界面活性剤は、下記の特定比率で配合される。
(A)/(B)=1〜3でかつ(A)+(B)=8〜23重量%
(A)/(B)は0.9〜3.9とすることができ、好ましくは1〜3.5、特に好ましく1〜3である。(A)/(B)が1未満の場合は、泡が粗くなり、泡比重が低く、洗っている人が泡立ちが悪いと感じてしまう。(A)/(B)が3を超える場合は、コアセルベートの生成が低くなり、指通りが悪くなる。
(A)+(B)は8〜23重量%とすることができ、好ましくは9〜23重量%である。(A)+(B)が8重量%未満の場合は、界面活性剤の総量が少なく泡立ちが悪くなり、泡比重が低くなる。(A)+(B)が23重量%を超える場合は、毛髪洗浄剤組成物の低温の安定性が悪くなり、白濁してしまう。
【0016】
本発明毛髪洗浄剤組成物のC成分は脂肪酸である。脂肪酸としては、ラウリン酸(入手可能な市販品として、花王社製のルナックL−98)、ヤシ油脂肪酸(入手可能な市販品として、花王社製のルナックL−55)、パーム核油脂肪酸、カプリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、イソステアリン酸などが使用できる。
本発明の求める泡立ちが早い事と細かい泡質の両立、洗髪時の指通りの良さと早いすすぎ性の両立を考慮すると、脂肪酸として直鎖または分岐鎖の炭素数10〜18の脂肪酸を使用することができ、炭素数10〜16の直鎖または分岐鎖の脂肪酸が好ましく、炭素数10〜14の直鎖または分岐鎖の脂肪酸が特に好ましい。
【0017】
本発明毛髪洗浄剤組成物のD成分はカチオン性ポリマーである。カチオン性ポリマーとしては、ポリクオタニウム−10(入手可能な市販品として、東邦化学工業社製のカチナールLC−200)、ポリクオタニウム−107、ポリクオタニウム−11、ポリクオタニウム−22、ポリクオタニウム−30、ポリクオタニウム−39、ポリクオタニウム−4、ポリクオタニウム−47、ポリクオタニウム−48、ポリクオタニウム−49、ポリクオタニウム−50、ポリクオタニウム−51、ポリクオタニウム−52、ポリクオタニウム−6、ポリクオタニウム−61、ポリクオタニウム−64、ポリクオタニウム−65、ポリクオタニウム−67、ポリクオタニウム−7、ポリクオタニウム−72、ポリクオタニウム−73、ポリクオタニウム−92、
カチオン化グアーガム(入手可能な市販品として、三晶社製のJAGUAR C−14S)、カチオン化ローカストビーンガム、カチオン化タラガム、カチオン化フェヌグリークガム、カチオン化カッシアガム、カチオン化デキストラン−2などが使用できる。
【0018】
本発明の求める泡立ちが早い事と細かい泡質の両立、洗髪時の指通りの良さと早いすすぎ性の両立を考慮すると、カチオン性ポリマーとしてポリクオタニウム−10、カチオン化グアーガムのうちの少なくとも1種を使用することが特に好ましい。
【0019】
本発明の求める泡立ちが早い事と細かい泡質の両立、洗髪時の指通りの良さと早いすすぎ性の両立を考慮すると、C成分の脂肪酸とD成分のカチオン性ポリマーは、下記の特定比率で配合される。
(C)/(D)=1〜10でかつ(C)+(D)=0.5〜3重量%
(C)/(D)は0.9〜10とすることができ、好ましくは1〜10、特に好ましくは1.8〜7.5である。(C)/(D)が1未満の場合は、泡が粗くなり、かつ、すすぎ性も悪くなる。(C)/(D)が10を超える場合は、毛髪洗浄剤組成物の低温の安定性が悪くなり、白濁してしまう。
(C)+(D)は0.5〜3重量%とすることができ、好ましくは0.6〜2.5重量%、特に好ましくは0.7〜1.7重量%である。(C)+(D)が0.5重量%未満の場合は、泡が粗く、指通りも悪くなってしまう。(C)+(D)が3重量%を超える場合は、指通りが悪くなってしまう。
【0020】
また、本発明毛髪洗浄剤組成物のA成分には少量の遊離脂肪酸が含まれ、B成分も遊離脂肪酸を含む場合がある。本発明毛髪洗浄剤組成物のC成分に包含された形で、脂肪酸総含量を計算する。
