【解決手段】トイレ装置10は、便器Bが第1筐体21に収容されたトイレ部20と、便器Bからの汚物を含む汚水を浄化する処理装置100が第2筐体31に収容された処理部30と、トイレ部20および処理装置100とを連結する配管40とを備えている。配管40は、便器Bと便器Bからの汚物を収容する受入槽とを接続する汚物用配管41と、処理槽からの処理水を洗浄水として貯留する洗浄水槽と便器Bとを接続する洗浄水用配管42とを備えている。トイレ部20と処理部30とが配管40により接続されているため、トイレ部20と処理部30とを別々に積載型トラッククレーンにより荷台に搭載可能であり、同じトラックで運搬したり、別々のトラックで運搬したりすることができる。
便器が第1筐体に収容されたトイレ部と、前記便器からの汚物を含む汚水を浄化する処理装置が第2筐体に収容された処理部と、前記トイレ部および前記処理装置とを連結する配管とを備え、
前記処理装置は、前記便器からの汚物を収容する受入槽および前記受入槽からの汚物を浄化する処理槽とを有する槽本体と、前記処理槽からの処理水を洗浄水として貯留する洗浄水槽とを備え、
前記配管は、前記便器と前記受入槽とを接続する汚物用配管と、前記洗浄水槽と前記便器とを接続する洗浄水用配管とを備えたトイレ装置。
前記槽本体は、箱状の筐体の内部空間が隣接した槽同士の壁面を共通させた板材により区画され、前記槽本体の底面を共通させて、前記筐体の壁面と前記板材による壁面との組み合わせにより、それぞれの槽が形成された請求項1記載のトイレ装置。
前記槽のうち多段式槽に形成された槽は、底部に隙間を空けて底部を通過させる第1迂回板と、上部に隙間を空けて上部を通過させる第2迂回板とを十字状に配置することで、4つに区画された請求項2記載のトイレ装置。
前記処理槽は、微生物により汚水を分解する分解槽と、前記分解槽からの処理水から汚物を除去するための沈降槽と、前記沈降槽からの処理水を更に微生物により分解する反応槽とを備え、
前記反応槽を中心として、前記受入槽、前記分解槽および前記沈降槽が並んで、前記反応槽の周囲を囲うように配置され、
前記洗浄水槽が、前記反応槽の下方に配置された請求項1から3のいずれかの項に記載のトイレ装置。
前記配管は、前記トイレ部から前記処理部の前記第2筐体までの外部配管と、前記第2筐体に設けられた設置盤に配置され、前記外部配管と接続する連結管と、前記連結管から前記処理装置までの内部配管とにより形成された請求項1から4のいずれかの項に記載のトイレ装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の移動式水栓トイレでは、複数のコンテナにより分割されていることから、トラックの荷台に分割搭載でき、1台のコンテナ当たりの重量が軽減できることから、積載型トラッククレーンでも搭載可能である。
【0005】
しかし、特許文献1に記載の移動式水栓トイレは、一方のコンテナ本体には一次処理部が配置され、他方のコンテナ本体には二次処理部が配置されているため、男性用トイレ(一方のコンテナ本体)と女性トイレ(他方のコンテナ本体)とを隣接させて配置する場合には、2台のコンテナ本体を隣接した状態で設置することになり、設置面積が大きくなる。
断水状態にある被災地や、屋外のイベント会場などでは、人が行き交う場所に、大きなトイレ装置が設置されていると、通行の邪魔になるおそれがある。
【0006】
そこで本発明は、積載型トラッククレーンでもトラックの荷台に搭載可能であり、トイレの使用者の邪魔になり難いトイレ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のトイレ装置は、便器が第1筐体に収容されたトイレ部と、前記便器からの汚物を含む汚水を浄化する処理装置が第2筐体に収容された処理部と、前記トイレ部および前記処理装置とを連結する配管とを備え、前記処理装置は、前記便器からの汚物を収容する受入槽および前記受入槽からの汚物を浄化する処理槽とを有する槽本体と、前記処理槽からの処理水を洗浄水として貯留する洗浄水槽とを備え、前記配管は、前記便器と前記受入槽とを接続する汚物用配管と、前記洗浄水槽と前記便器とを接続する洗浄水用配管とを備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明のトイレ装置によれば、トイレ部と処理部とが配管により接続されているため、トイレ部と処理部とを別々に積載型トラッククレーンにより荷台に搭載可能であり、同じトラックで運搬したり、別々のトラックで運搬したりすることができる。また、トイレ部から離して処理部を設置することができるため、トイレ部から離れた位置に処理部を設置すれば、処理部は通行人やトイレの使用者などの邪魔にならない。
【0009】
前記槽本体は、箱状の筐体の内部空間が隣接した槽同士の壁面を共通させた板材により区画され、前記槽本体の底面を共通させて、前記筐体の壁面と前記板材による壁面との組み合わせにより、それぞれの槽を形成することができる。
この構成により、槽同士の間を隙間なく配置することができるので、槽本体をコンパクトに形成することができる。
【0010】
前記槽のうち多段式槽に形成された槽は、底部に隙間を空けて底部を通過させる第1迂回板と、上部に隙間を空けて上部を通過させる第2迂回板とを十字状に配置することで、4つに区画されたものとすることができる。
この構成により、各槽を通過させるときに処理水を上下に蛇行しながら、かつ各槽を順番に一周回るように送水することができる。
【0011】
前記処理槽は、微生物により汚水を分解する分解槽と、前記分解槽からの処理水から汚物を除去するための沈降槽と、前記沈降槽からの処理水を更に微生物により分解する反応槽とを備え、前記反応槽を中心として、前記受入槽、前記分解槽および前記沈降槽が並んで、前記反応槽の周囲を囲うように配置され、前記洗浄水槽が、前記反応槽の下方に配置されたものとすることができる。
反応槽を中心に周回するように汚物が処理水となって各槽を周り、最後に中心の反応槽にて処理され、反応槽の下方の洗浄水槽に貯留される。従って、槽全体をまとまりよく配置することができる。
【0012】
前記配管は、前記トイレ部から前記処理部の前記第2筐体までの外部配管と、前記第2筐体に設けられた設置盤に配置され、前記外部配管と接続する連結管と、前記連結管から前記処理装置までの内部配管とにより形成されたものとすることができる。
汚物用配管と洗浄水用配管との第2筐体内における長さが異なっていても、汚物用配管と洗浄水用配管との内部配管の長さにより調整することで、汚物用配管と洗浄水用配管との外部配管の長さは同じ長さとすることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明のトイレ装置によれば、トイレ部と処理部とが配管により接続された別筐体であり、トイレ部から離れた位置に処理部を設置することが可能なため、積載型トラッククレーンでもトラックの荷台に搭載可能であり、トイレの使用者の邪魔になり難い。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施の形態に係るトイレ装置を図面に基づいて説明する。
図1および
図2に示すトイレ装置10は、便器Bが第1筐体21に収容されたトイレ部20と、便器Bからの汚物を含む汚水を浄化する処理装置100が第2筐体31に収容された処理部30と、トイレ部20および処理部30内の処理装置100とを連結する配管40とを備えている。
【0016】
トイレ部20は、男性用トイレと女性用トイレの一対設けられている。トイレ部20の側面には、扉20aが配置されている。また、トイレ部20の背面にはメンテナンス用の扉20bが配置されている。トイレ部20は、外装となる箱状の第1筐体21の内部空間であるトイレ室に、洗浄水を貯水するタンクB1付きの便器Bの他、トイレットペーパーホルダー22、ごみ箱23などの備品と、排泄物やトイレットペーパーをカッターにより粉砕して微細化すると共に、処理装置100まで圧送する排水圧送粉砕ポンプ24が設けられている。
【0017】
図2から
図4に示す処理部30は、背面にメンテナンス用のシャッター30aが配置されている。また、
図2に示すように、処理部30の天面にメンテナンス用の扉30bが2枚配置されている。処理装置100が収容される第2筐体31が、外装となる壁部31a(
図2参照)と、壁部31aを支持するフレーム部31bとから形成されている。
処理装置100は、複数の槽が収容された槽本体101と、槽本体101からの洗浄水をトイレ部20へ供給する洗浄水槽102と、汚物回収槽103と、各ポンプおよび図示しない電磁弁を制御する制御盤104と、制御盤104および各ポンプの電源となる電池(図示せず)とを備えている。
【0018】
図5に示す槽本体101は、便器B(
図2参照)からの汚物を収容する受入槽110と、受入槽110からの汚物を浄化する処理槽120とを備えている。
【0019】
図6および
図7に示すように、受入槽110は、汚物を所定量貯留するものである。受入槽110は、処理槽120での前処理を行うために、貯留された汚物を曝気する送風機111と散気管112とを有する。また、受入槽110は、汚物を処理槽120へ送るポンプ114と汚物が所定量を超えたことを検出するためのフロートスイッチ113を有する。