【0021】
本発明毛髪洗浄剤組成物の主剤であるN−アシルアミノ酸界面活性剤は、起泡性、細かい泡質、洗浄性、指通り性、滑らかさ、すすぎ性、さっぱり感の要となる。主剤の効果を損なわない範囲で、助剤として他のアニオン性界面活性剤を0.1〜2重量%配合してもよい。他のアニオン性界面活性剤として、ポリ(1〜10)オキシエチレンラウリルエーテル酢酸塩、ポリ(1〜10)オキシエチレンヤシ油アルキルエーテル酢酸塩、ポリ(1〜10)オキシエチレントリデシルエーテル酢酸塩、ポリ(1〜10)オキシエチレンラウロイルエタノールアミドエーテル酢酸塩、ポリ(1〜10)オキシエチレンヤシ油脂肪酸エタノールアミドエーテル酢酸塩、ポリ(1〜10)N−メチル−ラウロイルエタノールアミドエーテル酢酸塩、ポリ(1〜10)N−エチル−ラウロイルエタノールアミドエーテル酢酸塩、ポリ(1〜10)オキシエチレンN−メチル−ヤシ油脂肪酸エタノールアミドエーテル酢酸塩、ポリ(1〜10)オキシエチレンN−エチル−ヤシ油脂肪酸エタノールアミドエーテル酢酸塩、ポリ(0〜10)オキシエチレンラウリルスルホコハク酸塩、ポリ(0〜10)オキシエチレンヤシ油脂肪酸スルホコハク酸塩、ポリ(0〜10)オキシエチレンラウロイルエタノールアミドスルホコハク酸塩、ポリ(0〜10)オキシエチレンヤシ油脂肪酸エタノールアミドスルホコハク酸塩、ポリ(0〜10)オキシエチレンN−メチル−ラウロイルエタノールアミドスルホコハク酸塩、ポリ(0〜10)オキシエチレンN−メチル−ヤシ油脂肪酸エタノールアミドスルホコハク酸塩、ポリ(0〜10)オキシエチレンN−エチル−ラウロイルエタノールアミドスルホコハク酸塩、ポリ(0〜10)オキシエチレンN−エチル−ヤシ油脂肪酸エタノールアミドスルホコハク酸塩、ポリ(1〜10)オキシエチレンラウリルエーテル硫酸塩などが使用できる。
【0022】
本発明毛髪洗浄剤には、粘度の調整等を目的として、ノニオン性界面活性剤を必要に応じて配合する。ノニオン性界面活性剤として、PPG−2コカミド(入手可能な市販品として、川研ファインケミカル社製のアミゼット1PC)、コカミドDEA(川研ファインケミカル社製のアミゾールCDE−G)、パーム核油脂肪酸アミドDEA(川研ファインケミカル社製のアミゾールKD−1)、コカミドDEA(1:2)(川研ファインケミカル社製のアミゾールCD)、ラウラミドDEA(川研ファインケミカル社製のアミゾールLDE−G)、(ラウラミド/ミリスタミド)DEA(川研ファインケミカル社製のアミゾールLMDE−Y)、コカミドMEA(川研ファインケミカル社製のアミゾールCME)、ラウラミドMIPA(川研ファインケミカル社製のアミゾールPLME−A)、PEG−3ラウラミド(川研ファインケミカル社製のアミゼット2L−Y)、PEG−2カプリリルアミン(川研ファインケミカル社製のフォーマイト2E8)、PEG−2コカミン(川研ファインケミカル社製のビスコファインE2C)、(ラウリル/ミリスチル)グリコールヒドロキシプロピルエーテル(川研ファインケミカル社製のビスコセーフLMPE)、コカミドメチルMEA、グリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類などが使用できる。
【0023】
本発明の毛髪洗浄剤組成物には、必要に応じて、かつ本発明の効果を損なわない範囲において、通常化粧品や医薬品等の皮膚外用剤に用いられる成分、例えば、抗老化薬剤、抗炎症剤、抗アンドロゲン剤、育毛剤、保湿剤、酸化防止剤、油性成分、紫外線吸収剤、界面活性剤、増粘剤、防腐剤、アルコール類、pH調整剤(クエン酸、NaOHなど)、乳化剤、粉末成分、色材、水性成分、水、各種毛髪栄養剤、香料、清涼剤、生薬抽出物やビタミン類等を適宜配合することができる。
【0024】