【0020】
処理槽120は、分解槽121と、沈降槽122と、反応槽124とを備えている。また、本実施の形態における処理槽120では、沈降槽122と反応槽124との間に中間槽123を備えている。
【0021】
分解槽121は、好気槽1211と嫌気槽1212とから構成されている。
好気槽1211は、底部に送風機1211aからの空気を汚物中に放散する散気管1211bが設置されている。また、好気槽1211の底部には、好気性の微生物が着床する担体1211cが設置されている。担体1211cは、木材チップが使用でき、杉や檜を木材チップとしたものが使用できる。檜の木材チップは、殺菌作用を有するため、担体1211cとしては杉の木材チップの方が好ましい。
【0022】
嫌気槽1212には、好気槽1211からの処理水を、底部に隙間を空けて底部を通過させる第1迂回板1212aと、上部に隙間を空けて上部を通過させる第2迂回板1212bとにより4つに区画された多段式槽である。嫌気槽1212の底部には、嫌気性の微生物が着床する担体1212cが設置されている。担体1212cは、好気槽1211と同様に、木材チップが使用できる。
更に、嫌気槽1212には、処理水の上澄みに浮遊する汚物を取り込むために、底部から上層に延び、開口部が処理水の上層に位置する排出管1212dが配置されている。槽外にて集合した排出管1212dには、汚物を汲み出し、汚物回収槽103へ排出する電動バルブ1212eが設けられている。
【0023】
沈降槽122は、第1沈降槽1221と、第2沈降槽1222とが直列に並ぶ多段式(2段式)の沈降槽である。
第1沈降槽1221と第2沈降槽1222とは、底部が漏斗状に形成されており、中央部に、底部に隙間を空けて底部を通過させる迂回板1221a,1222aが配置されている。また、第1沈降槽1221と第2沈降槽1222とには、先細りとなった底部に沈降した汚物を排出するための第1排出管1221b,1222bが配置されている。更に、第1沈降槽1221と第2沈降槽1222とには、処理水の上澄みに浮遊する汚物を取り込むために、底部から上層に延び、開口部が処理水の上層に位置する第2排出管1221c,1222cが配置されている。
第1排出管1221b,1222bと、第2排出管1221c,1222cとには、汚物を汲み出し、汚物回収槽103へ排出する電動バルブ122a,122bが設けられている。
また、第2沈降槽1222には、上層に浮遊する汚物と下層に沈降する汚物とを避けて、中層からの処理水を、中間槽123へ排水するための排出管1222dが配置されている。
【0024】
中間槽123は、沈降槽122からの処理水を一旦貯留するものである。中間槽123は、底面が他の槽(受入槽110,分解槽121,沈降槽122,反応槽124)より浅く形成されていることで、中間槽123の下方に、空間123aが形成されている。
この空間123aは、槽本体101の下方に位置する設備をメンテナンスするためのものである。槽本体101の底面T5に開口部123bを設けることで、作業員が空間123aから底面T5の開口部123bに腕を入れることで、容易に槽本体101の下方の設備をメンテナンスすることができる。
中間槽123には、汲み上げて反応槽124へ送水するポンプ1231と所定水位以上となるとポンプ1231を停止させるための水位センサ1232とを有する。
【0025】
反応槽124は、上部空間に、中間槽123からの処理水を散水する散水管1241が配置されている。この反応槽124は、底部が開放されている。
反応槽124の内部には、微生物を着床させる担体1242が積み重ねられている。担体1242は、分解槽121にて用いた木材チップが使用できる。
【0026】
この担体1242は、複数層により形成されている。本実施の形態では、最上段に位置する担体層1242aのチップサイズは中型サイズに形成され、担体層1242aより下層であり、複数層の担体層1242bのチップサイズは小型サイズに形成されている。
また、担体層1242bの下層に位置する担体層1242cのチップサイズは、担体層1242aと同様に中型サイズに形成されている。更に下層の担体層1242dのチップサイズは、大型サイズに形成されている。
これらの担体1242は、通気性および透水性が確保された板材、例えば、パンチングメタルにより支持される。
本実施の形態では、最下層に位置する担体層1242dに向けて空気を送り込む送気管1242eが設けられている。この送気管1242eの吸入側は、中間槽123の上部空間に配置されている。
【0027】
例えば、小型サイズは、幅が約2〜3mm、長さが約5mmから1cm程度の細長の木片とすることができる。中型サイズは、幅が約5mm〜1cm、長さが約1cm、厚みが約5mm〜1cmのブロック状の木片とすることができる。大型サイズは、幅が約1cm〜2cm、長さが約3cm〜5cm、厚みが約2mm〜1cmのブロック状または板状の木片とすることができる。なお、それぞれのサイズの担体1242には、他のサイズの木片や木皮、木粉などが混在していてもよい。
【0028】
担体1242は、層ごとに圧縮されている。この担体1242への圧縮は、上から圧縮機により圧縮しながら積み上げたり、また、圧縮機が無い場合には製作者が足で踏み均しながら積み上げたりしてもよい。
【0029】
このように構成された槽本体101は、隣接した槽同士の壁面を共通させた板材により箱状の筐体の内部空間が区画され、底面を共通させて、筐体の壁面(側面)と、板材による壁面(区画壁)との組み合わせにより、それぞれの槽が形成されている。
本実施の形態では、槽本体101の筐体を構成する外側の各壁面は、樹脂製の板材を組み立て、直方体状とすることができる。例えば、樹脂製の板材は、FRP(繊維強化プラスチック)製とすることができる。
また、槽本体101は、直方体状の型の周囲にFRPを貼り付け壁面を形成することでも作製することができる。
【0030】
例えば、
図8に示すように、外側の4つの側壁T1〜T4と底面T5とによる内部空間を、それぞれの側壁T1〜T4から、中央部に反応槽124の空間を確保するように、区画壁S1〜S4を配置する。また、区画壁S1と区画壁S3との間に、区画壁S5を配置する。更に、側壁T1と区画壁S4との間に、区画壁S6を配置する。
【0031】
そうすることにより、槽本体101の底面T5を共通させた状態で、受入槽110は、側壁T1,T2と、区画壁S1,S2とにより形成される。
好気槽1211は、側壁T2,T3と、区画壁S2,S3とにより形成される。
嫌気槽1212は、側壁T3,T4と、区画壁S3,S4とにより形成される。そして、嫌気槽1212は、第1迂回板1212aと第2迂回板1212bとを区画壁として、十字状に配置することで、4つに区画される。
【0032】
沈降槽122は、側壁T1,T4と、区画壁S3,S4により形成される。そして、沈降槽122は、区画壁S6により、第1沈降槽1221と第2沈降槽1222とに区画されている。この区画壁S6に迂回板1221aを十字状に配置することで、沈降槽122が4つに区画される。
中間槽123は、側壁T1と、区画壁S1,S3,S5とにより形成される。
そして、反応槽124は、区画壁S1〜S3,S5により形成される。
これの区画壁により区画された状態で、蓋部101a(
図5参照)を被せることで、各槽を閉鎖することができる。
【0033】
図6および
図7に示すように、洗浄水槽102は、反応槽124の下方に位置する上面が開口した貯水槽である。洗浄水槽102は、洗浄水を汲み上げトイレ部20へ圧送するポンプ1021を有する。また、洗浄水槽102は、所定水位を超えると溢れた洗浄水を外部へ排出する排出管1022を有する。
ポンプ1021により汲み上げられた洗浄水がトイレ部20へ送水される配管には、男性用および女性用のそれぞれに、電動バルブ1023,1024が配置されている。
【0034】
汚物回収槽103は、嫌気槽1212および沈降槽122からの汚物を溜めることができる。汚物回収槽103は、汚物を汲み上げ、受入槽110へ戻すためのポンプ1031を有する。
【0035】
図3に示す制御盤104は、各センサからの検知情報に応じてポンプおよび電動バルブを作動、開放させたり、停止、閉鎖させたりする機能を有する。
電池105は、外部から電源が得られないときに、制御盤104や各ポンプ、各電動バルブを駆動するものである。トイレ装置10(
図2参照)が太陽電池発電装置を備えていれば、太陽電池発電装置からの電力を電池105にて蓄えることで、停電状態の被災地などでも、トイレ装置10を稼働させることができる。
【0036】
次に、配管40について説明する。配管40は、軟質のホースとすることができる。配管40は、タンクB1付きの便器Bに接続された排水圧送粉砕ポンプ24と、受入槽110とを接続する汚物用配管41と、洗浄水槽102とタンクB1付きの便器Bとを接続する洗浄水用配管42とを備えている。
【0037】
図2および
図9に示す汚物用配管41および洗浄水用配管42は、トイレ部20から処理部30の第2筐体31までの外部配管43と、第2筐体31に設けられた設置盤44に配置され、外部配管43と接続する連結管45と、連結管45から処理装置100までの内部配管46とにより形成されている。