配合できる成分の具体例を示せば、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸等の金属封鎖剤、カフェイン、タンニン、ベラパミル、トラネキサム酸及びその誘導体、各種生薬、酢酸トコフェロール、グリチルリチン酸及びその誘導体又はその塩、グリチルレチン酸誘導体、サリチル酸誘導体、リゾフォスファチジルコリンやリゾフォスファチジン酸、大豆調製物等のラミニン5産生促進剤、グルコース、フルクトース、マンノース、ショ糖、トレハロース等の糖類、アルブチン、コウジ酸等の美白剤、ノニル酸ワレニルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β−ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、カフェイン、タンニン酸、α−ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパルミ、セファランチン、γ−オリザノール等の血行促進剤、硫黄、チアントール等の抗脂漏剤。
【0025】
マカデミアナッツ油、ホホバ油、サフラワー油、米胚芽油、小麦胚芽油、アボカド油、アーモンド油、ゴマ油、ツバキ油、ブドウ油、月見草油、シソ油、ヒマワリ油、ココナッツ油、メドフォーム油、ローズヒップ油、アプリコット油、アルガン油(アルガニアスピノザ核油)、オリーブ油およびオリーブスクワラン等の液状植物油。
【0026】
毛髪改質剤として、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、クエン酸、マロン酸、リンゴ酸、グリコール酸、安息香酸、シュウ酸、フタル酸、サリチル酸、グルタル酸、グルコン酸、アコニット酸、イタコン酸などの有機酸、有機酸塩、ジプロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、プロパンジオール、ソルビトール、ジエチレングリコール、ペンチレングリコール、ブチレングリコール、ジグリセリンなどのポリオール類、アルギニン、システイン、グルタミン、グリシン、N−メチルグリシン、プロリン、チロシン、ヒスチジン、イソロイシン、タウリン、ロイシン、リシン、オルニチン、シトルリン、クレアチン、メチオニン、フェニルアラニン、トレオニン、トリプトファン、バリン、アラニン、β―アラニン、N−メチル−β―アラニン、N−ヒドロキシエチル−β―アラニン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、セリンなどのアミノ酸類。
ベンジルアルコール、フェノキシエタノール、ベンジルオキシエタノールなどの毛髪浸透促進剤。
【0027】
あるいは、多様な目的から、ヒノキチオール、酸化亜鉛、アラントイン、アロエベラエキス、オウゴン根エキス、オタネニンジンエキス、カキタンニンエキス、カニナバラエキス、カミツレ花エキス、セイヨウオドリギソウエキス、センチフォリアバラエキス、チャ葉エキス、トウセンカエキス、ハマメリスエキス、フユボダイジュエキス、マグワエキス、ヤグルマギクエキス、ユズエキス、ローマカミツレエキス、ローヤルゼリーエキス、ウコン抽出物、ブナの芽抽出物、加水分解カゼイン、米抽出物加水分解液、米ぬか抽出物、トウニン抽出物、クララ抽出物、チオタウリン、ヒポタウリン、マジョラム抽出物、イチヤクソウ抽出物、キシリトール、アルギニン及びその塩酸塩、セリン、オウバク抽出成分、オウレン抽出成分、カッコン抽出成分、シコン抽出成分、シャクヤク抽出成分、センブリ抽出成分、バーチ抽出成分、セージ抽出成分、ビワ抽出成分、ニンジン抽出成分、アロエ抽出成分、ゼニアオイ抽出成分、アイリス抽出成分、ブドウ抽出成分、ヨクイニン抽出成分、ヘチマ抽出成分、ユリ抽出成分、サフラン抽出成分、センキュウ抽出成分、ショウキョウ抽出成分、オトギリソウ抽出成分、ローズマリー抽出成分、ニンニク抽出成分、トウガラシ抽出成分、ワレモコウ抽出成分、チンピ、トウキ等、レチノール、酢酸レチノール等のビタミンA類、リボフラビン、酪酸リボフラビン、フラビンアデニンヌクレオチド等のビタミンB2類、ピリドキシン塩酸塩、ピリドキシンジオクタノエート等のビタミンB6類、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ジパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸−2−硫酸ナトリウム、L−アスコルビン酸リン酸エステル、DL−α−トコフェロール−L−アスコルビン酸リン酸ジエステルジカリウム等のビタミンC類、パントテン酸カルシウム、D−パントテニルアルコール、パントテニルエチルエーテル、アセチルパントテニルエチルエーテル等のパントテン酸類、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール等のビタミンD類、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル等のニコチン酸類、α−トコフェロール、酢酸トコフェロール、ニコチン酸DL−α−トコフェロール、コハク酸DL−α−トコフェロール等のビタミンE類、ビタミンP、ビオチン等のビタミン類なども適宜配合することができる。
【実施例】
【0028】
本発明の効果に関して以下の実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例等に限定されるものではない。
製造例1、2の方法で、一般式(1)で示されるN−ラウロイル−N−メチル−β−アラニンNa塩、一般式(2)で示されるN−ラウロイル−N−ヒドロキシエチル−β−アラニンNa塩を合成した。
【0029】
製造例1
N−ラウロイル−N−メチル−β−アラニンNa塩の製造
分液ロートに軟水450g、48重量%水酸化ナトリウム水溶液63g、9重量%N−メチル−β−アラニンNa塩水溶液332gを入れ、遊離脂肪酸0.2重量%を含むラウリン酸クロライド144gを室温で1時間かけて滴下し、1時間撹拌しアシル化した。75重量%硫酸87gを加え、80〜90℃に昇温し、20分間静置し、水層を分液した。温軟水407g、48重量%水酸化ナトリウム水溶液53gを加えて中和した。30重量%N−ラウロイル−N−メチル−β−アラニンNa塩水溶液650gを得た。高速液体クロマトグラフィーによる分析では、遊離脂肪酸含量は1.0重量%であった。
【0030】
製造例2
N−ラウロイル−N−ヒドロキシエチル−β−アラニンNa塩の製造
減圧可能な容器に軟水700g、2−アミノエタノール300gを入れ、氷冷しながらアクリロニトリル278gを2時間かけて滴下し、室温で1時間撹拌した。48重量%水酸化ナトリウム水溶液500gを70〜80℃で1時間かけて滴下し、1時間撹拌した。減圧して脱アンモニア工程を2時間行った。室温まで冷却し、軟水400gを加え、35重量%N−ヒドロキシエチル−β−アラニンNa塩水溶液1970gを得た。
分液ロートに軟水800g、テトラヒドロフラン350g、35重量%N−ヒドロキシエチル−β−アラニンNa塩水溶液820gを入れ、遊離脂肪酸0.2重量%を含むラウリン酸クロライド393gと48重量%水酸化ナトリウム水溶液142gを室温で1時間かけて同時滴下し、1時間撹拌しアシル化した。75重量%硫酸212gを加え、80〜90℃に昇温し、20分間静置し、水層を分液した。油層を減圧してテトラヒドロフランの留去を2時間行った。温軟水1270g、48重量%水酸化ナトリウム水溶液123gを加えて中和した。30重量%N−ラウロイル−N−ヒドロキシエチル−β−アラニンNa塩水溶液1850gを得た。高速液体クロマトグラフィーによる分析では、遊離脂肪酸含量は1.0重量%であった。
【0031】
使用原料
両性界面活性剤
ソフタゾリンCPB(川研ファインケミカル)コカミドプロピルベタイン