【0038】
以上のように構成された本発明の実施の形態に係るトイレ装置10の動作および使用状態を図面に基づいて説明する。
まず、
図1および
図2に示すトイレ装置10を輸送するときには、配管40が接続されていない状態で、男性用および女性用の一組のトイレ部20と処理部30とを別々に運搬することができる。また、荷台が一組のトイレ部20と処理部30との両方を荷積みすることが可能な大きさを有していれば、一緒に運搬することも可能である。
【0039】
このとき、便器Bが配置されたトイレ部20と、処理装置100を備えた処理部30とが分離した状態であるため、積載型トラッククレーンでも搭載可能である。
そして、トイレ装置10の設置場所まで移動すると、トイレ部20と処理部30とを設置するが、トイレ部20は便器Bを備えるだけの小型な大きさであるため、男性用のトイレ部20と女性用のトイレ部20とを並べて配置しても、通行人などの邪魔になることはない。また処理部30は、配管40により接続されているため、配管40を地中に埋設すれば、トイレ部20から離れた位置に処理部30を設置すれば、処理部30は通行人やトイレの使用者などの邪魔にならない。
【0040】
従って、トイレ装置10は、積載型トラッククレーンでもトラックの荷台に搭載可能であり、トイレの使用者の邪魔になり難くすることができる。
【0041】
本実施の形態では、男性用のトイレ部20と女性用のトイレ部20とを別々に1台ずつ備えているが、トイレ部20と、処理装置100を備えた処理部30とは配管40により接続されているため、1台のトイレ部20とすることができ、イベント会場であればイベントの規模に応じて、被災地であれば被災者の数に応じてトイレ部20を3台以上としたりすることができる。この場合、トイレ部20に使用に関して、男女の使用を分けたり、男女共用としたりすることができる。
【0042】
図2および
図7に示すように、使用者がトイレ部20の便器Bにて排泄を済ませ、便器Bから排泄物とトイレットペーパーとによる汚物を洗浄水により押し流すと、排水圧送粉砕ポンプ24により粉砕され、配管40の汚物用配管41を通じて、受入槽110へ圧送される。
受入槽110では、排泄物とトイレットペーパーとよる汚物が送風機111からの送風により散気管112から泡が放出され、汚物が十分に空気を含んだ状態となり、ポンプ114に汲み上げられ分解槽121へ送られる。
【0043】
分解槽121では、汚物はまず好気槽1211へ送られる。好気槽1211では、底部から散気管1211bにより放出される空気により担体1211cに好気性の微生物が着床して、好気槽1211内の汚物を分解処理する。そして、汚物は、自然流下により次の嫌気槽1212へ移動する。嫌気槽1212では、第1迂回板1212aと第2迂回板1212bとにより処理水を上下に蛇行するように通過させるときに、底部の担体1212cに着床した嫌気性の微生物により汚物が分解処理される。
【0044】
好気槽1211と嫌気槽1212とにより分解処理された処理水は、嫌気槽1212から自然流下により沈降槽122へ移動する。また、水分より比重が軽く、分解槽121で分解されなかった残留物が処理水に浮遊するので、排出管1212dにより残留物が汚物回収槽103に回収される。
【0045】
沈降槽122では、分解槽121にて分解処理されなかった残留物が沈降して底部に堆積する。また、沈降槽122では、水分より比重が軽い残留物が処理水に浮遊する。
これらの堆積物や残留物などの汚物が、第1排出管1221b、第2排出管1221cと、第1排水管1222b、第2排出管1222cとを通じて汚物回収槽103に回収される。
【0046】
沈降槽122から自然流下により中間槽123に流れた処理水は、一旦、貯留される。 そして、所定水位まで貯留された処理水は、ポンプ1231に反応槽124へ送られる。
反応槽124では、上部で散水管1241により散水される。処理水は、担体1242の上方から散水されて浸透するが、上層の担体層1242aのチップサイズは、下層側の小型サイズの担体層1242bよりサイズが大きい中型サイズである。そのため、汚物が残留した処理水であっても、汚物が上層の担体層1242aの間隙に浸透しやすい。
【0047】
従って、担体層1242aに浸透した処理水に含まれる汚物は、木片の間隙に浸透することで木片により分断されるので、汚物が担体層1242aの表層に堆積して膜となって固まることが防止でき、処理水を下層側へ浸透させることができる。
【0048】
担体1242には、好気性の微生物が着床しており、送気管1242eから空気が放散されるので、空気が担体層1242dから上層に行き渡るため、微生物による分解処理が促進される。従って、担体1242を浸透する処理水に含まれる汚物は、分解処理され、浄化される。また、送気管1242eから放散される空気の臭いは、担体1242により浄化される。
【0049】
反応槽124により浄化された処理水は、洗浄水となって洗浄水槽102に滴下する。そして、洗浄水槽102に滴下して溜まった洗浄水は、ポンプ1021および電動バルブ1023,1024により、配管40の洗浄水用配管42を通じてトイレ部20へ送られる。
【0050】
このようにトイレ部20と処理部30とが分離して離れた位置に設置されていても、トイレ部20からの汚物を処理部30により浄化して、処理水としてトイレ部20へ戻し、再利用することができる。
【0051】
また、本実施の形態では、処理装置100は、
図8に示すように、側壁T1〜T4と底面T5の内部空間が、隣接した槽同士の壁面を共通させた区画壁S1〜S4により区画され、底面T5を共通させて側壁T1〜T4と区画壁S1〜S5とを組みわせて、それぞれの槽が形成されている。そのため、槽同士の間を隙間なく配置することができるので、槽本体101をコンパクトに形成することができる。
【0052】
槽本体101は、反応槽124を中心として、受入槽110、分解槽121、沈降槽122および中間槽123が並んで、反応槽124の周囲を囲うように配置されており、洗浄水槽102は、反応槽124の下方に配置されている。従って、反応槽124を中心に周回するように汚物が処理水となって各槽を周り、最後に中心の反応槽124にて処理され、反応槽124の下方の洗浄水槽102に貯留されるので、処理部30を左右方向に拡がるような大きさとなったり、奥行きが長くなるような大きさとなったりすることなく、槽全体をまとまりよく配置することができる。また、処理水の移動を短くすることができる。
【0053】
図2に示す外部配管43が、トイレ部20から、
図9に示す第2筐体31の設置盤44に設けられた連結管45に接続され、連結管45から処理装置100までは、内部配管46により接続されている。従って、第2筐体31内における汚物用配管41と洗浄水用配管42の長さが異なっていても、内部配管46の長さを調整することで、汚物用配管41と洗浄水用配管42との外部配管43の長さは同じ長さとすることができる。よって、汚物用配管41と洗浄水用配管42との外部配管43を同じ2本のホースとすることができるため、取り違いが防止でき、配管40を地中に埋設する際にも汚物用配管41と洗浄水用配管42とが同じ長さであるため施工が容易である。
【0054】
特に、本実施の形態では、受入槽110は槽本体101内に配置されるため高い位置にあり、洗浄水槽102は槽本体101の下方にあるため低い位置にある。従って、連結管45からの距離が異なり、汚物用配管41と洗浄水用配管42との全長は異なる長さとなるが、内部配管46により異なる長さを吸収することができるため、外部配管43の長さを合わせることができる。
【0055】
図8に示す嫌気槽1212は、好気槽1211からの処理水を、底部に隙間を空けて底部を通過させる第1迂回板1212aと、上部に隙間を空けて上部を通過させる第2迂回板1212bとを十字状に配置することにより4つに区画されている。
また、沈降槽122は、底部に隙間を空けて底部を通過させる迂回板1221aを第1迂回板とし、第1沈降槽1221と第2沈降槽1222との境界である区画壁S6であり、上部に隙間を空けて上部を通過させる区画壁S6を第2迂回板として、迂回板1221aと区画壁S6とを十字状に配置することにより4つに区画されている。
【0056】
このように一つの槽を4つに区画するときに第1迂回板および第2迂回板を十字状に配置することで、各槽を通過させるときに処理水を上下に蛇行しながら、かつ各槽を順番に一周回るように送水することができる。
【0057】
なお、本実施の形態では、
図7に示す便器Bに排水圧送粉砕ポンプ24が設けられており、泄物やトイレットペーパーなどの汚物をカッターにより粉砕して微細化していたが、処理部30にて便器Bからの汚物を十分に分解できるのであれば、粉砕機能がない圧送ポンプとすることができる。また、便器Bにて流される洗浄水の勢いで便器Bから受入槽110まで汚物を送ることができれば、圧送ポンプも省略することができる。
【0058】
また、洗浄水槽102からの洗浄水は、ポンプ1021により汲み出され、電動バルブ1023,1024により男性用のトイレ部20と女性用のトイレ部20に各々送水されているがポンプ1021を2個配置すれば、電動バルブ1023,1024は省略することも可能である。