ソフタゾリンCH(川研ファインケミカル)ココアンホ酢酸Na
脂肪酸
ルナックL−98(花王)ラウリン酸
ルナックL−55(花王)ヤシ脂肪酸
カチオン性ポリマー
カチナールLC−200(東邦化学工業)ポリクオタニウム−10
JAGUAR C−14S(三晶)カチオン化グアーガム
ノニオン性界面活性剤
アミゼット1PC(川研ファインケミカル)PPG−2コカミド
【0032】
表1記載の配合比率に従って毛髪洗浄剤組成物を調製した。表中の配合比率は純分の重量%を示す。
脂肪酸総含量の計算例を示す。
実施例1
0.6+12/0.3×0.01=1.0
調製した毛髪洗浄剤組成物は下記各種測定法により、性能評価した。性能評価結果を表1に示す。
(性能評価方法)
1.泡質の比較を以下の実験にて評価を行った。
実施例、比較例に記載されている処方を調製し、10倍希釈した液を100mL調製する。
ナショナル製ミキサー(MX−X57)に投入し、30秒間撹拌後、内容液をすべて1000mLのメスシリンダーに移す。
5分間放置後、離水した液を取り除き、泡の容量を測定する。さらに、残った泡の重量を測定し、泡比重を求めた。
泡の重量(g)/泡容量(mL)/1000=泡比重(g/L)
【0033】
2.使用感の測定
・評価方法
日本人女性の毛髪をブリーチ処理し、ダメージ毛を作成した。この毛髪を50g(15〜20cm)束ねた毛束を使用した。
まず、毛束を十分濡らし、2ccの評価溶液で洗浄し洗浄中の指通りを評価した。
さらにすすぎ性の評価として、水道水ですすぎを行いぬめりがなくなる時間を測定した。
評価は専門パネラー10名が官能評価し、以下の基準で判定し、平均値を算出した。
・評価基準(指通りの評価)
5:全く引っかからず指が通せる
4:僅かに引っかかりを感じるが容易に指が通せる
3:引っかかりを感じるが絡まずに指が通せる
2:指に引っかかり髪が絡みやすく、指通りが悪い
1:髪が引っかかり、指が通らない
【0034】
3.すすぎ性の評価
指通りを評価した各サンプルを流速50mL/sに調整した水道水ですすぎ、ぬめりがなくなる時間を測定した。
【0035】
【表1】
【0036】
表1の性能評価に関して、本発明毛髪洗浄剤組成物の範囲内で調製された実施例1〜8は、泡比重の数値が85以上と高く、目的とする「細かい泡質」であることが実証されている。また、専門パネラーによる毛束洗浄の官能評価の際のコメントでは、「泡立ちが早い」という表現が使用されていた。
指通りの評価に関しても、評価結果の数値が4.5以上と高く、目的とする「洗髪時の指通りの良さ」が実証されている。さらに、すすぎ性の評価に関しても、すすぎに要する時間が40秒以下と早く、目的とする「早いすすぎ性」が実証されている。
以上のことから、実施例1〜8の毛髪洗浄剤組成物は、本発明の解決課題である、泡立ちが早い事と細かい泡質の両立、洗髪時は指通りの良さと早いすすぎ性の両立をすべて満たしていることが分かる。
【0037】
一方、比較例1は(A)/(B)が1未満であり、泡が粗く、泡比重が低く、泡立ちが悪かった。比較例2は(A)/(B)が3を超えており、指通りが悪かった。比較例3は(C)/(D)が1未満であり、泡が粗く、すすぎ性も悪い。比較例4は(C)+(D)が3重量%を超えており、指通りが悪かった。比較例5は(A)+(B)が8重量%未満であり、泡立ちが悪く、泡比重も低い。比較例6は(C)+(D)が0.5重量%未満であり、泡が粗く、指通りも悪い。なお、(A)+(B)が23重量%を超える処方、(C)/(D)が10を超える処方は、白濁したために評価を行わなかった。
以上のことから、比較例1〜6の処方は、本発明の解決課題を満たしておらず、実使用には耐えない感触であった。
【0038】
以上の様に本発明は、解決の課題としていた、泡立ちが早い事と細かい泡質の両立、洗髪時は指通りの良さと早いすすぎ性の両立を十分に実現させる毛髪洗浄剤組成物であることが判明した。